JPH08127697A - 繊維強化ポリプロピレン組成物 - Google Patents

繊維強化ポリプロピレン組成物

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JPH08127697A
JPH08127697A JP28889194A JP28889194A JPH08127697A JP H08127697 A JPH08127697 A JP H08127697A JP 28889194 A JP28889194 A JP 28889194A JP 28889194 A JP28889194 A JP 28889194A JP H08127697 A JPH08127697 A JP H08127697A
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polypropylene
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polybutadiene
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JP28889194A
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English (en)
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Shintaro Kikuchi
慎太郎 菊地
Eiji Kuchiki
栄治 朽木
Satoshi Shimizu
聡 清水
Yuji Fujita
祐二 藤田
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリプロピレンに1,2−ポリブタジエンと
不飽和カルボン酸またはその誘導体を順次グラフトして
なる変性ポリプロピレンまたは前記変性ポリプロピレン
を 0.1重量%以上含有するポリプロピレン組成物100
重量部に対して、ガラス繊維を5〜70重量部配合して
なることを特徴とするガラス繊維強化ポリプロピレン組
成物。 【効果】 変性ポリプロピレンとして不飽和カルボン酸
またはその誘導体を効率よくグラフトしたものを用いて
いるため、ガラス繊維が樹脂中に均一かつ堅固に接着し
て分散し、機械的物性、耐熱性などの物性が向上する。
また製造工程において刺激臭を発生せず、組成物の着色
度が低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化ポリプロピレ
ン組成物に関する。さらに詳しくいえば、ポリプロピレ
ンを1,2−ポリブタジエンと不飽和カルボン酸または
その誘導体とにより変性したポリプロピレンおよびガラ
ス繊維を含有する、剛性、耐衝撃性等の機械的強度およ
び耐熱性等に優れた繊維強化ポリプロピレン組成物に関
する。
【0002】
【従来技術およびその課題】ポリプロピレン系樹脂は低
比重で、成形性に優れ、機械的特性、絶縁性、耐薬品性
にも優れているので自動車の内外装部品、家電製品、電
装部品など様々な工業分野で広く利用されている。この
ようなポリプロピレン系樹脂の機械的強度および耐熱性
をさらに向上させる目的でガラス繊維などの繊維材料と
複合化することが一般的に行なわれているが、ポリプロ
ピレン系樹脂は無極性であり、繊維材料との接着性が充
分でないため、単に両者を配合混練したのみでは充分な
物性の向上が望めない。
【0003】そこで、ポリプロピレン系樹脂と繊維材料
との接着性の向上を図るために、ポリプロピレンに各種
の極性基や二重結合を有する基等を導入して反応性を改
善する試みがなされている。例えば、無水マレイン酸
(MAHと略記する。)あるいはその誘導体をポリプロ
ピレン系樹脂に反応させて極性基を導入したMAH変性
ポリプロピレンを含有する変性ポリプロピレンまたは該
変性ポリプロピレンと未変性ポリプロピレンとの組成物
にガラス繊維を配合した組成物またはその製造方法が提
案されている(特開昭53-102948 号公報、特開昭53-124
558 号公報)。
【0004】かかる変性ポリプロピレンはポリプロピレ
ン系樹脂とMAHとラジカル開始剤とを溶融混練するこ
とにより製造されているが、ポリプロピレン系樹脂には
官能基がないため反応性に乏しく、MAHを充分な量グ
ラフトすることは困難である。そこで、MAHのグラフ
ト率を上げるために多量にMAHを配合したり、ラジカ
ル開始剤を多量に使用することが行なわれている。しか
し、MAHを多量に配合するとポリプロピレン系樹脂中
に未反応MAHが多量に残存し、これをそのままポリプ
ロピレン系樹脂とガラス繊維と共に溶融混練すると、未
反応MAHが昇華し空気中に滞留して刺激臭を発生させ
