JPH10177276A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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JPH10177276A
JPH10177276A JP33923696A JP33923696A JPH10177276A JP H10177276 A JPH10177276 A JP H10177276A JP 33923696 A JP33923696 A JP 33923696A JP 33923696 A JP33923696 A JP 33923696A JP H10177276 A JPH10177276 A JP H10177276A
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JP
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toner
fine particles
particles
alumina fine
alumina
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JP33923696A
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English (en)
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Hagumu Iida
育 飯田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温湿度の環境に左右されにくく、安定した摩
擦帯電性を有し、長期間の使用により発生する感光体表
面及びその付着物を研磨、除去、或いは該付着物の発生
を抑制し、カブリ等画像欠陥がなく、高濃度、細線再現
性及びハイライト部の階調性に優れ、転写性が良好で、
耐久安定性に優れた電子写真用トナーを提供する。 【解決手段】 トナー粒子及びアルミナ微粒子を有する
電子写真用トナーにおいて、該アルミナ微粒子は、メタ
ノールを用いた微粉体の疎水化度測定方法において測定
される微粉体の沈降開始時点及び終了時点のそれぞれの
メタノール濃度A%及びB%が特定の範囲及び関係にあ
り、平均粒径が0.001〜0.1μmであり、トナー
は、特定の粒度分布を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法或いは
静電印刷法などにおいて、電気的潜像又は磁気的潜像を
現像するために用いられるトナーに関し、とりわけ画質
及び環境安定性を著しく改良した電子写真用トナーに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法において、静電潜像を
トナーを用いて現像する方法としては、大別して、トナ
ーをキャリアと呼ばれる媒体に少量分散させたいわゆる
二成分系現像剤を用いる方法と、キャリアを用いること
なくトナー単独使用のいわゆる一成分系現像剤を用いる
方法とがある。
【0003】電子写真法は、セレン、酸化亜鉛、酸化カ
ドミウムの如き無機光導電性材料、又はアントラセン、
ポリビニルカルガゾールの如き有機光導電性材料を、必
要に応じて着色剤樹脂中に含有せしめた光導電層又は感
光板に静電潜像を形成せしめ、これを上記現像剤により
現像した後、紙又はシートに転写し、次いで溶剤、熱、
圧力又は熱・圧により定着するものである。
【0004】近年、複写機においてモノカラー複写から
フルカラー複写への展開が急速に進みつつあり、2色カ
ラー複写機やフルカラー複写機の検討及び実用化も大き
くなされている。例えば「電子写真学会誌」Vol.2
2,No.1(1983)や、「電子写真学会誌」Vo
l.25,No.1,p52(1986)の如く色再現
性、階調再現性の報告もある。
【0005】しかしテレビ、写真、カラー印刷物のよう
に実物と直ちに対比されることはなく、また実物より美
しく加工されたカラー画像を見慣れた人々にとっては、
現在実用化されているフルカラー電子写真画像は必ずし
も満足しうるものとはなっていない。
【0006】フルカラー電子写真法によるカラー画像形
成は一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの
3色のカラートナーを用いて全ての色の再現を行うもの
である。
【0007】その方法は、先ず原稿からの光をトナーの
色と補色の関係にある色分解光透過フィルターを通して
光導電性層上に静電潜像を形成させ、次いで現像、転写
工程を経てトナーを支持体に保持させる。この工程を順
次複数回行い、レジストレーションを合わせつつ、同一
支持体にトナーを重ね合わせた後、1回の定着によって
最終のフルカラー画像を得る。
【0008】一般に二成分系の現像方式の場合において
現像剤は、キャリアとの摩擦によってトナーを所要の帯
電量及び帯電極性に帯電せしめ、静電引力を利用して静
電像を現像するものであり、従って、良好な可視画像を
得るためには、主としてキャリアとの関係によって定ま
るトナーの摩擦帯電性、トナーの流動性が良好であるこ
とが必要である。
【0009】今日上記のような問題に対してキャリアコ
ア材、キャリアコート材の探索やコート量の最適化、或
いはトナーに加える電荷制御剤、流動性付与剤の検討、
さらには母体となるバインダーの改良などいずれも現像
剤を構成する材料において優れた摩擦帯電性を達成すべ
く多くの研究がなされている。
【0010】そして一般的には、トナーに流動性を付与
したり、クリーニング性を向上させたり、トナーに電荷
を付与するためにシリカ、酸化チタンや酸化アルミナ等
の無機微粉末を添加して使用することが知られている。
【0011】しかし、これらの無機微粉末は親水性であ
り、その結果トナーの流動性や摩擦帯電性に湿度が大き
く影響する。このような環境条件の影響を防ぐため、こ
れらの無機微粉体の表面を疎水化剤を用いて表面処理し
たものを添加してトナーとし、複写機等の現像装置に適
用するのが普通である(USP第3,720、617
号、特公昭54−20344号公報)。
【0012】電子写真用トナーに用いる無機微粉体に対
して要求される特性は種々あるが、特に重要な特性とし
て流動性、研磨性、帯電性、環境安定性、疎水化処理の
均一性、耐久性などを挙げることができる。
【0013】上記諸要求特性を考慮すると、従来使用さ
れてきた無機微粉体は、湿度の影響を受け易く、特に高
湿環境下におけるトナー帯電量の著しい低下が発生し、
トナー帯電量の安定性、環境安定性、耐久性について完
全なものは今のところ見出されていない。また、十分な
研磨性、トナー流動性付与性について満足できるものは
未だ知られていない。
【0014】前記の問題点を改善するために、例えば特
開平4−214568号公報には無機微粉体の疎水化度
について提案されているが、無機微粉体のメタノール法
による疎水化度測定において、無機微粉体の沈降開始時
の疎水化度だけを規定しているため、微粉体の疎水化特
性を把握するための指標にはなり得ない。また、粒子全
体の疎水化処理が不十分であるため、特に環境安定性、
高湿環境下における帯電特性の改善は達成されていな
い。
【0015】さらに、該無機微粉体の平均粒径が0.1
〜10μmであり、研磨性、トナーの流動性付与の点か
ら好ましくない。
【0016】また、疎水化剤としてアルキル基の炭素数
6〜8のアルキルトリアルコキシシランで疎水化処理す
ることが提案されている(特公平3−39307号公
報)。しかし、これらの疎水化剤だけでは、十分なトナ
ー帯電量は得られず、また、高湿環境での帯電特性の改
良は達成されていない。
【0017】また、疎水化処理したアルミナを使用する
ことは、特開昭61−275862号公報、特開昭61
−275863号公報等に提案されている。これらはア
ミノ変性シリコーンオイルにより被覆されたアルミナで
あり、処理後のアルミナ粒子の凝集が避けられず、トナ
ーに高流動性を付与することは困難である。
【0018】また、疎水化処理したアルミナを用いるこ
とは、特開昭62−8164号公報、同62−1298
60号公報、同62−129866号公報、同62−2
