JP2525791B2 - 反射電子エネルギ−損失微細構造測定方法 - Google Patents

反射電子エネルギ−損失微細構造測定方法

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JP2525791B2 JP62021977A JP2197787A JP2525791B2 JP 2525791 B2 JP2525791 B2 JP 2525791B2 JP 62021977 A JP62021977 A JP 62021977A JP 2197787 A JP2197787 A JP 2197787A JP 2525791 B2 JP2525791 B2 JP 2525791B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、試料に電子ビームを照射し表面構造情報を
得る反射電子エネルギー損失微細構造測定方法に関す
る。
〔従来の技術〕
表面解析は、特に解析の難しい分野とされてきたが、
近年、表面解析装置の必要性が高まってきている。その
理由としては、電子デバイスのマイクロ化に伴い、表面
の影響が増大したこと、また、機能性表面、例えば触
媒、表面反応によるガス検知センサ等の動作特性の解
析、さらには、表面保護膜の改善にとって有用であるこ
と等が挙げられる。
表面評価では、原子配列(原子の規則配列や原子間距
離)、原子組成(表面層の原子組成比)、電子状態(原
子間結合状態、原子間電子分布、表面分極)が評価の三
要素であるが、表面に関する情報のうち最も基本的とい
えるものは、原子配列、原子間距離という構造の知見で
ある。
従来の原子配列の構造解析としては、顕微鏡により解
析する方法、回折像により解析する方法等がある。後者
の回折像による解析では、X線や中性子線、電子線を使
った弾性散乱波による解析及び非弾性散乱波による解析
がある。時に近年、X線の吸収近傍に現れる振動構造を
観測し、それに数値的な処理を施すことによって原子間
距離を求める方法が使われるようになった。この方法の
場合、吸収端から30eVあたりまでの範囲は、多重散乱効
果を反映するため、理論的な扱いの便宜上、その先に続
く振動構造と区別し、後者をEXAFS(Extended X−ray A
bsorption Fine Structure,広域X線吸収微細構造)と
呼ぶのに対し、前者をXANES(X−ray Absorption Near
Edge Structure,X線吸収近接微細構造)と呼んでい
る。従って、内殻X線吸収スペクトルには、吸収端の立
ち上がり付近の大きな構造XANESと、それより遠く離れ
たゆっくり振動する小さな構造EXAFSが同時に見られ
る。この両者の違いは、内殻よりX線でたたき出された
光電子の運動エネルギーの違いによるものであるが、そ
れを解析する手段も得られる情報も大きく異なってい
る。EXAFSからはX線を吸収する原子とその周り、主に
第一配位殻の原子との距離、およびその配位数について
の情報が得られるが、XANESからはスペクトルを反映す
る程度のクラスターの三次元立体構造と電子状態につい
て情報が得られる。
非弾性散乱の確率は、ロスエネルギーΔEが増すと小
さくなるので、小さなΔE、すなわち軽電子(C、N、
O)や浅い方の内殻(AlのL2,3殻等)からの励起シンク
ロトロンの励起光にして200〜300eVあたりが最も得意と
する領域になる。この領域は、シンクロトロン放射光を
利用する場合、分光を行うのが最も困難な領域でもあ
る。
高速電子の非弾性散乱は、古くからBetheによって193
0年代に理論的に取り扱われ、前方方向の非弾性散乱の
断面積は光吸収断面積を再現することが予想されてい
た。しかしその精密な実験が行われるようになったのは
つい最近のことである。特にBrionらは、分子の光吸収
断面積を電子損失分光法により、60以上の論文をまとめ
ている。高速電子の前方方向での電子損失微分断面積が
光吸収断面積を再現するのであるから、内殻からのイオ
ン化に相当するだけのエネルギーロスを観測した場合、
勿論この方法でEXAFSやXANESが測定出来るようになる。
