JPH08136481A - 試料分析装置 - Google Patents

試料分析装置

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JPH08136481A
JPH08136481A JP6280261A JP28026194A JPH08136481A JP H08136481 A JPH08136481 A JP H08136481A JP 6280261 A JP6280261 A JP 6280261A JP 28026194 A JP28026194 A JP 28026194A JP H08136481 A JPH08136481 A JP H08136481A
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recoil
particles
sample
recoil particles
scattered ions
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JP6280261A
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English (en)
Inventor
Kiyotaka Ishibashi
清隆 石橋
Kenichi Inoue
憲一 井上
Kazuji Yokoyama
和司 横山
Kojin Furukawa
行人 古川
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 反跳粒子の検出深さをより深く,且つ深さ分
解能を改善することにより,試料中の水素の深さ分布測
定を高精度に行うことのできる試料分析装置。 【構成】 本装置A′は,高エネルギビームを照射する
高エネルギビーム発生源1と,このビームを照射された
試料5から反跳される反跳粒子6を分別するフィルタ7
と,ここで分別された反跳粒子を検出する半導体検出器
8と,試料5とフィルタ7との間に配設され,反跳粒子
6に付随して発生する散乱イオン6′を反跳粒子と共に
磁場あるいは電場中を通過させたときの反跳粒子と散乱
イオンの各偏向量に基づいて,反跳粒子を散乱イオンか
ら分離する粒子運動量フィルタ11とから構成されてい
る。上記構成により,試料中の水素の深さ分布測定を高
精度に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,試料分析装置に係り,
詳しくは反跳粒子検出法を用いた試料分析装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に,母材中の水素元素は材料特性に
大きい影響を与える。例えば,太陽電池用材料に用いら
れるアモルファスシリコン薄膜において,膜中の水素混
有量の問題は,太陽電池の特性を大きく左右する。ま
た,金属中の水素は材料の脆性を引き起こす恐れがあ
る。そのため,水素元素分析に対するニーズは高い。中
でも,近年の薄膜応用技術の進展にあたり,薄膜中の水
素(分布)分析技術が重要となっている。このうち,1
〜2MeVの高エネルギイオンを応用した反跳粒子検出
法(ERDA)は,材料表面数千Å深さまでの水素元素
分布を測定するための有力な一手法である。以下,この
ERDAによる分析装置を説明する。図4に示すごと
く,従来のERDA分析装置Aでは,高エネルギイオン
ビーム発生源1から出射した特定の単色エネルギ(通常
1〜2MeV)を持ったヘリウムイオンビーム2を,分
析室3内の試料載置台4上に載置された被分析試料5に
照射する。試料5中の水素原子の一部はヘリウムイオン
ビーム2によってあるエネルギを持って前方に反跳さ
れ,反跳粒子6となる。同時に,ヘリウムイオンビーム
2の一部も試料5中の母材原子によってあるエネルギを
持って前方に散乱され,散乱イオン6′となる。このう
ち,反跳粒子6はフィルタ7を透過して,半導体検出器
8に入射する。一方,散乱イオン6′はフィルタ7で完
全に止まり,半導体検出器8では検出されない。したが
