JPH08133518A - シート搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明に係るシート搬送装置は、簡単な構成
で小型化出来、且つ高精度でシートの搬送を行うことを
可能にすることを目的としている。 【構成】 シート４の搬送方向に対して記録ヘッド１よ
りも上流側に配置された搬送ローラー２の外周面と、記
録シート４の搬送方向に対して記録ヘッド１よりも下流
側に配置された搬送ローラー３の外周面と、駆動プーリ
ー15の駆動軸15ａの外周面とに平ベルト19を張架した構
成であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は記録装置において記録シ
ートを搬送するシート搬送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のインクジェット記録装置の記録部
におけるシート搬送装置の一例を図５を用いて説明す
る。図５で記録ヘッド１よりもシート搬送方向上流側に
はシート４を記録ヘッド１が対向する記録領域に搬送す
る第１の搬送ローラー２が配置され、記録ヘッド１の下
流側にはシート４を装置本体外部に排出する第２の搬送
ローラー３が配置されている。そして前記第１の搬送ロ
ーラー２，第２の搬送ローラー３に対向する位置には夫
々ピンチローラ11，12が前記搬送ローラー２，３に対し
て所定の付勢力を付与した状態で配置されている。

【０００３】記録ヘッド１の記録領域にはプラテン板10
が設けられており、シート４は該プラテン板10に支持さ
れて搬送される。搬送ローラー２，３の端部には該搬送
ローラー２，３の径よりも大きい径を有する駆動プーリ
ー50，51が夫々圧入等によって該搬送ローラー２，３に
固定されており、前記駆動プーリー50，51と駆動モータ
ー16のモータープーリー17との間に夫々タイミングベル
ト52，53を張架することによって搬送ローラー２，３に
駆動モーター16の回転力を伝達するように構成されてい
る。

【０００４】ここで、搬送ローラー３の搬送スピードは
搬送ローラー２の搬送スピードよりも微小量速くなるよ
うに駆動プーリー50，51の径またはモータープーリー17
の径が設定される。これによって、シート４の先端が搬
送ローラー２を通過した後、搬送ローラー３に進入する
際にシート４が撓んで進入した場合でも該撓みのループ
を解消し、シート４が記録ヘッド１側に浮き上がるのを
防止することが出来るように構成されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来の技術では、記録ヘッド１が対向する記録領域でシ
ート４を高精度に搬送するために、搬送ローラー２，
３の外径および振れ公差の精度を上げる必要がある。
駆動プーリー50，51の振れ公差の精度を上げる必要があ
る。搬送ローラー２，３に駆動プーリー50，51を圧入
等によって固定した後の搬送ローラー２，３の外径に対
する駆動プーリー50，51の振れ公差の精度を上げる必要
がある。

【０００６】従って上記の各精度を向上させるために、
搬送ローラー２，３および駆動プーリー50，51の加工コ
ストが増大するという問題があった。

【０００７】また更に高精度の搬送を必要とする場合に
は、上記の部品公差の精度を上げただけでは限界があ
り、シート４の搬送移動量をエンコーダー等を用いて検
出し、駆動モーター16の回転量を制御する等の手段が必
要となり、部品点数が増加すると共に装置が大型化して
コスト高になるといった問題があった。

【０００８】また搬送ローラー３の搬送速度を搬送ロー
ラー２の搬送速度よりも微小量速くしているためにシー
ト４の後端が搬送ローラー２を通過して搬送ローラー３
のみによって搬送される際にシート４の搬送量が通常の
搬送量よりも大きくなってしまいシート４に記録された
印字や画像等に乱れが生じるといった問題があった。

【０００９】また搬送ローラー２，３に該搬送ローラー
２，３の径よりも大きい径を有する駆動プーリー50，51
を固定しているために記録ヘッド１の配置高さ位置と駆
動プーリー50，51の夫々の外周径の高さ位置とが相互に
重って配置される構成となる（オーバーラップする）の
で、駆動プーリー50，51を記録ヘッド１がプラテン板10
上を往復移動する記録領域の外側に配置する必要があ
り、装置本体の幅が大きくなるという問題があった。

