JPH0959448A - マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物

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JPH0959448A
JPH0959448A JP23895595A JP23895595A JPH0959448A JP H0959448 A JPH0959448 A JP H0959448A JP 23895595 A JP23895595 A JP 23895595A JP 23895595 A JP23895595 A JP 23895595A JP H0959448 A JPH0959448 A JP H0959448A
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JP
Japan
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mica
polypropylene
weight
polypropylene resin
parts
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JP23895595A
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English (en)
Inventor
Shintaro Kikuchi
慎太郎 菊池
Satoshi Shimizu
聡 清水
Tetsuya Kawamura
哲也 河村
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイカとポリプロピレンとの接着性が良好
で、かつ引張強度、剛性、耐衝撃性などの機械的特性お
よび耐熱性などに優れ、さらに製造時の刺激臭の少ない
マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)ポリプロピレン系樹脂100重量
部、および(B)マイカ5〜100重量部、を配合して
なり、該(A)ポリプロピレン系樹脂がさらに、(A
1)ポリプロピレン0〜99重量部と(A2)1,2−
ポリブタジエンおよび不飽和カルボン酸またはその誘導
体を順次グラフト重合した変性ポリプロピレン1〜10
0重量部とを配合してなるマイカ強化ポリプロピレン樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイカ強化ポリプ
ロピレン樹脂組成物に関する。さらに詳しくいえば、ポ
リプロピレンと、ポリプロピレンに1,2−ポリブタジ
エンと不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト重
合した変性ポリプロピレンを配合してなるポリプロピレ
ン系樹脂に、マイカを配合したマイカ強化ポリプロピレ
ン樹脂組成物に関する。このようなマイカ強化ポリプロ
ピレン樹脂組成物は、引張強度、剛性、耐衝撃性などの
機械的物性および耐熱性などが優れ、さらに製造時に刺
激臭が少ないという特徴がある。特に自動車の内外装
品、電装部品、家電製品、スポーツ用品、家具、事務用
品などの材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは低比重で、成形性に優
れ、機械的物性、電気絶縁性、耐薬品性にも優れている
ので自動車の内外装品、電装部品、家電製品、スポーツ
用品、家具、事務用品などの材料として広く利用されて
いる。近年、このような機械的物性および耐熱性をさら
に向上させる目的で、マイカや繊維材料(ガラス繊維な
ど)と複合化することが一般的に行なわれている。しか
しポリプロピレンは無極性であることからマイカや繊維
材料との親和性がよくなく、接着性が不充分である。し
たがって両者を単に配合混練したのみでは充分な性能の
向上が望めない。
【0003】ポリプロピレンとマイカや繊維材料との接
着性を向上するために、ポリプロピレンに各種の極性基
や二重結合を含む基などを導入してその反応性を高める
試みがなされている。
【0004】例えば特開昭56−149452号公報に
は、アクリル酸または無水マレイン酸をグラフト重合し
た変性ポリプロピレンを配合したマイカ充填ポリプロピ
レン組成物が、特公昭58−17544号公報には、ア
ミノアルキルシラン化合物を配合した雲母粉末含有ポリ
オレフイン樹脂組成物が、特公昭58−17545号公
報には、有機シラン化合物で変性した結晶性ポリプロピ
レンおよびアミノシラン化合物を配合したマイカ補強ポ
リプロピレン組成物が、特公昭58−18946号公報
には、イソシアナート化合物またはエポキシ化合物の存
在下に成形した雲母−熱可塑性樹脂複合体がそれぞれ記
載されている。
【0005】これらの技術はポリプロピレン樹脂組成物
の引張強度や剛性を改良するものの、衝撃強度は充分と
はいえない。衝撃強度を改良する方法として、特開昭5
4−162743号公報に、マイカのアスペクト比と配
合割合を特定範囲に限定すること、特開昭58−848
37号公報に、マイカの配合割合、アスペクト比、およ
び平均フレーク径を特定範囲に限定することがそれぞれ
記載されている。
【0006】ポリプロピレンは、マイカや繊維材料との
親和性がよくないと同様に、変性剤との反応性も乏し
い。したがって変性ポリプロピレンを製造するに際し
て、変性剤の充分な量をグラフト重合して導入すること
が困難である。そこで変性剤によるグラフト率を上げる
ために変性剤を多量に配合したり、ラジカル発生剤を多
量に使用することが行われている。しかし変性剤を多量
に配合すると、ポリプロピレン中に未反応の変性剤が多
量に残存し、マイカやガラス繊維を一括溶融混練してポ
リプロピレン樹脂組成物を製造する際に、未反応の変性
剤が、昇華して空気中に滞留し、刺激臭を発生して作業
環境を悪化させる。また得られたポリプロピレン樹脂組