って,半導体検出器8は反跳粒子6のみを検出し,その
エネルギに対応した高さを持つパルス電気信号を発生す
る。このパルス電気信号を信号処理器9は処理し,パル
ス電気信号の高さ,即ち反跳粒子のエネルギ別に,信号
の発生量をエネルギスペクトルとして記録する。反跳粒
子6が持つエネルギ(反跳エネルギ)は,試料5中にお
ける反跳粒子6の深さ位置に依存することから,上記エ
ネルギスペクトルによって試料5中の水素深さ分布測定
を行うことができる。尚,フィルタ7には通常数μmの
フィルムが用いられる。このフィルタ7によって,反跳
粒子6が通過して,散乱イオン6′が止まる理由は,散
乱イオンのほうが反跳粒子に比べて原子番号が大きいの
で,物質中での飛程がより短いからである。フィルタ7
の厚みは,通常,散乱イオンを止めるために最低限必要
な厚みに設定される。また,図中のスリット10は反跳
粒子6の検出角範囲を制限するものである。ここで,1
MeVのエネルギを持つヘリウムイオンビーム2を用い
てシリコン(Si)基板表面近傍の水素深さ分布を測定
する場合を例にとって説明する。この場合,反跳角20
°の方向に半導体検出器8を配置するものとする。半導
体検出器8の方向に向かう反跳水素は最高565keV
のエネルギを持ち,一方,散乱ヘリウムは983keV
のエネルギを持ち得る。これらを約3.7μmの厚みの
Alフィルムに通すと,散乱ヘリウムはほぼすべてフィ
ルム中で停止し,フィルムを通過した反跳水素は最高約
300keV近くのエネルギを持って半導体検出器8に
より検出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
ERDA分析装置Aでは,フィルタ7のフィルムの厚み
が厚くなると,フィルム通過時の反跳粒子のエネルギロ
スが大きくなる。従って,試料5中の表面からある程度
深い場所で反跳された反跳粒子6はフィルムを通過でき
なくなる。つまり,分析できる深さが浅くなる。また,
フィルム通過後の反跳粒子6のエネルギのばらつきは,
エネルギロスが増大するのに伴い大きくなる。このた
め,フィルムの厚みは小さいほうがよい。しかし,散乱
イオン6′をフィルムで止めて半導体検出器8に入射し
ないようにするためには,ある程度の厚みをもったフィ
ルムを用意する必要があった。従って,従来のERDA
分析装置Aでは,試料5中の水素の深さ分布測定を高精
度に行うことが困難であった。本発明は,このような従
来の技術における課題を解決するために,試料分析装置
を改良し,反跳粒子の検出深さをより深く,且つ深さ分
解能を改善することによって,試料中の水素の深さ分布
測定を高精度に行うことのできる試料分析装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,高エネルギイオンビームを照射する照射
手段と,該ビームを照射された試料から反跳される反跳
粒子を分別する第1のフィルタ手段と,該分別された反
跳粒子を検出する検出手段とを具備した試料分析装置に
おいて,上記試料と第1のフィルタ手段との間に配設さ
れ,上記反跳粒子に付随して発生する散乱イオンを該反
跳粒子と共に磁場あるいは電場中を通過させたときの該
反跳粒子と散乱イオンの各偏向量に基づいて,上記反跳
粒子を散乱イオンから分離する第2のフィルタ手段を設
けたことを特徴とする試料分析装置として構成されてい
る。さらには,上記第2のフィルタ手段が,少なくとも
上記磁場を発生させる磁場発生手段と,該磁場に入射す
る反跳粒子と散乱イオンの立体角を制限する入口側絞り
手段と,該立体角を制限された反跳粒子と散乱イオンと
を磁場中を通過させたときの該反跳粒子と散乱イオンの
各偏向量に基づいて上記磁場からの出射成分を制限する
ことにより上記反跳粒子を散乱イオンから分離する出口
側絞り手段とを具備してなることを特徴とする試料分析
装置である。
【0005】
【作用】本発明によれば,高エネルギイオンビームが照
射手段により照射され,該ビームを照射された試料から
反跳される反跳粒子が第1のフィルタ手段により分別さ
れ,該分別された反跳粒子が検出手段により検出され
