JPH08129676A - 自動販売機における商品蹴出し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 上下方向に積み重ねられてストッカー１内に
収容された商品の最下部に支承されている商品の後方
に、折畳み縮小状態にされた商品蹴出し用のリンク式伸
縮機構６が、前方に向けて伸長可能に備えられている。 【効果】 最下部商品の後方に形成すべき蹴出しのため
の機器の待機スペースを前後方向に狭くし得て自動販売
機の薄型化を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動販売機における
商品蹴出し装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動販売機として、内部の商品ストッカ
ー内に商品を上下方向に積み重ねた状態に収容し、その
最下部の商品を前方に蹴り出してストック商品をその自
重により下降させ、これにより最下部となった商品をま
た前方に蹴り出してストック商品をその自重により下降
させていくというようにして、ストッカー内の商品を順
次蹴り出していくようになされた自動販売機が提供され
ている。

【０００３】このタイプの自動販売機において、最下部
の商品を蹴り出す商品蹴り出し装置として、シリンダー
式蹴り出し装置や、揺動アーム式蹴り出し装置が知られ
ている。

【０００４】シリンダー式蹴り出し装置は、最下部商品
の後方に蹴出し用のシリンダー装置が配設され、該シリ
ンダー装置のシリンダーロッドを前方に進出動作させる
ことによって最下部の商品を後方より押して前方に蹴り
出すようになされているものである。

【０００５】また、揺動アーム式蹴出し装置は、上下方
向に向けられて上側が前後方向に揺動するように軸支さ
れた揺動アームが最下部商品の下方に配設されると共
に、該揺動アームの上端部に取着された蹴出し作動体が
最下部の商品の後方に配置され、揺動アームの上側を前
方に揺動させることによって、蹴出し作動体にて最下部
の商品を後方より押して前方に蹴り出すようになされて
いるものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
シリンダー式の蹴出し装置では、商品の蹴出しに必要な
進出長さを有するシリンダーロッドを商品蹴出しに際し
て商品の後方に待機させることができるように、商品の
後部に前後にかなり広い待機スペースを形成しておかな
ければならず、そのため、自動販売機の薄型化の要請に
反するものであった。

【０００７】また、揺動アーム式の蹴出し装置では、揺
動アームを前方に揺動させて蹴出し作動体にて商品の蹴
出しを行なうようになされているため、蹴出し作動体の
前後方向の長さを短くすることによって商品後方の蹴出
し作動体の待機スペースを前後方向に狭くすることもで
きるが、それでは、商品蹴出し後において上方のストッ
ク商品がこのように前後方向に短い作動体の上面に支承
されることとなってストック商品の支承が不安定とな
り、後方への蹴出し作動体の復帰動作がスムーズに行わ
れなくなるという問題を生じる。そのため、蹴出し作動
体は、商品の蹴出し後において上方のストック商品を安
定良く支承しうるように前後方向にある程度長いものに
しておかなければならず、そのため、このような蹴出し
作動体を最下部の商品の後方に待機させるために、やは
り最下部の商品の後方には前後方向に広い待機スペース
を形成しなければならず、このタイプの蹴出し装置にお
いても自動販売機を薄型にするのに限界があった。

【０００８】なお、揺動アーム式の蹴出し装置において
は、蹴出し作動体を前後方向に短いものに形成し、該作
動体の後部にストック商品支承体を上下方向に回動自在
に連結し、商品蹴出し後に作動体と支承体とでストック
商品を安定支承すると共に、作動体を商品の後方に復帰
させた状態で、支承体が作動体の下方に回動変位される
ようになされた蹴出し装置も提供されているが、このよ
うな構造の蹴出し装置では、新たに支承体を具備したも
のに構成しなければならず、また作動体を商品の後方に
待機させた状態で支承体を作動体の下方に待機させる特
別のスペースを新たに形成しなければならないなど、蹴
出し装置の構造が複雑化してしまうという欠点があっ
た。