09538号公報、特開平4−345168号公報、特
開平4−345169号公報等に提案されている。しか
しながら、これらは、均一化処理するためのアルミナ粒
子の表面活性ならびに結晶構造等に関しては一切言及し
ておらず、またこれらは主に帯電の安定化のために使わ
れているに過ぎず、シリカ等を併用することによってト
ナーに高い流動性を付与しており、アルミナ自身による
高流動性の付与という点において改善すべき点がある。
【0019】さらに、特開平2−251970号公報に
は、カップリング剤による表面処理が施された外部滑性
剤としてアルミナも記載されているが、通常のアルミナ
を処理しただけでは特に高温高湿下での帯電安定化に問
題が生じやすく、必ずしも帯電の安定化の点で満足のい
くものではなかった。
【0020】また、疎水化処理したアルミナ微粉体を用
いて、流動性の確保と帯電の安定化、特に低温低湿下で
の過帯電防止を目的として特開平4−280254号公
報、同4−280255号公報、同4−345169号
公報に、疎水化度40%以上のアルミナ微粉体が提案さ
れているが、疎水化度分布が広いため、高湿環境下での
帯電が不十分である。また、帯電の安定化には効果があ
るものの、やはりシリカ等の高BET比表面積の微粉体
と比較して、流動性付与の点でさらなる改善が求められ
るところであり、均一な処理が施されており、尚且つ凝
集粒子が少なく高BET比表面積を維持した疎水化アル
ミナ微粒子が強く求められている。
【0021】また、特開平3−191363号公報に、
疎水性γ結晶アルミナ研磨物質を含有するトナーの記載
があるが、これは単に研磨剤として非結晶シリコン感光
体用現像剤に添加することを検討したものであり、疎水
性が不十分であるだけでなく、トナーに対して流動性、
研磨性、帯電性を付与するという3つの機能を同時に満
足することは困難である。
【0022】このように、電子写真用トナーに対して十
分な帯電性、研磨性、環境安定性、耐久性を持たせるた
めには、未だ満足のゆく無機微粉体がないのが現状であ
る。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決した電子写真用トナーを提案するこ
とにある。
【0024】即ち、本発明の目的は、温湿度等の環境に
左右されにくく、安定した摩擦帯電性を有し、あらゆる
環境で安定した画質を得ることができる電子写真用トナ
ーを提供するものである。
【0025】また、本発明の目的は、長期間の使用によ
り発生する感光体表面及びその付着物を研磨、除去、或
いは該付着物の発生を抑制し、画像欠陥のない安定した
画像を得ることができる電子写真用トナーを提供するこ
とである。
【0026】さらに、本発明の目的は、カブリの無い鮮
明な画像特性を有し、画像濃度が高く、細線再現性、ハ
イライト部の階調性に優れ、転写性が良好であり、且つ
耐久安定性に優れた電子写真用トナーを提供するもので
ある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記従来の
諸問題を改善すべく、特にカラー画像形成方法の画像濃
度、ハイライト再現性、細線再現性、多数枚コピー時の
耐久性、環境安定性、特に高湿環境下での安定性につい
て鋭意検討した結果、特定の疎水化度、疎水化度分布の
幅を有するようにアルミナ微粒子を疎水化処理すること
により、非常に安定な環境特性が達成され、特に高湿環
境下における良好な帯電性が得られるとともに、極めて
良好な研磨性、流動性付与性、転写性が確保でき、高精
細なカラー画像が得られることを見出したものである。
【0028】即ち本発明は、少なくとも結着樹脂及び着
色剤を含有するトナー粒子及びアルミナ微粒子を有する
電子写真用トナーであって、該アルミナ微粒子は、メタ
ノールを用いた微粉体の疎水化度測定法における、微粉
体の沈降開始時点のメタノール濃度A(%)と、微粉体
の沈降終了時点のメタノール濃度B(%)が、 A≧20 30≦B≦90 0≦B−A≦15 となるように疎水化処理が施されており、平均粒径が
0.001〜0.1μmの範囲であり、該トナーは、重
量平均粒径が3〜9μmであることを特徴とする電子写
真用トナーにかかるものである。
【0029】さらに本発明は、上記トナーの重量平均粒
径が3〜9μmであり、4μm以下の粒径のトナー粒子
を5〜70個数%含有し、8μm以上の粒径のトナー粒
子を1〜65体積%含有し、且つ4μm以下の粒径のト
ナー粒子が下記式 N/V=−0.05N+k (式中、Nは4μm以下の個数%、Vは4μm以下の体
積%、kは3.0〜20.0の正の数)を満足する粒度
分布を有することを特徴とする電子写真用トナーにかか
るものである。
【0030】本発明者は、特に電子写真用トナーの環境
安定性、高湿環境下における帯電特性の改善、感光体表
面及びその付着物の研磨性について鋭意検討した結果、
単に疎水化度が高いだけでなく、疎水化度分布の幅が狭
くシャープとなるように極めて均一に疎水化処理したア
ルミナ微粒子を使用することにより、環境安定性が高
く、トナーの帯電均一性が極めて高く、高湿環境下にお
いても帯電量が高く、感光体表面及びその付着物の研
磨、除去能力を有し、該付着物の発生抑止力の高いトナ
ーが得られることを見出したのである。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明において、微粉体のメタノ
ールの滴定量から求められる疎水化度測定方法として
は、所定量の水に所定量の微粉体を添加し、微粉体の全
量が湿潤されるまで撹拌しながらメタノールを滴定す
る。微粉体の全量が液体中に懸濁した際のメタノール及
び水の液状混合物中のメタノールの百分率として微粉体
の疎水化度を表すことが一般的に使われている。この方
法は、微粉体の疎水性を簡易的に把握する手段としては
優れているが、微粉体の全量が水−メタノールの混合液
に湿潤した際のメタノール濃度だけを判断基準にしてい
るため、粒子一つ一つの疎水性、微粉体の疎水化度の分
布、疎水化度分布の幅という観点から微粉体の特性を判
断する物性としては不適切であった。このため、従来の
疎水化度は、特に高湿環境下における微粉体或いは電子
写真用トナーの特性を十分に知り得る物性値ではなかっ
た。
【0032】疎水化度分布を有する無機微粉体について
特開平4−204750号公報が提案されているが、疎
水化度分布の幅が非常に広いため、特にトナー帯電の均
一性、高湿環境における帯電特性の改良は達成されてい
ない。また、ぬれ性5%以上の無機微粉体の疎水化度分
布を規定しているため、疎水化度処理が不十分な粒子の
特性は把握できない。実際にカブリやトナー飛散などの
問題を引き起こすのは、これらの疎水化処理が不十分な
粒子である。
【0033】本発明において、微粉体の沈降開始時点の
メタノール濃度Aは、測定微粉体中で疎水化処理程度の
最も低い粒子の疎水化度を表す。Aは20%以上であ
り、30%より大きいことが好ましい。Aが20%より
小さい場合には疎水化処理が不十分なアルミナ微粒子が
存在するため、トナーの均一帯電が阻害され、カブリや
トナー飛散が問題となる。また、Aは90%以下、より
好ましくは80%以下であることが良い。Aが90%よ
りも大きい場合には、疎水化度分布のシャープなアルミ
ナ微粒子が得られるが、粒子合一が生じやすく、粒度分
布が極端にブロードとなるため、トナーに対する流動性
付与、均一な帯電付与の点で好ましくない。
【0034】微粉体の沈降終了時点のメタノール濃度B
は測定微粉体の疎水化度を表わす。Bは30%〜90%
の範囲にあり、40%〜90%の範囲が好ましい。Bが
30%より小さい場合には疎水化処理が不十分であり、
帯電量の低下、特に高湿環境下での帯電量が著しく低下
し、トナー飛散、カブリ、画質劣化などが問題となる。
またBが90%より大きい場合にはアルミナ微粒子自身
の帯電コントロールが困難となり、結果として低湿環境
下でトナー帯電量がチャージアップしてしまう。また、
疎水化処理後の粒子合一が発生し、トナー流動性が著し
く低下する。
【0035】微粉体の沈降開始時点のメタノール濃度A
と沈降終了時点のメタノール濃度Bの差:B−Aは、ア
ルミナ微粒子の疎水化処理の均一性、疎水化処理の分布
幅を表わし、この数値が小さいものほど、均一に疎水化
