JPH08125587A - 適応ディジタル信号処理装置 - Google Patents

適応ディジタル信号処理装置

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JPH08125587A
JPH08125587A JP28456794A JP28456794A JPH08125587A JP H08125587 A JPH08125587 A JP H08125587A JP 28456794 A JP28456794 A JP 28456794A JP 28456794 A JP28456794 A JP 28456794A JP H08125587 A JPH08125587 A JP H08125587A
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error
adaptive
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Application number
JP28456794A
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English (en)
Inventor
Yoshiko Saito
佳子 斉藤
Mitsuru Uesugi
充 上杉
Kazunori Igai
和則 猪飼
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 誤った方向へのフィルタ係数の更新を抑え、
フィルタ係数の速やかな収束を可能にする適応ディジタ
ル信号処理装置を提供する。 【構成】 未知システムを推定する適応システム14と、
未知システムに対する適応システムの誤差を計算する誤
差計算手段16と、誤差計算手段により算出された誤差と
設定されたステップゲインとを用いて適応システムのフ
ィルタ係数を更新する係数更新手段13とを備える適応デ
ィジタル信号処理装置において、この適応システムの出
力の絶対値が閾値以上のときには、ステップゲインの値
を実質的にフィルタ係数の更新が行なわれない値に設定
し、この絶対値が閾値未満のときには、ステップゲイン
の値をフィルタ係数の更新が行なわれる値に設定するス
テップゲイン設定手段17を設ける。ステップゲイン設定
手段は、適応システムの出力の絶対値が閾値以上で、そ
の出力の中にフィルタ係数の更新を誤らせる誤差が含ま
れると見られる場合に、ステップゲインを0に設定して
フィルタ係数の更新を止め、フィルタ係数が誤った方向
に更新されることを回避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル移動通信の
データ受信装置等に使用される自動等化器やエコーキャ
ンセラなどの適応ディジタル信号処理装置に関し、特
に、タップ係数の最適値への収束を速やかに実行できる
ように構成したものである。
【0002】
【従来の技術】未知システムの入力信号と出力信号とか
ら、このシステムのパラメータ、例えばインパルス応
答、を逐次的に推定するフィルタはアダプティブフィル
タと呼ばれている。このフィルタは、エコーキャンセラ
や自動等化器等に使用され、未知システムである伝送路
におけるインパルス応答を推定し、それに対応するタッ
プ係数に更新する。
【0003】図8は、このフィルタを用いて未知システ
ムのパラメータを推定するシステムを示しており、信号
x(i)が入力したときの未知システム31の出力信号d
(i)と、アダプティブフィルタから成る適応システム
32で信号x(i)を処理したときの出力信号y(i)と
の差を加算器33で求め、その出力誤差e(i)によって
アダプティブフィルタの係数を逐次修正する。このアダ
プティブフィルタのフィルタ係数を修正するアルゴリズ
ムは、適応アルゴリズムと呼ばれ、様々な研究がなされ
ているが、現在のところLMS(最小二乗平均)アルゴ
リズムや学習同定法などが良く用いられている。
【0004】ここで、簡単にLMSアルゴリズムについ
て説明する。時刻iにおける入力信号x(i)に対し
て、アダプティブフィルタの状態ベクトルを xN(i)=[x(i),x(i−1),…,x(i−
N+1)]T とする。ここで、Nはアダプティブフィルタのインパル
ス応答長であり、T は転置を表す。アダプティブフィル
タの係数ベクトルをhN(i)とすると、アダプティブフ
ィルタの出力y(i)は y(i)=hN (i)xN T (i) で与えられる。一方、未知システムのインパルス応答を
