JP2574792B2 - 深さ方向の元素分布分析法 - Google Patents

深さ方向の元素分布分析法

Info

Publication number
JP2574792B2
JP2574792B2 JP62073545A JP7354587A JP2574792B2 JP 2574792 B2 JP2574792 B2 JP 2574792B2 JP 62073545 A JP62073545 A JP 62073545A JP 7354587 A JP7354587 A JP 7354587A JP 2574792 B2 JP2574792 B2 JP 2574792B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
depth direction
sputtering
element distribution
ion beam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62073545A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63238542A (ja
Inventor
哲也 丸尾
芳和 本間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP62073545A priority Critical patent/JP2574792B2/ja
Publication of JPS63238542A publication Critical patent/JPS63238542A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2574792B2 publication Critical patent/JP2574792B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、二次イオン質量分析等、被分析物である試
料にイオンビームを照射してスパッタを行い、スパッタ
の進行とともにスパッタ表面の元素濃度を測定して試料
中の元素分布を深さ方向に測定する深さ方向分析法に関
するものである。
〔従来の技術〕
従来より、試料をイオンビームによりスパッタしなが
らスパッタ表面の元素濃度を測定することにより、試料
中の元素分布を測定する深さ方向分析が行われている。
具体的な深さ方向分析の一例として、第4図に従来の
二次イオン質量分析装置を示す。試料5の表面をスパッ
タするイオンビーム(一次イオンビーム)2は、一次イ
オン発生装置1から発生する。この一次イオンビーム2
は、ガスまたは金属蒸気をイオン化したものである。一
次イオン発生装置1からの一次イオンビーム2は、電子
レンズ3により収束された後、偏向電極4に入射させ
る。偏向電極4では、一次イオンビーム2が試料5の表
面を走査して照射できるように一次イオンビーム2の軌
道を偏向させる。この一次イオンビーム2が試料5の表
面に照射されると、その衝撃によって試料5からは二次
イオン6がスパッタされる。この二次イオン6は引き出
し電極7、次いで収束レンズ系8を経て引き出される。
引き出された二次イオン6は、質量分析計9を通過して
イオン検出機10に到達する。このようにスパッタを行い
ながら、スパッタ表面の元素分布を測定すれば、スパッ
タの進行にともなって試料の深さ方向の元素分布を測定
していくことができる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述の二次イオン質量分析装置では、イオンビーム2
は、試料をスパッタすると同時に試料中に侵入し、試料
構造を破壊する。深さ方向分析においては、試料の深さ
方向の元素分布をできるだけ微細に調べることが必要で
あり、測定が可能な最小の元素分布幅(深さ方向解能)
は、イオンビーム2がどれだけ試料構造を破壊せず、滑
らかにスパッタできるかによる。
イオンビームの侵入深さはイオンビームの入射エネル
ギが高いほど大きくなる。従来では、イオンビームの侵
入を抑えるため、入射エネルギの低減のみが行われてい
る。しかし、試料のスパッタが可能なエネルギとして最
低に近い500eV程度のエネルギを用いても、分解能は表
面付近で3nm程度である。さらに、分解能はスパッタの
進行とともに低下する。そのため、従来では5nm程度以
下の厚さの薄膜の評価を精度良く行うことができなかっ
た。本件の発明者らは、低入射エネルギの分解能変化を
詳細に調べた結果、ある入射エネルギ以下で逆に分解能
が低下することを明らかにした。分解能の入射エネルギ
依存性を第5図に実線で示す。同時に表面に注入された
イオンの濃度を点線で示すが、表面イオン濃度は低エネ
ルギであるほど増加し、分解能と表面イオン濃度は相関
を示した。また、試料表面にイオンと同種のガスを吹き
つけ、表面イオン濃度を大きくさせても、分解能は低下
した。以上により、低エネルギで分解能を低下させる要
因は表面イオン濃度の増加であることが明らかである。
よって、分解能を従来より上昇させるには、イオンの
侵入深さを低下させるとともに、表面イオン濃度を低下
させるスパッタ方法の開発が不可欠である。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明では、深さ方向分解能の改善を図るために低入
射エネルギ、低表面イオン濃度の条件を満足するイオン
スパッタ方法を提供することを目的とする。本発明は、
被分析物である試料にイオンビームを照射してスパッタ
を行い、該試料中の元素分布を表面から深さ方向に測定
する深さ方向の元素分布分析法であって、該イオンビー
ムを試料表面に対して試料中へのイオンの侵入が少ない
低い入射角度で入射することを特徴とする。また、上記
スパッタにより発生する二次イオンの質量スペクトルを
測定することで該試料中の元素分布を深さ方向に測定す
る二次イオン質量分析を行うことを特徴とする。また、
上記スパッタにより発生する二次中性粒子を光や電子ビ
ーム等でイオン化したイオンの質量スペクトルを測定す
ることで該試料中の元素分布を深さ方向に測定する二次
中性粒子量分析を行うことを特徴とする。
〔作用〕
本発明の特徴は、表面一次イオン濃度を減少させるた
めにスパッタに寄与するイオンビームを試料表面に対し
て低い入射角度で入射し、試料中にイオンが侵入するこ
とを防ぐことを特徴とする。10keV程度のエネルギであ
っても低角に入射することにより、試料に対して垂直な
エネルギを数keVとすることができる。また、モンテカ
ルロ法を用いたシュミレーションの結果でも、低い入射
角度では、イオンの大部分は試料の表面近傍に侵入した
後、試料外へ飛び出してしまうことが明らかとなった。