【０００９】この発明は、上記のような従来の問題点に
鑑み、最下部商品の後方に形成すべき蹴出しのための機
器の待機スペースを前後方向に狭くし得て自動販売機の
薄型化を実現することができ、しかも、商品蹴出し後に
上方のストック商品を安定良く支承することができて後
方復帰動作をスムーズなものにすることができる、簡素
な構成の自動販売機における蹴出し装置を提供すること
を目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的において、第１
発明は、商品が上下方向に積み重ねられて収容された商
品ストッカーの最下部の商品を後方より押して前方に蹴
り出す自動販売機における商品蹴出し装置において、前
記最下部の商品の後方に、折畳み縮小状態にされた商品
蹴出し用のリンク式伸縮機構が、その伸長・縮小動作に
おいてこれを構成するリンクを水平面内で動作させる態
様にて、前方に向けて伸長可能に備えられ、該リンク式
伸縮機構は、上記折畳み縮小状態から前方に向けて伸長
動作されることによって前記最下部商品を後方より押し
て前方に蹴り出し、該最下部商品蹴出し後、次に蹴り出
される商品の下面を支承しながら後方に向けて縮小動作
されていき、前記折畳み縮小状態になることによって該
商品の後方に復帰されるものとなされていることを特徴
とする自動販売機における商品蹴出し装置を要旨とす
る。

【００１１】また、第２発明は、上記第１発明におい
て、商品蹴出し用のリンク式伸縮機構は、交差状態に配
置された一対のリンク部材を備え、これら各リンク部材
の長さ方向中間部にはリンク部材の長さ方向に延ばされ
た長孔が設けられると共に、両リンクの長孔内にわたす
態様にて駆動ピンが挿入され、該駆動ピンを前後方向に
進退移動させることで上記リンク式伸縮機構が伸縮動作
されるものとなされている商品蹴出し装置を要旨とす
る。

【００１２】更に、第３発明は、上記第２発明におい
て、最下部の商品を支承するベース板が備えられ、該ベ
ース板上に摺動自在に支承される態様において前記商品
蹴出し用のリンク式伸縮機構が備えられ、前記駆動ピン
が、ベース板に設けられた前後方向に延びるガイド用長
孔を通じてベース板の下方に突出され、かつ、前記商品
蹴出し用のリンク式伸縮機構はその先端部に直接に商品
の後端部に作用する商品蹴出し作動体を有し、該作動体
をベース板上で左右へのブレなく前後方向にガイドする
ガイド手段が備えられている商品蹴出し装置を要旨とす
る。

【００１３】

【作用】上記第１発明では、最下部の商品の後方に、折
畳み縮小状態にされた商品蹴出し用のリンク式伸縮機構
が、その伸長・縮小動作においてこれを構成するリンク
を水平面内で動作させる態様にて、前方に向けて伸長可
能に備えられたものであることにより、該リンク式伸縮
機構は、その伸長動作によって前方に大きく突出されて
最下部商品の蹴出しを支障なく遂行すると共に、最下部
商品の後方において、前後方向にコンパクトに折畳み縮
小状態となって待機される。しかも、商品蹴出し後は上
方のストック商品が伸長状態のリンク式伸縮機構によっ
て前後方向の広い範囲にわたって安定良く支承され、リ
ンク式伸縮機構の縮小動作もスムーズに行われる。

【００１４】また、第２発明では、商品蹴出し用のリン
ク式伸縮機構が、交差状態に配置された一対のリンク部
材を備え、これら各リンク部材の長さ方向中間部にはリ
ンク部材の長さ方向に延ばされた長孔が設けられると共
に、両リンクの長孔内にわたす態様にて駆動ピンが挿入
され、該駆動ピンを前後方向に進退移動させることで上
記リンク式伸縮機構が伸縮動作されるものとなされてい
ることにより、駆動ピンの小さい進退動作によってリン
ク式伸縮機構が前後方向に大きく伸縮動作され、動作の
増幅作用が奏される。従って、駆動ピンを進退動作させ
るための動力伝達機構がコンパクト化され、ひいては商
品蹴出し装置もコンパクトなものに構成される。

