JP2005338046A - 金属管の非破壊検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】敷設した金属管の金属状態の推定や金属疲労状態を評価する方法を確立する。
【手段】敷設した金属管の金属状態を調べるために、金属管の周囲に、または一部にコイルや電磁石、磁石等を設置し、その際に交流磁界の強度と交流磁界の周波数、または直流磁界強度を変えて金属管の磁気的な応答特性を測定し、その応答特性と金属管の金属量との相関を見出した。また磁気的な応答特性と金属管の金属疲労量との相関を見出した。
【選択図】図3

Description

本発明は、敷設した金属配管や敷設前の金属管の金属状態を非破壊でもってその劣化状態を診断する疲労診断方法に関する。
従来、敷設した金属配管や敷設前の金属配管の金属材料の疲労診断方法として確立された方法はなく、非破壊方法として超音波診断、また破壊による直接観察法が取られてきており、一部電磁誘導法のような電磁気的手法による漏れ磁場測定法が存在する。
超音波診断法は、金属管や敷設した金属配管に超音波を伝播させ、その反射特性から内部の状態を観察する方法である。この方法では、金属配管や金属管の表面の酸化が進行した時、金属管内に超音波が伝播しても金属管の表面の酸化による影響が小さいために、有効な情報を得ることが出来ない問題があった。
電磁誘導法は、金属材料(導体)に交流磁界を印加したときに欠陥などの電気的に不連続な部分が存在していると発生する渦電流が乱れることに着目したものである。この電磁誘導法においては、金属材料に交流電流を印加し、この印加状態においてその表面に生じる渦電流を検出する。このように渦電流を検出すると、金属材料に電気的に不連続な部分が存在していると渦電流が乱れ、この渦電流の乱れを検知することによって、電気的に不連続な部分、すなわちクラックを検出することができる。しかしながら一般的な電磁誘導法では金属の表面特性を測定するために、金属管の内部の金属量や酸化量等を測定するものではなかった。
その他に磁粉探傷法では、次のとおりの欠点が存在する。ビッター法を用いた磁粉探傷法の場合には、磁界勾配が発生している箇所、つまり磁気的な欠陥部を測定するが、磁性を持たないような金属材質では金属管に酸化や切断等が生じても、磁粉の磁気的な吸着力がないので、対応できないという根本的な問題があった。
敷設した金属配管や敷設前の金属管を切り出して、金属材料の疲労劣化状態を診断する方法として、走査電子顕微鏡やX線解析による結晶歪の測定、結晶解析を用いた方法があることは知られている。これらの方法では、金属材料の組織状態の変化を見ることができるので、微少なクラックが発生する前においても疲労劣化状態を診断することができる。しかし、走査電子顕微鏡によって検査する際には、検査すべき金属材料を破壊して試料片を作成しなければならず、それ故に、建設設置場所にて非破壊で測定することができないという問題があった。
また、金属疲労による磁気欠陥に対して交流磁界を印加して評価を行ったり、直流磁界を印加して評価する方法がある。前者の場合には周波数を変えてインダクタンス変化やバルクハウゼン効果を評価し深さ方向に対する磁気欠陥を評価するものがある。この場合には交流磁界に対して発生する渦電流による効果と、被測定物が持つ磁性による効果の2つが含まれているので情報量は多いが、内部に空間があるような金属管の状態を測定する方法としては確立されていなかった。また、バルクハウゼン効果も磁壁移動状態から磁気欠陥を探索する方法であり、非破壊で長尺な金属管に加わる歪や傷による影響の評価に応用するには精度が悪い問題があった。
直流磁界を印加しても漏れ磁界から磁気欠陥を検査する方法は、被測定物にある磁気欠陥によって被測定物の表面に発生する漏れ磁界が小さく、地磁気のような数百ミリガウスのものや建物の鉄筋部から発生する磁界も測定するのでノイズが大きくなり、本来、検出するべき被測定物からの漏れ磁界が分からなくなるという問題があった。
材料の磁気的性質の変化を調べる非破壊計測の手段の例として、被測定体に磁界を印加したときに、磁化過程で生じる弾性波のAE信号を検出する方法であり、強磁性体である被測定体に作用している応力や製造時の残留応力を計測値と関連付けるだけであり、敷設した金属管のような大きなサンプルの鉄骨量を定量的に調べることができないものであった。
特願平9−181477号公報 特開平5−203552号公報 特開昭59−112257号公報 特開平2−78948号公報
このような敷設した金属配管や敷設前の金属配管の鉄骨材の磁気的な性質を用いて鉄骨量を測定する方法として、特に有効な手段がなかったが、本発明の目的は、敷設した金属配管や敷設前の金属配管の鉄骨量を破壊することなく、その量を測定することだけではなく、酸化劣化等の腐食による鉄骨量の変化、更には金属疲労劣化状態を診断することができる方法を提供することである。
