JPH08129772A - 合成樹脂製光ピックアップ用回折格子 - Google Patents
合成樹脂製光ピックアップ用回折格子Info
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- JPH08129772A JPH08129772A JP6269726A JP26972694A JPH08129772A JP H08129772 A JPH08129772 A JP H08129772A JP 6269726 A JP6269726 A JP 6269726A JP 26972694 A JP26972694 A JP 26972694A JP H08129772 A JPH08129772 A JP H08129772A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐高温、耐低温、耐湿度、ヒートショック等
の耐環境性に優れた合成樹脂製光ピックアップ用回折格
子を提供する。 【構成】 合成樹脂からなる光ピックアップ用の回折格
子1において、回折格子1の基板1aの表面側から順
に、第1層として膜厚1/20λ〜1/2λのSiO2
層3aを形成する。第2層として膜厚1/8λのZrO
2 とTa2 O5 との混合物層3b、同膜厚のZrO2 と
TiO2 との混合物層、または同膜厚のZrO2 とTi
O2 とAl2 O3 との混合物層を形成する。第3層とし
て膜厚1/3λのSiO2 層を形成する。
の耐環境性に優れた合成樹脂製光ピックアップ用回折格
子を提供する。 【構成】 合成樹脂からなる光ピックアップ用の回折格
子1において、回折格子1の基板1aの表面側から順
に、第1層として膜厚1/20λ〜1/2λのSiO2
層3aを形成する。第2層として膜厚1/8λのZrO
2 とTa2 O5 との混合物層3b、同膜厚のZrO2 と
TiO2 との混合物層、または同膜厚のZrO2 とTi
O2 とAl2 O3 との混合物層を形成する。第3層とし
て膜厚1/3λのSiO2 層を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ピックアップに用い
られる合成樹脂製の回折格子に関する。
られる合成樹脂製の回折格子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば実開平2−113703号
公報に開示されるような回折格子がある。この回折格子
は、回折格子の入出射面にシリカまたはフッ化マグネシ
ウムあるいは酸化チタン等の保護膜を蒸着することによ
り光の透過率を向上させるというものである。
公報に開示されるような回折格子がある。この回折格子
は、回折格子の入出射面にシリカまたはフッ化マグネシ
ウムあるいは酸化チタン等の保護膜を蒸着することによ
り光の透過率を向上させるというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術によれば、以下のような問題点を有していた。すなわ
ち、光ピックアップは過酷な環境下で使用されることが
想定され、耐高温、耐低温、耐湿度、ヒートショック等
の種々の耐久性を満たさなければならない。ところが、
従来の回折格子では、高温下やヒートショックにおいて
クラックが発生したり、また、多湿環境下において膜の
剥離を生じ、上記耐久性を満足せず、光ピックアップと
しての性能を損なってしまうという問題があった。
術によれば、以下のような問題点を有していた。すなわ
ち、光ピックアップは過酷な環境下で使用されることが
想定され、耐高温、耐低温、耐湿度、ヒートショック等
の種々の耐久性を満たさなければならない。ところが、
従来の回折格子では、高温下やヒートショックにおいて
クラックが発生したり、また、多湿環境下において膜の
剥離を生じ、上記耐久性を満足せず、光ピックアップと
しての性能を損なってしまうという問題があった。
【0004】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、耐高温、耐低温、耐湿度、ヒートショッ
ク等の耐環境性に優れた合成樹脂製光ピックアップ用回
折格子を提供することを目的とする。
されたもので、耐高温、耐低温、耐湿度、ヒートショッ
ク等の耐環境性に優れた合成樹脂製光ピックアップ用回
