JPH08137126A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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JPH08137126A
JPH08137126A JP6298016A JP29801694A JPH08137126A JP H08137126 A JPH08137126 A JP H08137126A JP 6298016 A JP6298016 A JP 6298016A JP 29801694 A JP29801694 A JP 29801694A JP H08137126 A JPH08137126 A JP H08137126A
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ethanol
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非常に安定な環境特性と良好な流動性及び転
写性を有し、あらゆる環境で安定した高品位な画像を得
ることができる電子写真用トナーを提供することにあ
る。 【構成】 エタノールを用いた微粉体の疎水化度測定方
法において、微粉体の沈降開始時点のエタノール濃度A
(%)と微粉体の沈降終了時点のエタノール濃度B
(%)が、 A≧10 30≦B≦90 0≦B−A≦15 となるように疎水化処理を施した平均粒径0.01〜
0.1μmの無機微粉体を有する電子写真用トナーであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法あるいは静
電印刷法などにおいて、電気的潜像または磁気的潜像を
現像するために用いられるトナーに関し、とりわけ画質
および環境安定性を著しく改良した電子写真用トナーに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法において、静電潜像を
トナーを用いて現像する方法としては大別して、トナー
をキャリアと呼ばれる媒体に少量分散させたいわゆる二
成分系現像剤を用いる方法と、キャリアを用いることな
くトナー単独使用のいわゆる一成分系現像剤を用いる方
法とがある。
【0003】電子写真法は、セレン,酸化亜鉛,酸化カ
ドミウムの如き無機光導電性材料、又はアントラセン,
ポリビニルカルガゾールの如き有機光導電性材料を、必
要に応じて着色剤樹脂中に含有せしめた光導電層又は感
光板に静電潜像を形成せしめ、これを上記現像剤により
現像した後、紙又はシートに転写し、ついで溶剤、熱、
圧力又は熱・圧により定着するものである。
【0004】近年、複写機等においてモノカラー複写か
らフルカラー複写への展開が急速に進みつつあり、2色
カラー複写機やフルカラー複写機の検討及び実用化も大
きくなされている。例えば「電子写真学会誌」Vol
22、NO.1(1983)や「電子写真学会誌」Vo
l 25、NO.1、P52(1986)のごとく色再
現性、階調再現性の報告もある。
【0005】しかしテレビ、写真、カラー印刷物のよう
に実物とただちに対比されることはなく、また、実物よ
りも美しく加工されたカラー画像を見慣れた人々にとっ
ては、現在実用化されているフルカラー電子写真画像は
必ずしも満足しうるものとはなっていない。
【0006】フルカラー電子写真法によるカラー画像形
成は一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの
3色のカラートナーを用いてすべての色の再現を行うも
のである。
【0007】その方法は、まず原稿からの光をトナーの
色と補色の関係にある色分解光透過フィルターを通して
光導電性層上に静電潜像を形成させ、ついで現像、転写
工程を経てトナーを支持体に保持させる。この工程を順
次複数回行い、レジストレーションを合わせつつ、同一
支持体にトナーを重ねあわせた像、一回の定着によって
最終のフルカラー画像を得る。
【0008】一般に二成分系の現像方式の場合において
現像剤は、キャリアとの摩擦によってトナーを所要の帯
電量及び帯電極性に帯電せしめ、静電引力を利用して静
電像を現像するものであり、従って良好な可視画像を得
るためには、主としてキャリアとの関係によって定まる
トナーの摩擦帯電性、トナーの流動性が良好であること
が必要である。
【0009】今日上記のような問題に対してキャリアコ
ア材、キャリアコート材の探索やコート量の最適化、あ
るいはトナーに加える電荷制御剤、流動性付与剤の検
討、さらには母体となるバインダーの改良などいずれも
現像剤を構成する材料において優れた摩擦帯電性を達成
すべく多くの研究がなされている。
【0010】そして一般的には、トナーに流動性を付与
したり、クリーニング性を向上させたり、トナーに電荷
を付与するためにシリカ,酸化チタンや酸化アルミナ等
の無機微粉末を添加して使用することが知られている。
【0011】しかし、これらの無機微粉末は親水性であ
り、その結果トナーの流動性や摩擦帯電性に湿度が大き
く影響する。このような環境条件の影響を防ぐため、こ
れらの無機微粉体の表面を疎水化剤を用いて表面処理し
たものを添加してトナーとし、複写機等の現像装置に適
用するのが普通である(USP第3,720,617
号、特公昭54−20344号公報)。
【0012】電子写真用トナーに用いる無機微粉体に対
して要求される特性は種々あるが、特に重要な特性とし
て流動性,帯電性,環境安定性,疎水化処理の均一性,
耐久性などを挙げることができる。
【0013】上記諸要求特性を考慮すると従来使用され
てきた無機微粉体は、湿度の影響を受けやすく、特に高
湿環境下におけるトナー帯電量の著しい低下が発生し、
トナー帯電量の安定性,環境安定性,耐久性について完
全なものは今のところ知られていない。