本発明は、敷設前の金属配管や敷設した金属配管の鉄骨材量を調べるために、敷設前の金属配管や敷設した金属配管の周囲に、または一部にコイルや電磁石、磁石等を設置し、その際に交流磁界の強度と交流磁界の周波数、または直流磁界強度を変えて金属管の磁気的な応答特性を測定し、その応答特性と敷設前の金属配管や敷設した金属配管の鉄骨材量との相関を見出した。また同様に敷設前の金属配管や敷設した金属配管の金属疲労に伴う組成の偏析や相転移による磁気的な特性の変化を直流磁界の強度や交流磁界の周波数や交流磁界の強度を変えて印加して評価することにより、磁気的な応答特性と敷設前の金属配管や敷設した金属配管の鉄骨材の金属疲労量との相関を見出した。すなわち、材料にクラックが発生していないもの、例えば結晶転移や粒界偏析状態の変化、結晶配向状態の変化が発生しているだけのものでも、金属材料が疲労劣化することにより、それらの状態が進むに従って交流磁界に対する応答の大きさが大きくなり、この変化状態を調べることによって敷設前の金属配管や敷設した金属配管の金属疲労劣化状態を診断することができることを見出した。
具体的には敷設前の金属配管や敷設した金属配管の鉄骨材の交流磁気特性を用いた非破壊検査方法において、被測定物の金属管に対して交流磁界の周波数を変え、且つ交流磁場の磁界強度を変えて印加する時に、被測定物に磁界を印加するための第1のコイルが持つインダクタンス変化、透磁率、磁束密度、磁化の大きさ、磁気ヒステリシス損の変化、印加するコイルとは別の第2のコイルによる電圧変換素子、ホール効果による電圧変換素子、磁気インピーダンスの評価素子、量子干渉素子、磁場勾配を力に変換する素子等のいずれかの一つ以上を用いたことを特徴とする磁気センサーで測定される磁束密度、または透磁率、磁化の大きさ、発生電圧値等から被測定物の敷設前の金属配管や敷設した金属配管の鉄骨量や金属劣化を推定するものである。これらの磁気センサーを被測定物に一つだけではなく、同時に多数個、置くことにより、多数の情報を用いて解析して、金属配管の鉄骨量や金属劣化量の平均化処理、または分布の推定を行えるものである。
この方法では敷設前の金属配管や敷設した金属配管の劣化によって生じる鉄骨量の変化や鉄骨材の金属組織の変化があると、観測される磁気的な性質が変化し、この変化を直流磁界の強度、交流磁界の振幅強度、交流磁界の周波数を変えることにより評価するものである。具体的な一例として、金属管の鉄骨量が少なくなると、印加磁界に対して磁化される量が減少するために、観測される磁束密度が減少することを用いている。
また、敷設前の金属配管や敷設した金属配管の金属疲労の測定方法の一例として、印加磁界の周波数を変えると、低周波側では表面だけではなく深いところの情報も測定され、逆に高周波側では表面の情報が得られるので、金属管で金属疲労を起こしたサンプルの評価では低周波側で表面から数mm以上の深い位置での組成偏析の影響を観察した。このようなことから、交流磁界の強度と周波数を変えることにより、劣化を診断するものである。
または、被測定物に対して直流磁界を印加した状態で、更に交流磁界の周波数と交流磁界の強度を変えて印加する時に、被測定物に磁界を印加するための第1のコイルの持つインダクタンス変化、透磁率、磁束密度、磁化の大きさ、磁気ヒステリシス損の変化、または印加するコイルとは別の第2のコイルによる電圧変換素子、ホール効果による電圧変換素子、磁気インピーダンスの評価素子、量子干渉素子、磁場勾配を力に変換する素子等のいずれかの一つ以上を用いたことを特徴とする磁気センサーで測定されるインダクタンス、磁束密度、または発生電圧値から被測定物である金属管の表面から深さ方向に対しての金属材料特性を評価し劣化を推定するものである。
このような被測定物に対して直流磁界を印加した状態で、更に交流磁界の周波数と交流磁界の強度を変えて印加する方法でも同様に、金属管の劣化によって金属管の表面、または内側で磁気的な性質が変わると、表面から漏れてくる磁界の強さが変わり、且つこの漏れ磁界が交流磁界の周波数や直流磁界の強度、交流磁界の強度により変化することを用いている。直流磁界の強度を大きくすると、金属管の表面だけではなく深いところの情報も測定され、金属疲労を起こしたサンプルの評価では低周波側で金属管表面から数mm以上の深い位置での組成偏析の影響を観察した。
このような交流磁界や直流磁界の印加の仕方は、それぞれ独立したコイルを用いても良いが、直流電流に交流電流を加えたもので、1つのコイルに流すことでも同様である。このコイルに流す交流電流に対してインダクタンスを計測することが本発明のひとつである。
次に第2のコイルを使う場合には、1次微分型と言われるある巻き方のコイルを1つ用いて、このコイルに発生する電圧値やこのコイルのインダクタンス変化を測定することにより劣化を評価することでも良いが、同型のコイルを逆に繋いで作製したものを用いて、距離による発生磁界の差分を電圧変換することにより、この差分の電圧値から劣化との相関を取るものである。
