JPH08134538A - 耐食低合金鋼の製造方法 - Google Patents
耐食低合金鋼の製造方法Info
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- JPH08134538A JPH08134538A JP27542894A JP27542894A JPH08134538A JP H08134538 A JPH08134538 A JP H08134538A JP 27542894 A JP27542894 A JP 27542894A JP 27542894 A JP27542894 A JP 27542894A JP H08134538 A JPH08134538 A JP H08134538A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 酸性硫安、煙道・煙突の腐食環境において優
れた耐食性を示す鋼板の製造方法を提供する。 【構成】 強度、靱性、溶接性および耐食性を付与する
ため、所定の成分範囲に限定した鋳片を930〜130
0℃に加熱し、次いで熱間圧延し、冷却速度(C.
R.);C.R.min〜C.R.max(℃/分)の
範囲で冷却し、600℃〜Ac1 変態点温度で焼戻し処
理するか、またはAc3 変態点温度〜1000℃で焼な
らし処理後、600℃〜Ac1 変態点温度で焼戻し処理
することを特徴とする耐食低合金鋼の製造方法。ただし C.R.min=90/[wt.%Cr] C.R.m
ax=[wt.%C]
れた耐食性を示す鋼板の製造方法を提供する。 【構成】 強度、靱性、溶接性および耐食性を付与する
ため、所定の成分範囲に限定した鋳片を930〜130
0℃に加熱し、次いで熱間圧延し、冷却速度(C.
R.);C.R.min〜C.R.max(℃/分)の
範囲で冷却し、600℃〜Ac1 変態点温度で焼戻し処
理するか、またはAc3 変態点温度〜1000℃で焼な
らし処理後、600℃〜Ac1 変態点温度で焼戻し処理
することを特徴とする耐食低合金鋼の製造方法。ただし C.R.min=90/[wt.%Cr] C.R.m
ax=[wt.%C]
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸性硫安による腐食が
厳しい環境、天然ガス焚きボイラーにおける燃焼排気ガ
スの凝縮水による腐食が厳しい環境、および天然ガス焚
きボイラーの煙道・煙突の腐食環境において優れた耐食
性を示し、かつ優れた強度、靱性および溶接部特性を示
す鋼板の製造方法に関する。
厳しい環境、天然ガス焚きボイラーにおける燃焼排気ガ
スの凝縮水による腐食が厳しい環境、および天然ガス焚
きボイラーの煙道・煙突の腐食環境において優れた耐食
性を示し、かつ優れた強度、靱性および溶接部特性を示
す鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に火力発電所では、ボイラーで生じ
た燃焼排気ガスは、脱硫装置、脱硝装置、電気集塵機、
空気予熱器、煙道等の設備を通って煙突に至り、大気中
へ放出される。最近、火力発電所等において従来の石炭
・石油焚きに加えてLNG等の天然ガス焚きが増えてい
る。
た燃焼排気ガスは、脱硫装置、脱硝装置、電気集塵機、
空気予熱器、煙道等の設備を通って煙突に至り、大気中
へ放出される。最近、火力発電所等において従来の石炭
・石油焚きに加えてLNG等の天然ガス焚きが増えてい
る。
【0003】石油、石炭焚きのプラントの燃焼排気ガス
系統では、いずれの部位も硫酸露点腐食環境であった。
一方、天然ガスは、石油・石炭に比べて含有硫黄分が著
しく少なく、燃焼排気ガス中の水分含有量が高いことが
特徴で、クリーンエネルギーの一つと称されている。そ
れゆえ、天然ガス焚き化に伴い、煙突・煙道における腐
食環境は、従来の燃料中のSに起因する硫酸露点腐食環
境ではない下記に示す新たな腐食環境に多様化している
ことが本発明者らの調査で判明した。
系統では、いずれの部位も硫酸露点腐食環境であった。
一方、天然ガスは、石油・石炭に比べて含有硫黄分が著
しく少なく、燃焼排気ガス中の水分含有量が高いことが
特徴で、クリーンエネルギーの一つと称されている。そ
れゆえ、天然ガス焚き化に伴い、煙突・煙道における腐
食環境は、従来の燃料中のSに起因する硫酸露点腐食環
境ではない下記に示す新たな腐食環境に多様化している
ことが本発明者らの調査で判明した。
【0004】上記の燃焼排気ガス系統では、主に下記の
腐食による材料の劣化が生じ、メンテナンスのための設
備の一時停止など、操業上の課題となっている。 〔腐食環境I〕天然ガス焚きボイラー排気系における排
気ガスの凝縮水腐食 脱硝設備と煙道・煙突との間に設置される空気予熱器の
低温端部(被予熱空気入り側、燃焼排気ガス出側)で
は、空気予熱器エレメント(伝熱板)温度および燃焼排
気ガス温度が水露点以下となり、凝縮水を形成し、凝縮
水腐食環境となる。LNG焚きボイラーの燃焼排気ガス
中には、SO2 、Cl- イオン、CO2 、および多くの
水蒸気分を含むため、この凝縮水は、SO2 、Cl- イ
オン、CO 2 などを溶解した弱酸性(pH3.5〜5.
5)の凝縮水であり、腐食性が高い。
腐食による材料の劣化が生じ、メンテナンスのための設
備の一時停止など、操業上の課題となっている。 〔腐食環境I〕天然ガス焚きボイラー排気系における排
気ガスの凝縮水腐食 脱硝設備と煙道・煙突との間に設置される空気予熱器の
低温端部(被予熱空気入り側、燃焼排気ガス出側)で
は、空気予熱器エレメント(伝熱板)温度および燃焼排
気ガス温度が水露点以下となり、凝縮水を形成し、凝縮
水腐食環境となる。LNG焚きボイラーの燃焼排気ガス
中には、SO2 、Cl- イオン、CO2 、および多くの
水蒸気分を含むため、この凝縮水は、SO2 、Cl- イ
オン、CO 2 などを溶解した弱酸性(pH3.5〜5.