【0014】前記の問題点を改善するために、例えば特
開平4−214568号公報には無機微粉体の疎水化度
について提案されているが、無機微粉体のメタノール法
による疎水化度測定において、無機微粉体の沈降開始時
の疎水化度だけを規定しているため、微粉体の疎水化特
性を把握するための指標にはなり得ない。また、粒子全
体の疎水化処理が不十分であるため、特に環境安定性,
高湿環境下における帯電特性の改善は達成されていな
い。
【0015】さらに、該無機微粉体の平均粒径が0.1
〜10μmであり、トナーの流動性付与の点から好まし
くない。
【0016】また、疎水化剤としてアルキル基の炭素数
6〜8のアルキルトリアルコキシシランで疎水化処理す
ることが提案されている(特公平3−39307号公
報)。しかし、これらの疎水化剤だけでは、十分なトナ
ー帯電量は得られず、また、高湿環境での帯電特性の改
良は達成されていない。
【0017】このように、電子写真用トナーに対して十
分な帯電性,環境安定性,耐久性を持たせるためには、
未だ満足のゆく無機微粉体がないのが現状である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決した電子写真用トナーを提案するこ
とにある。
【0019】すなわち、本発明の目的は、温湿度等の環
境に左右されにくく、安定した摩擦帯電性を有し、あら
ゆる環境で安定した画質を得ることができる電子写真用
トナーを提供するものである。
【0020】さらに、本発明の目的は、カブリの無い鮮
明な画像特性を有し、画像濃度が高く、細線再現性,ハ
イライト部に階調性の優れ、転写性が良好であり、且つ
耐久安定性に優れた電子写真用トナーを提供するもので
ある。
【0021】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者等は、
前記従来の諸問題を改善すべく、特にカラー画像形成方
法の画像濃度,ハイライト再現性,細線再現性,多数枚
コピー時の耐久性,環境安定性について鋭意検討した結
果、特定の疎水化度,疎水化度分布の幅を有するように
無機微粉体を疎水化処理することにより、非常に安定な
環境特性が達成され、特に高湿環境下における良好な帯
電性が得られるとともに、極めて良好な流動性,転写性
が確保でき、高精細なカラー画像が得られることを見出
したのである。
【0022】すなわち本発明は、エタノールを用いた微
粉体の疎水化度測定方法において、微粉体の沈降開始時
点のエタノール濃度A(%)と微粉体の沈降終了時点の
エタノール濃度B(%)が、 A≧10 30≦B≦90 0≦B−A≦15 となるように疎水化処理を施した平均粒径0.01〜
0.1μmの無機微粉体を有する電子写真用トナーに係
るものである。
【0023】本発明者等は、特に電子写真用トナーの環
境安定性,高湿環境下における帯電特性の改善について
鋭意検討した結果、単に疎水化度が高いだけではなく、
疎水化度分布の幅が狭くシャープとなるように極めて均
一に疎水化処理した無機微粉体を使用することにより、
環境安定性が高く、トナーの帯電均一性が極めて高く、
高湿環境下においても帯電量の高いトナーが得られるこ
とを見出したのである。
【0024】微粉体のメタノールまたはエタノールの滴
定量から求める疎水化度測定方法としては、所定量の水
に所定量の微粉体を添加し、微粉体の全量が湿潤される
まで撹拌しながらメタノールまたはエタノールを滴定す
る。微粉体の全量が液体中に懸濁した際のメタノールお
よび水の液状混合物中のメタノールの百分率として微粉
体の疎水化度を表わすことが一般的に使われている。こ
の方法は、微粉体の疎水性を簡易的に把握する手段とし
ては優れているが、微粉体の全量が水−メタノールの混
合液に湿潤した際のメタノール濃度だけを判断基準にし
ているため、粒子一つ一つの疎水性,微粉体の疎水化度
の分布、疎水化度分布の幅という観点から微粉体の特性
を判断する物性としては不適切であった。このため、従
来の疎水化度は、特に高湿環境下における微粉体あるい
は電子写真用トナーの特性を十分に知り得る物性値では
なかった。
【0025】疎水化度分布を有する無機微粉体について
特開平4−204750号公報が提案されているが、疎
水化度分布の幅が非常に広いため、特にトナー帯電の均
一性,高湿環境における帯電特性の改良は達成されてい
ない。また、ぬれ性5%以上の無機微粉体の疎水化度分
布を規定しているため、疎水化処理が不十分な粒子の特
性は把握できない。実際にカブリやトナー飛散などの問
題を引き起すのは、これらの疎水化処理が不十分な粒子
である。
【0026】本発明において、微粉体の沈降開始時点の
エタノール濃度Aは、測定微粉体中で疎水化処理程度の
最も低い粒子の疎水化度を表わす。Aは10%より大き
いことが好ましく、20%より大きいことがより好まし
い。Aが10%より小さい場合には疎水化処理が不十分
な無機微粉体が存在するため、トナーの均一帯電が阻害
され、カブリやトナー飛散が問題となる。
【0027】微粉体の沈降終了時点のエタノール濃度B
は測定微粉体の疎水化度を表わす。Bは30%〜90%
の範囲が好ましく、40%〜90%の範囲がより好まし
い。Bが30%より小さい場合には疎水化処理が不十分
であり、帯電量の低下、特に高湿環境下で帯電量が著し
く低下し、トナー飛散,カブリ,画質劣化などが問題と
なる。また、Bが90%より大きい場合には無機微粉体
自身の帯電コントロールが困難となり、結果として低湿
環境下でトナー帯電量がチャージアップしてしまう。ま
た、疎水化処理後の粒子合一が発生し、トナー流動性が
著しく低下する。
【0028】微粉体の沈降開始時点のエタノール濃度A
と沈降終了時点のエタノール濃度Bの差:B−Aは、測
定微粉体の疎水化処理の均一性,疎水化処理の分布幅を
表わし、この数値が小さいものほど、均一に疎水化処理