被測定物の金属管、または部材を第1コイル、または第2コイルの中に入れる構造においては、コイルが巻いてある面に対して垂直方向に発生する交流磁界で誘起される交流電流は被測定物の表面に励起される。この際、交流電流はコイルに流れている電流方向に対して、磁界の変化を相殺するために反対向きに流れる。このような電流の大きさは印加する交流磁界の大きさによって変化し、交流磁界が強くなると、被測定物の導電性にも依存するが、表面から深さ方向にも交流電流は流れる。この時の金属管により発生する磁界によるインダクタンスの変化から劣化を評価するものである。但し、この際に被測定物の磁気特性は渦電流効果の影響と加味されたものとなるが、逆にクラック等の電流を遮断しない初期の金属疲労では交流電流による効果はほぼ一定となるので無視され、金属管の磁気欠陥によるインダクタンス変化や透磁率の周波数依存性や交流磁界の大きさによる依存性から劣化を表現できるものである。
被測定物の金属管、または部材を第1コイル、または第2コイルの中に入れない構造においては、コイルを被測定物に近付ける場合には、第2コイルは第1コイルの中心部に置くことが望ましく、第1コイルの外に出た状態では第1コイルに励磁される交流磁界を十分に測定できないので、望ましくは内側が良い。この際、第1コイルで被測定物に発生する交流電流は被測定物の面とコイルが形成する面が向き合った状態にし、コイルに流れる電流と被測定物に流れる電流はお互いに反対向きに流れる。このような誘起される電流の大きさも印加する交流磁界の大きさによって変化し、交流磁界が強くなると、被測定物の導電性にも依存するが、表面から深さ方向にも交流電流は流れ、この時の敷設前の金属配管や敷設した金属配管インダクタンスの変化から劣化を評価するものである。この際、第2コイルによる電圧変換素子と同様に、ホール効果による電圧変換素子、磁気インピーダンスの評価素子、量子干渉素子、磁場勾配を力に変換する素子等のいずれかの一つ以上を用いた磁気センサーでも同様である。但し、この際も被測定物の磁気特性は交流電流により誘起される渦電流効果の影響が加味されたものとなるが、逆にクラック等がないような、電流が遮断されない初期の金属管の金属疲労では交流電流による効果はほぼ一定となるので無視され、金属管の磁気欠陥によるインダクタンス変化や透磁率の周波数依存性や交流磁界の大きさによる依存性から劣化を表現できるものである。
このような第1コイル、または第2コイルによる電圧変換素子、ホール効果による電圧変換素子、磁気インピーダンスの評価素子、量子干渉素子、磁場勾配を力に変換する素子等のいずれかの一つ以上を用いたことを特徴とする磁気センサーを被測定物の表面で移動することにより、深さ方向と移動方向の二次元、または移動方向を二次元的な面とすることにより三次元的な劣化を推定するものである。
このように本発明に従えば、被測定物が磁性または導電性を持つ材料であれば良く、これらの交流磁界に対する磁化状態や渦電流効果の状態を調べることにより、被測定物の敷設前の金属配管や敷設した金属配管の金属量の推定、更には金属管の二重構造体や三重構造体のような場合でも各金属管の金属量の推定や、各金属管の金属疲労状態を非破壊でもって診断することができる。またこの方法ではプラスチックやセラミックス等の非金属のコートをされた金属配管でも同様に評価できる。
また、本発明方法では非破壊で検査する方法であるので、工場での配管や、水道管、敷設前の金属管等を人が装置を付帯して現地作業ができることが利点である。
本発明の方法によれば、被測定物の敷設前の金属配管や敷設した金属配管の酸化や歪等による金属疲労状態を評価するものである。この方法により非接触で且つ非破壊手法により検出評価することができ、現場での作業に対しても対応できる装置を提供できるものである。
金属管の金属疲労を評価する場合には、金属疲労が進むに従って結晶相転移、例えばマルテンサイト転移による磁気特性の変化や、歪を受けることにより結晶方位が変わることによる磁気特性の変化、さらには粒界組成や結晶相の組成の変化による磁気特性の変化、またクラック発生による磁気特性の変化に伴って、それらが初期品の磁気特性と異なるという意味での磁気欠陥を本発明では評価するものである。
金属管の金属量を評価する場合には、直流磁界や交流磁界による磁化や磁束密度、透磁率、磁気ヒステリシス損を測定することにより、敷設前の金属配管や敷設した金属配管の金属量を評価するものである。
具体的には被測定物に直流磁界や交流磁界を印加して、被測定物の直流磁気特性や、交流磁気特性を用いるものであるが、この場合には2つの方法で磁気特性を評価する。1つは被測定物の金属管全体に直流磁場や交流磁場が加わるようにコイルを被測定物のコンクリートの周囲に巻いたコイルを用いる測定方法である。2つ目は被測定物の金属管の周囲にコイルを巻くのではなく、被測定物である金属管の、例えば側面にコイルを設置して局所的に磁場を発生させて、その応答を測定するものである。この場合、コイルは被測定物よりも小さくて良く、例えば1cm程度の径のコイルを用いるもので良い。このコイルで被測定物の測定するべき箇所にコイルを近付けて、局所的な応答から評価するものである。