5)の凝縮水であり、腐食性が高い。
【0005】〔腐食環境II〕脱硝設備後段で生じる酸性
硫安腐食 重油、石炭、LNG焚きボイラーを有するプラント等で
は、環境保全を目的として、空気予熱器前段に脱硝設備
を設置するケースが増えている。この場合、脱硝装置か
らの未反応のNH3 と排ガス中のSO3 およびH2 Oと
の反応により酸性硫安が生成し、これが熱交換による温
度変化に伴って粘性の強い液相となり、空気予熱器の伝
熱鋼板に融着し、伝熱板を激しく腐食する。そのため、
一般の冷間圧延鋼板を伝熱板に使用すると寿命が3年程
度しかなく、メンテナンスコストの上昇や、伝熱板の腐
食による欠落、腐食生成物による空気予熱器の閉塞等が
大きな問題となっている 〔腐食環境 III〕天然ガス焚きボイラーの煙突・煙道に
おける腐食 煙突・煙道では、内面に付着した塩化物や硫酸塩などに
結露し、強酸、高塩化物濃度の濃厚電解質溶液が形成さ
れ、付着物と接触した鋼板表面が激しく腐食される。耐
硫酸露点腐食ステンレス鋼カタログ(新日本製鐵株式会
社カタログ、耐硫酸露点腐食ステンレス鋼YUS260
Cat.No.SS 109 ’91.1版)による
と、従来の硫酸露点腐食環境では、煙道内の付着物のp
Hが0.6〜1.6と極めて低いことが記されている。
一方、天然ガス焚きの煙道内に生じる濃厚電解質溶液p
Hは3.5〜5.5と前記pH値よりも高く、その腐食
性は硫酸露点腐食環境と比較すると穏やかなものの、溶
接構造用圧延鋼材(JISSM490など)の無塗装使
用では耐食性が不足するため、適用できないことが本発
明者らの調査で判明している。
硫安腐食 重油、石炭、LNG焚きボイラーを有するプラント等で
は、環境保全を目的として、空気予熱器前段に脱硝設備
を設置するケースが増えている。この場合、脱硝装置か
らの未反応のNH3 と排ガス中のSO3 およびH2 Oと
の反応により酸性硫安が生成し、これが熱交換による温
度変化に伴って粘性の強い液相となり、空気予熱器の伝
熱鋼板に融着し、伝熱板を激しく腐食する。そのため、
一般の冷間圧延鋼板を伝熱板に使用すると寿命が3年程
度しかなく、メンテナンスコストの上昇や、伝熱板の腐
食による欠落、腐食生成物による空気予熱器の閉塞等が
大きな問題となっている 〔腐食環境 III〕天然ガス焚きボイラーの煙突・煙道に
おける腐食 煙突・煙道では、内面に付着した塩化物や硫酸塩などに
結露し、強酸、高塩化物濃度の濃厚電解質溶液が形成さ
れ、付着物と接触した鋼板表面が激しく腐食される。耐
硫酸露点腐食ステンレス鋼カタログ(新日本製鐵株式会
社カタログ、耐硫酸露点腐食ステンレス鋼YUS260
Cat.No.SS 109 ’91.1版)による
と、従来の硫酸露点腐食環境では、煙道内の付着物のp
Hが0.6〜1.6と極めて低いことが記されている。
一方、天然ガス焚きの煙道内に生じる濃厚電解質溶液p
Hは3.5〜5.5と前記pH値よりも高く、その腐食
性は硫酸露点腐食環境と比較すると穏やかなものの、溶
接構造用圧延鋼材(JISSM490など)の無塗装使
用では耐食性が不足するため、適用できないことが本発
明者らの調査で判明している。
【0006】〔腐食環境I〕は燃焼排気ガスが水露点温
度以下になった場合に生じる凝縮水による腐食であり、
〔腐食環境II〕は脱硝設備がある場合の酸性硫安による
腐食であり、〔腐食環境 III〕は水露点温度以上の温度
において付着物中の含有水分中に腐食性物質が溶解した
濃厚電解質溶液による腐食である。〔腐食環境I〕と
〔腐食環境 III〕の腐食環境の違いの一つは塩化物イオ
ン濃度レベルであり、〔腐食環境I〕の腐食環境では高
々0.1%程度である一方、〔腐食環境 III〕の腐食環
境では最低5%以上の濃度となる。
度以下になった場合に生じる凝縮水による腐食であり、
〔腐食環境II〕は脱硝設備がある場合の酸性硫安による
腐食であり、〔腐食環境 III〕は水露点温度以上の温度
において付着物中の含有水分中に腐食性物質が溶解した
濃厚電解質溶液による腐食である。〔腐食環境I〕と
〔腐食環境 III〕の腐食環境の違いの一つは塩化物イオ
ン濃度レベルであり、〔腐食環境I〕の腐食環境では高
々0.1%程度である一方、〔腐食環境 III〕の腐食環
境では最低5%以上の濃度となる。
【0007】従来、〔腐食環境I〕および〔腐食環境I
I〕が懸念される部位では、鋼材としてステンレス鋼お
よび炭素鋼が使用されている。例えば、ステンレス鋼は
特開平1−165752号公報に示されるように、14
%以上のCrを添加した耐食性を有するフェライト系ス
テンレス鋼を使用するという方法があった。また、炭素
鋼は特開平1−306585号公報に示されるように、
炭素鋼に接する溶液に腐食抑制剤を注入することにより
腐食を抑制するという方法があった。さらに、ホーロー
被覆鋼板等を採用する方法があった(例えば、(財)省
エネルギーセンター、空気予熱器、p150)。これに
対して、本発明者らは既に〔腐食環境I〕において優れ
た耐食性を有する『耐凝縮水腐食性に優れた鋼板(特開
平6−158232号公報)』を提案した。これは、低
C、低S、Cr:7.0〜13.0%を含み、残部がF
eおよびその他の不純物からなることを特徴とし、ステ
ンレス鋼より安価で、かつ炭素鋼に比べて優れた耐食性
を有する鋼板である。
I〕が懸念される部位では、鋼材としてステンレス鋼お
よび炭素鋼が使用されている。例えば、ステンレス鋼は
特開平1−165752号公報に示されるように、14
%以上のCrを添加した耐食性を有するフェライト系ス
テンレス鋼を使用するという方法があった。また、炭素
鋼は特開平1−306585号公報に示されるように、
炭素鋼に接する溶液に腐食抑制剤を注入することにより
腐食を抑制するという方法があった。さらに、ホーロー
被覆鋼板等を採用する方法があった(例えば、(財)省
エネルギーセンター、空気予熱器、p150)。これに
対して、本発明者らは既に〔腐食環境I〕において優れ
た耐食性を有する『耐凝縮水腐食性に優れた鋼板(特開
平6−158232号公報)』を提案した。これは、低
C、低S、Cr:7.0〜13.0%を含み、残部がF
eおよびその他の不純物からなることを特徴とし、ステ
ンレス鋼より安価で、かつ炭素鋼に比べて優れた耐食性