成物が、黄褐色に着色して、商品価値を低下させる問題
がある。このためポリプロピレン樹脂組成物の製造工程
に、未反応の変性剤の除去工程が必要となる。これは製
造コストの上昇を招く原因となる。またラジカル発生剤
を多量に使用すると、溶融混練の過程でポリプロピレン
の分子量の低下およびメルトフロ−レ−トが上昇し、ポ
リプロピレン樹脂組成物の機械的物性が低下するという
問題がある。メルトフロ−レ−ト(以下、MFRと表
す。)は、分子量の程度を示す指標である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術を改善し、少量の変性剤を配合することによ
り、マイカとポリプロピレンとの接着性が良好で、引張
強度、剛性や衝撃強度などの機械的物性および耐熱性な
どに優れ、かつ製造時に刺激臭の発生を抑制した、マイ
カ強化ポリプロピレン樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】我々は、マイカとポリプ
ロピレンとの接着性について鋭意検討を重ねた結果、ポ
リプロピレンに、予め1,2−ポリブタジエンをグラフ
ト重合し、さらに不飽和カルボン酸またはその誘導体を
該ポリプロピレンにグラフト重合した変性ポリプロピレ
ンを配合したマイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物は、
機械的物性、耐熱性などが著しく向上し、さらにその製
造工程において、不飽和カルボン酸またはその誘導体の
少ない配合量で変性ポリプロピレンを効率よく製造で
き、その結果未反応の不飽和カルボン酸またはその誘導
体を除去する工程が不要となると共に、その空気中への
昇華に起因する刺激臭の発生が少なく、良好な環境の下
で作業できること、副生成物として1,2−ポリブタジ
エンと不飽和カルボン酸またはその誘導体との反応物が
少なく、ポリプロピレンの主鎖に1,2−ポリブタジエ
ンと不飽和カルボン酸またはその誘導体が均一にグラフ
ト重合した変性ポリプロピレンが高収率で得られるこ
と、1,2−ポリブタジエンによる変性時および不飽和
カルボン酸またはその誘導体による変性時におけるラジ
カル発生剤の使用量が少量でよいため、ポリプロピレン
の分子量の低下およびMFRの上昇がないこと、そのた
めマイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物の機械的物性の
低下がないことを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】したがって本発明は、(A)ポリプロピレ
ン系樹脂100重量部、および(B)マイカ5〜100
重量部、を配合してなり、該(A)ポリプロピレン系樹
脂がさらに、(A1)ポリプロピレン0〜99重量部と
(A2)1,2−ポリブタジエンおよび不飽和カルボン
酸またはその誘導体を順次グラフト重合した変性ポリプ
ロピレン1〜100重量部とを配合してなるマイカ強化
ポリプロピレン樹脂組成物を提供する。
【0010】本発明は上記のようなマイカ強化ポリプロ
ピレン樹脂組成物であるが、その好ましい態様として、
次のものを包含する。 (1)成分(A1)の配合量が、50〜98重量部であ
る前記マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物。 (2)成分(A2)の配合量が、2〜50重量部である
前記マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物、または上記
(1)記載のマイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物。 (3)成分(B)の配合量が、10〜70重量部である
前記マイカ強化ポリプロピレピレン樹脂組成物、上記
(1)または上記(2)記載のいずれかのマイカ強化ポ
リプロピレン樹脂組成物。 (4)成分(B)の平均粒径が、0.1〜500μmで
ある前記マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物、もしく
は上記(1)、上記(2)または上記(3)記載のいず
れかのマイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物。 (5)成分(B)の平均粒径が、1〜300μmである
前記マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物、もしくは上
記(1)、上記(2)または上記(3)記載のいずれか
のマイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物。 (6)成分(B)が、表面処理剤で表面処理をされてい
る前記マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物、もしくは
上記(1)、上記(2)、上記(3)、上記(4)また
は上記(5)記載のいずれかのマイカ強化ポリプロピレ
ン樹脂組成物。 (7)成分(B)が、シランカップリング剤で表面処理
をされている前記マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成
物、もしくは上記(1)、上記(2)、上記(3)、上
記(4)または上記(5)記載のいずれかのマイカ強化
ポリプロピレン樹脂組成物。 (8)成分(A2)の反応性ポリプロピレンにグラフト
重合させる前記不飽和カルボン酸またはその誘導体が、
不飽和ジカルボン酸またはその無水物である前記マイカ
強化ポリプロピレン樹脂組成物、もしくは上記(1)、
上記(2)、上記(3)、上記(4)、上記(5)、上
記(6)または上記(7)記載のいずれかのマイカ強化
ポリプロピレン樹脂組成物。 (9)成分(A2)の反応性ポリプロピレンにグラフト
重合させる前記不飽和カルボン酸またはその誘導体が、
