JP4809039B2 - 電磁誘導型検査装置および電磁誘導型検査方法 - Google Patents

電磁誘導型検査装置および電磁誘導型検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4809039B2
JP4809039B2 JP2005322454A JP2005322454A JP4809039B2 JP 4809039 B2 JP4809039 B2 JP 4809039B2 JP 2005322454 A JP2005322454 A JP 2005322454A JP 2005322454 A JP2005322454 A JP 2005322454A JP 4809039 B2 JP4809039 B2 JP 4809039B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detection
voltage
coil
value
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005322454A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007127600A (ja
Inventor
博明 小濱
和彦 八十濱
萬起男 岩本
敬行 八巻
一郎 藤冨
Original Assignee
偕成エンジニア株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 偕成エンジニア株式会社 filed Critical 偕成エンジニア株式会社
Priority to JP2005322454A priority Critical patent/JP4809039B2/ja
Priority to EP06255714A priority patent/EP1783487A1/en
Priority to US11/593,560 priority patent/US7696747B2/en
Publication of JP2007127600A publication Critical patent/JP2007127600A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4809039B2 publication Critical patent/JP4809039B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/72Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables
    • G01N27/82Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables for investigating the presence of flaws
    • G01N27/90Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables for investigating the presence of flaws using eddy currents
    • G01N27/9046Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables for investigating the presence of flaws using eddy currents by analysing electrical signals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Description

本発明は、電磁誘導の変化によって被検査物中のボイド・異物混入などの欠陥や、異常、金属の焼入れや焼き鈍しなどの電気的・磁気的な特性変化など、被検査物の電磁特性の微小な特性変化を検出するための電磁誘導型検査装置および方法に関し、特に、自動車、産業機械、鉄道、航空機等の構造用部品、発電所、製油所等のプラント配管、橋梁、ビル等の構築部材などの被検査物を励磁コイルによる磁界中に置き、それによる電磁誘導の変化によって被検査物の欠陥などを検査する検査装置および検査方法に関する。
交流磁界中に物体をおくと磁束に変化が生じ、同じ磁界中におかれたコイルのインダクタンスが変化する。このインダクタンスは、磁界中の物体の導電率、透磁率、大きさ、磁界中の位置などの因子によって変化する。これらのうち、いくつかの既知の因子を一定にして、物体を磁界中におくと、他の未知の因子を認織することができる。この原理を利用して被検査物の同定、物質の有無を認知するなどの非破壊検査機能をもつ電磁誘導型欠陥検査装置が多く提案されている。
この種の従来の検査装置の典型的な例として、図26に示すような自己インダクタンスを利用した検査装置100Aが提案されている(特許文献1参照)。この検査装置100Aは、交流電流の印加によって磁界を発生する電磁コイル101をブリッジ回路102の一辺に設けた構成を有する。この検査装置100Aでは、電磁コイル101が定常状態の場合、交流電源103によって励磁される電磁コイル101とこれに対応する辺のインダクタLはインダクタンスが等しく、その上に、他の2辺の抵抗R1、R2を同一値に設定して平衡をとっている。そこで、平衡状態ではブリッジ回路102の出力点A、Bの差動電圧をとる差動増幅器104からの出力Voutは理論的に零になる。
ところが、電磁コイル101が形成する磁界(磁束f)に物体110が入ると、電磁コイル101の自己誘導インダクタンスが変化する。結果として、ブリッジ回路102におけるインダクタLと電磁コイル101の平衡が崩れて出力点A、Bに電位差が生じ、物体110の誘導係数に応じた出力Voutが得られる。これによる出力Voutの変化を予めデータ化しておけば、物体110の材質、大きさや、磁界中を移動する速度などを認識することができる。また、既知の被検査物に対して、その中に混入する異物も容易に検出できる。この場合、予め規定した基準物体をインダクタLに対向させておき、正常な被検査物を電磁コイル101に接近させた時に基準物体と正常な被検査物とが平衡になるように設定されている。
また、従来の検査装置の他の典型的な例として、図27に示すような相互インダクタンスを利用した検査装置100Bも提案されている。この検査装置100Bは、交流電源105に励磁される励磁コイル(1次コイル)106と、励磁コイル106の磁束を受けて起電力を生じる一対の検出コイル(2次コイル)107a、107bと差動増幅器108とからなる。検出コイル107a、107bは逆方向に巻回されて直列に差動接続され、定常状態において励磁コイル106の磁束fを均等に受けて起電力を相殺する構成になっている。つまり、定常状態では検出コイル107a、107bの出力点C,Dの差動電圧(差動増幅器108の出力Vout)は理論的に零になる。
この検査装置100Bでは通常、励磁コイル106と検出コイル107a、107bとの間に検査用の空間109を設け、ここに物体110を通過させる。物体110が励起コイル106からの磁束fを切ることで検出コイル107a、107bが受ける磁束鎖交数が変化し、検出コイル107a、107bの夫々の起電力が非平衡になり、差動出力Voutが現れる。これにより、物体110の材質、大きさ、あるいは、工作物の欠陥などを検出することができる。
また従来の検査装置の他の例として図28に示すような差動出力型検査装置(磁気探傷装置)100Cも提案されている(特許文献2参照)。この検査装置100Cは、検出センサ114と信号処理器133からなり、交流信号発生部123の発振回路122で生成された交流信号は定電流回路121を介して検出センサ114の励磁コイル111に印加される。2個の検出コイル112と113によって得られた被検査物の信号変化をそれぞれの増幅器124、125、位相調整器126,127を経て発振回路からの信号をレファレンスとした位相検波器128及び差動増幅器129によって位相差出力信号130及び差動出力信号131を得ている。
特開平05−002082号公報 特開平10−288605号公報
上記の従来の装置の構成からも明らかなように、電磁誘導型検査装置100Aでは、誘導コイルを含む平衡回路における誘導インダクタンスの非平衡状態を差動電圧として検出するので、検出精度を向上させるためには、被検査物が磁束を鎖交することによる起電力の変化を高感度に検出する必要がある。
ところが、自己インダクタンス型の検査装置100Aでは、自己インダクタンスの変化率(規定インダクタンスに対する変化時のインダクタンスとの差)が極めて小さく、被検査物が十分に大きい誘電率を持つか、あるいは、強磁性体などのように大きな磁界変化をもたらすものでなければ検出が不可能であった。つまり、検出感度が極めて低く、被検査物の材質の識別あるいは非鉄金属の検出などのようにインダクタンス変化率が小さい被検査物には対応できなかった。