処理が施されており、疎水化度分布がシャープであるこ
とを示す。
【0036】B−Aの値は0〜15%の範囲にあり、0
〜10%の範囲にあることが好ましい。B−Aが15%
より大きい場合には、疎水化度分布の幅が大きく、ま
た、疎水化処理の均一性、疎水化度分布のシャープ性に
欠けるため、トナーの均一帯電が不可能となり、カブリ
やトナー飛散が発生する。特に高湿環境下での放置によ
ってトナー帯電量が著しく低下し、カブリやトナー飛散
が問題となる。
【0037】また、アルミナ微粒子の平均粒径は、トナ
ー流動性付与、研磨性付与の点から0.001〜0.1
μmであることが好ましい。平均粒径が0.001μm
より小さい場合には、トナー表面に埋め込まれ易くトナ
ー劣化が早く生じてしまい、耐久性が低下し問題となる
だけでなく、十分な研磨性を付与することができない。
一方、平均粒径が0.1μmを超える場合には、トナー
の流動性が著しく低下するために帯電が不均一となり、
その結果として画質の劣化、トナー飛散、カブリが生じ
問題となる。また、感光体表面に大きな傷をつけ、それ
が画像欠陥として現れたり、クリーニングブレードなど
のクリーニング部材を変形、損傷させるなどの問題が生
じる。
【0038】本発明において、アルミナ微粒子を用いる
ことも特徴の一つである。
【0039】本発明者は、微粒子の疎水化処理性、トナ
ーに対する流動性、研磨性、帯電性付与に関して鋭意検
討した結果、疎水化剤、カップリング剤との主たる反応
点である水酸基を粒子表面に多数有するため疎水化剤と
の反応性が高く、平均粒径が細かく、それ自身研磨効果
の高いアルミナ微粒子を疎水化処理することによって、
本発明の特定の疎水化度を有し、トナーの高流動性、高
研磨性、高帯電性を付与するアルミナ微粒子が得られる
ことを見出した。
【0040】アルミナ微粒子の原材料、製造方法など
は、制約されないが、本発明の効果を最大限に発揮する
ためには、アルミニウムアンモニウムカーボネートハイ
ドロオキサイドを300〜1200℃の温度範囲内で熱
分解して得られるアルミナ微粒子が好ましい。これは、
粒子表面の水酸基が多いため、均一な疎水化度分布を有
するよう疎水化処理するためには望ましいアルミナ微粒
子である。
【0041】特に、本発明においては、上記アルミニウ
ムアンモニウムカーボネートハイドロオキサイドは、下
記式(1)又は(2) NH4 Al(O)(OH)HCO3 (1) NH4 AlCO3 (OH)2 (2) で示される化合物であることが好ましい。
【0042】さらに本発明者は、画像濃度、ハイライト
再現性、細線再現性、環境安定性について、鋭意検討し
た結果、前述の疎水化処理を施したアルミナ微粒子を含
有し、上述の粒度分布を有するトナーが非常に有効であ
ることを見出した。
【0043】即ち、前述の疎水化処理を施した特定のア
ルミナ微粒子を含有し、トナーの重量平均粒径が3〜9
μmにある時、感光体上の潜像に対して忠実に現像可能
であることと、また、4μm以下の粒子の量が特にハイ
ライト再現性向上に大きく寄与することを見出した。
【0044】トナーの重量平均粒径が9μmより大きい
時は基本的に高画質化に寄与し得る微粒子が少ないこと
を意味し、確かに高い画像濃度が得られ易く、トナーの
流動性に優れる等のメリットもあるものの、ドラム上微
細な潜像上には忠実に付着しづらく、ハイライト再現性
に乏しく、さらに十分な解像性も得られなくなってしま
う。また、必要以上の現像、即ちトナーの乗り過ぎが起
こり、トナー消費量の増大を招き易い傾向にもある。
【0045】逆にトナーの重量平均粒径が3μmより小
さい時にはトナーの単位重量当たりの帯電量が極端に高
くなることを意味し、濃度薄、特に低温低湿下での画質
濃度薄が顕著となる。これでは、グラフィック画像など
の画像面積比率の高い用途には不向きである。
【0046】さらに3μmより小さい時には、キャリア
との接触帯電がスムーズに行われず、十分に帯電し得な
いトナーが増大し、非画像部への飛び散り、即ちカブリ
が目立つようになる。これに対処すべくキャリアの比表
面積を稼ぐためにキャリアの小径化が考えられるが、重
量平均径が3μm未満のトナーでは、トナーの自己凝集
も起こり易く、キャリアとの均一混合が短時間では達成
されず、トナーの連続補給耐久においては、どうしても
カブリが生じてしまう傾向にある。
【0047】よって本発明においては、トナーの重量平
均粒径は3〜9μmが好ましい。
【0048】また本発明のトナーは、これまで述べてき
たことを基に4μm以下の粒径のトナー粒子を全粒子数
の5〜70個数%、好ましくは15〜60個数%とす
る。4μm以下の粒径のトナー粒子が5個数%未満であ
ると、高画質のために必須な成分である微小のトナー粒
子が少ないことを意味し、特に、コピー又はプリントア
ウトを続けることによってトナーが連続的に使われるに
従い、有効なトナー粒子成分が著しく減少して、本発明
で示すトナーの粒度分布のバランスが悪化し、画質が次
第に低下する傾向を示す。
【0049】また4μm以下の粒径のトナー粒子が70
個数%を超えると、トナー粒子相互の凝集状態が生じ易
く、本来の粒径以上のトナー塊としてふるまうことも多
くなり、その結果、荒れた画像となったり、解像性を低
下させたり、又は潜像のエッジ部と内部との濃度差が大
きくなり、中抜け気味の画像となり易く、好ましくな
い。
【0050】また8μm以上の粒子が1〜65体積%で
あることが良く、好ましくは5〜60体積%が良い。6
5体積%より多いと画質が悪化するとともに、必要以上
の現像、即ちトナーの乗り過ぎが起こり、トナー消費量
の増大を招く。一方2体積%未満であると、トナー処方
をどんなに工夫しても流動性の低下により、画像性が低
下する恐れがある。
【0051】さらに、4μm以下のトナー粒子につい
て、その個数%(N)と体積%(V)との間に、下記式 N/V=−0.05N+k (式中、Nは4μm以下の個数%、Vは4μm以下の体
積%、kは3.0〜20.0の正の数)を満足すること
も本発明の特徴の一つであり、他の特徴と共に、この範
囲を満足する粒度分布のトナー粒子を含有するトナー
は、微小スポットから形成されるデジタル潜像に対して
も優れた現像性を達成しうる。本発明者らは、粒径4μ
m以下のトナー粒子の粒度分布を検討する中で、上記式
で示されるような目的を達成するに最も適した微小トナ
ー粒子の存在条件があることを知見した。あるNの値に
対してN/Vが大きいと言うことは、4μm以下のトナ
ー粒子まで広く含んでいることを示しており、N/Vが
小さいということは、4μm付近のトナー粒子の存在率
が高く、それ以外のトナー粒子が少ないことを示してい
ると理解される。N/Vの値が1.0〜20.0の範囲
内にあり、且つ上記関係式を満足するトナーが長期間多
量の複写プリントにおいても良好な細線再現性及び高解
像性が達成される。
【0052】k>20.0では、粒径4μmより小さな
トナー粒子の数が少なく画像濃度、解像力及び鮮鋭さで
劣ったものとなる。従来不要と考えられていた微細なト
ナー粒子の適度な存在が現像においてトナーの細密充填
化を果たし、均一な画像を形成するのに貢献する。特
に、細線及び画像の輪郭部を均一に埋めることにより、
視覚的にも鮮鋭さがより強調される。
【0053】k<3.0では、必要以上の微粉の存在に
よって多枚数の複写時又はプリント時に画像濃度がやや
低下したり、フィルミング等の問題が発生する傾向があ
る。
【0054】また、アルミナ微粒子のBET比表面積は
100〜350m2 /gの範囲が好ましい。BET比表
面積が100m2 /gより小さい場合、アルミナ微粒子
の粒径が大きく、凝集体或いは粗大粒子が存在すること
を示し、トナー流動性の低下、感光体表面を傷付けた
り、クリーニングブレードなどのクリーニング手段を変
形、損傷させるなどの問題が生じる。また、BET比表
面積が350m2 /gより大きい場合には、湿度による
帯電特性への悪影響を及ぼし、特に高湿環境下で帯電量
が著しく低下し、トナー飛散、カブリ、画像劣化などが
問題となる。
【0055】本発明の如き微粒子トナーを使いこなすた
めには、流動性の向上と帯電の安定化、環境安定性が大
きなポイントであり、そのどちらかが欠けていても決し
て良好な画像は望めない。