無水マレイン酸またはその誘導体である前記マイカ強化
ポリプロピレン樹脂組成物、もしくは上記(1)、上記
(2)、上記(3)、上記(4)、上記(5)、上記
(6)または上記(7)記載のいずれかのマイカ強化ポ
リプロピレン樹脂組成物。 (10)成分(A2)のポリプロピレンにグラフト重合
させる前記1,2−ポリブタジエンが、常温で固形ゴム
であり、かつ1,2−結合の割合を70モル%以上含ん
でなる前記マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物、もし
くは上記(1)、上記(2)、上記(3)、上記
(4)、上記(5)、上記(6)、上記(7)、上記
(8)または上記(9)記載のいずれかのマイカ強化ポ
リプロピレン樹脂組成物。 (11)ポリプロピレン90〜99.9重量%および
1,2−ポリブタジエン0.1〜10重量%を溶融混練
してグラフト重合してなる反応性ポリプロピレン100
重量部に、不飽和カルボン酸またはその誘導体0.1〜
20重量部およびラジカル発生剤0.01〜2重量部を
使用して製造した前記成分(A2)の変性ポリプロピレ
ンを溶融混練する、前記マイカ強化ポリプロピレン樹脂
組成物、もしくは上記(1)、上記(2)、上記
(3)、上記(4)、上記(5)、上記(6)、上記
(7)、上記(8)、上記(9)または上記(10)記
載のいずれかのマイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物。 (12)ポリプロピレン90〜99.9重量%、1,2
−ポリブタジエン0.1〜10重量%およびポリプロピ
レンと1,2−ポリブタジエンの混合組成物100重量
部に対して、ラジカル開始剤0.01〜1重量部を溶融
混練してグラフト重合してなる反応性ポリプロピレン1
00重量部に、不飽和カルボン酸またはその誘導体0.
1〜20重量部およびラジカル発生剤0.01〜2重量
部を使用して製造した前記成分(A2)の変性ポリプロ
ピレンを溶融混練する、前記マイカ強化ポリプロピレン
樹脂組成物、もしくは上記(1)、上記(2)、上記
(3)、上記(4)、上記(5)、上記(6)、上記
(7)、上記(8)、上記(9)または上記(10)記
載のいずれかのマイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物。 (13)前記成分(A)および前記成分(B)を170
〜300℃で溶融混練する前記マイカ強化ポリプロピレ
ン樹脂組成物の製造方法、もしくは上記(1)、上記
(2)、上記(3)、上記(4)、上記(5)、上記
(6)、上記(7)、上記(8)、上記(9)、上記
(10)、上記(11)または上記(12)記載のいず
れかのマイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物。
【0011】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
は、ポリプロピレン系樹脂およびマイカを配合してなる
マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物である。 (A)ポリプロピレン系樹脂 本発明で使用するポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピ
レンと、ポリプロピレンに1,2−ポリブタジエンおよ
び不飽和カルボン酸またはその誘導体を順次グラフト重
合して得た変性ポリプロピレンを配合してなる。ポリプ
ロピレンの配合割合は0〜99重量部、好ましくは50
〜98重量部であり、変性ポリプロピレンの配合割合は
1〜100重量部、好ましくは2〜50重量部である。
変性ポリプロピレンの配合割合が、1重量部未満の場合
には、マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物の機械的物
性の向上が見られない。また変性ポリプロピレンの配合
割合が、100重量部より多い場合には、引張強度が低
下する傾向にある。したがって所望の機械的物性が得ら
れるよう、上記の配合割合の範囲内で、変性ポリプロピ
レン配合量を適宜選択することが好ましい。ここでポリ
プロピレン、1,2−ポリブタジエンおよび不飽和カル
ボン酸またはその誘導体は、特に限定されず、次のもの
を使用することができる。
【0012】(A1)ポリプロピレン 本発明で使用するポリプロピレン(A1)は、プロピレ
ンの単独重合体のみでなく、プロピレンとエチレンやブ
テン−1などの他のα−オレフィンとのブロック共重合
体またはランダム共重合体を含む。例えばプロピレン−
エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンラン
ダム共重合体、プロピレン−ブテン−1ブロック、プロ
ピレン−ブテン−1ランダム共重合体などを使用するこ
とができる。他のα−オレフィンの含有量は30重量%
以下、特に10重量%以下が好ましい。α−オレフィン
の含有量は30重量%を超える場合には、マイカ強化ポ
リプロピレン樹脂組成物の剛性が低下するので好ましく
ない。他のα−オレフィンとしては特にエチレンが好ま
しく、その含有量は10重量%以下のものが好ましい。
重量平均分子量は、70,000〜1,000,000
である。このようなポリプロピレンは、0.1〜200
g/10分、好ましくは0.5〜100g/10分のM
FR(JIS K7210により、荷重2.16kg、
230℃の条件で測定)を有する。MFRが0.1未満
の場合には、成形性、外観などが不良で、200を超え
る場合には、耐衝撃性が劣る。
【0013】(A2)変性ポリプロピレン 本発明で使用する変性ポリプロピレン(A2)は、上記
ポリプロピレン(A1)に、1,2−ポリブタジエンお
よび不飽和カルボン酸またはその誘導体を順次、溶媒中
あるいは溶融状態でグラフト重合したものを使用するこ
