JPH08136508A - 漏洩磁束探傷における感度較正方法 - Google Patents

漏洩磁束探傷における感度較正方法

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JPH08136508A
JPH08136508A JP27616094A JP27616094A JPH08136508A JP H08136508 A JPH08136508 A JP H08136508A JP 27616094 A JP27616094 A JP 27616094A JP 27616094 A JP27616094 A JP 27616094A JP H08136508 A JPH08136508 A JP H08136508A
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magnetic flux
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magnetic
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JP27616094A
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English (en)
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Shinichi Fukuda
田 真 一 福
Naoki Takasugi
杉 直 樹 高
Shigetoshi Tsuruoka
岡 繁 利 鶴
Teruaki Fujii
井 昭 明 藤
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SYST HIGHTECH KK
Nippon Steel Corp
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SYST HIGHTECH KK
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 漏洩磁束探傷装置の感度異常を常時監視し、
高能率に較正することによって、鋼管や棒鋼管の表面及
び表面近傍に存在する割れ傷やピット状傷等を高精度、
高能率で探傷する。 【構成】 被検査材の軸方向に磁束を発生させ、被検査
材の疵からの漏洩磁束を被検査材と同心円状に配設した
複数個の感磁性素子によって検出する探傷方法におい
て、標準試験片7に加工した環状疵8により標準試験片
7の周方向で均等な漏洩磁束を発生させ全感磁性素子6
の感度を同時に所定値に較正した後、空芯状態で励磁コ
イル2の一部に交流電流を流すことにより得られる感磁
性素子6の感度を基準値とし、前記方法により定期的に
計測した感磁性素子6の感度を計測値とし、計測値と前
記基準値を比較し、その差異により感磁性素子6の感度
異常を監視する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼管や棒鋼等の表面及
び表面近傍に存在する割れ疵やピット状疵等の探傷にお
いて用いられる感磁性素子の検出感度を較正し、また監
視する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼管等の探傷方法として、例えば日本非
破壊検査協会発行(平成2年9月1日)の「渦流探傷試
験III(1990)」121頁には、超音波探傷(UT),
渦流探傷(ET),漏洩磁束探傷(MLFT),磁粉探
傷(MT)等の種々の非破壊検査法が記載されており、
予想される疵に応じて一種類もしくは複数種類の方法が
組合せ適用される。
【0003】このような非破壊検査法として、例えば日
本工業規格の「JIS G 0568-1982鋼の渦流探傷試験方
法」及び「JIS G 0583-1978 鋼管の渦流探傷検査方
法」には、貫通形コイルに周波数 0.5〜500 KHz 程度の
交流電流を供給し、自己誘導又は相互誘導により被検査
材を励磁し、例えば直径 1.0 mm のドリル孔を基準とし
て検査する方法が記載されている。しかし、近年は数百
μm程度の微小表面疵が問題となってきており、直径
1.0 mm 程度のドリル孔を基準とする検査では微小表面
疵を検出できない。
【0004】微小表面疵の検出法として、例えば日本非
破壊検査協会発行の「非破壊検査」第30巻,第7号,46
8〜477頁には、漏洩磁束探傷法が記載されている。