【0056】それゆえ、上記の如き粒度分布を有する微
粒子トナーのポテンシャルを最大限に引き出し、高解像
度、高階調を達成するためには、前述の如き流動性付与
能が大きく、研磨性付与能を有し、湿度の影響を受けに
くいアルミナ微粒子を外添して用いることが必須であ
り、両者の組合せによってはじめて環境安定性の高い、
高精細な画像が得られる。
【0057】またトナーの微粒子化によってトナー1個
当たりの有する電荷は小さくなり、一般にトナー飛散し
易くなる傾向を示すが、本発明の微粉体は帯電付与能も
高く、流動性向上と帯電安定化の両立を図ることができ
る。これは、他の外添剤では決して達成し得なかったこ
とである。
【0058】本発明において、疎水化剤を用いてアルミ
ナ微粒子を特定の疎水化度、疎水化度分布の幅を有する
ように疎水化処理を行うには以下のような方法がある
が、本発明は特にこれらの方法に制約されるものではな
い。
【0059】例えば、アルミナ微粒子の処理方法として
は、溶液中でアルミナ微粒子を機械的に一次粒子となる
ように十分分散しながら、カップリング剤を加水分解さ
せて処理することにより、本発明の特定な疎水化度を付
与することができる。
【0060】さらに、湿式法による疎水化処理方法とし
ては、先ず所定量の無機微粉体を水系中で十分に混合撹
拌しながら、所定量の疎水化剤又はその希釈液又はその
混合液を添加し、粒子が合一しないよう混合撹拌を行
う。そしてさらに所定量の疎水化剤又はその希釈液又は
その混合液を添加し、十分に混合撹拌を行った後、乾
燥、解砕する。このようにアルミナ微粒子に対して、疎
水化剤を段階的に加えることによって均一に疎水化処理
が施されるため、本発明の特定な疎水化度を付与するこ
とができる。
【0061】また、乾式法による疎水化処理方法例とし
ては、先ず所定量のアルミナ微粒子をブレンダーなどの
装置によって撹拌しながら、所定量の疎水化剤又はその
希釈液又はその混合液を滴下又はスプレーなどによって
加え十分に混合撹拌する。その後、さらに所定量の疎水
化剤又は希釈液又はその混合液を加え、十分に混合撹拌
する。次に得られた混合物を加熱し乾燥させる。その
後、ブレンダーなどの装置によって撹拌して解砕する。
【0062】また、極めてシャープな粒度分布を有する
アルミナ微粒子を疎水化処理することによっても、本発
明の特定な疎水化度、疎水化度分布の幅を有する無機微
粉体を得ることができる。即ち、極めて粒度分布がシャ
ープなアルミナ微粒子であるから、その表面性は均一で
あり、これを疎水化処理した場合には、粒子一つ一つの
疎水化処理は同程度に行われる。これによって均一に疎
水化処理された、疎水化度分布のシャープなアルミナ微
粒子が得られる。
【0063】さらに、2種類以上の疎水化剤で疎水化処
理を施すことによっても、本発明の特定な疎水化度を有
する無機微粉体を得ることができる。例えばn−C4
9 −Si−(OCH33 とC1225−Si−(OCH
33 のように2種類のカップリング剤を混合して疎水
化剤とし、これによって疎水化処理をした場合には、該
アルミナ微粒子は先ず炭素数の少ない疎水化剤と粒子表
面の水酸基が反応する。次に粒子表面の未反応水酸基と
炭素数の多い疎水化剤とが反応することによってアルミ
ナ微粒子は均一に、且つ疎水化度分布がシャープに疎水
化処理される。
【0064】本発明において、疎水化剤としては、シラ
ン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコアルミネ
ート系などの各種のカップリング剤など公知のものが全
て使用可能である。
【0065】具体的に例えばシランカップリング剤とし
ては、一般式 Rm SiYn R:アルコキシ基 m:1〜3の整数 Y:アルキル基、ビニル基、フェニル基、メタアクリル
基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、又はこれら
の誘導体 n:1〜3の整数 で表わされるものが好ましく、例えばビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリル
オキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリ
メトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロ
キシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキ
シシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−
オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができ
る。
【0066】その処理量は、アルミナ微粉体100重量
部に対して、好ましくは1〜60重量部、より好ましく
は3〜50重量部である。
【0067】本発明においては特に好適なのは、一般式 Cn2n+1−Si−(OCm2m+13 (n=4〜12,m=1〜3)で示されるカップリング
剤である。ここで、一般式におけるnが4より小さい
と、処理は容易となるが疎水化度が十分に達成できな
い。また、nが13より大きいと、疎水性が十分になる
が、アルミナ微粉体同士の合一が多くなり、流動性付与
能が低下してしまう。また、mは3より大きいと、反応
性が低下して疎水化が十分に行われなくなってしまう。
従って、本発明において、nは4〜12、好ましくは4
〜8、mは1〜3、好ましくは1〜2が良い。
【0068】その処理量は、アルミナ微粉体100重量
部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましく
は3〜40重量部が良い。
【0069】また、疎水化処理は疎水化剤単独で行って
も良いし、2種類以上の疎水化剤を使用しても良い。例
えば1種類のカップリング剤単独で疎水化処理を行って
も良いし、2種類のカップリング剤で同時に、又はカッ
プリング剤での疎水化処理を行った後、別のカップリン
グ剤でさらに疎水化処理を行っても良い。尚、疎水化剤
の使用方法、疎水化剤の添加方法に特に制約はない。
【0070】また、本発明においてアルミナ微粒子の含
有量は0.1〜5重量%が適当である。含有量が0.1
重量%よりも少ない場合にはトナーの高い流動性、十分
な研磨性が得られにくく、含有量が5重量%を超える場
合にはトナーの流動性が高すぎるために逆に均一な帯電
が阻害されるだけでなく、研磨性も高くなり、ドラムの
耐久性が低下する。
【0071】さらに本発明においては、トナーの凝集度
が2〜25%(好ましくは2〜20%、より好ましくは
2〜15%)であることが良い。
【0072】凝集度が25%を超える場合は、トナーホ
ッパーから現像器へのトナーの搬送性の低下、トナーと
キャリアとの混合不良、さらにはトナーの帯電不良等の
問題が発生し易い。従って、トナーを細かくし、トナー
の着色力を適正化しても、高品位な画質が得られにく
い。
【0073】本発明のトナーの着色剤含有樹脂粒子に使
用する結着物質としては、従来電子写真用トナーの結着
樹脂として知られる各種の材料樹脂が用いられる。
【0074】例えば、ポリスチレン、スチレン・ブタジ
エン共重合体、スチレン・アクリル共重合体等のスチレ
ン系共重合体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体のような
エチレン系共重合体、フェノール系樹脂、エポキシ系樹
脂、アクリルフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、マレイン酸系樹脂等である。また、いずれ
の樹脂もその製造方法等は特に制約されるものではな
い。
【0075】これらの樹脂の中で、特に負帯電能の高い
ポリエステル系樹脂を用いた場合本発明の効果は絶大で
ある。即ち、ポリエステル系樹脂は、定着性に優れ、カ
ラートナーに適している反面、負帯電能が強く帯電が過
大になり易いが、本発明の構成にポリエステル樹脂を用
いると弊害は改善され、優れたトナーが得られる。
【0076】特に、次式
【0077】
【化1】 (式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x,y