【００１０】本発明は前記課題を解決するものであり、
その目的とするところは、簡単な構成で小型化出来、且
つ高精度でシートの搬送を行い得るシート搬送装置を提
供せんとするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明に係る代表的な構成は、シートを搬送する搬送
回転体の外周面と、前記搬送回転体に回転力を伝達する
駆動プーリーの外周面または該駆動プーリーの軸の外周
面とに平ベルトを張架し、前記平ベルトによって前記駆
動プーリーの回転力を前記搬送回転体に伝達するように
構成したことを特徴とするシート搬送装置である。

【００１２】また本発明に係る代表的な構成は、シート
の搬送方向に対して記録ヘッドよりも上流側に配置され
シートを搬送する第１の搬送回転体の外周面と、前記シ
ートの搬送方向に対して前記記録ヘッドよりも下流側に
配置されシートを搬送する第２の搬送回転体の外周面
と、前記第１の搬送回転体と第２の搬送回転体とに回転
力を伝達する駆動プーリーの外周面または該駆動プーリ
ーの軸の外周面とに平ベルトを張架し、前記平ベルトに
よって前記駆動プーリーの回転力を前記第１の搬送回転
体と前記第２の搬送回転体とに伝達するように構成した
ことを特徴とするシート搬送装置である。

【００１３】また本発明に係る代表的な構成は、シート
の先端が前記第１の搬送回転体を通過して前記第２の搬
送回転体に進入するまでの間は前記第２の搬送回転体に
よって搬送されるシートの搬送量が前記第１の搬送回転
体によって搬送される搬送量よりも大きくなり、且つ前
記シートの先端が前記第２の搬送回転体を通過した後に
は前記第１の搬送回転体によって搬送されるシートの搬
送量と前記第２の搬送回転体によって搬送されるシート
の搬送量とが等しくなるように構成されたことを特徴と
するシート搬送装置である。

【００１４】また前記第２の搬送回転体の搬送力が前記
第１の搬送回転体の搬送力よりも小さくなるように構成
すれば好ましい。

【００１５】

【作用】本発明に係るシート搬送装置は、上述の如く構
成したので、搬送回転体の外周面と駆動プーリーの外周
面または該駆動プーリーの軸の外周面に平ベルトを張架
したことで、平ベルトを介して駆動プーリーの外周面ま
たは該駆動プーリーの軸の外周面の移動量を搬送回転体
の外周面の移動量に直接変換すると共に両者の移動量を
等しくすることが出来る。従って駆動プーリーの外周面
または該駆動プーリーの軸の外周面の移動量がそのまま
搬送回転体によって搬送されるシートの搬送量となり駆
動プーリーの外周面または該駆動プーリーの軸の外周面
の移動量を制御することでシートの搬送量を正確に制御
することが出来る。

【００１６】またシートの搬送方向に対して記録ヘッド
の上流側に配置された第１の搬送回転体の外周面と記録
ヘッドの下流側に配置された第２の搬送回転体の外周面
と駆動プーリーの外周面または該駆動プーリーの軸の外
周面に平ベルトを張架したことで平ベルトを介して駆動
プーリーの外周面または該駆動プーリーの軸の外周面の
移動量を第１の搬送回転体の外周面の移動量および第２
の搬送回転体の外周面の移動量に夫々直接変換すると共
に三者の移動量を等しくすることが出来る。従って駆動
プーリーの外周面または該駆動プーリーの軸の外周面の
移動量がそのまま第１の搬送回転体または第２の搬送回
転体によって搬送されるシートの搬送量となり駆動プー
リーの外周面または該駆動プーリーの軸の外周面の移動
量を制御することでシートの搬送量を正確に制御するこ
とが出来る。また第１，第２の両搬送回転体の外周面の
移動量を等しくすることが出来るのでシートの搬送速度
を常時安定して搬送することが出来る。

【００１７】また搬送回転体の外周面の移動量によって
シートの搬送量が決定されることから、搬送回転体の外
径公差に関係なく、駆動プーリーの外周面または該駆動
プーリーの軸の外周面の移動量が各搬送回転体に高精度
に伝達され、これによってシートを高精度で搬送するこ
とが出来る。

【００１８】また搬送回転体に駆動プーリーを固定しな
い構成としたので、記録ヘッドの配置高さ位置に駆動プ
ーリーがオーバーラップすることがないので、装置本体
を小型化することが出来る。

【００１９】またシートの先端が第１の搬送回転体を通
過し、第２の搬送回転体に進入するまでの間は第２のシ
ートの搬送量が第１の搬送回転体の搬送量よりも大きく
なるように構成したことで、シートの先端が第１の搬送
回転体を通過し、第２の搬送回転体に進入する際にシー
トが撓んで進入した場合のループを解消することが出来
る。