作業環境を悪化させること、得られた組成物が黄褐色に
着色し商品価値が低下することなどの問題がある。その
ため変性ポリプロピレン中から未反応のMAHを除去す
る後処理工程が必要となり、製造コストの上昇を招くこ
とになる。また、ラジカル開始剤を多量に使用すると、
ポリプロピレンの分子量が低下し、機械的物性などが低
下するという問題がある。
【0005】従って、本発明の課題は、ポリプロピレン
に不飽和カルボン酸またはその誘導体を効率よくグラフ
トした変性ポリプロピレンを製造し、その変性ポリプロ
ピレンまたは変性ポリプロピレンと未変性のポリプロピ
レンとの組成物にガラス繊維を配合してなる、機械的物
性が向上し、着色の少ないガラス繊維強化ポリプロピレ
ン組成物を提供することにある。さらに、本発明の他の
課題は、変性ポリプロピレンの製造時に未反応のMAH
が残存せず、従ってMAHの除去工程が不要となり、良
好な作業環境のもとで、低コストで製造することのでき
るガラス繊維強化ポリプロピレン組成物を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリプロ
ピレンに常温で固体の1,2−ポリブタジエンを予めグ
ラフトさせたのち、不飽和カルボン酸またはその誘導体
を配合し溶融混練して得た変性ポリプロピレンを使用す
ることにより前記の課題が解決できることを見出した。
すなわち、1,2−ポリブタジエンと不飽和カルボン酸
またはその誘導体を段階的にポリプロピレンに反応させ
ることによって不飽和カルボン酸またはその誘導体をポ
リプロピレンに効率よくグラフトできるため、変性ポリ
プロピレンの製造時および後工程の各成分の溶融混練時
において刺激臭が少なく良好な環境の下で作業できるこ
と、変性反応後に未反応の不飽和カルボン酸を除去する
工程が不要になること、一括混練に比べて副生成物が少
なく、ポリプロピレン主鎖に均一にグラフトした所望の
グラフト変性ポリプロピレンが高収率で得られること、
1,2−ポリブタジエン固形ゴムによる変性反応時およ
び不飽和カルボン酸またはその誘導体による変性反応時
におけるラジカル開始剤の使用量は少量でよいためポリ
プロピレンの分子量の低下による機械物性の低下がない
こと、またこの変性ポリプロピレンを用いたガラス繊維
強化ポリプロピレン組成物はガラス繊維と樹脂成分との
接着性が良好で機械的物性、耐熱性等の物性が一層向上
すると共に着色度が低いことを確認して、本発明を完成
するに至った。
【0007】本発明は、 1)ポリプロピレンに1,2−ポリブタジエンと不飽和
カルボン酸またはその誘導体を順次グラフトしてなる変
性ポリプロピレンまたは前記変性ポリプロピレンを 0.1
重量%以上含有するポリプロピレン組成物100重量部
に対して、ガラス繊維を5〜70重量部配合してなるこ
とを特徴とするガラス繊維強化ポリプロピレン組成物を
提供するものである。
【0008】本発明の繊維強化ポリプロピレン組成物の
好ましい態様として以下のものが挙げられる。 2)変性ポリプロピレンが、ポリプロピレン90〜99.9
重量%と1,2−ポリブタジエン 0.1〜10重量%を溶
融混練して1,2−ポリブタジエンがグラフトした反応
性ポリプロピレンとした後、前記反応性ポリプロピレン
100重量部に不飽和カルボン酸またはその誘導体 0.1
〜20重量部とラジカル開始剤0.01〜2重量部とを配合
し溶融混練してなるものである上記1に記載のガラス繊
維強化ポリプロピレン組成物。
【0009】3)ポリプロピレンと1,2−ポリブタジ
エンとの合計100重量部に対してラジカル開始剤を1
重量部まで添加し溶融混練して反応性ポリプロピレンと
する上記2に記載のガラス繊維強化ポリプロピレン組成
物。 4)不飽和カルボン酸が無水マレイン酸である上記1乃
至3のいずれかに記載のガラス繊維強化ポリプロピレン
組成物。 5)1,2結合の割合が70%以上の1,2−ポリブタ
ジエンを使用する上記1乃至3のいずれかに記載のガラ
ス繊維強化ポリプロピレン組成物。 6)1,2−ポリブタジエン100重量部に対して不飽
和カルボン酸またはその誘導体を10〜500重量部使
用する上記1乃至3のいずれかに記載の繊維強化ポリプ
ロピレン組成物。
【0010】
【製造原料】
(a)ポリプロピレン 本明細書において、ポリプロピレンとは、プロピレンの
単独重合体のみでなく、プロピレンとエチレンやブテン
−1などの他のα−オレフィンとのブロック共重合体、
ランダム共重合体なども含む。他のα−オレフィンの含
有量は30重量%以下、特に10重量%以下が好まし
い。他のα−オレフィンとしては特にエチレンが好まし
く、その含有量は10重量%以下のものが好ましい。こ
のようなポリプロピレンは通常0.1〜100g/10
分のメルトフローレート(MFR:230℃,2.16kg荷
重)を有する。