一方、相互インダクタンス型の電磁誘導型検査装置100Bは、励磁コイル(1次コイル)106と検出コイル(2次コイル)107a、107bの間に検査用の空間109が存在し、検出コイル107a、107bの誘導効率は検査用の空間109の大きさ(具体的には励磁コイルから検出コイルまでの距離d)に反比例するので、励磁コイルと検出コイルとの間隔(検査用の空間)を大きくするのにも限界があった。つまり、検査用の空間109を必要とするために装置が大型化し、検査用の空間で検査対象の物体の大きさが制限され、実質的に大型の対象物を検査することは不可能であった。また、励磁コイル106の励磁性能を高めて検査用の空間109を広げると分解能が低下し、微小な変化が検出不能であった。
ほかに、相互インダクタンス型の検査装置には避けることができない欠点があった。例えば、図27に示すように、検査時に検出コイル107aの近くに被検査物110があり検出コイル107aに鎖交する磁束に変化を及ぼすと検出コイル107aのインダクタンスが変化するが、この時点で基準インダクタンスとなるべき検出コイル107bのインダクタンスも多かれ少なかれ変化する。すなわち、被検査物110によって検出コイル107aの起電力を、同時に変化する検出コイル107bの起電力が打ち消すことになる。この起電力の打ち消す影響は被検査物110のコイルに対する相対位置によって複雑に変化し、所期の起電力変化量が場合によっては無視できないほどの検出誤差をもたらすことがある。
また、図28に示される検査装置(磁気探傷装置)100Cの場合では、2つのセンサをもつことを特徴としているが位相差出力130および差動出力信号131を得るどちらの回路系にも位相調整に係る回路が挿入されている。本来位相調整には振幅に係る要因は除くべきであり、また逆に振幅を求めるためには位相に係る要因を除かなければならないはずである。したがってこの検査装置100Cの回路ではセンサからの振幅および位相の変化を忠実に出力に反映できない。また、励磁コイルから非検査物を介さず検出コイルへ現れる信号をも増幅されてしまい高感度は期待できない。
上述のように、従来の電磁誘導型検査装置では、被検査物の大きさが制限され、金属の組織変化あるいは工作物の欠陥など、被検査物の微小な変化の検出精度が劣り、被検査物の材質同定などの微妙な検査には到底対応できないなどの欠点があった。また上記の差動出力型磁気探傷装置では検出センサからの出力信号変化と位相変化とが相互に干渉して結果的に感度向上を妨げてしまうという欠点がある。
この発明は上記の従来装置の欠点を解消するためになされたものであり、その目的の一つは、反磁性体、磁性体を問わずあらゆる検査対象物を高感度、高精度で検査、検出できる電磁誘導型装置および電磁誘導型検査方法を提供することにある。この発明のもう一つの目的は、導電性を有している被検査物であればそれら被検査物の欠陥などを分解能よく検出でき、しかも、被検査物の大きさに関係なく小型化が可能な高性能電磁誘導型検査装置および電磁誘導型検査方法を提供することにある。
本発明に係る電磁誘導型検査装置は、検出部と該検出部の検出信号を処理する検出信号処理部とを備え、被検査物の検査を行う電磁誘導型検査装置において、前記検出部は、交流電流の印加によって磁界を発生する励磁コイルと、該励磁コイルと同軸に配置され、該励磁コイルの磁界変化を検出するための複数の誘導コイルを差動接続してからなる検出コイルとを有し、前記検出信号処理部は、レベルモードの検出数値として前記検出コイルから出力された電圧信号の電圧値に関連する第1の検出数値を算出し、フェーズモードの検出数値として前記検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する第2の検出数値を算出し、この第1の検出数値および第2の検出数値に基づいて、被検査物を判定するものである。
例えば、前記検出信号処理部は、前記第1の検出数値として、前記検出コイルから出力された電圧信号を増幅・整流した直流電圧値から標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号を増幅・整流した直流電圧値を差し引いた直流電圧値を算出し、前記第2の検出数値として、前記検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値から、標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値を差し引いた位相差電圧値を算出する。
また、前記検出信号処理部は、標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号を増幅・整流した直流電圧値と、標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値とを同一の電圧値とする。
さらに、前記検出信号処理部は、検出コイルの抵抗値Rとリアクタンス値Xが標準の被検査物に対しての変化量に基づいて検出感度を判別する検出感度判別手段をさらに有し、前記検出感度判別手段により前記第1の検出数値と前記第2の検出数値との検出感度を判別し、検出感度の高い方で被検査物を判定する。
本発明に係る電磁誘導型検査方法は、励磁コイルと、該励磁コイルと同軸に配置され、複数の誘導コイルを差動接続してからなる検出コイルとから構成される検出部と、前記検出コイルの検出信号を処理する検出信号処理部とを備える検査装置を用いて被検査物の検査を行う電磁誘導型検査方法であって、前記励磁コイルに交流電流を印加して磁場を形成させ、前記検出コイルで被検査物による前記励磁コイルが形成した磁場の変化を検出し、レベルモードの検出数値として該検出コイルから出力された電圧信号の電圧値に関連する第1の検出数値を算出し、フェーズモードの検出数値として前記検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する第2の検出数値を算出し、この第1の検出数値および第2の検出数値に基づいて、被検査物を判定することを特徴とするものである。
例えば、前記第1の検出数値として、前記検出コイルから出力された電圧信号を増幅・整流した直流電圧値から標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号を増幅・整流した直流電圧値を差し引いた直流電圧値を利用し、前記第2の検出数値として、前記検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値から、標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値を差し引いた位相差電圧値を利用する。
また、標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号を増幅・整流した直流電圧値と、標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値とを同一の電圧値とする。
さらに、検出コイルの抵抗値Rとリアクタンス値Xが標準の被検査物に対しての変化量に基づいて、前記第1の検出数値と前記第2の検出数値との検出感度を判別し、検出感度の高い方で被検査物を判定する。
本発明においては、検出コイルから出力された電圧信号の電圧値に関連する第1の検出数値、および検出コイルから出力された電圧信号の位相と励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する第2の検出数値に基づいて、被検査物を判定することで、素材そのものの磁気的特性は除外して、欠陥部位からの電磁信号だけを検出することが可能となる。
また、検査の際に標準とする製品あるいは傷等のない部位での測定信号を振幅関連の値(レベルモード)と位相関連の値(フェーズモード)に分けて、それぞれの値を基準の電圧で基準化することにより、被検査物の欠陥部位からの変化の差分のみを抽出できるため、構成回路の増幅倍率を高めることができ結果的に検出感度を高められ、欠陥部位における極めて微小な磁気的変化をも検出することが可能となる。また、被検査物の表面、表面付近のみならず、被検査物の内部、裏面の検査も可能となる。さらに、被検査物の材質を判別することが可能となる。
本発明に係る電磁誘導型検査装置および電磁誘導型検査方法によれば、複数の誘導コイルを差動接続してからなり、励磁コイルと同軸に配置される検出コイルを有し、この検出コイルから出力された電圧信号に関連する第1の検出数値、および検出コイルから出力された電圧信号の位相と励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する第2の検出数値に基づいて、被検査物を判定するようにした。
ことにより、誘電体、磁性体を問わずあらゆる検査対象物を高感度、高精度で検査、検出することができる。また、被検査物の在否のみならず、それらの被検査物に含まれる異物乃至欠陥などを分解能よく検出でき、しかも、被検査物の大きさに関係なく検出でき、また小型化にすることができる。
また、被検査物の表面、表面付近のみならず、被検査物の内部、裏面の検査もできる。さらに、被検査物の材質を判別することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態の電磁誘導型検査装置および電磁誘導型検査方法について説明する。
図1は、実施の形態としての電磁誘導型検査装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、電磁誘導型検査装置1は、駆動部10、検出部(センサ)20と、検出信号処理部30と、表示部40とから構成されている。