はそれぞれ1以上の整数であり、且つx+yの平均値は
2〜10である。)で代表されるビスフェノール誘導体
もしくは置換体をジオール成分とし、2価以上のカルボ
ン酸またはその酸無水物又はその低級アルキルエステル
とからなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸など)とを共縮重合したポリ
エステル樹脂がシャープな溶融特性を有するのでより好
ましい。
【0078】本発明に使用される着色剤としては、非磁
性トナーとしては公知の染顔料、例えばフタロシアニン
ブルー、インダスレンブルー、ピーコックブルー、パー
マネントレッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、ハ
ンザイエロー、パーマネントイエロー、ベンジジンイエ
ロー等を使用することができる。その含有量としては、
OHP用フィルムの透過性に対し敏感に反映するため
に、結着樹脂100重量部に対して12重量部以下であ
り、好ましくは0.5〜9重量部である。
【0079】また、本発明のトナーは、負帯電性、正帯
電性を限定するものではないが、負帯電性トナーとする
場合には、特に負荷電特性を安定化させる目的で荷電制
御剤を添加することが好ましい。負荷電制御剤としては
例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体(例えば、ジ
−ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯体又は亜鉛
錯体)の如き有機金属錯体が挙げられる。
【0080】正帯電性のトナーとする場合には、正帯電
性を示す荷電制御剤として、ニグロシンやトリフェニル
メタン系化合物、ローダミン系染料、ポリビニルピリジ
ンなどを用いても構わない。また、カラートナーを作る
場合には、トナーの色調に影響を与えない無色又は淡色
の正荷電制御剤を用いることが望ましい。
【0081】本発明のトナーには必要に応じてトナーの
特性を損ねない範囲で添加剤を混合しても良い。そのよ
うな添加剤としては、例えば有機樹脂粒子、金属酸化物
の如き帯電助剤、或いはテフロン、ステアリン酸亜鉛、
ポリフッ化ビニリデンの如き滑剤、或いは定着助剤(例
えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンな
ど)が挙げられる。
【0082】本発明のトナーの製造にあたっては、熱ロ
ール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機によ
って構成材料を良く混練した後、機械的に粉砕し、粉砕
粉を分級してトナーを得る方法;結着樹脂溶液中に着色
剤の如き材料を分散した後、噴霧乾燥することにより得
る方法;結着樹脂を構成すべき重合性単量体に所定材料
を混合して単量体組成物を得、この組成物の乳化懸濁液
を重合させることによりトナーを得る懸濁重合によるト
ナー製造法が応用できる。
【0083】本発明のトナーを二成分現像剤として用い
る場合、使用されるキャリアとしては、例えば表面酸化
又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マン
ガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金又は酸
化物及びフェライトなどが使用できる。また、その製造
方法として特別な制約はない。
【0084】また、上記キャリアの表面を樹脂等で被覆
する方法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もし
くは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着せしめる方法、
単に粉体で混合する方法等、従来公知の方法がいずれも
適用できる。
【0085】キャリア表面への固着物質としてはトナー
材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレ
ン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ
化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジ
−ターシャリーブチルサリチル酸の金属錯体、スチレン
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチ
ラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性
染料及びレーキ、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などを
単独或いは複数で用いるのが適当であるが、必ずしもこ
れに制約されない。
【0086】上記化合物の処理量は、キャリアが前記条
件を満足するよう適宜決定すれば良いが、一般には総量
でキャリアに対し0.1〜30重量%(好ましくは0.
5〜20重量%)が好ましい。
【0087】これらキャリアの平均粒径は10〜100
μm、好ましくは20〜70μmを有することが好まし
い。
【0088】好ましい態様としては、Cu−Zn−Fe
の3元素のフェライトであり、その表面をシリコーン樹
脂又はフッ素系樹脂とスチレン系樹脂の如き樹脂の組合
せ、例えばポリフッ化ビニリデンとスチレン−メチルメ
タアクリレート樹脂;ポリテトラフルオロエチレンとス
チレン−メチルメタアクリレート樹脂、フッ素系共重合
体とスチレン系重合体;シリコーン系樹脂などを90:
10〜20:80、好ましくは70:30〜30:70
の比率の混合物としたもので、0.01〜5重量%、好
ましくは0.1〜1重量%コーティングし250メッシ
ュパス、400メッシュオンのキャリア粒子が70重量
%以上ある上記平均粒径を有するコートフェライトキャ
リアであるものが挙げられる。該フッ素系共重合体とし
てはフッ化ビニリデンテトラフルオロエチレン共重合体
(10:90〜90:10)が例示され、スチレン系共
重合体としてはスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシ
ル(20:80〜80:20)、スチレン−アクリル酸
2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(20〜6
0:5〜30:10〜50)が例示される。
【0089】上記コートフェライトキャリアは粒径分布
がシャープな場合、本発明のトナーに対し好ましい摩擦
帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果
がある。
【0090】本発明のトナーと混合して二成分現像剤を
調整する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度と
して、2〜15重量%、好ましくは3〜13重量%、よ
り好ましくは4〜10重量%にすると通常良好な結果が
得られる。トナー濃度が2重量%未満では画像濃度が低
く実用不可となり、15重量%を超える場合ではカブリ
や機内飛散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命が短くなる
傾向にある。
【0091】次に本発明のトナーを使用して非磁性一成
分トナー現像を行う場合の現像装置の一例を説明する。
必ずしもこれに限定されるものではない。図1に、潜像
保持体上に形成された静電像を現像する装置を示す。潜
像保持体1において、潜像形成は図示しない電子写真プ
ロセス手段又は静電記録手段によりなされる。現像剤担
持体2は、アルミニウム或いはステンレス等からなる非
磁性スリーブからなる。非磁性一成分カラートナーはホ
ッパー3に貯蔵されており、供給ローラー4により現像
剤担持体2上へ供給される。供給ローラー4は現像後の
現像剤担持体2上のトナーのはぎ取りも行っている。現
像剤担持体2上に供給されたトナーは現像剤塗布ブレー
ド5によって均一且つ薄層に塗布される。現像剤塗布ブ
レード5と現像剤担持体2との当接圧力は、スリーブ母
線方向の線圧として、3〜250g/cm、好ましくは
