JPH08127054A - 被覆用シートの製造方法 - Google Patents

被覆用シートの製造方法

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JPH08127054A
JPH08127054A JP6268740A JP26874094A JPH08127054A JP H08127054 A JPH08127054 A JP H08127054A JP 6268740 A JP6268740 A JP 6268740A JP 26874094 A JP26874094 A JP 26874094A JP H08127054 A JPH08127054 A JP H08127054A
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sheet
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elastomer
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顕隆 三宅
Tsuneo Sasaike
恒男 笹池
Hiroaki Uno
拓明 宇野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐傷付き性に優れている上に、真空成形などの
2次加工時等の加熱後においても艶消し感を有し、かつ
好感触な被膜を形成しうる被覆用シートを容易に製造可
能な製造方法を提供する。 【構成】熱可塑性ウレタンエラストマーと弾性微粒子を
主成分としてなる表面層4aと、接着性樹脂層4bと、
熱可塑性エラストマーよりなる基材層4cとをこの順で
積層される状態に共押出すること、表面層4aを架橋す
ること、を包含する被覆用シート13の製造方法。上記
3層が共押出して得られた積層体4の基材層側に、発泡
体5を積層することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の内装や、OA
機器・家電製品などのハウジングや、文具、サニタリ
ー、日用品、建材内装など人が触る可能性のある部位に
被覆することにより、物品を観たときの艶消し感や、好
感触さらには、耐傷付き性を与えることができる被覆用
シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両などの内装表皮材として、特公平1
−14023号公報に熱可塑性エラストマー層と発泡体
層とよりなる積層体が提案されている。該熱可塑性エラ
ストマー層は、ポリオレフィン系樹脂とエチレン・α−
オレフィン系共重合体ゴムの部分架橋物とのブレンド体
から形成されている。
【0003】プラスチック成形体または金属成形体など
の表面にスエード感(ソフトタッチ感)を付与するため
に、一般にスエード調(ソフトタッチ)塗料が用いられ
てきた。例えば、特開昭63−199776号公報には
ナイロン粉末と着色剤または着色ナイロン粉末を60〜
700%の伸びを有する塗膜形成用樹脂を含んだ樹脂液
に分散してなる塗料が提案されている。
【0004】また、塗料に代わるシート状のスエード調
被覆シートが提案されている。例えば、特開平2−41
243号公報には、成形性のよい基材フィルムの上に、
ビーズ顔料と電離放射線硬化樹脂のビヒクルとからなる
艶消し塗料を塗布し硬化させたスエード調シートが提案
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
1−14023号公報に記載されているような熱可塑性
オレフィンエラストマー層を表面に有する積層体は表面
の質感が劣り、また、耐傷付き性が劣る。
【0006】表面の質感、耐傷付き性を改善するため、
特開昭63−199776号公報に記載のように、塗料
を用いて塗装する際には、塗料の粘度や濃度を調整する
必要があり、その作業が煩雑となる。有機溶剤を用いた
塗料では溶剤を乾燥させるブースが必要であり、さら
に、作業環境の汚染及び安全衛生上の問題が生じる。
【0007】また、特開平2−41243号公報に記載
のようなシートを使用する場合でも同様に、電子線照射
等によって架橋することのできる組成物を基材フィルム
上に塗布する必要があるのでシートの作成方法が複雑に
なり、また作業環境の汚染及び安全衛生上の問題が生じ
る。
【0008】これらの問題を解決するために、本発明ら
は、基材層と、弾性微粒子と樹脂よりなる表面層を共押
出することにより、表面が艶消し感を有し、しかも好感
触でさらに耐傷付き性が良好なシートを検討した。しか
し、このシートは表面層の樹脂に熱可塑性樹脂を用いる
ため、シート表面の耐熱性が悪く、しかもシートを真空
成形等の加工を行う場合は、表面層が加熱されることに
より艶消し感や感触が低下する場合があった。
【0009】本発明は、上記の問題点を改善したもの
で、耐傷付き性に優れている上に、真空成形などの2次
加工時等の加熱後においても艶消し感を有し、かつ、好
感触な被膜を形成しうる被覆用シートを容易に製造可能
な製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本第1の発明は、熱可塑
性ウレタンエラストマーと弾性微粒子を主成分としてな
る表面層と、接着性樹脂層と、熱可塑性エラストマーよ
りなる基材層とをこの順で積層される状態に共押出し、