を有する鋼板である。
【0008】また、〔腐食環境 III〕が懸念される煙突
や煙道の内面には筒身を保護するためにキャスタブル等
の無機系材料を主体としたライニングが施されている例
(三菱重工技報、vol.27.No.5、1990−
9)が主流であった。一方、無機系のライニング材の代
わりに、耐硫酸露点腐食低合金鋼を煙突内筒や煙道に適
用する例も多い(新日本製鐵株式会社カタログ、耐硫酸
露点腐食鋼S−TENCat.No.AC107 ’9
2.7版)。また同様に、メンテナンスフリー化を目的
として、煙突用ライニング材として優れた耐食性を有す
るオーステナイト系ステンレス鋼が開発され(新日本製
鐵株式会社カタログ、耐硫酸露点腐食ステンレス鋼YU
S260 Cat.No.SS 109 ’91.1
版)、実用化されている。
や煙道の内面には筒身を保護するためにキャスタブル等
の無機系材料を主体としたライニングが施されている例
(三菱重工技報、vol.27.No.5、1990−
9)が主流であった。一方、無機系のライニング材の代
わりに、耐硫酸露点腐食低合金鋼を煙突内筒や煙道に適
用する例も多い(新日本製鐵株式会社カタログ、耐硫酸
露点腐食鋼S−TENCat.No.AC107 ’9
2.7版)。また同様に、メンテナンスフリー化を目的
として、煙突用ライニング材として優れた耐食性を有す
るオーステナイト系ステンレス鋼が開発され(新日本製
鐵株式会社カタログ、耐硫酸露点腐食ステンレス鋼YU
S260 Cat.No.SS 109 ’91.1
版)、実用化されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記〔腐食環境I〕お
よび〔腐食環境II〕における損失を防ぐ上で、特開平1
−165752号公報およびホーロー被覆鋼板を採用す
る方法では、コストおよび加工性・溶接性の点で普通鋼
に比べて劣るという問題があった。一方、特開平1−3
06585号公報の方法は、熱交換器内に溶液が循環し
ている場合にのみ適用でき、燃焼排気ガスの凝縮水によ
る腐食を抑制できない点で問題があった。
よび〔腐食環境II〕における損失を防ぐ上で、特開平1
−165752号公報およびホーロー被覆鋼板を採用す
る方法では、コストおよび加工性・溶接性の点で普通鋼
に比べて劣るという問題があった。一方、特開平1−3
06585号公報の方法は、熱交換器内に溶液が循環し
ている場合にのみ適用でき、燃焼排気ガスの凝縮水によ
る腐食を抑制できない点で問題があった。
【0010】また、特開平6−158232号公報の耐
凝縮水腐食性に優れた鋼板では、強度、靱性および溶接
性など、耐食性以外の特性を考慮しておらず、実用部材
として使用する際には、利用加工特性の向上といった課
題があった。前記〔腐食環境 III〕における損失を防ぐ
上で、前記の煙突・煙道内面を無機系材料でライニング
する方法では、排ガス中の腐食性成分や熱によるライニ
ングの経年劣化が生じるため、劣化状況に応じたメンテ
ナンスが必要となり、相当の費用と期間を要している。
また、メンテナンスによるプラントの操業停止により、
多大の損失を招くこともある。
凝縮水腐食性に優れた鋼板では、強度、靱性および溶接
性など、耐食性以外の特性を考慮しておらず、実用部材
として使用する際には、利用加工特性の向上といった課
題があった。前記〔腐食環境 III〕における損失を防ぐ
上で、前記の煙突・煙道内面を無機系材料でライニング
する方法では、排ガス中の腐食性成分や熱によるライニ
ングの経年劣化が生じるため、劣化状況に応じたメンテ
ナンスが必要となり、相当の費用と期間を要している。
また、メンテナンスによるプラントの操業停止により、
多大の損失を招くこともある。
【0011】また、前記の耐硫酸露点腐食低合金鋼や耐
硫酸露点腐食ステンレス鋼は、いずれも石油・石炭焚き
で懸念される硫酸露点腐食対策として提案されたもの
で、天然ガス焚きの煙突・煙道において適用した場合、
下記の課題が生じている。第一に、前記の耐硫酸露点腐
食低合金鋼の内筒への適用では、燃料の天然ガス化に伴
い、腐食環境が前記のように硫酸露点腐食環境から濃厚
電解質溶液腐食環境へ変化したため、硫酸露点腐食環境
において生成する保護性の皮膜が生成しないというメカ
ニズムにより、十分な耐食性を発揮しないといった課題
があった。
硫酸露点腐食ステンレス鋼は、いずれも石油・石炭焚き
で懸念される硫酸露点腐食対策として提案されたもの
で、天然ガス焚きの煙突・煙道において適用した場合、
下記の課題が生じている。第一に、前記の耐硫酸露点腐
食低合金鋼の内筒への適用では、燃料の天然ガス化に伴
い、腐食環境が前記のように硫酸露点腐食環境から濃厚
電解質溶液腐食環境へ変化したため、硫酸露点腐食環境
において生成する保護性の皮膜が生成しないというメカ
ニズムにより、十分な耐食性を発揮しないといった課題
があった。
【0012】第二に、前記の耐硫酸露点腐食ステンレス
鋼でライニングする方法では、コストが高いといった課
題があった。本発明は、かかる問題点を解決するために
なされたもので、低C、かつ中Cr系の鋼板として、ス
テンレス鋼より安価で、かつ前記のいずれの腐食環境に
おいても炭素鋼に比して3倍以上の耐食性を示し、かつ
構造部材として強度、靱性、溶接性に優れた鋼材の製造
方法を提供することを目的とするものである。
鋼でライニングする方法では、コストが高いといった課
題があった。本発明は、かかる問題点を解決するために
なされたもので、低C、かつ中Cr系の鋼板として、ス
テンレス鋼より安価で、かつ前記のいずれの腐食環境に
おいても炭素鋼に比して3倍以上の耐食性を示し、かつ
構造部材として強度、靱性、溶接性に優れた鋼材の製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
とするところは下記のとおりである。 (1)重量(%)でC:0.03〜0.09%、Si:
0.05〜0.5%、Mn:0.2〜1.6%、S:
0.007%以下、Cr:3.0〜9.0%を含み、残
部がFeおよびその他の不純物からなる鋳片を、930
〜1300℃に加熱し、熱間圧延した後、800〜50
0℃間を冷却速度(C.R.);C.R.min〜C.
