JPH08133899A - 球状結晶の製造方法 - Google Patents

球状結晶の製造方法

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JPH08133899A JP6302799A JP30279994A JPH08133899A JP H08133899 A JPH08133899 A JP H08133899A JP 6302799 A JP6302799 A JP 6302799A JP 30279994 A JP30279994 A JP 30279994A JP H08133899 A JPH08133899 A JP H08133899A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶構造的に優れ形状の崩れのない球状結晶
を結晶基材上に簡単に形成する基板結晶の製造方法、不
純物を除去した形状の崩れのない球状結晶を結晶基材上
に簡単に形成する基板結晶の製造方法を提供する。 【構成】 半導体の結晶基材10に突起部11を一体的
に形成し、結晶基材10の表面と突起部11の基部の外
面全面を覆う流動規制膜12を形成し、突起部11の先
端に加熱ビーム13を照射して、突起部11の先端側部
分を融解させ、融液の表面張力の作用と流動規制膜の流
動規制作用により融液を球状に固化させて、球状結晶1
4を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、球状結晶の製造方法に
関し、特に、金属や非金属、或いは半導体、誘電体、磁
性体、超伝導体、等の球状結晶を製造する方法に関する
ものである。
【0002】球状結晶は、融液の表面張力の作用により
球状に結晶を成長させることで製造できるが、この球状
結晶は、その外形が球状構造を反映した対称性を有する
ため、結晶内部の全体に亙って完全に原子配列の乱れの
ない欠陥の少ない単結晶が出来やすい。特に、重力の影
響の少ない環境下では、融液の表面張力に支配されたよ
り完全な球形に近い球状単結晶となるだけでなく、浮力
が作用しないため温度差があっても熱対流が起こらず結
晶成長にじょう乱を与えない。また、2つ以上の元素か
ら成る結晶を成長させる場合では、組成成分の比重差に
よる偏析が生じないなど、均一な組成で結晶性の良い球
状単結晶が得られる。このような高品質の球状結晶は、
結晶を利用する産業分野において極めて有望な可能性を
有し、その球状結晶をそのまま電子デバイス、光学素
子、機能素子部品等に適用することができる。
【0003】
【従来の技術】従来、半導体等の単結晶は、棒状、板
状、薄膜状に形成されることが多く、最初から球状に結
晶を成長させることはなかった。特に、板状や棒状の結
晶基材上に局部的に球状結晶を成長させる技術は、未だ
全く提案されていない。従来、半導体の単結晶を成長さ
せる技術として、融液から結晶に成長させる方法、溶媒
を用いた溶液から結晶を成長させる方法、気相から化学
的に析出させる方法により結晶を成長させる方法、の3
通りの技術が知られている。
【0004】上記融液から単結晶や結晶を成長させる技
術においては、通常、材料全体をルツボ、アンプル等の
容器内に収容し、高周波加熱や抵抗加熱を利用した電気
炉で、材料を加熱溶融し、種単結晶をその融液に接触さ
せ、回転を加えながら引き上げ、固化成長させることで
なされることが多い(CZ法)。また、ルツボを使用し
ない浮遊帯域溶融法(FZ法)も、従来からある有力な
単結晶成長方法の一つであるが、この結晶成長方法で
は、融液は、棒状の種結晶と多結晶との間で溶融帯域を
形成し、表面張力で保持されながら多結晶のある方向へ
移動し、単結晶化する。しかし、この成長法による安定
な浮遊帯の形成は、表面張力が大きく、かつ密度の小さ
な物質に限られる。
【0005】電気炉によらないレーザ光を加熱源とする
単結晶体製造技術として、スピネル(MgAl2 4
等の高融点材料を融解し、その融液から単結晶を育成す
ること、アモルファスシリコン薄膜をシリコンウェハー
上で溶融して薄膜結晶を得ること、等は公知である。し
かし、レーザー光等の加熱用ビームにより、半導体、誘
電体、磁性体、超伝導体、金属等の材料を融解し、直接
球状の単結晶体を製造する技術は、未だ知られていな
い。
【0006】従来、微小重力下における半導体やある種
の合金の結晶成長の試みはなされたし、また、微小重力
下において融液が偶然漏出して球状結晶に固化したこと
は公知であるが、意図的に球状結晶を成長させる方法
は、全く提案されていない。しかも、結晶を融液から球
状に成長させて球状結晶を製作するという着想は、全く
提案されておらず、球状結晶を活用した電子デバイス自
体も何ら提案されていない。ここで、本発明の発明者
は、球状結晶を電子デバイスや光学素子に適用した場合
の種々の可能性に着目しているが、従来の技術により、
球状結晶を製造するためには、結晶体を機械的に研磨し
たり、化学的にエッチングしたりしなければ、製造する
ことができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ルツボ等の容器内に材
料を収容して溶融、固化することで結晶を成長させる従
来の方法では、融解した材料と容器の材料とが反応し、
容器から不純物が溶け込み、高品質の結晶を成長させる
ことは困難であった。しかも、容器内で固化する際に、
容器壁との接触による不均質核生成や、冷却条件の不均
一から結晶内に内部歪みが発生しやすく、欠陥のない結
晶を成長させることは、非常に困難であった。さらに、
従来の方法では、容器内に材料を収容して溶融、固化す
るバルク成長を意図しているため、特定の限られた部位
に、限られた大きさ又は量の球状単結晶を自由に成長さ
せることは不可能である。例えば、結晶基材の一部に、
電子デバイスや光学素子の為の球状結晶を成長させるこ
とは、到底不可能であった。
【0008】また、従来のバルク材料を溶融し、種結晶
の一端から固化する方法により製造される単結晶は、棒
状や板状であるため、球のような3次元の対称性がない
ため、結晶内の原子配列の乱れや、熱歪みによる欠陥等
が発生しやすかった。ここで、無重力又は微小重力下
で、融解固化させれば、球状単結晶を成長させる可能性
が考えられるが、従来の方法では、電気炉や赤外線ラン
プ等の加熱手段を用いていたので、加熱、融解、固化の
時間が長く、自由落下無重力実験装置におけるような1
0秒以内程度の微小時間内での結晶成長に適用すること
はできず、宇宙での無重力下における結晶成長に限られ
ることから、球状結晶成長のコストは非常に高価なもの
になる。
【0009】ここで、本願出願人は、先の出願、特願平
5−284499号において、図24(a) に示すよう
に、金属又は金属酸化物又は非金属材料からなる結晶基
材100に、その表面から突出するように、金属又は金
属酸化物又は非金属材料の結晶からなる細径の突起部1
01を設け、次に図24(b) 、図24(c) に示すよう
に、その突起部101の少なくとも一部を加熱用ビーム
102で加熱し、表面張力の作用により球状結晶に固化
させる球状結晶の製造方法を提案し、球状結晶の製造技
術確立の為の種々の実験を行ってきた。
【0010】しかし、図24(c) に示すように、突起部
101と融液103とが同材料で濡れ性が高いために、
融液103が未融解の突起部部分101aの表面に沿っ
て這うように流動し、融液103の形状が球状にならず
に細長く崩れた形状になったまま固化するので、ほぼ球
状の球状結晶を形成できないことが判明した。特に、融
液の自重(体積×密度×重力加速度)が大きく、マラン
ゴニー対流が起こりやすい場合に、結晶の形状が崩れや
すくなる。
【0011】レーザビームで加熱する場合には、加熱が
局部に限られるため、熱伝動による冷却速度が大きく、
短時間で固化するため、球状からの崩れ度合いは少ない
が、赤外線ビームで加熱する場合には、エネルギー密度
が比較的低く、温度上昇速度が低いため、融液が未融解
の突起部部分の表面に沿って流動する傾向が高く、結晶
の形状が崩れやすい。更に、上記球状結晶が固化する
際、未融解の突起部部分の方から固化(結晶化)が進行
する関係上、上記突起部を構成する結晶として、純度が
高くない安価な結晶を適用した場合には、結晶中の不純
物が球状結晶の表面部に集積するため、純度の高い結晶
からなる球状結晶を形成するのが難しいという問題があ
る。
【0012】本発明の目的は、内部歪みや結晶欠陥のな
い結晶構造的に格段に優れ形状の崩れのない球状結晶を
結晶基材上に簡単に形成する方法、球状結晶中の不純物
及び結晶欠陥を減らし形状の崩れのない高品質の球状結
晶を結晶基材上に簡単に形成する方法を提供することで
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の球状結晶の製