N とすると出力信号d(i)は、 d(i)=wNN T(i) と表され、出力誤差は e(i)=d(i)−y(i) =(wN−hN(i))xT(i) (1) と表される。LMSアルゴリズムでの係数更新は hN(i+1)=hN(i)+α*e(i)*xN(i) (2) と表される。ここで、αはステップゲインである。
【0005】このアルゴリズムを適用してフィルタ係数
を更新するために、適応システム32は、既知の信号パタ
ーン(式1のd(i)に相当)を使って未知システム31
を推定し、加算器33が未知システムに対する適応システ
ム32の出力誤差e(i)を計算すると、その出力誤差e
(i)と固定値のステップゲインαとを使って、式2に
より適応システムのフィルタ係数を更新する。この手順
を繰返すことによって、出力誤差e(i)が小さくな
り、フィルタ係数が収束して、未知システムを正確に推
定している状態となる。
【0006】このLMSアルゴリズムを用いる従来の等
化器は、図9に示すように、入力端子21から入力した信
号を保持するメモリ22と、入力信号に対して等化処理を
行ない処理結果を端子27から出力する等化部24と、等化
出力の誤差を計算する誤差計算部25と、この誤差に基づ
いて等化部24のタップ係数の更新を行なう係数更新部23
とを備えている。
【0007】この等化器の入力端子21には、例えば図1
0に示すように、最初に既知の信号パターンがあり、そ
の後にデータが続くフレームが入力する。このフレーム
の各信号はメモリ22に一時保持された後、等化部24で等
化処理され、処理後のデータが端子27から出力される。
この出力は同時に誤差計算部25に入力し、誤差計算部25
は、まず既知の信号パターン(式1のd(i)に相当
し、1、−1で表現される)における等化出力誤差e
(i)を計算し、係数更新部23は、その出力誤差e
(i)と固定値のステップゲインαとを使って、式2に
より、出力誤差が最小になるように等化部24のタップ係
数を更新する。
【0008】そして、続くデータを複号する際には、こ
の更新されたタップ係数を当初のタップ係数に用い、更
に等化出力を参照値(式1のd(i)に相当し、等化出
力が正なら1、負なら−1で表現される)に使って、等
化出力誤差を計算し、その誤差が最小になるようにタッ
プ係数の更新を続けながら、そのタップ係数を使って等
化処理されたデータを出力し、この出力信号により復号
が行なわれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の適応デ
ィジタル信号処理装置では、一旦、フィルタ係数が誤っ
た方向に更新されると、そこから収束方向に向かい直す
ことになるため、収束速度が遅くなるという問題点があ
る。等化器の場合でも、一旦、タップ係数が誤った方向
に更新されると、そのタップ係数を用いて等化処理が行
なわれるために、等化出力に更に大きな誤差が含まれ、
その出力を参照値として出力誤差が計算され、タップ係
数が更新されるために、タップ係数が更に誤った方向に
更新されるという悪循環を生み、等化性能の劣化が生じ
る。
【0010】本発明は、こうした従来の問題点を解決す
るものであり、誤った方向へのフィルタ係数やタップ係
数の更新を抑え、それらの係数を速やかに収束させるこ
とができる適応ディジタル信号処理装置を提供すること
を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、未
知システムを推定する適応システムと、未知システムに
対する適応システムの誤差を計算する誤差計算手段と、
誤差計算手段により算出された誤差と設定されたステッ
プゲインとを用いて適応システムのフィルタ係数を更新
する係数更新手段とを備える適応ディジタル信号処理装
置において、この適応システムの出力の絶対値が閾値以
上のときには、ステップゲインの値を実質的にフィルタ
係数の更新が行なわれない値に設定し、この絶対値が閾
値未満のときには、ステップゲインの値をフィルタ係数
の更新が行なわれる値に設定するステップゲイン設定手
段を設けている。
【0012】また、このステップゲイン設定手段は、適
応システムの出力の絶対値が第2の閾値以下であると
き、ステップゲインの値を実質的にフィルタ係数の更新
が行なわれない値に設定する。
【0013】また、等化処理を行なう等化手段と、等化
手段の等化出力における出力誤差を計算する誤差計算手
段と、誤差計算手段により算出された出力誤差と設定さ
れたステップゲインとを用いて等化手段のタップ係数を
更新する係数更新手段とを備える適応ディジタル信号処
理装置において、等化出力の絶対値が閾値以上のときに
は、ステップゲインの値を実質的にタップ係数の更新が