駆動部10は、正弦波発振器11と、定電流増幅器12とを備え、正弦波発振器11から出力された角周波数ωの交流電圧は、定電流増幅器12で一定電流となり、検出部20の励磁コイル21に供給される。
検出部20は、一次側の励磁コイル21と検出コイルとしての二次側の誘導コイル22(22a,22b)を同軸に一体形成したものである(特許公報 第3140105号参照)。この場合、励磁コイル21に2個の誘導コイル22a,22bを巻き付けて構成する。これらのコイルは、長筒状の物体に絶縁被覆線を巻き付けることにより実現できる。誘導コイル22a,22bは、逆方向に巻回して直列結線される。このような構成により、励磁コイル21を交流電源で励磁してそれぞれの誘導コイル22a,22bを電磁誘導させると、各コイルで等量の起電力が発生するが、誘導コイル22a,22bの巻回方向が逆であるため逆符号のインダクタンスとなる。つまり、定常状態では、誘導コイル22a,22bで発生する起電力は打ち消しあい、差動出力は実質的に零となる。
なお、上記コイルの形状は、筒状に限定されるものではない。また、コイルの形成方法としては、誘導コイル22a,22bを励磁コイル21に直接巻き付けて構成する方法に限定されるものではない。例えば励磁コイル21と誘導コイル22a,22bをそれぞれ形成した後に同軸に配置するようにしてもよい。
検出信号処理部30は、誘導コイル22から出力された検出信号を処理するものである。この検出信号処理部30は、増幅器31と移相器32からなる交流処理部30Aと、演算器33、34からなる演算部30Bと、切換器35からなる切換部30Cと、電圧比較器36、基準電圧発生器37および直流増幅器38からなる比較処理部30Dと、A/D変換制御ソフト39を有する制御部30Eとから構成されている。なお、制御部30Eには、図示せずにも装置全体の動作を制御する制御手段を有する。
検出信号処理部30において、誘導コイル22から出力された検出信号は、交流処理部30Aの増幅器31と移相器32に入力される。増幅器31で増幅された信号は、演算部30Bの演算器33、34に入力され、また移相器32の出力信号Vcは、演算器34に入力される。演算器33の出力信号Vは、切換器35のレベルモード入力端子35aに入力され、演算器34の出力信号Vは、切換器35のフェーズモード入力端子35bに入力される。切換器35の出力端35cから出力された信号は、比較処理部30Dの電圧比較器36に入力され、基準電圧発生器37からの基準電圧Vと比較し、VとVを基準化して、直流増幅器38に入力する。そして、直流増幅器38から増幅された直流信号Vが出力され、制御部30Eに入力する。制御部30EでA/D変換等の処理をされた信号は表示部40へ出力される。
表示部40は、測定状態および測定結果等を表示するものである。例えば、検出部20の設置位置を表示したり、測定結果を表示したりする。表示部40において、測定状態および測定結果等を図形または数字で表示することができる。
このような構成において、駆動部10の正弦波発振器11から出力された角周波数ωの交流電圧は定電流増幅器12で一定電流となり、検査対象である被検査物90の近傍に置かれた検出部20の励磁コイル21に供給され、この励磁コイル21に配置された誘導コイル22により検出した微小レベルの出力電圧は、交流処理部30Aの増幅器31で後々処理し易い振幅まで増幅される。この交流電圧をVsとし、つぎのように表わす。
Vs=A×sin(ωt+φ1) (1)
ここで、Aは増幅された交流電圧の振幅(波高値)を、tは時間を、ωは角周波数(=2πf、f:周波数)を、φ1は初期位相角(増幅器31では位相変化が無いよう工夫されているので、ここでの位相角は誘導コイル22の信号出力電圧の初期位相に等しい)をそれぞれ表わす。
この増幅器31より出力された交流電圧Vsは、一つは整流回路を持つレベル用演算器33に入り、Vsの波高値Aに対応する直流電圧値Vに変換され、これをレベルモードの直流電圧値Vとして利用する。
この増幅器31より出力された交流電圧Vsのいま一つは位相検出を行う演算器34に誘導コイル22の出力信号の電圧として入力される。また、演算器34の位相用基準信号として、検出部20の励磁コイル21に供給される駆動電流を交流電圧に変換して取り出し、位相を可変させることができる移相器32を介して得た交流電圧を入力する。いま、この交流電圧Vcとし、つぎのように表現する。
Vc=B×sin(ωt+φ2) (2)
ここで、Bは振幅(波高値)を、φ2は初期位相角(励磁コイルの励磁電圧位相と移相器で可変された結果の位相)をそれぞれ表わす。ωとtは式(1)での定義に同じ。
演算器34は乗算回路とローパスフィルタ回路で構成している。この乗算回路に先に示した二つの交流電圧Vs(式1)とVc(式2)とを入力して乗算処理をする。この処理を式で表すと
Vs×Vc={A×sin(ωt+φ1)}×{B×sin(ωt+φ2)}
=(A×B/2)×{cos(φ1−φ2)−cos(2ωt+φ1+φ2)} (3)
となる。
この式の第1項はωに無関係の直流電圧を表し、第2項は2倍のωをもつ交流電圧を表す。これをさらに、ローパスフィルタ回路を通して2倍のωをもつ交流電圧を除去することにより、(A×B/2)cos(φ1−φ2)で表される直流電圧を得る。これはここで、二つの交流電圧の振幅に係る値A及びBは入力される交流電圧の振幅が一定となるよう定振幅処理をすることにより振幅に係る部分は定数化でき、さらに回路の増幅係数とローパスフィルタ回路での電圧損失等を含めた総合的な処理係数をKとおくと、演算器34の出力である直流電圧は、これをVとすると、V=K×cosθと表わせる。ここでθは二つの交流電圧の位相の差であり(φ1−φ2)=θとした。すなわち、演算器34に入力される二つの交流電圧の位相差の余弦に比例した直流電圧が得られ、この電圧をフェーズモードでの位相差電圧値Vとして利用する。
つぎに、このVおよびVを、基準電圧発生器37からの比較用基準電圧Vで比較するための、比較処理部30Dの電圧比較器36に入力する。基準電圧発生器37により供給される基準直流電圧VはV およびVを基準化するために調整されて供給される。電圧比較器36から直流増幅器38を通した比較処理部30Dからの出力電圧Vは、レベルモード電圧Vおよびフェーズモード電圧Vから基準直流電圧Vを減算して得られた電圧に直流増幅器38の電圧増幅倍率を掛けたものである。いま、レベルモードでの出力VをV0L、フェーズモードでの出力をV0Pとすると、レベルモードではV0L=V−V、フェーズモードではV0P =V−Vとなる。これにより、Vを比較のために調整された電圧値として固定すれば、VはVまたはVの変化として得られることになる。ただし、ここでは説明を簡単にするため直流増幅器38の増幅倍率を1とした。以降の説明も同様とする。
次に、図面を参照しながら、電磁誘導型検査装置1を用いた検査方法について説明する。図2は、電磁誘導型検査装置1を用いて検査を行う際の動作を示すフローチャートである。
検査する際に、まず、ステップS1で、検査対象物の標準被検査物91を用いて、測定条件を策定する。次に、ステップS2で、測定条件を決定するか否かを判断する。測定条件が決定でない場合には、ステップS1に戻り、再度測定条件策定を行う。一方測定条件を決定すること(YES)の場合には、次のステップS3で、レベルモードを選択する。ここで、切換器35は、レベルモード側(入力端子35a)に切り替えられる。この切換は、手動または自動で実現できる。
次に、ステップS4で、レベルモードでの出力電圧値のゼロ設定を行なう。そのために、ステップS5で、比較処理部の出力Vがゼロ電圧となるよう基準電圧発生器37を可変させて基準電圧を調整する。そして、ステップS6で、ゼロ設定OKか否かを判断する。出力Vがゼロ電圧になっていない場合には、ステップS5に戻り基準電圧を再調整する。一方、出力Vがゼロ電圧になった(ゼロ設定OK)の場合には、ステップS7に移る。
この調整作業を終えた調整後の基準電圧値をVr0とすると、V= Vr0と表わされる。レベルモードにおける比較処理部30Dの出力をV0Lとすると、いまゼロ設定によりV0L=0であるから結局、標準被検査物91での演算器33の直流電圧値VをVrLとすれば、VrL=Vr0となる。
ステップS7で、フェーズモードを選択する。ここで、切換器35は、フェーズモード側(入力端子35b)に切り替えられる。この切換は、手動または自動で実現できる。
次に、ステップS8で、フェーズモードでの出力電圧値のゼロ設定を行なう。そのために、ステップS9で、比較処理部30Dの出力Vがゼロ電圧となるよう移相器32により位相を調整する。そして、ステップS10で、ゼロ設定OKか否かを判断する。出力Vがゼロ電圧になっていない場合には、ステップS9に戻り位相を再調整する。一方、出力Vがゼロ電圧になった(ゼロ設定OK)の場合には、ステップS11に移る。
位相調整後、これにより基準とする位相が確定し、このときの位相を式(2)におけるφ2とする。この標準被検査物91での誘導コイル22a,22bの出力電圧値の位相は式(1)におけるφ1であるからこのとき演算器34の交流電圧の位相差は式(3)におけるφ1−φ2である。このときの演算器34の出力は標準被検査物91での位相差電圧値を示しこれをVrPとする。ただし、このとき、基準電圧発生器37からの調整された基準電圧は上記で調整した電圧すなわち、Vr0のまま固定しておく。