R.max(°C/分)の範囲で冷却し、600℃〜A
c1 変態点温度で焼戻し処理するか、あるいはAc3 変
態点温度〜1000℃で焼ならし処理後600℃〜Ac
1 変態点温度で焼戻し処理することを特徴とする耐食低
合金鋼の製造方法。
とするところは下記のとおりである。 (1)重量(%)でC:0.03〜0.09%、Si:
0.05〜0.5%、Mn:0.2〜1.6%、S:
0.007%以下、Cr:3.0〜9.0%を含み、残
部がFeおよびその他の不純物からなる鋳片を、930
〜1300℃に加熱し、熱間圧延した後、800〜50
0℃間を冷却速度(C.R.);C.R.min〜C.
R.max(°C/分)の範囲で冷却し、600℃〜A
c1 変態点温度で焼戻し処理するか、あるいはAc3 変
態点温度〜1000℃で焼ならし処理後600℃〜Ac
1 変態点温度で焼戻し処理することを特徴とする耐食低
合金鋼の製造方法。
【0014】ただし、 C.R.min=90/〔wt.%Cr〕 C.R.max=60/〔wt.%C〕 (2)重量(%)でAl:0.005〜0.1%、C
u:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜2.0%、
Mo:0.05〜2.0%、Nb:0.005〜0.1
%、V:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜
0.1%、Ca:0.0005〜0.01%、B:0.
0005〜0.005%のうち少なくとも1種を含有す
ることを特徴とする前項(1)記載の耐食低合金鋼の製
造方法。
u:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜2.0%、
Mo:0.05〜2.0%、Nb:0.005〜0.1
%、V:0.005〜0.1%、Ti:0.005〜
0.1%、Ca:0.0005〜0.01%、B:0.
0005〜0.005%のうち少なくとも1種を含有す
ることを特徴とする前項(1)記載の耐食低合金鋼の製
造方法。
【0015】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。まず、本発明
において耐食低合金鋼とは、優れた強度、靱性、溶接性
を有し、かつ溶融酸性硫安腐食環境および天然ガス焚き
ボイラー煙道・煙突の腐食環境のいずれにおいても優れ
た耐食性を示す鋼板をいう。
において耐食低合金鋼とは、優れた強度、靱性、溶接性
を有し、かつ溶融酸性硫安腐食環境および天然ガス焚き
ボイラー煙道・煙突の腐食環境のいずれにおいても優れ
た耐食性を示す鋼板をいう。
【0016】以下に本発明における限定理由を説明す
る。本発明の限定要件は上記したとおり、低C、低S、
低Mn、中Cr:3.0〜9.0%の成分からなること
が必須である。つまり、低〔C〕化によりFe3 Cの析
出量を抑制してカソード活性サイトを減少させる効果
と、低〔S〕、低〔Mn〕化によってCl- イオンに対
するFeおよびCrの含水酸化物からなる皮膜の抵抗性
を弱めるMnSの生成抑制効果と、中〔Cr〕化による
鋼表面の保護皮膜の形成の効果との相乗効果により、鋼
板自身の耐食性が向上し、他の防食措置を施すことな
く、耐食低合金鋼が得られる。なお、上記の耐食性向上
機構は、溶融酸性硫安腐食環境および天然ガス焚きボイ
ラー煙道・煙突の腐食環境のいずれにおいても作用す
る。
る。本発明の限定要件は上記したとおり、低C、低S、
低Mn、中Cr:3.0〜9.0%の成分からなること
が必須である。つまり、低〔C〕化によりFe3 Cの析
出量を抑制してカソード活性サイトを減少させる効果
と、低〔S〕、低〔Mn〕化によってCl- イオンに対
するFeおよびCrの含水酸化物からなる皮膜の抵抗性
を弱めるMnSの生成抑制効果と、中〔Cr〕化による
鋼表面の保護皮膜の形成の効果との相乗効果により、鋼
板自身の耐食性が向上し、他の防食措置を施すことな
く、耐食低合金鋼が得られる。なお、上記の耐食性向上
機構は、溶融酸性硫安腐食環境および天然ガス焚きボイ
ラー煙道・煙突の腐食環境のいずれにおいても作用す
る。
【0017】まず、合金元素含有量を前記範囲に限定し
た理由を述べる。Cは低いほど耐食性が良いが、一方、
δフェライトの生成を抑制して靱性を向上させる。その
ためには、Cは0.03%以上が必要であるが、0.0
9%を超えるとFe3 Cの析出量増加によりカソード活
性サイトが増加して耐食性が著しく劣化するともに溶接
性が低下するため、その範囲を0.03〜0.09%と
した。
た理由を述べる。Cは低いほど耐食性が良いが、一方、
δフェライトの生成を抑制して靱性を向上させる。その
ためには、Cは0.03%以上が必要であるが、0.0
9%を超えるとFe3 Cの析出量増加によりカソード活
性サイトが増加して耐食性が著しく劣化するともに溶接
性が低下するため、その範囲を0.03〜0.09%と
した。
【0018】Siは製鋼時の脱酸元素として添加する
が、0.05%未満では溶鋼の粘性が高くなり鋳造性お
よび溶接ビードの形状が不安定となる。一方、0.5%
を超えると靱性および耐食性が劣化するので、その量を
0.05〜0.5%とした。Mnは鋼中不純物として存
在するSをMnSとして固定するために添加するが、
0.2%未満では十分な効果が得られない。また、1.
6%を超えるとMn偏析が顕著となり靱性および加工性
が劣化するので、0.2〜1.6%とした。
が、0.05%未満では溶鋼の粘性が高くなり鋳造性お
よび溶接ビードの形状が不安定となる。一方、0.5%
を超えると靱性および耐食性が劣化するので、その量を
0.05〜0.5%とした。Mnは鋼中不純物として存
在するSをMnSとして固定するために添加するが、
0.2%未満では十分な効果が得られない。また、1.
6%を超えるとMn偏析が顕著となり靱性および加工性
が劣化するので、0.2〜1.6%とした。
【0019】Crは鋼表面に耐食性に優れたFeおよび
Crの含水酸化物からなる皮膜を生成して鋼の耐食性を
向上させるが、その効果は3.0%以上で認められる。
一方、9.0%を超えると溶接性および加工性が劣化す
るばかりでなく、δフェライトが生成して靱性が低下
し、かつコストアップとなるので、その量を3.0〜
9.0%とした。
Crの含水酸化物からなる皮膜を生成して鋼の耐食性を
向上させるが、その効果は3.0%以上で認められる。
一方、9.0%を超えると溶接性および加工性が劣化す
るばかりでなく、δフェライトが生成して靱性が低下
し、かつコストアップとなるので、その量を3.0〜
9.0%とした。
【0020】Sは鋼中不純物として存在するが、その量
が多くなると硫化物を形成し、Cl - イオンに対するF
eおよびCrの含水酸化物からなる皮膜の抵抗を弱める
MnSが増加して耐食性を著しく悪化させるので、0.
