JP2010066468A - 波長分波分光光学素子 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】本発明の波長分波分光光学素子は、樹脂製トップ層のX方向およびY方向に、周期的に多数形成された四角柱以上の正多角柱および/または円柱が形成された波長分波分光光学素子において、該樹脂製トップ層に多数形成された四角柱以上の正多角柱または円柱の表面が、1〜10層の金属酸化物層で被覆されており、該正多角柱または円柱の頂部表面における酸化物層の厚さを100%としたとき、該正多角柱または円柱の側壁表面における酸化物層の厚さが20〜80%の範囲内にあり、偏光依存性がなく、かつ広帯域の光を分波可能に形成されていることを特徴としている。
【効果】本発明によれば、波長分波分光光学素子の光の広域化をはかることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、多数の波長の光信号の中から、特定の波長の光信号を精度よく分波分光するための光学素子に関する。
近年、科学技術の発達に伴って、さまざまな分野で微細な光学素子が必要とされるようになってきている。中でも通信分野では情報の伝達が電波から光へと変わりつつあり、多重化して送信される光を波長分離するために波長分波分光光学素子が使用されており、このような光学素子ではより高い精度が求められている。
従来、このような光学素子は、ガラス基板上に無機物を蒸着、あるいは、石瑛、ガラスなどの透明部材を電子ブーム露光、エッチング加工して製造されていたが、このような方法では製造工程が煩雑で大量生産が困難であるため、コストが非常に高くなっていた。
そこで、近年、より簡単な製造方法として熱インプリントによる光学素子の製造方法が提案されている。熱インプリントでは、光学素子を作成するためのモールドを作成し、光学素子を形成する被転写樹脂に該モールドを押圧することで光学素子を作成することが可能であり、光学素子をより安価で大量に生産することが可能となる。
このような波長分波分光光学素子は、非常に精度よく分波することができる反面、素子の極めてわずかな歪み、変形によって、所望の波長の光が分波することができなくなるという問題がある。
このような波長分波分光光学素子を製造する際には、素子に僅かに歪など、素子自体に極めてた僅かな歪、温度(熱)などによる変形などが生ずることがあり、こうした波長分波分光光学素子は、分波しようとする設計分波波長と、実際の分波波長とがずれることがあり、分波を予定している波長の分波効率が低下する。
このように従来の波長分波分光光学素子では、分波される波長の幅が極めて狭いために、製造された素子に僅かな歪などの異常が発生すると、所望の波長の光を効率よく分波することが困難になるとの問題がある。
ところで、送信される多数の光の波長は、分波された光が混同しないように、ある程度の波長間隔をもって送信される。従って、分波される波長が従来の波長分波分光光学素子に見られるように、非常にシャープである必要なそれほど高くはなく、他の信号を送信する光の波長と重複しない程度であれば分波波長が多少ブロードであってもよい。また、素子の温度が変化するなどの要因を考慮すると、分波される光の波長は、多少ブロードであった方がより確実に波長に対応して分波を行うことができる。
このように分波される波長をブロードにするためには、たとえば特許文献1(WO 2004-113974A1号パンフレット)に記載するような周期的な凹凸を多層重ねる方法などがあるが、積層する層が非常に多くなるので、その製造が非常に煩雑になるとの問題がある。
また、特許文献2(特開平8−129772号公報)には、合成樹脂からなる光ピックアップ用回折格子の基板の表面から順次酸化物層が形成され、第1層に膜厚が1/20λ
から1/2λのSiO2層、第2層として膜厚が1/8λのZrO2とTa25の混合物層、同膜厚のZrO2とTiO2との混合物層、または、同膜厚のZrO2とTiO2とAl23
との混合物層、第3層として、膜厚1/3λのSiO2層を形成した合成樹脂製光ピックアップ用回折格子の発明が開示されている。しかしながら、この特許文献2に記載されている合成樹脂製ピックアップ用回路格子は、突出して形成された格子の上面および格子間の凹部の表面に上記のような入射光の波長に対して所定の厚さを有する層を3層積層した構造を有している。このように入射光の波長に対応させて異なる種類の酸化物膜を形成することは極めて高度な技術を要する。また、この合成樹脂製ピックアップ用回路格子に形成された突起部の側面には、上記のような酸化物膜は形成されていない。
WO 2004-113974A1号パンフレット 特開平8−129772号公報
本発明は偏光依存性がなく生産性の高い波長分波分光光学素子を提供することを目的としている。
また、本発明は、素子が温度変化や湿度変化により多少歪んだり、変形が生じても、目的とする波長の光を分波することができる波長分波分光光学素子を提供することを目的としている。