折格子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、合成樹脂からなる光ピック
アップ用回折格子において、回折格子の基板の表面側か
ら順に、第1層として膜厚1/20λ〜1/2λのSi
O2 層、第2層として膜厚1/8λのZrO2とTa2
O5 との混合物層、同膜厚のZrO2 とTiO2 との混
合物層、または同膜厚のZrO2 とTiO2 とAl2 O
3 との混合物層、第3層として膜厚1/3λのSiO2
層を形成した。
に、請求項1に係る発明は、合成樹脂からなる光ピック
アップ用回折格子において、回折格子の基板の表面側か
ら順に、第1層として膜厚1/20λ〜1/2λのSi
O2 層、第2層として膜厚1/8λのZrO2とTa2
O5 との混合物層、同膜厚のZrO2 とTiO2 との混
合物層、または同膜厚のZrO2 とTiO2 とAl2 O
3 との混合物層、第3層として膜厚1/3λのSiO2
層を形成した。
【0006】
【作用】まず、本発明者は、多湿環境下における膜の剥
離が第2層の材料の密度の低さに起因することを実験に
より明らかにした。そして、密度の高い膜を得られるZ
rO2 とTa2 O5 との混合物、ZrO2 とTiO2 と
の混合物、またはZrO 2 とTiO2 とAl2 O3 との
混合物を用いることによって耐湿性が改善されることを
見い出した。次に、クラックの発生は、高温下において
膜に引っ張り応力が加わることに起因するものであると
考え、本発明者は、膜の応力が50Pa・m以上の圧縮
応力であればクラックの発生を抑えられることを見い出
した。そして、上記混合物材料を用いることにより上記
応力の条件を満たすことを見い出した。
離が第2層の材料の密度の低さに起因することを実験に
より明らかにした。そして、密度の高い膜を得られるZ
rO2 とTa2 O5 との混合物、ZrO2 とTiO2 と
の混合物、またはZrO 2 とTiO2 とAl2 O3 との
混合物を用いることによって耐湿性が改善されることを
見い出した。次に、クラックの発生は、高温下において
膜に引っ張り応力が加わることに起因するものであると
考え、本発明者は、膜の応力が50Pa・m以上の圧縮
応力であればクラックの発生を抑えられることを見い出
した。そして、上記混合物材料を用いることにより上記
応力の条件を満たすことを見い出した。
【0007】また、各層の膜厚は、反射防止性能および
回折性能を良好にするために満たすべき条件である。特
に、合成樹脂製回折格子表面から第1層目の膜厚が1/
20λより薄いと、膜応力の条件を満たさず、クラック
を発生させてしまう。一方、1/2λより厚いと、全体
の膜厚が回折格子の溝深さに対して大きくなってしま
い、溝形状を変化させ、回折効率性能を悪化させてしま
う。
回折性能を良好にするために満たすべき条件である。特
に、合成樹脂製回折格子表面から第1層目の膜厚が1/
20λより薄いと、膜応力の条件を満たさず、クラック
を発生させてしまう。一方、1/2λより厚いと、全体
の膜厚が回折格子の溝深さに対して大きくなってしま
い、溝形状を変化させ、回折効率性能を悪化させてしま
う。
【0008】
[実施例1]図1〜図3に基づき説明する。図1は本実
施例のCD用の合成樹脂製光ピックアップ用回折格子を
示す側面図である。この回折格子1は、波長780nm
の半導体レーザにおいて用いるものである。図2は本実
施例の回折格子1の光ピックアップにおける使用状態を
示す概念図である。半導体レーザ4より出た光は、パッ
ケージ5に固着された回折格子1を通り、その0次光が
対物レンズ6を通って、ディスク7に到達する。ディス
ク7で反射した光は、行きと同じ光路を戻り、対物レン
ズ6、回折格子1を再び通って回折した光がフォトダイ
オード8に入るようになっている。
施例のCD用の合成樹脂製光ピックアップ用回折格子を
示す側面図である。この回折格子1は、波長780nm
の半導体レーザにおいて用いるものである。図2は本実
施例の回折格子1の光ピックアップにおける使用状態を
示す概念図である。半導体レーザ4より出た光は、パッ
ケージ5に固着された回折格子1を通り、その0次光が
対物レンズ6を通って、ディスク7に到達する。ディス
ク7で反射した光は、行きと同じ光路を戻り、対物レン
ズ6、回折格子1を再び通って回折した光がフォトダイ
オード8に入るようになっている。
【0009】図1において、基板1aの材料はアモルフ