007%以下とした。また、Sは硫化物を形成すると靱
性も低下させるので、できるだけ低いほうが望ましい。
が多くなると硫化物を形成し、Cl - イオンに対するF
eおよびCrの含水酸化物からなる皮膜の抵抗を弱める
MnSが増加して耐食性を著しく悪化させるので、0.
007%以下とした。また、Sは硫化物を形成すると靱
性も低下させるので、できるだけ低いほうが望ましい。
【0021】さらに、必要に応じて添加されるAlは、
製鋼時の脱酸元素として添加するが、0.005%未満
では脱酸効果が少なく、靱性を劣化させる。一方、0.
1%を超えると母材およびHAZ部の靱性が劣化するの
で、その量を0.005〜0.1%とした。また、Cu
は耐食性をさらに向上させる元素である。その効果は
0.05%以上で現れるが、あまり多く添加するとCu
の微細析出が鋼中に生じ、鋼表面においてミクロな電池
を形成するため、鋼の腐食を促進する。この腐食促進が
顕著になるのは1.0%を超える場合であり、本発明で
はその量を0.05〜1.0%とした。
製鋼時の脱酸元素として添加するが、0.005%未満
では脱酸効果が少なく、靱性を劣化させる。一方、0.
1%を超えると母材およびHAZ部の靱性が劣化するの
で、その量を0.005〜0.1%とした。また、Cu
は耐食性をさらに向上させる元素である。その効果は
0.05%以上で現れるが、あまり多く添加するとCu
の微細析出が鋼中に生じ、鋼表面においてミクロな電池
を形成するため、鋼の腐食を促進する。この腐食促進が
顕著になるのは1.0%を超える場合であり、本発明で
はその量を0.05〜1.0%とした。
【0022】また、Niは0.05%以上添加すると耐
食性を向上させる上で有効な元素であるが、2.0%を
超えるとその効果が飽和するとともに、コストアップの
原因となるので、その量を0.05〜2.0%とした。
また、Moは、0.05%以上添加すると耐孔食性を向
上させる有用な元素であるが、その効果が2.0%超で
は飽和することから、0.05〜2.0%とした。
食性を向上させる上で有効な元素であるが、2.0%を
超えるとその効果が飽和するとともに、コストアップの
原因となるので、その量を0.05〜2.0%とした。
また、Moは、0.05%以上添加すると耐孔食性を向
上させる有用な元素であるが、その効果が2.0%超で
は飽和することから、0.05〜2.0%とした。
【0023】Ti、Nb、Vは、それぞれ0.005%
以上添加すると、C、Nを固定してC、Nによる強度上
昇を抑制し、加工性を確保するのに有効である。一方、
それぞれ0.1%を超えて添加すると、δフェライトが
析出して靱性が低下するので、Ti、Nb、Vはそれぞ
れ0.005〜0.1%とした。また、Caは0.00
05%以上添加すると、鋼表面の水素イオン活量の上昇
を抑制するため耐食性に有効な元素であり、その効果は
0.01%で十分なので0.0005〜0.01%とし
た。
以上添加すると、C、Nを固定してC、Nによる強度上
昇を抑制し、加工性を確保するのに有効である。一方、
それぞれ0.1%を超えて添加すると、δフェライトが
析出して靱性が低下するので、Ti、Nb、Vはそれぞ
れ0.005〜0.1%とした。また、Caは0.00
05%以上添加すると、鋼表面の水素イオン活量の上昇
を抑制するため耐食性に有効な元素であり、その効果は
0.01%で十分なので0.0005〜0.01%とし
た。
【0024】また、Bは0.0005%以上添加する
と、低C、低Mn化による強度低下を補完する効果に加
え、鋼表面の保護皮膜のカソード還元溶解速度を抑制す
るというメカニズムにより鋼表面の保護皮膜の保護機能
をさらに向上させる。また、HAZの組織を微細化し、
HAZの靱性を向上させる。一方、0.005%を超え
て添加すると溶接性が低下するので、0.0005〜
0.005%とした。
と、低C、低Mn化による強度低下を補完する効果に加
え、鋼表面の保護皮膜のカソード還元溶解速度を抑制す
るというメカニズムにより鋼表面の保護皮膜の保護機能
をさらに向上させる。また、HAZの組織を微細化し、
HAZの靱性を向上させる。一方、0.005%を超え
て添加すると溶接性が低下するので、0.0005〜
0.005%とした。
【0025】さらに、鋼板の製造方法として、熱間圧延
および熱処理を施す。圧延加熱温度は、1300℃を超
えるとオーステナイト粒が粗大化して靱性が低下し、ま
た930℃より低いと十分なオーステナイト化が達成で
きないため、その範囲を930〜1300℃とした。通
常、熱処理は所要の強度−靱性−溶接性を調整、確保す
るために施されるが、本発明では、熱間圧延後の冷却速
度を最適化することにより、強度、靱性、溶接性だけで
なく、耐食性も含めて各々の特性をバランス良く向上で
きる点が特徴である。冷却速度が下限値未満であると、
フェライト−パーライト組織分率が上昇するとともに結
晶粒が粗大化することにより強度および靱性が低下し、
さらに粒界偏析が助長されて粒界上の皮膜が脆弱となる
ため耐食性も低下する。一方、冷却速度が上限値超であ
ると、組織がマルテンサイト主体となることにより強度
の過度の上昇、靱性の低下および最高硬さの上昇を招
き、さらに鋼表面に形成される皮膜中に十分Crが濃化
しないことにより耐食性が低下する。本発明者らの研究
の結果、800〜500℃の間の冷却速度の下限値
(C.R.min)は鋼中のCr含有率(重量%)で、
また上限値(C.R.max)は鋼中のC含有率で整理
でき、それぞれ、 C.R.min=90/〔wt.%Cr〕 C.R.max=60/〔wt.C%〕 で表記できることを見出した。それゆえ、冷却速度は、
前記C.R.min〜C.R.maxとした。なお、冷
却方法は、炉冷、空冷、油冷、水冷などいずれの方法で
もよい。
および熱処理を施す。圧延加熱温度は、1300℃を超
えるとオーステナイト粒が粗大化して靱性が低下し、ま
た930℃より低いと十分なオーステナイト化が達成で
きないため、その範囲を930〜1300℃とした。通
常、熱処理は所要の強度−靱性−溶接性を調整、確保す
るために施されるが、本発明では、熱間圧延後の冷却速
度を最適化することにより、強度、靱性、溶接性だけで
なく、耐食性も含めて各々の特性をバランス良く向上で
きる点が特徴である。冷却速度が下限値未満であると、
フェライト−パーライト組織分率が上昇するとともに結
晶粒が粗大化することにより強度および靱性が低下し、
さらに粒界偏析が助長されて粒界上の皮膜が脆弱となる
ため耐食性も低下する。一方、冷却速度が上限値超であ