【００２０】またシートの先端が第２の搬送回転体を通
過した後は第１の搬送回転体と第２の搬送回転体の搬送
量が等しくなるように構成したことで、シートの後端が
第１の搬送回転体を通過して第２の搬送回転体のみによ
って搬送される場合でも通常の速度でシートを搬送する
ことが出来る。

【００２１】また第２の搬送回転体の搬送力が第１の搬
送回転体の搬送力よりも小さくなるように構成した場合
には、シートの撓みによるループを解消した後、第２の
搬送回転体によって第１の搬送回転体の搬送に影響を与
えない程度の張力をシートに付与することが出来る。

【００２２】

【実施例】図により本発明に係るシート搬送装置をイン
クジェット記録装置のシート搬送部に適用した場合の一
実施例を具体的に説明する。図１は本発明のシート搬送
装置の第１実施例を示す斜視図、図２は本発明のシート
搬送装置の第１実施例の側面図である。

【００２３】図１，図２において、１は複数のノズルに
より選択的にインクを吐出して記録を行う所謂インクジ
ェット方式の記録ヘッドであり、２，３は記録ヘッド１
が対向する記録領域に紙や合成樹脂等所定の材質で構成
されたシート４を搬送する搬送回転体となる搬送ローラ
ーである。

【００２４】図２に示す５は前記記録ヘッド１にインク
を供給するためのインクタンクである。記録ヘッド１お
よびインクタンク５は、ガイドレール６，７によって支
持され該ガイドレール６，７に沿ってシート４の搬送方
向（副走査方向）に直交する方向（主走査方向）に往復
移動するように構成された主走査キャリッジ８に搭載さ
れている。

【００２５】前記主走査キャリッジ８は装置本体９に設
けられた図示しない正逆転制御モーター等の駆動手段か
ら図示しないタイミングベルト等を介して動力が伝達さ
れ所定の記録領域を往復移動するように制御される。10
は記録ヘッド１のヘッド面に対向させて配置したプラテ
ン板であり、シート４の下面を支持してシート４の記録
面と記録ヘッド１のヘッド面との離隔距離を所定の距離
に保持することが出来るようになっている。

【００２６】記録ヘッド１よりもシート４の搬送方向
（副走査方向）の上流側に設けられた第１の搬送回転体
となる搬送ローラー２、および記録ヘッド１よりも前記
副走査方向下流側に設けられた第２の搬送回転体となる
搬送ローラー３には該搬送ローラー２，３の夫々に対向
させて配置し、且つ図示しない付勢手段によって所定の
付勢力で付勢されたピンチローラ11，12が設けられてい
る。

【００２７】従って、図示しない供給手段によって搬送
されたシート４は装置本体９に設けられたシートガイド
13によって案内されて搬送ローラー２とピンチローラ11
との間に搬送され、該搬送ローラー２とピンチローラ11
に挟持されて記録ヘッド１とプラテン板10との間の記録
部に搬送される。

【００２８】そして記録部においてシート４の副走査方
向への搬送と、記録ヘッド１の主走査方向への往復移動
制御と、記録ヘッド１からのインクの吐出制御とによっ
てシート４表面に印字や画像等の記録情報が記録され
る。そしてシート４は搬送ローラー３とピンチローラ12
に挟持され、搬送ローラー３の更に副走査方向下流側に
設けられた排出トレイ14に排出されて収容されるように
なっている。

【００２９】次に前記搬送ローラー２，３の駆動手段の
構成について説明する。装置本体９には駆動軸15ａを中
心にして回転可能に軸支された駆動プーリー15が配置さ
れる。前記駆動プーリー15は該駆動プーリー15の外周が
シート４の搬送経路よりも低い位置になるように構成さ
れており、記録ヘッド１の記録領域に駆動プーリー15が
影響を及ぼさない位置に設定されている。このように構
成することによって装置本体９を小型化することが可能
となるものである。

【００３０】また装置本体９には駆動モーター16が設け
られており、該駆動モーター16の駆動軸にはモータープ
ーリー17が固着されている。そして前記駆動プーリー15
とモータープーリー17には歯付きの駆動ベルト18が張架
されており、これによって駆動モーター16の回転力が駆
動ベルト18を介して駆動プーリー15に伝達されるように
なっている。