ァス・ポリオレフィン樹脂(日本ゼオン(株)製、ZE
ONEX)であり、基板1aは射出成形にて成形したも
のである。グレーティング部2はピッチ3μm、深さ
0.4μm、デューティ比1:1の矩形格子となってい
る。ARコート3のない基板1aの状態での0次光の回
折効率は53%、±1次光の回折効率は19%である。
回折格子1の基板1a両面には、その表面側から順に、
光学的膜厚150nmのSiO2 層3a、光学的膜厚9
5nmの、ZrO2 とTa2 O5 との重量比9:1の混
合物層3b、光学的膜厚254nmのSiO2 層3cが
形成されている。
ァス・ポリオレフィン樹脂(日本ゼオン(株)製、ZE
ONEX)であり、基板1aは射出成形にて成形したも
のである。グレーティング部2はピッチ3μm、深さ
0.4μm、デューティ比1:1の矩形格子となってい
る。ARコート3のない基板1aの状態での0次光の回
折効率は53%、±1次光の回折効率は19%である。
回折格子1の基板1a両面には、その表面側から順に、
光学的膜厚150nmのSiO2 層3a、光学的膜厚9
5nmの、ZrO2 とTa2 O5 との重量比9:1の混
合物層3b、光学的膜厚254nmのSiO2 層3cが
形成されている。
【0010】本実施例のARコート3の応力を測定した
ところ、90Pa・mの圧縮応力であった。また、AR
コート3の反射率特性を図3に示す。図3から判るよう
に、使用波長において反射率は0.5%以下になってい
る。また、本実施例による合成樹脂製の回折格子1は、
85℃に200時間放置、−40℃に200時間放置、
65℃/湿度90%に200時間放置および85℃と−
40℃とにそれぞれ30分ずつの放置を200サイクル
繰り返すヒートショック試験に対して、それぞれ外観お
よび反射率特性に劣化が見られなかった。さらに、回折
効率性能も上記基板状態での性能に対して劣化しておら
ず、ARコート3を形成したことによる回折性能劣化と
いう問題も有していないことが確認された。
ところ、90Pa・mの圧縮応力であった。また、AR
コート3の反射率特性を図3に示す。図3から判るよう
に、使用波長において反射率は0.5%以下になってい
る。また、本実施例による合成樹脂製の回折格子1は、
85℃に200時間放置、−40℃に200時間放置、
65℃/湿度90%に200時間放置および85℃と−
40℃とにそれぞれ30分ずつの放置を200サイクル
繰り返すヒートショック試験に対して、それぞれ外観お
よび反射率特性に劣化が見られなかった。さらに、回折
効率性能も上記基板状態での性能に対して劣化しておら
ず、ARコート3を形成したことによる回折性能劣化と
いう問題も有していないことが確認された。
【0011】すなわち、本実施例のCD用の合成樹脂製
光ピックアップ用回折格子は、光学的性能が良好で、耐
高温、耐低温、耐湿度、ヒートショック等の耐久性に優
れている。
光ピックアップ用回折格子は、光学的性能が良好で、耐
高温、耐低温、耐湿度、ヒートショック等の耐久性に優
れている。
【0012】[実施例2]以下、実施例1と異なる点の
みについて図1に基づき説明する。回折格子1の基板1
aの両面には、その表面側から順に、光学的膜厚40n
mのSiO2 層3a、光学的膜厚100nmの、ZrO
2 とTa2 O5 との重量比9:1の混合物層3b、光学
的膜厚245nmのSiO2 層3cが形成されている。
みについて図1に基づき説明する。回折格子1の基板1
aの両面には、その表面側から順に、光学的膜厚40n
mのSiO2 層3a、光学的膜厚100nmの、ZrO
2 とTa2 O5 との重量比9:1の混合物層3b、光学
的膜厚245nmのSiO2 層3cが形成されている。
【0013】本実施例のARコート3の応力を測定した
ところ、67Pa・mの圧縮応力であった。本実施例に
よっても実施例1と同様の効果が得られた。
ところ、67Pa・mの圧縮応力であった。本実施例に
よっても実施例1と同様の効果が得られた。
【0014】[実施例3]実施例1と異なる点のみにつ
いて図1に基づき説明する。回折格子1の基板1aの両
面には、その表面側から順に、光学的膜厚350nmの
SiO2 層3a、光学的膜厚90nmの、ZrO2 とT
a2 O5 との重量比9:1の混合物層3b、光学的膜厚
243nmのSiO2 層3cが形成されている。
いて図1に基づき説明する。回折格子1の基板1aの両
