JPH07226181A - イオン散乱表面分析装置 - Google Patents

イオン散乱表面分析装置

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JPH07226181A
JPH07226181A JP6014218A JP1421894A JPH07226181A JP H07226181 A JPH07226181 A JP H07226181A JP 6014218 A JP6014218 A JP 6014218A JP 1421894 A JP1421894 A JP 1421894A JP H07226181 A JPH07226181 A JP H07226181A
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JP
Japan
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particles
ion
scattered
incident
detector
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JP6014218A
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English (en)
Inventor
Miyako Matsui
都 松井
Fumihiko Uchida
史彦 内田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄膜成長時における半導体材料等の表面分析
の方法で、特に表面に存在する原子及び電子の組成や構
造を、あらゆる質量数の元素について、同時に観察可能
とすることを目的とする。 【構成】 パルス化された3keV以下のHe,Ne,A
r等の低エネルギイオン粒子ビームは、対物レンズ5に
よって収束された後に観察試料7に衝突する。衝突イオ
ン粒子は、表面層の原子によって非弾性散乱され、この
うち180度方向に散乱される衝突イオン粒子を検出す
る。また、衝突イオン粒子によって非弾性散乱された試
料表面の粒子のうち、前方散乱された粒子を前述のイオ
ン粒子と同時に検出する。粒子検出の際、イオン粒子は
グリッド11によって加速されて、検出器9、及び検出
器10で検出される。 【効果】 表面に存在する原子の質量数によらず、その
組成や位置を知ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】半導体材料等の表面分析の方法
で、特に結晶表面の組成分析や構造解析に有効である。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の開発と関係して、結晶成長
等によって変化しつつある表面の組成及び構造をリアル
タイムでその場観察し、結晶表面構造や結晶成長過程を
制御する技術が重要となっている。例えば、Si−UL
SIにおいては、素子が微細になるに従いチャネルの薄
膜化及びチャネルストッパ層の高不純物濃度が要求され
ているが、この構造を実現させるためには急俊な不純物
分布形成が必要となる。そのためには、Si結晶基板上
に吸着させた種々の元素の位置及び濃度をリアルタイム
で観察することによって、結晶成長に伴う原子の拡散を
抑制し、原子層成長を行う技術が必要とされている。特
に、表面上の水素は結晶成長を制御する上で重要な因子
として注目されている。低エネルギーイオン散乱表面分
析装置は、その場観察によって、結晶表面近傍における
原子層レベルでの組成分析及び構造解析を行うことがで
きる特徴から、上記の目的にかなう有用な分析法として
近年、研究開発が進められている。
【0003】従来の低エネルギーイオン散乱表面分析装
置を図2、図3に示す。図2の装置では、片山光浩等が
応用物理、第61巻、第2号(1992)、頁L171
から頁L173で開示しているように、チョッピングプ
レート4によってパルス化された数keV以下のイオン粒
子源1から出射されたイオン粒子ビームを試料7に入射
させ、入射方向に対し、180度後方に散乱された粒子
の飛空時間、及び粒子数を検出器9で測定していた。1
80度方向への散乱粒子を検出することによって、組成
分析及び表面原子位置を知ることができた。また、散乱
粒子のエネルギー分析に飛行時間差法を用いているた
め、エネルギースペクトルを一度で測定することができ
る。さらに、試料表面の方向をゴニオメータ8で変えて
分析することによって、試料表面数原子層の構造解析を
することができるという特徴があった。
【0004】また、図3の装置は、特開平3−2852
43(3.12.16)で開示されているように、パル
ス化された数keV以下のイオン粒子を試料7に入射さ
せ、入射方向に対して散乱角の小さい、前方に散乱され
た試料原子の飛空時間、及び粒子数を検出器10で測定
する方式である。この方法では、入射粒子の質量数より
も小さい元素、特に他の手法では計測が困難であったH
の分析に有効であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術に
は次のような問題があった。図2の装置では、入射粒子
の質量数よりも小さい元素は後方散乱されることがない
ので、H等の軽元素の分析をすることができなかった。
一方、図3の装置では、試料表面を構成する元素のうち
質量数の大きい元素は前方に散乱することがないので、
分析を行なうことができなかった。さらに、表面数原子
層の構造解析を行なうことができなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、入射イオンに対
して90度よりも後方、及び、90度よりも前方に検出
器を設け、前方散乱粒子と後方散乱粒子を同時に検出で
きる構成とした。さらに、それぞれの粒子の飛空時間を
測定する手段を設けた。また検出器として、散乱された
粒子のうち、イオン粒子を電場によって加速して検出す
る手段、あるいは、磁場によって質量分析を行って検出
する手段を設けた。
【0007】
【作用】これによって、入射粒子よりも質量数の大きい
元素の分析と、小さい元素、特に表面上の水素の分析を
同時に行なうことができるようになる。さらに、入射粒
子よりも質量数の大きい元素について、表面数原子層の
構造解析を行なうことができる。