とができる。ここで1,2−ポリブタジエンによるグラ
フト重合は、所望によりラジカル発生剤を使用すること
ができ、また不飽和カルボン酸またはその誘導体による
グラフト重合では、ラジカル発生剤を使用する。通常、
重量平均分子量は、60,000〜100,000であ
る。
【0014】(i)1,2−ポリブタジエン 上記1,2−ポリブタジエンは、1,2−結合の割合を
50モル%以上、好ましくは70モル%以上、さらに好
ましくは90モル%以上を含有する。このような1,2
−ポリブタジエンは、市販の液状ゴムまたは固形ゴムの
ものから適宜選択して使用することができるが、溶融混
練時の作業性や、グラフト効率の観点から、1,2−結
合の割合が70モル%以上の、常温で固形ゴムの1,2
−ポリブタジエンが好ましい。
【0015】(ii)不飽和カルボン酸またはその誘導
体 本発明で使用する不飽和カルボン酸またはその誘導体
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フ
マル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エンドービシクロ
[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸
(エンディック酸)、シス−4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸などの不飽和モノあるいはジカルボン
酸、またはこれらの誘導体を使用することができる。酸
無水物、ハライド、アミド、イミド、エステルなどの誘
導体として使用することができる。例えば無水マレイン
酸、無水イタコン酸、塩化マレニル、マレイミド、アク
リル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水シトラコン
酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、エン
ドービシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−
無水ジカルボン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2
−無水ジカルボン酸などを使用することができる。好ま
しくは不飽和ジカルボン酸またはその無水物である。特
に好ましくはマレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸
または無水イタコン酸である。これらは通常単独で使用
することができるが、2種以上を併用することもでき
る。
【0016】(iii)ラジカル発生剤 本発明で使用するラジカル発生剤は、通常使用されてい
る公知のものを使用することができる。例えば過酸化ベ
ンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジ−t−ブチル、
過酸化アセチル、t−ブチルペルオキシ安息香酸、過酸
化ジクミル、ペルオキシ安息香酸、ペルオキシ酢酸、t
−ペルオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−
ジ−t−ブチルペルオキシヘキシンなどの過酸化物類
や、アゾビスイソブチロニトリルなどのジアゾ化合物類
などを使用することができる。
【0017】(iv)変性ポリプロピレンの製造方法 本発明で使用する変性ポリプロピレン(A2)は、ポリ
プロピレン(A1)に1,2−ポリブタジエンをグラフ
ト重合して反応性ポリプロピレンを製造する第1のグラ
フト重合、および反応性ポリプロピレンに不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体をグラフト重合する第2のグラフ
ト重合によって製造することができる。
【0018】第1のグラフト重合は、ポリプロピレン
(A1)、1,2−ポリブタジエン、および所望により
ラジカル発生剤を溶融混練することにより行うことがで
きる。ポリプロピレンと1,2−ポリブタジエンの配合
割合は、ポリプロピレンが90〜99.9重量%、好ま
しくは93〜99.5重量%、1,2−ポリブタジエン
が0.1〜10重量%であり、好ましくは0.5〜7重
量%である。1,2−ポリブタジエンが0.1重量%未
満の場合には、変性による改善効果が充分ではない。ま
た1,2−ポリブタジエンが10重量%を超えると、得
られる変性ポリプロピレンがゲル化するので好ましくな
い。第1のグラフト重合は、ラジカル発生剤を配合しな
くても進行するが、ラジカル発生剤を配合する場合に
は、ポリプロピレンと1,2−ポリブタジエンの混合組
成物100重量部に対して、ラジカル発生剤0.01〜
1重量部を溶融混練する。ラジカル発生剤が1重量部を
超える場合は、得られる変性ポリプロピレンの分子量が
低下し、MFRが上昇するので好ましくない。
【0019】溶融混練は、従来公知の各種方法で行なう
ことができる。すなわちバンバリーミキサー、ブラベン
ダー、混練ロールなどのバッチ式混練機を用いて混練す
る方法、あるいは−軸押出機、二軸押出機などの連続混
練機を用いて混練する方法など例示することができる。
混練の温度は170〜300℃、好ましくは180〜2
60℃の範囲であり、混練時間は0.1〜20分程度で
ある。
【0020】第2のグラフト重合は、第1のグラフト重
合で製造された反応性ポリプロピレンに、不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体およびラジカル発生剤を配合し、
溶融混練して製造することができる。反応性ポリプロピ
レン100重量部に対して、不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体が0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜1