造方法は、金属又は金属酸化物又は非金属材料からなる
結晶基材に、その表面から突出するように、金属又は金
属酸化物又は非金属材料からなる結晶からなる細径の突
起部を設ける第1の工程と、上記突起部のうちの先端か
ら離れた基部の外面全面に、突起部を構成する結晶より
も高融点の流動規制被膜を形成する第2の工程と、上記
突起部の先端に加熱用ビームを照射し、突起部のうちの
流動規制被膜よりも先端側部分を融解させる第3の工程
と、上記突起部に対する加熱用ビームの照射を止め、上
記融解した部分を表面張力の作用と流動規制被膜の流動
規制作用によりほぼ球状の球状結晶に固化させる第4の
工程とを踏んで球状結晶を製造する方法である。
【0014】請求項2の球状結晶の製造方法は、半導体
の結晶基材に、その表面から一体的に突出する細径の突
起部を形成する第1の工程と、上記突起部のうちの先端
から離れた基部の外面全面に、上記半導体よりも高融点
の流動規制被膜を形成する第2の工程と、上記突起部の
先端に加熱用ビームを照射し、突起部のうちの流動規制
被膜よりも先端側部分を融解させる第3の工程と、上記
突起部に対する加熱用ビームの照射を止め、上記融解し
た部分を表面張力の作用と流動規制被膜の流動規制作用
によりほぼ球状の球状結晶に固化させる第4の工程とを
踏んで球状結晶を製造する方法である。
【0015】請求項3の球状結晶の製造方法は、半導体
の結晶基材に、その表面から突出するように、半導体の
結晶からなる細径の突起部を設ける第1の工程と、上記
突起部のうちの先端から離れた基部の外面全面に、上記
突起部を構成する半導体よりも高融点の流動規制被膜を
形成する第2の工程と、上記突起部の先端に加熱用ビー
ムを照射し、突起部のうちの流動規制被膜よりも先端側
部分を融解させる第3の工程と、上記突起部に対する加
熱用ビームの照射を止め、上記融解した部分を表面張力
の作用と流動規制被膜の流動規制作用によりほぼ球状の
球状結晶に固化させる第4の工程とを踏んで球状結晶を
製造する方法である。
【0016】請求項4の球状結晶の製造方法は、金属又
は金属酸化物又は非金属材料からなる結晶基材に、その
表面から突出するように、金属又は金属酸化物又は非金
属材料からなる結晶からなる細径の突起部を設ける第1
の工程と、上記結晶基材の突起部側の表面に、突起部を
構成する結晶よりも高融点の流動規制被膜を形成する第
2の工程と、上記突起部の先端に加熱用ビームを照射
し、突起部の全部を融解させる第3の工程と、上記突起
部に対する加熱用ビームの照射を止め、上記融解した部
分を表面張力の作用と流動規制被膜の流動規制作用によ
りほぼ球状の球状結晶に固化させる第4の工程とを踏ん
で球状結晶を製造する方法である。
【0017】請求項5の球状結晶の製造方法は、半導体
の結晶基材に、その表面から一体的に突出する細径の突
起部を形成する第1の工程と、上記半導体の結晶基材の
突起部側の表面に、上記半導体よりも高融点の流動規制
被膜を形成する第2の工程と、上記突起部の先端に加熱
用ビームを照射し、突起部の全体を融解させる第3の工
程と、上記突起部に対する加熱用ビームの照射を止め、
上記融解した部分を表面張力の作用と流動規制被膜の流
動規制作用によりほぼ球状の球状結晶に固化させる第4
の工程とを踏んで球状結晶を製造する方法である。
【0018】請求項6の球状結晶の製造方法は、半導体
の結晶基材に、その表面から突出するように、半導体の
結晶からなる細径の突起部を設ける第1の工程と、上記
半導体の結晶基材の突起部側の表面に、上記突起部を構
成する半導体よりも高融点の流動規制被膜を形成する第
2の工程と、上記突起部の先端に加熱用ビームを照射
し、突起部の全体をを融解させる第3の工程と、上記突
起部に対する加熱用ビームの照射を止め、上記融解した
部分を表面張力の作用と流動規制被膜の流動規制作用に
よりほぼ球状の球状結晶に固化させる第4の工程とを踏
んで球状結晶を製造する方法である。
【0019】請求項7の球状結晶の製造方法は、請求項
2、請求項3、請求項5、請求項6の何れか1項の発明
において、上記半導体の結晶基材又は突起部として、純
度の高くない半導体の多結晶基材を用いることを特徴と
する方法である。請求項8の球状結晶の製造方法は、請
求項2、請求項3、請求項5、請求項6の何れか1項の
発明において、上記半導体の結晶基材として、半導体の
単結晶基材を用いることを特徴とする方法である。
【0020】請求項9の球状結晶の製造方法は、請求項
3又は請求項6の発明において、上記突起部を構成する
半導体の結晶として、半導体の単結晶を用いることを特
徴とする方法である。請求項10の球状結晶の製造方法
は、請求項1〜請求項6の何れか1項の発明において、
少なくとも第4の工程を、無重力又は微小重力下で行う
ことを特徴とする方法である。
【0021】請求項11の球状結晶の製造方法は、請求
項1〜請求項6の何れか1項の発明において、上記第4
の工程の次に、固化した球状結晶の表面をエッチング処
理して球状結晶の表面に集まった不純物を除去する第5
の工程を行うことを特徴とする方法である。請求項12
の球状結晶の製造方法は、請求項1〜請求項6の何れか
1項の発明において、固化した球状結晶の表面をエッチ
ング処理して球状結晶の表面に集まった不純物を除去す
る第5の工程と、上記第5の工程で不純物が除去された
球状結晶を再度融解させてから球状に固化させ再結晶さ
せる第6の工程とを複数回繰り返し行うことを特徴とす
る方法である。
【0022】請求項13の球状結晶の製造方法は、請求
項1〜請求項6の何れか1項の発明において、固化した
球状結晶の内部応力及び格子欠陥を減らす為に、球状結
晶を焼鈍処理することを特徴とする方法である。請求項
14の球状結晶の製造方法は、請求項1〜請求項6の何
れか1項の発明において、固化した球状結晶の表面の酸
化被膜を除去してから、球状結晶の表面に新しい酸化被
膜を形成し、次に球状結晶に熱処理を施して球状結晶内
の不純物を酸化被膜に吸収させることを特徴とする方法
である。請求項15の球状結晶の製造方法は、請求項1
2の発明において、上記第6の工程終了後に、固化した
球状結晶の表面の酸化被膜を除去してから、球状結晶の
表面に新しい酸化被膜を形成し、次に球状結晶に熱処理
を施して球状結晶内の不純物を酸化被膜に吸収させるこ
とを特徴とする方法である。
【0023】
【発明の作用及び効果】請求項1の球状結晶の製造方法
においては、第1の工程において、図1(a) ,図2(a)
に示すように、金属又は金属酸化物又は非金属材料から
なる結晶基材10に、その表面部から突出するように、
金属又は金属酸化物又は非金属材料の結晶からなる細径
の突起部11を設ける。次に、第2の工程において、図
1(b) ,図2(b) に示すように、突起部11のうちの先
端から離れた基部11aの外面全面に、突起部11を構
成する結晶よりも高融点の流動規制膜12を形成する。
【0024】次に、第3の工程において、図1(c) ,図
2(c) に示すように、突起部11の先端に、加熱用ビー
ム13を照射し、突起部11のうちの流動規制膜12よ
りも先端側部分を融解させる。次に、第4の工程におい
て、図1(d) ,図2(d) に示すように、突起部11に対
する加熱用ビーム13の照射を止め、上記融解した部分
11bを、表面張力の作用と、流動規制膜12の流動規
制作用により、ほぼ球状の球状結晶14に固化させる。
但し、第1の工程において、図1(a) のように、結晶基
材10と同じ結晶からなる突起部11を、結晶基材10
と一体的に形成してもよいし、或いは、図2(a) のよう
に、結晶基材10と同一又は異なる材料の結晶からなる
突起部11を、結晶基材10の表面に接着したり接合し
たりして固定してもよい。
【0025】上記金属材料として、単体の金属や種々の
合金金属を適用できる。金属又は金属酸化物又は非金属
材料として、特に、種々の半導体、種々の誘電体、種々
の磁性体、種々の超伝導体、等の材料を適用できる。上
記金属又は金属酸化物又は非金属材料の結晶からなる突
起部は、単結晶又は単結晶以外の多結晶の結晶で構成さ
れ、加熱用ビームとしては、レーザ光、集光した赤外線
ビーム、電子ビーム等の種々の高エネルギー密度の加熱
用ビームを適用できる。
【0026】上記加熱用ビームとして、レーザ光を用い
る場合、レーザ光は、エネルギー密度が高く、微小の径
に絞ることができるので、数10μm〜数100μmの
オーダーの微小の太さの突起部を融解させるのに好適で
ある。複数の突起部を列状に形成しておき、その列状の
突起部の先端に、レーザ光を走査させることで、第3工
程と第4工程とを瞬間的な短時間で急速に行うことがで
きる。特に、自由落下式の微小重力実験装置内や放物線
飛行する飛行機内で、球状結晶を製造する場合に適用で
き、微小重力下での結晶成長のコスト低減の面で非常に