【0005】図3は、従来の傷装置の側断面図を示して
いる。この装置は、被検査材1の軸方向に2つの励磁コ
イル2,2を設け、励磁コイル2,2によって矢印方向
に磁束3を発生させ、被検査材1の疵4による漏洩磁束
5を感磁性素子6によって検知するものである。しか
し、この探傷装置による検出限界は、例えば日本鉄鋼協
会発行(平成2年11月30日)の「鉄鋼製品の漏洩磁
束探傷法」83頁に記載されているように、0.15 mm
(SN比≧3)程度である。
【0006】鋼管や棒鋼等の微小疵を高精度で探傷する
ためには、感磁性素子の感度が所定値であるとともに、
各感磁性素子の感度が均等でなければならない。ところ
が、感磁性素子の感度は、製作時のばらつき及びホルダ
ーへの取り付け状態等によって異なるため、探傷前に感
度を確認し、感度が所定値となるように較正する必要が
ある。また、感磁性素子の感度は温度や衝撃等によって
も変化するため、JISでは、設定した試験条件が変動
していないことを適時確認することが義務付けられてお
り、一般的には4時間探傷する度に感度を較正してい
る。
【0007】感磁性素子の感度を較正する方法として、
例えば特開平5-10926号公報によれば、被検査材である
鋼板を挟んで感磁性素子の反対側に設置した感度較正用
の励磁コイルにより、磁界を発生させて感度を較正する
方法が知られている。しかし、このような方法は、感磁
性素子が被検査材(鋼管や棒鋼等)を中心にして同心円
状に配設されているような場合には適用できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来、鋼管や棒鋼等を
探傷する装置の感度較正は、感度較正の人工疵をドリル
孔やノッチ等によって加工した標準試験片を作成し、こ
の人工疵に対する感磁性素子の感度を、各感磁性素子1
個毎に較正していた。この場合、人工疵を各感磁性素子
の中心直下に位置決めすることが非常に難しいため、多
大の時間及び労力を要していた。また、前記位置決めの
精度が悪いと較正精度が低下する。さらには、感度の確
認は数時間毎に繰り返し行う必要があること、及び常時
確認できないため異常が確認されたときは、前回感度較
正以降に探傷した被検査材を全て再探傷しなければなら
ないため、生産能率の低下を招いていた。
【0009】本発明は、漏洩磁束による探傷装置の感度
を高能率で較正すること、さらには較正した後に常時監
視することによって、鋼管や棒鋼等の割れ疵やピット状
疵等を高能率かつ高精度で探傷することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明は、環状に配設した複数個の感磁性素子の軸芯に標準
試験片を通し、励磁コイルに供給した電流によって生じ
る前記標準試験片に加工した疵からの漏洩磁束を前記感
磁性素子によって検出して該感磁性素子の感度を較正す
る、漏洩磁束探傷における感度較正方法において、前記
標準試験片に周方向で均等な環状疵を加工し、前記感磁
性素子の軸芯を中心とする周方向で均等な漏洩磁束を発
生させて感度較正をすることにより、前記複数個の感磁
性素子の感度を同時に較正することを特徴とする。
【0011】また、環状に配設した複数個の感磁性素子
の軸芯に被検査材を通し、励磁コイルに供給した電流に
よって発生する前記被検査材の疵からの漏洩磁束を検出
する漏洩磁束探傷において前記感磁性素子の感度を較正
する、漏洩磁束探傷における感度較正方法において、空
芯状態で前記励磁コイルに交流電流を供給して前記感磁
性素子の軸芯を中心として周方向で均等な磁束を発生さ
せて感度較正をすることにより前記複数個の感磁性素子
の感度を同時に較正することを特徴とする。
【0012】また、上述の方法のいずれかで複数個の感
磁性素子の感度を同時に較正した後に、(a)空芯状態
で前記励磁コイルに交流電流を供給して感磁性素子の感
度を計測し、該感度を基準値とし、(b)所定時間経過
後に前記(a)の方法により計測した感磁性素子の感度
を計測値とし、(c)前記基準値と計測値を比較し、そ
の差異により前記感磁性素子の感度異常を監視すること
を特徴とする。
【0013】
【作用】図1に示す励磁電源装置14により励磁電流を
励磁コイル2に供給すると、励磁コイル2によって発生
した磁束3は、ヨークの対向部9aを通ってヨークの貫
通孔10aに集中し、ヨークの貫通孔10aの内面から
空間を通って感度較正用の試験片7に侵入し、対極の貫
通孔10bからヨークの対向部9bを通って励磁コイル
2に戻る磁気回路を形成する。
【0014】本発明による感磁性素子6の感度較正法