このようなコイルとしては、コイルの持つインダクタンスを用いる場合と、二つ以上のコイルを用いて、一つのコイルを磁界の励磁コイルとして用いて、他のコイルを磁束密度、保磁力、磁化等の大きさを調べるためのピックアップコイルとして用いるものである。この際、ピックアップコイルと同様に、ホール効果による電圧変換素子、磁気インピーダンスの評価素子、量子干渉素子、磁場勾配を力に変換する素子等を用いても良い。
具体的には被測定物の金属管に交流磁界の振幅強度を大きくすると、被測定物の金属管が磁気的な性質を帯びて、ピッアップコイルによる電圧変換素子、ホール効果による電圧変換素子、磁気インピーダンスの評価素子、量子干渉素子、磁場勾配を力に変換する素子で測定される磁束は大きくなり、金属量が少なければ、測定される磁束が小さくなる。この際に被測定物が金属疲労により透磁率が小さくなっても、測定される磁束は小さくなるために劣化状態も評価できる。また、励磁コイルのインダクタンスの変化として評価する時には透磁率が大きいとインダクタンスが大きくなり、透磁率が下がるとインダクタンスが低下することから、金属管の金属量や劣化状態を調べることが可能である。また、非磁性の金属管も交流磁界に対して反磁性を示すために同様に評価が可能である。
また、励磁コイル側ではなく、第2のコイルとしてピックアップコイル側では、ピックアップの位置によるが、図1のように励磁コイルと被測定物の間にピックアップコイル等磁気センサーを介在させる場合には、励磁コイルの発生磁界でピックアップコイル等磁気センサーに通過する磁束の変化を測定するために、被測定物の透磁率が大きいとピックアップコイル等磁気センサーで観測される電圧は大きくなる。また、被測定物の金属管にコイルを巻いた図2のような位置関係でも同様な関係が得られる。図1と図2の第2のコイルの位置にホール効果による電圧変換素子、磁気インピーダンスの評価素子、量子干渉素子、磁場勾配を力に変換する素子等を用いても同様な測定ができる。
交流磁界の振幅強度を一定にして直流磁界を印加して、同様にピックアップコイルによる電圧変換素子、ホール効果による電圧変換素子、磁気インピーダンスの評価素子、量子干渉素子、磁場勾配を力に変換する素子で評価しても金属管の金属量や劣化状態を調べることが可能である。また励磁側コイルの交流インピーダンスを測定しても金属管の金属量や劣化状態を調べることが可能である。
被測定物に励磁磁界を印加した時の被測定物からの応答を測定するコイルとして、励磁の交流磁界をキャンセルするために同じピックアップコイルを逆に直列に繋ぎ、2つのコイルの電圧差分を取ることにより、距離による発生磁界の変化をより精度を高めて電圧変換することができる。
励磁コイルやピックアップコイル等磁気センサーをXYステージを用いて被測定物の上で移動させることにより、被測定物の金属管の移動方向に対する1次元または2次元的な位置で測定することにより金属管の金属量や、酸化や歪による金属疲労状態の評価を二次元的、または三次元的に推定するものである。
以下本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。図3は本発明による金属管に対する金属量の評価検査装置の構成例を示す。図3において、被測定物の金属管2に設置される各種コイルを示す。この実施例では金属管にコイルを巻き、金属管の長さ方向に磁界を発生するための直流磁界用発生コイル4で直流磁界を発生させる。また同様に鉄管の長さ方向に磁界を発生するための交流磁界用発生コイル5で交流磁界を発生させる。例えばこの際にピックアップコイルとして差分コイルを用いると、励磁コイルの磁界をキャンセルすることができる。励磁コイルに電流を流して、被測定物に直流磁界と交流磁界を印加する。この時にピックアップコイル等磁気センサーで発生する電圧は被測定物の情報を含み、この電圧を直流磁界の強度を大きくするか、または交流磁界の周波数を変えることにより発生電圧を確認して、金属管の金属部材の着磁量による磁束の変化をピックアップコイル等磁気センサーで評価して、金属管の金属的な特性を示す量を推定する。この際、溶接による磁気的に不均一な部分や、歪や酸化による金属疲労がある場合には、その情報も得られるために、金属特性を示す量を推定することだけにとどまらない。
実施例1においては、励磁コイルとピックアップコイルの対として評価する方法を示したが、この際に交流磁界を発生する励磁コイルだけを用いて、励磁コイルのインダクタンスをインピーダンス評価装置で測定して金属管の金属特性を示す量を推定する。励磁コイルに流す交流電流値や周波数を変えて得られるインダクタンスから交流の透磁率や磁化量、ヒステリシス損を用いて、金属特性を示す量との相関関係から金属管の金属特性を示す量を推定することもできる。この際、溶接による磁気的に不均一な部分や、歪や酸化による金属疲労がある場合には、その情報も得られるために、金属特性を示す量を推定することだけにとどまらない。