実際、この方法で透過法を用いて気相分子や遷移金
属、TiO2の薄膜のXANESが測定されている。この測定方
法では、シンクロトロン放射光を利用しないで、それと
比較して、ずっと安価にEXAFSやXANESが測定できる利点
をもつ。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来のシンクロトロン放射光によるEXAFSでは種々の
問題がある。例えば、変動部分の信号が弱いため極め
て強力な光源が必要である。単色光にして照射するこ
とが必要であり、そのため精密な単色化装置が不可欠で
ある。大気中でも測定可能であるが大気の吸収補正を
考慮する必要がある。そのため、光源に大きな施設を
伴い、非常に大規模な磁場を配置してエレクトロンを加
速するため、大型で且つ高価な装置となり、実験室のよ
うな場所で手軽に利用できるものがない。大規模な放射
光施設は、その運転に多くの人員を要するため、実施場
所、時間に課せられる制限が厳しく十分な研究が出来難
い。また、高速電子の電子顕微鏡を用いて損失スペクト
ル中のEXAFSを観測する方法は、試料を薄片化すること
が必要となり、高度な加工技術が要求される。
本発明は、上記の問題点を解決するものであって、小
型で手軽に利用できる反射電子エネルギー損失微細構造
測定方法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
そのために本発明の反射電子エネルギー損失微細構造
測定方法は、超高真空中に電子銃と、保持具上の固体試
料と、エネルギー分析器とを配置し、試料に電子ビーム
を入射させて試料の微細構造を測定する反射電子エネル
ギー損失微細構造測定装置に於いて、入射電子のエネル
ギーを1keV程度以上にするとともに、試料の表面情報に
富むデータを得べく、入射電子ビームを試料表面に対し
て小さな傾斜角度にて斜め入射させ、試料表面の前方に
散乱される非弾性散乱電子のみを捕集すべく、入射電子
ビームの入射点における試料表面の前方であって、か
つ、試料表面から上方に測ってほぼ十数度までの傾斜角
度で前方に散乱される非弾性散乱電子のみを検出し、非
弾性散乱電子のエネルギー損失スペクトルをイオン化損
失端から高損失側の領域で分析し、内殻励起のX線吸収
スペクトルにおける広域X線吸収微細構造、及びX線吸
収端近接微細構造を再現する情報を求めることを特徴と
する。
〔作用〕
本発明の反射電子エネルギー損失微細構造測定方法で
は、高速電子を試料表面に低入射角で入射せしめ、反射
電子のエネルギー損失を測定(小散乱角の電子のみを収
集)するので、内殻励起のX線吸収スペクトルと同等の
スペクトルを求めることができる。従って、そのスペク
トルに現れる振動成分(EXAFS)やX線吸収端近接微細
構造(XANES)を解析して、表面配置、電子状態などに
ついての情報を得ることができる。この場合、斜め入射
であることから、表面情報に敏感であり、強い短波長光
源を使用しなくても同等の情報が得られる。
〔実施例〕
以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。
第1図は本発明の反射電子エネルギー損失微細構造測
定方法に適用される装置の1実施例構成を示す図、第2
図は外部刺戟による微小構造での作用を説明するための
図、第3図は電子入射の幾何配置の例を示す図、第4図
は散乱角度と反射電子エネルギー損失との関係を説明す
るための図、第5図は高速電子の運動量移動の大きさを
説明するための図である。
第1図において、1は電子銃、2は集束コイル、3は
偏向コイル、4と5は観測窓、6は仕事関数測定器、7
は標準試料、8は測定試料、9はエネルギー分析器、10
はマニピユレータ、11は螢光板、12はエネルギー分析器
操作部、13は超高真空ポンプを示す。
電子銃1は、高輝度微焦点にして感度を高めるため例
えばFE GUNが採用される。マニピユレータ10は、軸の
まわりの回転、あおりのほか上下、左右の3次元移動が
可能で、測定試料8のセット位置及び角度を制御するも
のであり、これにより電子銃1から照射される電子ビー