は、感度較正用の標準試験片7に周方向で均等な深さの
環状疵を加工する。この標準試験片7をヨークの貫通孔
10a,10bに通すと、標準試験片7の周方向で均等
な漏洩磁束5が発生する。この漏洩磁束5の疵信号は、
感磁性素子6によって感度として検出され、該感度は必
要に応じて感度調整装置12によって所定値に調整され
る。このとき、標準試験片7には周方向に均等な深さの
環状疵が加工されているので、環状疵を各感磁性素子6
の中心直下に位置決めする必要がないため、位置決め誤
差による調整誤差が生じない。また調整が短時間で済
む。
【0015】本発明による他の感度較正法について説明
する。標準試験片7を貫通孔10a,10bより抜き取
って空芯状態とし、感度確認用の交流励磁電源装置18
より励磁コイル2の一部に疵信号と同等レベルの磁束が
得られる交流電流を供給すると、ヨークの対向部9aと
9bの中間部では環状疵の場合と同一周波数の交流磁束
が発生する。この交流磁束は、感磁性素子6により感度
として検出され、該感度は必要に応じて感度調整装置1
2によって所定値に調整される。このとき発生した交流
磁束は、空芯状態におけるものであるため各感磁性素子
6により検出され交流磁束は均等である。このため、従
来必要であった標準試験片の疵と各感磁性素子6との位
置決めをする必要がないので、位置決め誤差による調整
誤差が生じない。また調整が短時間で済む。
【0016】感磁性素子の感度監視方法について説明す
る。空芯状態において感度確認用の交流励磁電源装置1
8より励磁コイル2の一部に疵信号と同等レベルの磁束
が得られる交流電流を供給すると、ヨークの対向部9a
と9bの中間部では環状疵の場合と同一周波数の交流磁
束が発生する。この交流磁束は、感磁性素子6により検
出され増幅器17により増幅された後、感度比較装置1
3に記憶される。このときの感磁性素子6の感度を基準
値とする。
【0017】次に探傷作業中において、被検査材1が感
磁性素子6を通過していない間に、前記と同様に感度確
認用の交流励磁電源装置18より励磁コイル2の一部に
疵信号と同等レベルの磁束が得られる交流電流を供給す
ると、前記と同様にヨークの対向部9aと9bの中間部
では、環状疵と同一周波数の交流磁束が発生する。この
交流磁束は、感磁性素子6により検出され増幅器17に
より増幅された後、感度比較装置13に記憶される。こ
のときの感磁性素子6の感度を計測値とし、該計測値と
前記基準値を感度比較装置13で比較することにより、
感磁性素子6の感度を監視する。計測値と基準値の差が
所定値より大きい場合には、警報装置19により感度異
常を知らせると同時に、探傷作業を停止する。警報が発
せられた場合は、再度前記と同様に試験片7による漏洩
磁束5の検出を行って感度調整装置12により感磁性素
子6の感度を所定値に調整する。
【0018】前記感磁性素子6の感度監視は、探傷作業
中において、被検査材1が感磁性素子6を通過していな
い間において実施できるため、感度確認に特別の時間を
必要とせず、また感度異常の確認遅れによる再探傷もな
くなる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により詳細に説
明する。図1は本発明を実施するための漏洩磁束探傷装
置の側断面図を示しており、図2は図1のA−A’断面
図を示している。感度較正用の標準試験片7には、検出
目的とする自然疵と同一レベルの感度が得られる大きさ
の疵に相当する環状疵8が加工されており、標準試験片
7の周方向に均等な漏洩磁束5が発生する。なお、環状
疵は標準試験片7の外周を一周する部分に、均等な深さ
のノッチ溝を加工するか或いは均等な複数のドリル孔を
等間隔で加工することで形成され、また標準試験片7の
材質および寸法は被検査材と同一である。ヨーク9は、
断面が略U字状であり、ヨークの対向部9a,9bに
は、標準試験片7または被検査材1である鋼管が通過す
るための貫通孔10a,10bが設けられており、ヨー
クの底部9cには励磁コイル2が嵌着されている。ヨー
クの対向部9aと9bの間には、ホルダー11に保持さ
れた感磁ダイオードを用いた複数の感磁性素子6が、貫
通孔10a,10bと同心円状に配設されている。
【0020】12は、各感磁性素子6の感度つまり出力
を所定値に較正するための感度調整装置である。各感磁
性素子6の感度は、製作時のばらつき及びホルダー11
への取り付け状態等により異なるために、探傷前に感度
を確認し、感度が所定値となるように調整する。感磁性
素子6の感度を能率良く調整するためには、感磁性素子