【００１５】また、第３発明では、駆動ピンが、ベース
板に前後方向に延びる態様において設けられたガイド用
長孔を通じてベース板の下方に突出されたものとなされ
ていることにより、駆動ピンがその進退動作において該
ガイド用長孔にガイドされ、リンク式伸縮機構が前後方
向に安定良く進退動作される。しかも、商品蹴出し用の
リンク式伸縮機構はその先端部に直接に商品の後端部に
作用する商品蹴出し作動体を有し、該作動体をベース板
上で左右へのブレなく前後方向にガイドするガイド手段
が備えられていることにより、リンク式伸縮機構は、よ
り安定良く前後方向に進退動作され、該蹴出し作動体に
よる商品の蹴出しが誤動作のない確実なものになる。

【００１６】

【実施例】次に、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。

【００１７】図１及び図２に示される自動販売機におい
て、（１）は商品ストッカー、（２）は商品蹴出し装置
である。

【００１８】商品ストッカー（１）は、商品（Ｍ）…を
上下方向に積み重ねた状態に収容するもので、上下方向
に向けられ前面側が開放されたチャンネル状部材によ
る。そして、その両側壁前縁部には商品飛び出し規制板
部（３）（３）が内方突出状態に形成され、最下部に位
置される商品（Ｍ）の上方に積み重ねられている商品
（Ｍ）…がこれら両規制板部（３）（３）にてストッカ
ー（１）から前方に飛び出してしまわないようにされる
一方、最下部の商品（Ｍ）のストック高さ領域では、商
品飛び出し規制板部（３）（３）が省略されて商品放出
口（４）に形成され、ストッカー（１）内に収容された
商品のうち、最下部に位置される商品のみが商品蹴出し
装置（２）にて商品放出口（４）を通じて前方に蹴り出
されるようになされている。

【００１９】商品蹴出し装置（２）は、上記商品ストッ
カー（１）内の最下部商品（Ｍ）を商品放出口（４）を
通じて前方に蹴り出すもので、図１、図２、図５及び図
６に示されるように、ベース板（５）と、商品蹴出し用
のリンク式伸縮機構（６）と、動力伝達機構（７）と、
駆動源としてのモーター（９）とを備えている。

【００２０】ベース板（５）は、その上面側でストック
商品（Ｍ）…の下面を支承するもので、平面方形状をな
し、合成樹脂製で、図２に示されるように、ストッカー
（１）の下端部に水平に配設され、かつ、その後端部が
ストッカー（１）の後方に突出され、該後方突出部上面
に、折畳み縮小状態にされたリンク式伸縮機構（６）が
配設されるようになされている。

【００２１】商品蹴出し用のリンク式伸縮機構（６）
は、その伸縮動作によって最下部の商品（Ｍ）を前方に
蹴り出すもので、本実施例では具体的に次のように構成
されている。

【００２２】即ち、本実施例のリンク式伸縮機構（６）
は、図３及び図４に示されるように、一対の第１リンク
部材（10）（10）と、一対の第２リンク部材（11）（1
1）と、商品蹴出し作動体（12）とを備えている。

【００２３】第１リンク部材（10）（10）はその一端が
ベース板（５）の上面の後部の両隅部にそれぞれ水平面
内で揺動されるように枢着されている。これら一対の第
１リンク部材（10）（10）はベース板（５）上でＸ字状
に交差状態にされ、各第１リンク（10）（10）のもう一
方の端部にそれぞれ第２リンク部材（11）（11）の一端
部が同じく水平面内で揺動されるように枢着されてい
る。そして、これら第２リンク部材（11）（11）は、交
差状態にされることなく、そのもう一方の端部が蹴出し
作動体（12）の中央部を挾む両側位置に枢着されてい
る。