実施例1では金属管の長さ方向に磁界を発生するための励磁コイルによる励磁方法を示したが、局所磁界を発生させる場合を図1に示した。ここで、励磁コイル1を被測定物の金属管2に近接して磁界を印加するものであり、このコイルの中にピックアップコイル等磁気センサー3を置く。この励磁コイルに直流電流と交流電流を同時に流す。ピックアップコイル等磁気センサーは検出される交流磁界の変化を測定するためのものである。ピックアップコイルの位置に、ピックアップコイルではなく、例えばホール効果による電圧変換素子、磁気インピーダンスの評価素子、量子干渉素子、磁場勾配を力に変換する素子等を用いても同様な測定ができる。この励磁コイルとピックアップコイルからなるセンサーを金属管の長手方向や金属管の周囲に移動することにより、金属管の金属特性を三次元、または二次元的な情報として得ることができる。
実施例2では、励磁コイルによる局所磁界を発生させる場合を示したが、実施例3では電磁石を用いた例として図4に示す。ここでは励磁コイルとして、珪素鋼鈑にコイルを巻いて作製した電磁石を被測定物の金属管2に近付け、この電磁石に直流電圧、または交流電圧、直流電圧且つ交流電圧を加えて、直流磁界と交流磁界を発生させて被測定物に磁界を印加する。この電磁石の形状はコの字型で、図4に示すように被測定物を通して、磁性がある場合には磁気回路が形成され、この際に被測定物から漏れる磁界の交流磁界をホールプローブで測定し、ホールプローブの出力電圧をフーリエ変換して印加している交流磁界の周波数での電圧を読み取り、金属管の表面から深さ方向に対する金属特性を示す量や金属疲労状態を調べる。磁性がない金属管の場合には、金属管の表面で発生する表皮電流により反磁性を示すが、周波数を変えて、この大きさを評価することにより、金属管の表面から深さ方向に対する金属特性を示す量や金属疲労状態を調べる。
ホールプローブで得られる電圧を一度アンプに通して増幅し、その後にロックインアンプを用いて、参照信号として交流磁界を発生する電圧源からの信号を入れ、その信号の周波数成分をロックインアンプから取り出すことで精度を上げられるが、FFT装置で直接、測定周波数の信号電圧を読み取ることもできる。ホールプローブの信号には直流磁界も測定するので、透磁率の高いもののような、比較的に強磁性材料の場合には有効に直流磁界を金属管中の金属特性を示す量や金属疲労状態の評価方法として使うことができる。図4には磁気センサーとしてホールプローブを用いた例を示しているが、磁気インピーダンスの評価素子、量子干渉素子、磁場勾配を力に変換する素子等を用いても同様な測定ができる。また交流磁界の変化を測定する場合にはピックアップコイルを用いても同様な測定ができる。
図5のように被測定物として、例えば金属管2に移動できる励磁コイルと磁気センサーを対に設置し、発生磁界を磁気センサーで計測する。この時、励磁コイルには直流磁界を発生するコイルと交流磁界を発生するためのコイルの2つから構成し、磁気センサーは励磁コイルで発生する交流磁界の周波数のみの電圧をFFT、またはロックインアンプで計測し、ノイズと分離する。この励磁コイルと磁気センサーの対を金属管の長手方向に移動することにより金属管中の金属特性を示す量の情報を得ることができる。
図5において、金属管2に移動できる励磁コイルとピックアップコイル等磁気センサーを対に設置したものを、金属管に加える発生磁界と柱の長手方向との角度を変えて計測する。印加磁界のベクトル方向に対して磁化する量が評価でき、金属管の長手方向と直角な方向に対する金属管の中の管厚み方向に金属特性を示す量の情報を得ることができる。この際に励磁コイルのインダクタンスの変化や透磁率、磁化量の関係を用いても良い。
図6のように被測定物として、例えばプラスチックと金属管からなる管12に移動できる励磁コイルと磁気センサーを設置し、発生磁界を磁気センサーで計測する。この時、励磁コイルは直流磁界を発生するコイルと交流磁界を発生するためのコイルの2つから構成されお互いに直角に配置され、また、磁気センサーは交流励磁コイルと直角に、直流励磁コイルと平行に配置されている。磁気センサーとしてピックアップコイルを用いる場合には励磁コイルで発生する交流磁界の周波数のみの電圧を検出するが、直流磁界が印加されない場合はピックアップコイルに電圧は発生しないように配置できる。配置の方法は、交流励磁コイルと直流励磁コイル、磁気センサーの位置が反対でも良い。ピックアップコイルを磁気センサーとして用いる場合には、交流磁界が印加された状態で直流磁界が印加されるとピックアップコイルに電圧が発生し、FFT、またはロックインアンプで計測されノイズと分離される。ホールプローブの場合も同様にロックインアンプを通すことにより交流磁界の周波数成分を評価することによりノイズを分離できる。この励磁コイルと磁気センサーの対を金属管の長手方向に移動することにより金属管とプラスチックからなる金属管の中の金属特性を示す量の情報を得ることができる。