6に対して検出目標とする自然疵と同一レベルの磁束を
与えて、全ての感磁性素子の感度が所定値となるように
同時に調整する。13は、感磁性素子の感度が常時所定
値に保持されているかを監視するための感度比較装置で
ある。
【0021】直流または交流の励磁電源装置14によ
り、励磁電流を励磁コイル2に供給すると、励磁コイル
2によって発生した磁束3は、ヨークの対向部9aを通
ってヨークの貫通孔10aに集中し、ヨークの貫通孔1
0aの内面から空間を通って標準試験片1に侵入し、対
極の貫通孔10bからヨークの対向部9bを通って励磁
コイル2に戻る磁気回路を形成する。
【0022】次に、本装置による感度較正方法について
説明する。標準試験片7を搬送装置15によって矢印1
6の方向へ搬送し、標準試験片7に加工した環状疵8が
ヨークの対向部9aと9bの間に位置すると、標準試験
片7の周方向に均一な漏洩磁束5が発生し、漏洩磁束5
は感磁性素子6によって検出される。漏洩磁束5からの
信号レベルは微弱であるために増幅器17により増幅す
る。増幅器17により増幅された疵信号は感度として検
出され、標準値と比較され必要により感度調整装置12
により所定値に感度調整される。なお、励磁コイル2へ
の励磁電流値は、試験片7の磁束密度が飽和となるよう
に設定する。
【0023】本装置による他の感度校正方法について説
明する。標準試験片7を貫通孔10a,10bより抜き
取って空芯状態とし、感度確認用の交流励磁電源装置1
8より励磁コイル2に疵信号と同等レベルの磁束が得ら
れる交流電流を供給することにより、ヨークの対向部9
aと9bの中間部では環状疵の場合と同一周波数の交流
磁束が発生する。この交流磁束は、感磁性素子6により
感度として検出され基準値と比較されて必要により感度
調整装置12によって所定値に感度調整される。
【0024】次に本装置による感度監視方法について説
明する。標準試験片7を貫通孔10a,10bより抜き
取って空芯状態とし、感度確認用の交流励磁電源装置1
8より前記同様に励磁コイル2に前記試験片7による疵
信号と同等レベルの磁束が得られる交流電流を供給する
と、ヨークの対向部9aと9bの中間部では環状疵と同
一周波数の磁束が発生する。感磁性素子6により検出さ
れた交流磁束は増幅器17により増幅された後、感度比
較装置13に記憶される。このときの感磁性素子6の感
度を基準値とする。
【0025】次に探傷作業中において、被検査材1が感
磁性素子6を通過していない間に、前記と同様に感度確
認用の交流励磁電源装置18により励磁コイル2に前記
疵信号と同等レベルの磁束が得られる交流電流を供給す
る。感磁性素子6により検出した交流磁束は増幅器17
により増幅された後、感度比較装置13に記憶される。
このときの感磁性素子6の感度を計測値とし、該計測値
と前記基準値を感度比較装置13で比較し、計測値と基
準値の差が所定値を超える場合には警報装置19により
感度異常を知らせると同時に、探傷作業を停止する。警
報が発せられた場合は、再度前記と同様に標準試験片7
による漏洩磁束5の検出を行い感度調整装置12により
感磁性素子6の感度を所定値に調整する。なお、感度調
整装置12,感度確認用の交流励磁電源装置18および
感度比較装置13への動作指示は全て制御装置20によ
り行う。また、励磁コイル2に供給する交流電流は人工
疵信号と同等レベルの磁束を発生するに必要なものでよ
く、励磁コイル2の一部に供給してもよい。
【0026】次に、感度調整装置12の出力信号の中か
らノイズ信号をフィルタ21により除去し、更にノイズ
信号を除去した信号の中から不要な信号を波形整形器2
2により除去した後、記録計23に記録する。また、こ
のようにして検出された一定レベル以上の信号をコンパ
レータ24により抽出し、検出値と基準値とを比較器2
5で比較し被検査材1の良否を判定する。
【0027】前記実施例において、励磁コイル2によっ
て発生した磁束2は、ヨークの対向部9aを通ってヨー
クの貫通孔10a,10bに集中するため、磁束2を被
検査材1に集束させることができる。この結果、浮遊磁
界や磁束の乱れが著しく少なくなり、磁化効率及びSN
比が向上するため、微小疵を確実に検出することがで
き、また、被検査材1の端部における未探傷領域を著し
く少なくすることができる。また、磁束2を被検査材1
に集束させることができるため、励磁電流の低励磁化及
び励磁部の小型化が可能となる。さらには、励磁コイル
2と感磁性素子6を離して設置しても、浮遊磁界や磁束
2の乱れが少なく、また離して設置することで、励磁コ