る。この際,上記試料と第1のフィルタ手段との間に配
設された第2のフィルタ手段により,上記反跳粒子に付
随して発生する散乱イオンが反跳粒子と共に磁場あるい
は電場中を通過させられた時の反跳粒子と散乱イオンの
各偏向量に基づいて,上記反跳粒子が散乱イオンから分
離される。このようにして第2のフィルタ手段を通過で
きる散乱イオンが持つエネルギの上限値が下がるので,
第2のフィルタ手段の下流側に第1のフィルタ手段を配
置した場合には,第1のフィルタ手段の負荷を軽減でき
る。従って,該散乱イオンが検出手段に入射するのを阻
止するための必要な第1のフィルタ手段の例えばフィル
ムの厚さをできる限り薄くできる。その結果,検出すべ
き反跳粒子に関して,第1のフィルタ手段を通過するた
めにおこるエネルギロスやエネルギのばらつきが大幅に
軽減される。また,試料のより深いところから反跳され
てきた粒子を検出することができる。従って,反跳粒子
の検出深さをより深く,且つ深さ分解能を改善すること
ができ,試料中の水素深さ分布測定を高精度に行うこと
ができる。さらに,上記第2のフィルタ手段において,
少なくとも上記磁場が磁場発生手段により発生され,該
磁場に入射する反跳粒子と散乱イオンの立体角が入口側
絞り手段により制限され,該立体角を制限された反跳粒
子と散乱イオンとが磁場中を通過させられたときの該反
跳粒子と散乱イオンの各偏向量に基づいて,上記磁場か
らの出射成分が出口側絞り手段により制限されることに
より,上記反跳粒子が散乱イオンから分離される。上記
第2のフィルタ手段として,電場を用いる場合は,エネ
ルギにのみ依存して該第2のフィルタ手段を透過した散
乱イオンが持つエネルギの上限値を下げるが,上記のご
とく磁場を用いる場合は,そのエネルギのほか散乱イオ
ンと反跳イオンの質量の違いをも利用できる。従って,
該散乱イオンが持つエネルギの上限値を電場を利用した
場合に比べてさらに下げることができる。
【0006】
【実施例】以下添付図面を参照して,本発明を具体化し
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に,図1は本発明の一実施例に係るERDA分析装置
A′の概略構成を示す模式図,図2は粒子運動量フィル
タの概略構造図,図3は粒子運動量フィルタの動作説明
図である。図1に示すごとく,本実施例に係るERDA
分析装置A′(試料分析装置に相当)では,高エネルギ
イオンビームを照射する高エネルギイオンビーム発生源
1(照射手段に相当)と,このビームを照射された被分
析試料5から反跳される反跳粒子6を分別するフィルタ
7(第1のフィルタ手段に相当)と,この分別された反
跳粒子6を検出する半導体検出器8(検出手段に相当)
とを具備している点で従来例と同様である。しかし,本
実施例では,試料5とフィルタ7との間に配設され,反
跳粒子6に付随して発生する散乱イオン6′を反跳粒子
6と共に磁場あるいは電場中を通過させたときの反跳粒
子6と散乱イオン6′の各偏向量に基づいて,反跳粒子
6を散乱イオン6′から分離する粒子運動量フィルタ1
1(第2のフィルタ手段に相当)を設けている点で従来
例と異なる。
【0007】以下,本装置A′の動作について説明す
る。図1において,高エネルギイオンビーム発生源1か
ら出射した特定の単色エネルギ(通常0.1〜2Me
V)を持ったヘリウムイオンビーム2を,分析室3内の
試料載置台4上に載置された試料5に照射する。試料5
中の水素原子の一部はヘリウムイオンビーム2によっ
て,あるエネルギをもって前方に散乱され,反跳粒子6
となる。同時に,ヘリウムイオンビーム2の一部も試料
5中の母材原子によって,あるエネルギをもって前方に
散乱され,散乱イオン6′となる。このうち,反跳粒子
6は粒子運動量フィルタ11を通過し,さらにフィルタ
7を通過して,半導体検出器8に入射する。一方,散乱
イオン6′に関しては,特定エネルギ以下の散乱イオン
のみ粒子運動量フィルタ11を通過し,フィルタ7で完
全に止まるため,半導体検出器8では検出されない。従
って,半導体検出器8は反跳粒子6のみを検出し,その