そして、ステップS11で、基準設定OKか否かを判断する。ここで、NOと判断される場合は、ステップS3に戻り、上述した動作を繰り返す。また、基準設定がOKである場合には、ステップS12に移る。ここで、基準電圧値VはVr0で一定であるから結局、VrP=Vr0すなわち、VrP=VrL となる。これで、標準の被検査物91に於いての基準設定ができたことになる。
次に、標準の被検査物91の代わりに測定したい被検査物90を測定する。ステップS12で、切換器35でレベルモードを選択する。ここで、切換器35は、レベルモード側に切り替えられる。
次に、ステップS13で、レベルモードで測定を行う。ここで、誘導コイル22から出力された電圧信号を増幅・整流した直流電圧値から標準被検査物での誘導コイル22から出力された電圧信号を増幅・整流した直流電圧値を差し引いた直流電圧値を算出し、比較処理部の出力Vを読み取り、この値をV0L1とする。そして、ステップS14で、測定により得られた演算データを記録するか否かを判断する。演算データを記録しない場合には、ステップS13に戻り、再測定を行う。一方、ステップS14で、演算データを記録すると判断された場合には、演算データを記録して、次のステップS15に移る。
次に、ステップS15で、切換器35でフェーズモードを選択する。ここで、切換器35は、フェーズモード側に切り替えられる。
次に、ステップS16で、フェーズモードで測定を行う。ここで、誘導コイル22出力された電圧信号の位相と励磁コイル21の励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値から標準被検査物での誘導コイル22から出力された電圧信号の位相と励磁コイル21の励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値を差し引いた位相差電圧値を算出し、比較処理部30Dの出力Vを読み取り、その値をV0P1とする。そして、ステップS17で、測定により得られた演算データを記録するか否かを判断する。演算データを記録しない場合には、ステップS16に戻り、再測定を行う。一方、ステップS17で、演算データを記録すると判断された場合には、演算データを記録して、次のステップS18に移る。
なお、測定する被検査物90がn個ある場合はあらたな被検査物90を交換して同様に測定を繰り返す。n個の被検査物90を全数測定した場合、被検査物90のNo.1、2、3、…nに対応した変化量、すなわち、レベルモードおよびフェーズモードでのそれぞれ対応する出力V0L1、V0L2、V0L3、…、V0Ln、およびV0P1、V0P2、 V0P3、…、V0Pnが得られる。
次に、ステップS18で、検出感度を判別するか否かを判断する。検出感度を判別しない場合には、ステップS20へ進む。レベルモードおよびフェーズモードでの測定値に基づいて測定結果を表示する。一方、検出感度を判別する場合には、ステップS19で、レベルモードおよびフェーズモードでの検出感度を判別する。得られたデータは制御部70でA/D変換された後、検出コイルの抵抗値Rとリアクタンス値Xが標準の被検査物に対しての変化量に基づいて、レベルモードで得られた演算データとフェーズモードで得られた演算データとの検出感度を判別し、検出感度の高い方で被検査物を判定するようになされる。
検出感度判別について、図3に示すフローチャートで説明する。例えば、まず、ステップS191で、標準被検査物の場合の誘導コイル22のインピーダンスZ(R,X)を算出する。次に、ステップS192で、被検査物の場合の誘導コイル22のインピーダンスZ(R,X)を算出する。次に、ステップS193で、R,Xの変化量を算出する。また、ステップS194で、検出値の変化量を比較する。そして、ステップS195で、検出値変化量の大きいモードを判定する。
次に、図2のステップS20で、測定結果を表示部40にて描画し、表示する。そして、ステップS20で、測定を終了するか否かを判断する。測定を終了しない場合には、ステップS12に戻り、上述した動作を繰り返す。測定を終了すると判断された場合には、動作を終了する。
基準電圧Vは基準条件設定時のVr0で一定であり、また、移相器32の移相も基準条件設定時より一定であるから、レベルモードでの比較処理部30Dの出力VはV0Lすなわち、振幅変化に対応し、フェーズモードでの比較処理部30Dの出力VはV0Pすなわち位相変化に対応した出力電圧値としてそれぞれ読み取れる。これは、最初の基準条件設定作業で、標準被検査物91での直流電圧値VrLおよび位相差電圧値VrPを基準化(出力をゼロ設定)することにより、被検査物90での傷等の欠陥部位からの信号出力電圧値の変化分および位相差電圧値の変化分だけを出力することになる。
したがって、レベルモードでの出力すなわち直流電圧値V0Lは誘導コイル22の出力信号の電圧値の振幅変化に比例し、フェーズモードでの出力すなわち位相差電圧値V0Pは誘導コイル22の出力信号の電圧値の位相差に比例する。検出した振幅に関連した電圧値(フェーズモード)および位相の変化量に関連した位相差電圧値(フェーズモード)である。基準電圧の安定性および回路の直流安定性を考慮すれば60dB以上のダイナミックレンジが得られる。ちなみに、レベルモードで読み取れる値は素材の導電率に影響され、フェーズモードでの値は透磁率に影響される。
この検査方法は、標準の被検査物91と検査したい欠陥のある被検査物90との電磁特性の僅かな差を検出できるために、欠陥検出感度が非常に高い。しかし、被検査物90の電磁特性は磁束の大きさや周波数に対して非線形であるために、被検査物90の欠陥検出に対する感度を計算で求めることは難しい。
そこで、被検査物90を所定の検査位置に置いた時に、検出部20の誘導コイル22から見た等価インピーダンスZを、抵抗値Rとリアクタンス値Xから成るものとし、R,Xのそれぞれの値が標準の被検査物91に対して欠陥のある被検査物90が±10%変化した場合に、レベルモード検出とフェーズモード検出とで、検出感度を試算した結果を図4および図5に示す。
図4は、R,Xが10%変化時のレベル変化を示す図である。また、図5は、R,Xが10%変化時のフェーズ変化を示す図である。図4から、レベルモード検出では、R,Xが共に±10%変化した場合には検出感度が高いが、R,Xのどちらか一方が±10%変化した場合には力率(=cos(R/Z))の高い方(90度付近)または低い方(0度付近)が力率の中位(45度付近)のものより相対的に検出感度が高いことが判る。
また、図5から、フェーズモード検出では、R,Xが共に±10%変化した場合には位相が変化しないので検出感度が全く無く、R,Xのどちらか一方が±10%変化した場合には力率の中位(45度付近)で検出感度が最も高く、20度〜70度でもかなり高い感度があるが、力率の高い方(90度付近)または低い方(0度付近)では相対的に検出感度が低いことが判る。
この試算から、レベルモード検出とフェーズモード検出との両方の検査を行えば、被検査物90の電磁特性に応じて、どちらか検出感度の高い方で、高感度の検出が可能なことが判る。
以下、電磁誘導型検査装置1を用いて検出を行った例について、説明する。ここで、フェーズ値は出力電圧値を換算式を用いて度に換算したもの(単位:deg)である。なお、換算式が作れないものは相対値として表示値そのものをグラフに記している。
「例1」ステンレス(SUS)鋼板の欠陥検査(人工欠陥):
図6は、ステンレス鋼板の欠陥検査例を示す図である。図6に示すように、厚さ6mmの材質がSUS304で厚さ6mmの板の裏から直径20mmの孔を板の途中まで明けた人工欠陥を作り、センサをSUS板の表面に当てて測定を行う。
図7は、ステンレス鋼板の欠陥検査結果を示す図である。図7に示すように、欠陥の深さに対してレベル値(レベルモードでの測定値、以下同様)の変化は少ないが、フェーズ値(フェーズモードでの測定値、以下同様)の変化は大きく直線的で、板の厚さの測定にも代用できる測定結果が出ている。
「例2」熱交換用パイプの傷検査(人工欠陥):
図8は、熱交換用パイプの傷検査例を示す図である。図8に示すように、炭素鋼鋼管に管表面よりミル径1mmで深さを0.5、1.0、1.5mmの人工傷を15mm間隔で作り、鋼管内部に検出部20を挿入し、鋼管表面の傷を測定した。図9は、熱交換用パイプの傷検査結果を示す図である。図9に示すように、傷の深さに対してレベル値がほぼ直線的に変化している。
[例3]保温材被覆炭素鋼配管の減肉検査(人工欠陥):
図10は、保温材被覆炭素鋼配管の減肉検査例を示す図である。図10に示すように、炭素鋼配管の内側を内面加工して減肉相当部を作り、その外側を保温材で、更に最外部を厚さ0.2mmのステンレス鋼板で被覆し、その上からガイド板を介してセンサを当てて測定する。図11は、保温材被覆炭素鋼配管の減肉検査結果を示す図である。図11に示すように、レベル値、フェーズ値共に減肉量に対して変化しており、レベル値の変化が大きい。
「例4」ステンレス鋼板の突合せ溶接検査(人工欠陥):
図12は、ステンレス鋼板の突合せ溶接検査例を示す図である。図12(a)、(b)に示すように、厚さ25mmの材質SUS304の鋼板突合せ溶接ビード部表面に割れ欠陥相当の幅0.2mm、長さ10mm、深さ0.5、1.0、2.0、3.0、4.0mmの人工傷を20mm間隔で作り、検出部20を溶接ビード部裏面に当てて表面の傷を測定する。