よって、低い入射角でスパッタを行えば、低入射エネ
ルギ・低表面イオン濃度の両条件を満たし、高分解能な
スパッタが可能である。
〔実施例1〕 二次イオン質量分析装置を用いて本発明により高分解
能な深さ方向分析を行う実施例を第1図に示す。一次イ
オンビーム2の入射角θを調整するため、試料5をゴニ
オメータ11に設置する。一次イオンビーム2を低角度に
入射させるには一次イオンビーム2の発散角δを小さく
することが必要であり、収束レンズ3と試料5との距離
をできるだけ大きくすることが望ましい。質量分析器12
を一次イオンビーム2の入射を妨げないように設置し、
一次イオンビーム2によりスパッタされた二次イオン6
を検出する。一次イオン2の入射が低角であるため、質
量分析器12の試料を表面近傍に設置することができ、二
次イオン測定の立体角を大きくとることができるのも本
発明の特徴である。
本発明の特徴は、表面一次イオン濃度を減少させるた
めにスパッタに寄与するイオンビームを試料表面に対し
て低い入射角度で入射し、試料中にイオンが侵入するこ
とを防ぐことを特徴とする。10keV程度のエネルギであ
っても低角に入射することにより、試料に対して垂直な
エネルギを数keVとすることができる。
また、モンテカルロ法を用いたシュミレーションの結
果でも、低い入射角では、イオンの大部分は試料の表面
近傍に侵入した後、試料外へ飛び出してしまうことが明
らかとなった。
以上の結果を基に、深さ方向分解能の入射角依存性を
測定した(第2図)。試料はタングステンと炭素とが交
互に積層された(W/C)多層膜で一次イオンビームに入
射エネルギ10keVの酸素イオンを用いた。第2図でグラ
フの縦軸は測定された界面幅(界面の急峻な濃度分布が
イオンにより破壊されることにより起きる濃度分布の広
がり幅)であり、この値が小さいほど深さ方向分解能は
良い。横軸は試料表面からの深さを示す。入射角を90度
から3度まで変化させて深さ方向分解能の変化の様子を
評価した結果、18度〜90度の間では従来の深さ方向分析
と同様に表面から深くなるに従い分解能が低下するが、
8度以下の場合には低下しないことを明らかにした。こ
れは従来に見られない現象であり、この角度でイオンの
反射が起きていることが予想できる。これより入射角が
約10度以下で試料中へのイオンの侵入が少なく分解能が
低下しないと判断される。よって、約10度以下の入射角
でスパッタを行えば、低入射エネルギ・低表面イオン濃
度の両条件を満たし、高分解能なスパッタが可能であ
る。
〔実施例2〕 本発明のように低角入射スパッタを行う場合にはスパ
ッタ速度が遅くなるため、感度や精度の点で不利とな
る。よって、本発明では二次イオンよりもスパッタされ
る量の多い二次中性粒子を検出する二次中性粒子質量分
析を行うほうが望ましい。第3図は本発明の発明者らが
特願第61−200754号で開示した深さ方向分析が可能な二
次中性粒子質量分析装置を用いた本発明の実施例であ
る。上記先行発明では二次中性粒子の検出の障害となる
二次イオンを分離するため二次中性粒子選択電極板13を
設置し、イオン化領域14に中性粒子15のみを飛び出させ
るようにしてある。このイオン化領域14に紫外レーザ光
16を照射し、中性粒子がイオン化した光励起イオン17を
質量分析器12に入射させる。本実施例でも実施例1と同
様の効果が得られた。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば深さ方向分析に
おける分解能を向上することができる。これにより従来
よりも精密な元素の深さ方向分布を評価することが可能
であり、nmオーダーの極めて薄い膜を積層した多層膜試
料等従来の技術では困難であった薄膜試料の評価が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は二次イオン質量分析装置を用いる本発明の実施
例、第2図は深さ方向分解能の入射角依存性、第3図は
二次中性粒子質量分析装置を用いる本発明の実施例、第
4図は二次イオン質量分析装置を用いる従来の分析法、
第5図は深さ方向分解能の入射エネルギ依存性を示す。 1……一次イオン発生装置、2……一次イオンビーム、
3……電子レンズ、4……偏向電極、5……試料、6…
…二次イオン、7……引き出し電極、8……収束レンズ
系、9……質量分析計、10……イオン検出器、11……ゴ
ニオメータ、12……質量分析器、13……二次中性粒子選
択電極板、14……イオン化領域、15……中性粒子、16…
…紫外レーザ光、17……光励起イオン。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被分析物である試料にイオンビームを照射
    してスパッタを行い、該スパッタにより発生する二次粒
    子を検出して該試料中の元素分布を表面から深さ方向に
    測定する深さ方向の元素分布分析法において、該イオン
    ビームを試料表面に対して8度以下の角度で入射するこ
    とを特徴とする深さ方向の元素分布分析法。
  2. 【請求項2】上記スパッタにより発生する前記二次粒子
    のうちのイオンの質量スペクトルを測定することにより
    該試料中の元素分布を表面から深さ方向に測定すること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の深さ方向の
    元素分布分析法。
  3. 【請求項3】上記スパッタにより発生する前記二次粒子
    のうちの中性粒子を光や電子ビーム等でイオン化したイ
    オンの質量スペクトルを測定することで該試料中の元素
    分布を表面から深さ方向に測定することを特徴とする特
    許請求の範囲第1項に記載の深さ方向の元素分布分析
    法。
JP62073545A 1987-03-27 1987-03-27 深さ方向の元素分布分析法 Expired - Lifetime JP2574792B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62073545A JP2574792B2 (ja) 1987-03-27 1987-03-27 深さ方向の元素分布分析法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62073545A JP2574792B2 (ja) 1987-03-27 1987-03-27 深さ方向の元素分布分析法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63238542A JPS63238542A (ja) 1988-10-04
JP2574792B2 true JP2574792B2 (ja) 1997-01-22