【0008】また、電場によってイオン粒子を加速する
ことにより、散乱されたイオン粒子と中性粒子を分離し
て、同時に検出できるようになる。さらに、イオン粒子
のエネルギ−を大きくして検出機に入射させることによ
り、検出効率を向上させることができ、また、電子によ
るノイズを取り除くことが可能となる。
【0009】検出器として磁場によって質量分析するこ
とにより、ノイズを低減することが可能となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1と図4、図5、
図6を用いて説明する。図1は、本発明の1実施例を示
す低速イオン散乱装置である。イオン源1から出射され
る3keV以下のHe,Ne,Ar等の低エネルギイオン
粒子は、コンピュータ2からの信号に従ってパルスジェ
ネレータ3から発生されるパルス電圧を、チョッピング
プレート4に印加することによってパルス化される。パ
ルス化されたイオン粒子ビームはレンズ5によって収束
された後に観察試料7に衝突する。このとき、試料面と
入射イオンに対する角度をゴニオメータ8によって変化
させることができる。衝突イオン粒子は、表面層の原子
によって非弾性散乱され、このうち後方に散乱される粒
子を検出器9で検出する。これと同時に、衝突イオン粒
子によって前方散乱された表面原子を検出器10で検出
する。一方、散乱された衝突粒子が検出器9に到達する
飛空時間、及び散乱された試料原子が検出器10に到達
する飛空時間を測定器12によって測定する。
【0011】観察試料7に衝突してから検出器に到達す
るまでの時間Tは、散乱粒子のエネルギをE、粒子の質
量をM、試料から検出器までの飛空距離をdとすると、
【0012】
【数1】
【0013】となる。
【0014】ここで、エネルギEは、散乱後の入射粒子
のエネルギE1と入射イオンによって散乱された試料原
子のエネルギをE2の2つの場合がある。そこで、入射
粒子のエネルギをEo、入射粒子の質量をM1、散乱角
をθ、また、試料原子の質量をM2、散乱角をψとする
と剛体モデルの衝突の関係から、E1は、
【0015】
【数2】
【0016】で得られる。図4及び図5は、数1と数2
を使って、θが180度のときのヘリウム(He)イオ
ン粒子とネオン(Ne)イオン粒子を入射イオン粒子に
用いた場合のSi原子と他の原子の飛空時間を計算した
結果である。この計算では、飛空距離dを1mとした。
この測定では、検出限界に二つの制約がある。ひとつ
は、測定器12の時間分解能、及びパルス時間幅による
時間分解能によるものである。例えば、Siを基板に用
いた場合は、Siの飛空時間と表面原子の飛空時間との
差が、時間分解能よりも大きい必要がある。一般に、時
間分解能は100nsec程度であるので、Neイオン粒子を
用いれば、砒素(As)、ガリウム(Ga)、アルミニ
ウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(S
b)等が、Heイオン粒子を用いればB、C、O等が検
出できる。他のひとつは、入射イオン粒子の原子量より
も小さな表面原子は検出できないことである。例えば、
Heイオン粒子を用いた場合、水素(H)を検出するこ
とはできない。
【0017】また、入射粒子によって散乱された試料原
子のエネルギE2は、
【0018】
【数3】
【0019】で与えられる。図6は、数1と数3を使っ
て、φが30度のとき、ヘリウム(He)イオン粒子を
入射イオン粒子として用いた場合の飛空時間を計算した
結果である。これより、軽元素側で時間差が大きく、重
元素側では差が小さいことがわかる。従って、E1の測
定で不可能であったH等の軽元素の検出が可能になる。
一方、E2の測定によって質量数の大きい原子の組成分
析を行なうことは適当ではないことがわかる。また、前
方散乱による分析では試料最表面で散乱された粒子しか
検出できないので、表面数原子層にわたって構造解析を
行なうことはできない。
【0020】さらに、散乱粒子のうち、イオン粒子は検
出器9、及び検出器10の前面に設置されたグリッド1
1を通過する際に、電場によって加速されて検出器9、
及び検出器10に到達する。これにより、試料表面を通
過する際に中性化された粒子と、イオン粒子とを分離し
て測定することができる。これによって、散乱粒子のイ
オン化率を知ることができ、試料表面上の電子分布の情
報を得ることができる。また、イオン粒子検出の際にノ
イズの原因となっている電子を取り除くことができる。
【0021】また、検出器9の前面に磁場を設けること
により、散乱されたイオン粒子を質量分析して検出する
ことができる。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように本発明を用いれば、低
速イオン散乱法において、表面数原子層での組成分析及
び構造分析と、最表面の軽元素、特に水素の分析を同時
に行なうことができる。いいかえれば、試料表面に存在
する軽元素から重元素にいたる広範囲の原子種を、同時
に検出することができ、さらに、表面数原子層におい
て、入射イオン粒子よりも大きい質量数の元素の構造解
析ができる。
【0023】また、グリッド11を設けることにより、
電子によるノイズを低減させ、さらに、散乱中性化粒子
と散乱イオン粒子とを分離して、検出することができ
る。
【0024】散乱イオン粒子を磁場で質量分析して検出
することによって、質量数の近い元素の分析も精度よく
行うことが出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示すイオン散乱表面分析装
置の正面図である。
【図2】従来のイオン散乱表面分析装置の説明図であ
る。
【図3】従来のイオン散乱表面分析装置の説明図であ
る。
【図4】Heイオンにおける入射粒子の飛空時間の計算
結果の説明図である。
【図5】Neイオンにおける入射粒子の飛空時間の計算
結果の説明図である。
【図6】Heイオンにおける試料粒子の飛空時間の計算
結果の説明図である。
【符号の説明】
1…イオン粒子源、2…制御用コンピュータ、3…パル
スジェネレータ、4…チョッピングプレート、5…レン
ズ、6…デフレクタ、7…試料、8…ゴニオメータ、9
…検出器、10…検出器、11…グリッド、12…時間
計数器、13…試料台、14…真空チャンバ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 49/40