本発明の波長分波分光光学素子は、樹脂製トップ層のX方向およびY方向に、周期的に多数形成された四角柱以上の正多角柱または円柱が形成された波長分波分光光学素子において、
該樹脂製トップ層に多数形成された四角柱以上の正多角柱または円柱の表面が、1〜10層の金属酸化物層で被覆されており、該正多角柱または円柱の頂部表面における酸化物層の厚さを100%としたとき、該正多角柱または円柱の側壁表面における酸化物層の厚さが20〜80%の範囲内にあり、かつ、側壁表面の最大厚みと最小厚みとの比(最小厚み/最大厚み)が0.9以上1以下であり、偏光依存性がなく、かつ広帯域の光を分波可
能に形成されていることを特徴としている。
上記金属酸化物層が、HfO2,Ta25、ZrO2、TiO2およびSiO2よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物層であることが好ましい。
また、本発明の波長分波分光光学素子においては、上記多角柱または円柱の頂部表面における酸化物層の平均厚さが、4〜500nmの範囲内にあることが好ましい。
さらに、本発明の波長分波分光光学素子は、上記分波しようとする波長の光の分波光の最高光量の1/2の分波波長の波長幅(半値幅)W50としたときの値が、10〜40nmの範囲内にあることが好ましい。
またさらに、本発明の波長分波分光光学素子は。上記波長分波分光光学素子を構成する樹脂製トップ層と金属酸化物層とが、次式(I)および(II)で表わされる関係を有することが好ましい。
Figure 2010066468
さらに、本発明の波長分波分光光学素子は、上記樹脂製トップ層表面に形成された多数形成された四角柱以上の正多角柱または円柱が、樹脂層にモールドを圧接して一定の規則
性をもって柱状体を形成したものであることが好ましく、ここで、上記トップ層および四角柱以上の正多角柱または円柱を形成する樹脂は、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、環状オレフィン系樹脂およびチオフェノー樹脂、フェノール樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の樹脂を含有していることが好ましい。
ここで形成される正四角柱以上の多角柱または円柱は、X軸、Y軸方向で周期(P)が同一であり、その幅(A)が周期(P)の20〜60%の範囲内にあることが好ましい。
また、上記四角柱以上の正多角柱または円柱の幅(A)と隣接する四角柱以上の正多角柱または円柱との間隙(E)との合計である周期(P)は、通常は100〜1200nmの
範囲内にある。
本発明の波長分波分光光学素子は、樹脂製トップ層20の表面に、この樹脂製トップ層20に一体化されて多数形成された四角柱以上の正多角柱22または円柱24を有する。そして、この樹脂製トップ層20ならびに四角柱以上の正多角柱22または円柱24の表面は、光を透過する薄膜の金属酸化物で被覆されており、四角柱以上の正多角柱22または円柱24の頂部表面における金属酸化物層の厚さを100%としたときに、この四角柱以上の正多角柱22または円柱24の側壁表面における金属酸化物層の厚さが20〜80%の範囲内であり、側壁金属酸化物層の最大厚み、最小厚みの比が0.9以上1以下にある。
このように四角柱以上の正多角柱22または円柱24の側面の金属酸化物層の厚さを上記範囲で、上面よりも薄く形成することにより、この素子で分波される光の波長を広くすることができる。すなわち、たとえばナノプリント法を用いて樹脂製トップ層の表面に突起が形成された波長分波分光光学素子は、分波波長が非常に狭く、僅かな素子の歪などによって分波される波長が変化してしまうことがある。
波長分波分光光学素子は、この素子の分波精度に変動が生じなければ、単一波長の光を分波すればよく、ノイズを排除するためにも分波幅は狭いことが望ましい。ところが、このような波長分波分光光学素子の使用環境は一定ではなく、たとえば使用温度や湿度の変化などによって、この波長分波分光光学素子に歪が生ずることがあり、また波長分波分光光学素子が非常に微細な構造を有しているために、その製造工程において、波長分波分光光学素子に歪が生ずることがある。このように波長分波分光光学素子に歪などが生ずると、この波長分波分光光学素子が本来有している分光特性がずれることがあり、予定している波長の光の分波効率が低下することがある。他方、光通信方法においては、分波する光のサイドバンド、共鳴などを考慮して使用する光の波長を設定する必要があり、異なる情報を送信するために使用する光の波長がそれほど近似することはない。
従って、波長分波分光光学素子で分離する光の波長が多少ブロードになったとしても、受信情報量などに及ぼす影響はほとんどない。
これに比し、波長分波分光光学素子に生ずる歪などによって、目的とする光を分波することができなくなってしまったら、光通信自体ができなくなることを意味する。