【００３１】前記駆動プーリー15には図示しないテンシ
ョナー手段によって駆動ベルト18に弛みが生じないよう
に適度の張力が付与されている。駆動プーリー15に固定
された駆動軸15ａの外周面と搬送ローラー２，３の夫々
の外周面には平ベルト19の内周面が当接して張架されて
おり、これによって駆動プーリー15の駆動軸15ａの回転
力が平ベルト19を介して搬送ローラー２，３に伝達され
るようになっている。

【００３２】前記平ベルト19には図示しないテンショナ
ー手段によって平ベルト19に弛みが生じることがなく且
つ駆動軸15ａ，搬送ローラー２，３の夫々の外周面に対
して平ベルト19に滑りが発生しないように適度な張力が
付与されている。

【００３３】上記構成によって、駆動プーリー15の駆動
軸15ａの外周面と搬送ローラー２，３の外周面とが夫々
同一の平ベルト19の内周面に当接することから、駆動軸
15ａの外周面の移動量を平ベルト19を介して搬送ローラ
ー２，３の外周面の移動量に変換して三者の外周面の移
動量を等しくすることが出来る。

【００３４】更に前記平ベルト19の内周面を、シート４
の搬送面（シート４の裏面）に当接して搬送する搬送ロ
ーラー２，３の外周面と等しい径を有する同一の外周面
に直接張架しているため、搬送ローラー２，３の外周面
の移動量と、搬送ローラー２，３によって搬送されるシ
ート４の搬送量は等しくなる。従って、駆動軸15ａの外
周面の移動量とシート４の搬送量を等しくすることが出
来る。

【００３５】上記構成によって、駆動プーリー15の駆動
軸15ａの外周面の移動量を制御することにより、搬送ロ
ーラー２，３の外径公差に関係なくシート４の搬送量を
制御することが出来る。

【００３６】また搬送ローラー２と搬送ローラー３の外
周面の移動量を等しくすることが出来るので、搬送ロー
ラー２，３の間の記録部において、シート４に対して弛
みや引っ張りが発生することがなく、安定した搬送が出
来る。即ち、シート４の後端が搬送ローラー２を通過し
て搬送ローラー３のみによって搬送される場合でも通常
の速度でシート４を搬送することが出来る。

【００３７】前記平ベルト19の材質はポリカーボネー
ト，ポリエチレン，ポリイミド等のフッ素樹脂等の合成
樹脂で構成することでも良いし、内周面にウレタン等の
弾性ゴム，外周部に樹脂や金属で構成された芯材を有す
る層状のベルトで構成することでも良いし、金属や硬質
ゴムのみから構成しても良い。

【００３８】また前記平ベルト19は伸びが小さく、厚み
公差が一定でシームレス（つなぎ目無し）であることが
望ましく、型成形可能な前記ポリカーボネート，ポリエ
チレン，ポリイミド等のフッ素樹脂等の合成樹脂で構成
した場合には低コストであると共に伸長率１％以下、厚
み公差５μｍ〜２０μｍのシームレスのベルトが実現で
き高精度の搬送が行えるものである。

【００３９】次に図３，図４を用いて本発明のシート搬
送装置の第２実施例について説明する。尚、前述の第１
実施例と同じ部材で構成したものは同一の符号を付して
説明を省略する。

【００４０】本実施例では図３，図４に示すように、搬
送ローラー３の端部がシート４を搬送する外周面に等し
い径を有する外周面３ａと該外周面３ａよりも小さい径
を有する外周面３ｂによって二段に構成され、前記外周
面３ａと外周面３ｂとは所定の傾斜角度を有するテーパ
ー面３ｃによって接続されている。

【００４１】装置本体９には図示しない駆動手段によっ
てシート４の搬送方向に対して直交する方向（図の矢印
ａ方向）に操作されるベルトホルダー20が設けられてお
り、該ベルトホルダー20を操作することによって搬送ロ
ーラー２，３および駆動プーリー15の駆動軸15ａに張架
された平ベルト19が図の矢印ａ方向に移動して、搬送ロ
ーラー３の外周面３ａと外周面３ｂとに変換して張架で
きるようになっている。