【００２４】そして、各第１リンク部材（10）（10）の
長さ方向中間部にはそれぞれ、各リンク（10）（10）の
長さ方向に延びる長孔（13）（13）が形成され、上下方
向に向けられた駆動ピン（14）がこれら長孔（13）（1
3）内にわたる態様において通されると共に、この駆動
ピン（14）は、ベース板（５）の上面の幅方向中央部に
前後方向に延ばされて形成されたガイド用長孔（15）を
通じて、ベース板（５）の下方に突出されている。つま
り、駆動ピン（14）をガイド用長孔（15）に案内させな
がら前後方向に進退移動させることにより、リンク式伸
縮機構（６）が伸長・縮小動作を行なうようになされて
おり、かつ、駆動ピン（14）の前後方向における相対的
に小さい進退動作により、この進退動作を増幅して、リ
ンク式伸縮機構（６）が前後方向に大きく伸縮動作され
るようになされている。

【００２５】そして、このような構成のリンク式伸縮機
構（６）により、上記駆動ピン（14）が後方に移動され
ていくことによって、図３に示されるように、最終的に
折畳み縮小状態となり、その状態で、その蹴出し作動体
（12）を含めてその全体が商品（Ｍ）の後方に待機され
るようになされる一方、駆動ピン（14）が前方に移動さ
れていくことによって、図４に示されるように、商品蹴
出しのために前方に向けて大きく伸長されるようになさ
れている。

【００２６】そしてまた、ベース板（５）の上面には、
リブ（16）が形成され、このリブ（16）にリンク式伸縮
機構（６）の下面側が摺動自在に支承されるようになさ
れて、ベース板（５）とリンク式伸縮機構（６）との接
触面積が小さくされ、これによって、リンク式伸縮機構
（６）とベース板（５）との摩擦抵抗を少なくして伸縮
機構（６）がスムーズに伸縮動作を行ない得るようにな
されている。

【００２７】そして、上記リンク式伸縮機構（６）にお
いて、その蹴出し作動体（12）の高さは、商品（Ｍ）の
高さと同等か、あるいは、図２に示されるように商品
（Ｍ）高さよりも低く形成され、最下部商品（Ｍ）の後
端面にのみ作用してこれを前方に蹴出し得るようになさ
れていると共に、その上面が最下部商品蹴出し後のスト
ック商品（Ｍ）…の支承面（17）にされている。また、
各リンク部材（10）（10）（11）（11）も、その上面
が、その伸縮動作を妨げない範囲において、蹴出し作動
体（12）の高さ位置と同等の高さ位置に位置されるよう
になされて、ストック商品（Ｍ）…の支承面（18）…に
形成され、最下部商品蹴出し後にその上面支承面（18）
…にて上方のストック商品（Ｍ）…を水平に支承しうる
ようになされている。

【００２８】また、蹴出し作動体（12）は、ベース板
（５）上の最下部商品の後面部に作用してこれを前方に
蹴り出すよう作用するもので、商品を蹴り出すに必要な
剛性を備えていればよく、従って、前後方向の長さは非
常に短いものに形成されている。

【００２９】更に、図１に示されるように、蹴出し作動
体（12）をベース板（５）上で左右へのブレなく前後方
向にガイドするガイド手段（25）が備えられている。即
ち、ベース板（５）上には、その幅方向中央部において
前後方向に延ばされた左右一対のガイドリブ（26）（2
6）がガイド用長孔（15）を挾むように形成されてい
る。また、蹴出し作動体（12）の下面部にも、その幅方
向中央部において前後方向に延ばされた左右一対のリブ
（27）（27）が形成され、これらリブ（27）（27）がベ
ース板（５）のガイドリブ（26）（26）の内側に隣接し
て嵌合配置されるようになされており、蹴出し作動体
（12）が前後方向に進退作動される際に、リブ（27）
（27）とガイドリブ（26）（26）とが干渉しあって、蹴
出し作動体（12）が左右方向にブレるような動作を起こ
すことなく真っ直ぐにスムーズに進退動作されるように
なされている。このようなガイド手段（25）を採用する
ことにより、リンク式伸縮機構（６）が前後方向に安定
良く伸縮動作され、ひいては、モーター（９）からの動
力をスムーズにしかも安定性良くリンク式伸縮機構
（６）に伝達することができる。