エネルギに対応した高さを持つパルス電気信号を発生す
る。このパルス電気信号を信号処理器9は処理し,パル
ス電気信号の高さすなわち反跳粒子のエネルギ別に,信
号の発生量をエネルギスペクトルとして記録する。この
ように,本装置A′では粒子運動量フィルタ11を通過
できる散乱イオンが持つエネルギの上限値が下がるの
で,図1のように粒子運動量フィルタ11の下流側にフ
ィルタ7を配置した場合には,フィルタ7の負荷を軽減
できる。従って,散乱イオンが半導体検出器8に入射す
るのを阻止するための必要なフィルタ7の例えばフィル
ムの厚さをできる限り薄くできる。その結果,検知すべ
き反跳粒子6に関して,フィルタ7を通過するためにお
こるエネルギロスやエネルギのばらつきが大幅に軽減さ
れる。また,試料5のより深いところから反跳されてき
た粒子を検出することができる。従って,反跳粒子6の
検出深さをより深く,且つ深さ分解能を改善することが
でき,試料5中の水素深さ分布測定を高精度に行うこと
ができる。
【0008】ところで,粒子運動量フィルタ11として
電場を用いる場合は,エネルギにのみ依存して粒子運動
量フィルタ11を透過した散乱イオンが持つエネルギの
上限値を下げるが,上記のごとく磁場を用いた場合は,
そのエネルギのほか散乱イオンと反跳イオンの質量の違
いをも利用できる。従って,以下粒子運動量フィルタ1
1として磁場を用いた例について詳述する。但し,場合
によっては電場を用いることとしてもよい。図2は上記
粒子運動量フィルタ11の概略構造を示す。図2に示す
如く,粒子運動量フィルタ11は,少なくとも上記磁場
を発生させる磁石13′(磁場発生手段に相当)(不図
示)と,該磁場に入射する反跳粒子6と散乱イオン6′
の立体角を制限する前段スリット12(入口側絞り手段
に相当)と,立体角を制限された反跳粒子6と散乱イオ
ン6′とを磁場中を通過させたときの反跳粒子6と散乱
イオン6′の各偏向量に基づいて,上記磁場からの出射
成分を制限することにより,上記反跳粒子6を散乱イオ
ン6′から分離する後段低エネルギ側スリット14a,
14bとから構成され,以下のように動作する。即ち,
試料5から出射した反跳粒子6及び散乱イオン6′のう
ち,粒子運動量フィルタ11を構成する前段スリット1
2を通過したものは,磁石13′により形成された一様
な磁場発生領域13を通過する。この際,後述する特定
のエネルギEer,min以下の低エネルギ反跳粒子
と,特定のエネルギEbs,min以下の低エネルギ散
乱イオン6aは,後段スリット14aにより除去され
る。一方,特定のエネルギEer,min以上の高エネ
ルギ反跳粒子と,特定のエネルギEbs,min,Eb
s,max間にあるエネルギを有する散乱イオン6bは
後段スリット14a,14bの間隙を通過する。さら
に,特定のエネルギEbs,max以上の散乱イオン
と,反跳粒子及び散乱イオンのうち電気的に中性化され
た中性粒子6cは,後段スリット14bにより除去され
る。
【0009】図3は粒子運動量フィルタ11廻りの断面
的な幾何学的配置を示したものであるが,図中,15は
試料表面,16はヘリウムイオンビームの照射により試
料5に入射するイオン(以下,入射イオンという)の入
射方向,17は反跳粒子の検出方向軸,18は反跳粒子
又は散乱イオンの軌道,19は前段スリット位置,20
は磁場発生領域,21は後段スリット位置である。ま
た,α,βは試料表面15に対する入射イオンの入射方
向16及び反跳粒子の検出方向軸17の角度,Ls,L
lはそれぞれ試料から前段スリット位置19及び磁場発
生領域20までの距離,Lbは磁場発生領域の長さ,L
2は磁場発生領域20から後段スリット位置21までの
距離,Xは反跳粒子又は散乱イオンの後段スリット位置
21での偏向量,Xa,Xbはそれぞれ低エネルギ側後
段スリット及び高エネルギ側後段スリットのエッジから
反跳粒子の検出方向軸17までの距離である。尚,磁場
のベクトルは図中紙面に対して垂直に紙面の裏側へ向い
ている。ここで,入射イオンのエネルギ及び質量数を,
Ein及びMinとし,さらに反跳粒子の質量数をMe
rとすると,上述の特定エネルギEer,min,Eb