10〜120g/cmが有効である。当接圧力が3g/
cmより小さい場合、トナーの均一塗布が困難になり、
トナーの帯電量分布がブロードになり、カブリや飛散の
原因となり易い。当接圧力が250g/cmを超える
と、トナーに大きな圧力がかかるために、トナー同士が
凝集したり、或いは粉砕され易く好ましくない。当接圧
力を3〜250g/cmに調整することで小粒径トナー
の凝集を良好にほぐすことが可能になり、トナーの摩擦
帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。現像剤塗
布ブレード5は、所望の極性にトナーを帯電するに適し
た摩擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましい。
【0092】本発明においては、シリコーンゴム、ウレ
タンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等が好適である。
導電性ゴムを使用すれば、トナーが過剰に摩擦帯電する
のを防ぐことができて好ましい。さらに必要に応じて、
ブレード5の表面コートを行なっても良い。特に、ネガ
トナーとして使用する場合、ポリアミド樹脂の如き正帯
電性樹脂をコートするのが好適である。
【0093】ブレード5により現像剤担持体2上にトナ
ーを薄層コートするシステムにおいては、十分な画像濃
度を得るために、現像剤担持体2上のトナー層の厚さを
現像剤担持体2と潜像保持体1との対向空隙長よりも小
さくし、この空隙に交番電場を印加することが好まし
い。図1に示すバイアス電源6により現像剤担持体2と
潜像保持体1間に交番電場又は交番電場に直流電場を重
畳した現像バイアスを印加することにより、現像剤担持
体2上から潜像保持体1上のトナーの移動を容易にし、
さらに良質の画像を得ることができる。
【0094】以下に各特性値の測定法について述べる。
【0095】疎水化度測定:メタノール滴定試験は、
疎水化された表面を有する無機微粉体の疎水化度を確認
する実験的試験である。
【0096】処理されたアルミナ微粒子の疎水化度を評
価するためのメタノールを用いた疎水化度測定は次の如
く行なう。供試アルミナ微粒子0.2gを容量250m
lの三角フラスコ中の水50mlに添加する。メタノー
ルをビューレットから滴定する。この際フラスコ内の溶
液はマグネチックスターラーで常時撹拌する。アルミナ
微粒子が溶液に沈降開始した時点のメタノール及び水の
液状混合物中のメタノールの百分率をメタノール濃度A
として表わす。アルミナ微粒子の沈降終了時点は、全量
が液体中に懸濁されることによって観察され、疎水化度
は沈降終了時点に達した際のメタノール及び水の液状混
合物中のメタノールの百分率をメタノール濃度Bとして
表わす。
【0097】トナーの粒度分布の測定:測定装置とし
ては、コールターカウンターTA−II或いはコールタ
ーマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電
解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl
水溶液を調製する。例えば、ISOTON−II(コー
ルターサイエンティフィックジャパン社製)が使用でき
る。測定方法としては、前記電解水溶液100〜150
ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルル
キルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加え、
さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した
電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行な
い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μ
mアパーチャーを用いて、トナー粒子の体積及び個数を
各チャンネル毎に測定して、トナーの体積分布と個数分
布とを算出する。それから、トナー粒子の体積分布から
求めた重量基準のトナーの重量平均粒径(D4)(各チ
ャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求
める。
【0098】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μ
m;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μ
m;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μ
m;10.08〜12.70μm;12.70〜16.
00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜
25.40μm;25.40〜32.00μm;32.
00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0099】凝集度測定:試料(外添剤を有するトナ
ー等)の流動特性を測定する一手段として凝集度を用い
るものであり、この凝集度の値が大きいほど試料の流動
性は悪いと判断する。
【0100】測定装置としては、デジタル振動計(デジ
バイブロ MODEL 1332)を有するパウダーテ
スター(細川ミクロン社製)を用いる。
【0101】測定法としては、振動台に200メッシ
ュ、100メッシュ、60メッシュの篩いを目開の狭い
順に、即ち60メッシュ篩いが最上位にくるように20
0メッシュ、100メッシュ、60メッシュの篩い順に
重ねてセットする。
【0102】このセットした60メッシュ篩い上に正確
に秤量した試料5gを加え、振動台への入力電圧を2
1.7Vになるようにし、デジタル振動計の変位の値を
0.130mmにし、その際の振動台の振幅が60〜9
0μmの範囲に入るように調整し(レオスタット目盛約
2.5)、約15秒間振動を加える。その後、各篩い上
に残った試料の重量を測定して下式に基づき凝集度を得
る。
【0103】
【数1】
【0104】尚、試料は23℃、60%RHの環境下で
約12時間放置したものを用い、測定環境は23℃、6
0%RHである。
【0105】アルミナ微粒子の平均粒径の測定方法:
アルミナ微粒子を透過型電子顕微鏡で観察し、視野中の
100個の粒子径を測定して平均粒子径を求める。
【0106】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが本発明は何ら
これらに限定するものではない。
【0107】[アルミナ微粒子の製造例1]3リットル
の2M重炭酸アンモニウム溶液に、0.2Mアンモニウ
ムミョウバン溶液2リットルを、液温を30℃に保ちな
がら、1時間に0.8リットルの速度で滴下し、撹拌し
ながら十分に反応させ、アルミニウムアンモニウムカー
ボネートハイドロオキサイド微粉体〔NH4Al(O)
(OH)HCO3〕を生成し、ろ過、乾燥、解砕した。
ここで、解砕はスピードミルで行ない、凝集度がなくな
るまで繰り返し行なった。該微粉体を約900℃で24
時間加熱処理してアルミナ微粉体を精製した。このアル
ミナ微粉体は、BET比表面積265m2 /gを有し、
X線回折によって結晶形はγ系であることが確認され
た。
【0108】次に、トルエン中で上記アルミナ微粉体を
ボールミルで湿式粉砕し、溶液中でアルミナ微粉体を十
分に分散させた後、疎水化剤として、i−C49 −S
i−(OCH33 をアルミナ微粉体100重量部に対
して固形分で30重量部となるように、液温を50℃に
保ち、十分に撹拌しながら滴下混合し、加水分解させ
た、その後、ろ過、乾燥した後、180℃で2時間焼き
付けし、解砕した。解砕は上記と同様にスピードミルで
行ない、凝集体がなくなるまで繰り返し行なった。そし
て、アルミナ微粒子1を得た。
【0109】尚、該微粉体の疎水化度測定における沈降
開始時点のメタノール濃度Aは55%、沈降終了時点の
メタノール濃度は63%であった。また、該微粉体の平
均粒径は0.02μm、BET比表面積は190m2
gであった。
【0110】[アルミナ微粒子の製造例2]平均粒径