ムの測定試料8に対する照射角度を調整する。エネルギ
ー分析器操作部12は、エネルギー分析器9を測定試料8
の周りで回転させるものであり、これによってエネルギ
ー分析器9の取出角を調整する。螢光板11は、測定試料
8の背後に配置され、エネルギー分析器9がエネルギー
分析器操作部12の操作に従って測定試料8の周りを回転
し測定試料8と螢光板11とを結ぶ直線上から退避したと
きその螢光面に測定試料8の回折パターンを写すもので
あり、これによりRHEED観測も同時に可能とする。超高
真空ポンプ13は、例えば主ポンプとしてスパタイオンポ
ンプ又はクライオポンプを用い、サブリメーションポン
プを併用して10-7Paもしくは好ましくはそれ以上の超高
真空を実現する。
本発明の反射電子エネルギー損失微細構造測定方法で
は、第1図に示すような装置により高速電子を測定試料
8の表面に低入射角で入射せしめ、エネルギー分析器9
で測定試料8の表面から反射する非弾性散乱電子のエネ
ルギー損失スペクトルを測定(小散乱角の電子のみを収
集)して、内殻励起のX線吸収スペクトルと同等のスペ
クトルを求める。そして、そのスペクトルに現れる振動
成分(EXAFS)やX線吸収端近接微細構造(XANES)を解
析して、表面配置、電子状態などについての情報を得
る。
まず、EXAFSの測定について説明する。物体に光を透
過させると、ある波長の光を吸収して出てくる光に色の
変化を生ずることがある。これは原子が共振状態になり
得る光のみを吸収することが原因である。X線(波長の
短い光)の入射を行ったときも同様な現象がおこるが、
くわしく観察すると、吸収がおこったときX線の波長を
かえると吸収量が大きくなったり小さくなったりして変
動する様子がみられる。この変動を吸収微細構造と云っ
ている。今、第2図に示すようにある1つの原子Aが外
部の刺戟(この場合、X線)を受けて持っている電子を
1つ投げ出したとき、隣の原子Bにあたって跳ね返って
くると考える。電子は波動の性格を備えており、そのた
めにAから放出された電子と1回Bで散乱されて戻って
くる電子波との干渉効果のために、原子固有の吸収構造
に微細構造があらわれる。この構造の変動の間隔と原子
の間の間隔とは比較的簡単な理論式で結びついていて、
EXAFSの実験データから原子間距離が算出される。
この場合、原子から規則配列して試料全体が単結晶に
なっているならば、勿論この方法は適用できる。また、
小範囲では、決まった原子配列だが、試料全体が整列状
態にない場合、例えば同じ形の小さいサイコロがきちん
と並んでいるのでなく、向きを揃えずバラまかれている
状態であったとしても、そのサイコロを形づくっている
粒子間の距離を求めることができる。
先に述べたようにEXAFSが吸収端から数百eVの広域に
わたる微細構造であるのに対し、吸収端近傍数十eVの範
囲の微細構造はEXAFSとは異なる原因によってあらわれ
る。EXAFSは外部の刺戟を受けて飛び出す電子のただ1
度だけの散乱によっておこるのに対し、XANESでは、電
子のエネルギーが小さいために、何度もまわりの原子か
ら跳ね返され、その複数回の散乱の干渉によっておこる
ため、EXAFSでは検出困難な軽い元素(C、N、Oな
ど)の位置を知るのに有利となる。このように光の代わ
りに電子を使う場合も同様で、EXAFSと並んでXANESの測
定にも軽元素を対象にすることができ、有機物、表面に
おける気体の吸着・脱離現象など、他の方法では困難な
材料や現象の解析に有効である。
電子の非弾性散乱で光吸収断面積を再現する条件は、
まず第1に、入射、散乱電子の運動エネルギーが十分大
きく、Born近似が使えることである。第2に、散乱電子
の運動量を 入射電子の運動量を とすると、高速電子の運動量移動 の大きさが、励起される内殻軌道の大きさとの積が1に
比べて小さいことである。
の大きさが一番小さくなるのは第5図からわかるように
前方散乱である。第3図は代表的な三つの幾何配置を示
したものであり、そのうち(a)、(b)が光吸収断面
積を再現する配置である。(a)は従来行われてきた
が、(b)の測定例は発明者等の知る限りでは見当たら