該表面層を架橋することを特徴とする被覆用シートの製
造方法に関する。
【0011】本第2の発明は、熱可塑性ウレタンエラス
トマーと弾性微粒子を主成分としてなる表面層と、接着
性樹脂層と、熱可塑性エラストマーよりなる基材層とを
この順で積層される状態に共押出して得られた積層体の
該基材層側に、発泡体を積層し、該表面層を架橋するこ
とを特徴とする被覆用シートの製造方法に関する。
【0012】これらの詳細は以下の通りである。
【0013】本発明の表面層に用いられる熱可塑性ウレ
タンエラストマーとは常温でゴム弾性を示し、高温では
可塑化されて各種の成形加工が可能なものであり、分子
中にエントロピー弾性を有するゴム成分(ソフトセグメ
ント)と、塑性変形を防止するための分子拘束成分(ハ
ードセグメント)とを有するものである。一般には、そ
のソフトセグメントは、ポリエーテル、ポリエステル、
またはポリカーボネートで構成され、ハードセグメント
はポリウレタンで構成されている。
【0014】熱可塑性ウレタンエラストマーは、その成
形が可能な範囲においては、分子内に部分架橋を有する
ものであってもよい。
【0015】表面層にウレタン系のエラストマーを用い
ることにより、シート表面の質感(感触)と、耐傷付き
性を付与することができる。
【0016】熱可塑性ウレタンエラストマーのガラス転
移点は、高すぎると低温衝撃性が低下し、逆に低すぎる
とシートの耐傷付性が低下するため、−50℃〜20℃
の範囲のものが好ましい。また、その分子量は、低すぎ
ると得られるシートの剛性が低下し、逆に高すぎるとシ
ートの柔軟性が損なわれるため、重量平均分子量で2
0,000〜3,000,000の範囲のものが好まし
い。また、その熱可塑性ウレタンエラストマーの室温に
おける硬さは、積層される他の層の硬さや厚みによって
も異なるが、一般にJIS A硬度で50〜98が好ま
しい。
【0017】上記熱可塑性ウレタンエラストマーの具体
例としては、日本ミラクトラン社製:商品名ミラクトラ
ンE990P、旭硝子社製:商品名PN3429、大日
本インキ化学社製:商品名T7890等があげられる。
表面層に耐候性、耐熱性などの耐久性が必要な場合は、
無黄変タイプのウレタン系エラストマーを用いるのが好
ましい。
【0018】上記弾性微粒子は、上記熱可塑性ウレタン
エラストマーの押出条件下で溶融しないものが用いられ
る。また、弾性微粒子とはその形状が変形するまで加圧
した後、開放する時、弾性回復する性質を示すものであ
り、その形状は特に限定されるものではなく、例えば、
球形、柱形のほか、粉砕して得られる多角形のものであ
ってもよい。
【0019】例えば、ポリウレタン、アクリル−ウレタ
ン共重合体、ポリスチレン、スチレン−イソプレン共重
合体、シリコーン等からなる。これらは単独で用いられ
てもよく、2種以上併用されてもよい。一般には架橋さ
れた樹脂が用いられる。
【0020】これら弾性微粒子は、その粒径が小さすぎ
ると、得られたシートに十分な艶消し感や好感触が得ら
れず、シートの膜厚にもよるが、粒径が大きすぎると、
シートの延伸時にその表面に亀裂が生じ易くなるので、
粒径分布の極大は1〜50μmが好ましく、さらに好ま
しくは5〜40μmである。また、弾性微粒子の熱可塑
性ウレタンエラストマーに対する添加量は、少なすぎる
とシート表面に十分な凹凸が得られず、艶消し感や好感
触が低下し、多過ぎるとシートの延伸時にその表面に亀
裂が生じ易くなるので、熱可塑性ウレタンエラストマー
100重量部(以下、部という)に対して20〜200
部が好ましく、さらに好ましくは50〜150部であ
る。なお、この弾性ビーズは1種に限らず、2種以上を
併用してもよい。また、柔軟な熱可塑性エラストマーを
用いる場合や、少し硬い感触でもよい場合は、例えば、
架橋ポリメタクリル酸メチルや、無機材料でできた比較
的硬い微粒子を用いてもよい。
【0021】表面層を架橋する方法としては、例えば、
次の(1)〜(3)に示すような方法が考えられる。
【0022】(1)シートを作成後、その表面層に電子
線を照射することにより、熱可塑性ウレタンエラストマ
ーを架橋させる。この場合電子線の照射量としては、少
なすぎると表面層の架橋が不十分で表面層の耐熱性の向
上が得られず、多すぎると照射により表面層が脆くなっ
てしまうので、1〜30Mrad程度が好ましい。
【0023】(2)表面層を構成する熱可塑性ウレタン
エラストマーにさらに光開始剤と反応性ビニル基を有す
る反応性化合物とを加えた配合物をシート化した後、光
を照射することにより、表面層を架橋する。
【0024】上記光開始剤は通常用いられているものが
使用できる。例えば、ベンゾインアルキルエーテル系、
アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン
系等がある。
【0025】ベンゾインエーテル系では、ベンジル、ベ
ンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチ
ルエーテル等がある。アセトフェノン系では、2.2’
−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロピオフェノン等がある。ベンゾフェノン系で
は、ベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4.