【００３０】なお、ベース板（５）に設けられるガイド
リブ（26）（26）間の間隔は、図示されるようにできる
だけ狭くするようにするのがブレのないスムーズな動作
を実現する上において好ましい。また、この場合、ベー
ス板（５）に設けられるガイドリブ（26）（26）は、蹴
出し作動体（12）の下面を摺動自在に支承するような構
成とするのが、蹴出し作動体（12）のベース板（５）上
での支承安定性の面から好ましい。

【００３１】動力伝達機構（７）は、モーター（９）の
回転を上記駆動ピン（14）の前後方向における進退動作
に変換するもので、次のような構成を有する。即ち、図
５及び図６に示されるように、ベース板（５）の下面側
の前寄りの位置にクランク歯車（19）が上下方向に回転
軸を向けて水平に配設され、該クランク歯車（19）周端
部上面に突設されたピン（20）に連結棒（21）の一端が
枢着されると共に、該連結棒（21）の他端に上記駆動ピ
ン（14）が取り付けられ、クランク歯車（19）の回転に
より、連結棒（21）を通じて、駆動ピン（14）がガイド
用長孔（15）に案内されながら前後方向に進退移動さ
れ、リンク式伸縮機構（６）を伸縮動作させるようにな
されている。そして、クランク歯車（19）にはその外周
部においてピニオン（22）が噛合され、該ピニオン（2
2）の下部にこれと同軸に一体回転されるように設けら
れたウォーム歯車（23）に、ベース板（５）の下面側に
水平状態に配設されたモーター（９）の駆動軸のウォー
ム（24）が噛合され、モーター（９）の駆動により、上
記クランク歯車（19）が回転されるようになされてい
る。なお、駆動源としてのモーター（９）は、クランク
歯車（19）の一回転により、即ち、一回の商品蹴出し往
復動作により、一旦その駆動が停止されるよう制御され
るものとなされている。

【００３２】上記商品蹴出し装置では、図３に示される
ように、リンク式伸縮機構（６）が折畳み縮小状態にさ
れてベース板（５）上の最下部商品（Ｍ）の後方に待機
されている状態において、モーター（９）が駆動される
と、ウォーム（24）、ウォーム歯車（23）、ピニオン
（22）を通じて、クランク歯車（19）が回転され、この
クランク歯車（19）が一回転する間に、連結棒（21）に
よって、駆動ピン（14）がベース板（５）の長孔（15）
内を案内されて前後方向に進退移動される。

【００３３】これによって、リンク式伸縮機構（６）
は、まず、上記折畳み縮小状態から前方に向けて伸長し
ていき、蹴出し作動体（12）がベース板（５）上に支承
されている最下部商品（Ｍ）の後部に作用して、図４に
示されるように、該商品（Ｍ）を前方に蹴り出す。そし
てこの蹴出し後、ストック商品（Ｍ）…がリンク式伸縮
機構（６）における蹴出し作動体（12）の上面支承面
（17）及びリンク部材（10）（11）の上面支承面（18）
…上に前後方向の広い範囲にわたって水平に安定良く支
承され、そのストック商品（Ｍ）…の支承状態を維持し
ながら、後方に向けて縮小動作していき、最終的に折畳
み縮小状態となって図３に示されるようにストック商品
（Ｍ）…の後方に復帰する。これによってストック商品
（Ｍ）…はリンク式伸縮機構（６）による支承を解除さ
れ、その自重によって下降してベース板（５）上に支承
され、一回の商品蹴出し動作が終了される。

【００３４】このように、上記商品蹴出し装置では、最
下部商品の蹴出しのためにリンク式の伸縮機構（６）を
採用したものであるから、その伸長動作によって前方に
大きく突出して最下部商品（Ｍ）の蹴出しを支障なく遂
行することができると共に、ストッカー（１）内の商品
（Ｍ）の後方においては、前後方向に折畳み縮小状態と
なってコンパクトに待機され、ストック商品（Ｍ）…後
方における商品蹴出しのための機器の配設スペースを前
後方向に狭くし得て自動販売機を薄型化することがで
き、また、上下方向においても蹴出し装置（２）をコン
パクトに構成することができて商品のストック許容量を
多くすることも可能である。