ない。(c)の配置でもイタリヤのグループが観測して
いるようにEXAFS状の変調をロススペクトルで観測して
いる。勿論、この場合EXAFSを解析する式をそのまま適
用出来ないが、局所的な幾何学的情報を含んでいる。
入射電子がエネルギーを一部失って散乱されてくると
き、そのエネルギー損失を検出する方法を一般に電子エ
ネルギー損失スペクトルの方法といっている。しかし、
ひと口にエネルギー損失スペクトルといってもその得よ
うとする物質評価の情報は実施条件で全く異なる。反射
電子のエネルギー損失は、散乱角度により第4図に示す
ような特性を有し、EXAFSを得るには、比較的高いエネ
ルギーで入射させた電子の散乱を小角散乱の範囲でとら
なければならない。
電子エネルギー損失スペクトルは、入射エネルギー
E0、得られる情報等によって次の三つの領域に分けるこ
とが出来る。
.低エネルギー領域(E010eV) 表面素励起(表面phonon励起、表面電子励起)の分
散、表面吸着種の振動等を調べるのに適している。これ
らの素励起は10meV(1meV=8cm-1)のオーダーであるの
で、それだけの分解能が必要である。例えば、COが金属
表面に吸着した時、CO伸縮振動の有無でCOが解離吸着か
どうかが判定できる。(CO伸縮振動がなければ解離吸
着) .中間エネルギー領域(E0〜100eV、LEED領域) 表面での電子励起、表面プラズモン励起を調べるのに
適している。これらの励起エネルギーは、1〜10eVのオ
ーダーであるのでそれぼど分解能は必要としない。励起
のモメントは双極子選択則ではないので光学的に禁制な
バンドも観測される。
.高エネルギー領域(E01keV) 古くはバルクプラズモンの研究に使われてきた。プラ
ズモンの分散、プラズモンによるエネルギー損失強度の
規則性がそれによって明らかになった。特に、高いエネ
ルギー領域では電子の波動関数を平面波で扱うボルン近
似が成立して、取り扱いがずっと容易になる。しかし、
この近似を用いても、一般の散乱角の非弾性散乱を解釈
するのは困難であるが、散乱角が充分小さい場合は、非
弾性散乱強度が丁度光学吸収強度を再現する。すなわ
ち、電気双極子選択則に従う。特に内絡からの励起を観
察すればEXAFSやXANESがシンクロトロン放射光を用いな
くても測定できるようになる。これらのデータを解析す
ることによって、励起原子の廻りの局所式な幾何構造や
電子構造についての情報を得ることが可能となる。散乱
角が大きい場合では、散乱強度が小さく且つまた電気双
極子近似が破れる。
第6図は仕事関数を測定するシステムの構成例を示す
図である。標準試料を測定試料に近づけて両者の距離を
周期的に変化させる。両者の電位が異なるときには交流
電流が流れ、この信号がプリアンプ21から位相検出器22
を通してDCアンプ27へ帰還され、積分器28で積分され
る。従って、この帰還により検出信号が0になったとき
の帰還量、すなわち積分器28の出力値が両者の電位差と
してレコーダ29に記録される。このように、仕事関数の
測定が可能になると、表面分極の状態を知ることができ
る。
以上のように本発明に係る反射電子エネルギー損失微
細構造測定方法は、高精度の表面解析を可能にし、触媒
材料や表面吸着物質等の表面原子間距離の決定、非晶質
シリコンやセラミックスにおける近接原子間隔の決定、
多層薄膜や表面改質層等の表面状態の研究その他の分野
に寄与できるものである。
なお、本発明は、種々の変形が可能であり、上記実施
例に限定されるものではない。例えば2つの測定試料を
向き合わせて同時マウントし、交互に測定できるように
するとともに、ピエゾ素子を利用して試料に振動を加え
高感度で信号検出を可能にしてもよい。
試料に振動を加えた状態で入射電子の散乱を行わせる
と、散乱強度が散乱角によって第4図に示す如く著しい
変わり方をするため、励振の振動に同期した信号変動を
検出する位相検波増幅器を用いることによって、高感度
で信号を取り出すことができる。角度変調法と呼ぶにふ
さわしいこの検出方法は、低角散乱の実験には極めて有
効である。
RHEEDの回折近傍における角度分散を測定する場合に
おいても、この方法を用いれば測定が容易であり、広く