0.05μmの極めて粒径のそろった製造例1記載のア
ルミナ微粉体生成法により得られたアルミナ微粉体を、
ブレンダーで撹拌しながらi−C49 −Si−(OC
33 をアルミナ微粉体100重量部に対して固形分
で25重量部となるようにトルエンで希釈混合した疎水
化剤をスプレーし、混合撹拌、加熱、乾燥させ、A=4
0%、B=51%、平均粒径=0.06μmの非常に粒
径のそろったアルミナ微粒子2を得た。尚、疎水化処理
前後の酸化チタンを透過型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、0.07μm以上の粒子はほとんど見られず、非常
に粒径がそろっている様子が観察された。尚、該アルミ
ナ微粒子のBET比表面積は210m2 /gであった。
【0111】[アルミナ微粒子の製造例3]平均粒径
0.05μmの製造例1記載のアルミナ微粉体生成方法
により得られたアルミナ微粒子を小粒径のメディアを用
いたボールミルで十分に湿式粉砕を行なった後、十分に
混合、撹拌しながらi−C49 −Si−(OCH3
3 とC613−Si−(OCH33 とを1対1で混合
した疎水化剤をアルミナ微粉体100重量部に対して固
形分で30重量部となるように添加した。この時、先ず
疎水化剤の全添加量の1/2等量を添加した。そして十
分に混合、撹拌した後、残り1/2等量の疎水化剤を混
合、撹拌を行ないながら添加した。さらに、十分混合、
撹拌を行なった後、乾燥、解砕し、A=45%、B=5
5%、平均粒径0.07μm、BET比表面積200m
2 /gのアルミナ微粒子3を得た。
【0112】[アルミナ微粒子の製造例4]有機アルミ
ニウムの加水分解法により生成したγ−アルミナを用い
て、疎水化剤量を25重量部とする以外は、製造例1と
同様にして、A=41%、B=54%、平均粒径0.0
9μm、BET比表面積130m2 /gのアルミナ微粒
子4を得た。
【0113】[アルミナ微粒子の製造例5]加熱処理の
温度を1200℃とする以外は、製造例1と同様にし
て、A=53%、B=63%、平均粒径0.09μm、
BET比表面積100m2 /gのアルミナ微粒子5を得
た。
【0114】[アルミナ微粒子の製造例6]加熱処理の
温度を300℃とする以外は、製造例1と同様にして、
A=53%、B=65%、平均粒径0.005μm、B
ET比表面積350m2 /gのアルミナ微粒子6を得
た。
【0115】[アルミナ微粒子の製造例7]加熱処理の
温度を1300℃とすること以外は、製造例1と同様に
して、A=51%、B=62%、平均粒径0.09μ
m、BET比表面積70m2 /gのアルミナ微粒子7を
得た。
【0116】[アルミナ微粒子の製造例8]加熱処理を
300℃で12時間とすること、疎水化剤を40重量部
添加すること以外は、製造例1と同様にして、A=54
%、B=61%、平均粒径0.03μm、BET比表面
積400m2 /gのアルミナ微粒子8を得た。
【0117】[アルミナ微粒子の製造例9]疎水化剤を
アルミナ微粉体100重量部に対して固形分で10重量
部となるように添加する以外は、製造例1と同様にし
て、A=7%、B=22%、平均粒径0.05μm、B
ET比表面積180m2 /gのアルミナ微粒子9を得
た。
【0118】[アルミナ微粒子の製造例10]疎水化剤
としてCH3 −Si−(OCH33 をアルミナ微粉体
100重量部に対して固形分で20重量部となるように
添加する以外は、製造例1と同様にして、A=18%、
B=25%、平均粒径0.06μm、BET比表面積2
20m2 /gのアルミナ微粒子10を得た。
【0119】[アルミナ微粒子の製造例11]疎水化剤
としてC1225−Si−(OCH33 をアルミナ微粉
体100重量部に対して固形分で50重量部となるよう
に添加する以外は、製造例2と同様にして、A=83
%、B=95%、平均粒径0.095μm、BET比表
面積105m2 /gのアルミナ微粒子11を得た。
【0120】[アルミナ微粒子の製造例12]疎水化剤
としてCH3 −Si−(OCH33 とC613−Si
−(OCH33 を2:1で混合した疎水化剤をアルミ
ナ微粉体100重量部に対して固形分で30重量部とな
るように添加する以外は、製造例3と同様にして、A=
38%、B=57%、平均粒径0.08μm、BET比
表面積180m2 /gのアルミナ微粒子12を得た。
【0121】[アルミナ微粒子の製造例13]加熱処理
の温度を1200℃とすること、疎水化剤としてi−C
49 −Si−(OCH33 をアルミナ微粉体100
重量部に対して固形分で40重量部となるように添加す
ること以外は、製造例1と同様にして、A=50%、B
=65%、平均粒径0.15μm、BET比表面積15
0m2 /gのアルミナ微粒子13を得た。
【0122】上記製造例1〜13で得られたアルミナ微
粒子1〜13のA、B、平均粒径、BET比表面積を表
1に示す。
【0123】
【表1】
【0124】[実施例1] プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合して得られたポリエステル樹脂 100重量部 フタロシアニン顔料 4重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4重量部 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行ない、二
軸押出し式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミ
ルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアー
ジェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得ら
れた微粉砕物を分級して、重量平均粒径が6.1μm
(4.0μm以下が39.0個数%、9.7体積%、8
μm以上が9.4体積%、N/V=4.02、k=5.
97)である負摩擦帯電性のシアン色の粉体を得た。
【0125】上記着色粉体100重量部と、アルミナ微
粒子1の1.5重量部とをヘンシェルミキサーで混合
し、シアントナーを得た。
【0126】前述のシアントナーとシリコーン樹脂コー
トキャリアとをトナー濃度5%で混合して現像剤を作製
し、カラー複写機CLC−800(キヤノン製)を用い
画像面積比率25%のオリジナル原稿を用いて30℃/
80%環境下、23℃/5%環境下にて1万枚の画出し
をした結果を表2に示した。上述の現像剤は、耐刷試験
における画像濃度、カブリ、トナー帯電量の変動も小さ
く、1万枚後のトナー飛散も問題なく、環境安定性も高
く、画質も良く、特にハイライト再現性が良好であっ
た。耐久1万枚後の感光体表面を透過型電子顕微鏡で観
察したが、付着物、傷は全くなく良好な表面状態であっ
た。
【0127】尚、以下の比較例及び実施例も同様に表2
に示した。
【0128】[実施例2]アルミナ微粒子2を用いるこ
と以外は、実施例1と同様の実験を行なった。耐久1万
枚後、高湿環境下で若干のカブリ、トナー飛散が認めら
れたが、実用上問題のないレベルであった。画質につい
ても、ハイライト再現性レベルが高く、良好であった。
また、耐久後の感光体表面を観察したところ、傷、付着
物はなく良好な表面状態であった。
【0129】[実施例3]アルミナ微粒子3を用いるこ
と以外は、実施例1と同様の実験を行なった。耐久の前
後で画像濃度、カブリ、トナー帯電量の変動も小さく、
画質レベルも良好であった。また、耐久後の感光体表面
を観察したところ、傷及び付着物は全く認められず、良
好な表面状態であった。
【0130】[実施例4]アルミナ微粒子4を用いるこ
と以外は、実施例1と同様の実験を行なった。耐久1万
枚後にどちらの環境においても、若干のカブリ、トナー
飛散が認められた。また、耐久後の感光体表面を観察し
たところ、アルミナ微粒子によるものと思われる微小な
傷が数箇所で認められた。しかし、どちらの現像も実用
上問題となるレベルではなかった。
【0131】[実施例5]アルミナ微粒子5を用いるこ
と以外は、実施例1と同様の実験を行なった。耐久の前
後で、画像濃度、カブリ、トナー帯電量の変動も小さ
く、画質レベルも良好であった。