面には、その表面側から順に、光学的膜厚350nmの
SiO2 層3a、光学的膜厚90nmの、ZrO2 とT
a2 O5 との重量比9:1の混合物層3b、光学的膜厚
243nmのSiO2 層3cが形成されている。
【0015】本実施例のARコート3の応力を測定した
ところ、100Pa・mの圧縮応力であった。本実施例
においても実施例1と同様の効果が得られた。
ところ、100Pa・mの圧縮応力であった。本実施例
においても実施例1と同様の効果が得られた。
【0016】[実施例4]本実施例のCD用の合成樹脂
製光ピックアップ用回折格子は、波長650nmの半導
体レーザにおいて用いるものである。回折格子の概略形
状および使用方法は実施例1と同様である。以下、図1
に基づき説明する。基板1aの材料はZEONEXで、
基板1aは射出成形にて成形したものである。グレーテ
ィング部2はピッチ3μm、深さ0.33μm、デュー
ティ比1:1の矩形格子となっている。ARコート3の
ない基板1aの状態での0次光の回折効率は53%、±
1次光の回折効率は19%である。回折格子1の基板1
aの両面には、その表面側から順に、光学的膜厚200
nmのSiO2 層3a、光学的膜厚77nmの、ZrO
2 とTiO2 との重量比8:2の混合物層3b、光学的
膜厚204nmのSiO2 層3cが形成されている。
製光ピックアップ用回折格子は、波長650nmの半導
体レーザにおいて用いるものである。回折格子の概略形
状および使用方法は実施例1と同様である。以下、図1
に基づき説明する。基板1aの材料はZEONEXで、
基板1aは射出成形にて成形したものである。グレーテ
ィング部2はピッチ3μm、深さ0.33μm、デュー
ティ比1:1の矩形格子となっている。ARコート3の
ない基板1aの状態での0次光の回折効率は53%、±
1次光の回折効率は19%である。回折格子1の基板1
aの両面には、その表面側から順に、光学的膜厚200
nmのSiO2 層3a、光学的膜厚77nmの、ZrO
2 とTiO2 との重量比8:2の混合物層3b、光学的
膜厚204nmのSiO2 層3cが形成されている。
【0017】本実施例のARコート3の応力を測定した
ところ、83Pa・mの圧縮応力であった。また、AR
コート3の反射率特性を図4に示す。図4から判るよう
に、使用波長において反射率は0.5%以下になってい
る。また、本実施例による合成樹脂製の回折格子1は、
85℃に200時間放置、−40℃に200時間放置、
65℃/湿度90%に200時間放置および85℃と−
40℃とにそれぞれ30分ずつの放置を200サイクル
繰り返すヒートショック試験に対して、それぞれ外観お
よび反射率特性に劣化が見られなかった。さらに、回折
効率性能も上記基板状態での性能に対して劣化しておら
ず、ARコート3を形成したことによる回折性能劣化と
いう問題も有していないことが確認された。
ところ、83Pa・mの圧縮応力であった。また、AR
コート3の反射率特性を図4に示す。図4から判るよう
に、使用波長において反射率は0.5%以下になってい
る。また、本実施例による合成樹脂製の回折格子1は、
85℃に200時間放置、−40℃に200時間放置、
65℃/湿度90%に200時間放置および85℃と−
40℃とにそれぞれ30分ずつの放置を200サイクル
繰り返すヒートショック試験に対して、それぞれ外観お
よび反射率特性に劣化が見られなかった。さらに、回折
効率性能も上記基板状態での性能に対して劣化しておら
ず、ARコート3を形成したことによる回折性能劣化と
いう問題も有していないことが確認された。
【0018】すなわち、本実施例のCD用の合成樹脂製
光ピックアップ用回折格子は、光学的性能が良好で、耐
高温、耐低温、耐湿度、ヒートショック等の耐久性に優
れている。
光ピックアップ用回折格子は、光学的性能が良好で、耐
高温、耐低温、耐湿度、ヒートショック等の耐久性に優
れている。
【0019】[実施例5]図5および図6に基づき説明
する。図5は本実施例の光磁気ディスク用の合成樹脂製
光ピックアップ用回折格子の光ピックアップにおける使
用状態を示す概念図である。波長785nmの半導体レ
ーザ4より出た光は、パッケージ5に固着された回折格
子1を通り、その0次光がコリメートレンズ12、偏光
ビームスプリッタ9、対物レンズ6を経てディスク7に
到達する。ディスク7で反射した一部の光は、行きと同