【００３５】しかも、商品蹴出し後は、上方のストック
商品（Ｍ）…は、伸長状態のリンク式伸縮機構（６）に
よって前後方向の広い範囲にわたって支承されることと
なって、ストック商品（Ｍ）…を安定良く支承すること
ができ、従って、商品後方へのリンク式伸縮機構（６）
の縮小動作をスムーズなものにすることができる。

【００３６】また、上記したように、リンク式伸縮機構
（６）は、前後方向における大きい伸縮動作を、駆動ピ
ン（14）の相対的に小さい前後方向の進退動作によって
実現する構成となされているから、モーター（９）の回
転を駆動ピン（14）の進退動作に変換する動力伝達機構
（７）をコンパクトに構成することができる。

【００３７】更に、駆動ピン（14）をベース板（５）の
ガイド用長孔（15）にてガイドするのみならず、蹴出し
作動体（12）をベース板（５）上で上記したようなガイ
ド手段（25）にて前後方向にガイドするようにしている
から、リンク式伸縮機構（６）が前後方向に安定良く伸
縮動作され、ひいては、モーター（９）からの動力を伝
達機構（７）を介してリンク式伸縮機構（６）にスムー
ズにしかも安定性良く伝達することができ、誤動作を確
実に防止することができる。

【００３８】加えて、上記実施例では、ベース板（５）
の上面にリブ（16）が形成され、リンク式伸縮機構
（６）がこのリブ（16）に支承されるようにして伸縮動
作を行なうようにされているから、該伸縮機構（６）
は、ベース板（５）上を摩擦抵抗少なくスムーズに伸縮
動作を行なうことができるのみならず、このリブ（16）
によって、このベース板（５）上に支承されて前方に蹴
り出される商品（Ｍ）とベース板（５）との摩擦抵抗も
少なくされ、該商品（Ｍ）をスムーズに蹴り出すことが
できる。

【００３９】

【発明の効果】上述の次第で、第１発明の自動販売機に
おける商品蹴出し装置は、最下部の商品の後方に、折畳
み縮小状態にされた商品蹴出し用のリンク式伸縮機構
が、その伸長・縮小動作においてこれを構成するリンク
を水平面内で動作させる態様にて、前方に向けて伸長可
能に備えられたものであるから、該リンク式伸縮機構
は、その伸長動作によって前方に大きく突出されて最下
部商品の蹴出しを支障なく遂行することができると共
に、最下部商品の後方においては、前後方向にコンパク
トに折畳み縮小状態となって待機される。従って、最下
部商品の後方に形成すべき商品蹴出しのためのリンク式
伸縮機構の待機スペースを前後方向に狭くし得て自動販
売機の薄型化を実現することができる。

【００４０】しかも、商品蹴出し後は、上方のストック
商品が伸長状態のリンク式伸縮機構によって前後方向の
広い範囲にわたって支承されることとなって、ストック
商品を安定良く支承することができ、従って、商品後方
へのリンク式伸縮機構の縮小動作をスムーズなものにす
ることができ、消費電力の低減などにも寄与しうる。

【００４１】加えて、最下部の商品の後方に、折畳み縮
小状態にされた商品蹴出し用のリンク式伸縮機構が、前
方に向けて伸長可能に備えられただけの構成であるか
ら、簡素な構成にして上記効果を発揮することができ
る。