図13は、ステンレス鋼板の突合せ溶接検査結果を示す図である。図13に示すように、傷の有無をフェーズ値の変化で検出できる。データ変動の様子は、溶接ビード部の凹凸によるものと思われる。
「例5」鋼板のスポット溶接検査:
図14は、鋼板のスポット溶接検査例を示す図である。図14に示すように、厚さ2.3mmのSPC鋼板について、検出部20を溶接部裏面に当てて溶接の状態を測定する。図15は、鋼板のスポット溶接検査結果を示す図である。この図において、スポット溶接での溶着状態の良否検査の測定結果を示している。図15に示すように、X軸にレベル値を、Y軸にフェーズ値をとった測定結果では、良品と不良品は明確に分かれており、フェーズ値、レベル値のどちらでも良否判定が明確にできる。なお、良品と不良品との区別は、ナゲット観察と剥離試験を行った結果と一致した。
「例6」クランクシャフトの焼入れ硬度検査:
図16は、クランクシャフトの焼入れ硬度検査例を示す図である。図16に示すように、SNCM材(ニッケルクロムモリブデン鋼)のクランクシャフトについて、焼入れ硬度判別検査する際に、検出部20をクランクシャフト表面に当てて検査を行う。図17は、クランクシャフトの焼入れ硬度検査結果を示す図である。図17に示すように、X軸にレベル値を、Y軸にフェーズ値をとった測定結果では、焼入れ硬度別に測定したビッカース硬度とは非常に良い相関を持っており、硬度判別ができるほどの良い測定結果が出ている。
[例7]ボルトの締付けトルク検査:
図18は、ボルトの締付けトルク検査例を示す図である。この図において、ボルト締付けについて、検出部20をボルトの頭部に垂直に当てて、規定トルク及び増締角度毎の締付ボルトのフェーズ値を測定する。図19は、ボルトの締付けトルク検査結果を示す図である。この図において、規定トルク及び増締角度毎の締付ボルトのフェーズ値を測定し、トルク値と位相差電圧値との関係に変換した結果を示している。図19に示すように、増締角度に対して、トルク値がほぼ直線的に増加していくが、増締角度が90度を超えるとトルク値増加率が急激に低下し、ネジ面破断あるいはボルトの伸びの徴候が現れてきており、増締めの限界を示している。これは測定が難しい軸力測定の代用にもなりそうな測定結果である。
「例8」保温配管の腐食状況検査:
図20は、保温配管の腐食状況検査例を示す図である。図20に示すように、炭素鋼の配管の外部に保温材を巻き、その外側の最外部をブリキ板(厚さ0.2mm)で被覆した保温配管について、被覆材の上から検出部20を当てて配管の腐食状況を検査する。図21は、保温配管の腐食状況検査結果を示す図である。図21に示すように、X軸に配管距離を、Y軸にレベル値、フェーズ値をとった測定結果では、ある一定の配管距離でフェーズ値が大幅に変化しており、保温材を除去した後の目視検査で、配管の腐食部分と測定結果は一致した。腐食部分は全面腐食というよりは部分的にまだら状に腐食しており、腐食の程度によりフェーズ値が変化している。これは腐食度判定にも利用できる。
「例9」アルミ合金ダイキャストの酸化皮膜検査:
図22は、アルミ合金ダイキャストの酸化皮膜検査例を示す図である。図22に示すように、検査する際に、検出部20を被検査材の表面に当てて検査を行う。この場合、被検査材として、材質がアルミ合金のダイキャストで作ったピストンの酸化皮膜有無の検査を行う。図23は、アルミ合金ダイキャストの酸化皮膜検査結果を示す図である。この図23は、材質がアルミ合金のダイキャストで作ったピストンの酸化皮膜有無の検査で、X軸にレベル値を、Y軸にフェーズ値をとった測定結果で、酸化皮膜の有無がフェーズ値のプラス値とマイナス値で区別できている。この判定結果はX線透過検査と一致した。
「例10」炭素鋼の材質判別検査:
図24は、炭素鋼の材質判別検査例を示す図である。図24に示すように、3種別(S25C、S35C、S45C)の材質の判別検査を行った。図25は、炭素鋼の材質判別検査結果を示す図である。この図において、S25Cを基準材に選定し、X軸に材質を、Y軸にレベル値とフェーズ値をとった測定結果を示している。図25に示すように、レベル値、フェーズ値とも材質の変化が区別できている。
このように本実施の形態においては、電磁誘導型検査装置1は、駆動部10、検出部20と、検出信号処理部30と、表示部40とから構成される。検出部20は2個の励磁コイル21と誘導コイル22(22a,22b)を同軸に一体形成したもので、検査する際に、励磁コイル21に交流電流を印加して磁場を形成させ、誘導コイル22で被検査物による励磁コイルが形成した磁場の変化を検出し、レベルモードにおいて誘導コイル22から出力された電圧信号の振幅に関連する電圧値を算出し、フェーズモードにおいて誘導コイル22から出力された電圧信号の位相と励磁コイル21の励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値を算出し、これらの数値に基づいて、被検査物90を判定するようになされている。
これにより、誘電体、磁性体を問わずあらゆる検査対象物を高感度、高精度で検査、検出することができる。また、被検査物の在否のみならず、それらの被検査物に含まれる異物乃至欠陥などを分解能よく検出でき、しかも、被検査物の大きさに関係なく検出でき、また小型化にすることができる。
また、被検査物の表面、表面付近のみならず、被検査物の内部、裏面の検査もできる。さらに、被検査物の材質を判別することができる。
なお、上述実施の形態において、比較処理部30Dは1系統の回路から構成されるものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、切換部30Cを除いて比較処理部30Dをレベルモードとフェーズモードの2系統の回路にする方法もある。
また、上述実施の形態において、検出部20は、1個の励磁コイル21に2個の誘導コイル22a,22bを巻き付けて構成するものについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、一次側の励磁コイルを2個にし、二次側の誘導コイルも2個にし、それぞれ同軸に一体形成するようにしてもよい(特許公報 第3140105号参照)。この場合、片方には標準被検査物を設置し、もう片方には被検査物を設置して検査を行うようになされる。
また、上述実施の形態において、標準被検査物を用いて基準設定を行うものについて説明したが、これに限定されるものではない。検出目的によって、標準被検査物を用いずに、検査を行うようにしてもよい。
本発明は、被検査物の電磁特性を利用して、電磁誘導作用によって発生した渦電流の微小な変化を検知することによって、金属のみならず、導電性を有している非金属類にも利用でき、表面はもとより、内部の種々の欠陥を検出することが可能であり、しかも被検査物の磁気反応を検出するため金属組成の相違、応力や熱による組織の変化を検出できる高性能電磁誘導型欠陥検査方法及び検査装置を提供するものである。
これらの特長に加えて、被検査物の大きさに関係なく小型化することも可能であるため、利用分野も広範囲にわたり、自動車、鉄道、航空機等の構造部品、発電所、石油プラント、化学プラント等のプラント設備、プラント配管、橋梁、ビル等の構築部材等への適用可能性が考えられる。
また、特性面からは測定作業に際して前作業及び付帯作業が極小で、高度な測定作業熟練度も必要なく、操作も簡便である。しかも、応答性が早く、電気信号として出力するため、機械装置類への入力信号として活用が可能であり、これらの特性を最大限に活用して、開発、実験段階は勿論のこと、生産製造段階での工程内の最適配置を考え合わせることによって大きな経済効果が期待でき、製品の品質管理の質的レベル向上などに大きな役割を果すことができる。
実施の形態の電磁誘導型検査装置の構成例を示すブロック図である。 電磁誘導型検査装置1を用いて検査を行う際の動作を示すフローチャートである。 検出感度判定の動作を示すフローチャートである。 抵抗値Rとリアクタンス値Xが10%変化時のレベル変化を示す図である。 抵抗値Rとリアクタンス値Xが10%変化時のフェーズ変化を示す図である。 ステンレス鋼板の欠陥検査例を示す図である。 ステンレス鋼板の欠陥検査結果を示す図である。 熱交換用パイプの傷検査例を示す図である。 熱交換用パイプの傷検査結果を示す図である。 保温材被覆炭素鋼配管の減肉検査例を示す図である。 保温材被覆炭素鋼配管の減肉検査結果を示す図である。 ステンレス鋼板の突合せ溶接検査例を示す図である。 ステンレス鋼板の突合せ溶接検査結果を示す図である。 鋼板のスポット溶接検査例を示す図である。 鋼板のスポット溶接検査結果を示す図である。 クランクシャフトの焼入れ硬度検査例を示す図である。 クランクシャフトの焼入れ硬度検査結果を示す図である。 ボルトの締付けトルク検査例を示す図である。 ボルトの締付けトルク検査結果を示す図である。 保温配管の腐食状況検査例を示す図である。 保温配管の腐食状況検査結果を示す図である。 アルミ合金ダイキャストの酸化皮膜検査例を示す図である。 アルミ合金ダイキャストの酸化皮膜検査結果を示す図である。 炭素鋼の材質判別検査例を示す図である。 炭素鋼の材質判別検査結果を示す図である。 従来の自己インダクタンスを利用した検査装置を示す図である。 従来の相互インダクタンスを利用した検査装置を示す図である。 従来の差動出力型検査装置を示す図である。
符号の説明