有利である。また、レーザ光を適用する場合には、融解
すべき部分以外を殆ど加熱することなく、融解すべき部
分のみを加熱融解できるし、また、レーザ光の出力や走
査速度を調節することで入熱量を適宜調節でき、また、
突起部の一部や突起部の全部等、所望の部分のみを効率
よく加熱でき、また、必要に応じて、突起部の先端にド
ーピング用の又は混晶を形成する為の異種の元素を付着
させておいて突起部と共に融解させて球状結晶に固化す
ることもできる。
【0027】上記流動規制膜は、突起部を構成する結晶
よりも高融点の被膜であり、種々の金属酸化物や金属窒
化物等の被膜で構成することができるが、上記流動規制
膜は、突起部の融解した部分が、突起部の未融解部分の
表面に沿って流動するのを規制する為のものであるか
ら、流動規制膜は、突起部を構成する材料に対する濡れ
性の低い材料の高融点の被膜で構成することが望まし
い。この流動規制膜を形成する場合、結晶基材と突起部
の表面全面に高融点の被膜を例えば化学気相蒸着(CV
D)等の方法で形成してから、エッチング処理等により
突起部の基端部以外の部分の被膜を除去することで形成
することができる。尚、図1、図2の場合、結晶基材の
表面にも流動規制膜を形成してあるが、結晶基材の表面
の流動規制膜は省略してもよい。
【0028】表面張力の作用と、流動規制膜の流動規制
作用により、ほぼ球状の球状結晶に固化させる関係上、
突起部は、表面張力の作用が支配的となる程度に細い太
さに形成する必要がある。突起部の太さは、例えば、数
mm以下、半導体等では数100μmにすることもあ
る。但し、突起部の断面形状は、円形にかぎらず、矩
形、正方形等の種々の形状でもよい。細い突起部の先端
に、加熱用ビームを短時間又は瞬間的に照射すること
で、突起部のうちの流動規制膜よりも先端側部分を融解
させることができる。
【0029】上記加熱用ビームで融解した部分は、その
融液の表面張力の作用と、流動規制膜の流動規制作用に
より、形状が崩れずにほぼ球状になり、その表面は自由
表面となる。その後、加熱用ビームの照射を止めると、
突起部の融解した部分は、主として突起部を介して結晶
基板への吸熱により、その球状のまま急速に固化して球
状結晶となる。このとき、融液に接する融解していない
部分の種結晶を核として結晶が一方向性をもって成長す
るが、結晶成長の核が、固相と液相の界面にあり、固化
潜熱の流出が種結晶側において急速に行われるので、種
結晶側から結晶の成長が急速に進行する。そして、種結
晶側から結晶が成長していくと、球状部の外周側よりも
先に球状部の中心部における結晶成長が進行し、球状部
の中心部から外周側へ向かって単結晶が成長し、固化が
進行する。特に、必要に応じて、雰囲気温度を高く設定
すれば、融液の外周側からの放熱を抑制することができ
る。
【0030】このように、結晶の成長が球状部の中心部
から外周側へ向かって進行するため、また、結晶成長方
向の温度勾配が急峻で、組成的過冷却等による結晶成長
面での乱れが発生しにくいため、球状結晶に内部歪みや
結晶欠陥が生じにくい。しかも、融解した部分が表面張
力の作用と、流動規制膜の流動規制作用によりほぼ球状
に保持されたまま固化するため、球面の対称性により、
また、結晶の成長が球対称的に進行するため、球状結晶
の内部構造も球対称的な構造となり、原子配列の乱れが
なく、球状結晶の表面がミラー指数一定の結晶面とな
り、結晶欠陥が殆どない理想的な単結晶になる。特に、
機械的又は化学的処理により球状に形成する場合のよう
な損傷や加工歪みが発生せず、球状結晶の表面は、理想
的な球状鏡面となる。但し、突起部に不純物が含まれる
場合には、その不純物が球状結晶の表面に偏析する。
【0031】以上のようにして、加熱用ビームにより融
解し、その後固化させることにより、結晶基材上に単結
晶又はほぼ単結晶からなる球状結晶を、非常に簡単に形
成することができる。特に、半導体を機械的又は化学的
に加工処理して球状結晶を製作する場合に比較して、格
段に簡単・安価に球状結晶を形成することができる。上
記球状結晶の表面は理想的な球状鏡面となり、結晶表面
に発生しやすい欠陥が発生しにくい。しかも、球状結晶
を熱処理する場合に、酸化膜による不均一な熱膨張差に
起因する応力が表面に誘発されにくいため半導体ウェハ
ーのように熱歪みが発生しにくい。
【0032】更に、突起部の少なくとも一部を融解させ
結晶化する際、融液が種結晶としての突起部の結晶及び
流動規制膜としか接触しないので、ルツボ等の容器内に
収容して結晶を成長させる場合のように、外部から不純
物が混入したり、容器への吸熱の不均一による融液の熱
対流や成長核が不規則に発生したりして多結晶化した
り、容器と成長結晶間の熱歪みにより結晶欠陥が発生し
たりすることがなく、高品質の球状結晶を形成できる。
しかも、種結晶側から吸熱しつつ融液を結晶化させるた
め、成長核が種結晶に限定されつつ結晶の成長が急速に
進行し、組成的過冷却現象も発生しにくいので、高品質
の球状結晶となる。加えて、上記のように、融液の表面
張力の作用と、流動規制膜の流動規制作用によりほぼ球
状に保持して結晶化するため、一定形状の球状結晶を形
成することができる。
【0033】最後に補足すると、シリコン等の半導体の
単結晶の突起部を適用すれば、半導体の単結晶の球状結
晶を形成でき、また、誘電体の突起部を適用すれば、誘
電体の球状結晶を形成でき、また、磁性体の突起部を適
用すれば、磁性体の球状結晶を形成でき、また、超伝導
体の突起部を適用すれば、超伝導体の球状結晶を形成で
きる。
【0034】請求項2の球状結晶の製造方法において
は、材料的には異なっているが、第1の工程〜第4の工
程自体は、図1(a) 〜図1(d) に示す通りであり、第1
工程において、半導体の結晶基材に、その表面部から一
体的に突出する細径の突起部を形成する。第2の工程〜
第4の工程は、請求項1と同様である。この製造方法で
は、半導体の結晶基材を適用し、その結晶基材に一体的
に突起部を形成し、その突起部のうちの先端から離れた
基部の外面全面に、上記半導体よりも高融点の流動規制
膜を形成し、その突起部の先端に加熱用ビームを照射し
て、突起部のうちの流動規制膜よりも先端側部分を融解
させ、固化させて球状結晶を形成するため、半導体の結
晶基材と一体の突起部の基端部先端に、半導体の単結晶
の又はほぼ単結晶の球状結晶を形成することができる。
請求項1で説明したのと同様に、この球状結晶は、内部
歪みが殆どなく、球状結晶の内部構造も球対称的な構造
となり、原子配列の乱れがなく、球状結晶の表面がミラ
ー指数一定の結晶面となり、結晶欠陥が殆どない理想的
な結晶になる。
【0035】請求項3の球状結晶の製造方法において
は、材料的には異なっているが、第1の工程〜第4の工
程自体は、図2(a) 〜図2(d) に示す通りであり、第1
の工程において、半導体の結晶基材に、その表面部から
突出するように、半導体の結晶からなる細径の突起部を
接着したり又は接合したりして設ける。この場合、例え
ば、結晶基材の表面に半導体の所定の厚さの結晶体を全
面的に接着後、その半導体の結晶体を加工してマトリッ
クス状に並んだ複数の突起部を形成することもできる。
次に、第2の工程において、突起部のうち先端から離れ
た基端部の外面全面に、突起部を構成する半導体よりも
高融点の流動規制膜を形成する。次の第3の工程と第4
の工程は、請求項1と同様であるので、その説明は省略
するが、半導体の結晶基材は単結晶基材でもよく、単結
晶以外の多結晶基材でもよく、突起部が半導体の結晶か
らなるので、半導体の単結晶の又はほぼ単結晶の球状結
晶に成長する。従って、請求項1と同様に、半導体の結
晶基材に設けた半導体の結晶の突起部の基端部先端に、
半導体の単結晶の又はほぼ単結晶の球状結晶を形成する
ことができる。尚、その他の作用・効果については、請
求項1と同様であるので説明を省略する。
【0036】請求項4の球状結晶の製造方法において
は、第1の工程において、図3(a) 、図4(a) に示すよ
うに、金属又は金属酸化物又は非金属材料からなる結晶
基材20に、その表面部から突出するように、金属又は
金属酸化物又は非金属材料の結晶からなる細径の突起部
21を設ける。次に、第2の工程において、図3(b) ,
図4(b) に示すように、結晶基材20の突起部側の表面
に、突起部21を構成する結晶よりも高融点の流動規制
膜22を形成する。次に、第3の工程において、図3
(c) ,図4(c) に示すように、突起部11の先端に、加
熱用ビーム23を照射し、突起部21の全部を融解させ
る。次に、第4の工程において、図3(d) ,図4(d) に
示すように、突起部21に対する加熱用ビーム23の照
射を止め、上記融解した部分21bを、表面張力の作用
と、流動規制膜22の流動規制作用により、ほぼ球状の
球状結晶24に固化させる。