行なわれない値に設定し、この絶対値が閾値未満のとき
には、ステップゲインの値をタップ係数の更新が行なわ
れる値に設定するステップゲイン設定手段を設けてい
る。
【0014】また、このステップゲイン設定手段は、等
化出力の絶対値が第2の閾値以下であるとき、ステップ
ゲインの値を実質的にタップ係数の更新が行なわれない
値に設定する。
【0015】また、ステップゲイン設定手段は、等化出
力の絶対値の大きさに応じて、ステップゲインの値を多
段階に設定する。
【0016】
【作用】適応システムの出力の中にフィルタ係数の収束
方向を誤らせる誤差が含まれる場合、この誤差は統計的
に大きく、そのため、適応システムの出力が大きく変動
する。ステップゲイン設定手段は、この出力の絶対値が
閾値以上となる場合、または、第2の閾値以下となる場
合、つまり、適応システムの出力の中にフィルタ係数の
更新を誤らせる誤差が含まれると見られる場合には、ス
テップゲインを0に設定して、フィルタ係数の更新を止
める。そのため、適応システムのフィルタ係数や等化器
のタップ係数が誤った方向に更新されることが回避で
き、これらの係数の収束の遅れや適応性能の劣化を防ぐ
ことができる。
【0017】また、ステップゲインの値を、等化出力の
絶対値が大きくなるに連れて、段階的に小さく設定する
ことにより、誤りが伝搬して等化性能を劣化させる事態
を防ぐことができる。
【0018】
【実施例】
(第1実施例)第1実施例の適応ディジタル信号処理装
置は、図1に示すように、入力端子11から入力する信号
を保持するメモリ12と、更新されたタップ係数を用いて
未知システムを推定する適応システム部14と、既知信号
のデータを保持する既知信号メモリ15と、既知信号メモ
リ15の既知信号データを用いて適応システム部14の出力
誤差を計算する誤差計算部16と、適応システム部14の出
力の大きさによってステップゲインを調整するステップ
ゲイン設定部17と、メモリ12から入力する信号と誤差計
算部16で計算された出力誤差とステップゲイン設定部17
で設定されたステップゲインとを用いて、式2によっ
て、適応システム部14のフィルタ係数を更新する係数更
新部13とを備えている。
【0019】ステップゲイン設定部17は、適応システム
部14の出力の絶対値がある閾値以上の場合に、ステップ
ゲインαを0に設定する。このときには、式2から明ら
かなように、フィルタ係数の更新が行なわれない。一
方、適応システム部14の出力が閾値未満のときは、ステ
ップゲイン設定部17はステップゲインαをデフォルトの
値に設定する。
【0020】このように、適応システム部14の出力を閾
値と比較するのは、適応システム部14の出力の中にフィ
ルタ係数の収束方向を誤らせる誤差が含まれる場合、こ
の誤差は統計的に大きく、そのため、適応システム部14
の出力が大きく変動するからであり、適応システム部14
の出力の絶対値が閾値以上のときには、この出力の中に
フィルタ係数の更新を誤らせる誤差が含まれていると見
ることができる。この閾値は、実験的に求めることがで
きる。
【0021】この第1実施例の適応ディジタル信号処理
装置の動作を図2のフローチャートを用いて説明する。
【0022】ステップ1:適応システム部14のフィルタ
係数及びステップゲイン設定部17のステップゲインαの
初期値を設定し、また、誤差計算部16の初期誤差として
e(0)=0を設定する。
【0023】ステップ2:入力端子11からデータが入力
すると、メモリ12はそれを一時保持した後、係数更新部
13と適応システム部14とに出力する。
【0024】ステップ3:係数更新部13は、ステップゲ
インαの初期値、誤差e(0)及びメモリ12から入力し
た信号を用いて、式2によりフィルタ係数を更新する。
しかし、初期誤差e(0)が0なので、この段階では初
期フィルタ係数の更新は行なわれない。
【0025】ステップ4:適応システム部14は、フィル
タ係数の初期値を用いて未知システムを推定し、 ステップ5:その結果を出力する。
【0026】ステップ6:ステップゲイン設定部17は、
適応システム部14の出力の絶対値がある閾値以上のとき
は、 ステップ7:ステップゲインαを0に設定し、 ステップ8:適応システム部14の出力の絶対値が閾値よ
り小さいときは、ステップゲインαとしてデフォルト値
を設定する。
【0027】ステップ9:誤差計算部16は、既知信号メ
モリ15の値を使ってその時の適応システム部14の出力誤
差を計算する。
【0028】次いで、ステップ3に戻り、係数更新部13
は、ステップゲイン設定部17の設定したαの値と、誤差
計算部16の計算した誤差eと、メモリ12から次に入力し