本発明者は、波長分波分光光学素子における分波波長の広域化について、利害得失を考慮した結果、一定の範囲内であれば、分波波長を広げることによる利点が大きいとの結論に達した。
そして、このような分波波長の広域化は、これまで使用されていた樹脂製トップ層の表面にX軸方向およびY軸方向に一定のピッチで四角柱以上の正多角柱または円柱を多数形成し、この表面に透明性を有する薄膜金属酸化物層を形成するとともに、この金属酸化物
層の厚さを四角柱以上の正多角柱または円柱の頂部では厚くし、側壁部で頂部の厚さに対して所定の範囲内で均一な厚さにすることにより、分波波長をブロードにすることができることを見出した。
そして、このようにして分波波長をブロードにしたことによっても、この波長分波分光光学素子の特性は損なわれることがなく、逆に素子に多少の歪などが生じた場合であっても、正常な素子と同様に分波分光を行うことができる。さらに、偏光依存性がなく、1〜10層という少ない積層により得られるため生産性が高い。
次に本発明の波長分波分光光学素子について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、樹脂製トップ層の表面に正四角柱が多数形成された本発明の波長分波分光光学素子の例を示す図であり、図2は、樹脂製トップ層の表面に多数の円柱が形成された本発明の波長分波分光光学素子の例を示す図であり、図3は、樹脂製トップ層の表面に多数形成された正四角柱の相互の関係を示す図である。さらに、図4は、正多角柱あるいは円柱の縦断面を模式的に示す断面図である。
図1および図2に示すように、本発明の波長分波分光光学素子は、透明基板10の上に積層された樹脂製トップ層20の表面に、この樹脂製トップ層20に一体化されて多数形成された四角柱以上の正多角柱22または円柱24を有する。
透明基板10は、光学ガラス、ポリサルホン、ポリエーテルサルホンのような透明部材で形成されており、樹脂製トップ層の屈折率を(n2)とし、樹脂基板10の屈折率を、(n1)としたときに、樹脂製トップ層の屈折率(n2)と、透明基板10の屈折率(n1)との差(n2−n1)が通常は0.01〜0.35、好ましくは0.06〜0.3の範囲内になる。このような屈折率差を有するように、基材材料とトップ層樹脂を選択すればよい。
本発明の波長分波分光光学素子には、樹脂製トップ層の表面に正四角柱以上の正多角柱あるいは円柱が多数形成されている。図1には、付番22で正四角柱が示されており、図2には付番24で円柱が示されている。
本発明の波長分波分光光学素子において、樹脂製トップ層の表面に形成されている正四角柱以上の正多角柱あるいは円柱は、樹脂トップ層を形成する樹脂と同一の樹脂で形成されている。すなわち、本発明の波長分波分光光学素子の樹脂製トップ層の表面に形成されている正四角柱あるいは円柱などの柱状体は、樹脂製トップ層に、形成しようとする柱状体とは逆のパターンが形成されたモールドを加熱下に当接することにより、モールドに形成された凹凸を逆転させた柱状体を形成することができる。
従って、トップ層の表面に形成された柱状体を形成する樹脂は樹脂製トップ層と同一の熱可塑性樹脂である。
本発明では、この柱状体が、正四角柱以上の正多角柱または円柱である。ここで多角柱は、正四角柱以上の正多角柱であり、正四角柱、正五角柱、正六角柱、正八角柱、正十二角柱など、その横断面において、各辺の長さが等しい角柱である。さらに、この正多角柱の角数が次第に多くなるに従って円柱に近くなり、本発明では、柱状体として円柱を用いることができる。中でも、X軸、Y軸方向の柱状体の幅(A)を等しくできる形状が偏光依
存性があらわれにくいため好ましく、円柱、四角柱、八角柱などが好ましく用いられる。
このように本発明において、柱状体を正四角柱以上の正多角柱あるいは円柱にすることにより、分波される光の波長幅を広域化することができ、正多角柱ではない横断面形状が例えば長方形の角柱を用いても分波光を広域化することはできない。なお、上記正多角柱
における「正」の精度は、横断面における各辺の長さが同一であれば最も好ましいが、辺の長さの10%以下、好ましくは5%以下のズレであれば、本発明では「正多角柱」と看做すこととする。なお、上記定義を外れる正四角柱のような正多角柱あるいは円柱以外の柱状体を用いても、本発明で奏される効果は発現しない。
上記のような正多角柱あるいは円柱からなる柱状体は、図1、図2に示すように、樹脂製トップ層のX軸方向およびY軸方向に同一周期で形成されている。
この柱状体は、図3に示すように柱状体の幅(太さ)をA、隣接する柱状体との間隙をEとすると、周期(P)は、A+Eで表わすことができる。
具体的には、柱状体の幅(A)は、通常は周期(P)の20〜60%、好ましくは30
〜50%の範囲内にあり、隣接する柱状体との間隙幅(E)は、通常は周期(P)の40
〜80%、好ましくは50〜70%の範囲内にある。このように柱状体の幅(A)を周期
(P)に対して上記のように設定することにより、光通信に用いた場合には有用性の高い