が施されており、疎水化度分布がシャープであることを
示す。
【0029】B−Aの値は0〜15%の範囲が好まし
く、0〜10%の範囲がより好ましい。B−Aが15%
より大きい場合には、疎水化度分布の幅が大きく、ま
た、疎水化処理の均一性,疎水化度分布のシャープ性に
欠けるため、トナーの均一帯電が不可能となり、カブリ
やトナー飛散が発生する。特に高湿環境下での放置によ
って帯電量が著しく低下した際に、カブリやトナー飛散
が著しく問題となる。
【0030】本発明において、疎水化剤を用いて無機微
粉体を特定の疎水化度,疎水化度分布の幅を有するよう
に疎水化処理を行うには以下のような方法があるが、本
発明は特にこれらの方法に制約されるものではない。
【0031】例えば湿式法による疎水化処理方法として
は、まず所定量の無機微粉体を水系中で十分に混合撹拌
しながら、所定量の疎水化剤またはその希釈液またはそ
の混合液を添加し、粒子が合一しないよう混合撹拌を行
う。そしてさらに所定量の疎水化剤またはその希釈液ま
たはその混合液を添加し、十分に混合撹拌を行った後、
乾燥,解砕する。このように無機微粉体に対して、疎水
化剤を段階的に加えることによって均一に疎水化処理が
施されるため、本発明の特定な疎水化度を付与すること
ができる。
【0032】また、乾式法による疎水化処理方法例とし
ては、まず所定量の無機微粉体をブレンダーなどの装置
によって撹拌しながら、所定量の疎水化剤またはその希
釈液またはその混合液を滴下またはスプレーなどによっ
て加え十分に混合撹拌する。その後、さらに所定量の疎
水化剤または希釈液またはその混合液を加え、十分に混
合撹拌する。次に得られた混合物を加熱し乾燥させる。
その後、ブレンダーなどの装置によって撹拌して解砕す
る。
【0033】また、シャープな粒度分布を有する無機微
粉体を疎水化処理することによっても、本発明の特定な
疎水化度,疎水化度分布の幅を有する無機微粉体を得る
ことができる。すなわち、粒度分布がシャープな無機微
粉体であるから、その表面性は均一であり、これを疎水
化処理した場合には、粒子一つ一つの疎水化処理は同程
度に行なわれる。これによって均一に疎水化処理され
た、疎水化度分布のシャープな無機微粉体が得られる。
【0034】更に、2種類以上の疎水化剤で疎水化処理
を施すことによっても、本発明の特定な疎水化度を有す
る無機微粉体を得ることができる。例えばn−C49
Si−(OCH33とC1225−Si−(OCH33
ように2種類のカップリング剤を混合して疎水化剤と
し、これによって疎水化処理をした場合には、該無機微
粉体はまず炭素数の少ない疎水化剤と粒子表面の水酸基
が反応する。次に粒子表面の未反応水酸基と炭素数の多
い疎水化剤とが反応することによって無機微粉体は均一
に、且つ疎水化度分布がシャープに疎水化処理が施され
る。
【0035】本発明において、疎水化剤としては、シラ
ン系,チタネート系,アルミニウム系,ジルコアルミネ
ート系などの各種のカップリング剤など公知のものがす
べて使用可能である。
【0036】具体的に例えばシランカップリング剤とし
ては、一般式 RmSiYn R:アルコキシ基 m:1〜3の整数 Y:アルキル基,ビニル基,フェニル基,メタアクリル
基,アミノ基,エポキシ基,メルカプト基又はこれらの
誘導体 n:1〜3の整数 で表されるものが好ましく、例えばビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキ
シプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オ
クタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができ
る。
【0037】その処理量は、無機微粉体100重量部に
対して、好ましくは1〜60重量部、より好ましくは3
〜50重量部である。
【0038】本発明において特に好適なのは、一般式 Cn2n+1−Si−(OCm2m+13 n=4〜12 m=1〜3 で示されるカップリング剤である。ここで、一般式にお
けるnが4より小さいと、処理は容易となるが疎水化度
が十分に達成できない。また、nが13より大きいと、
疎水性が十分になるが、無機微粉体同士の合一が多くな
り、流動性付与能が低下してしまう。また、mは3より
大きいと、反応性が低下して疎水化が十分に行われなく
なってしまう。従って、本発明において、nは4〜1
2、好ましくは4〜8、mは1〜3、好ましくは1〜2
が良い。
【0039】その処理量は、無機微粉体100重量部に
対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは3
〜40重量部が良い。
【0040】また、疎水化処理は疎水化剤単独で行って
も良いし、2種類以上の疎水化剤を使用しても良い。例
えば1種類のカップリング剤単独で疎水化処理を行って
も良いし、2種類のカップリング剤で同時に、またはカ
ップリング剤での疎水化処理を行った後、別のカップリ
ング剤で更に疎水化処理を行っても良い。なお、疎水化
剤の使用方法,疎水化剤の添加方法に特に制約はない。
【0041】本発明の無機微粉体としては、酸化チタ
ン、酸化アルミナ、シリカ、ケイ酸アルミニウム,ケイ
酸ナトリウム,ケイ酸カリウム,ケイ酸マグネシウム,
ケイ酸亜鉛などのケイ酸塩、アルミナ炭酸カルシウム、
チタン酸バリウム、酸化亜鉛などを単独または混合して
使用できる。また、いずれの無機微粉体もその製造方法
などは、特に制約されるものではない。
【0042】また、無機微粉体の平均粒径は、トナーの
流動性付与の点から0.01〜0.1μmであることが
望ましい。平均粒径が0.01μmより小さい場合に
は、トナー表面に埋め込まれ易くトナー劣化が早く生じ
てしまい、耐久性が低下し問題となる。また、平均粒径
が0.1μmを超える場合には、トナーの流動性が著し