0重量部を使用することができる。不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体が0.1重量部未満の場合は変性による
効果が不十分であり、反対に20重量部を超える場合は
未反応の不飽和カルボン酸またはその誘導体が、ポリプ
ロピレン系樹脂中に残るので好ましくない。またラジカ
ル発生剤は、反応性ポリプロピレン100重量部に対し
て0.01〜2重量部を使用することができる。ラジカ
ル発生剤が0.01重量部未満だとグラフト重合による
変性が進行しないし、2重量部を超えると主成分である
ポリプロピレンの分子量を低下させるので好ましくな
い。この第2のグラフト重合は、第1のグラフト重合に
連続して同じ混練機中で、実施することもできる。上記
のように製造した変性ポリプロピレン(A2)の重量平
均分子量は、通常60,000〜100,000であ
る。
【0021】(B)マイカ 本発明で使用するマイカ(B)は、アルカリ金属を含有
するアルミノ珪酸塩であり、樹脂などの充填剤、強化剤
などとして一般に用いられてる公知のものを使用するこ
とができる。例えば、白マイカ(マスコバイト)、金マ
イカ(フロゴバイト)、黒マイカ(バイオタイト)など
でを使用することができる。具体的には、白マイカ、紅
マイカ、ソーダマイカ、絹マイカ、バナジンマイカ、金
マイカ、鉄マイカ、チンワルドマイカ、黒マイカなどが
例示される。
【0022】また本発明で使用するマイカの平均粒径は
0.1〜500μm、好ましくは、1〜300μmであ
る。平均粒径が0.1μm以下未満の場合は、本発明の
マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物の剛性が、低下す
る。また平均粒径が、500μmを超える場合には、表
面の平滑性が悪く、外観が不良である。アスペクト比は
10〜500程度が好ましい。アスペクト比が10以下
の場合は、機械的物性の向上が小さい。アスペクト比が
500以上の場合は、機械的物性は向上するものの、溶
融混練が困難である。さらにシランカップリング剤など
により表面処理を施したものが好ましい。アスペクト比
とは、マイカの縦または横の長さと厚みの比をいう。一
般的にアスペクト比は粒径が小さくなれば小さくなる傾
向がある。
【0023】マイカの配合割合は、ポリプロピレン系樹
脂(A)100重量部に対して、5〜100重量部、好
ましくは10〜70重量部である。マイカの配合量が5
重量部未満の場合には、マイカ強化ポリプロピレン樹脂
組成物の機械的物性および耐熱性の向上が充分でなく、
100重量部を超えると成形性が低下して製造が困難と
なる。
【0024】また本発明で使用するマイカは、その表面
を無処理のまま使用してもよいが、好ましくは表面処理
剤で表面処理して使用する。表面処理したマイカは、ポ
リプロピレン(A1)および変性ポリプロピレン(A
2)との接着性を向上し、分散性を向上する。表面処理
剤としては、公知のシランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤および高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高
級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩類などの界面活性剤を使
用することができる。好ましくはシランカップリング剤
で、さらに好ましくはアミノシラン化合物である。例え
ばγー(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γー(2−アミノエチル)アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、γー(2−アミノエチル)アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γーウレイドプロピル
トリエトキシシランなどを使用することができる。アミ
ノシラン化合物の配合割合は、マイカ100重量部に対
して0.05〜5重量部である。
【0025】これらの表面処理剤は、マイカをあらかじ
め表面処理剤で表面処理した後、これを、ポリプロピレ
ンおよび変性ポリプロピレンに溶融混練して使用するこ
とができる。あるいはマイカ、ポリプロピレンおよび変
性ポリプロピレンを溶融混練する際に、直接表面処理剤
を添加して使用することができる。
【0026】(C)その他の配合剤 本発明のマイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物は、その
性能を損なわない範囲内で、その他の配合剤を配合する
ことができる。その具体例として、その他の樹脂、マイ
カ以外の無機充填剤(例えば、炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、アルミナ、石膏、ガラス繊維、ケイ酸
カルシウム、ガラスビーズ、カーボンブラック、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、ゼオライト、けい
藻土、炭素繊維、合成けい酸系ファイバー)、酸化防止
剤(フェノール系、イオウ系、りん系)、紫外線吸収
剤、滑剤、帯電防止剤、銅害防止剤、難燃剤、造核剤、
可塑剤、架橋剤、顔料、中和剤などを挙げることができ
る。これらの配合剤は1種または2種以上を適宜組み合
わせて使用することができる。
【0027】その他の樹脂として、ポリエチレン樹脂を
使用することができる。例えば、低密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンと
他のαーオレフィン(例えばブテン、ペンテン、ヘキセ
ンなど)との共重合体などを挙げることができる。特に
MFRが,0.05〜100g/10分で、密度が0.