【0037】但し、第1の工程において、図3(a) のよ
うに、結晶基材20と同じ結晶からなる突起部21を、
結晶基材20と一体的に形成してもよいし、或いは、図
4(a) のように、結晶基材20と同一又は異なる材料の
結晶からなる突起部21を、結晶基材20の表面に接着
したり接合したりして固定してもよい。この基材結晶の
製造方法では、突起部の全部を融解させて結晶基材の表
面部に球状結晶を形成する関係上、請求項1のように突
起部の基端部の外面全面に流動規制膜を形成する代わり
に、結晶基材の突起部側表面に流動規制膜を形成する点
で、請求項1と異なるだけである。これ以外について
は、請求項1と同様であり、同様の作用・効果が得られ
るので、説明を省略する。
【0038】請求項5の球状結晶の製造方法において
は、材料的には異なっているが、第1の工程〜第4の工
程自体は、図3(a) 〜図3(d) に示す通りであり、第1
の工程において、半導体の結晶基材に、その表面部から
一体的に突出する細径の突起部を形成する。第2の工程
〜第4の工程は、請求項4と同様である。この製造方法
では、半導体の結晶基材を適用し、その結晶基材に一体
的に突起部を形成し、結晶基材の突起部側の表面に、高
融点の流動規制膜を形成し、その突起部の先端に加熱用
ビームを照射して、突起部の全部を融解させ、固化させ
て球状結晶を形成するため、半導体の結晶基材の表面
に、半導体の単結晶の又はほぼ単結晶の球状結晶を形成
することができる。請求項1で説明したのと同様に、こ
の球状結晶は、内部歪みが殆どなく、球状結晶の内部構
造も球対称的な構造となり、原子配列の乱れがなく、球
状結晶の表面がミラー指数一定の結晶面となり、結晶欠
陥が殆どない理想的な結晶になる。
【0039】請求項6の球状結晶の製造方法において
は、材料的には異なっているが、第1の工程〜第4の工
程自体は、図4(a) 〜図4(d) に示す通りであり、第1
の工程において、半導体の結晶基材に、その表面部から
突出するように、半導体の結晶からなる細径の突起部を
接着したり又は接合したりして設ける。次に、第2の工
程において、結晶基材の突起部側の表面に、突起部を構
成する半導体よりも高融点の流動規制膜を形成する。次
の第3の工程と第4の工程は、請求項4と同様であるの
で、その説明は省略するが、半導体の結晶基材は単結晶
基材でもよく、単結晶以外の多結晶基材でもよく、突起
部が半導体の結晶からなるので、半導体の単結晶の又は
ほぼ単結晶の球状結晶に成長する。従って、請求項1と
同様に、半導体の結晶基材の表面部に、半導体の単結晶
の又はほぼ単結晶の球状結晶を形成することができる。
尚、その他の作用・効果については、請求項1と同様で
あるので説明を省略する。
【0040】請求項7の球状結晶の製造方法において
は、上記半導体の結晶基材又は突起部として、純度の高
くない半導体の多結晶基材を用いるので、結晶基材又は
突起部の材料費を著しく低減することができる。請求項
2及び請求項5のように結晶基材に突起部を一体形成す
る場合、純度の高くない半導体の球状結晶となるが、後
述のごとく、球状結晶中の不純物を除去することも可能
であるので、実施面での障害とはならない。請求項8の
球状結晶の製造方法においては、上記半導体の結晶基材
として、半導体の単結晶基材を用いるが、請求項2及び
請求項5のように結晶基材に突起部を一体形成する場
合、突起部を構成する結晶も半導体の単結晶となり、半
導体の単結晶の球状結晶を形成することができる。
【0041】請求項9の球状結晶の製造方法において
は、請求項3又は請求項6の発明において、上記突起部
を構成する半導体の結晶として、半導体の単結晶を用い
るため、半導体の単結晶の球状結晶を形成することがで
きる。請求項10の球状結晶の製造方法においては、少
なくとも第4の工程を無重力又は微小重力下で行うこと
により、融解した部分に作用する重力の影響が殆どなく
なるので、表面張力の作用と流動規制膜の流動規制作用
により、球状結晶をほぼ完全な球状に形成することがで
き、また、重力による対流が無視でき、球状結晶の品質
を高めることができる。更に、比重差のある複数種の物
質で混晶や化合物の球状結晶を形成する場合、比重差に
よる分離、沈降、浮力がなくなるので、均一組成の単結
晶に成長させることができる。
【0042】請求項11の球状結晶の製造方法において
は、請求項1〜請求項6の何れか1項の発明において、
上記第4の工程の次に、固化した球状結晶の表面をエッ
チング処理して球状結晶の表面に集まった不純物を除去
する第5の工程を行う。球状結晶が固化する際に、未融
解の結晶(突起部を構成する結晶又は結晶基材を構成す
る結晶)から結晶が成長しつつ、球状融液の中心側から
表面に向かって固化し、偏析により球状結晶の表面部に
不純物が集まるので、この第5の工程を介して、球状結
晶の表面に集まった不純物を除去することができる。
【0043】請求項12の球状結晶の製造方法において
は、請求項1〜請求項6の何れか1項の発明において、
固化した球状結晶の表面をエッチング処理して球状結晶
の表面に集まった不純物を除去する第5の工程と、この
第5の工程で不純物が除去された球状結晶を再度融解さ
せてから球状に固化させ再結晶させる第6の工程とを複
数回繰り返し行う。請求項11の説明からも判るよう
に、第5の工程により球状結晶の表面に集まった不純物
を除去でき、また、第6の工程により球状結晶の表面に
不純物を集めることができるため、第5の工程と第6の
工程とを複数回繰り返し行うことによって、その繰り返
し回数に応じて、球状結晶の純度を高めることができ
る。このように、球状結晶の純度を高めることができる
ため、突起部を構成する結晶として、純度の高くない非
常に安価な結晶を適用可能になる。そして、突起部を結
晶基材と一体形成する請求項2及び請求項5の場合に、
結晶基材として純度の高くない非常に安価な結晶を適用
可能になるから、特に有利となる。
【0044】請求項13の球状結晶の製造方法において
は、請求項1〜請求項6の何れか1項の発明において、
固化した球状結晶の内部応力及び格子欠陥を減らす為
に、球状結晶を焼鈍処理する。これにより、球状結晶の
性能を高めることができる。請求項14の球状結晶の製
造方法においては、請求項1〜請求項6の何れか1項の
発明において、固化した球状結晶の表面の酸化被膜を除
去してから、球状結晶の表面に新しい酸化被膜を形成
し、次に、球状結晶に熱処理を施して球状結晶内の不純
物を酸化被膜に吸収させる。拡散係数の大きな元素(例
えば、シリコン結晶中におけるAu,Ag,Cu等)
は、熱処理を施して拡散を促進すると、酸化被膜に吸収
される性質があるので、以上のようにして球状結晶の純
度を高め、電気的光学的特性を改善することができる。
【0045】請求項15の球状結晶の製造方法において
は、請求項12の発明において、固化した球状結晶の表
面の酸化被膜を除去してから、球状結晶の表面に新しい
酸化被膜を形成し、次に、球状結晶に熱処理を施して球
状結晶内の不純物を酸化被膜に吸収させる。請求項12
の製造方法では、上記のような拡散係数の大きな元素を
完全に除去できない場合があるので、拡散係数の大きな
元素を、請求項14と同様にして除去し、球状結晶の純
度を十分に高めることができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。 実施例1・・・図5〜図10参照 最初に、第1工程において、シリコン単結晶からなる正
方形板状の結晶基板30(これが、結晶基材に相当す
る)であって、厚さが2.0 mmで、主面が(111)の
面方位を有する結晶基板30を準備した。次に、第2工
程において、図5、図6に示すように、この結晶基板3
0の主面のX、Y方向に夫々6条ずつ、ダイヤモンドマ
ルチブレードソーで深さ1.0mm 幅0.5mm の溝31を形成
し、これにより、結晶基板30の外縁部以外の部分に、
シリコン単結晶からなる角柱状の突起部32を5行5列
のマトリックス状に形成した。各突起部32は、先端面
が0.1mm ×0.1mm で、高さは1.0mm であり、各突起部3
2は、その根本において元のシリコン単結晶からなる結
晶基板30に一体的に連結されている。
【0047】次に、第3工程において、上記ソーで加工
した表面には、加工変質層があるので、この加工変質層
を除去するため、上記結晶基板30の突起部32側の表
面をエッチング処理した。この場合、弗酸と硝酸の混酸
を水で希釈したエッチング液でエッチング処理した。
【0048】次に、第4工程において、上記突起部32
付きの結晶基板30を熱酸化炉に収容し、1000℃程度の
温度で、所定時間酸化処理し、図7に示すように、突起
部32付きの結晶基板30の全表面に、厚さ0.5 〜1.0
μmのSiO2 からなるシリコン酸化被膜33を形成し
た。このシリコン酸化被膜33は、シリコン単結晶より