く低下するために帯電が不均一となり、その結果として
画質の劣化,トナー飛散,カブリが生じ問題となる。な
お、本発明の無機微粉体の粒径は透過型電子顕微鏡によ
り測定した。
【0043】また、本発明において無機微粉体の含有量
は0.1〜5重量%が適当である。含有量が0.1重量
%よりも少ない場合にはトナーの高い流動性が得られに
くく、含有量が5重量%を超える場合にはトナーの流動
性が高過ぎるために逆に均一な帯電が阻害される。
【0044】次にトナーの粒度分布について説明する。
【0045】本発明者らは、現像剤の画像濃度,ハイラ
イト再現性,細線再現性等について鋭意検討した結果、
トナーの重量平均粒径が3〜7μmにある時、感光体上
の潜像に対して忠実に現像可能であることと、また、4
μm以下の粒子の量が特にハイライト再現性向上に大き
く寄与することを見い出した。
【0046】すなわち、トナーの重量平均粒径が7μm
より大きい時は基本的に高画質化に寄与し得る微粒子が
少ないことを意味し、確かに高い画像濃度が得られ易
く、トナーの流動性に優れる等のメリットもあるもの
の、ドラム上微細な潜像上には忠実に付着しづらく、ハ
イライト再現性に乏しく、さらに充分な解像性も得られ
なくなってしまう。また、必要以上の現像、すなわちト
ナーの乗りすぎが起こり、トナー消費量の増大を招きや
すい傾向にもある。
【0047】逆にトナーの重量平均粒径が3μmより小
さい時にはトナーの単位重量あたりの帯電量が極端に高
くなることを意味し、濃度薄、特に低温低湿下での画像
濃度薄が顕著となる。これでは、グラフィック画像など
の画像面積比率の高い用途には不向きである。
【0048】さらに3μmより小さい時には、キャリア
との接触帯電がスムーズに行なわれず、充分に帯電し得
ないトナーが増大し、非画像部への飛び散り、すなわち
カブリが目立つ様になる。これに対処すべくキャリアの
比表面積を稼ぐべくキャリアの小径化が考えられるが、
重量平均径が3μm未満のトナーでは、トナー自己凝集
も起こり易く、キャリアとの均一混合が短時間では達成
されず、トナーの連続補給耐久においては、どうしても
カブリトナーが生じてしまう傾向にある。
【0049】よって本発明においては、トナーの重量平
均粒径は3〜7μmが好ましい。
【0050】また本発明のトナーは、これまで述べてき
たことを基に4μm以下の粒径のトナー粒子を全粒子数
の10〜70個数%、好ましくは15〜60個数%とす
る。4μm以下の粒径のトナー粒子が10個数%未満で
あると、高画質のために必須な成分である微小のトナー
粒子が少ないことを意味し、特に、コピー又はプリント
アウトを続けることによってトナーが連続的に使われる
に従い、有効なトナー粒子成分が減少して、本発明で示
すトナーの粒度分布のバランスが悪化し、画質がしだい
に低下する傾向を示す。
【0051】また4μm以下の粒径のトナー粒子が70
個数%を超えると、トナー粒子相互の凝集状態が生じ易
く、本来の粒径以上のトナー塊としてふるまうことも多
くなり、その結果、荒れた画像となったり、解像性を低
下させたり、又は潜像のエッジ部と内部との濃度差が大
きくなり、中抜け気味の画像となり易く、好ましくな
い。
【0052】また8μm以上の粒子が2〜20体積%で
あることが良く、好ましくは3.0〜18.0体積%が
良い。20体積%より多いと画質が悪化するとともに、
必要以上の現像、すなわちトナーの乗り過ぎが起こり、
トナー消費量の増大を招く。一方、2体積%未満である
と、トナー処方をどんなに工夫しても流動性の低下によ
り、画像性が低下する恐れがある。
【0053】さらに本発明の効果をより一層向上させる
ために、トナーの帯電性,流動性を向上させる目的で、
5.04μm以下の粒子が40個数%より大きく90個
数%以下、好ましくは、40個数%より大きく80個数
%以下、また10.08μm以上の粒子が、0〜6体積
%、好ましくは0〜4体積%とすることが必要である。
【0054】特に本発明のごとき微粒子トナーを使いこ
なすためには、流動性の向上と帯電の安定化が大きなポ
イントであり、そのどちらかが欠けていても決して良好
な画像は望めない。
【0055】それゆえ、上記のごとき粒度分布を有する
微粒子トナーのポテンシャルを最大限に引き出し、高解
像度,高階調を達成するためには、前述のごとき流動性
付与能の大きな表面処理微粉体を外添して用いることが
必須であり、両者の組み合わせによってはじめて良好な
画像が得られる。
【0056】またトナーの微粒子化によってトナー1個
当たりの有する電荷は小さくなり、一般にトナー飛散し
やすくなる傾向を示すが、本発明の微粉体は帯電付与能
も高く、流動性向上と帯電安定化の両立が図れる。これ
は、他の外添剤では決して達成し得なかったことであ
る。
【0057】さらに本発明においては、トナーの凝集度
が2〜25%(好ましくは2〜20%、より好ましくは
2〜15%)であることが良い。
【0058】凝集度が25%を超える場合は、トナーホ
ッパーから現像器へのトナーの搬送性の低下、トナーと
キャリアとの混合不良、さらにはトナーの帯電不良等の
問題が発生しやすい。したがって、トナーを細かくし、
トナーの着色力を適正化しても、高品位な画質が得られ
にくい。
【0059】本発明トナーの着色剤含有樹脂粒子に使用
する結着物質としては、従来電子写真用トナー結着樹脂
として知られる各種の材料樹脂が用いられる。
【0060】例えば、ポリスチレン、スチレン・ブタジ
エン共重合体、スチレン・アクリル共重合体等のスチレ
ン系共重合体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体のような
エチレン系共重合体、フェノール系樹脂、エポキシ系樹
脂、アクリルフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、マレイン酸系樹脂等である。また、いずれ