じ光路を戻り、対物レンズ6、偏光ビームスプリッタ
9、回折格子1を再び通って回折した光がフォトダイオ
ード8に入る。また、他の一部の光は、偏光ビームスプ
リッタ9から偏光プリズム10、集光レンズ13を通っ
てフォトダイオード11に入る。
する。図5は本実施例の光磁気ディスク用の合成樹脂製
光ピックアップ用回折格子の光ピックアップにおける使
用状態を示す概念図である。波長785nmの半導体レ
ーザ4より出た光は、パッケージ5に固着された回折格
子1を通り、その0次光がコリメートレンズ12、偏光
ビームスプリッタ9、対物レンズ6を経てディスク7に
到達する。ディスク7で反射した一部の光は、行きと同
じ光路を戻り、対物レンズ6、偏光ビームスプリッタ
9、回折格子1を再び通って回折した光がフォトダイオ
ード8に入る。また、他の一部の光は、偏光ビームスプ
リッタ9から偏光プリズム10、集光レンズ13を通っ
てフォトダイオード11に入る。
【0020】図1に基づき本実施例の回折格子1を説明
する。基板1aの材料はPMMAであり、基板1aは射
出成形にて成形したものである。グレーティング部2は
ピッチ3μm、深さ0.2μm、デューティ比1:1の
矩形格子となっている。ARコート3のない基板1aの
状態での回折効率は80%、±1次光の回折効率は7%
である。回折格子1の基板1aの両面には、その表面側
から順に、光学的膜厚40nmのSiO2 層3a、光学
的膜厚100nmの、ZrO2 とTa2 O5 との重量比
9:1の混合物層3b、光学的膜厚245nmのSiO
2 層3cが形成されている。
する。基板1aの材料はPMMAであり、基板1aは射
出成形にて成形したものである。グレーティング部2は
ピッチ3μm、深さ0.2μm、デューティ比1:1の
矩形格子となっている。ARコート3のない基板1aの
状態での回折効率は80%、±1次光の回折効率は7%
である。回折格子1の基板1aの両面には、その表面側
から順に、光学的膜厚40nmのSiO2 層3a、光学
的膜厚100nmの、ZrO2 とTa2 O5 との重量比
9:1の混合物層3b、光学的膜厚245nmのSiO
2 層3cが形成されている。
【0021】本実施例のARコート3の応力を測定した
ところ、90Pa・mの圧縮応力であった。また、AR
コート3の反射率特性を図6に示す。図6から判るよう
に、使用波長において反射率は0.5%以下になってい
る。また、本実施例による合成樹脂製の回折格子1は、
85℃に200時間放置、−40℃に200時間放置、
65℃/湿度90%に200時間放置および85℃と−
40℃とにそれぞれ30分ずつの放置を200サイクル
繰り返すヒートショック試験に対して、それぞれ外観お
よび反射率特性に劣化が見られなかった。さらに、回折
効率性能も上記基板状態での性能に対して劣化しておら
ず、ARコート3を形成したことによる回折性能劣化と
いう問題も有していないことが確認された。
ところ、90Pa・mの圧縮応力であった。また、AR
コート3の反射率特性を図6に示す。図6から判るよう
に、使用波長において反射率は0.5%以下になってい
る。また、本実施例による合成樹脂製の回折格子1は、
85℃に200時間放置、−40℃に200時間放置、
65℃/湿度90%に200時間放置および85℃と−
40℃とにそれぞれ30分ずつの放置を200サイクル
繰り返すヒートショック試験に対して、それぞれ外観お
よび反射率特性に劣化が見られなかった。さらに、回折
効率性能も上記基板状態での性能に対して劣化しておら
ず、ARコート3を形成したことによる回折性能劣化と
いう問題も有していないことが確認された。
【0022】すなわち、本実施例のCD用の合成樹脂製
光ピックアップ用回折格子は、光学的性能が良好で、耐
高温、耐低温、耐湿度、ヒートショック等の耐久性に優
れている。
光ピックアップ用回折格子は、光学的性能が良好で、耐
高温、耐低温、耐湿度、ヒートショック等の耐久性に優
れている。
【0023】[実施例6]実施例1と異なる点のみにつ
いて図1に基づき説明する。回折格子1の基板1aの両
面には、その表面側から順に、光学的膜厚250nmの
SiO2 層3a、光学的膜厚80nmの、ZrO2 とT
iO2 とAl2 O3との重量比8:1:1の混合物層3
b、光学的膜厚260nmのSiO2 層3cが形成され
ている。
いて図1に基づき説明する。回折格子1の基板1aの両