も高融点で、熱で変質したり、融解したシリコンと化学
反応したりすることが少なく、且つ融解したシリコンに
対する濡れ性が低いものである。尚、上記シリコン酸化
被膜33は、結晶基板30の全表面に形成する必要はな
く、少なくとも突起部32側の全表面にのみ形成すれば
よい。
【0049】次に、第5工程において、図8に示すよう
に、各突起部32の先端から80μm離れた基部32a
(長さ約20μm)よりも先端側の先端側部分32b(長
さ約80μm)の全表面のシリコン酸化被膜33を除去
し、各突起部32の基部32aの外面全面に上記シリコ
ン酸化被膜33からなる流動規制膜33aを形成した。
上記シリコン酸化被膜33の一部を除去する場合、結晶
基板30の突起部32側表面を厚さ約20μmのフォトレ
ジストで被覆した状態で、希弗酸等でエッチング処理し
てリコン酸化被膜33を除去した。上記流動規制膜33
aは、次の工程において突起部32の先端側部分32b
を融解させた際に、そのシリコン単結晶の融液が、突起
部32の基部32aの表面に沿って流動するのを規制す
る為のものである。
【0050】次に、第6工程において、上記結晶基板3
0に形成した複数の突起部32の先端側部分32bを融
解する為の加熱用ビームとしてのレーザー光を発生させ
る炭酸ガスレーザ装置を用意した。この炭酸ガスレーザ
装置のレーザ光の発振波長は10.6μm で、炭酸ガスレー
ザ装置の出力は30ワット、パルス繰り返し周波数は5
KHz であり、レーザ光は集光レンズによってビーム径が
0.1mm 位になるよう絞って照射できるようにした。照射
する際の雰囲気は空気であり、温度は室温で約27℃であ
った。
【0051】次に、第7工程において、上記突起部32
付きの結晶基板30をX、Y方向に2次元的に移動でき
るキャリアに突起部32の先端面32cを下に向けた状
態に取付け、結晶基板30をX方向へ0.5mm/Sec の速度
で移動させて、列状の5個の突起部32の先端面32c
に、レーザー光を1行分X方向に走査させてから、Y方
向へ1ピッチ移動させるのを繰り返して、各列の突起部
32の先端面32cに対して垂直にレーザー光を逐次走
査させた。このレーザー光の照射と同時に照射された突
起部32の先端側部分32bが融解し、その融解した融
液が、表面張力の作用と、流動規制膜33aの流動規制
作用により、球形を保持したまま体積を増して球状に成
長し、レーザー光が除かれると、瞬間的に、突起部32
と同じシリコン単結晶からなる球状結晶34として固化
した。この球状結晶34は、図9、図10に示すよう
に、種結晶としての突起部32の基部32aの先端に一
体的に成長し、この球状結晶34の直径は約0.45mmで、
表面は滑らかな光沢のある球面状になった。
【0052】このようにして、図9、図10に図示のよ
うなシリコン単結晶からなる25個の球状結晶34を、
極めて短時間に製作できた。尚、上記球状結晶34が理
想的な球状のシリコン単結晶となる理論については、前
記請求項1の作用及び効果の欄に記載した通りであるの
で、ここに重複記載するのを省略する。
【0053】以上のようにして製造された球状結晶アレ
イ34Aは、シリコン単結晶からなる結晶基板30と、
この結晶基板30の表面部から一体的に突出するよう
に、5行5列のマトリックス状に形成されたシリコン単
結晶からなる複数の基部32a(突起部32の基部32
a)と、複数の基部32aの先端に夫々一体的に形成さ
れたシリコン単結晶からなるほぼ球状の球状結晶34と
を備えたものであり、この球状結晶アレイ34Aの製作
後、上記複数の球状結晶34の夫々の表面部に、ドーピ
ング用の不純物を導入したり、さらにシリコンの表面に
気相成長法等により薄膜結晶を成長させたり、集積回路
を形成したり、電極や金属細線を接続することにより、
種々の電子デバイスや光学素子や機能素子部品として適
用し得る可能性がある。
【0054】また、球状結晶34を結晶基板30から切
り離して球状を有する新しい電子デバイスや光学素子や
機能素子部品として用いる可能性がある。特に、球状結
晶アレイは、どの方向にも同じように光を放射する発光
ダイオードを構成するのに好適であるし、また、どの方
向からの光も吸収でき且つ表面積も大きいため、フォト
ダイオードや太陽電池を構成するのにも好適である。ま
た、結晶基板30側に共通の電極を設けることで、個々
の球状結晶の結線構造を簡単化できる。
【0055】実施例2・・・図11〜図16参照 本実施例は、突起部32Aを角柱状ではなく円柱状に形
成する構成において、実施例1と異なるのみであるの
で、前記実施例1と同一機能のものに同一又は類似の符
号を付して説明を省略する。最初に、実施例1の第1工
程と同様の第1工程を行い、次に、第2工程において、
図11に示すように、シリコン単結晶からなる厚さ約2.
0mm の結晶基板30の表面に、5行5列のマトリックス
状に、円柱状の突起部32Aを、超音波加工により形成
する。この場合、超音波振動するDIホーンの先端にS
iCやAl23 の粉末(砥粒)入りスラリーを供給し
ながら、DIホーンを結晶基板30の表面に押しつけ、
上記砥粒の衝突により、DIホーンの形状通りの円柱形
状に加工する。各突起部32Aの諸元は、例えば、直径
0.15mm、高さ1.0mm である。
【0056】その後、実施例1の第3工程〜第6工程と
同様の、第3工程〜第6工程を実行して、5行5列のマ
トリックス状の25個の球状結晶34Aを形成する。こ
こで、円柱状の突起部32Aの方が、実施例1における
角柱状の突起部32よりも対称性があるため球状結晶3
4Aの球対称結晶構造が優れたものとなる。
【0057】実施例3・・・図17 この実施例3は、第1工程〜第5工程までは、実施例1
の第1工程〜第5工程と同様であるので、その説明を省
略する。第5工程の次の第6工程において、図17に示
すように、結晶基板30の外周壁部30aの先端面と2
5個の突起部32の先端面にシリコンとの混晶形成用の
ゲルマニウムを約1.0 μm の厚さに真空蒸着すること
で、各突起部32の先端面32cに、上記ゲルマニウム
被膜35を形成する。このゲルマニウム被膜35を形成
する場合、例えば、結晶基板30の突起部32側の表面
を、ゲルマニウム被膜35を形成する面を除いてフォト
レジストで被覆した状態で、真空蒸着によりゲルマニウ
ム被膜35を形成してから、フォトレジストを除去す
る。
【0058】その後、実施例1の第6工程と同様の第7
工程を行って、シリコンとゲルマニウムの混晶単結晶か
らなる球状結晶を形成する。尚、実施例1と同一機能の
ものに同一符号を付して説明を省略する。また、この球
状結晶が、理想的な球状結晶となる理論については、前
記請求項1の作用及び効果の欄に記載した通りであるの
で、ここに重複記載するのを省略する。このシリコンと
ゲルマニウムの混晶単結晶は、シリコンよりも禁制帯の
エネルギーギャップが小さく、ゲルマニウムのそれより
も大きい。フォトダイオードやヘテロ接合として高速ト
ランジスタの製作に利用できるなどの特長がある。
【0059】以上のようにして製造された結晶基材に形
成した球状結晶アレイは、シリコン単結晶からなる結晶
基板30と、この結晶基板30の端面から突出するよう
に、結晶基板30に5行5列のマトリックス状にに形成
されたシリコン単結晶からなる複数の基部32a(突起
部32の基部32a)と、複数の基部32aの先端に夫
々一体的に形成されたシリコン−ゲルマニウム混晶の単
結晶からなるほぼ球状の球状結晶とを備えたものであ
る。
【0060】この実施例3においては、球状結晶をシリ
コン−ゲルマニウム混晶の単結晶となるように形成した
が、上記ゲルマニウム被膜35の代わりに、ドーピング
用の不純物(ドナーとしての不純物)としてのリン、砒
素、アンチモン等の被膜を形成したり、又は、ドーピン
グ用不純物(アクセプタとしての不純物)としての硼
素、アルミニウム、ガリウム、インジウム等の被膜を形
成したりすることもでき、これらの場合には、球状結晶
をn形やp形の半導体単結晶に構成できる。但し、これ
らドーピング用不純物は、被膜で付与する以外に、必要
に応じて、気相からのガス拡散や気相からの化学析出等
の方法で被着し、球状結晶中に導入することもできる。
【0061】更に、n形やp形の半導体単結晶からなる
球状結晶の表面に、酸化膜の形成とエッチング及び気相
成長法等により、n形やp形の半導体単結晶層を積層し
たり、蒸着法やフォトエッチ法により電極や配線路を形
成することによって、集積回路、発光ダイオード、フォ
トダイオード、等種々の電子デバイスを構成することが
できる。そして、このことは、実施例1の球状結晶、実
施例2の球状結晶についても同様である。
【0062】実施例4(図示略) この実施例4においては、第1工程において、純度の高
くないシリコン多結晶からなる結晶基板であって、厚さ