実施例2では、励磁コイルによる局所磁界を発生させる場合を示したが、実施例6では励磁コイルにより発生する局所磁界を被測定物に印加して、被測定物の背面に多数の磁気センサーを配置して評価する例として図7に示す。ここでは励磁コイルとして、珪素鋼鈑にコイルを巻いて作製した電磁石を被測定物の金属管2に近付け、この電磁石に直流電圧、または交流電圧、直流電圧且つ交流電圧を加えて、直流磁界と交流磁界を発生させて被測定物に磁界を印加する。この印加磁界により被測定物から漏れる磁界を多数の磁気センサーで測定し、フーリエ変換して印加している交流磁界の周波数での電圧を平均化して読み取り、金属管の径方向や外周方向の金属特性を示す量や金属疲労状態の平均値として調べる。または各磁気センサーの数値より、各場所における金属管の径方向や外周方向の金属特性を示す量や金属疲労状態を調べる。交流磁界を測定するのではなく、直流磁界の強度からも同様な評価ができる。
図8は本発明による金属管に対する金属特性を示す量の評価検査装置の構成例を示す。図8において、被測定物の金属管2に設置される励磁コイルを示す。この実施例では金属管にコイルを巻き、柱の長さ方向に磁界を発生するための励磁コイル1で磁界を発生させる。この柱に沿ってピックアップコイル等磁気センサーを並べて、被測定物から漏れる、または測定される磁界を評価するものである。被測定物から漏れる磁界を多数の磁気センサーで測定し、フーリエ変換して印加している交流磁界の周波数での電圧を平均化して読み取り、金属管の径方向や外周方向の金属特性を示す量や金属疲労状態の平均値として調べる。または各磁気センサーの数値より、各場所における金属管の径方向や外周方向の金属特性を示す量や金属疲労状態の平均値として調べられる。交流磁界を測定するのではなく、直流磁界の強度からも同様な評価ができる。
実施例1の装置を用いて励磁コイルのインダクタンスの変化を用いて評価を行った。試料は炭素鋼鋼管SGPの長さ100cm、外径89mm内径80.7mmの管を空気中にて700℃で酸化処理を行い、重量増加から約5パーセント程度、酸化されたものと初期品との比較を行った。この際に用いた励磁コイルは直径12cmで、単位長さ1cm当りの巻き数は100で、コイルの中心磁界が1kHzで2A/mになるようにした。この結果、未酸化の初期品に比較して酸化処理を行ったものでは、初期品のインダクタンスを1として規格化した場合には酸化処理を行ったものでは、ほぼ0.95程度となった。
次にこの方法で求められる磁化量を用いて、この酸化処理の条件を変えて作製した金属管の未酸化の量と大きさの関係を調べた結果を表1に示す。磁化の大きさは測定で得られた最大値で規格化した。表では金属管の酸化されていない量と磁化の大きさの関係を示した。この結果、酸化している量、または酸化されていない金属特性を示す量を磁化の大きさから推定できることが分かった。また、透磁率と酸化量の関係を調べた結果も同様な相関関係が得られた。
また、炭素鋼鋼管SGP の金属管を酸エッチングして管の厚みを薄くしたものを用いて、同様に評価した場合には、酸エッチング後の管の厚みに対してインダクタンスとの関係を調べると、管の厚みが小さくなると以下の表2に示されるように小さくなり、管の厚みをインダクタンスの変化から調べられることが分かった。インダクタンスから計算される磁束、または磁束密度とも、同様な関係が得られた。インダクタンスは初期品の管の厚み4mmを基準に1に規格化した数値で示した。この結果、管の厚みとインダクタンスは相関関係があることが分かった。
次にFe−Si合金(Feが98重量%、Siが2重量%)からなる肉厚3mmで内寸法5cm角の配管を繰り返し歪を与えて、配管の長手方向の中心に歪ませたものと、未処理のものを比較した結果、折り曲げたもののインダクタンスは未処理のものに比較して、絶対値として表3のように変化が確認され、歪による評価が確認できた。インダクタンスは配管にエナメルコイルを100回巻いたときのもので評価した。また、インダクタンスから計算される磁束密度の変化も同様な関係を示した。折り曲げ回数0回のインダクタンスを基準に取った。折り曲げたときのインダクタンス変化量は以下の計算式から出した。折り曲げ回数0回のインダクタンスL0、歪のあるもののインダクタンスLとしたときに、変化量Xは下記の数式1で示したもので計算した。
数1
X=|(L−L0)/L0|