【0011】(b)変性ポリプロピレン 変性ポリプロピレンは、上記ポリプロピレンに1,2−
ポリブタジエンと不飽和カルボン酸またはその誘導体と
を別個に段階的にグラフトして得られるものである。
【0012】(i)1,2−ポリブタジエン ポリプロピレンにグラフトさせる1,2−ポリブタジエ
ンは、1,2結合を10モル%以上、好ましくは30モ
ル%以上、さらに好ましくは70%以上含有するもので
ある。このような1,2−ポリブタジエンは、市販され
ている液体ゴムまたは固形ゴムから適宜選択使用するこ
とができるが、溶融混練時の作業性や、グラフト反応効
率の点から、1,2結合が70%以上の常温で固形のゴ
ムが適している。
【0013】(ii)不飽和カルボン酸またはその誘導体 1,2−ポリブタジエンがグラフトした変性ポリプロピ
レンにグラフトする不飽和カルボン酸またはその誘導体
としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、
シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エンド−
ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカ
ルボン酸(エンディック酸)等の不飽和モノあるいはジ
カルボン酸、またはその誘導体、例えば酸無水物、ハラ
イド、アミド、イミド、エステル等が挙げられる。誘導
体の具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、塩化マレニル、マレイミド、アクリル酸メチル、メ
タクリル酸メチル、無水シトラコン酸、マレイン酸モノ
メチル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。これらの
中では、不飽和ジカルボン酸またはその無水物が好適で
あり、特にマレイン酸およびイタコン酸、またはそれら
の無水物が好ましい。これらは通常単独で使用される
が、2種以上併用することもできる。
【0014】(iii) ラジカル開始剤 変性ポリプロピレンを製造する1,2−ポリブタジエン
による第一段の変性時には所望により、また不飽和カル
ボン酸またはその誘導体による第二段の変性時にはそれ
ぞれラジカル開始剤を使用する。ラジカル開始剤として
は、通常使用されているもの、例えば、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ラウロイル、過酸化ジ−t−ブチル、過酸化
アセチル、t−ブチルペルオキシ安息香酸、過酸化ジク
ミル、ペルオキシ安息香酸、ペルオキシ酢酸、t−ペル
オキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t
−ブチルペルオキシヘキシン等の過酸化物類や、アゾビ
スイソブチロニトリル等のジアゾ化合物類等が用いられ
る。
【0015】本発明で使用する変性ポリプロピレンを製
造するための第1のグラフト反応は、前記のポリプロピ
レン、1,2−ポリブタジエンおよび所望によりラジカ
ル開始剤を溶融混練することにより行なうことができ
る。溶融混練は従来公知の各種方法で行なうことができ
る。すなわち、バンバリーミキサー、ブラベンダー、混
練ロール等のバッチ式混練機を用いて混練する方法、あ
るいは一軸押出機、二軸押出機等の連続混練機を用いて
混練する方法等を例示することができる。混練の温度は
170〜300℃、好ましくは180〜250℃の範囲
であり、混練時間は0.1 〜20分程度であればよい。
【0016】第1のグラフト反応における、各成分の配
合量は、ポリプロピレンが99.9〜90重量%、1,2−
ポリブタジエンが 0.1〜10重量%であり、好ましくは
ポリプロピレンが99.5〜93重量%、1,2−ポリブタ
ジエンが0.5 〜7重量%である。1,2−ポリブタジエ
ンが 0.1重量%未満だと、変性による改善効果が十分で
はなく、また1,2−ポリブタジエンが10重量%を超
えると、得られる変性ポリプロピレンがゲル化を起こし
好ましくない。この第1のグラフト反応は、ラジカル開
始剤を配合しなくても進行するが、前記成分100重量
部に対しラジカル開始剤を1重量部程度まで配合して溶
融混練することが好ましい。1重量部を超える配合はポ
リプロピレンの分子量を低下させるため好ましくない。
【0017】上記不飽和カルボン酸またはその誘導体に
よる第2の変性反応は、前記で製造した1,2−ポリブ
タジエングラフトポリプロピレンに、不飽和カルボン酸
またはその誘導体およびラジカル開始剤を加えて溶融混
練することにより行なうことができる。ラジカル開始剤
の配合量は、1,2−ポリブタジエングラフトポリプロ
ピレン100重量部に対して0.01〜2重量部である。こ