イル2の発熱による温度ドリフトの影響を著しく小さく
できる。
【0028】次に前記実施例に沿った具体的な数値例に
ついて説明する。外径 89.1 mm、肉厚 2.8 mm、長さ 10
0 m の炭素鋼の電縫溶接管を、ストレッチレジューサ
(絞り圧延機)により熱間圧延し、外径 21.7 mm、肉厚
2.3 mm に仕上げた後、長さ8 m 単位で切断した。目
視検査により検出された各種表面疵(自然疵)を含む鋼
管を被検査材として用いた。また、前記鋼管の中より疵
のない健全鋼管を採取し、その鋼管の外表面に検出目標
とする自然疵と同一感度が得られる、幅 3.0 mm、深さ
0.05 mm の環状疵を機械加工して感度較正用の標準試験
片とした。
【0029】励磁コイル2は、外径 2.0 mm の銅線を 6
00 ターン巻きとし、この励磁コイル2に 2 Aの直流電
流を流した。図1に示すヨーク9は、厚さtを 20 mm、
貫通孔10a,10bの内径dを 32 mm、間隔pを 30
mm、高さhを 200mm、幅Zを 90 mmとした。感磁性素子
6としては、周方向幅wは 3.5mm、軸方向長さl(小文
字のエル)は 0.6 mm のSMDセンサ(SONY Magnet Dio
de、ソニー(株)の商標)を用い、センサピッチ角Sは
22.5 °、リフトオフ(鋼管と感磁性素子間の距離)は
2.0 mm とし、ホルダー11に16個取り付けた。
【0030】標準試験片は 120 m/分 で搬送し、各感
磁性素子6の感度つまり出力が 3 Vとなるように感度
調整装置12を調整した。また、定期的な感度確認のた
めに励磁コイル2の一部つまり 600 ターンの内の 10タ
ーンに感度確認用の交流励磁電源装置18より周波数 2
00 Hz、電圧 5 V、電流 50 mA の交流電流を流し、そ
れによって得られた磁束を感磁性素子6により検出し、
各感磁性素子6の感度を基準値として感度比較装置13
に記憶した。長さ 8 mの鋼管を 2 秒間隔で搬送し、鋼
管が貫通孔10a,10bに挿入されていない 2 秒間
で前記方法により計測した感磁性素子の感度と前記基準
値とを感度比較装置13により比較し、基準値に対して
-2 dB をしきい値として感度変動を監視した。
【0031】なお、従来法による感度較正精度を確認す
るために、検出目標とする自然疵と同一感度が得られ
る、幅 1.0 mm、長さ 2.0 mm、深さ 0.5 mmのノッチ疵
を前記標準試験片と同様に健全な鋼管の外表面に加工し
た。従来法では、ノッチ疵を加工した試験片を 120 m/
分 の速度で往復運動させて各感磁性素子6の出力が 3
V となるように感度調整装置12を調整した。
【0032】表1は、本発明法および従来法による感度
較正後、各感磁性素子からの出力を測定した結果を示す
表である。
【0033】
【表1】
【0034】16個の感磁性素子の感度較正時間は、本
発明法の場合 0.5 秒、従来法の場合 30 分であった。
本発明法は標準試験片に加工した環状疵と磁性素子との
位置決めを正確に行うことができるため、従来法に比較
して感度較正後の感磁性素子出力のばらつきが小さく、
かつ感度較正に要する時間が著しく短くなる。
【0035】図4は、本発明法および従来法による感度
較正後の自然疵探傷結果を示す。本発明法は従来法に比
較して自然疵からの感度のばらつきが著しく小さいから
再現性良く安定して探傷ができた。なお、本発明法では
感度比較装置13により感度変動を監視したが、感度
〔V〕は基準値に対して -2 dB の範囲であった。また
探傷後、従来法により感度確認したが感度異常はなかっ
た。
【0036】これに対して、従来法では搬送中のノッチ
疵を各感磁性素子の中心直下に保持することが非常に難
しく、最高感度位置での感度校正が出来ないことによ
り、感度較正に多くの時間を必要とし、また感度〔V〕
は基準値に対して -1.6〜2.1 dB の範囲で変動し、また
過検出になることもあった。
【0037】なお、実施例では感磁性素子として半導体
検出子の一つである感磁性ダイオードを用いたが、ホー
ル素子,サーチコイル等を用いてもよい。また、略U字
状のヨークを正立させて設置したが、倒立させて設置す
るなど設置方向は任意である。また、探傷中に感度を確
認するときに励磁コイルの一部に交流電流を流してヨー
クの対向部に磁束を発生させたが、例えばヨークの対向
部9a,9bに別の励磁コイルを追加して設けて交流電
流を供給しても同じ効果が得られる。また、環状疵較正
用の標準試験片を用いる方法は、複数個のプローブ型コ
イルを被検査材と同心円状に配設した渦流探傷法に適用