【００４２】また平ベルト19を変換して張架させた時、
前述した図示しないテンショナー手段によって平ベルト
19に弛みが生じることがなく且つ駆動軸15ａ，搬送ロー
ラー２，３の夫々の外周面に対して平ベルト19に滑りが
発生しないように適度な張力が付与されるようになって
いる。

【００４３】図３に示すように、シート４が搬送ローラ
ー３とピンチローラ12との間に進入するまでは平ベルト
19は径の小さい外周面３ｂに張架されており、この時、
搬送ローラー３の外周面３ａと外周面３ｂの外周長差分
だけ搬送ローラー３の外周面３ａの移動量の方が搬送ロ
ーラー２の外周面の移動量よりも増加されることとな
り、シート４が搬送ローラー３とピンチローラ12との間
に進入する際にシート４が弛んでループが発生した場合
には前述の搬送ローラー３の外周面３ａの移動速度の増
加分によって前記ループを解消することが出来るもので
ある。

【００４４】またこの時、搬送ローラー２の搬送力（シ
ート４の押し出し力）よりも搬送ローラー３の搬送力
（シート４の引っ張り力）が小さく構成されることから
前記ループを解消した後は、搬送ローラー３によって搬
送ローラー２の搬送に影響を与えない程度の張力をシー
ト４に付与することが出来るものである。

【００４５】シート４が搬送ローラー３とピンチローラ
12との間に進入し、挟持されたた後は、図４に示すよう
に図示しない駆動手段によりベルトホルダー20を図４の
矢印ｂ方向に移動させることにより平ベルト19を外周面
３ｂからテーパー面３ｃを経て外周面３ａまで移動し、
前述の搬送ローラー３の外周面３ａの移動速度の増加を
解除して搬送ローラー２の外周面の移動量と搬送ローラ
ー３の外周面３ａの移動量とを等しくしてシート４の搬
送量を安定させることが出来るものである。

【００４６】前記各実施例では、駆動プーリー15の駆動
軸15ａの外周面に平ベルト19を張架して構成している
が、駆動プーリー15の外周面に平ベルト19を張架して構
成することでも良い。このように構成することによっ
て、駆動プーリー15の外周面の移動量を制御することに
より、前述と同様に搬送ローラー２，３の外径公差に関
係なくシート４の搬送量を制御することが出来る。

【００４７】また前記各実施例では記録ヘッド１による
記録領域の外側の搬送ローラー２，３の図１に示した側
の端部、即ち副走査方向の下流側に向かって右側の端部
に平ベルト19を張架して構成しているが、副走査方向の
下流側に向かって左側の端部に平ベルト19を張架するよ
うに構成することでも良いし、左右両側の端部に夫々平
ベルトを張架するように構成することでも良い。

【００４８】また駆動モーター16から駆動プーリー15へ
の駆動力伝達に用いた駆動ベルト18の代わりにギアの連
結による駆動力伝達手段を用いることでも良い。

【００４９】

【発明の効果】本発明に係るシート搬送装置は、上述の
如き構成と作用とを有するので、駆動プーリーの外周面
または該駆動プーリーの軸の外周面の移動量を平ベルト
を介して搬送回転体の外周面に直接伝達することが出来
る。従って、搬送回転体の外径公差に関係なく駆動プー
リーの外周面の移動量が搬送回転体の外周面に高精度に
伝達され、シートを高精度で搬送することが出来る。従
って搬送回転体等の部品公差の精度を低減することが出
来、製造コストを低減させることが出来る。

【００５０】また高精度の搬送が可能となるのでシート
の搬送移動量を検出する等の手段が不要となり、部品点
数が減少すると共に装置が小型化して製造コストを低減
させることが出来る。

【００５１】また第１の搬送回転体と第２の搬送回転体
とのシートの搬送量（搬送スピード）を等しくすること
が出来るので、両搬送回転体の間の記録部において、シ
ートに対して弛みや引っ張りが発生することがなく、安
定した搬送が出来る。即ち、シートの後端が第１の搬送
回転体を通過して第２の搬送回転体のみによって搬送さ
れる場合でも通常の速度でシートを搬送することが出来
るのでシートに記録された印字や画像等に乱れが生じる
ことがない。

【００５２】またシートの先端が第１の搬送回転体を通
過した後、第２の搬送回転体に進入するまでの間に、第
２の搬送回転体によってシートが搬送される搬送量が第
１の搬送回転体によって搬送される搬送量よりも大きく
構成した場合にはシートの先端が第１の搬送回転体を通
過し、第２の搬送回転体に進入する際にシートが撓んで
進入した場合のループを解消することが出来る。