の第2の変性反応は1,2−ポリブタジエンによるポリ
プロピレンの第1の変性反応に引き続いて反応容器で連
続して実施することが好ましい。溶融混練は前記第1の
反応と同様にして行なうことができる。
【0018】第2の変性反応時の各成分の配合量は、
1,2−ポリブタジエングラフトポリプロピレン中の
1,2−ポリブタジエン100重量部に対して、不飽和
カルボン酸またはその誘導体が10〜500重量部、好
ましくは50〜200重量部であり、ラジカル開始剤は
不飽和カルボン酸またはその誘導体に対して1〜80重
量%である。不飽和カルボン酸またはその誘導体が10
重量部未満だと変性による効果が不十分であり、反対に
500重量部を超えると未反応の不飽和カルボン酸が残
るので好ましくない。また、ラジカル開始剤の配合量
が、80重量%を超えると主成分であるポリプロピレン
の分子量を低下させるので好ましくない。
【0019】(c)ガラス繊維 本発明で使用するガラス繊維には特に制限はなく、チョ
ップドストランド、ロービング等のものを使用すること
ができるが、ポリプロピレンとの接着性を考慮して従来
から一般に使用されているシランカップリング剤等で表
面処理を施したものが好ましい。また、ガラス繊維の繊
維径としては3〜30μm、さらには5〜20μm程度
のものが好ましい。
【0020】(d)その他の配合剤 また、本発明においては、得られるポリプロピレン組成
物の特性を損なわない範囲内でその他の配合剤を添加す
ることができる。配合剤の具体例としては、紫外線吸収
剤、中和剤、滑剤、その他の樹脂、顔料、各種充填剤、
難燃性物質、酸化防止剤などが挙げられる。これらの配
合剤は1種または2種以上を適宜組合わせて使用するこ
とができる。
【0021】
【各成分の配合割合】本発明においては変性ポリプロピ
レンを 0.1重量%以上含有するポリプロピレン組成物あ
るいは変性ポリプロピレン、すなわち、(a)変性ポリ
プロピレン0.1 重量%〜100重量%と(b)未変性ポ
リプロピレン99.9〜0重量%とからなる変性ポリプロピ
レンの単独物あるいは変性ポリプロピレンと未変性ポリ
プロピレンとの組成物を使用する。好ましい(a)変性
ポリプロピレンと(b)未変性ポリプロピレンの割合
は、(a)変性ポリプロピレンが0.5 重量%〜50重量
%、(b)未変性ポリプロピレンが99.5〜50重量%で
ある。変性ポリプロピレン(a)が 0.1重量%未満だと
変性ポリプロピレンによる物性の向上が見られない。変
性ポリプロピレンの配合量が多いと強度が低下する傾向
にあるので所望の物性が得られる範囲内で変性ポリプロ
ピレン配合量を適宜選択することが望ましい。
【0022】(c)ガラス繊維成分の割合は、前記変性
ポリプロピレンを 0.1重量%以上含有するポリプロピレ
ン組成物あるいは変性ポリプロピレン100重量部に対
して5〜70重量部、好ましくは10〜50重量部であ
る。ガラス繊維(c)の含有量が5重量部未満だと得ら
れる組成物の機械的強度および耐熱性の向上効果が充分
でなく、70重量部を超えると成形性が低下して成形物
の製造が困難となり、また機械的強度もかえって低下す
る。
【0023】
【製造方法】上記の各成分、すなわちポリプロピレン、
変性ポリプロピレンおよびガラス繊維を上記の割合で溶
融混練することによりガラス繊維が良好に分散したガラ
ス繊維強化ポリプロピレン組成物を得ることができる。
溶融混練の方法としては従来公知の各種方法が採用可能
である。すなわち、上記各成分を、例えばヘンシェルミ
キサー、ドラムタンブラー等の混合機を用いて予備混合
し、この混合物を一軸押出機、二軸押出機、バンバリー
ミキサー、混練ロール、ブラベンダー、ニーダー等の混
練機を用いて、ポリプロピレンの融点以上、具体的には
170〜300℃、好ましくは180〜250℃で溶融
混練する方法等を用いることができる。
【0024】また、(c)成分のガラス繊維は予めポリ
プロピレン等とドライブレンドしておいてもよいし、混
練を押出機等により行う場合には、ポリプロピレンおよ
び変性ポリプロピレンをドライブレンドした後、重量式
フィーダー等を用いて押出機の途中から供給してもよ
い。
【0025】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
説明するが、下記の例により本発明は何等限定されるも
のではない。なお、各例では樹脂原料および添加剤とし
て以下のものを使用した。
【0026】(a)ポリプロピレン(PP):HJ22
0(東燃化学(株)製)、MFR20g/10分(23
0℃,2.16kg荷重)。
【0027】(b)変性ポリプロピレン (1) 変性PP−1:ホモポリプロピレン(HPP)[J
209(東燃化学(株)製),重量平均分子量30万,
数平均分子量6万,MFR9g/10分(230℃,2.