波長の光を使用した情報の送受信を行うことができる。
従って、本発明の波長分波分光光学素子において、形成されている柱状体の周期は、通常は100〜1200nmであり、紫外光の分波を行う場合には、950〜1050nm、可視光の分波を行う場合には、270〜400nmである。
上記の範囲内で柱状体の幅(A)、間隙幅(E)、および、周期(P)の長さを変えるこ
とにより、分波しようとする波長を制御することができる。なお。図3では、便宜上、正四角柱を用いて(A),(E)、(P)について説明しているが、円柱あるいはその他の多角柱であっても同様である。
本発明の波長分波分光光学素子おいては、上記のような樹脂製トップ層の表面にこの樹脂組成トップ層を形成する樹脂と同一の樹脂で形成された柱状体の表面は、透明性を有する金属被膜で被覆されている。
ここで使用される金属酸化物としては、HfO2,Ta25、ZrO2、TiO2および
SiO2のいずれかの金属酸化物であり、これらの金属酸化物は単独で使用することもで
きるし、また組み合わせて使用することもできる。
上記の波長分波分光光学素子を構成する樹脂製トップ層と金属酸化物層とが所定の関連を有するように、樹脂製トップ層の屈折率と、金属酸化物層とが、特定の式(I)および(II)で表わされる関係を有することにより、本発明によって奏される作用効果はより顕著
なものになる。
Figure 2010066468
式(II)において、好ましくは0.35以下であり、屈折率差が大きくなるとサイドバンドが大きくなるために好ましくない。
またこのような金属酸化物からなる層は、単層であってよいし、1〜10層、好ましくは1〜3層の金属酸化物層を組み合わせることができる。この層の積層数が多くなりすぎると、本発明の波長分波分光光学素子における光透過性が低下することがあり、さらに、形成された金属酸化物層の形状が、柱状体の形状とは異なったものになり、分波特性が損なわれることがある。また、積層数を多くすることで工程が増加し、生産性が低下する。
本発明の波長分波分光光学素子は、特定の波長の光を選択的に透過させるとの特性を有するものであるから、柱状部の頂部31における金属酸化物膜の厚さは、通常は4〜500nmの範囲内、好ましくは6〜450nmの範囲内にある。
図4には樹脂製トップ層20の表面に、この樹脂性トップ層20を形成する樹脂によって形成された柱状体(四角柱以上の多角柱または円柱)22,24が形成された部分の断面が示されている。
図4から明らかなように、本発明の波長分波分光光学素子においては、柱状体22,24の頂部31、柱状体22,24の側壁33、および、柱状体22,24が形成されていない樹脂製トップ層20の表面35が、金属酸化物層で被覆される。
本発明の波長分波分光光学素子においては、柱状体22,24の頂部31における金属酸化物層の厚さを厚くし、柱状体22,24の側壁33における金属酸化物層の厚さを薄くする。
図4では、第1の金属酸化物層41と、第二の金属酸化物層42の二層の金属酸化物層が形成された態様が示されている。
そして、本発明の波長分波分光光学素子においては、柱状体22,24の頂部31におけるそれぞれの金属酸化物層の厚さを100%としたときに、この柱状体22,24の側壁33における金属酸化物層の厚さを20〜80%にする。さらに30〜50%の範囲内にすることが特に好ましい。さらに、この金属酸化層は、均一に形成されていることが望ましい。特に柱状体の側壁33において、金属酸化物層の厚さが、厚くなるにつれて金属酸化物層の均一性を確保することが難しくなり、柱状体のパターン形状が崩れていくためサイドバンドが大きくなり、偏光依存性がみとめられるようになる。本発明においては、パターン形状を四角柱以上の正多角柱または円柱とし、その間隙を調製し、さらに頂部の酸化物金属層の厚さ100%に対して80%以下、好適には50%厚さに留めることにより、側壁の最大厚みと最小厚みとの比(最小厚み/最大厚み)が、0.9以上1以下の大変均一性の高い金属酸化膜を形成することができる。また、柱状体の側壁33における金属酸化物層の厚さが、頂部の金属酸化物層の厚さに対して20%を下回ると、波長分波分光光学素子で分波できる波長幅が広域化しない。
なお、この柱状体22,24の頂部31における金属酸化物層の厚さおよび側壁33における金属酸化物層の厚さは、例えば、図10に示すように形成された波長分波分光光学素子表面の断面を電子顕微鏡などの拡大手段を用いて拡大して実測することにより、測定することができる。この断面は、図10に示すように、波長分波分光光学素子の縦断面を切り出して頂部および側壁の金属酸化物層の厚さが測定される。また、表面は、図11に示すように、熱インプリントにより形成された樹脂表面を予め観察して、形成された柱状体24の頂部の直径を測定し、金属酸化物層41,42を形成した後、再度柱状体の頂部の直径を測定することにより、側壁に形成された金属酸化物層の厚さ(最大厚さ)を計測することができる。
本発明においては、表面観察により測定される厚さ(最大厚さ)が頂部厚さの20〜80%である。