が2.0mm で、主面が(111)の面方位を有する結晶基
板を準備した。第2工程〜第6工程は、実施例1の第2
工程〜第6工程と同様であるので、その説明を省略する
が、この場合、シリコン単結晶の球状結晶であって、そ
の表面部に不純物が偏析した球状結晶が形成される。即
ち、請求項1の作用及び効果の欄で記載したように、球
状結晶の形成の際、未融解の突起部部分(つまり、突起
部の基部)から結晶成長が進行しつつ、球状の中心側か
ら表面に向かって固化が進行する関係上、シリコン多結
晶に含まれる不純物が、球状結晶の表面部に偏析するこ
とになる。
【0063】そこで、第6工程の次の第7工程におい
て、複数の球状結晶の表面をエッチング処理して、上記
偏析した不純物及び表面のシリコン酸化被膜を除去す
る。尚、結晶基板として、シリコン単結晶の結晶基板を
適用した場合にも、球状結晶の表面のシリコン酸化被膜
等を除去する為に、上記第7工程のエッチング処理を適
用してもよい。
【0064】実施例5(図示略) この実施例5においては、第1工程において、実施例4
と同様に、純度の高くないシリコン多結晶からなる結晶
基板であって、厚さが2.0mm で、主面が(111)の面
方位を有する結晶基板を準備した。第2工程〜第6工程
は、実施例1の第2工程〜第6工程と同様であるので、
その説明を省略するが、この場合、シリコン単結晶の球
状結晶であって、その表面部に不純物が偏析した球状結
晶が形成される。更に、第7工程において、実施例4の
第7工程と同様に、複数の球状結晶の表面をエッチング
処理して、偏析した不純物及びシリコン酸化被膜を除去
する。
【0065】次に、第8工程において、第7工程で不純
物が除去された複数の球状結晶を、実施例1の第6工程
と同様にしてレーザビームにより再度融解させてから固
化させ再結晶させる。このように再結晶させると、球状
結晶の表面部に不純物が再度偏析するので、上記第7工
程と第8工程とを複数回繰り返す。こうして、各球状結
晶の純度を徐々に高め、高純度のシリコン単結晶の球状
結晶にすることができる。このように、球状結晶に含ま
れる不純物を除去できることから、結晶基板として、純
度の高くないシリコン多結晶からなる結晶基板であって
シリコン単結晶の結晶基板と比較して格段に安価な結晶
基板を適用することができるので、比較的安価に、球状
結晶アレイの製造することができる。そして、球状結晶
の直径が小さくなると、体積に対する表面積の比率が大
きくなるので、不純物ゲッター作用が強まる。尚、結晶
基板として、シリコン単結晶の結晶基板を適用した場合
にも、球状結晶の表面のシリコン酸化被膜等を除去する
為に、上記第7工程と第8工程とを、複数回繰り返して
もよい。
【0066】実施例6(図示略) 実施例5の球状結晶の製造方法で製造した複数の球状結
晶の表面の不純物及びシリコン酸化被膜をエッチング処
理により除去する。次に、実施例1の第4工程と同様
に、それら球状結晶付の結晶基板を、熱酸化炉に収容し
て、球状結晶の表面及びそれ以外の部分の表面に、シリ
コン酸化被膜(例えば、厚さ1.0 μm)を形成する。次
に、それら複数の球状結晶及び結晶基板に、例えば、10
00〜1200℃の温度に加熱する熱処理を施して、球状結晶
内の不純物を酸化被膜に吸収させる。次に、それら球状
結晶の表面をエッチング処理して、上記不純物を吸収し
た酸化被膜を除去する。即ち、拡散係数の大きな元素
(例えば、シリコン結晶中におけるAu,Ag,Cu
等)は、実施例5の第7工程と第8工程の繰り返しによ
っても、完全に除去するのが難しいので、本実施例の処
理を介して、これら拡散係数の大きな元素からなる不純
物をほぼ完全に除去することができる。尚、実施例1〜
実施例4の製造方法で製造した球状結晶に対して、本実
施例6の処理を施してもよい。
【0067】実施例7(図示略) この実施例7は、球状結晶成長時に誘起された球状結晶
内の内部歪みや結晶欠陥が問題になる場合に、球状結晶
に焼鈍処理を施す場合の例である。実施例1の製造方法
で製造した球状結晶アレイを、先ず、加熱炉に収容し
て、例えば、700 〜1200℃の範囲の選択された温度に加
熱し、次に、その加熱した球状結晶アレイを加熱炉から
取り出して大気中で常温まで徐冷する。このように、球
状結晶アレイに焼鈍処理を施すことで、内部歪みや結晶
欠陥を減らすことができる。尚、この実施例7は、実施
例1〜実施例6で製造した球状結晶アレイにも適用して
もよい。
【0068】実施例8・・・図18、図19参照 この実施例7においては、最初に、第1工程において、
図18に示すように、純度の高くないシリコンの厚さ1.
5 mmの多結晶基板30Bと、シリコン単結晶からなる
厚さ100 μmの単結晶基板30Cであって、主面の面方
位が(111)の単結晶基板30Cとを準備し、多結晶
基板30Bの上面に単結晶基板30Cを公知の加熱加圧
方法によって接着し、結晶基板30Aを製作した。この
結晶基板30Aに対して、実施例1の第2工程〜第6工
程と同様の第2工程〜第6工程を施して、シリコン単結
晶からなる25個の球状結晶を形成する。つまり、突起
部32をシリコン単結晶で構成するため、シリコン単結
晶からなる球状結晶を形成することができる。そして、
結晶基板30Aのうちの突起部32を構成する部分以外
の部分を安価な多結晶基板30Bで構成するため、比較
的安価に球状結晶アレイを製作することができる。
【0069】実施例9・・・図20、図21参照 この実施例8においては、第1工程において、実施例1
の第1工程と同様に、厚さ2.0 mmのシリコン単結晶の
結晶基板30を準備した。次に、第2工程において、実
施例1の第2工程と同様に、5行5列のマトリックス状
に25個の突起部32Bを形成する。但し、これら突起
部32Bは、実施例1の突起部32よりも短く、例えば
約0.8 mmの高さに形成する。次に、実施例1の第3工
程及び第4工程と同様の第3工程及び第4工程を実行
し、第5工程において、実施例1の第5工程とほぼ同様
に、シリコン酸化被膜を部分的に除去するが、この第5
工程では、図20に示すように、それら突起部32Bの
全高に亙って突起部32Bの外面全面のシリコン酸化被
膜33を除去する。
【0070】そして、この場合、突起部32Bの基端の
回りに残存するシリコン酸化被膜33からなる流動規制
膜33bが形成され、この流動規制膜33bにより、次
の第6工程において融解したシリコン融液の結晶基板3
0の表面に沿う流動が規制されることになる。次に、第
6工程において、実施例1の第6工程とほぼ同様に、レ
ーザビームの走査を行うが、この加熱融解の際、各突起
部32Bの全部を融解させてから固化させ結晶化させ
る。この球状結晶34Bが固化する際にも、シリコン融
液の表面張力の作用と、流動規制膜33bの流動規制作
用とで形状の崩れのない球形に近い球状結晶になる。
【0071】次に、上記実施例に適用して、又は上記実
施例の一部を変更して、実施し得る種々の態様について
説明する。 1〕 上記実施例は何れも重力1Gの環境下で行い球状
結晶を形成したが、突起部を融解する工程の後、少なく
とも、融解した部分を結晶に固化する工程を、無重力又
は微小重力下において実施する。この場合、融解した部
分の融液に作用する重力の影響が殆どなくなるため、融
液の表面張力の作用が一層支配的となって、より真球に
近い形状の球状結晶を形成することができる。このこと
は、体積の大きい場合や自重の影響が大きい場合の球状
結晶成長に有利である。更に、融液内の温度分布によっ
て生ずる熱対流による融液の攪拌や、比重の異なる複数
の組成の混晶や化合物の結晶成長において場所的な組成
の不均一が生じにくく、高品質の球状結晶を形成するこ
とができる。
【0072】2〕 上記実施例における雰囲気は空気で
あったが、融解する材料に応じて、融解する工程と結晶
化して固化する工程を、アルゴン、ヘリウム、窒素など
の不活性ガス雰囲気中で実施することが望ましい場合も
あり、これも実施可能である。このように、不活性ガス
雰囲気中で実施する場合、融解する材料が例えば砒化ガ
リウムの結晶の結晶の成分である砒素のように、平衡蒸
気圧が高く、融解中に分解蒸発するおそれのある場合に
は、これら不活性ガスのガス圧を高く設定して球状結晶
を成長させることが好ましい。そして、不活性ガス雰囲
気の温度も融液の表面からの放熱が少なくなるように適
宜設定することもある。
【0073】3〕 上記実施例における雰囲気は空気で
あったが、突起部を融解する工程と、結晶化して固化さ
せる工程とを、ドーピング用の不純物のガス中で行うこ
とにより、球状結晶にドーピング用不純物を導入するこ
ともできる。
【0074】4〕 上記実施例における炭酸ガスレーザ
の代わりに、YAGレーザやルビーレーザのQスイッチ
レーザも適用可能であり、融解する材料の種類に応じて
波長の異なる他のレーザ光を使用して突起部の少なくと