【００５３】また前記シートの先端が第２の搬送回転体
を通過した後は第１の搬送回転体と第２の搬送回転体の
搬送量が等しくなるように構成することで、シートの後
端が第１の搬送回転体を通過して第２の搬送回転体のみ
によって搬送される場合でも通常の速度でシートを搬送
することが出来る。

【００５４】また第２の搬送回転体の搬送力が第１の搬
送回転体の搬送力よりも小さくなるように構成した場合
には、シートの撓みによるループを解消した後、第２の
搬送回転体によって第１の搬送回転体の搬送に影響を与
えない程度の張力をシートに付与することが出来、良好
な搬送が出来る。

【００５５】また搬送回転体に駆動プーリーを固定しな
い構成としたので、記録ヘッドの配置高さ位置に駆動プ
ーリーがオーバーラップすることがないので、装置本体
を小型化することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシート搬送装置の第１実施例を示す斜
視図である。

【図２】本発明のシート搬送装置の第１実施例の側面図
である。

【図３】本発明のシート搬送装置の第２実施例を示す斜
視図である。

【図４】本発明のシート搬送装置の第２実施例を示す斜
視図である。

【図５】従来例を示す図である。

【符号の説明】

１…記録ヘッド、２，３…搬送ローラー、３ａ，３ｂ…
外周面、３ｃ…テーパー面、４…シート、５…インクタ
ンク、６，７…ガイドレール、８…主走査キャリッジ、
９…装置本体、10…プラテン板、11，12…ピンチロー
ラ、13…シートガイド、14…排出トレイ、15…駆動プー
リー、15ａ…駆動軸、16…駆動モーター、17…モーター
プーリー、18…駆動ベルト、19…平ベルト、20…ベルト
ホルダー

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートを搬送する搬送回転体の外周面
   と、前記搬送回転体に回転力を伝達する駆動プーリーの
   外周面または該駆動プーリーの軸の外周面とに平ベルト
   を張架し、前記平ベルトによって前記駆動プーリーの回
   転力を前記搬送回転体に伝達するように構成したことを
   特徴とするシート搬送装置。
2. 【請求項２】 シートの搬送方向に対して記録ヘッドよ
   りも上流側に配置されシートを搬送する第１の搬送回転
   体の外周面と、前記シートの搬送方向に対して前記記録
   ヘッドよりも下流側に配置されシートを搬送する第２の
   搬送回転体の外周面と、前記第１の搬送回転体と第２の
   搬送回転体とに回転力を伝達する駆動プーリーの外周面
   または該駆動プーリーの軸の外周面とに平ベルトを張架
   し、前記平ベルトによって前記駆動プーリーの回転力を
   前記第１の搬送回転体と前記第２の搬送回転体とに伝達
   するように構成したことを特徴とするシート搬送装置。
3. 【請求項３】 前記搬送回転体の外周面と前記駆動プー
   リーの外周面または該駆動プーリーの軸の外周面とに前
   記平ベルトの同一面が当接するように構成したことを特
   徴とした請求項１または請求項２記載のシート搬送装
   置。
4. 【請求項４】 シートの先端が前記第１の搬送回転体を
   通過して前記第２の搬送回転体に進入するまでの間は前
   記第２の搬送回転体によって搬送されるシートの搬送量
   が前記第１の搬送回転体によって搬送される搬送量より
   も大きくなり、且つ前記シートの先端が前記第２の搬送
   回転体を通過した後には前記第１の搬送回転体によって
   搬送されるシートの搬送量と前記第２の搬送回転体によ
   って搬送されるシートの搬送量とが等しくなるように構
   成されたことを特徴とする請求項２または請求項３記載
   のシート搬送装置。
5. 【請求項５】 前記第２の搬送回転体の搬送力が前記第
   １の搬送回転体の搬送力よりも小さくなるように構成し
   たことを特徴とした請求項４記載のシート搬送装置。
6. 【請求項６】 前記シート搬送装置を複数ノズルより選
   択的にインクを吐出してシートに記録を行うインクジェ
   ット記録装置のシート搬送部として構成したことを特徴
   とする請求項１〜５のいずれか１項に記載のシート搬送
   装置。