の樹脂もその製造方法等は特に制約されるものではな
い。
【0061】これらの樹脂の中で、特に負帯電能の高い
ポリエステル系樹脂を用いた場合本発明の効果は絶大で
ある。すなわち、ポリエステル系樹脂は、定着性にすぐ
れ、カラートナーに適している反面、負帯電能が強く帯
電が過大になりやすいが、本発明の構成にポリエステル
樹脂を用いると弊害は改善され、優れたトナーが得られ
る。
【0062】特に、次式
【0063】
【化1】
【0064】(式中Rはエチレンまたはプロピレン基で
あり、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+
yの平均値は2〜10である。)で代表されるビスフェ
ノール誘導体もしくは置換体をジオール成分とし、2価
以上のカルボン酸またはその酸無水物またはその低級ア
ルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えばフマ
ル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフ
タル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など)とを共
縮重合したポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有
するのでより好ましい。
【0065】本発明に使用される着色剤としては、非磁
性トナーとしては公知の染顔料、例えばフタロシアニン
ブルー、インダスレンブルー、ピーコックブルー、パー
マネントレッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、ハ
ンザイエロー、パーマネントイエロー、ベンジジンイエ
ロー等を使用することができる。その含有量としては、
OHP用フィルムの透過性に対し敏感に反映するため
に、結着樹脂100重量部に対して12重量部以下であ
り、好ましくは0.5〜9重量部である。
【0066】また、本発明のトナーは、負帯電性、正帯
電性を限定するものではないが、負帯電性トナーをつく
る場合は、特に負荷電特性を安定化させる目的で荷電制
御剤を添加することが好ましい。負荷電制御剤としては
例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体(例えば、ジ
−ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体又は亜鉛
錯体)の如き有機金属錯体が挙げられる。
【0067】正帯電性のトナーをつくる場合には、正帯
電性を示す荷電制御剤として、ニグロシンやトリフェニ
ルメタン系化合物、ローダミン系染料、ポリビニルピリ
ジンなどを用いてもかまわない。また、カラートナーを
つくる場合においては、トナーの色調に影響を与えない
無色又は淡色の正荷電制御剤を用いることが望ましい。
【0068】本発明のトナーには必要に応じてトナーの
特性を損ねない範囲で添加剤を混合しても良い。そのよ
うな添加剤としては、例えば有機樹脂粒子、金属酸化物
の如きの帯電助剤、あるいはテフロン、ステアリン酸亜
鉛、ポリフッ化ビニリデンの如き滑剤、あるいは定着助
剤(例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピ
レンなど)が挙げられる。
【0069】本発明の着色剤含有樹脂粒子およびトナー
の製造にあたっては、熱ロール、ニーダー、エクストル
ーダーの如き熱混練機によって構成材料を良く混練した
後、機械的に粉砕し、粉砕粉を分級してトナーを得る方
法;結着樹脂溶液中に着色剤の如き材料を分散した後、
噴霧乾燥することにより得る方法;結着樹脂を構成すべ
き重合性単量体に所定材料を混合して単量体組成物を
得、この組成物の乳化懸濁液を重合させることによりト
ナーを得る懸濁重合によるトナー製造法が応用できる。
【0070】本発明のトナーを二成分現像剤として用い
る場合、使用されるキャリアとしては、例えば表面酸化
または未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マ
ンガン、クロム、希土類等の金属およびそれらの合金ま
たは酸化物及びフェライトなどが使用できる。また、そ
の製造方法として特別な制約はない。
【0071】また、上記キャリアの表面を樹脂等で被覆
する方法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もし
くは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着せしめる方法、
単に粉体で混合する方法等、従来公知の方法がいずれも
適用できる。
【0072】キャリア表面への固着物質としてはトナー
材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレ
ン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ
化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジ
ターシャーリーブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチ
ラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性
染料及びそのレーキ、シリカ微粉末、アルミナ微粉末な
どを単独或は複数で用いるのが適当であるが、必ずしも
これに制約されない。
【0073】上記化合物の処理量は、キャリアが前記条
件を満足するよう適宜決定すれば良いが、一般には総量
でキャリアに対し0.1〜30重量%(好ましくは0.