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン粒子を被測定物表面に衝突させて、
    その表面から散乱された粒子を検出するイオン散乱分析
    装置において、入射イオンを被測定物表面の垂直方向よ
    り小さな角度で入射させ、表面原子によって散乱された
    入射粒子と、入射イオンによって散乱された表面上の軽
    元素粒子とを同時に検出することを特徴とするイオン散
    乱分析装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、さらに、被測定物に入
    射させるイオンのエネルギ−が3keV以下であること
    を特徴とするイオン散乱分析装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、さらに、入射イオン粒
    子をチョッピングし、パルス状とし、そのパルス化され
    た入射イオン粒子と同期させて、散乱された入射粒子及
    び反跳粒子の飛空時間を同時に測定するシステムを有す
    ることによりエネルギー分析を行なうことを特徴とする
    イオン散乱表面分析装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、散乱された入射粒子を
    検出する検出器を入射方向に対して90度以下の範囲に
    配置し、さらに、入射粒子によって散乱された元素粒子
    を検出する検出器を入射方向に対して90度以上の角度
    範囲に配置することを特徴とするイオン散乱分析装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、さらに、検出器とし
    て、散乱された粒子のうち、散乱イオン粒子を電場によ
    って加速することによって、中性化粒子とイオン粒子と
    を分離して検出することを特徴とするイオン散乱表面分
    析装置。
  6. 【請求項6】請求項1において、さらに、検出器とし
    て、散乱された粒子を磁場によって質量分析して検出す
    ることを特徴とするイオン散乱分析装置。
JP6014218A 1994-02-08 1994-02-08 イオン散乱表面分析装置 Pending JPH07226181A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007042299A (ja) * 2005-07-29 2007-02-15 Kobe Steel Ltd 試料イオンの飛行時間測定用装置,飛行時間型質量分析装置,飛行時間型質量分析方法
KR100687074B1 (ko) * 2005-08-25 2007-02-26 한국표준과학연구원 집속 이온빔 산란을 이용한 박막분석 시스템
JP2009517844A (ja) * 2005-12-02 2009-04-30 アリス コーポレーション イオン源、システム及び方法
JP2019056633A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 国立研究開発法人理化学研究所 試料分析装置

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KR100687074B1 (ko) * 2005-08-25 2007-02-26 한국표준과학연구원 집속 이온빔 산란을 이용한 박막분석 시스템
JP2009517844A (ja) * 2005-12-02 2009-04-30 アリス コーポレーション イオン源、システム及び方法
JP2019056633A (ja) * 2017-09-21 2019-04-11 国立研究開発法人理化学研究所 試料分析装置

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