しても可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、標準試験片に環状疵を
加工することで該環状疵と各感磁性素子とを正確に位置
決めすることができ、また感度調整を複数の感磁性素子
について同時に実施できるため、感磁性素子の感度調整
を高精度で、且つ高能率に実施できる。
【0039】また感磁性素子の感度異常の監視を探傷中
において常時実施できるため、探傷途中での定期的な感
度確認が不要になり、また感度異常確認の遅れによる再
探傷をしなくて済むので生産能率が向上する。
【0040】また、励磁コイルより発生した磁束をヨー
クを介して被検査材に集中させることができるため、浮
遊磁界や磁束の乱れが少なくなる。また、励磁コイルと
感磁性素子を離して設置できるため、励磁コイルの発熱
による温度ドリフトの影響を少なくできる。その結果、
磁化効率及びSN比が向上し、また被検査材端部におけ
る未探傷領域が少なくなるため、微小疵を確実に検出で
きる。また、磁束を被検査材に集中させることができる
ため、装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を一態様で実施する漏洩磁束探傷装置
の側断面図である。
【図2】 図1のA−A’線断面図である。
【図3】 従来の漏洩磁束探傷装置を示す側断面図であ
る。
【図4】 本発明法および従来法による感度較正後にお
ける自然疵の探傷結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1:被検査材 2:励磁コイ
ル 3:磁束 4:疵 5:漏洩磁束 6:感磁性素
子 7:感度較正用の標準試験片 8:環状疵 9:ヨーク 9a,9b:ヨーク
の対向部 9c:ヨークの底部 11:ホルダ
ー 10a,10b:ヨークの貫通孔 12:感度調整装置 13:感度比
較装置 14:直流または交流の励磁電源装置 15:搬送装置 16:矢印 17:増幅器 18:感度確
認用の交流励磁電源装置 19:警報装置 20:制御装
置 21:フィルタ 22:波形整
形器 23:記録計 24:コンパ
レータ 25:比較装置
フロントページの続き (72)発明者 鶴 岡 繁 利 山口県徳山市大字徳山5635番地の6 シス テムハィテック株式会社内 (72)発明者 藤 井 昭 明 山口県徳山市大字徳山5635番地の6 シス テムハィテック株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状に配設した複数個の感磁性素子の軸
    芯に標準試験片を通し、励磁コイルに供給した電流によ
    って生じる前記標準試験片に加工した疵からの漏洩磁束
    を前記感磁性素子によって検出して該感磁性素子の感度
    を較正する、漏洩磁束探傷における感度較正方法におい
    て、 前記標準試験片に周方向で均等な環状疵を加工し、前記
    感磁性素子の軸芯を中心とする周方向で均等な漏洩磁束
    を発生させて感度較正をすることにより、前記複数個の
    感磁性素子の感度を同時に較正することを特徴とする漏
    洩磁束探傷における感度較正方法。
  2. 【請求項2】 環状に配設した複数個の感磁性素子の軸
    芯に被検査材を通し、励磁コイルに供給した電流によっ
    て発生する前記被検査材の疵からの漏洩磁束を検出する
    漏洩磁束探傷において前記感磁性素子の感度を較正す
    る、漏洩磁束探傷における感度較正方法において、 空芯状態で前記励磁コイルに交流電流を供給して前記感
    磁性素子の軸芯を中心として周方向で均等な磁束を発生
    させて感度較正をすることにより前記複数個の感磁性素
    子の感度を同時に較正することを特徴とする漏洩磁束探
    傷における感度較正方法。
  3. 【請求項3】 前記複数個の感磁性素子の感度を同時に
    較正した後に、(a)空芯状態で前記励磁コイルに交流
    電流を供給して感磁性素子の感度を計測し、該感度を基
    準値とし、(b)所定時間経過後に前記(a)により計
    測した感磁性素子の感度を計測値とし、(c)前記基準
    値と計測値を比較し、その差異により前記感磁性素子の
    感度異常を監視することを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の漏洩磁束探傷における感度較正方法。
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