このように柱状体22,24の側壁33における金属酸化物の厚さを上記のように柱状体22,24の頂部31におけるそれぞれの金属酸化物層の厚さよりも薄くすることにより、分波しようとする波長の光の分波光の最高光度の1/2の波長幅(半値幅:W50)の値が広くなり、通常は10〜40nm、好ましくは10〜30nmに広がる。
図4には、樹脂製トップ層20の表面に柱状体22or24を形成し、その頂部31に、第一の金属酸化物層41aを形成し、その上に第二の金属酸化物層41aが形成された状態の断面図が示されている。そして、本発明においては樹脂製トップ層20の表面に柱状体22or24の側壁33にも側壁の第一の金属酸化物層41bを形成し、その上に側壁の第二の金属酸化物層41bが積層される、さらに、柱状体22or24と隣接する柱状体22or24との間の凹部35にも第一の金属酸化物層41および第二の金属酸化物層42が形成される。
これは上記のような金属酸化物で被覆しない場合の半値幅が2〜3nm程度であることからすると、分波できる光の波長を5〜10倍にも広げたことになり、本発明の波長分波分光光学素子に歪などが発生して、分波特性に変動が生じたとしても良好な分波を行うことができる。他方、異なる情報を送受信するためには、一般に波長が50〜200nm程度ずれた光を用いることから、上記のように分波波長の半値幅を上記のように広域化したとしても、他の信号が混在することがなく、光通信の精度は全く変化しない。
図5に本発明の波長分波分光光学素子によって分波される光を実線で示してあり、金属酸化物層を形成しない波長分波分光光学素子の分波される光を破線で示してある。
図5から明らかなように、本発明の構成を採用することにより、分波される波長は広くなる。
本発明において、分波しようとする波長の光の最高波長の1/2の波長幅(半値幅)W50としてしたときの値が通常は10〜40nmの範囲内、好ましくは10〜30nmの範囲
内にある。このように半値幅を広くとることにより、波長分波分光光学素子に歪が生じたとしても、その領域の信号を確実に捕捉することができる。
すなわち、たとえば、音声、データ、画像を光により送受信する場合には、使用する波長帯域は、たとえば1310nm、1490nm、1550nmの波長領域で信号を送受信するのが一般的であり、これらの波長は離れているので、本発明のように分波領域を広域化したとしても他の情報を伝達する光信号を拾ってしまうといったことは生じない。
本発明の波長分波分光光学素子は、種々の技術を応用して製造することができる。
各種製造技術の中で特に精度のよい波長分波分光光学素子を製造する好適な例としては、ナノインプリント法と、蒸着法の組み合わせを採用することが好ましい。
ナノインプリント法は、形成する柱状体とは逆のパターンを有するもモ−ルドを形成し、熱可塑性の樹脂製トップ層に加熱しながら、モールドに形成されたパターンを転写して、樹脂製トップ層の表面に多数の柱状体を一挙に形成し、こうして形成された柱状体の表面に金属酸化物層を真空蒸着などの乾式法によって形成する方法である。
ナノインプリント法により樹脂製トップ層に多数の柱状体を形成する方法はすでに公知であり、本発明においてもこうした技術を利用してナノメーターオーダーの柱状体を製造することができる。
このようにして形成された柱状体に金属蒸着皮膜を形成するのであるが、本発明では、柱状体の頂部における金属酸化物層の厚さを100%としたときに、柱状体の側壁の酸化物層の厚さを20〜80%、好ましくは30〜50%にすることにより、分波波長をブロードにすることができる。
このように柱状体を側壁における金属酸化物の蒸着量を調整するためには、柱状部22or24の側壁33に対してθの角度をもって金属酸化物を蒸着させる。ここで、θの角度
は真空度、温度によって変化するものの、通常は0〜35度、好ましくは0〜20度の範囲内に設定される。
このように、所定の角度をもって金属酸化膜を形成することにより、柱状体の側壁における金属酸化物層の厚さを特定の範囲で均一に形成することができる。
柱状体の厚さが、20%より低いと分波光の半値幅を上述のように広域化することができないし、また80%超えて厚くすると、この側壁33に形成される金属酸化物を均一に付着させることできない。
なお、上記のようにして蒸着を行う際の温度条件は通常は20〜120℃、気圧は通常は10-8〜10-5Paの範囲内に設定され、柱状体が形成された波長分波分光光学素子を回転させながら蒸着を行うことが好ましい。
上記のようにして金属酸化物を蒸着することにより、柱状体の頂部には、通常4〜500nm、好適には、6〜450nmの範囲内の金属酸化物の被膜形成される。そして、このように柱状体の頂部に対して柱状体の側壁における金属酸化物層の厚さを所定の厚さにすることにより、波長分波分光光学素子の光学特性を広域化することができる。