16kg荷重)]98重量部、1,2−ポリブタジエン
(1,2−PB)[RB−830(日本合成ゴム(株)
製),1,2結合93%]2重量部およびラジカル開始
剤(Pox)[パーヘキシン25B(日本油脂(株)
製)]0.2 重量部をラボプラストミル(東洋精機(株)
製)で200℃、5分間溶融混練し、次に得られた組成
物100重量部に対して無水マレイン酸(MAH)[和
光純薬工業(株)製]2重量部およびPox0.2 重量部
をラボプラストミル(東洋精機(株)製)で200℃、
5分間溶融混練して得られたもの。
【0028】(2) 変性PP−2:HPP95重量部、
1,2−PB5重量部およびPox0.5 重量部をラボプ
ラストミル(東洋精機(株)製)で200℃、5分間溶
融混練し、次に得られた組成物100重量部に対して無
水マレイン酸(MAH)[和光純薬工業(株)製]2重
量部およびPox0.2 重量部をラボプラストミルで20
0℃、5分間溶融混練して得られたもの。
【0029】(3) 変性PP−3:HPP100重量部に
対して無水マレイン酸(MAH)[和光純薬工業(株)
製]2重量部およびPox0.2 重量部をラボプラストミ
ルで200℃、5分間溶融混練して得られたもの。表1
に変性ポリプロピレンの製造原料の配合割合(組成)を
まとめて示す。
【0030】
【表1】 変性ポリプロピレンの組成 HPP 1,2-PB Pox MAH Pox (wt%) (wt%) (phr) (phr) (phr) 変性PP-1 98 2 0.2 2 0.2 変性PP-2 95 5 0.5 2 0.2 変性PP-3 100 − − 2 0.2
【0031】上記で調製した変性ポリプロピレン(変性
PP−1〜変性PP−3)について、下記の方法に従
い、MAHグラフト率とMFRを測定した。その結果を
表2に示す。 MAHグラフト率の測定:サンプルをホットプレスによ
り50〜80μmのフィルムにしてIRスペクトルをF
T−IR(Perkin,Elmer 社製)により測定し、次いで
クロロホルムを用いて該フィルムから未反応のMAHを
除去した後、同様にIRスペクトルを測定し、得られた
IRチャートより、MAHのカルボニル(C=O)結合
の伸縮にかかるピーク(1780cm-1)とアイソタクティッ
クポリプロピレン特有のピーク(840cm-1)との吸光度の
比を計算し、予め作成しておいた検量線を用いてクロロ
ホルム処理前のMAHグラフト率及びクロロホルム処理
後のMAHグラフト率を算出した。 MFRの測定:190℃,1050g荷重にて測定した。
【0032】
【表2】 変性ポリプロピレンの物性 MAHグラフト率(wt%) MFR 処理前 処理後 (g/10min) 変性PP-1 1.98 1.68 41 変性PP-2 2.00 1.99 36 変性PP-3 0.60 0.31 30
【0033】(c)ガラス繊維(GF):ECS03T
−488G(日本電気硝子(株)製)、ガラス繊維径9
μm。
【0034】実施例1〜12及び比較例1〜8 ポリプロピレン(PP)と変性ポリプロピレン(変性P
P−1〜変性PP−3)を表3〜表4に示す割合(重量
割合)でヘンシェルミキサーでドライブレンドした後、
直径30mmの二軸押出機のメインホッパーより投入し
た。また表3〜表4に示す割合でガラス繊維(GF)を
二軸押出機の途中から重量式フィーダーを用いて投入
し、バレル温度230℃で混練し、組成物を得た。得ら
れた組成物について、MFR、引張破断点強度、曲げ弾
性率、アイゾット衝撃強度およびイエローネスインデッ
クス(YI:黄色度)を測定した。結果を表3および表
4に合わせて示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】なお、表3および表4に示した各物性の測
定方法は以下の通りである。 (1) MFR:ASTM D-1238 により230℃、2.16kg荷重
で測定。 (2) 引張破断点強度:ASTM D-638により23℃で測定。 (3) 曲げ弾性率:ASTM D-790により23℃で測定。 (4) アイゾット衝撃強度:ASTM D-256により23℃で測
定(Vノッチ付)。 (5) イエローネスインデックス(YI:黄色度):SM
カラーコンピューター[SM−4−2(スガ試験機