93g/cm3以上のポリエチレンが好ましい。またポ
リエチレン樹脂の配合割合は、本発明でいうポリプロピ
レン系樹脂に対して20重量部以下である。ポリエチレ
ン樹脂のMFR、密度、配合割合が上記の範囲外の場合
は、いずれもマイカ強化ポリプロピレン樹脂の剛性が低
下する。
【0028】(D)マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成
物の製造方法 マイカ強化ポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレ
ン(A1)に、1,2−ポリブタジエンおよび不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体を順次グラフト重合して得た
変性ポリプロピレン(A2)を溶融混練して後、さらに
マイカ(B)を溶融混練して製造することができる。
【0029】溶融混練の方法としては、従来公知の各種
方法を採用することができる。すなわち成分(A1)お
よび成分(A2)、または成分(A1)、成分(A2)
および成分(B)、または成分(A)および成分(B)
は、例えばヘンシェルミキサー、ドラムタンブラーなど
の混合機を用いて予備混合し、この混合物を一軸押出
機、二軸押出機、バンバリーミキサー、混練ロール、ブ
ラベンダー、ニーダーなどの混練機を用いて、ポリプロ
ピレンの融点以上、具体的には170〜300℃、好ま
しくは180〜250℃で溶融混練する方法を用いるこ
とができる。また成分(B)は、予め成分(A1)など
とドライブレンドしておくことができる。また押出機な
どを使用する場合には、成分(A1)および成分(A
2)をドライブレンドした後、重量式フィーダーなどを
用いて押出機の途中から供給することもできる。
【0030】本発明のマイカ強化ポリプロピレン樹脂組
成物は、優れた引張強度、剛性、衝撃強度、衝撃強度な
どの機械的物性および耐熱性を有するため、広範囲に用
途を展開することができる。代表的な用途として自動車
の内外装品材料や電装部品材料(例えば、インストルメ
ントパネル材、エアークリーナーケース材、ファンシュ
ラウド材、カーヒーターケース材、トリム材、バンパー
材など)、家電製品材料(例えば、洗濯槽材、テレビパ
ネル材、アイロン把手材、ファン材、ビデオテープカセ
ット材、ラジオカセットハウジング材など)、事務用品
材料(例えば、複写機ハウジング材、コンピューターハ
ウジング材など)、スポーツ用品材料、家具材料などが
挙げられる。さらに本発明のマイカ強化ポリプロピレン
樹脂組成物は、製造時に刺激臭が少ないという特徴があ
る。
【0031】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明をさらに詳細に説明する。なお本発明は、以下の実施
例によって何等限定されるものではない。また以下の実
施例および比較例では、原料成分として次の成分を使用
した。
【0032】(A)ポリプロピレン系樹脂:次の成分
(A1)および成分(A2)を溶融混練してポリプロピ
レン系樹脂を製造した。また成分(A2)として、次の
3種類の変性ポリプロピレンを製造した。
【0033】(A1)ポリプロピレン(以下、PPとも
表す。):HJ220(東燃化学(株)製)、MFR2
0g/10分(230℃、2.16kg荷重)。 (A2)変性ポリプロピレン (1)CMP−1: ホモポリプロピレン(以下、HPPと表す。)97重
量部:J209(東燃化学(株)製)、重量平均分子量
30万、数平均分子量6万、MFR9g/10分(23
0℃、2.16kg荷重)、 1,2−ポリブタジエン、(以下、1,2−PBと表
す。)3重量部:RB−830(日本合成ゴム(株)
製)、1,2−結合93%、および ラジカル開始剤(以下、Poxと表す。)0.2重量
部:パーヘキシン25B(日本油脂(株)製)をラボプ
ラストミル(東洋精機(株)製)で200℃で、5分間
溶融混練して、反応性ポリプロピレンを製造した。得ら
れた反応性ポリプロピレン100重量部に対して、 無水マレイン酸(以下、MAHと表す。)2重量部:
和光純薬工業(株)製、および Pox0.2重量部をラボプラストミル(東洋精機
(株)製)で200℃、5分間溶融混練してCMP−1
を製造した。
【0034】(2)CMP−2:反応性ポリプロピレン
の製造に際して、HPP95重量部およびPox0.5
重量部を使用した以外は、CMP−1の場合と同様にし
てCMP−2を製造した。
【0035】(3)CMP−3:HPP100重量部、
MAH2重量部およびPox0.2重量部を前記ラボプ
ラストミルで200℃、5分間溶融混練してCMP−3
を製造した。
【0036】反応性ポリプロピレンおよび変性ポリプロ
ピレンの製造に使用した成分の配合割合をまとめて表1