ると、組織がマルテンサイト主体となることにより強度
の過度の上昇、靱性の低下および最高硬さの上昇を招
き、さらに鋼表面に形成される皮膜中に十分Crが濃化
しないことにより耐食性が低下する。本発明者らの研究
の結果、800〜500℃の間の冷却速度の下限値
(C.R.min)は鋼中のCr含有率(重量%)で、
また上限値(C.R.max)は鋼中のC含有率で整理
でき、それぞれ、 C.R.min=90/〔wt.%Cr〕 C.R.max=60/〔wt.C%〕 で表記できることを見出した。それゆえ、冷却速度は、
前記C.R.min〜C.R.maxとした。なお、冷
却方法は、炉冷、空冷、油冷、水冷などいずれの方法で
もよい。
【0026】焼戻し温度は、600℃未満であると靱性
が低下し、Ac1 変態点温度超であると強度が不足する
ため、600℃〜Ac1 変態点温度に限定した。焼なら
し温度は、Ac3 変態点温度より低いと強度が不足し、
1000℃を超えると靱性が低下するので、Ac3 変態
点温度〜1000℃に限定した。熱間圧延後の熱処理
は、熱間圧延−焼ならし−焼戻し、または熱間圧延−焼
戻し、のいずれの製造方法でも所要の強度・靱性が得ら
れる。
が低下し、Ac1 変態点温度超であると強度が不足する
ため、600℃〜Ac1 変態点温度に限定した。焼なら
し温度は、Ac3 変態点温度より低いと強度が不足し、
1000℃を超えると靱性が低下するので、Ac3 変態
点温度〜1000℃に限定した。熱間圧延後の熱処理
は、熱間圧延−焼ならし−焼戻し、または熱間圧延−焼
戻し、のいずれの製造方法でも所要の強度・靱性が得ら
れる。
【0027】以下、本発明の効果を実施例によりさらに
具体的に示す。
具体的に示す。
【0028】
【実施例】50kg真空溶解炉において、表1、表2
(表1のつづき−1)および表3(表1のつづき−2)
に示す化学成分に調整したインゴットを厚さ25mmに
熱間圧延し、加速冷却により800〜500℃間を、表
4、表5(表4のつづき−1)、表6(表4のつづき−
2)、表7(表4のつづき−3)および表8(表4のつ
づき−4)に示す所定の冷却速度で冷却した後、焼なら
し−焼戻し処理、または焼戻し処理を施して鋼板を作成
した。母材の一部から、20φ×360mmLのJIS
4号引張試験片、100mm×100mm×5mmtの
腐食試験片および2mmVノッチシャルピー試験片を加
工した。また、鋼板の一部から、炭酸ガス溶接によって
継手を作成した。さらに、継手部から、フュージョンラ
インから2mmの溶接熱影響部にノッチを入れた2mm
Vノッチシャルピー試験片を加工した。
(表1のつづき−1)および表3(表1のつづき−2)
に示す化学成分に調整したインゴットを厚さ25mmに
熱間圧延し、加速冷却により800〜500℃間を、表
4、表5(表4のつづき−1)、表6(表4のつづき−
2)、表7(表4のつづき−3)および表8(表4のつ
づき−4)に示す所定の冷却速度で冷却した後、焼なら
し−焼戻し処理、または焼戻し処理を施して鋼板を作成
した。母材の一部から、20φ×360mmLのJIS
4号引張試験片、100mm×100mm×5mmtの
腐食試験片および2mmVノッチシャルピー試験片を加
工した。また、鋼板の一部から、炭酸ガス溶接によって
継手を作成した。さらに、継手部から、フュージョンラ
インから2mmの溶接熱影響部にノッチを入れた2mm
Vノッチシャルピー試験片を加工した。
【0029】引張試験で引張強度を調査した。シャルピ
ー試験では0℃の吸収エネルギーを母材および溶接熱影
響部のそれぞれについて調査し、溶接熱影響部について
は、溶接硬化性の指標となる溶接熱影響部最高硬さの測
定も行った。腐食試験は下記のIおよびIIの実験室腐食
試験、III ,IVの実環境暴露試験をそれぞれ実施した。
試験結果を表4〜表8に示す。
ー試験では0℃の吸収エネルギーを母材および溶接熱影
響部のそれぞれについて調査し、溶接熱影響部について
は、溶接硬化性の指標となる溶接熱影響部最高硬さの測
定も行った。腐食試験は下記のIおよびIIの実験室腐食
試験、III ,IVの実環境暴露試験をそれぞれ実施した。
試験結果を表4〜表8に示す。
【0030】〔試験I〕酸性硫安腐食試験 溶融酸性硫安浴における浸漬腐食試験を250℃、50
0時間行い、温硫酸で酸洗、除錆後、重量減少を測定
し、腐食度を求めた。 〔試験II〕模擬付着物内埋没腐食試験 この試験は、ボイラーの定常運転時を想定し、付着物中
の水分に腐食性物質が溶解した濃厚電解質腐食環境にお
ける耐孔食性を評価することを目的とした。実煙突内面
の模擬付着物複合塩を試験ビーカー内に入れ、複合塩中
に試験片全体を埋没させ、試験ビーカーを恒温恒湿槽に
入れて温度80℃、湿度80%に保持し、試験開始6ヵ
月後に、試験片を取り出して最大孔食深さを測定し、耐
食性を評価した。
0時間行い、温硫酸で酸洗、除錆後、重量減少を測定
し、腐食度を求めた。 〔試験II〕模擬付着物内埋没腐食試験 この試験は、ボイラーの定常運転時を想定し、付着物中
の水分に腐食性物質が溶解した濃厚電解質腐食環境にお
ける耐孔食性を評価することを目的とした。実煙突内面
の模擬付着物複合塩を試験ビーカー内に入れ、複合塩中
に試験片全体を埋没させ、試験ビーカーを恒温恒湿槽に
入れて温度80℃、湿度80%に保持し、試験開始6ヵ
月後に、試験片を取り出して最大孔食深さを測定し、耐
食性を評価した。
【0031】〔試験 III〕実煙突・煙道内暴露試験 天然ガス焚き火力発電所の煙突・煙道内で腐食環境とし
て最も厳しい煙突頂部内面に試験片を取り付け、試験開
始2年後に試験片を取り外して最大孔食深さを測定し、
耐食性を評価した。 〔試験IV〕空気予熱器低温端部暴露試験 脱硝設備と煙道・煙突との間に設置される空気予熱器の
低温端部(被予熱空気入り側、燃焼排気ガス出側)で
は、空気予熱器エレメント(伝熱板)温度および燃焼排
気ガス温度が水露点以下となり、凝縮水を形成し、凝縮
水腐食環境となる。そこで、空気予熱器低温端部の梁に
試験を取り付け、試験開始後2年後に試験片を取り外し
て、温硫酸で酸洗、除錆後、重量減少を測定して腐食度
を求め、耐食性を評価した。
て最も厳しい煙突頂部内面に試験片を取り付け、試験開
始2年後に試験片を取り外して最大孔食深さを測定し、
耐食性を評価した。 〔試験IV〕空気予熱器低温端部暴露試験 脱硝設備と煙道・煙突との間に設置される空気予熱器の
低温端部(被予熱空気入り側、燃焼排気ガス出側)で
は、空気予熱器エレメント(伝熱板)温度および燃焼排
気ガス温度が水露点以下となり、凝縮水を形成し、凝縮
水腐食環境となる。そこで、空気予熱器低温端部の梁に
試験を取り付け、試験開始後2年後に試験片を取り外し
て、温硫酸で酸洗、除錆後、重量減少を測定して腐食度
を求め、耐食性を評価した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】比較例39は、従来材として多く使用され
ている市販の溶接構造用圧延鋼材(SM400B)であ
る。比較例39の腐食率を1.00として腐食率を求め
た結果を表4〜表8に示す。1〜38は本発明例であ
り、全ての腐食試験の中で腐食率が最大でも0.21で
あるのに比して、39〜65の比較例のうち、強度、母
材靱性、継手靱性および溶接硬化性のいずれも優れた比
較例の中で、最も優れた比較例44でも0.65で、本
発明例は比較例に比し、少なくとも3倍以上の耐食性を
示している。
ている市販の溶接構造用圧延鋼材(SM400B)であ
る。比較例39の腐食率を1.00として腐食率を求め
た結果を表4〜表8に示す。1〜38は本発明例であ
り、全ての腐食試験の中で腐食率が最大でも0.21で
あるのに比して、39〜65の比較例のうち、強度、母
材靱性、継手靱性および溶接硬化性のいずれも優れた比
較例の中で、最も優れた比較例44でも0.65で、本
発明例は比較例に比し、少なくとも3倍以上の耐食性を
示している。
【0041】表4〜表8から明らかなように、本発明例
である1〜38は強度、母材および継手靱性、溶接硬化
性、耐酸性硫安腐食性、耐模擬付着物耐食性、実煙突・
煙道内での耐食性および耐凝縮水腐食性ともに良好であ
る。比較例40は、Cが下限値未満であるため強度が不
足し、かつδフェライトが生成して靱性が低下してい
る。
である1〜38は強度、母材および継手靱性、溶接硬化
性、耐酸性硫安腐食性、耐模擬付着物耐食性、実煙突・
煙道内での耐食性および耐凝縮水腐食性ともに良好であ
る。比較例40は、Cが下限値未満であるため強度が不
足し、かつδフェライトが生成して靱性が低下してい
る。
【0042】比較例41は、Cが上限値超であるため最
高硬さが上昇して溶接性が低下し、かつ耐食性が低下し
ている。比較例42は、Siが下限値未満であるため溶
接ビード形状が安定せず、HAZの靱性が低下してい
る。比較例43は、Siが上限値超であるため靱性およ
び耐食性が低下している。
高硬さが上昇して溶接性が低下し、かつ耐食性が低下し
ている。比較例42は、Siが下限値未満であるため溶
接ビード形状が安定せず、HAZの靱性が低下してい
る。比較例43は、Siが上限値超であるため靱性およ
び耐食性が低下している。
【0043】比較例44は、Mnが下限値未満であるた
め強度が不足し、かつ鋼中のSをMnSとして十分に固
定できていないため、耐食性が低下している。比較例4
5は、Mnが上限値超であるためMn偏析が顕著とな
り、靱性が低下している。比較例46は、Crが下限値
未満であるため鋼材表面に形成される含水酸化物からな
る皮膜にCrが十分濃縮しないため、耐食性が低下して
いる。
め強度が不足し、かつ鋼中のSをMnSとして十分に固
定できていないため、耐食性が低下している。比較例4
5は、Mnが上限値超であるためMn偏析が顕著とな
り、靱性が低下している。比較例46は、Crが下限値
未満であるため鋼材表面に形成される含水酸化物からな
る皮膜にCrが十分濃縮しないため、耐食性が低下して
いる。
【0044】比較例47は、Crが上限値超であるため
δフェライトが析出し、靱性が低下している。また、最
高硬さが上昇し、溶接性が低下している。比較例48
は、Sが上限値超であるため硫化物を形成し、耐食性お
よび靱性が低下している。比較例49は、Alが下限値
未満であるため、脱酸効果が少なく、靱性が低下してい
る。
δフェライトが析出し、靱性が低下している。また、最
高硬さが上昇し、溶接性が低下している。比較例48
は、Sが上限値超であるため硫化物を形成し、耐食性お
よび靱性が低下している。比較例49は、Alが下限値
未満であるため、脱酸効果が少なく、靱性が低下してい
る。
【0045】比較例50は、Alが上限値超であるため
介在物が形成され、靱性が低下している。比較例51
は、Cuが下限値未満であるため、本発明例8と比較す
ると耐食性のさらなる向上は認められない。比較例52
は、Cuが上限値超であるため本発明例9と比較すると
耐食性が低下している。
介在物が形成され、靱性が低下している。比較例51
は、Cuが下限値未満であるため、本発明例8と比較す
ると耐食性のさらなる向上は認められない。比較例52
は、Cuが上限値超であるため本発明例9と比較すると
耐食性が低下している。
【0046】比較例53は、Niが下限値未満であるた
め、本発明例10と比較すると耐食性のさらなる向上は
認められない。比較例54は、Niが上限値超であるた
め、本発明例11と比較すると耐食性のさらなる向上が
認められない。比較例55は、Moが下限値未満である
ため、本発明例12と比較すると耐食性のさらなる向上
は認められない。
め、本発明例10と比較すると耐食性のさらなる向上は
認められない。比較例54は、Niが上限値超であるた
め、本発明例11と比較すると耐食性のさらなる向上が
認められない。比較例55は、Moが下限値未満である
ため、本発明例12と比較すると耐食性のさらなる向上
は認められない。
【0047】比較例56は、Moが上限値超であるた
め、本発明例13と比較すると耐食性のさらなる向上が
認められない。比較例57は、Tiが上限値超であるた
め、靱性が低下している。比較例58は、Nbが上限値
超であるため、靱性が低下している。比較例59は、V
が上限超であるため、δフェライトが生成して靱性が低
下している。また、最高硬さが上昇している。
め、本発明例13と比較すると耐食性のさらなる向上が
認められない。比較例57は、Tiが上限値超であるた
め、靱性が低下している。比較例58は、Nbが上限値
超であるため、靱性が低下している。比較例59は、V
が上限超であるため、δフェライトが生成して靱性が低
下している。また、最高硬さが上昇している。
【0048】比較例60は、Bが上限値超であるため、
最高硬さが上昇している。比較例61は、圧延加熱温度
が下限値未満のため二相域圧延となり、靱性が低下して
いる。比較例62(Ac3 =961℃)は、焼ならし−
焼戻し処理材で、焼ならし温度が下限値未満のため、母
材の靱性が低下している。
最高硬さが上昇している。比較例61は、圧延加熱温度
が下限値未満のため二相域圧延となり、靱性が低下して