た信号とを用いて、式2によりフィルタ係数を更新す
る。引き続いて、ステップ4からステップ9の動作が行
なわれ、再びステップ3に戻る。以下、このステップ3
からステップ9の動作が繰返される。
【0029】このように、第1実施例の適応ディジタル
信号処理装置では、適応システム部14の出力が閾値より
大きく、その出力にフィルタ係数の更新を誤らせる誤差
が含まれると判断されるときには、ステップゲインを0
にして、フィルタ係数が誤った方向に更新されることを
防いでいる。その結果、フィルタ係数の収束速度が遅れ
る事態を回避できる。
【0030】(第2実施例)第2実施例の適応ディジタ
ル信号処理装置は、適応システム部14の出力の絶対値が
大きいときだけでなく、この絶対値が小さいときにも、
フィルタ係数の更新を止めるように構成している。この
装置の構成は、第1実施例(図1)と同じである。た
だ、ステップゲイン設定部17は、適応システム部14の出
力の絶対値が閾値1以上のときだけで無く、その絶対値
が閾値2以下のときにも、ステップゲインαを0に設定
する。
【0031】これは、適応システム部14の出力の中にフ
ィルタ係数の収束方向を誤らせる誤差が含まれる場合の
この誤差は統計的に大きく、そのため、適応システム部
14の出力が大きく変動し、適応システム部14の出力の絶
対値が第1の閾値以上になる場合と、この絶対値が第2
の閾値以下になる場合とが存在するからである。第2実
施例の装置では、その全ての場合に、フィルタ係数の更
新を止めるようにキメ細かく対処している。これらの閾
値は実験的に求めることができる。
【0032】この装置の動作を図3のフローチャートに
示している。この手順は、ステップ6において、ステッ
プゲイン設定部17が、適応システム部14の出力の絶対値
に対して、閾値1以下であるか、または、閾値2以上で
あるかを判別している点が図2のフローチャートと相違
し、その他は全て同じである。
【0033】このように、第2実施例の適応ディジタル
信号処理装置では、フィルタ係数の更新を、適応システ
ム部の出力が所定範囲に入るときだけに限ることによっ
て、フィルタ係数が誤った方向に更新されることをキメ
細かく防いでいる。
【0034】(第3実施例)第3実施例の適応ディジタ
ル信号処理装置は、自動等化器への適用例を示してい
る。この装置は、図4に示すように、入力端子21から入
力した信号を保持するメモリ22と、更新されたタップ係
数を用いて等化処理を行ない、処理結果を出力端子27に
出力する等化部24と、等化部24の等化出力誤差を計算す
る誤差計算部25と、等化処理出力の大きさによってステ
ップゲインを調整するステップゲイン設定部26と、メモ
リ22から入力する信号と誤差計算部25で計算された等化
出力誤差とステップゲイン設定部26で設定されたステッ
プゲインとを用いて、式2によって、等化部24のタップ
係数を更新する係数更新部23とを備えている。
【0035】ステップゲイン設定部26は、等化部24の等
化出力の絶対値がある閾値以上の場合にステップゲイン
αを0に設定する。このときには、タップ係数の更新が
行なわれない。一方、等化部24の等化出力が閾値未満の
ときは、ステップゲイン設定部26はステップゲインαを
デフォルトの値に設定する。
【0036】等化出力にタップ係数の収束方向を誤らせ
る誤差が含まれていると、その等化出力を参照値として
出力誤差を計算し、その出力誤差を使ってタップ係数を
更新するため、タップ係数はさらに誤った方向に更新さ
れ、このタップ係数を使って等化処理をするため、さら
に等化出力の誤りが大きくなる、という具合に、このよ
うな状態が一旦起こると、誤りが伝搬する傾向があり、
等化処理性能が劣化する。こうした誤りがある場合とな
い場合の誤差の統計的な性質を調べることにより、最適
な閾値を求めることができる。
【0037】この第3実施例の等化器の動作を図5のフ
ローチャートを用いて説明する。
【0038】ステップ11:等化部24のタップ係数及びス
テップゲイン設定部26のステップゲインαの初期値を設
定し、また、誤差計算部25の初期誤差としてe(0)=
0を設定する。
【0039】ステップ12:入力端子21からデータが入力
すると、メモリ22はそれを一時保持した後、係数更新部
23と等化部24とに出力する。
【0040】ステップ13:係数更新部23は、ステップゲ
インαの初期値、誤差e(0)及びメモリ22から入力し
た信号を用いて、式2によりタップ係数を更新する。し
かし、初期誤差e(0)が0であるので、この段階では
初期タップ係数は更新されない。
【0041】ステップ14:等化部24は、タップ係数の初