1 電磁誘導型検査装置
10 駆動部
11 正弦波発振器
12 定電流増幅器
20 検出部(センサ)
21 励磁コイル
22(22a,22b) 誘導コイル(検出コイル)
30 検出信号処理部
30A 交流処理部
30B 演算部
30C 切換部
30D 比較処理部
30E 制御部
31 増幅器
32 移相器
33,34 演算器
35 切換器
36 電圧比較器
37 基準電圧発生器
38 直流増幅器
39 A/D変換制御ソフト
40 表示部
90 被検査物
91 標準被検査物
100A,100B,100C 検査装置
101 電磁コイル
102 ブリッジ回路
103 交流電源
104 差動増幅器
105 交流電源
106 励磁コイル(1次コイル)
107a,107b 検出コイル(2次コイル)
108 差動増幅器
109 検査用の空間
110 物体
111 励磁コイル
112,113 検出コイル
114 検出センサ
121 定電流回路
122 発信回路
123 交流信号発生部
124,125 増幅器
126,127 位相調整器
128 位相検波器
129 差動増幅器
130 位相差出力信号
131 差動出力信号
132 検出信号処理部
133 信号処理器

Claims (6)

  1. 検出部と該検出部の検出信号を処理する検出信号処理部とを備え、被検査物の検査を行う電磁誘導型検査装置において、
    前記検出部は、交流電流の印加によって磁界を発生する励磁コイルと、該励磁コイルと同軸に配置され、該励磁コイルの磁界変化を検出するための複数の誘導コイルを差動接続してからなる検出コイルとを有し、
    前記検出信号処理部は、レベルモードの検出数値として前記検出コイルから出力された電圧信号の電圧値に関連する第1の検出数値を算出し、フェーズモードの検出数値として前記検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する第2の検出数値を算出し、この第1の検出数値および第2の検出数値に基づいて、被検査物を判定するようになされ、
    前記第1の検出数値として、前記検出コイルから出力された電圧信号を増幅・整流した直流電圧値から標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号を増幅・整流した直流電圧値を差し引いた直流電圧値を算出し、
    前記第2の検出数値として、前記検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値から、標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値を差し引いた位相差電圧値を算出することを特徴とする電磁誘導型検査装置。
  2. 前記検出信号処理部は、
    標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号を増幅・整流した直流電圧値と、標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値とを同一の電圧値とすることを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導型検査装置。
  3. 前記検出信号処理部は、検出コイルの抵抗値Rとリアクタンス値Xが標準の被検査物に対しての変化量に基づいて検出感度を判別する検出感度判別手段をさらに有し、
    前記検出感度判別手段により前記第1の検出数値と前記第2の検出数値との検出感度を判別し、
    検出感度の高い方で被検査物を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁誘導型検査装置。
  4. 励磁コイルと、該励磁コイルと同軸に配置され、複数の誘導コイルを差動接続してからなる検出コイルとから構成される検出部と、前記検出コイルの検出信号を処理する検出信号処理部とを備える検査装置を用いて被検査物の検査を行う電磁誘導型検査方法であって、
    前記励磁コイルに交流電流を印加して磁場を形成させ、前記検出コイルで被検査物による前記励磁コイルが形成した磁場の変化を検出し、レベルモードの検出数値として前記検出コイルから出力された電圧信号の電圧値に関連する第1の検出数値を算出し、フェーズモードの検出数値として前記検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する第2の検出数値を算出し、この第1の検出数値および第2の検出数値に基づいて、被検査物を判定し、
    前記第1の検出数値として、前記検出コイルから出力された電圧信号を増幅・整流した直流電圧値から標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号を増幅・整流した直流電圧値を差し引いた直流電圧値を利用し、
    前記第2の検出数値として、前記検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値から、標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値を差し引いた位相差電圧値を利用することを特徴とする電磁誘導型検査方法。
  5. 標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号を増幅・整流した直流電圧値と、標準被検査物での検出コイルから出力された電圧信号の位相と前記励磁コイルの励磁電圧の位相との位相差に関連する電圧値とを同一の電圧値とすることを特徴とする請求項に記載の電磁誘導型検査方法。
  6. 検出コイルの抵抗値Rとリアクタンス値Xが標準の被検査物に対しての変化量に基づいて、前記第1の検出数値と前記第2の検出数値との検出感度を判別し、検出感度の高い方で被検査物を判定することを特徴とする請求項4又は5に記載の電磁誘導型検査方法。
JP2005322454A 2005-11-07 2005-11-07 電磁誘導型検査装置および電磁誘導型検査方法 Expired - Fee Related JP4809039B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005322454A JP4809039B2 (ja) 2005-11-07 2005-11-07 電磁誘導型検査装置および電磁誘導型検査方法
EP06255714A EP1783487A1 (en) 2005-11-07 2006-11-06 Electromagnetic induction type inspection device and method
US11/593,560 US7696747B2 (en) 2005-11-07 2006-11-07 Electromagnetic induction type inspection device and method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005322454A JP4809039B2 (ja) 2005-11-07 2005-11-07 電磁誘導型検査装置および電磁誘導型検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007127600A JP2007127600A (ja) 2007-05-24
JP4809039B2 true JP4809039B2 (ja) 2011-11-02

Family

ID=37709661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005322454A Expired - Fee Related JP4809039B2 (ja) 2005-11-07 2005-11-07 電磁誘導型検査装置および電磁誘導型検査方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7696747B2 (ja)
EP (1) EP1783487A1 (ja)
JP (1) JP4809039B2 (ja)

Families Citing this family (49)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1925421B1 (en) * 2006-11-21 2011-05-11 Thermal Cyclic Technologies TCTech i Stockholm AB Injection-mould with inductive heating and injection moulding method
JP4998820B2 (ja) * 2007-03-14 2012-08-15 住友金属工業株式会社 渦流検査方法及び該渦流検査方法を実施するための渦流検査装置
DE102007052946B4 (de) * 2007-10-15 2016-02-18 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Vorrichtung, Verfahren und System zum Erkennen, wenn ein Objekt oder eine Person eine durch ein magnetisches Feld markierte Grenze überschreitet