電子エネルギーの損失分光での角度分解実験に適用でき
る点でも、従来行われていない新しい着想の有力手段で
ある。
さらに、試料の加振は、第6図に示されるようなケル
ビン法による表面電位の測定を行う上でも当然役立てる
ことができる。表面電位差に用いられる基準電極を試料
面に極めて接近させた位置で安定に振動を加えることが
できるため、この場合にも感度は著しく向上し、精度が
高められる。
さらに、電子銃に代えて電子源とイオン源とを一体化
した荷電粒子発生装置を取り付けることによって、イオ
ン散乱分光法により表面欠陥構造を知ることも可能にな
る。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、1k
eV程度以上のエネルギーを有する電子ビームを試料表面
に対して小さな傾斜角度にて照射し、その試料表面から
上方に測ってほぼ十数度までの傾斜角度範囲で前方に散
乱する非弾性散乱電子のみを捕集し、非弾性散乱電子の
エネルギー損失スペクトルをイオン化損失端から高損失
側の領域で分析し、広域X線吸収微細構造、及びX線吸
収端近傍構造を再現する情報を求めるよう構成してある
ので、試料表面から散乱される非弾性散乱電子のみのエ
ネルギー損失を測定することにより、内殻励起のX線吸
収スペクトルにおける広域X線吸収微細構造、及びX線
吸収端近傍微細構造を再現する情報を求めることが出来
る。そして、これらのデータを基礎データとして用い、
表面原子の原子間距離等を算出することが可能となる。
また、電子ビームを小さな傾斜角度にて入射させるた
め、表面情報に富むデータが得られて表面近傍の観測が
可能になる他、背面反射エネルギー損失分光方法に比
し、正確な広域X線吸収微細構造、及びX線吸収端近傍
微細構造の振動成分を与えることが出来る。さらに、電
子入射による測定を行うため、シンクロトロン放射光の
ような大規模施設が不要になり、簡易な電子源を備えた
小型装置ですむため、扱い易くなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の反射電子エネルギー損失微細構造測定
方法に適用される装置の1実施励構成を示す図、第2図
は外部刺戟による微小構造での作用を説明するための
図、第3図は電子入射の幾何配置の例を示す図、第4図
は散乱角度と反射電子エネルギー損失との関係を説明す
るための図、第5図は高速電子の運動量移動の大きさを
説明するための図、第6図は仕事関数を測定するシステ
ムの構成例を示す図である。 第1図において、1は電子銃、2は集束コイル、3は偏
向コイル、4と5は観測窓、6は仕事関数測定器、7は
標準試料、8は測定試料、9はエネルギー分析器、10は
マニピユレータ、11は螢光板、12はエネルギー分析器操
作部、13は超高真空ポンプ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超高真空中に電子銃と、保持具上の固体試
    料と、エネルギー分析器とを配置し、該試料に電子ビー
    ムを入射させて試料の微細構造を測定する反射電子エネ
    ルギー損失微細構造測定装置に於いて、 入射電子のエネルギーを1keV程度以上にするとともに、
    上記入射電子ビームを試料表面に対して小さな傾斜角度
    にて入射させ、 エネルギー分析器により、上記入射電子ビームの試料表
    面入射点の前方であって、かつ、該試料表面から上方に
    測ってほぼ十数度までの傾斜角度範囲で前方に散乱され
    る非弾性散乱電子を検出し、 上記検出した非弾性散乱電子のエネルギー損失スペクト
    ルから、イオン化損失端より高損失側数百eV程度の領域
    で、上記損失スペクトル中に表れる検出強度の振動的な
    変化を分析することにより、 内殻励起のX線吸収スペクトルにおける広域X線吸収微
    細構造、及びX線吸収端近接微細構造を再現する情報を
    求める ことを特徴とする反射電子エネルギー損失微細構造測定
    方法。
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