面には、その表面側から順に、光学的膜厚250nmの
SiO2 層3a、光学的膜厚80nmの、ZrO2 とT
iO2 とAl2 O3との重量比8:1:1の混合物層3
b、光学的膜厚260nmのSiO2 層3cが形成され
ている。
【0024】本実施例のARコート3の応力を測定した
ところ、92Pa・mの圧縮応力であった。本実施例に
よっても実施例1と同様の効果が得られた。
ところ、92Pa・mの圧縮応力であった。本実施例に
よっても実施例1と同様の効果が得られた。
【0025】[比較例1]回折格子1の基板1aの両面
には、その表面側から順に、光学的膜厚150nmのS
iO2 層3a、光学的膜厚95nmのCeO2 層3b、
光学的膜厚254nmのSiO2 層3cが形成されてい
る。本比較例のARコート3の応力を測定したところ、
32Pa・mの圧縮応力であった。本比較例による合成
樹脂製の回折格子1は、85℃に200時間放置および
85℃と−40℃とにそれぞれ30分ずつの放置を20
0サイクル繰り返すヒートショック試験によって表面に
クラックが発生した。また、65℃/湿度90%に20
0時間放置によって膜剥離があった。
には、その表面側から順に、光学的膜厚150nmのS
iO2 層3a、光学的膜厚95nmのCeO2 層3b、
光学的膜厚254nmのSiO2 層3cが形成されてい
る。本比較例のARコート3の応力を測定したところ、
32Pa・mの圧縮応力であった。本比較例による合成
樹脂製の回折格子1は、85℃に200時間放置および
85℃と−40℃とにそれぞれ30分ずつの放置を20
0サイクル繰り返すヒートショック試験によって表面に
クラックが発生した。また、65℃/湿度90%に20
0時間放置によって膜剥離があった。
【0026】[比較例2]回折格子1の基板1aの両面
には、その表面側から順に、光学的膜厚150nmのS
iO2 層3a、光学的膜厚95nmのZrO2 層3b、
光学的膜厚254nmのSiO2 層3cが形成されてい
る。本比較例のARコート3の応力を測定したところ、
32Pa・mの圧縮応力であった。本比較例による合成
樹脂製の回折格子1は、65℃/湿度90%に200時
間放置する試験はクリアしたものの、85℃に200時
間放置および85℃と−40℃にそれぞれ30分ずつの
放置を200サイクル繰り返すヒートショック試験によ
って、圧縮応力が足りないために表面にクラックが発生
した。
には、その表面側から順に、光学的膜厚150nmのS
iO2 層3a、光学的膜厚95nmのZrO2 層3b、
光学的膜厚254nmのSiO2 層3cが形成されてい
る。本比較例のARコート3の応力を測定したところ、
32Pa・mの圧縮応力であった。本比較例による合成
樹脂製の回折格子1は、65℃/湿度90%に200時
間放置する試験はクリアしたものの、85℃に200時
間放置および85℃と−40℃にそれぞれ30分ずつの
放置を200サイクル繰り返すヒートショック試験によ
って、圧縮応力が足りないために表面にクラックが発生
した。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明の合成樹脂製光ピ
ックアップ用回折格子によれば、耐高温、耐低温、耐湿
度、ヒートショック等の耐環境性に優れたものとなる。
ックアップ用回折格子によれば、耐高温、耐低温、耐湿
度、ヒートショック等の耐環境性に優れたものとなる。
【図1】実施例1の回折格子を示す側面図である。
【図2】実施例1の回折格子を組み込んだ光ピックアッ
プを示す概念図である。
プを示す概念図である。
【図3】実施例1の回折格子のARコートの反射率特性
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図4】実施例4の回折格子のARコートの反射率特性
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図5】実施例5の回折格子を組み込んだ光ピックアッ
プを示す概念図である。
プを示す概念図である。
【図6】実施例5の回折格子のARコートの反射率特性
を示すグラフである。
を示すグラフである。
1 回折格子 1a 基板 2 グレーティング部 3 ARコート 3a,3c SiO2 層 3b 混合物層
Claims (1)
- 【請求項1】 合成樹脂からなる光ピックアップ用回折
格子において、回折格子の基板の表面側から順に、第1