に示す。
【表1】 グラフト重合の配合割合 (重量部) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 反応性ポリプロピレン 変性ポリプロピレン (HPP) (1,2-PB) (Pox) (反応性PP) (MAH) (Pox) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CMP-1 97 3 0.2 100 2 0.2 CMP-2 95 5 0.5 100 2 0.2 CMP-3 - - - HPP=100 2 0.2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0037】上記の変性ポリプロピレン(CMP−1、
CMP−2、CMP−3)について、重量平均分子量、
グラフト率およびMFRを表2に示す。
【表2】 変性ポリプロピレンの物理性状 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 重量平均分子量 MAHグラフト率(重量部) MFR (処理前) (処理後) (g/10分) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ CMP-1 76,300 1.98 1.88 41 CMP-2 79,500 2.00 1.99 36 CMP-3 81,000 0.60 0.31 30 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (注)(処理前)、(処理後)とは、未反応のMAHを除去す るクロロホルムによる処理前、処理後をいう。
【0038】重量平均分子量、グラフト率およびMFR
は次の方法により測定した。 (1)重量平均分子量の測定:上記変性ポリプロピレン
について、ウォ-タ-ズ社製150C型(ポリマ−ラボラ
トリ−社製Mixed−Bカラム30cm×3本、測定
温度140℃、測定溶媒オルトジクロロベンゼン)を用
いて分子量分布の測定を行った。標準ポリスチレンにつ
いて、同様にして測定を行い、Makromol.Ch
em.179,2117(1978)記載のユニバ−サ
ル・キャリブレ−ション・プリンシプルに基づき較正し
て求めたGPC曲線のピ−ク位置の分子量である。 (2)MAHグラフト率の測定:上記変性ポリプロピレ
ンから、ホットプレスにより作製した厚さ50〜80μ
mのフィルムについて、FT−IR型赤外線分光装置
(Perkin Elmer社製)により赤外線スペク
トルを測定した。得られた赤外線スペクトルについて、
MAHのカルボニル結合(C=O)の伸縮振動に帰属す
るピーク(1780cm-1)とアイソタクティックポリ
プロピレンに特有のCH−CH2伸縮振動のピーク(8
40cm-1)との吸光度の比を算出し、予め作成した検
量線を用いてグラフト率を算出した(処理前のグラフト
率)。一方上記変性ポリプロピレンをクロロホルム処理
して未反応のMAHを除去した変性ポリプロピレンを作
製した。これよりフイルムを作製し、上記と同様にして
グラフト率を算出した(処理後のグラフト率)。 (3)MFRの測定:JIS K7210により、19
0℃、1050g荷重にて測定した。
【0039】表1および表2から明らかなように、CM
P−1およびCMP−2は、処理前および処理後のグラ
フト率が高いことから、初めに配合したMAHの殆ど全
量が、ポリプロピレンにグラフト重合していることを示
している。これに対してCMP−3は、処理前のグラフ
ト率が著しく低い上に、、処理後のグラフト率もさらに
著しく低いことから、初めに配合したMAHの15.5
重量%が、ポリプロピレンにグラフト重合したに過ぎな
い。すなわちMAHの84.5重量%が、溶融混練時に
昇華して空気中に滞留したり、未反応MAHとして残存
して、グラフト重合に寄与していないことを示してい
る。したがって本発明のCMP−1およびCMP−2
は、その製造の作業環境は良好であった。一方CMP−
1、CMP−2およびCMP−3のMFRは、30〜4
1g/10分であり、変性前のポリプロピレン(9g/
10)に比べて、大きく下がっておらず、分子量も大き
く低下していないことを示している。
【0040】(B)マイカ:スゾライトマイカ200−
KI(クラレ(株)製)、平均粒径90μm。
【0041】[実施例1〜12及び比較例1〜8]表3
〜表5に示す配合割合で、ポリプロピレン(PP)と変
性ポリプロピレン(CMP−1、CMP−2、CMP−
3)は、ヘンシェルミキサーでドライブレンドした後、
直径30mmの二軸押出機のメインホッパーより投入し
た。またマイカは、二軸押出機の途中から重量式フィー
ダーを用いて投入し、バレル温度230℃で混練し、マ