なお、柱状体22,24の側壁に金属酸化物を蒸着させると、図12に示すように、側壁に蒸着される金属酸化物の厚さが異なることがある。一般には、図12に示すように、側壁の頂部近傍で、金属酸化物の蒸着層が最も厚くなり、側壁の底部に近づくにつれて金属蒸着層の蒸着厚さは薄くなる傾向がある。本発明においては、側壁における蒸着金属の最大厚さと最小厚さとに差が生じないように蒸着条件を選定することが好ましく、本発明では、側壁の酸化物層の最大厚みと最小厚みとの比(最小厚み/最大厚み)を0.9以上
1以下にする。
ところで、本発明の波長分波分光光学素子においては、樹脂トップ層に形成されている柱状体は非常に微細であるので、その断面を形成する際に柱状体に加わる応力によって、本発明の波長分波分光光学素子を構成する各部材が応力変形することがある。こうした応力変形の例を示すために、本発明の出願と同時に上申書を提出して、この上申書に応力の付与下に本発明の波長分波分光光学素子の縦断面を形成したときの生ずる応力変形を参考図1として提出する。この参考図1に示される波長分波分光光学素子は、本来図4に示されるような形状を有していたが、断面を観察するための断面形成操作によって、参考図1に示すように変形することもある。この参考図1に示した断面図をトレースした図を、図13に示す。応力がかけられたために、全体として縦につぶれたような形状になっているが、樹脂トップ層20の表面の柱状体22or24が形成され、こうした柱状体22or24の表面を含めて全面に金属酸化物層が41.42が形成されており、しかもこの金属酸化物層が41.42には、柱状体の側壁に金属酸化物層が形成されており、この側壁に形成された金属酸化物膜に厚く形成された「最大厚さ」の部分と、金属酸化物層が薄く形成された「最小厚さ」の部分とがあることがわかる。
次に本発明の実施例を示して本発明の波長分波分光光学素子について詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
厚さ1mmで4インチ角の金属シリコンに、3mm角のパターン領域の小モールドを形成した。
この小モールドの中央部の表面に、周期(P)が1030nm、凹部の幅(A)が360nm、ギャップ幅(E)が670nmであり、高さが310nmの円柱状凹部を形成した。
これとは別に、無アルカリガラスからなる透明基板層の表面に膜厚3μmのメタクリル
樹脂(屈折率:1.46)からなる透明樹脂トップ層を形成した。
この透明な基板を基材固定基部の上に載置し固定した。
この基板固定部が載置された装置内には、モールド基台を取り付けるプレス基台が設置されており、このプレス基台に、上記のようにして製造したモールド基台を取り付けた。
この装置内の気圧を1013hPaに維持した状態で、基材固定基部に載置固定された透明基板を140℃に加熱して、プレス基台に固定されたモールド基台を透明基板に1M
Paの圧力で300秒間当接してモールド基台の表面に形成された凹凸を透明基板の樹脂製トップ層の表面に転写し、透明樹脂基板の温度が110℃にまで降下した時点で基材固定基部を透明基板から離型した。
得られた波長分波分光光学素子の樹脂トップ層の表面から起立した多数の円柱の表面およびこの円柱の断面の格子を電子顕微鏡を用いて観察した。その結果、透明樹脂トップ層の表面に、周期(P)1030nm、円柱幅(A)360nm、高さ310nmの円柱状の突
起が形成されているのが確認された。この突起は、透明樹脂トップ層の表面から垂直に立設されており、樹脂製トップ層と突起との境界線に残留空気によるえぐれなどは観察されなかった。
こうして得られた波長分波分光光学素子に1550nmの光を照射して、この光に対する透過光の半値幅を測定したところ2nmであった。
上記のようにして得られた波長分波分光光学素子を、10-6Pa気圧に調整し、素子の表面温度を50℃に設定して蒸着装置にセットして、図6のように柱状体に対する角度θが10度になるようにして5分間Ta25(屈折率:1.87)の真空蒸着を行い、柱状体の頂部における蒸着層の厚さが200nmであり、柱状体の側壁における蒸着厚さが80nmの本発明の波長分波分光光学素子を測定した。こうして得られた波長分波分光光学素子の側壁の蒸着厚みは、頂部の40%であり、側壁の蒸着層の最大厚みは80nm、最小厚みは75nmであった。
さらに、上記と同様の条件でHfO2(屈折率;1.77)を、蒸着して得られた金属
酸化物層において、頂部の蒸着層の厚さが200nmになるように蒸着した。このとき柱状体の側壁における蒸着厚さ(すなわち最大厚さ)が80nmであり、最小厚さは75nmであった。
上記のようにして得られた蒸着膜を形成しない波長分波分光光学素子の反射ピークにおける半値幅は2nmであったが、上述のように蒸着膜を形成することにより、波長分波分光光学素子の反射ピークにおける半値幅は15nmに広域化した。
〔実施例2〕
図6におけるθの値を25度にして、実施例1と同様にして、波長分波分光光学素子の作製を行った。
得られた光学素子の柱状体の頂部における蒸着膜の厚さは、Ta25、HfO2はとも