US20120161788A1 (en) * 2010-07-27 2012-06-28 Alion Science And Technology Magnetic effects sensor, a resistor and method of implementing same
GB2481482B (en) 2011-04-27 2012-06-20 Univ Manchester Improvements in sensors
EP2726263B1 (en) 2011-06-28 2018-01-24 TcTech Sweden AB Device and method for heating a mould or tool
DE102012205283A1 (de) * 2012-03-30 2013-10-02 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Vorrichtung zur induktiven Leistungsübertragung
US9817078B2 (en) 2012-05-10 2017-11-14 Allegro Microsystems Llc Methods and apparatus for magnetic sensor having integrated coil
CN103163211B (zh) * 2013-03-14 2016-01-20 天津大学 一种金属导体表面和亚表面缺陷分类识别方法
CN103163216B (zh) * 2013-03-14 2015-09-30 天津大学 一种基于巨磁电阻传感器的金属导体缺陷识别及估计方法
US10725100B2 (en) 2013-03-15 2020-07-28 Allegro Microsystems, Llc Methods and apparatus for magnetic sensor having an externally accessible coil
JP2014188122A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Akita Prefectural Hospital Organization 磁性体検出センサ、磁性体検出方法および磁性体検出装置
US10495699B2 (en) 2013-07-19 2019-12-03 Allegro Microsystems, Llc Methods and apparatus for magnetic sensor having an integrated coil or magnet to detect a non-ferromagnetic target
US10145908B2 (en) 2013-07-19 2018-12-04 Allegro Microsystems, Llc Method and apparatus for magnetic sensor producing a changing magnetic field
JP6242155B2 (ja) * 2013-10-29 2017-12-06 大日機械工業株式会社 非破壊検査装置および非破壊検査方法
CN103674349B (zh) * 2013-12-24 2015-10-28 江西飞尚科技有限公司 一种基于高斯定理的开环磁通量传感器感应方法
CN103760231B (zh) * 2014-01-07 2016-11-23 天津大学 基于决策树的焊接缺陷巨磁电阻涡流检测方法及检测装置
CN103760229B (zh) * 2014-01-07 2016-03-30 天津大学 基于支持向量机的焊接缺陷巨磁电阻涡流检测方法
CN103760230B (zh) * 2014-01-07 2016-03-30 天津大学 基于bp神经网络的焊接缺陷巨磁电阻涡流检测方法
CN103713043B (zh) * 2014-01-07 2016-05-04 天津大学 基于贝叶斯网络的焊接缺陷巨磁电阻涡流检测方法
CN103713042B (zh) * 2014-01-07 2016-03-30 天津大学 基于k邻近算法的焊接缺陷电涡流检测方法
CN103728579B (zh) * 2014-01-15 2016-03-16 南京大全电气研究院有限公司 交流接触器铁心动态吸力检测装置及检测方法
US9823092B2 (en) 2014-10-31 2017-11-21 Allegro Microsystems, Llc Magnetic field sensor providing a movement detector
US10012518B2 (en) 2016-06-08 2018-07-03 Allegro Microsystems, Llc Magnetic field sensor for sensing a proximity of an object
JP6547726B2 (ja) * 2016-11-28 2019-07-24 Jfeスチール株式会社 薄鋼帯の漏洩磁束探傷装置および探傷方法
US11428755B2 (en) 2017-05-26 2022-08-30 Allegro Microsystems, Llc Coil actuated sensor with sensitivity detection
US10324141B2 (en) 2017-05-26 2019-06-18 Allegro Microsystems, Llc Packages for coil actuated position sensors
US10837943B2 (en) 2017-05-26 2020-11-17 Allegro Microsystems, Llc Magnetic field sensor with error calculation
US10310028B2 (en) 2017-05-26 2019-06-04 Allegro Microsystems, Llc Coil actuated pressure sensor
US10996289B2 (en) 2017-05-26 2021-05-04 Allegro Microsystems, Llc Coil actuated position sensor with reflected magnetic field
US10641842B2 (en) 2017-05-26 2020-05-05 Allegro Microsystems, Llc Targets for coil actuated position sensors
CN111879847B (zh) * 2017-07-18 2023-04-07 中国石油化工股份有限公司 一种漏磁检测方法及检测装置
JP6864584B2 (ja) * 2017-08-17 2021-04-28 株式会社神戸製鋼所 金属異物検出装置
JP7061791B2 (ja) * 2018-05-15 2022-05-02 日本ケーブル株式会社 ワイヤロープの探傷検査方法
JP7204291B2 (ja) * 2018-06-27 2023-01-16 矢崎エナジーシステム株式会社 劣化検出方法及び劣化検出装置
US10823586B2 (en) 2018-12-26 2020-11-03 Allegro Microsystems, Llc Magnetic field sensor having unequally spaced magnetic field sensing elements
US11061084B2 (en) 2019-03-07 2021-07-13 Allegro Microsystems, Llc Coil actuated pressure sensor and deflectable substrate
CN109870500B (zh) * 2019-03-13 2022-11-01 中国海洋石油集团有限公司 一种基于交流电磁场检测的缺陷实时判别方法及系统
US10955306B2 (en) 2019-04-22 2021-03-23 Allegro Microsystems, Llc Coil actuated pressure sensor and deformable substrate
US11237020B2 (en) 2019-11-14 2022-02-01 Allegro Microsystems, Llc Magnetic field sensor having two rows of magnetic field sensing elements for measuring an angle of rotation of a magnet
US11280637B2 (en) 2019-11-14 2022-03-22 Allegro Microsystems, Llc High performance magnetic angle sensor
US11642819B2 (en) * 2020-01-27 2023-05-09 GM Global Technology Operations LLC Composite components and methods of manufacturing composite components using magnetic forces at fiber preform seams