層として膜厚1/20λ〜1/2λのSiO 2 層、第2
層として膜厚1/8λのZrO2 とTa2 O5 との混合
物層、同膜厚のZrO2 とTiO2 との混合物層、また
は同膜厚のZrO2 とTiO2 とAl 2 O3 との混合物
層、第3層として膜厚1/3λのSiO2 層を形成した
ことを特徴とする合成樹脂製光ピックアップ用回折格
子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6269726A JPH08129772A (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | 合成樹脂製光ピックアップ用回折格子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6269726A JPH08129772A (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | 合成樹脂製光ピックアップ用回折格子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08129772A true JPH08129772A (ja) | 1996-05-21 |
Family
ID=17476315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6269726A Pending JPH08129772A (ja) | 1994-11-02 | 1994-11-02 | 合成樹脂製光ピックアップ用回折格子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08129772A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005018061A (ja) * | 2003-06-27 | 2005-01-20 | Agilent Technol Inc | 反射防止コーティングを施された回折光学素子 |
JP2010066468A (ja) * | 2008-09-10 | 2010-03-25 | Soken Chem & Eng Co Ltd | 波長分波分光光学素子 |
JP2011138169A (ja) * | 2004-07-26 | 2011-07-14 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 透過型回折光学素子 |
KR101051372B1 (ko) * | 2010-04-19 | 2011-07-22 | 주식회사 엘엠에스 | 블루-레이 디스크 용 파장판 |
-
1994
- 1994-11-02 JP JP6269726A patent/JPH08129772A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005018061A (ja) * | 2003-06-27 | 2005-01-20 | Agilent Technol Inc | 反射防止コーティングを施された回折光学素子 |
JP2011138169A (ja) * | 2004-07-26 | 2011-07-14 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 透過型回折光学素子 |
JP2010066468A (ja) * | 2008-09-10 | 2010-03-25 | Soken Chem & Eng Co Ltd | 波長分波分光光学素子 |
KR101051372B1 (ko) * | 2010-04-19 | 2011-07-22 | 주식회사 엘엠에스 | 블루-레이 디스크 용 파장판 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040106 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040205 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20040524 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20050304 |