【００４２】また、第２発明の商品蹴出し装置は、商品
蹴出し用のリンク式伸縮機構が、交差状態に配置された
一対のリンク部材を備え、これら各リンク部材の長さ方
向中間部にはリンク部材の長さ方向に延ばされた長孔が
設けられると共に、両リンクの長孔内にわたす態様にて
駆動ピンが挿入され、該駆動ピンを前後方向に進退移動
させることで上記リンク式伸縮機構が伸縮動作されるも
のとなされているから、駆動ピンの小さい進退動作によ
ってリンク式伸縮機構が前後方向に大きく伸縮動作さ
れ、いわゆる動作の増幅作用が奏される。従って、駆動
ピンを進退動作させるための動力伝達機構をコンパクト
化することができ、ひいては商品蹴出し装置をコンパク
トに製作、構成することができる。

【００４３】また、第３発明の蹴出し装置は、駆動ピン
が、ベース板に前後方向に延びる態様において設けられ
たガイド用長孔を通じてベース板の下方に突出されたも
のとなされているから、駆動ピンがその進退動作におい
て該ガイド用長孔にガイドされて、リンク式伸縮機構の
前後方向における進退動作を安定したものにすることが
でき。しかも、商品蹴出し用のリンク式伸縮機構はその
先端部に直接に商品の後端部に作用する商品蹴出し作動
体を有し、該作動体をベース板上で左右へのブレなく前
後方向にガイドするガイド手段が備えられているから、
リンク式伸縮機構をより安定良く前後方向に進退動作さ
せることができ、誤動作をなくして蹴出し作動体による
商品の蹴出しを確実なものにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例にかかる商品蹴出しの装置の斜視図であ
る。

【図２】同蹴出し装置の蹴出し作動状態を示す一部断面
側面図である。

【図３】同蹴出し装置の商品蹴出し前の状態を示す平面
図である。

【図４】同蹴出し装置の商品蹴出し後の状態を示す平面
図である。

【図５】同蹴出し装置の切欠き平面図である。

【図６】同蹴出し装置の断面側面図である。

【符号の説明】

１…商品ストッカー ２…商品蹴出し装置 ６…蹴出し用のリンク式伸縮機構 １７、１８…ストック商品支承面 Ｍ…商品

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 商品が上下方向に積み重ねられて収容さ
   れた商品ストッカーの最下部の商品を後方より押して前
   方に蹴り出す自動販売機における商品蹴出し装置におい
   て、 前記最下部の商品の後方に、折畳み縮小状態にされた商
   品蹴出し用のリンク式伸縮機構が、その伸長・縮小動作
   においてこれを構成するリンクを水平面内で動作させる
   態様にて、前方に向けて伸長可能に備えられ、 該リンク式伸縮機構は、上記折畳み縮小状態から前方に
   向けて伸長動作されることによって前記最下部商品を後
   方より押して前方に蹴り出し、該最下部商品蹴出し後、
   次に蹴り出される商品の下面を支承しながら後方に向け
   て縮小動作されていき、前記折畳み縮小状態になること
   によって該商品の後方に復帰されるものとなされている
   ことを特徴とする自動販売機における商品蹴出し装置。
2. 【請求項２】 前記商品蹴出し用のリンク式伸縮機構
   は、交差状態に配置された一対のリンク部材を備え、こ
   れら各リンク部材の長さ方向中間部にはリンク部材の長
   さ方向に延ばされた長孔が設けられると共に、両リンク
   の長孔内にわたす態様にて駆動ピンが挿入され、該駆動
   ピンを前後方向に進退移動させることで上記リンク式伸
   縮機構が伸縮動作されるものとなされている請求項１に
   記載の自動販売機における商品蹴出し装置。
3. 【請求項３】 最下部の商品を支承するベース板が備え
   られ、該ベース板上に摺動自在に支承される態様におい
   て前記商品蹴出し用のリンク式伸縮機構が備えられ、前
   記駆動ピンが、ベース板に設けられた前後方向に延びる
   ガイド用長孔を通じてベース板の下方に突出され、か
   つ、 前記商品蹴出し用のリンク式伸縮機構はその先端部に直
   接に商品の後端部に作用する商品蹴出し作動体を有し、
   該作動体をベース板上で左右へのブレなく前後方向にガ
   イドするガイド手段が備えられている請求項２に記載の
   自動販売機における商品蹴出し装置。