【0132】尚、耐久後の感光体表面を観察したとこ
ろ、アルミナ微粒子が原因と思われる微小な傷が数箇所
で見られたが、実用上問題となるレベルではなかった。
【0133】[実施例6]アルミナ微粒子6を使用する
こと以外は、実施例1と同様の実験を行なった。耐久1
万枚後に、若干のカブリ、トナー飛散が認められたが、
実用上問題のないレベルであった。尚、耐久後の感光体
表面を観察した結果、傷、付着物は認められなかった。
【0134】[実施例7]アルミナ微粒子7を使用する
こと以外は、実施例1と同様に実験を行なった。耐久1
万枚後であっても、画像濃度は安定しており、カブリ、
トナー飛散は発生するものの実用上問題となるレベルで
はなかった。
【0135】また、アルミナ微粒子の凝集体が存在する
ため、耐久後の感光体表面に数箇所の傷が認められると
ともに、トナー流動性が若干低めであるために、ハイラ
イト部の再現性レベルがやや悪かったが、実用上は問題
とならないレベルであった。
【0136】[実施例8]アルミナ微粒子8を使用する
こと以外は、実施例1と同様にして実験を行なった。耐
久1万枚後に若干画像濃度の上昇、カブリ、トナー飛散
が発生したが、実用上問題となるレベルではなかった。
【0137】これは、アルミナ微粒子のBET比表面積
が大きいために、湿度による影響を受けて、帯電量が若
干低下したことによって発生したものと考えられるが、
実用上何ら問題にならないレベルである。
【0138】[実施例9]重量平均粒径が2.67μm
(4.0μm以下が98.5体積%、83.8個数%、
8.0μm以上が0体積%、N/V=0.85、k=
5.04)である負帯電性のシアン色の粉体を使用し、
アルミナ微粒子1を4重量部使用する以外は、実施例1
と同様に実験を行なった。耐久1万枚後で、画像濃度が
やや低下し、カブリ、トナー飛散も発生したが実用上問
題となるレベルではなかった。これはトナーの重量平均
径が小さいため、トナーの単位重量当たりの帯電量がや
や高くなったことにより画像濃度低下が発生し、さらに
キャリアとの接触帯電がスムーズに行なわれていないた
め、微量の帯電不良のトナーが発生し、カブリ、トナー
飛散を発生させたものと考えられる。
【0139】[実施例10]重量平均粒径が9.42μ
m(4.0μm以下が22.9体積%、0.7個数%、
8.0μm以上が68体積%、N/V=0.03、k=
0.065)である負帯電性のシアン色の粉体を使用
し、アルミナ微粒子1を0.5重量部使用するする以外
は、実施例1と同様に実験を行なった。耐久の前後で画
像濃度は安定し、カブリ、トナー飛散の発生は見られな
かったが、ハイライト再現性にやや乏しく、高精細性に
やや劣る画像であったが、実用上問題となるレベルでは
なかった。これは、トナーの重量平均粒径が大きく、高
画質化、ハイライト再現性に寄与する微粒子が少ないこ
とによるものと考えられる。
【0140】[比較例1]アルミナ微粒子9を使用する
こと以外は、実施例1と同様の実験を行なった。耐久1
万枚後に、画像濃度の上昇、カブリ、トナー飛散が発生
した。これはアルミナ微粒子のA、Bの値が共に小さい
値であることから、湿度によるトナーの均一帯電不良、
帯電量の低下を引き起こしたことが原因であると考えら
れる。尚、耐久後の感光体表面を観察したが、傷、付着
物は認められなかった。
【0141】[比較例2]アルミナ微粒子10を使用す
ること以外は、実施例1と同様の実験を行なった。耐久
1万枚後に、画像濃度の上昇、カブリ、トナー飛散が発
生した。これらの現象は、特に高湿環境下で顕著に発生
した。これは、アルミナ微粒子のBが低いために、十分
な帯電量をトナーに付与することができない上、湿度に
よる影響を受けたためであると考えられる。
【0142】尚、耐久後の感光体表面に傷、付着物は認
められなかった。
【0143】[比較例3]アルミナ微粒子11を使用す
ること以外は、実施例1と同様の実験を行なった。耐久
1万枚後に、画像濃度が低下し、若干のカブリ、トナー
飛散を生じた。これらの現象は、アルミナ微粒子のBが
著しく高いために、トナーのチャージアップを引き起こ
すとともに、均一な帯電が阻害されたことにより発生し
たものと考えられる。
【0144】尚、耐久後の感光体表面に深い傷があるこ
とが認められたが、これは、疎水化処理時に合一したア
ルミナ微粒子が原因であると推察できる。
【0145】[比較例4]アルミナ微粒子12を使用す
ること以外は、実施例1と同様の実験を行なった。耐久
1万枚後に、画像濃度の上昇、カブリ、トナー飛散が発
生し、特に高湿環境下で著しく発生した。これは、アル
ミナ微粒子の疎水化度分布が広いために、均一なトナー
帯電がなされないことが原因であると考えられる。
【0146】[比較例5]アルミナ微粒子13を用いる
以外は、実施例1と同様にして実験を行なった。耐久1
万枚後に、画像濃度上昇、カブリ、トナー飛散が発生
し、これらの現象は、高湿環境下で顕著に発生した。こ
れはアルミナ微粒子の粒径が大きいために、トナー流動
性が低くなり、帯電が不均一となったことにより発生し
たものと考えられる。このため、画質もハイライト再現
性のレベルが低く、高精細な画像は得られなかった。
【0147】また、耐久後の感光体表面に深い傷が多数
認められたが、これは、アルミナ微粒子の粒径が大きい
ために生じたものと考えられる。
【0148】
【表2】
【0149】
【発明の効果】本発明の電子写真用トナーは、極めて安
定な環境特性と良好な流動性及び転写性を有すると同時
に、感光体表面、及び付着物に対する研磨性を有するこ
とにより、あらゆる環境で非常に安定した高精細、高品
質な画像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用トナーを適用し得る現像装
置の一具体例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 潜像保持体(感光ドラム) 2 現像剤担持体(現像スリーブ) 3 ホッパー 4 供給ローラー 6 現像剤塗布ブレート 6 電源

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有す
    るトナー粒子及びアルミナ微粒子を有する電子写真用ト
    ナーであって、該アルミナ微粒子は、メタノールを用い
    た微粉体の疎水化度測定法における、微粉体の沈降開始
    時点のメタノール濃度A(%)と、微粉体の沈降終了時
    点のメタノール濃度B(%)が、 A≧20 30≦B≦90 0≦B−A≦15 となるように疎水化処理が施されており、平均粒径が
    0.001〜0.1μmの範囲であり、該トナーは、重
    量平均粒径が3〜9μmであることを特徴とする電子写
    真用トナー。
  2. 【請求項2】 前記トナーは、重量平均粒径が3〜9μ
    mであり、4μm以下の粒径のトナー粒子を5〜70個
    数%含有し、8μm以上の粒径のトナー粒子を1〜65
    体積%含有し、且つ4μm以下の粒径のトナー粒子が下
    記式 N/V=−0.05N+k (式中、Nは4μm以下の個数%、Vは4μm以下の体
    積%、kは3.0〜20.0の正の数)を満足する粒度
    分布を有することを特徴とする請求項1記載の電子写真
    用トナー。
  3. 【請求項3】 前記アルミナ微粒子のBET比表面積が
    100〜350m2/gであることを特徴とする請求項
    1又は2記載の電子写真用トナー。
  4. 【請求項4】 前記アルミナ微粒子は、アルミニウムア
    ンモニウムカーボネートハイドロオキサイド微粉体を熱
    分解処理することにより生成したアルミナ微粒子である
    ことを特徴とする請求項1乃至3記載の電子写真用トナ
    ー。
  5. 【請求項5】 前記アルミニウムアンモニウムカーボネ
    ートハイドロオキサイドは、下記式(1)又は(2) NH4 Al(O)(OH)HCO3 (1) NH4 AlCO3 (OH)2 (2) で示される化合物であることを特徴とする請求項4記載
    の電子写真用トナー。
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Effective date: 20021112