続いてFe−Si合金(Feが98重量%、Siが2重量%)の配管を繰り返し折り曲げて、鉄骨の長手方向の中心に歪ませたものと、未処理のものを比較した結果、折り曲げたものの保磁力は未処理のものに比較して、絶対値として表4のように変化が確認され、歪による評価が確認できた。折り曲げ回数0回の保磁力を基準に取った。折り曲げたときの保磁力変化量は以下の数式2から計算したものである。測定では直流磁界を加えて評価した場合と、交流磁界で評価を行ったが、多少の数値の違いはあったが、傾向はおなじであった。歪を保磁力の変化からも評価できることが分かった。折り曲げ回数0回の保磁力Hc0、歪のあるものの保磁力Hとしたときに、変化量Dは下記の式で示したものである。表では交流磁界の周波数を180Hzに固定し、交流磁界の磁界強度を変えて評価した。
数2
D=|(H−Hc0)/Hc0|
実施例1において、励磁コイルによる発生磁界をコイルの中心で0.1A/mから大きくして、発生磁界の大きさとピックアップ用の二次コイルの発生電圧を測定した。試料として長さ200cm、直径5cm内径4cmの金属配管を用いた。一次の励磁コイル、二次のピックアップコイルの径は6cmで単位長さ1cm当り200回巻いたものを使用した。交流磁界の周波数としては1kHzとした。この結果、以下の表5のようになり、少なくともコイルの中心磁界としては1A/m以上の大きさが必要であることが分かった。これ以下であると、二次コイルで観測される電圧が小さくなり、感度的に問題があった。測定電圧は磁界の大きさが500A/mを基準に1に規格化した数値で示した。
次に励磁コイルによる発生磁界をコイルの中心で10A/mで固定して、交流磁界の周波数を変えてピックアップ用の二次コイルの発生電圧を測定した。交流磁界の周波数としては10Hz〜100MHzとした。この結果、以下の表6のようになり、大きくとも10MHz以下であることが望ましいことが分かった。これ以上であると、二次コイルで観測される電圧が小さくなり、感度的に問題があった。測定電圧としては、発生電圧が周波数に比例するので、測定電圧を周波数で割った値を用いて、更に10kHzの周波数を基準として1に規格化した数値で示した。この結果、周波数が低すぎても、高すぎても感度が低下することが分かり、10Hz〜1MHz程度が望ましいことが分かった。
実施例7において、試料として外径30mm内径29mm、長さ200cmの純Feの鉄管を用いた。この鉄管の長手方向の中心の位置に一部のところに腐食劣化させて、直径5mm程度の穴を形成した。この鉄管に磁界を印加する一次の励磁コイルの径は7cmで単位長さ1cm当り200回巻いたものを使用した。交流磁界の周波数としては1kHzとした。励磁コイルによる発生磁界をコイルの中心で10A/mで固定した。ピックアップコイルの径は1cmで単位長さ1cm当り500回巻いた。このピックアップコイルを腐食劣化により形成した穴の位置に鉄管の中心軸に対称に4個セットした。各ピックアップコイルの発生電圧を測定した。この結果、以下の表7のようになり、各位置において測定される数値が異なり、穴の形成により分布状態に変化があることが示された。測定電圧としては、測定される最大の電圧値を基準として1に規格化した数値で示した。穴の近くにあるピックアップコイルはもれ磁場の影響により測定電圧が大きくなることが分かった。この結果は、一個のピックアップコイルを管の円周方向に移動しても同様な効果が得られた。
図8に示した測定方法で同様に測定した。試料として外径30mm内径29mm、長さ200cmの純Feの鉄管を用いた。この鉄管の長手方向の中心の位置に一部のところに腐食劣化させて、直径10mm程度の穴を形成した。この鉄管に磁界を印加する一次の励磁コイルの径は2cmで単位長さ1cm当り200回巻いたものを使用した。交流磁界の周波数としては1kHzとした。励磁コイルによる発生磁界をコイルの中心で10A/mで固定した。ピックアップコイルの径は1cmで単位長さ1cm当り500回巻いた。ピックアップコイルは励磁コイルの中心軸に合うように置き、且つ鉄管と励磁コイルの間にセットした。この励磁コイルとピックアップコイルの対を円周方向に移動して測定した。この結果、以下の表8のようになり、各位置において測定される数値が異なり、穴の形成により分布状態に変化があることが示された。測定電圧としては、測定される最大の電圧値を基準として1に規格化した数値で示した。測定位置4に穴があるように評価し、後は円周方向に等間隔で測定した。穴の近くにあるピックアップコイルはもれ磁場の影響により測定電圧が大きくなることが分かった。
ロックインアンプを用いて特定周波数だけで評価する場合には装置の大きさは数十センチ程度の立方体に収まるので、搬送には問題なく、現場作業に用いることができるものである。
本発明の方法により工場等で液体搬送に使用される配管の欠陥工事の調査や配管の劣化状態を判定できる上に、残存寿命への推定も可能になるものである。