Family

ID=13521313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62073545A Expired - Lifetime JP2574792B2 (ja) 1987-03-27 1987-03-27 深さ方向の元素分布分析法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2574792B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4836632B2 (ja) * 2006-03-31 2011-12-14 富士通株式会社 元素分析方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5146438A (ja) * 1974-10-18 1976-04-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd Chorikigu
JPS597253A (ja) * 1982-07-06 1984-01-14 Natl Inst For Res In Inorg Mater 物質表面の構造決定法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63238542A (ja) 1988-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH01217249A (ja) 固体試料を深度差分により定量分析する方法および装置
Vincze et al. A general Monte Carlo simulation of energy-dispersive X-ray fluorescence spectrometers. Part 3. Polarized polychromatic radiation, homogeneous samples
JP2574792B2 (ja) 深さ方向の元素分布分析法
US6107629A (en) Method to determine depth profiles in an area of thin coating
US5763875A (en) Method and apparatus for quantitative, non-resonant photoionization of neutral particles
JPS6355846A (ja) 二次中性粒子質量分析装置
Van der Peyl et al. Kinetic energy distributions of organic ions sputtered from solids and liquids
JPS5866245A (ja) 固体の分析方法及び装置
Odom et al. Thin film microanalysis using laser ablation and laser ionization mass spectrometry
JPS62113052A (ja) 元素分析方法
JPS60243958A (ja) イオンビ−ム装置
JPH01243351A (ja) 分析装置
JP3140557B2 (ja) レーザイオン化中性粒子質量分析装置及びこれを用いる分析法
JP3360114B2 (ja) 角度分解・リターディング独立動作型入射レンズシステムを備えた電子分光器及び分光器を用いた分析方法
Vandervorst et al. On the influence of crater edges and neutral beam component on impurity profiles from raster scanning SIMS
US6310343B1 (en) Electron impact elastic recoil hydrogen atom analyzer
Boriskin et al. Effect of laser erosion on the copper and zinc concentrations in the surface layer of brass
JPH07226181A (ja) イオン散乱表面分析装置
JP2996210B2 (ja) 試料吸収電流分光法
JPH04116456A (ja) 2次イオン質量分析方法
JP2903874B2 (ja) 集束イオンビームによるイオン励起型x線分析装置
Allali et al. Secondary emission of negative ions and electrons resulting from electronic sputtering of cesium salts: differences between halides and oxygenated salts
KR100485389B1 (ko) 이차이온 질량분석기 및 이를 이용한 이차이온 일드측정방법
Backscattering Materials analysis with heavy ions
JPH08136481A (ja) 試料分析装置

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071024

Year of fee payment: 11