イカ強化ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られたマ
イカ強化ポリプロピレン樹脂組成物について、MFR、
引張強度、曲げ弾性率およびアイゾット衝撃強度を測定
した。その結果を表3〜表5に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】なお、表3〜表5に示した各力学的物性の
測定方法は以下の通りである。 (1)MFR:JIS K7210により、230℃、
2.16kg荷重で測定した。 (2)引張強度:ASTM D638により、23℃で
測定した。 (3)曲げ弾性率:ASTM D790により、23℃
で測定した。 (4)アイゾット衝撃強度:ASTM D256によ
り、23℃で測定した(Vノッチ付)。
【0046】また表3〜表5から明らかなように、ポリ
プロピレンに、1,2−ポリブタジエンとMAHを順次
グラフト重合反応したCMP−1あるいはCMP−2を
配合した実施例1〜実施例12は、引張強度、曲げ弾性
率およびアイゾット衝撃強度がバランス良く高かった。
これに対して、変性ポリプロピレンとして、MAHのみ
をグラフト重合したCMP−3を用いた比較例1〜比較
例4は、変性ポリプロピレンを配合していない比較例5
〜比較例8に比べて、引張強度は高いものの、実施例に
比べて、引張強度、曲げ弾性率およびアイゾット衝撃強
度のすべてが低い値であった。
【0047】また表1および表2からも明らかなよう
に、CMP−1およびCMP−2は、CMP−3に比べ
て、初めに配合したMAHの殆どすべてがホモポリプロ
ピレン(HPP)にグラフト重合しており、さらに残存
する量も少ない。したがって実施例1〜実施例12は、
比較例1〜比較例8に比べて、変性ポリプロピレンおよ
びマイカ強化樹脂組成物組成物を製造する溶融混練工程
で、昇華して空気中に滞留するMAHが極めて少なく、
作業環境は良好であることを示している。
【0048】
【発明の効果】以上詳細かつ具体的に説明したように、
本発明によれば、ポリプロピレンに、1,2−ポリブタ
ジエンと不飽和カルボン酸またはその誘導体を順次グラ
フト重合してなる変性ポリプロピレン1〜100重量部
を配合したポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、
マイカを5〜100重量部配合したことを特徴とする新
規かつ機械的物性および耐熱性が優れたマイカ強化ポリ
プロピレン樹脂組成物が提供され、このマイカ強化ポリ
プロピレン樹脂組成物は、変性ポリプロピレンとして、
無極性で反応性の低いポリプロピレンに不飽和カルボン
酸またはその誘導体を効率よくグラフト重合した変性ポ
リプロピレンを用いているため、製造時に不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体を除去する工程が不要、かつ刺激
臭を発生せず、さらにマイカがポリプロピレン樹脂中に
均一に分散して両者が堅固に接着するので、機械的物
性、耐熱性などが向上するなどの特徴を有し、自動車の
内外装品、電装部品、家電製品、スポーツ用品、家具、
事務用品などの材料として極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリプロピレン系樹脂100重量
    部、および(B)マイカ5〜100重量部、を配合して
    なり、該(A)ポリプロピレン系樹脂がさらに、(A
    1)ポリプロピレン0〜99重量部と(A2)1,2−
    ポリブタジエンおよび不飽和カルボン酸またはその誘導
    体を順次グラフト重合した変性ポリプロピレン1〜10
    0重量部とを配合してなるマイカ強化ポリプロピレン樹
    脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7459492B2 (en) * 2004-09-30 2008-12-02 Universidad De Chile Polypropylene composites with reinforcement based on eggshells: procedure to obtain the said composite, reinforcement based on eggshells, and procedure for obtaining it
CN114213748A (zh) * 2021-11-16 2022-03-22 上海金发科技发展有限公司 一种云母填充聚丙烯复合材料及其制备方法和应用
CN114466875A (zh) * 2019-09-27 2022-05-10 东洋纺株式会社 树脂组合物

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