に200nmであり、側壁の(最大)厚さは、それぞれ120nm、110nm、最小厚さはそれぞれ110nm、110nmであった。
得られた波長分波分光光学素子は、半値幅が20nmであり波長分波分光光学素子の反射ピークにおける半値幅が広域化した。また、実用上問題はないものの僅かにサイドピークが見られた。
〔比較例1〕
図6におけるθの値を45度にして、実施例1と同様にして、波長分波分光光学素子を作製した。得られた柱状体の頂部における蒸着膜の厚さは、Ta25,HfO2ともに2
00nm、側壁の蒸着膜の厚さは、Ta25層では(最大)厚さ150nm、最小厚さ70nm、HfO2層では(最大)厚さ100nm、最小厚さ30nmであり、得られた波
長分波分光光学素子の側壁に均一に蒸着膜を形成することができなかった。
〔実施例3〕
実施例1において、円柱の代わりに、周期(P)が1030nm、高さ310nm、幅
(A)が360nmの正八角柱を多数形成した。
上記のようにして正八角柱を有する素子を用いて、実施例1と同様にして、波長分波分光光学素子を作製した。
得られた光学素子の頂部におけるTa25、HfO2の膜厚は、ともに200nm、側
壁の(最大)厚さはそれぞれ75nm、75nm、最小厚さはそれぞれ70nm、68nmであった。
得られた波長分波分光光学素子は、半値幅が27nmであり波長分波分光光学素子の反射ピークにおける半値幅が広域化した。
〔実施例4〕
Ta25層の蒸着を行わなかった以外は、実施例3と同様にして波長分波分光光学素子を作製した。
頂部におけるHfO2の膜厚は、400nm、側壁の(最大)厚さは150nm、最小厚
さは、140nmであった。
得られた波長分波分光光学素子は、半値幅が27nmであり波長分波分光装置の最高吸収点における半値幅が広域化した。
〔比較例2〕
実施例1において、モールドとして図7および図8に示す突起52を形成可能なモールドを使用して、ピッチ幅1030nmで、高さが310nm、X方向の幅が200nm、Y
方向の幅(A)が400nmの長方形の突起52を多数有するトップ層を形成した。
トップ層のパターン形状を変更した以外は実施例1と同様にして、Ta25およびHfO2の蒸着を行った。頂部における蒸着厚さがTa25、HfO2の蒸着厚さはともに200nmであり、側壁におけるTa25,HfO2の(最大)厚さはそれぞれ75nm、65
mn、最小厚さはそれぞれ55nm、45nmであった。
このためにこの比較例2で得られた波長分波分光光学素子は、半値幅が50nmと広くなりすぎ、さらに、サブピークが大きく、偏光依存性がみられた。
〔比較例3〕
比較例2において、Ta25層の蒸着を行わない以外は同様にして、波長分波分光光学素子を作製した。
上記のようにして条件を設定した以外は実施例1と同様にして、HfO2の蒸着を行い
、得られた光学素子の頂部におけるHfO2の蒸着厚さが400nmであり、側壁における
HfO2の蒸着厚さが140nmである波長分波分光光学素子を製造したが、側壁におけるHfO2の最大厚さは140nm、最小厚さが90nmあった。
このためにこの比較例3で得られた波長分波分光光学素子は、半値幅が45nmと広くなりすぎ、さらに、サブピークが大きく偏光依存性もみられた。
〔比較例4〕
モールドを図9に示すように凸条62が形成されるモールドを使用して、周期(P)1
030nmで、高さが310nm、X方向の幅が360nmの凸条62がY方向に延びた凸
条62を有するトップ層を形成した。
トップ層のパターン形状を変更した以外は実施例1と同様にして光学素子を作製した。得られた光学素子の突起頂部におけるTa25、HfO2の蒸着厚さは200nm、190
nmであり、側壁におけるTa25の蒸着厚さは80nm、75nmであったが、最大厚
さ80nm、75nmと最小厚さは70nm,65nmであった。
このためにこの比較例4で得られた波長分波分光光学素子は半値幅が60nmと広くなりすぎ、さらに、この波長分波分光光学素子に偏光依存性もみられた。
〔比較例5〕
比較例4において、Ta25層の蒸着を行わなかった以外は同様にして波長分波分光光学素子を作製した。
得られた光学素子の突起頂部におけるHfO2の蒸着厚さは200nmであり、側壁にお
けるHfO2の蒸着厚さは80nmであったが、最大厚さは86nm、と最小厚さは65nmであった。
このためにこの比較例5で得られた波長分波分光光学素子は、半値幅が60nmと広くなりすぎ、さらに、この波長分波分光光学素子に偏光依存性もみられた。
本発明の波長分波分光光学素子は、樹脂製トップ層の表面に形成された柱状体の表面に金属酸化物あらなる特定厚さ被膜層を設けることにより、半値幅を広域化することができる。
従って、本発明の波長分波分光光学素子は、この素子に発生する僅かな歪、温度変化などによる分光波長が変動したとしても、非常に良好に所定の波長の光を分波することができる。