5〜20重量%)が好ましい。
【0074】これらキャリアの平均粒径は10〜100
μm、好ましくは20〜70μmを有することが好まし
い。
【0075】特に好ましい態様としては、Cu−Zn−
Feの3元素のフェライトであり、その表面をシリコー
ン樹脂またはフッ素系樹脂とスチレン系樹脂の如き樹脂
の組み合せ、例えばポリフッ化ビニリデンとスチレン−
メチルメタアクリレート樹脂;ポリテトラフルオロエチ
レンとスチレン−メチルメタアクリレート樹脂、フッ素
系共重合体とスチレン系共重合体;シリコーン系樹脂な
どを90:10〜20:80、好ましくは70:30〜
30:70の比率の混合物としたもので、0.01〜5
重量%、好ましくは0.1〜1重量%コーティングし2
50メッシュパス、400メッシュオンのキャリア粒子
が70重量%以上ある上記平均粒径を有するコートフェ
ライトキャリアであるものが挙げられる。該フッ素系共
重合体としてはフッ化ビニリデンテトラフルオロエチレ
ン共重合体(10:90〜90:10)が例示され、ス
チレン系共重合体としてはスチレン−アクリル酸2−エ
チルヘキシル(20:80〜80:20)、スチレン−
アクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル
(20〜60:5〜30:10〜50)が例示される。
【0076】上記コートフェライトキャリアは粒径分布
がシャープな場合、本発明のトナーに対し好ましい摩擦
帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果
がある。
【0077】本発明におけるトナーと混合して二成分現
像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー
濃度として、2重量%〜15重量%、好ましくは3重量
%〜13重量%、より好ましくは4重量%〜10重量%
にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2重
量%未満では画像濃度が低く実用不可となり、15重量
%を超える場合ではカブリや機内飛散を増加せしめ、現
像剤の耐用寿命が短くなる傾向にある。
【0078】次に本発明のトナーを使用して非磁性一成
分トナー現像を行う場合の現像装置の一例を説明する。
必ずしもこれに限定されるものではない。図1に、潜像
保持体上に形成された静電像を現像する装置を示す。潜
像保持体1において、潜像形成は図示しない電子写真プ
ロセス手段または静電記録手段により成される。現像剤
担持体2は、アルミニウムあるいはステンレス等からな
る非磁性スリーブからなる。非磁性一成分カラートナー
はホッパー3に貯蔵されており、供給ローラー4により
現像剤担持体2上へ供給される。供給ローラー4は現像
後の現像剤担持体2上のトナーのはぎ取りも行ってい
る。現像剤担持体2上に供給されたトナーは現像剤塗布
ブレード5によって均一かつ薄層に塗布される。現像剤
塗布ブレード5と現像剤担持体2との当接圧力は、スリ
ーブ母線方向の線圧として、3〜250g/cm、好ま
しくは10〜120g/cmが有効である。当接圧力が
3g/cmより小さい場合、トナーの均一塗布が困難に
なり、トナーの帯電量分布がブロードになり、カブリや
飛散の原因となりやすい。当接圧力が250g/cmを
超えると、トナーに大きな圧力がかかるために、トナー
同士が凝集したり、あるいは粉砕されやすく好ましくな
い。当接圧力を3〜250g/cmに調整することで小
粒径トナーの凝集を良好にほぐすことが可能になり、ト
ナーの摩擦帯電量を瞬時に立ち上げることが可能にな
る。現像剤塗布ブレード5は、所望の極性にトナーを帯
電するに適した摩擦帯電系列の材質のものを用いること
が好ましい。
【0079】本発明においては、シリコーンゴム、ウレ
タンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等が好適である。
導電性ゴムを使用すれば、トナーが過剰に摩擦帯電する
のを防ぐことができて好ましい。更に必要に応じて、ブ
レード5の表面コートを行ってもよい。特に、ネガトナ
ーとして使用する場合、ポリアミド樹脂の如き正帯電性
樹脂をコートするのが好適である。
【0080】ブレード5により現像剤担持体2上にトナ
ーを薄層コートするシステムにおいては、充分な画像濃
度を得るために、現像剤担持体2上のトナー層の厚さを
現像剤担持体2と潜像保持体1との対向空隙長よりも小
さくし、この空隙に交番電場を印加することが好まし
い。図1に示すバイアス電源6により現像剤担持体2と
潜像保持体1間に交番電場または交番電場に直流電場を
重畳した現像バイアスを印加することにより、現像剤担
持体2上から潜像保持体1上のトナーの移動を容易に
し、更に良質の画像を得ることができる。
【0081】以下に各特性値の測定法について述べる。
【0082】疎水化度測定:エタノール滴定試験は、
疎水化された表面を有する無機微粉体の疎水化度を確認
する実験的試験である。
【0083】処理された無機微粉体の疎水化度を評価す
るためのエタノールを用いた疎水化度測定は次の如く行
う。供試無機微粉体0.2gを容量250mlの三角フ
ラスコ中の水50mlに添加する。エタノールをビュー
レットから滴定する。この際フラスコ内の溶液はマグネ
チックスターラーで常時撹拌する。無機微粉体が溶液に
沈降開始した時点のエタノールおよび水の液状混合物中
のエタノールの百分率をエタノール濃度Aとして表わ
す。無機微粉体の沈降終了時点は、全量が液体中に懸濁
されることによって観察され、疎水化度は沈降終了時点
に達した際のエタノールおよび水の液状混合物中のエタ
ノールの百分率をエタノール濃度Bとして表わされる。
【0084】トナーの粒度分布の測定:測定装置とし
ては、コールターカウンターTA−II或いはコールタ
ーマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電
解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl
水溶液を調製する。例えば、ISOTON−II(コー
ルターサイエンティフィックジャパン社製)が使用でき
る。測定方法としては、前記電解水溶液100〜150
ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキ
ルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加え、さ
らに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電
解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行な
い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μ
mアパーチャーを用いて、トナー粒子の体積及び個数を
各チャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数
分布とを算出する。それから、トナー粒子の体積分布か
ら求めた重量基準のトナーの重量平均粒径(D4)(各
チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を
求める。
【0085】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μ
m;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μ
m;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μ
m;10.08〜12.70μm;12.70〜16.