も一部又は全部を融解させて球状結晶を形成することが
できる。更に、上記レーザ光に代えて、集光レンズで細
く絞った赤外線ビームを適用し、その赤外線ビームによ
って融解させることも可能であるし、また、真空雰囲気
中において融解と固化とを行わせる場合には、レーザ光
や赤外線ビームを用いる代わりに、細く絞った電子ビー
ムを適用することも可能である。また、細く絞った加熱
ビームの代わりに、所定の幅のある加熱ビームで複数行
の突起部を走査して又は走査することなく、加熱融解さ
せることも不可能ではない。
【0075】5〕 上記結晶基材は、必ずしも板状に形
成する必要はなく、棒状やバルク状に形成してもよい。
また、上記突起部は、必ずしも角柱状に形成する必要は
なく、円柱状に形成してもよく、経済的に円柱状に形成
し得る場合には、円柱状に形成することが望ましく、円
柱状の突起部の方がより真球に近い球状結晶を形成する
ことができる。 6〕 上記実施例においては、突起部を結晶基材(結晶
基板)に一体的に形成したが、突起部を結晶基材に一体
的に形成せずに、金属や金属酸化物や非金属の結晶或い
は半導体単結晶からなる突起部を別途製作しておいて、
その突起部を、金属や金属酸化物や非金属の結晶基材或
いは半導体の結晶基材の表面に貼り合わせたり、或いは
接合したりして、その突起部の少なくとも一部、又は、
突起部の全部、突起部の全部と結晶基板の一部を、融解
させて結晶化して固化することもできる。この場合に
も、突起部から結晶基板に確実に吸熱可能に構成するこ
とが必要である。
【0076】7〕 上記結晶基板、結晶基板と一体の突
起部、又は結晶基板に接着や接合される突起部を構成す
る材料として、シリコン単結晶や純度の高くないシリコ
ン多結晶の他に、ゲルマニウム単結晶、純度の高くない
ゲルマニウム多結晶、その他の種々の半導体、誘電体、
磁性体又は超電導体を適用し、これらの材料の単結晶の
球状結晶を形成することも可能である。以下の物質は、
本発明の方法により形成される球状結晶の材料の例示で
ある。
【0077】 a)金属酸化物単結晶 Nd3 Ga5 2 LiTaO3 誘電体結晶、焦電材料 LiNbO3 同上 PbTiO3 同上 GGG(Gd3 Ga5 12) 磁気化学結晶 YAG(Y3 Al5 12) レーザ用光学結晶(Nd3+をドープする) Al2 3 同上 (Cr3+をドープする)
【0078】 b)化合物半導体結晶 GaAs、GaP、InAs、InSb、GaSb、InP III-V 族 ZnS、ZnSe、CdTe II-VI 族 SiC IV-IV 族
【0079】 c)混晶半導体結晶 Six Ge1-x IV-IV族 AlGa1-x P III-V 族 AlGa1-x As III-V 族 AlGa1-x Sb III-V 族 Gax In1-x P III-V 族 Gax In1-x Sb III-V 族 Gax In1-x Asy 1-y III-V 族 ZnSx Se1-x II-VI 族 Cd1-x Znx Te II-VI 族 Hg1-x Cdx Se II-VI 族 Pb1-x Snx Te IV-VI 族 Pb1-x Snx Se IV-VI 族
【0080】7〕 上記結晶基材としては、金属材料単
結晶や混晶単結晶や多結晶、或いは、金属酸化物材料の
単結晶や混晶単結晶や多結晶、或いは、非金属材料の単
結晶や混晶単結晶や多結晶、或いは、上記の材料を種々
組み合わせた材料を適用することもできる。結晶基板と
一体的に又は別体的に形成される突起部としては、金属
材料単結晶や混晶単結晶や多結晶、或いは、金属酸化物
材料の単結晶や混晶単結晶や多結晶、或いは、非金属材
料の単結晶や混晶単結晶や多結晶、或いは、上記の材料
を種々組み合わせた材料を適用することもできる。尚、
金属材料や金属酸化物材料の球状結晶アレイは、例え
ば、複数の放電電極を備えた放電電極ユニットとして産
業上の利用可能性がある。
【0081】8〕 上記球状結晶アレイに、気相成長や
気相拡散、酸化膜形成、電極形成等の処理を施して、球
状結晶アレイの各球状結晶をフォトダイオードに構成す
れば、様々な方向から入射する光を受光できる優れた受
光用の光学素子を製作することができる。
【0082】9〕 上記実施例では、突起部を下向きの
姿勢に保持して、溶融と固化とを行ったが、突起部を上
向き姿勢に保持して溶融と固化とを行なうことも不可能
ではない。 10〕 上記実施例における突起部の代わりに、図22
に示すように、結晶基材としての結晶基板70に相対向
するように一体的に突出する1対の突起部71を形成
し、それら突起部71の先端部に加熱用ビームを照射し
て融解してから固化させて、両突起部71の先端部に球
状結晶72を形成することもできる。但し、この場合に
も、前記実施例と同様に流動規制膜を形成するものとす
る。
【0083】11〕 上記実施例では、突起部を結晶基
材の下面側に位置させ、突起部の下方から突起部の先端
面にレーザ光を照射したが、突起部を結晶基材の上側に
位置させ、突起部の先端に上方からレーザ光を照射して
もよい。 12〕 上記実施例の方法により製造した球状結晶は、
それに集積回路や電極や端子等を組み込んでから、又は
組み込む前に、突起部または結晶基板から分離して電子
デバイス、光学素子、機能素子部品として活用すること
も有り得る。 13〕 加熱用ビームは、必要に応じて、複数の同一波
長のレーザ光、又は複数の異なる波長のレーザ光、又は
複数の集光した赤外線ビーム、又はこれらを組合せたも
のを使用して上記の球状結晶を形成することも有り得
る。 14〕 結晶基板に突起部を形成する方法としては、ダ
イヤモンドマルチブレードソーや超音波加工技術以外
に、ダイシングソーに加工、ワイヤソーによる加工、化
学エッチング法、サンドブラスト法、気相エピタキシャ
ル成長法、等の種々加工技術を適用できる。 15〕 流動規制膜に関して、流動規制膜は、結晶成長
させる材料よりも融点が高く、結晶成長させる材料に対
する濡れ性が低く、融液と化学反応せず、高温で熱分解
しない不活性被膜で構成することが望ましい。結晶成長
させる材料がシリコンである場合には、シリコン酸化
膜、シリコン窒化膜、酸化アルミ等を流動規制膜として
適用でき、また、結晶成長させる材料が砒化ガリウム、
インジュームリン、等である場合にも、シリコン酸化
膜、シリコン窒化膜、酸化アルミ等を流動規制膜として
適用できる。そして、流動規制膜は、化学的気相成長法
(C.V.D)により形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は請求項1と請求項2に係る結晶基材と
突起部の概念説明用断面図、(b)は結晶基材と突起部
と流動規制膜の概念説明用断面図、(c)は結晶基材と
突起部(融解状態)流動規制膜の概念説明用断面図、
(d)は結晶基材と球状結晶と流動規制膜の概念説明用
側面図である。
【図2】(a)は請求項1と請求項3に係る結晶基材と
突起部の概念説明用断面図、(b)は結晶基材と突起部
と流動規制膜の概念説明用断面図、(c)は結晶基材と
突起部(融解状態)流動規制膜の概念説明用断面図、
(d)は結晶基材と球状結晶と流動規制膜の概念説明用
側面図である。
【図3】(a)は請求項4と請求項5に係る結晶基材と
突起部の概念説明用断面図、(b)は結晶基材と突起部
と流動規制膜の概念説明用断面図、(c)は結晶基材と
突起部(融解状態)流動規制膜の概念説明用断面図、
(d)は結晶基材と球状結晶と流動規制膜の概念説明用
断面図である。
【図4】(a)は請求項6に係る結晶基材と突起部の概
念説明用断面図、(b)は結晶基材と突起部と流動規制
膜の概念説明用断面図、(c)は結晶基材と突起部(融
解状態)流動規制膜の概念説明用断面図、(d)は結晶
基材と球状結晶と流動規制膜の概念説明用側面図であ
る。
【図5】本発明の実施例1に係る結晶基板と突起部の平
面図である。
【図6】図5のVI-VI 線断面図である。
【図7】シリコン酸化被膜を形成した状態の図6相当図
である。
【図8】流動規制膜を形成した状態の図6相当図であ
る。
【図9】25個の球状結晶を有する球状結晶アレイの平
面図である。
【図10】図9のX-X 線断面図である。
【図11】本発明の実施例2に係る結晶基板と突起部の
平面図である。
【図12】図11の結晶基板と突起部とシリコン酸化被
膜の断面図である。
【図13】図11の結晶基板と突起部と流動規制膜の平
面図である。
【図14】図13のXIV-XIV 線断面図である。
【図15】図11の結晶基板に形成した基板結晶アレイ
の平面図である。
【図16】図15のXVI-XVI 線断面図である。
【図17】実施例3に係る結晶基板と突起部と流動規制
膜の断面図である。
【図18】実施例8に係る結晶基板の断面図である。
【図19】図18の結晶基板と突起部の断面図である。
【図20】実施例9に係る結晶基板と突起部と流動規制