図1は、本発明の波長分波分光光学素子の斜視図である。 図2は、本発明の波長分波分光光学素子の他の態様を示す斜視図である。 図3は、柱状体の関係を示す図である。 図4は、柱状体の断面を示す断面図である。 本発明における光の半値幅の広帯域化を模式的に示す図である。 図6は、蒸着角度を示す模式図である。 図7は、従来の樹脂製トップ層の表面に形成された突起の形状が正多角形ではない態様の波長分波分光光学素子の例を示す斜視図である。 図8は、従来の樹脂製トップ層の表面に形成された突起の形状が正多角形ではない態様の波長分波分光光学素子における突起の形状の例を示す図である。 図9は、樹脂製トップ層の表面に凸条の突起が多数形成された従来の波長分波分光光学素子を模式的に示す模式図である。 図10は、本発明の波長分波分光光学素子において、表面に形成される金属酸化物膜の測定位置の例を示す。 図11は、本発明の波長分波分光光学素子において、表面に形成される金属酸化物膜の厚さを断面を形成せずに測定する例を示す図である。 図12は、柱状体の側壁に生ずる金属酸化物膜の「最大厚さ」と「最小厚さ」とを模式的に示す図面である。 図13は、本発明の波長分波分光光学素子の構造を調べるために断面を切り出したときに生ずる素子構造の変形例である参考図1に示す断面図を説明するための断面図である。
符号の説明
10・・・透明基板
20・・・樹脂製トップ層
22・・・正多角柱(正四角柱)
24・・・円柱
31・・・柱状部の頂部
33・・・側壁
35・・・樹脂製トップその表面
41・・・第一の金属酸化物層
41a・・・頂部の第一の金属酸化物層
41b・・・頂部の第二の金属酸化物層
42・・・第二の金属酸化物層
42a・・・側壁の第一の金属酸化物層
42b・・・側壁の第二の金属酸化物層
52・・・突起
62・・・凸条

Claims (9)

  1. 樹脂製トップ層のX方向およびY方向に、周期的に多数形成された四角柱以上の正多角柱または円柱が形成された波長分波分光光学素子において、
    該樹脂製トップ層に多数形成された四角柱以上の正多角柱または円柱の表面が、1〜10層の金属酸化物層で被覆されており、該正多角柱または円柱の頂部表面における酸化物層の厚さを100%としたとき、該正多角柱または円柱の側壁表面における酸化物層の厚さが20〜80%の範囲内にあり、かつ、側壁の酸化物層の最大厚み、最小厚みの比(最小厚み/最大厚み)が0.9以上1以下であり、偏光依存性がなく、かつ広帯域の光を分
    波可能に形成されていることを特徴とする波長分波分光光学素子。
  2. 上記金属酸化物層が、HfO2,Ta25、ZrO2、TiO2およびSiO2よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物層であることを特徴とする請求項第1項記載の波長分波分光光学素子。
  3. 上記正多角柱および/または円柱の頂部表面における酸化物層の平均厚さが、4〜500nmの範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の波長分波分光光学素子。
  4. 上記分波しようとする波長の光の分波光の最高光量の1/2の分波波長の波長幅(半値幅)W50としたときの値が、10〜40nmの範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の波長分波分光光学素子。
  5. 上記波長分波分光光学素子を構成する樹脂製トップ層と金属酸化物層とが、次式(I)および(II)で表わされる関係を有することを特徴とする請求項第1項記載の波長分波分光光学素子。
    Figure 2010066468
  6. 上記樹脂製トップ層表面に形成された多数形成された四角柱以上の正多角柱または円柱が、樹脂層にモールドを圧接して一定の規則性をもって柱状体を形成したものであることを特徴とする請求項第1項記載の波長分波分光光学素子。
  7. 上記トップ層および四角柱以上の正多角柱または円柱を形成する樹脂が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、環状オレフィン系樹脂およびフェノール誘導体系樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の樹脂を含有していることを特徴とする請求項第1項記載の波長分波分光光学素子。
  8. 上記正四角柱以上の多角柱または円柱のX軸、Y軸方向で周期(P)が同一であり、その正多角柱または円柱の幅(A)が周期(P)の20〜60%の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載の波長分波分光光学素子。
  9. 上記四角柱以上の正多角柱または円柱の幅(A)と隣接する四角柱以上の正多角柱または円柱との間隙(E)との合計である周期(P)が100〜1200nmの範囲内にあるこ
    とを特徴とする請求項第1項記載の波長分波分光光学素子。
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