期値を用いて等化処理を行ない、 ステップ15:等化処理結果を出力する。
【0042】ステップ16:ステップゲイン設定部26は、
等化処理出力の絶対値がある閾値以上のときは、 ステップ17:ステップゲインαを0に設定し、 ステップ18:等化処理出力の絶対値が閾値より小さいと
きは、ステップゲインαとしてデフォルト値を設定す
る。
【0043】ステップ19:誤差計算部25は、等化部24の
出力を参照値に用いて等化出力誤差を計算する。
【0044】次いで、ステップ13に戻り、係数更新部23
は、ステップゲイン設定部26の設定したαの値と、誤差
計算部25の計算した誤差eと、メモリ22から次に入力し
た信号とを用いて、式2によりタップ係数を更新する。
引き続いて、ステップ14からステップ19の動作が行わ
れ、再びステップ13に戻る。以下、このステップ13から
ステップ19の動作が繰返される。
【0045】このように、第3実施例の等化器では、等
化部24の出力が閾値より大きく、その出力にタップ係数
の更新を誤らせる誤差が含まれると判断されるときに
は、ステップゲインを0にして、タップ係数が誤った方
向に更新されることを防いでいる。その結果、誤りの伝
搬が回避され、等化性能が向上する。
【0046】(第4実施例)第4実施例の等化器は、等
化部24の出力の絶対値が大きいときだけでなく、この絶
対値が小さいときにも、タップ係数の更新を止めるよう
に構成したものであり、第2実施例に対応している。
【0047】この等化器の構成は、第3実施例(図4)
と同じである。ただ、ステップゲイン設定部26は、等化
部24の出力の絶対値が閾値1以上のときだけで無く、そ
の絶対値が閾値2以下のときにも、ステップゲインαを
0に設定する。
【0048】この装置の動作を図6のフローチャートに
示している。この手順は、ステップ16において、ステッ
プゲイン設定部26が、等化処理出力の絶対値に対して閾
値1以下であるか、または、閾値2以上であるかを判別
している点で図5のフローチャートと相違し、その他は
全て同じである。
【0049】このように、第4実施例の等化器では、タ
ップ係数の更新を、等化処理出力が所定範囲に入るとき
だけに限ることによって、タップ係数が誤った方向に更
新されることをキメ細かく防いでいる。
【0050】(第5実施例)第5実施例の等化器では、
ステップゲインαの大きさを等化処理出力の絶対値に応
じて段階的に設定している。この等化器の構造は第3実
施例(図4)と同じであり、ステップゲイン設定部26の
動作だけが異なっている。
【0051】この装置の動作を図7のフローチャートに
示している。
【0052】ステップ21:等化部24のタップ係数及びス
テップゲイン設定部26のステップゲインαの初期値を設
定し、また、誤差計算部25の初期誤差としてe(0)=
0を設定する。
【0053】ステップ22:入力端子21からデータが入力
すると、メモリ22はそれを一時保持した後、係数更新部
23と等化部24とに出力する。
【0054】ステップ23:係数更新部23は、ステップゲ
インαの初期値、誤差e(0)及びメモリ22から入力し
た信号を用いて、式2によりタップ係数を更新する。し
かし、初期誤差e(0)が0であるので、この段階では
初期タップ係数は更新されない。
【0055】ステップ24:等化部24は、タップ係数の初
期値を用いて等化処理を行ない、 ステップ25:等化処理結果を出力する。
【0056】ステップ26:ステップゲイン設定部26は、
等化処理出力の絶対値が閾値1より小さいときは、 ステップ27:ステップゲインαをα1に設定し、 ステップ28:等化処理出力の絶対値が閾値1以上、閾値
2以下のときは、 ステップ29:ステップゲインαをα2に設定し、 ステップ30:等化処理出力の絶対値が閾値(n−1)以
上、閾値n以下のときは、 ステップ31:ステップゲインαをαnに設定し、 ステップ32:等化処理出力の絶対値が閾値n以上のとき
は、ステップゲインαをαn+1に設定する。
【0057】ステップ33:また、誤差計算部25は、等化
部24の出力を参照値に用いて等化出力誤差を計算する。
【0058】次いで、ステップ23に戻り、係数更新部23
は、ステップゲイン設定部26の設定したαの値と、誤差
計算部25の計算した誤差eと、メモリ22から次に入力し
た信号とを用いて、式2によりタップ係数を更新する。
引き続いて、ステップ24からステップ32の動作が行なわ
れ、再びステップ23に戻る。以下、このステップ23から
ステップ32の動作が繰返される。
【0059】このように、第5実施例の等化器では、等
化部24の出力の大きさに応じてステップゲインαの大き