4’−ジクロロベンゾフェノン等がある。チオキサント
ン系では、チオキサントン、2−クロロチオキサント
ン、2−メチルチオキサントン等がある。
【0026】上記反応性ビニル基を有する化合物として
は、特に限定されず例えば、(メタ)アクリル系、スチ
レン系などが用いられるが、押出時の熱により気化しな
いプレポリマーを用いるのが好ましい。(メタ)アクリ
ル系としてはポリエステル(メタ)アクリレート、ポリ
ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アク
リレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、オリゴ
(メタ)アクリレート、アルキド(メタ)アクリレー
ト、ポリオール(メタ)アクリレート等がある。
【0027】(3)ブロックイソシアネート等の架橋剤
や、これら架橋剤やブロックされていないイイソシアネ
ート架橋剤をマイクロカプセル化したものを表面層を構
成する熱可塑性ウレタンエラストマーに配合し、押出成
膜時の熱により架橋する。この場合、熱可塑性ウレタン
エラストマーは、水酸基(OH基)を分子末端等に有す
るものが好ましい。
【0028】上記ブロックイソシアネートとしては、分
子内に2個以上のイソシアネート基を持つイソシアネー
ト化合物の該イソシアネート基を、フェノール、オキシ
ム、ε−カプロラクタム、マロン酸エステル等のブロッ
ク剤でブロックした化合物であり、加熱することにより
そのブロック剤が外れて反応性を有するようになる加熱
反応型の硬化剤である。上記イソシアネート化合物と
は、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等の単量体、又はこれ
らのトリメチロールプロパン付加体、イソシアヌレート
変性体、カルボジイミド変性体等がある。
【0029】上記のような方法により表面層を架橋する
ことにより、表面層の軟化温度が上昇し、加熱時の光沢
保持性や、感触の低下が改善される。
【0030】上記シートの接着性樹脂層に用いられるも
のとしては、例えば、基材層を構成する熱可塑性エラス
トマー及び表面層を構成する熱可塑性ウレタンエラスト
マーと接着性を有するポリマーが用いられる。このよう
なポリマーとしては、主鎖または側鎖に、水酸基、アミ
ド基、エポキシ基、カルボン酸基、カルボン酸エステル
基等の官能基を有する化合物を含むポリマーが好ましく
用いられる。これらの官能基のうち、カルボン酸を有す
るポリマーが特に好ましく、カルボン酸の量としては、
ポリマーの酸価が1〜30mg KOH/gが好まし
い。基材層にポリオレフィン系の熱可塑性エラストマー
を用いる場合には、例えば酸変性PP、酸変性PE等の
酸変性ポリオレフィンや、酸変性SEBS、酸変性SB
Sなどが好ましく用いられる。
【0031】上記シートの製造方法の基材層に用いられ
る熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレン系、ポ
リウレタン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポ
リ塩化ビニル系、ポリアミド系、アイオノマー系、天然
ゴム系、フッソ樹脂系、ブチルゴムグラフトポリエチレ
ン、1,2ポリブタジエン、トランス1,4ポリイソプ
レンなどの各種のものを適宜用い得る。これら熱可塑性
エラストマーの硬さとしては、得たい感触によっても異
なるが一般的にはJIS−A硬度で50〜98のものが
好ましい。また、基材層は単層でも複層でも良い。
【0032】上記熱可塑性エラストマーとしては、特に
は限定されないが、発泡体としてオレフィン系のものを
用いる場合は、発泡体との接着性の面よりオレフィン系
のエラストマーが好ましい。
【0033】オレフィン系の熱可塑性エラストマーとし
ては特に限定されず、ハードセグメントとしてポリプロ
ピレンを持ち、ソフトセグメントとしてエチレン−プロ
ピレンターポリマー(EPT)および/またはエチレン
プロピレンラバー(EPR)を持つもの、あるいはこれ
らをブレンドして得られたものや、これらにさらに有機
過酸化物を添加することにより部分架橋したものや、不
飽和ヒドロキシ単量体、不飽和カルボン酸の誘導体でグ
ラフト変性されたものなどがある。
【0034】上記発泡体を構成する材料としては、例え
ばポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系樹
脂、ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体
などのスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系
樹脂、各種熱可塑性エラストマーなど発泡可能な樹脂材
料があげられ、これからなる発泡体が使用される。発泡
体の発泡倍率は、ソフトタッチ感を発現するため、一般
には5〜50倍が好ましく、10〜40倍がさらに好ま
しい。
【0035】本発明により製造される被覆用シートに
は、さらに必要に応じて顔料、染料等の着色剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミンなどの材料が添
加される。具体的には、顔料としては、酸化チタン、酸
化鉄、カーボンブラック、ジアニン系顔料及びキナクリ
ドン系顔料等が挙げられ、染料としては、アゾ系染料、
アントラキン系染料、インゴイド系染料、ステルベンゼ
ン系染料等が挙げられる。また、アルミフレーク、ニッ
ケル粉、金粉、銀粉等の金属粉等を使用してもよい。こ
れらの材料はできるだけ微粒子のものがよい。
【0036】本発明により製造される被覆用シートに種
々の機能を付与するために各種機能性付与剤が添加され
得る。上記各種機能性付与剤とは、導電性材料、結露防
止剤、フォトクロミック化合物などがある。
【0037】(シートの製造方法)本発明第1の方法に
よると、シートは熱可塑性ウレタンエラストマーと、弾
性微粒子を主成分とする表面層と、接着性樹脂層と、熱
可塑性エラストマーよりなる基材層とをこの順で積層さ
れる状態に共押出し、表面層を架橋することにより得ら
れる。
【0038】共押出方法は、大別してフィードブロック
法、マルチマニホールド法、マルチスロットルダイ法等
があるが、特に限定されない。
【0039】本発明第2の方法によると、上記のように
共押出された直後の積層体の基材層側に、発泡体を積層
し、表面層を架橋することにより得られる。
【0040】発泡体を積層する方法としては、例えば、
合成樹脂よりなる発泡シートと本発明第1の方法で得ら
れたシートを加熱ラミネートで積層する方法、シートを
押出直後、溶融状態で発泡体にラミネートする方法(押
出ラミネート)がある。
【0041】上記基材層と発泡体との積層時、密着性の
悪い材料同士を積層する場合は、両層の間にプライマー
層や、接着剤層が設けられるのが好ましい。これらに使
用する接着剤は上記接着性樹脂層に用いたものと同様の
ものが用いられる。
【0042】このようにして得られたシートの表面層は
上記のようにして架橋される。
【0043】このようにして得られる本発明の被覆用シ
ートの厚みは、シート構成により、異なるが、一般的に
は、表面層は5〜500μmが好ましく、5〜100μ
mがさらに好ましい。接着性樹脂層は2〜500μmが
好ましく、5〜50μmがさらに好ましい。基材層は1
00〜5000μmが好ましく、200〜1000μm
がさらに好ましい。発泡体は500〜5000μmが好
ましく、1000〜5000μmがさらに好ましい。
【0044】(シートの使用方法)本発明で得られた被
覆用シートは、様々な使用方法がある。
【0045】射出成形やスタンピング成形のように被覆
用シートを予め金型内に導入し成形と同時に成形品に貼
付する方法では、金形の内側にシートを常温でまたは加
熱して、真空および/または圧空成形で密着させ、その
後通常の成形を行う。シートの展延率が小さい場合や、
金型が小さいコーナーをもたない場合はシートを予め金
型の内側に密着させる必要が無い場合もある。
【0046】押出成形や引抜き成形等連続で製造する方
法では、被覆用シートを金型内に導入し連続成形と同時
に成形品に貼付ける方法や被覆用シートを成形品が金型
からでてきた直後、サイジングの前に貼付ける方法や、
サイジング、冷却後に貼付ける方法等がある。
【0047】真空(圧空)成形では、予め成形するシー
トに本発明の被覆用シートを積層しておき、通常の成形
方法で行われる場合と、予め成形された骨材に本発明で
得られた被覆用シートを真空成形で密着させる場合とが
ある。
【0048】木材、アルミサッシ等の長尺部材への貼付
けは、市販のプロフィールラミネータ等により行われ
る。この際、これらの被着体との接着性を良好にするた
めにシート裏面側に接着層を設けるのが好ましい。接着
層として感圧型接着剤を積層した被覆用シートは、成形
品(被着体)に手やダブル真空成形機(貼付け機)等で
貼付けが行われる。
【0049】(被覆用シートの用途)この被覆用シート
は、製品表面に艶消し感や、好感触を付与するものであ
るので、その用途としては、人が触る部位、もしくは触
れる可能性の高い部位に被覆されるものである。
【0050】例えば、下記のようなものの表面に被覆さ
れる。
【0051】自動車内装部として、ドアパネル、インパ
ネ、ハンドル、ギヤーレバーノブ、ドアノブ、肘掛け、
各種スイッチ、シート、天井材等;家電製品類のハウジ
ングとして、携帯用製品(電話、カセットテープレコー
ダー、コンパクトディスク、テレビ等)、電話機、冷蔵
庫、テレビ等やそれぞれのスイッチ等;OA製品類のハ
ウジングとして、パーソナルコンピュータ、プリンター
等やキーボード等;家電製品類として、椅子、机、テー
ブル、洋服ダンス等;建築内装部として、サッシ枠、は
ば木、各種ドア、壁紙等;サニタリー、浴室製品とし
て、便座の腰掛け部、風呂桶、椅子、マット、棚等;ス
ポーツ用品として、バット、ラケット、クラブ等のグリ
ップ、防御用パット等;日用品、文具製品として、各種
のハウジング、ケース、容器等;その他、ベンチ、椅
子、台、ソファー、枕等である。
【0052】
【作用】積層体の表面層が、熱可塑性ウレタンエラスト
マーと弾性微粒子を主成分としてなることにより、弾性
微粒子によって表面層に艶消し感を付与し、感触を与え
ることができ、かつ表面層の耐傷付き性を高めることが
できる。そして、表面層を架橋することにより、表面層
の軟化温度が上昇するため、高温の場所で使用される場
合や、真空成形などの加工を行い加熱される場合におい
ても、表面層が軟化し難く、従って艶消し感の低下や、
感触の低下が改善される。
【0053】特に、上記積層体の基材層側に発泡体を積
層すると、艶消し感や感触をさらに高めることができ
る。
【0054】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。
【0055】(A)被覆用シートの作成 以下、部とは固形分での重量部を示す。
【0056】(実施例1) a)表面層の材料 熱可塑性ウレタンエラストマー樹脂(日本ミラクトラン
(株)製、E375MNAT)100部 弾性ビーズ(第日本インキ(株)製、バーノック−CF
B101−40(クリアー)、ウレタンの弾性ビーズ、
平均粒径8μm)100部 上記熱可塑性エラストマーと弾性ビーズを、池貝鉄工
(株)製、2軸混練押出機、PCM−30で混練し、ペ
レット化した。設定温度は次の条件で行った。スクリュ
ー後部:140℃、中間部:160℃、前部:170
℃、ダイ部:170℃。
【0057】b)接着性樹脂層の材料 酸変性されたPP(アドマーQF551、三井石油化学
工業(株)製) c)基材層の材料 熱可塑性オレフィンエラストマー(三井石油化学工業
(株)製、ミラストマー8030N)80部にLLDP
E(三井石油化学工業(株)製、ウルトゼックス202
1L)20部をペレットブレンドしたもの。
【0058】上記3層を図1に示すようなマルチマニホ
ールドタイプのダイと、押出機1a(表面層用)40
φ、押出機1b(接着性樹脂層用)40φ、押出機1c
(基材層用)50φを有する3層の共押出装置2(プラ
スチック工学研究所製)で共押出を行った。押出機1
a、1b、1cにおける樹脂温度は、それぞれ表面層が
180℃、接着性樹脂層が190℃、基材層が210℃
であり、ダイの温度は200℃で行った。
【0059】次に、得られた積層体4の表面に電子線を
5Mrad照射してシート13を得た。シート13の各
層の厚みは、表面層4aが20μm、接着性樹脂層4b
が15μm、基材層4cが500μmであった。
【0060】またシートの耐傷付き性、初期光沢と、オ
ーブンで130℃で30分間加熱後の光沢の値、感触の
評価結果を表1に示す。なお評価方法は表1の後に示
す。
【0061】(実施例2)表面層を下記構成にし、電子
線の照射量を25Mradにした以外は実施例1と同様
にしてシートを得た。
【0062】a)表面層の材料 熱可塑性ウレタンエラストマー樹脂(旭硝子(株)製、
PN3429−215)100部 弾性ビーズ(大日本インキ(株)製、バーノックCFB
101−40(クリアー)、ウレタンの弾性ビーズ、平
均粒径8μm)100部 上記熱可塑性エラストマーと弾性ビーズを池貝鉄工
(株)製、2軸混練押出機、PCM−30で混練しペレ
ット化した。設定温度は次の条件で行った。スクリュー
後部:150℃、中間部:175℃、前部:185℃、
ダイ部:180℃。
【0063】得られたシートの厚みは、表面層20μ
m、接着性樹脂層10μm、基材層300μmであっ
た。得られたシートの性能を表1に示す。
【0064】(実施例3)図2に示すように、共押出直
後の溶融状態の積層体4の基材層側に発泡体5を積層し