製)]により測定。
【0038】表1および表2から明らかなように、ポリ
プロピレンに1,2−ポリブタジエンをグラフトした後
にMAHをグラフトした変性ポリプロピレン(変性PP
−1および変性PP−2)は、1,2−ポリブタジエン
をグラフトせずにMAHをグラフトした変性ポリプロピ
レン(変性PP−3)に比べて、MAHのグラフト率が
著しく向上していることが分かる。なお、クロロホルム
処理前のグラフト率の値が仕込みのMAH(重量%)に
比べて低くなっているのは、溶融混練時にMAHが昇華
し、空気中に滞留して反応に寄与しないことによるもの
である。昇華するMAHは刺激臭が強く作業環境を悪化
させるが、ポリプロピレンに直接MAHをグラフトする
変性PP−3に比べて、1,2−ポリブタジエンとMA
Hを順次グラフトする変性PP−1および変性PP−2
は昇華滞留するMAHの割合がはるかに遥かに少なく、
作業環境上からも好ましい。
【0039】また、表3および表4から明らかなよう
に、ポリプロピレンと変性ポリプロピレンとガラス繊維
からなる組成物において、変性ポリプロピレンとして直
接MAHをグラフトした変性PP−3を用いた組成物
(比較例5〜8)は、変性ポリプロピレンを配合してい
ない組成物(比較例1〜4)に比べて引張破断点強度、
曲げ弾性率およびアイゾット衝撃強度ともに著しく向上
しているが、変性ポリプロピレンの配合量に比例してイ
エローネスインデックスが上昇し着色が著しくなってい
る。これに対して、変性ポリプロピレンとして1,2−
ポリブタジエンとMAHを順次グラフトした変性PP−
1あるいは変性PP−2を用いた本発明の組成物(実施
例1〜12)は、引張破断点強度、曲げ弾性率およびア
イゾット衝撃強度が良好であり、またイエローネスイン
デックスが低く着色度が少ないことがわかる。イエロー
ネスインデックスの低下は、特にMAHのグラフト率の
高い変性PP−2を用いた時に顕著となる傾向が見られ
る(実施例3と実施例10、比較例5と実施例10、実
施例11と比較例6等のデータ参照)。
【0040】
【発明の効果】本発明は、ポリプロピレンに1,2−ポ
リブタジエンと不飽和カルボン酸またはその誘導体を順
次グラフトしてなる変性ポリプロピレンまたは前記変性
ポリプロピレンを 0.1重量%以上含有するポリプロピレ
ン組成物100重量部に対して、ガラス繊維を5〜70
重量部配合してなることを特徴とするガラス繊維強化ポ
リプロピレン組成物を提供したものである。本発明組成
物は、変性ポリプロピレンとして無極性で反応性の低い
ポリプロピレンに不飽和カルボン酸またはその誘導体を
効率よくグラフトしたものを用いているため、ガラス繊
維が樹脂中に均一に分散しかつガラス繊維が樹脂に堅固
に接着するので機械的物性、耐熱性などの物性が向上
し、製造時に刺激臭を発せず、着色度が低い等の特長を
有する。このような本発明のガラス繊維強化ポリプロピ
レン組成物は、自動車の内外装品、家電部品、電装部品
等の工業材料などに広く用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 祐二 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレンに1,2−ポリブタジエ
    ンと不飽和カルボン酸またはその誘導体を順次グラフト
    してなる変性ポリプロピレンまたは前記変性ポリプロピ
    レンを 0.1重量%以上含有するポリプロピレン組成物1
    00重量部に対して、ガラス繊維を5〜70重量部配合
    してなることを特徴とするガラス繊維強化ポリプロピレ
    ン組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8895685B2 (en) * 2010-05-11 2014-11-25 Borealis Ag Polypropylene composition suitable for extrusion coating
WO2021059969A1 (ja) * 2019-09-27 2021-04-01 東洋紡株式会社 樹脂組成物

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