膜の断面図である。
【図21】図20の結晶基板に形成した球状結晶アレイ
の断面図である。
【図22】変形例に係る結晶基板と突起部の平面図であ
る。
【図23】図22のものから製作した結晶基板と球状結
晶の平面図である。
【図24】(a)は先行技術に係る結晶基材と突起部の
断面図、(b)は上記結晶基材と球状融液の断面図、
(c)は上記結晶基材と球状融液の断面図である。
【符号の説明】
10,20,30,30A 結晶基材(結晶基
板) 11,21,32,32A,32B,71 突起
部 12,22,33a,33b 流動規制膜 14,24,34,34B,72 球状結晶

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属又は金属酸化物又は非金属材料から
    なる結晶基材に、その表面から突出するように、金属又
    は金属酸化物又は非金属材料からなる結晶からなる細径
    の突起部を設ける第1の工程と、 上記突起部のうちの先端から離れた基部の外面全面に、
    突起部を構成する結晶よりも高融点の流動規制被膜を形
    成する第2の工程と、 上記突起部の先端に加熱用ビームを照射し、突起部のう
    ちの流動規制被膜よりも先端側部分を融解させる第3の
    工程と、 上記突起部に対する加熱用ビームの照射を止め、上記融
    解した部分を表面張力の作用と流動規制被膜の流動規制
    作用によりほぼ球状の球状結晶に固化させる第4の工程
    と、 を踏んで球状結晶を製造することを特徴とする球状結晶
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 半導体の結晶基材に、その表面から一体
    的に突出する細径の突起部を形成する第1の工程と、 上記突起部のうちの先端から離れた基部の外面全面に、
    上記半導体よりも高融点の流動規制被膜を形成する第2
    の工程と、 上記突起部の先端に加熱用ビームを照射し、突起部のう
    ちの流動規制被膜よりも先端側部分を融解させる第3の
    工程と、 上記突起部に対する加熱用ビームの照射を止め、上記融
    解した部分を表面張力の作用と流動規制被膜の流動規制
    作用によりほぼ球状の球状結晶に固化させる第4の工程
    と、 を踏んで球状結晶を製造することを特徴とする球状結晶
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 半導体の結晶基材に、その表面から突出
    するように、半導体の結晶からなる細径の突起部を設け
    る第1の工程と、 上記突起部のうちの先端から離れた基部の外面全面に、
    上記突起部を構成する半導体よりも高融点の流動規制被
    膜を形成する第2の工程と、 上記突起部の先端に加熱用ビームを照射し、突起部のう
    ちの流動規制被膜よりも先端側部分を融解させる第3の
    工程と、 上記突起部に対する加熱用ビームの照射を止め、上記融
    解した部分を表面張力の作用と流動規制被膜の流動規制
    作用によりほぼ球状の球状結晶に固化させる第4の工程
    と、 を踏んで球状結晶を製造することを特徴とする球状結晶
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属又は金属酸化物又は非金属材料から
    なる結晶基材に、その表面から突出するように、金属又
    は金属酸化物又は非金属材料からなる結晶からなる細径
    の突起部を設ける第1の工程と、 上記結晶基材の突起部側の表面に、突起部を構成する結
    晶よりも高融点の流動規制被膜を形成する第2の工程
    と、 上記突起部の先端に加熱用ビームを照射し、突起部の全
    部を融解させる第3の工程と、 上記突起部に対する加熱用ビームの照射を止め、上記融
    解した部分を表面張力の作用と流動規制被膜の流動規制
    作用によりほぼ球状の球状結晶に固化させる第4の工程
    と、 を踏んで球状結晶を製造することを特徴とする球状結晶
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 半導体の結晶基材に、その表面から一体
    的に突出する細径の突起部を形成する第1の工程と、 上記半導体の結晶基材の突起部側の表面に、上記半導体
    よりも高融点の流動規制被膜を形成する第2の工程と、 上記突起部の先端に加熱用ビームを照射し、突起部の全
    体を融解させる第3の工程と、 上記突起部に対する加熱用ビームの照射を止め、上記融
    解した部分を表面張力の作用と流動規制被膜の流動規制
    作用によりほぼ球状の球状結晶に固化させる第4の工程
    と、 を踏んで球状結晶を製造することを特徴とする球状結晶
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 半導体の結晶基材に、その表面から突出
    するように、半導体の結晶からなる細径の突起部を設け
    る第1の工程と、 上記半導体の結晶基材の突起部側の表面に、上記突起部
    を構成する半導体よりも高融点の流動規制被膜を形成す
    る第2の工程と、 上記突起部の先端に加熱用ビームを照射し、突起部の全
    体をを融解させる第3の工程と、 上記突起部に対する加熱用ビームの照射を止め、上記融
    解した部分を表面張力の作用と流動規制被膜の流動規制
    作用によりほぼ球状の球状結晶に固化させる第4の工程
    と、 を踏んで球状結晶を製造することを特徴とする球状結晶
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記半導体の結晶基材又は突起部とし
    て、純度の高くない半導体の多結晶基材を用いることを
    特徴とする請求項2、請求項3、請求項5、請求項6の
    何れか1項に記載の球状結晶の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記半導体の結晶基材として、半導体の
    単結晶基材を用いることを特徴とする請求項2、請求項
    3、請求項5、請求項6の何れか1項に記載の球状結晶
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記突起部を構成する半導体の結晶とし
    て、半導体の単結晶を用いることを特徴とする請求項3
    又は請求項6に記載の球状結晶の製造方法。
  10. 【請求項10】 少なくとも第4の工程を、無重力又は
    微小重力下で行うことを特徴とする請求項1〜請求項6
    の何れか1項に記載の球状結晶の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記第4の工程の次に、固化した球状
    結晶の表面をエッチング処理して球状結晶の表面に集ま
    った不純物を除去する第5の工程を行うことを特徴とす
    る請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の球状結晶の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 固化した球状結晶の表面をエッチング
    処理して球状結晶の表面に集まった不純物を除去する第
    5の工程と、 上記第5の工程で不純物が除去された球状結晶を再度融
    解させてから球状に固化させ再結晶させる第6の工程
    と、 を複数回繰り返し行うことを特徴とする請求項1〜請求
    項6の何れか1項に記載の球状結晶の製造方法。
  13. 【請求項13】 固化した球状結晶の内部応力及び格子
    欠陥を減らす為に、球状結晶を焼鈍処理することを特徴
    とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の球状結
    晶の製造方法。
  14. 【請求項14】 固化した球状結晶の表面の酸化被膜を
    除去してから、球状結晶の表面に新しい酸化被膜を形成
    し、 次に球状結晶に熱処理を施して球状結晶内の不純物を酸
    化被膜に吸収させることを特徴とする請求項1〜請求項
    6の何れか1項に記載の球状結晶の製造方法。
  15. 【請求項15】 上記第6の工程終了後に、固化した球
    状結晶の表面の酸化被膜を除去してから、球状結晶の表
    面に新しい酸化被膜を形成し、 次に球状結晶に熱処理を施して球状結晶内の不純物を酸
    化被膜に吸収させることを特徴とする請求項12に記載
    の球状結晶の製造方法。
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