00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜
25.40μm;25.40〜32.00μm;32.
00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0086】凝集度測定:試料(外添剤を有するトナ
ー等)の流動特性を測定する一手段として凝集度を用い
るものであり、この凝集度の値が大きいほど試料の流動
性は悪いと判断する。
【0087】測定装置としては、デジタル振動計(デジ
バイブロ MODEL 1332)を有するパウダーテ
スター(細川ミクロン社製)を用いる。
【0088】測定法としては、振動台に200メッシ
ュ,100メッシュ,60メッシュのフルイを目開の狭
い順に、すなわち60メッシュフルイが最上位にくるよ
うに200メッシュ,100メッシュ,60メッシュの
フルイ順に重ねてセットする。
【0089】このセットした60メッシュフルイ上に正
確に秤量した試料5gを加え、振動台への入力電圧を2
1.7Vになるようにし、デジタル振動計の変位の値を
0.130にし、その際の振動台の振幅が60〜90μ
mの範囲に入るように調整し(レオスタット目盛約2.
5)、約15秒間振動を加える。その後、各フルイ上に
残った試料の重量を測定して下式にもとずき凝集度を得
る。
【0090】
【数1】
【0091】尚、試料は23℃,60%RHの環境下で
約12時間放置したものを用い、測定環境は23℃,6
0%RHである。
【0092】無機微粉体の平均粒径の測定方法:一次
粒子径は、無機微粉体を透過電子顕微鏡で観察し、視野
中の100個の粒子径を測定して平均粒子径を求め、ト
ナー上の分散粒子径は走査電子顕微鏡で観察し視野中の
100個の粒子径を測定して平均粒子径を求める。
【0093】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが本発明は何ら
これらに限定するものではない。
【0094】(無機微粉体の製造例1)原料にチタンテ
トライソプロポキシドを使用した。ケミカルポンプで原
料をごく少量ずつ、チッ素ガスをキャリアガスとして使
用して、200℃に加熱したベーパーライザーのグラス
ウールに送り込んで蒸発させ、反応器内で温度320℃
で加熱分解した後、チッ素ガスをキャリアガスとしてi
−C49−Si−(OCH33とC613−Si−(O
CH33とを1:1で混合した疎水化剤で疎水化処理す
ると同時に急冷却を行い、生成物を補集し、平均粒径
0.05μmの無機微粉体1を得た。
【0095】なお、該無機微粉体の疎水化度測定におけ
る沈降開始時点のエタノール濃度Aは35%、沈降終了
時点のエタノール濃度Bは55%である。
【0096】(無機微粉体の製造例2)疎水化剤として
i−C49−Si−(OCH33とC613−Si−
(OCH33とを2:1で混合して使用する以外は、製
造例1と同様にして、A=10%,B=33%,平均粒
径=0.07μmの無機微粉体2を得た。
【0097】(無機微粉体の製造例3)反応器内で温度
250℃で加熱分解する以外は、製造例1と同様にし
て、A=24%,B=53%,平均粒径=0.02μm
の無機微粉体3を得た。
【0098】(無機微粉体の製造例4)反応器内で温度
450℃で加熱分解する以外は、製造例1と同様にして
A=23%,B=49%,平均粒径=0.09μmの無
機微粉体4を得た。
【0099】(無機微粉体の製造例5)平均粒径0.0
5μmの極めて粒径のそろった酸化チタンをブレンダー
で撹拌しながら、n−C49−Si−(OCH33とC
613−Si−(OCH33とを1:1で混合しトルエ
ンで希釈した疎水化剤をスプレーし、混合撹拌,加熱,
乾燥させ、A=40%,B=51%,平均粒径=0.0
6μmの非常に粒径のそろった無機微粉体5を得た。な
お、疎水化処理前後の酸化チタンを透過電子顕微鏡で観
察したところ、0.07μm以上の粒子はほとんど見ら
れず、非常に粒径がそろっている様子が確認された。
【0100】(無機微粉体の製造例6)平均粒径0.0
7μmの酸化アルミナを使用する以外は製造例5と同様
にして、A=23%,B=48%,平均粒径=0.08
μmの無機微粉体6を得た。
【0101】(無機微粉体の製造例7)疎水化剤として
1225−Si−(OCH33を使用する以外は製造例
1と同様にして、A=5%,B=40%,平均粒径=
0.07μmの無機微粉体7を得た。
【0102】(無機微粉体の製造例8)疎水化剤として
i−C49−Si−(OCH33を使用する以外は製造
例1と同様にして、A=3%,B=20%,平均粒径=
0.06μmの無機微粉体8を得た。
【0103】(無機微粉体の製造例9)反応器内で温度
150℃で加熱分解する以外は製造例1と同様にして、
A=20%,B=46%,平均粒径=0.005μmの
無機微粉体9を得た。
【0104】(無機微粉体の製造例10)平均粒径が
0.13μmの酸化チタンを使用する以外は製造例7と
同様にして、A=12%,B=40%,平均粒径=0.