た状態で、引き取りロール3、3’でピンチすることに
より、基材層に発泡体5を積層したこと、引き取りロー
ル3’表面に革シボ模様のシボ加工を行い、ピンチ時に
シート表面に革シボ模様を設けたこと、電子線の照射量
を15Mradで行ったこと以外は、実施例2と同様に
してシートを得た。なお、引き取りロール3,3’の温
度は40℃で行った。
【0065】用いた発泡体:発泡倍率25倍のPPフォ
ーム 得られたシートの厚みは、表面層15μm、接着性樹脂
層10μm、基材層300μmであった。
【0066】得られたシートの性能を表1に示す。
【0067】(比較例1)電子線を照射しなかったこと
以外は実施例2と同様にしてシートを得た。
【0068】得られたシートの性能を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】(測定方法) 1)耐傷付き性 テーバースクラッチテスター((株)東洋精機製作所
製)による引っかき強さ試験を、50〜500gまで5
0g毎に行い、目視により表面層に傷が付いたり、破れ
たりする時の外見変化の荷重を以下の等級で表し、4級
以上を満足する荷重を示した。
【0071】5級:全く認められないもの 4級:わずかに認められるが殆ど目立たないもの 3級:明らかに認められるが、目立ちの少ないもの 2級:やや著しいもの 1級:かなり著しいもの 2)光沢 JISK−7105に基づき60℃鏡面光沢度を評価し
た。
【0072】3)感触 下記要領で10人が評価し合計の点数で表した。合計が
25点以上が良好、15点以下が不良とした。
【0073】1点・・・好感触でない 2点・・・やや好感触でない 3点・・・好感触である
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性ウレタンエラ
ストマーと弾性微粒子を主成分としてなる表面層と、接
着性樹脂層と、熱可塑性エラストマーよりなる基材層と
をこの順で積層される状態に共押出し、該表面層を架橋
するので、艶消し感、好感触、耐傷付き性に優れるシー
トを簡易に製造することができる。本発明で得られたシ
ートは被覆用として、様々な製品に簡易に艶消し感等の
性能を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被覆用シートの製造方法の一例に使用
される共押出装置の模式図である。
【図2】本発明の被覆用シートの製造方法の一例に使用
される共押出装置の模式図である。
【符号の説明】
1 押出機 2 共押出装置 3,3’ 引き取りロール 4 シート状積層体 4a 押出しされたシート状積層体の表面層 4b 押出しされたシート状積層体の接着性樹脂層 4c 押出しされたシート状積層体の基材層 5 発泡ポリプロピレンシート(発泡体) 13 被覆用シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/40 9349−4F 31/24 9349−4F 31/30 9349−4F // B29K 75:00 105:16 B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ウレタンエラストマーと弾性微
    粒子を主成分としてなる表面層と、接着性樹脂層と、熱
    可塑性エラストマーよりなる基材層とをこの順で積層さ
    れる状態に共押出し、該表面層を架橋することを特徴と
    する被覆用シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ウレタンエラストマーと弾性微
    粒子を主成分としてなる表面層と、接着性樹脂層と、熱
    可塑性エラストマーよりなる基材層とをこの順で積層さ
    れる状態に共押出して得られた積層体の該基材層側に、
    発泡体を積層し、該表面層を架橋することを特徴とする
    被覆用シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002196103A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Mitsubishi Gas Chem Co Inc フォトクロミック特性を有する合成樹脂積層体の製造方法
JP2002522807A (ja) * 1998-08-07 2002-07-23 アドバンスド エラストマー システムズ,エル.ピー. ソフトタッチラベル

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