いる。比較例62(Ac3 =961℃)は、焼ならし−
焼戻し処理材で、焼ならし温度が下限値未満のため、母
材の靱性が低下している。
【0049】比較例63は、焼ならし−焼戻し処理材
で、焼ならし温度が上限値超のため、結晶粒が粗大化
し、母材の靱性が低下している。比較例64は、焼戻し
処理材で、焼戻し温度が下限値未満のため、母材の靱性
が低下している。比較例65(Ac1 =814℃)は、
焼ならし−焼戻し処理材で、焼戻し温度が上限値超のた
め、引張強度が本発明例より100MPa程度低下して
いる。
で、焼ならし温度が上限値超のため、結晶粒が粗大化
し、母材の靱性が低下している。比較例64は、焼戻し
処理材で、焼戻し温度が下限値未満のため、母材の靱性
が低下している。比較例65(Ac1 =814℃)は、
焼ならし−焼戻し処理材で、焼戻し温度が上限値超のた
め、引張強度が本発明例より100MPa程度低下して
いる。
【0050】比較例66は、冷却速度が下限値未満のた
め、本発明例16と比較して、強度、靱性、耐食性とも
に低下している。比較例67は、冷却速度が上限値超の
ため、本発明例16と比較して、強度が過度に上昇し、
靱性が低下し、最高硬さが上昇し、耐食性が低下してい
る。
め、本発明例16と比較して、強度、靱性、耐食性とも
に低下している。比較例67は、冷却速度が上限値超の
ため、本発明例16と比較して、強度が過度に上昇し、
靱性が低下し、最高硬さが上昇し、耐食性が低下してい
る。
【0051】
【発明の効果】上記実施例からも明かな如く、本発明に
係る耐食低合金鋼によれば、例えば、火力発電所などの
脱硝設備に起因する酸性硫安による腐食が厳しい環境や
天然ガス焚きボイラー煙道・煙突の腐食環境などにおい
て耐食性が大幅に改善され、しかも強度、靱性および溶
接性に優れているため、プラントの信頼性向上やメンテ
ナンス負荷の軽減等、産業上その効果は極めて顕著であ
るため、プラント用耐食溶接構造用材料として極めて大
きな効果を奏するものである。
係る耐食低合金鋼によれば、例えば、火力発電所などの
脱硝設備に起因する酸性硫安による腐食が厳しい環境や
天然ガス焚きボイラー煙道・煙突の腐食環境などにおい
て耐食性が大幅に改善され、しかも強度、靱性および溶
接性に優れているため、プラントの信頼性向上やメンテ
ナンス負荷の軽減等、産業上その効果は極めて顕著であ
るため、プラント用耐食溶接構造用材料として極めて大
きな効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/38
Claims (2)
- 【請求項1】 重量(%)でC:0.03〜0.09
%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.2〜1.6
%、S:0.007%以下、Cr:3.0〜9.0%を
含み、残部がFeおよびその他の不純物からなる鋳片
を、930〜1300℃に加熱し、熱間圧延した後、8
00〜500℃間を冷却速度(C.R.);C.R.m
in〜C.R.max(°C/分)の範囲で冷却し、6
00℃〜Ac1 変態点温度で焼戻し処理するか、あるい
はAc3 変態点温度〜1000℃で焼ならし処理後60
0℃〜Ac1 変態点温度で焼戻し処理することを特徴と
する耐食低合金鋼の製造方法。ただし、 C.R.min=90/〔wt.%Cr〕 C.R.max=60/〔wt.%C〕 - 【請求項2】 重量(%)でAl:0.005〜0.1
%、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜2.
0%、Mo:0.05〜2.0%、Nb:0.005〜
0.1%、V:0.005〜0.1%、Ti:0.00
5〜0.1%、Ca:0.0005〜0.01%、B:
0.0005〜0.005%のうち少なくとも1種を含
有することを特徴とする請求項1記載の耐食低合金鋼の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27542894A JPH08134538A (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 耐食低合金鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27542894A JPH08134538A (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 耐食低合金鋼の製造方法 |
Publications (1)
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JPH08134538A true JPH08134538A (ja) | 1996-05-28 |
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JP27542894A Withdrawn JPH08134538A (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 耐食低合金鋼の製造方法 |
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JP (1) | JPH08134538A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001164381A (ja) * | 1999-12-07 | 2001-06-19 | Tocalo Co Ltd | 耐硫酸露点腐食性に優れた複合被覆部材およびその製造方法 |
JP2012091087A (ja) * | 2010-10-25 | 2012-05-17 | Nippon Steel Corp | 原料石炭の乾燥分級装置 |
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CN108677086A (zh) * | 2018-04-17 | 2018-10-19 | 常熟市虹桥铸钢有限公司 | 一种石油机械用防喷器铸件 |
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-
1994
- 1994-11-09 JP JP27542894A patent/JPH08134538A/ja not_active Withdrawn
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