s,min,Ebs,maxはそれぞれ以下のように設
定される。
【0010】まず,反跳粒子が持ちうるエネルギの最大
値Eer,maxは次式で与えられる。
【数1】 ここに,Anは反跳角すなわち(α+β)である。ま
た,エネルギE,質量数M,電荷量qをもつ反跳粒子ま
たは散乱イオンに対して,後段スリット位置21上での
偏向量Xは次式で与えられる。
【数2】 ここに,Bは磁場発生領域の磁束密度(近似的に一定値
とする)である。
【0011】そこで,高エネルギ側後段スリットの位置
Xbを次式が満たすように設定する。
【数3】 ここに,qerは反跳粒子の持つ電荷量,Δは粒子運動
量フィルタ11のエネルギ分解能であり,次式で与えら
れる。
【数4】 ただし,dは前段スリットの開き幅である。上式の右辺
第2項(Δ)は前段スリット幅dを調節することにより
十分小さくすることができるので,以下無視する。
【0012】エネルギEer,minは適当に設定した
後段スリットの位置Xaに依存しており,次式を満た
す。
【数5】 さらに,エネルギEbs,max,Ebs,minは次
式を満たす。
【数6】 ここに,qerは反跳粒子のもつ電荷量である。従っ
て,上式より粒子運動量フィルタ11に磁場を用いた場
合には,散乱イオンの持つエネルギの上限値を,電場を
利用した場合に比べてさらに下げることができる。
【0013】次に,上述の計算式に基づいて設計例を示
す。ここでは,1MeVのエネルギを持つヘリウムイオ
ンビームを用いてシリコン(Si)基板表面近傍の水素
深さ分布を例にとって説明する。いま,反跳角20°の
方向に半導体検出器8を配置した場合,半導体検出器方
向に向かう反跳粒子(反跳水素)は最高565keVの
エネルギを持つ。一方,散乱イオン(散乱ヘリウム)は
983keVのエネルギを持ち得る。この場合,上述の
設定方法に従えば,特定エネルギEer,maxは56
5keV強に設定される。この値は,B=0.3T,L
b=5cm,L2=0.5cm,Xb=4mmとすれば
容易に実現できる。また,Xa=8mmとすれば,Ee
r,min=152keVとなる。また散乱イオンとし
て一価のヘリウムイオンのみを考慮すると,Ebs,m
ax=141keV,Ebs,min=38keVとな
る。つまり,粒子運動量フィルタ11を通過する散乱ヘ
リウムの最大エネルギは141keV程度となり,これ
ら散乱ヘリウムイオンが半導体検出器8に入射するのを
防ぐために必要なフィルムの膜厚はAlフィルムの場合
で約1μmとなる。この場合,最終的にAlフィルムを
通過して半導体検出器8に入射する反跳水素のエネルギ
の最大値は500keVとなる。この値は,従来技術で
は半導体検出器8で検出される反跳水素のエネルギが高
々300keVであったことと比較すると大幅に改善さ
れていることが容易にわかる。さらに,微量の水素を検
出する場合は,散乱イオン中に含まれるごく微量の2価
のヘリウムイオンをさらに除去する必要がある。この場
合,Ebs,max=565keV,Ebs,min=
152keVとなる。また,必要なフィルムの膜厚はA
lフィルムの場合で2.3μmとなる。このような場合
であっても,最終的にAlフィルムを通過して半導体検
出器8に入射する反跳粒子のエネルギの最大値は410
keVとなり,従来技術と比較すると大幅に改善されて
いることが容易にわかる。以上のように,本装置A′に
よれば,反跳粒子の検出深さをより深く,且つ深さ分解
能を改善することにより,試料中の水素の深さ分布測定
を高精度に行うことができる。
【0014】
【発明の効果】本発明に係る試料分析装置は,上記した
ように構成されているため,第2のフィルタ手段を通過
できる散乱イオンが持つエネルギの上限値が下がるの
で,第2のフィルタ手段の下流側に第1のフィルタ手段
を配置した場合には,第1のフィルタ手段の負荷を軽減
できる。従って,該散乱イオンが検出手段に入射するの
を阻止するための必要な第1のフィルタ手段の例えばフ
ィルムの厚さをできる限り薄くできる。その結果,検出
すべき反跳粒子に関して,第1のフィルタ手段を通過す