さを段階的に変更し、タップ係数が誤った方向に更新さ
れることを防いでいる。その結果、誤りの伝搬が回避さ
れ、等化性能が向上する。
【0060】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明の適応ディジタル信号処理装置は、フィルタ
係数やタップ係数が誤った方向に更新されることを防ぐ
ことができ、これらの係数の収束速度を早め、装置にお
ける適応性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における適応ディジタル信
号処理装置の構成を示すブロック図、
【図2】第1実施例の適応ディジタル信号処理装置の動
作を示すフローチャート、
【図3】本発明の第2実施例における適応ディジタル信
号処理装置の動作を説明するフローチャート、
【図4】本発明の第3実施例における等化器の構成を示
すブロック図、
【図5】第3実施例の等化器の動作を示すフローチャー
ト、
【図6】本発明の第4実施例における等化器の動作を示
すフローチャート、
【図7】本発明の第5実施例における等化器の動作を示
すフローチャート、
【図8】従来の適応ディジタル信号処理装置の構成を示
すブロック図、
【図9】従来の等化器の構成を示すブロック図、
【図10】等化器に入力するデータの構成例である。
【符号の説明】
11、21 入力端子 12、22 メモリ 13、23 係数更新部 14、32 適応システム部 15 既知信号メモリ 16、25 誤差計算部 17、26 ステップゲイン設定部 27 出力端子 31 未知システム 33 加算器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未知システムを推定する適応システム
    と、未知システムに対する適応システムの誤差を計算す
    る誤差計算手段と、誤差計算手段により算出された誤差
    と設定されたステップゲインとを用いて適応システムの
    フィルタ係数を更新する係数更新手段とを備える適応デ
    ィジタル信号処理装置において、 前記適応システムの出力の絶対値が閾値以上のときに
    は、前記ステップゲインの値を実質的にフィルタ係数の
    更新が行なわれない値に設定し、前記絶対値が閾値未満
    のときには、前記ステップゲインの値をフィルタ係数の
    更新が行なわれる値に設定するステップゲイン設定手段
    を設けたことを特徴とする適応ディジタル信号処理装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ステップゲイン設定手段が、前記適
    応システムの出力の絶対値が第2の閾値以下であると
    き、前記ステップゲインの値を実質的にフィルタ係数の
    更新が行なわれない値に設定することを特徴とする請求
    項1に記載の適応ディジタル信号処理装置。
  3. 【請求項3】 等化処理を行なう等化手段と、等化手段
    の等化出力における出力誤差を計算する誤差計算手段
    と、誤差計算手段により算出された出力誤差と設定され
    たステップゲインとを用いて等化手段のタップ係数を更
    新する係数更新手段とを備える適応ディジタル信号処理
    装置において、 前記等化出力の絶対値が閾値以上のときには、前記ステ
    ップゲインの値を実質的にタップ係数の更新が行なわれ
    ない値に設定し、前記絶対値が閾値未満のときには、前
    記ステップゲインの値をタップ係数の更新が行なわれる
    値に設定するステップゲイン設定手段を設けたことを特
    徴とする適応ディジタル信号処理装置。
  4. 【請求項4】 前記ステップゲイン設定手段が、前記等
    化出力の絶対値が第2の閾値以下であるとき、前記ステ
    ップゲインの値を実質的にタップ係数の更新が行なわれ
    ない値に設定することを特徴とする請求項3に記載の適
    応ディジタル信号処理装置。
  5. 【請求項5】 前記ステップゲイン設定手段が、前記等
    化出力の絶対値の大きさに応じて、前記ステップゲイン
    の値を多段階に設定することを特徴とする請求項3に記
    載の適応ディジタル信号処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6504868B1 (en) 1998-03-13 2003-01-07 Nec Corporation Adaptive equalizer
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