本発明の実施の形態に係る被測定物に対する励磁コイルとピックアップコイルの位置の関係を示したものである。 本発明の実施の形態に係る被測定物に対する励磁コイルとピックアップコイルの位置の関係を示したものである。 本発明の実施の形態に係る被測定物に対する交流磁界発生用コイル、直流磁界発生用コイルとピックアップコイルの位置の関係を示したものである。 本発明の実施の形態に係る被測定物に対する励磁コイルを巻いたコの字型電磁石とホールプローブの位置の関係を示したものである。 本発明の実施の形態に係る被測定物に対する磁気センサーとコイルの対と柱の角度を変えて測定する場合の位置関係を示したものである。 本発明の実施の形態に係る被測定物に対する直流磁界発生用コイル、交流磁界発生用コイルと磁気センサーを用いた測定方法の位置関係を示したものである。 本発明の実施の形態に係る被測定物に対する励磁コイルと多数の磁気センサーを用いた測定方法の位置関係を示したものである。 本発明の実施の形態に係る被測定物に対する励磁コイルと多数の磁気センサーを用いた測定方法の位置関係を示したものである。
符号の説明
1 励磁コイル
2 金属管
3 ピックアップコイル等磁気センサー
4 直流磁界用発生コイル
5 交流磁界用発生コイル
6 コの字型電磁石
7 励磁コイル
8 珪素鋼鈑鉄芯
9 ホールプローブ等磁気センサー
10 磁気センサーとコイルの対と金属管の角度
11 磁気センサーと励磁コイルの対
12 プラスチックと金属管からなる管

Claims (10)

  1. 金属管の材料状態の非破壊検査方法において、被測定物の金属管に対して交流磁界や直流磁界を印加して、金属管のインダクタンスや透磁率、磁化量を磁気センサーで測定して、金属管の金属としての性質を持つ部分の厚み、金属管の金属としての性質を持つ部分の内径や外径や金属管の酸化量を推定することを特徴とする方法。
  2. 請求項1において、金属管の周囲に磁気センサーを置いて、インダクタンス、透磁率、磁化量、磁束密度、保磁力の中の一種以上の特性を測定しながら静止、または移動して、被測定物の金属管の金属としての性質を持つ部分の厚み、管の金属部分の内径や外径や金属管の酸化量を移動方向に対して評価することを特徴とする方法。
  3. 請求項2において、金属管の周囲にコイルを巻いて形成される磁界ベクトルの向きを変えて、そのコイルのインダクタンス、透磁率、磁化量、磁束密度、保磁力の中の一種以上の特性を測定しながら静止、または移動して、被測定物の金属管の金属としての性質を持つ部分の厚み、管の金属部分の内径や外径や金属管の酸化量、未酸化の量のいずれか一つ以上の量を磁界ベクトルの方向に対して評価することを特徴とする方法。
  4. 請求項1において、金属管のインダクタンス、透磁率、磁化量、磁束密度、保磁力の中の一種以上の特性を測定する磁気センサーとして、コイルによる電圧変換素子、ホール効果による電圧変換素子、磁気インピーダンスの評価素子、量子干渉素子、磁場勾配を力に変換する素子等のいずれかの一つ以上を用いたことを特徴とする磁気センサー。
  5. 請求項1において、金属管に加える磁界の大きさとしては、金属管に巻いたコイルの磁界強度が10A/m以上であるか、またはこの交流磁界を周波数10Hzから10MHzにしたものであることを特徴とする測定方法。
  6. 請求項1において、被測定物に対して直流磁界を印加した状態で、更に交流磁界の周波数と交流磁界の強度を変えて印加する時に、被測定物に磁界を印加するための第1のコイルの持つインダクタンス変化、または磁気センサーで測定されるインダクタンス、透磁率、磁化量、磁束密度、保磁力またはコイルから得られる発生電圧値等の中から一種以上の値を用いて金属管の表面から深さ方向に対して金属材料特性を評価し、金属管の劣化を推定することを特徴した疲労診断方法。
  7. 請求項6において、コイルを用いた磁気センサーとしてコイルが二個の同型コイルを逆に繋いで作製したものを用いて、距離による発生磁界の差分を電圧変換することを特徴とするコイル。
  8. 請求項6記載の第1コイルと磁気センサーを被測定物の表面で移動して、移動方向の1次元、または2次元に対して金属管の金属材料の深さ方向の劣化を推定することを特徴した疲労診断方法。
  9. 請求項1において、金属管の金属材料と同質の金属片を用いて直流磁界の大きさや交流磁界の周波数及び磁界強度に対する応答特性をあらかじめ測定し、その応答特性を用いて請求項1記載の方法で得られる特性値との相関を取り、金属管の金属材料の種類を推定し、金属管の金属としての性質を持つ部分の厚み、金属管の金属としての性質を持つ部分の内径や外径や金属管の酸化量を推定することを特徴とする方法。
  10. 請求項1において、金属管の金属材料と同質の金属片を用いて、金属片の歪量の大きさの変化に関して直流磁界の大きさや交流磁界の周波数及び磁界強度に対する応答特性をあらかじめ測定し、その金属片の歪量に対する応答特性を用いて、請求項1記載の方法で得られる特性値との相関を取り、金属管の金属材料の歪量から鉄骨材に加わる応力や劣化を推定する方法。
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