るためにおこるエネルギロスやエネルギのばらつきが大
幅に軽減される。また,試料のより深いところから反跳
されてきた粒子を検出することができる。従って,反跳
粒子の検出深さをより深く,且つ深さ分解能を改善する
ことができ,試料中の水素深さ分布測定を高精度に行う
ことができる。上記第2のフィルタ手段として電場を用
いる場合は,エネルギにのみ依存して該第2のフィルタ
手段を透過した散乱イオンが持つエネルギの上限値を下
げるが,上記のごとく磁場を用いた場合は,そのエネル
ギのほか散乱イオンと反跳イオンの質量の違いをも利用
できる。従って,該散乱イオンが持つエネルギの上限値
を電場を利用した場合に比べてさらに下げることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るERDA分析装置
A′の概略構成を示す模式図。
【図2】 粒子運動量フィルタの概略構造図。
【図3】 粒子運動量フィルタの動作説明図。
【図4】 従来のERDA分析装置Aの一例における概
略構成を示す模式図。
【符号の説明】
A′…ERDA分析装置(試料分析装置に相当) 1…高エネルギイオンビーム発生源(照射手段に相当) 2…ヘリウムイオンビーム(高エネルギイオンビームに
相当) 4…試料載置台 5…被分析試料 6…反跳粒子 6′…散乱イオン 7…フィルタ(第1のフィルタ手段に相当) 8…半導体検出器(検出手段に相当) 9…信号処理器 10…スリット 11…粒子運動量フィルタ(第2のフィルタ手段に相
当) 12…前段スリット(入口側絞り手段に相当) 13…磁場発生領域 13′…磁石(磁場発生手段に相当) 14a…後段低エネルギ側スリット(出口側絞り手段に
相当) 14b…後段高エネルギ側スリット(出口側絞り手段に
相当)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 行人 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高エネルギイオンビームを照射する照射
    手段と,該ビームを照射された試料から反跳される反跳
    粒子を分別する第1のフィルタ手段と,該分別された反
    跳粒子を検出する検出手段とを具備した試料分析装置に
    おいて,上記試料と第1のフィルタ手段との間に配設さ
    れ,上記反跳粒子に付随して発生する散乱イオンを該反
    跳粒子と共に磁場あるいは電場中を通過させたときの該
    反跳粒子と散乱イオンの各偏向量に基づいて,上記反跳
    粒子を散乱イオンから分離する第2のフィルタ手段を設
    けたことを特徴とする試料分析装置。
  2. 【請求項2】 上記第2のフィルタ手段が,少なくとも
    上記磁場を発生させる磁場発生手段と,該磁場に入射す
    る反跳粒子と散乱イオンの立体角を制限する入口側絞り
    手段と,該立体角を制限された反跳粒子と散乱イオンと
    を磁場中を通過させたときの該反跳粒子と散乱イオンの
    各偏向量に基づいて上記磁場からの出射成分を制限する
    ことにより上記反跳粒子を散乱イオンから分離する出口
    側絞り手段とを具備してなることを特徴とする請求項1
    記載の試料分析装置。
JP6280261A 1994-11-15 1994-11-15 試料分析装置 Pending JPH08136481A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010071873A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Kobe Steel Ltd イオンエネルギーの分光方法および分光装置
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JP2019074468A (ja) * 2017-10-18 2019-05-16 新日鐵住金株式会社 試料解析方法

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