15μmの無機微粉体10を得た。
【0105】上記の無機微粉体の特性値を表1にまとめ
て示す。
【0106】
【表1】
【0107】実施例1 プロポキシ化ビフフェノールとフマル酸の縮合 100重量部 して得られたポリエステル樹脂 フタロシアニン顔料 4重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4重量部 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、二軸
押出式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミルを
用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェ
ット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた
微粉砕物を分級して、重量平均粒径が6.0μm(4.
0μm以下が21.3%、5.04μm以下が48.5
%、8μm以上が6.1%、10.08μm以上が0.
6%)である負摩擦帯電性のシアン色の粉体を得た。
【0108】上記着色粉体100重量部と、無機微粉体
1の5重量部とをヘンシェルミキサーで混合し、シアン
トナーを得た。
【0109】前述のシアントナーとシリコーン樹脂コー
トキャリアとをトナー濃度5%で混合して現像剤を作製
し、カラー複写機CLC−550(キヤノン製)を用い
画像面積比率25%のオリジナル原稿を用いて30℃/
80%環境下、23℃/5%環境下にて1万枚の画出し
をした結果表2に示した。上述の現像剤は、耐刷試験に
おける画像濃度,カブリ,トナー帯電量の変動も小さ
く、1万枚後のトナー飛散も問題無く、非常に良好な結
果が得られた。
【0110】なお、以下の比較例及び実施例も同様に表
2に示した。
【0111】実施例2 無機微粉体2を用い実施例1と同様の実験を行ったとこ
ろ、1万枚後にカブリ,トナー飛散がわずかに見られた
が問題のないレベルであり、そのほかの結果は良好であ
った。
【0112】実施例3 無機微粉体3を用い実施例1と同様の実験を行ったとこ
ろ、耐久初期から耐久1万枚後を通してトナー帯電量の
変動が小さく、画像濃度が安定し、カブリが少なく、ト
ナー飛散のない良好な結果が得られた。
【0113】実施例4 無機微粉体4を実施例1と同様の実験を行ったところ、
耐久初期から耐久1万枚後までトナー帯電量が安定し、
カブリ,トナー飛散の少ない良好な結果が得られた。
【0114】実施例5 無機微粉体5を用い実施例1と同様の実験を行ったとこ
ろ、耐久初期から耐久1万枚後まで画像濃度,トナー帯
電量が非常に安定しており、カブリ,トナー飛散も全く
見られず、良好な結果が得られた。
【0115】なお、本実験で使用したトナーを透過型電
子顕微鏡で観察したところ、無機微粉体5の粒径は均一
で0.08μm以上の粒径のものは全く見られなかっ
た。
【0116】実施例6 無機微粉体6を用い実施例1と同様の実験を行ったとこ
ろ、画像濃度,トナー帯電量,カブリの変動が小さく、
1万枚後のトナー飛散も見られず、良好な結果が得られ
た。
【0117】比較例1 無機微粉体7を用い1と同様の実験を行った。どちらの
環境下においても耐久1万枚後に、画像濃度,カブリと
もに高くなってしまい、30℃/80%環境下ではカブ
リ,トナー飛散ともに著しく発生した。これは、無機微
粉体7の中に疎水化処理が不十分な粒子が存在し、疎水
化処理の均一性にも欠けるため、トナー帯電量の低下、
トナーの均一な帯電が阻害されたことが原因であると思
われる。
【0118】比較例2 無機微粉体8を用い実施例1と同様の実験を行った。ど
ちらの環境下においても耐久1万枚後に画像濃度,カブ
リともに著しく高くなった。これは、無機微粉体8は疎
水化度分布の幅は狭いが、粒子全体として疎水化処理が
不十分であるために、トナー帯電量が低下し、特に高湿
環境下で水分の影響を大きく受けたものと思われる。
【0119】比較例3 無機微粉体9を用い実施例1と同様の実験を行った。ど
ちらの環境においても、耐久1万枚後で画像濃度の上
昇,カブリの悪化,トナー飛散が発生した。これは無機
微粒子10の疎水化処理は良好であるものの、平均粒径
が極めて小さいために、1万枚耐久後にはトナー表面の
凹部に埋め込まれてトナー劣化が生じ、これによってト
ナー帯電量の均一性が著しく悪化したためであると考え
られる。
【0120】比較例4 無機微粉体10を用い実施例1と同様の実験を行った。
どちらの環境においても、耐久1万枚後で画像濃度の上
昇,カブリ,トナー飛散が発生した。また画像はハイラ
イト再現性が悪く、精細性に欠ける画質であった。これ
は無機微粉体11の疎水化処理は良好であるが、平均粒
径が大きいために、トナー凝集度が高くなり、トナー帯
電量の均一性が得られなかったためであると考えられ
る。
【0121】
【表2】
【0122】
【発明の効果】本発明の電子写真用トナーは、非常に安
定な環境特性と良好な流動性及び転写性を有し、あらゆ
る環境で安定した高品質な画像を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用トナーを適用し得る非磁性
一成分系トナーを使用する現像装置の一具体例を示す概
略説明図である。
【符号の説明】
1 潜像保持体(感光ドラム) 2 現像剤担持体(現像スリーーブ) 3 ホッパー 4 供給ローラー 5 現像剤塗布ブレード 6 電源

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エタノールを用いた微粉体の疎水化度測
    定方法において、微粉体の沈降開始時点のエタノール濃
    度A(%)と微粉体の沈降終了時点のエタノール濃度B
    (%)が、 A≧10 30≦B≦90 0≦B−A≦15 となるように疎水化処理を施した平均粒径0.01〜
    0.1μmの無機微粉体を有する電子写真用トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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