US11262422B2 (en) 2020-05-08 2022-03-01 Allegro Microsystems, Llc Stray-field-immune coil-activated position sensor
CN111707328B (zh) * 2020-06-10 2024-06-18 清华大学 互耦型过球检测传感器及其检测方法
JP7537669B2 (ja) 2020-12-15 2024-08-21 ニッカ電測株式会社 金属検出機
CN214951597U (zh) * 2021-02-05 2021-11-30 张军虎 一种抗射频干扰的计量模块和旋转计数装置
US11493361B2 (en) 2021-02-26 2022-11-08 Allegro Microsystems, Llc Stray field immune coil-activated sensor
US11578997B1 (en) 2021-08-24 2023-02-14 Allegro Microsystems, Llc Angle sensor using eddy currents
CN118501251A (zh) * 2024-07-19 2024-08-16 湖北工业大学 一种铁磁性构件深层缺陷检测方法及装置

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3588682A (en) * 1967-11-28 1971-06-28 Forster F M O System for inspecting a welded seam with means for generating a signal which is a function of the welding temperature
US3535625A (en) * 1968-04-22 1970-10-20 Garrett Corp Strain and flaw detector
FR2195021B1 (ja) * 1972-08-03 1976-01-23 Commissariat A En Atomique Fr
CA1212997A (fr) * 1983-12-16 1986-10-21 Gerard Durou Methode et systeme de test non destructif a courants de foucault utilisant un balayage en frequences
US5432444A (en) * 1990-10-23 1995-07-11 Kaisei Engineer Co., Ltd. Inspection device having coaxial induction and exciting coils forming a unitary coil unit
JP3140105B2 (ja) 1990-10-23 2001-03-05 偕成エンジニア株式会社 電磁誘導型検査装置
JP2912063B2 (ja) 1991-10-02 1999-06-28 偕成エンジニア株式会社 検出コイル
EP0543648A1 (en) * 1991-11-21 1993-05-26 Kaisei Engineer Co., Ltd. Inspection device using electromagnetic induction and method therefor
JPH05149923A (ja) * 1991-11-29 1993-06-15 Kaisei Enjinia Kk 周波数位相変化による電磁誘導検査装置及びその検査方法
JPH05142204A (ja) * 1991-11-21 1993-06-08 Kaisei Enjinia Kk 電磁誘導型検査装置
JPH0854375A (ja) * 1994-08-11 1996-02-27 Kaisei Enjinia Kk 電磁誘導型検査装置
JP3753499B2 (ja) 1997-04-14 2006-03-08 株式会社竹中工務店 磁気探傷装置及び方法
JP4357489B2 (ja) 2006-01-27 2009-11-04 京セラミタ株式会社 ポーリング処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP1783487A1 (en) 2007-05-09
US7696747B2 (en) 2010-04-13
JP2007127600A (ja) 2007-05-24
US20100052667A1 (en) 2010-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4809039B2 (ja) 電磁誘導型検査装置および電磁誘導型検査方法
US3693075A (en) Eddy current system for testing tubes for defects,eccentricity,and wall thickness
US11358836B2 (en) Wire rope inspection device, wire rope inspection system, and wire rope inspection method
KR100218653B1 (ko) 전자유도형 검사장치
US9453817B2 (en) Nondestructive inspection device using alternating magnetic field, and nondestructive inspection method
JP4998821B2 (ja) 渦流検査方法及び該渦流検査方法を実施するための渦流検査装置
US8610426B2 (en) Carburization sensing method
JP5383597B2 (ja) 渦電流検査装置および検査方法
US4881031A (en) Eddy current method and apparatus for determining structural defects in a metal object without removing surface films or coatings
JP2009036682A (ja) 渦電流センサ、硬化層深さ検査装置及び硬化層深さ検査方法
JP2005292111A (ja) 鉄筋コンクリートの鉄骨材の非破壊検査装置
Artetxe et al. Analysis of the voltage drop across the excitation coil for magnetic characterization of skin passed steel samples
US6727695B2 (en) Test method and apparatus for noncontact and nondestructive recognition of irregularities in the wall thickness of ferromagnetic pipes
JP2001318080A (ja) 検出コイルとこの検出コイルを用いた検査装置
EP1348952B1 (en) Mutual inductance bridge for detection of degradation in metallic components
JP2005338046A (ja) 金属管の非破壊検査装置
JPH05142204A (ja) 電磁誘導型検査装置
JP2009031224A (ja) 渦電流センサ、焼き入れ深さ検査装置、および焼入れ深さ検査方法
JP2004354282A (ja) 漏洩磁束探傷装置
JPH04221757A (ja) 欠陥検出装置及び方法
Goldfine et al. Introduction to the Meandering Winding Magnetometer (MWM) and the grid measurement approach
RU2694428C1 (ru) Измерительный тракт вихретокового дефектоскопа для контроля труб
KR100934615B1 (ko) 와전류 검사 장치 및 방법
JPH05203629A (ja) 電磁気探傷方法およびその装置
JPH09166582A (ja) 電磁気探傷法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110530

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110719

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110818

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140826

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4809039

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees