JPH05142204A - 電磁誘導型検査装置 - Google Patents

電磁誘導型検査装置

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JPH05142204A
JPH05142204A JP3306296A JP30629691A JPH05142204A JP H05142204 A JPH05142204 A JP H05142204A JP 3306296 A JP3306296 A JP 3306296A JP 30629691 A JP30629691 A JP 30629691A JP H05142204 A JPH05142204 A JP H05142204A
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JP
Japan
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coil
inspection
electromagnetic induction
electromotive force
inductance
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JP3306296A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Yasohama
和彦 八十濱
Hiroaki Kohama
博明 小濱
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KAISEI ENJINIA KK
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KAISEI ENJINIA KK
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁誘導の周波数特性を利用して検査対象物
の欠陥乃至異質などの態様を高感度、高精度で検出する
電磁誘導型検査装置を提供すること。 【構成】 電磁誘導型検査装置10は電磁誘導により起
電力を発生させる検査コイル30を有し、電磁誘導のた
めの印加電源周波数の変化によって磁場中に置かれた検
査物Sによる誘導起電力の変化で検査物Sの様態を判別
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、検査物を磁場中に置く
ことで変化する電磁誘導によって検査物の存在、異質、
欠陥などを検出する電磁誘導型の検査装置に関するもの
で、更に詳しくは、磁場を形成する印加電源の周波数に
よって変化する電磁誘導の特性からスポット溶接部など
を検査物としてその内部欠陥などを含む検査物の様態を
正確に認識する検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】交流磁界中に物体をおくと磁束に変化が
生じ、同じ磁場中に置かれたコイルのインダクタンスが
変化する。このインダクタンスは、磁場中の物体の誘電
率、透磁率、大きさ、磁場中の位置などの因子に比例し
て変化する。これらのうちのいくつかの既知の因子を一
定にして、検査物を磁場中におくと、他の未知因子を認
識することができる。この電磁誘導の原理を利用して検
査物の存在、検査物中の欠陥、異常などの様態を検知で
きる磁気非破壊検査装置が多数提案されている。一例と
して、磁化方法によって分類される通電法、貫通法、プ
ロッド法、コイル法、極間法などがある。
【0003】また、図11に示すような電磁誘導型検査
装置がある。この検査装置は、交流電流の印加によって
磁界を発生する電磁コイル50をブリッジ回路51の一
辺に介在させている。この検査装置では、コイル50が
定常状態の場合、交流電源52によって励磁される電磁
コイル50とこれに対応する辺のインダクタLはインダ
クタンスが等しく、且つ、他の2辺の抵抗R1、R2を
同一に設定して平衡を維持している。つまり、平衡状態
においてブリッジ回路51の出力点P1、P2からの出
力は理論的に零(Vout=0)になる。
【0004】ところが、電磁コイル50が形成する磁界
(磁束M)に検査物Sが入ると、電磁コイル50の自己
誘導インダクタンスが変化する。結果として、ブリッジ
回路51におけるインダクタLと電磁コイル50の平衡
が崩れて出力点P1、P2に電位差が生じ、検査物Sの
誘導係数に応じた出力Voutが得られる。通常、ブリ
ッジ回路51からの非平衡出力は作動増幅器53などで
増幅される。
【0005】これによる出力Voutの変化特性を予め
データ化しておけば、検査物Sの材質、大きさ、更に
は、磁界中を移動する速度などを認識することが可能と
なる。この場合、予め規定した基準物質をインダクタL
に対向させておき、正常な検査物を電磁コイル50に接
近させた時に基準物質と検査物とが平衡な定常状態を呈
するように設定されている。
【0006】更に、図12に示すような相互インダクタ
ンスを利用した検査装置60も提案されている。この従
来装置は、交流電源61に励磁される励磁コイル(一次
コイル)62と、励磁コイル62の磁束を受けて起電力
を生じる一対の検出コイル(2次コイル)63a、63
bと、差動増幅器64とからなる。検出コイル63a、
63bは逆方向に巻回されて直列に差動接続され、定常
状態において励磁コイル62の磁束Mを均等に受けて起
電力を相殺する構成になっている。つまり、定常状態で
は検出コイル63a、63bの出力点P1、P2の差動
電圧(差動増幅器64の出力Vout)は理論的に零で
ある。
【0007】この検査装置では通常、励起コイル62と
検出コイル63a、63bとの間に検査路65を形成
し、ここに検査物Sを通過させる。検査物Sが励起コイ
ル62からの磁束Mに鎖交することで検出コイル63
a、63bが受ける磁束鎖交数が変化し、検出コイル6
3a、63bの夫々の起電力が非平衡になり、差動出力
Voutが現れる。これにより、検査物Sの材質、大き
さ、あるいは、各種工作物の欠陥乃至異質などを検出す
ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置の構成
からも明らかなように、この種の電磁誘導型の検査装置
では、誘導コイルを含む平衡回路における誘導インダク
タンスの非平衡状態を差動電圧として検出するので、検
出精度を向上させるためには、検査物が磁束を鎖交する
ことによる起電力の変化を高感度に検出する必要があ
る。
【0009】ところが、前者の自己インダクタンス型の
検査装置では、自己インダクタンスの変化率(基底イン
ダクタンスに対する変化時のインダクタンスとの差)が
極めて小さく、検査物が十分に大きい誘電率を持つか、
あるいは、強磁性体などのように大きな磁場変化をもた
らすものでなければ検出が不可能であった。つまり、検
出感度が極めて低く、検査物の材質の識別あるいは非金
属の検出などのようにインダクタンス変化率が小さい検
査物には対応できなかった。
【0010】一方、後者の相互インダクタンス型の電磁
誘導型検査装置は、励磁コイル(一次コイル)62と検
出コイル(二次コイル)63a、63bの間に検査路6
5が存在し、検出コイル63a、63bの誘導効率は検
査路65の大きさ(励磁コイルから検出コイルまでの距
離d)に反比例するので、励磁コイルと検出コイルの間
隔(検査路)を大きくするのにも限界があった。つま
り、検査路65を必要とするために装置の大型化を伴な
いながらも、検査対象の物質の大きさが制限されるの
で、実質的に大型の対象物を検査することは不可能であ
った。また、励磁コイル62の励磁性能を高めて検査路
65を広げると分解能が低下し、微小な変化が検出不能
になる。
【0011】ほかに、相互インダクタンス型の検査装置
が不可避的に内在する欠点がある。たとえば、図12に
示すように、検査時に検出コイル63aの近傍に検査物
Sが存在して検出コイル63aに鎖交する磁束に変化を
及ぼすと検出コイル63aのインダクタンスが変化する
が、この時点で基準インダクタンスとなるべき検出コイ
ル63bのインダクタンスも多かれ少なかれ変化する。
すなわち、検査物Sによって検出コイル63aの起電力
を、同時に変化する検出コイル63bの起電力が打ち消
すことになる。この起電力の相殺作用は検査物Sのコイ
ルに対する相対位置によって複雑に変化し、更には、検
出コイル間における電磁誘導の干渉によって、所期の起
電力変化量が場合によっては無視できないほどの検出誤
差をもたらす。
【0012】上述したように、従来の電磁誘導型検査装
置では、検査対象物の大きさが制限され、工作物の欠陥
等の微小対象物の検出に精度が劣り、検査物の材質同定
などの微妙な検査には到底対応できないなどの欠点があ
った。検出感度を向上させる手段としては、変化率が大
きく現れる印加電源周波数を採用して検出感度を確保す
る程度であった。また、検査対象物としては磁性体、誘
電体などのように磁気に対する感応性が高く誘導変化が
著しい磁性体材料を主体とするため、適用範囲が極めて
狭かった。
【0013】また、従来の電磁誘導型検査装置は更に重
大な欠点を持っている。すなわち、検査物の欠陥の状態
によっては電磁誘導の変化が正常な場合と変化が現れな
いことがある。この現象は検出感度を如何に向上させて
も起り得る。たとえば、スポット溶接の溶接部(ナゲッ
ト)を電磁誘導の変化で非破壊検査する場合、正常溶接
部でも電磁誘導にバラツキがあるため当然ながら良品の
インダクタンス許容値が設定される。
【0014】一方、スポット溶接部でも割れや融合不良
等の欠陥の大きさが不良と見なすには十分であるにも拘
らず発生位置よってインダクタンスの変化として現れに
くいことがある。こうした場合、欠陥によるインダクタ
ンス変化率が良品における許容値内に入るため良品と見
紛う危険性があった。
【0015】そこで本発明者は、従来の相互誘導型検査
コイルが複数の検出コイル間での望ましくない電磁誘導
の干渉を回避することができると共に、電磁誘導による
検査を高感度に行なえる検査コイルの実現を経て、検査
対象物の電磁誘導率、質量、内部欠陥の位置及び大きさ
などによって誘導電力に周波数特性があることを発見し
た。この誘導電力の周波数特性を利用することで検査対
象物の様々な態様を正確に且つ高分解能で認識すること
に成功した。
【0016】本発明は上記した本発明者の知見に基づい
てなされたもので、その目的とするところは、磁性体、
誘電体のみならず非磁性体を含むあらゆる材質の検査対
象物でも欠陥乃至異質を高感度、高精度で検出すること
ができる電磁誘導型検査装置を提供することにある。更
に、本発明の目的は、検査対象物内部の欠陥の大きさや
位置などの様態を正確に判別することができる電磁誘導
型検査装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明に係わる電磁誘導型検査装置は、電磁誘導により
起電力を発生させる検査コイルを有し、電磁誘導のため
の印加電源周波数の変化によって磁場中に置かれた検査
物による誘導起電力の変化で検査物の様態を判別するも
のである。
【0018】前記の検査コイルを交流電流の印加により
励磁して磁束を形成する励磁コイルと、前記励磁コイル
による磁束に鎖交して起電力を誘導させる誘導コイルと
で構成できる。更に、励磁コイルと誘導コイルを同軸に
一部を接触させて一体に設ける。
【0019】
【作用】検査コイルに交流電流を印加することで磁場を
励起し、それによる電磁誘導で起電力を出力する。励起
された磁場の磁束に鎖交させるように検査対象物を置く
ことで、電磁誘導に変化をもたらす。電磁誘導起電力は
磁場中にある検査物の透磁率、大きさなどの条件によっ
て変化し、起電力の変化を予め求めた基準値と比較する
ことで検査物の様態が認識できる。
【0020】同一検査条件で、励起コイルに印加する周
波数を変化することで、印加電流による電磁誘導の印加
電流の周波数による変化率が異なる。更に、検査物の異
質、欠陥などの異常部位の位置、大きさによって特定の
周波数特性を見せるので、周波数の変化に伴なう電磁誘
導の変化を分析することで、検査物の様態について様々
な情報を得ることができる。たとえば、検査物内部の欠
陥の位置、大きさなども正確に判別できる。しかも、検
査基準の許容範囲として設定した電磁誘導値内の変化で
あっても、その電磁誘導変化の原因を認識することも可
能となる。
【0021】検査コイルを一次側の励磁コイルと二次側
の誘導コイルを一体構成することで電磁干渉性の少ない
相互誘導作用を享受できる。更に、誘導コイルを励磁コ
イルに同軸状に一部を接触させて一体に設けることで磁
束鎖交率が高まり、インダクタンス変化率を高めること
ができ、検出感度が向上する。
【0022】
【実施例】図は本発明に係る電磁誘導型検査装置の一実
施例を示し、図1は電磁誘導検査装置のシステム全体を
示す概略斜視図であり、図2は検査コイルの概略斜視図
である。
【0023】本発明による電磁誘導型検査装置10は、
一例として図1に示すように、ポータブルな装置本体2
0と検査コイル30とからなる。装置本体20の操作盤
21に、電源スイッチ22、メータディスプレイを含む
表示部23、レンジ調整部24、プリセットスイッチ2
5、ブザー26、センサコネクタ27を備えている。図
中、検査対象物Sの一例として薄板鋼板を示しており、
薄板鋼板に施されたスポット溶接部(ナゲット)Snの
探傷などに実用的である。
【0024】装置本体20のセンサコネクタ27に着脱
接続される検査コイル30は、図2に概略図示するよう
に、交流電源41からの交流電流の印加を受けて励磁し
交流磁界(磁束M)を形成する励磁コイル30aと、励
磁コイル30aの外周面の一方端の一部に密接状に同軸
巻回され励磁コイル30aの交流磁界によって電磁誘導
して起電力を出力する誘導コイル30bとからなる。一
次側の励磁コイル30aと二次側の誘導コイル30bが
一体になっており、誘導コイル30bが励磁コイル30
aによる励起磁束Mの全てに鎖交するので、極めて高い
効率で誘導コイル30bに相互インダクタンスが起り、
大きい交流起電力が出力される。
【0025】そこで、図示のように、励磁コイル30a
による磁束Mを鎖交するように被検査物Sをおくと誘導
コイル30bのインダクタンスに変化がみられる。この
インダクタンスの変化は被検査物Sの大きさ、材質など
の因子によって異なる。励磁コイル30aによる磁場に
被検査物Sが存在していない定常状態における誘導コイ
ル30bのインダクタンスと、同上磁場中に被検査物S
が存在する場合のインダクタンスとの差を判定すること
で、単に被検査物Sの在否乃至大きさのみならず、その
材質、更には、被検査物Sに混入する異物の存在をも正
確に識別することができる。
【0026】検出回路43は誘導コイル30bの出力V
outの変化を識別する機能を有するもので、この実施
例では、定常状態における誘導コイル30bのインダク
タンスを基準値Vrとして設定し、検査時の誘導コイル
30bの出力値Voutと比較する比較器43aと、比
較器43aからの出力から検査対象を認識する判定回路
43bとからなる。
【0027】上記検査コイル30は、図3に示すよう
に、ボビン32の外周に導電性線材を多重巻回して励磁
コイル30aを形成し、励磁コイル30aの外周面の一
部にアルミ箔などの電磁シールド層34と絶縁シート3
6を層状に巻きつけ、更に絶縁シート36の外周面に導
電性線材を多重巻回して誘導コイル30bを形成するこ
とで構成できる。検査コイル30として使用する際は、
ボビン32を取り除いてもよい。しかしながら、基本的
に励磁コイルと誘導コイルよりなる検出コイル部の製作
方法、構成要素は特にこれに限定するものではなく、様
々な方法で製作できることは言うまでもない。
【0028】上記検査コイル30を平衡回路に介在させ
て作動増幅回路を構成するなどの方法によって、検査コ
イル30の誘導起電力を処理しやすいレベルに加工する
ことが可能である。
【0029】検査コイル30から出力される誘導起電力
は周波数特性を有する。この周波数特性は、透磁率など
を決める被検査物Sの材質や物性など、更には、被検査
物Sの大きさ、異質、異物の存在などによって特有の変
化を示す。すなわち、励起コイル30aが励起する磁界
中に被検査物Sを置くことで、図4に概念的に示すよう
に、定常状態の誘導起電力電圧Voに比べて出力Vou
tが電圧Vrに変化する。この変化率(Vr/Vo)は
周波数fnによって変化し、この周波数特性を利用する
ことで被検査物Sの異質、物性、構造などを正確に認識
することができる。
【0030】実際にスポット溶接部を本発明の検査コイ
ルを用いて検査実験し、印加電流の周波数を変化させる
ことで誘導起電力に影響を及ぼすことを確認した。図5
に示すように2枚の鋼板(材質:SPCC)S1、2を
接面させてスポット溶接して形成されたナゲット部Sn
の表面露出部に接触させて検査実験を行ない、この時に
励起される誘導起電力Vが印加電流Iの周波数によって
どのように変化するかを調べた。この検査実験で使用し
た検査コイル30は、径0.1mmの銅線を300回巻回
して外径(d1)を3mmに形成した一次側の励磁コイル
30aと、同じく径0.1mmの銅線を300回巻回して
外径(d2)を8mmに形成した二次側の誘導コイル30
bよりなる。励磁コイル30aへの印加電流(I)は1
00mA、電圧6Vであった。被検査物である2枚の鋼板
の厚さ(T)は2.5mmで、スポット(ナゲット)の径
(Sd)は8mm以下であった。
【0031】実験は、欠陥のないスポット溶接のナゲッ
ト部(GD)と欠陥のあるナゲット部(NG)の2試料
で得られる誘導起電力を検出した。更に詳しくは、上記
実験条件で、一次側の励磁コイル30aへの印加電流
(I)の周波数(f)を約0.7kHzから約95kHzに
連続的に変化させた時に得られた誘導電圧(Vout)
を検出してその周波数による誘導電圧変化を調べた。
【0032】実験の結果である周波数−誘導電圧の変化
グラフの一部を図6に示している。実験は低周波領域か
ら高周波領域に亙って連続的に周波数を変化させてその
誘電出力を検出しながら行なったもので、欠陥のない被
検査物(GD)と欠陥のある被検査物(ND)による出
力変化は検査した周波数領域全域において見られた。特
に図6から明らかなように、欠陥品(NG)と良品(G
D)において0.7kHzの中周波域から37kHz以上の
高周波域に亙って顕著な誘導電圧差が確認できた。図に
おいては検出電圧の平均値特性を太線で示している。
【0033】更に、上記した周波数−誘導電圧特性は被
検査物(試料)の構造的条件によって異なったパターン
を呈する。敷衍すると、被検査物の内部構造(たとえ
ば、溶接による溶融部のクラックやピンホールなどの欠
陥)によって上記周波数−誘導電圧特性のパターンが変
化する。一例として図7乃至図10に示すように、欠陥
d1〜d5が存在するスポット溶接のナゲット部Snを
上記検査コイル30で検査すると、図11に概略図示す
るように異なった周波数−誘導電圧特性のパターンa、
b、c・・・が得られる。
【0034】つまり、図7の内部欠陥はナゲット部Sn
のクラックd1である。図8ではナゲット部Snの中央
のピンホールd2であり、図9ではナゲット部Snの縁
部のピンホールd3である。図10の欠陥は複数のピン
ホールd4、d5である。これらの被検査物内部の欠陥
の状態によって夫々、周波数特性パターンに判別可能な
差が生じる。すなわち、未知の試料の周波数−誘導電圧
特性をとって、その特性パターンを比較することで、た
とえば、上述したようなスポット溶接のナゲット部の内
部欠陥の種類、大きさ、位置を認識することが可能とな
る。
【0035】言うまでもなく、上記実施例は一例として
スポット溶接のナゲット部の検査を対象に説明したが、
検査対象は材質、大きさ、物性、構造を問わず、特性パ
ターンをデータ化することであらゆる物質に適用可能で
ある。
【0036】
【効果】以上説明したように、本発明による電磁誘導型
検査装置は、電磁誘導により起電力を発生させる検査コ
イルで磁場中に置かれた検査物による誘導起電力を検出
し、検査コイルへの印加電源周波数の変化によって誘導
起電力が変化することを利用しているので、周波数−誘
導起電力の変化パターンから検査物の存在のみならず、
検査物の異質、内部構造などの様々な様態を極めて正確
に認識することができる。
【0037】しかも、本発明による検査コイルが交流電
流の印加により励磁して磁束を形成する励磁コイルと、
励磁コイルによる磁束に鎖交して起電力を誘導させる誘
導コイルとからなるため、一次側の励磁コイルによる磁
気エネルギーを二次側の誘導コイルが高効率で捕獲する
ことができ、低損失で高能率に誘導起電力の発生条件を
もたらすことができる。これによって、感度及び分解能
の向上が望める。
【0038】更に、励磁コイルと誘導コイルを同軸に一
部を接触させて一体に設けたので、相互誘導の条件因子
に雑音成分を介在させることがなく、低雑音の電磁誘導
を高効率、高感度で行なわれる。
【0039】その上、印加電源周波数に対する該誘導起
電力の変化パターンをデータ化して検査物内部の欠陥を
分析するようにしたので、被検査物の異質などの態様の
分析判定が極めて容易、且つ、正確に行なえるので、判
定に経験や特殊技術を要せず、能率のよい非破壊検査を
実施することが可能となる。
【0040】また、装置がポータブルで構成が簡単であ
り、取扱いが極めて簡単でありながら、高性能の機能を
有し、汎用性があるので金属・非金属工業、食品製造
業、薬品製造業、建築土木などを含む様々な業種分野の
非破壊検査装置として極めて有用に利用できる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電磁誘導型検査装置の概略構成
図。
【図2】図1の検査装置に適用する検査コイルの部分欠
截概略斜視図。
【図3】図2の検査コイルの半断面概略側面図。
【図4】本発明による検査コイルの起電力出力図。
【図5】本発明による検査コイルを用いて溶接部を検査
する場合の概略側面図。
【図6】本発明による検査コイルの周波数−出力特性
図。
【図7】検査対象の内部欠陥の第1例を示す断面斜視
図。
【図8】検査対象の内部欠陥の第2例を示す断面斜視
図。
【図9】検査対象の内部欠陥の第3例を示す断面斜視
図。
【図10】検査対象の内部欠陥の第4例を示す断面斜視
図。
【図11】検査対象の内部欠陥の状態による周波数−出
力特性を示す説明図。
【図12】従来の自己誘導型検査装置の概略説明図。
【図13】従来の相互誘導型検査装置の概略説明図。
【符号の説明】
10 電磁誘導型検査装置 30 検査コイル 30a 励磁コイル 30b 誘導コイル S 被検査物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁誘導により起電力を発生させる検査
    コイルを有し、電磁誘導のための印加電源周波数の変化
    によって磁場中に置かれた検査物による誘導起電力の変
    化で検査物の様態を判別する電磁誘導型検査装置。
  2. 【請求項2】 該検査コイルが交流電流の印加により励
    磁して磁束を形成する励磁コイルと、該励磁コイルによ
    る磁束に鎖交して起電力を誘導させる誘導コイルとから
    なる請求項1記載の電磁誘導型検査装置。
  3. 【請求項3】 該励磁コイルと該誘導コイルを同軸に一
    部を接触させて一体に設けた請求項2記載の電磁誘導型
    検査装置。
  4. 【請求項4】 印加電源周波数に対する該誘導起電力の
    変化パターンをデータ化して検査物内部の欠陥を分析す
    る請求項1記載の電磁誘導型検査装置。
JP3306296A 1991-11-21 1991-11-21 電磁誘導型検査装置 Pending JPH05142204A (ja)

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