JP2000172299A - 雑音消去方法及びそれを用いた雑音消去装置 - Google Patents

雑音消去方法及びそれを用いた雑音消去装置

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JP2000172299A
JP2000172299A JP10349217A JP34921798A JP2000172299A JP 2000172299 A JP2000172299 A JP 2000172299A JP 10349217 A JP10349217 A JP 10349217A JP 34921798 A JP34921798 A JP 34921798A JP 2000172299 A JP2000172299 A JP 2000172299A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の方法よりも雑音消去量の改善と歪み
(残留誤差)の低減とを実現可能な雑音除去装置を提供
する。 【解決手段】 SNR平均回路21は除算回路16が出
力するSNR1の平均値SNR4を算出する。ステップ
サイズ出力回路20は推定SNR値であるSNR3と平
均SNRであるSNR4との両方の値に基づいて適応フ
ィルタ4のステップサイズを決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は雑音消去方法及びそ
れを用いた雑音消去装置に関し、特にマイクロフォンや
ハンドセット等から入力された音声信号に混入した背景
雑音信号を適応フィルタを用いて消去する雑音消去方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロフォンやハンドセット等から入
力された音声信号に混入した背景雑音信号は、情報圧縮
度の高い狭帯域音声符号化装置や音声認識装置等におい
ては大きな問題となる。このような音響的に重畳した雑
音成分の消去を目的とした雑音消去装置としては、”A
daptive Noise Cancelling:
Principles andApplication
s”(B.Widrowet.al.,PROCEED
IGS OF IEEE,VOL.63,NO.12,
1975,pp.1692−1716)(以下、文献1
とする)に、適応フィルタを用いた2入力型雑音消去装
置が記載されている。
【0003】この2入力型雑音消去装置は参照入力端子
に入力された雑音信号が音声入力端子に到達するまでに
通る経路(ノイズパス)のインパルス応答を近似する適
応フィルタを用いて、音声入力端子に混入する雑音信号
成分に対応した擬似雑音信号を生成し、音声入力端子に
入力された受信信号(音声信号と雑音信号との混在信
号)から擬似雑音信号信号を差し引くことによって、雑
音信号を抑圧するように動作する。
【0004】このとき、適応フィルタのフィルタ係数は
受信信号から擬似雑音信号を差し引いた誤差信号と参照
入力端子にて得られる参照信号との相関をとることによ
って修正される。
【0005】このような適応フィルタの係数修正、すな
わち、収束アルゴリズムの代表的なものとして文献1に
記載されている「LMSアルゴリズム(Least−M
ean−Square ALGORITHM)」や「I
EEETRANSACTIONS ON AUTOMA
TIC CONTROL,VOL.12,No.3,1
967,pp.282−287)(以下、文献2とす
る)に記載されている「LIM(Learning I
dentification Method)」が知ら
れている。
【0006】図3は従来の雑音消去装置の一例のブロッ
ク図を示す。話者の口元に置かれた、例えばマイクロフ
ォンによって音響−電気変換されて音声入力端子1に入
力された音声信号には背景雑音が混入している。
【0007】一方、上記の話者よりも離れた位置に置か
れたマイクロフォンによって音響−電気変換された信号
は実質的に上記の音声入力端子1に混入する背景雑音信
号に相当し、この雑音信号は参照入力端子2に入力され
る。
【0008】音声入力端子1に入力された音声信号と背
景雑音信号とが混在した信号(以下、受信信号とする)
は、遅延回路3に供給される。遅延回路3は入力された
受信信号に対してΔt1の遅延量(遅延時間)を付与し
て減算器5に供給する。この遅延回路3は因果律を満足
させるために挿入されるものであり、その遅延量Δt1
は通常、適応フィルタ4のタップ数の半分程度の遅延量
に設定される。
【0009】一方、参照入力端子2に入力された雑音信
号は適応フィルタ4に参照雑音信号として供給され、こ
こでそのフィルタリング動作によって擬似雑音信号とし
て生成された後、減算器5に供給される。
【0010】減算器5は遅延回路3によって遅延された
受信信号から、適応フィルタ4によって生成された擬似
雑音信号を差し引くことで受信信号中の背景雑音信号成
分を消去し、消去後の受信信号を出力端子6へ出力する
とともに、適応フィルタ4にはその消去後の受信信号を
誤差信号として供給する。
【0011】適応フィルタ4は参照入力端子2から供給
された参照雑音信号と、減算器5から供給された誤差信
号と、係数更新のために設定されたステップサイズαと
に基づいてフィルタ係数の更新を逐次行う。フィルタ係
数の更新アルゴリズムとしては、文献1に記載されてい
る「LMSアルゴリズム」や文献2に記載された「LI
M」が用いられる。
【0012】いま、音声入力端子1から入力される受信
信号のうち、音声信号成分をs(k)(但し、kは時刻
を表す指標)、消去の対象となる雑音信号成分をn
(k)、遅延回路3の遅延量Δtを零であると仮定する
と、音声入力端子1から減算器5に供給される受信信号
y(k)は、 y(k)=s(k)+n(k) (1) で表される。
【0013】適応フィルタ4は参照入力端子2からり入
力される参照雑音信号x(k)を入力とし、(1)式に
おける雑音信号成分n(k)に対応する擬似雑音信号r
(k)を生成するように動作する。減算器5は受信信号
y(k)から擬似雑音信号r(k)を減算し、誤差信号
e(k)を出力する。
【0014】付加雑音成分は音声信号成分s(k)に比
べて十分小さいので無視すると、誤差信号e(k)は、 e(k)=s(k)+n(k)−r(k) (2) で表すことができる。
【0015】ここで、適応フィルタ4のフィルタ係数の
更新アルゴリズムとして文献1に記載されている「LM
Sアルゴリズム」を仮定し、係数の更新方法を説明す
る。時刻kにおける適応フィルタ4のj番目の係数をw
j(k)とすると、適応フィルタ4の出力する擬似雑音
信号r(k)は、 r(k)=Σwj(k)・x(k−j) (3) で表現される。ここで、Σはj=0からj=N−1まで
の総和を示し、Nは適応フィルタ4のタップ数を示す。
【0016】(3)式で求められた擬似雑音信号r
(k)を(2)式に適用すると、誤差信号e(k)が求
められる。求められた誤差信号e(k)を用いて、時刻
(k+1)におけるフィルタ係数wj(k+1)は wj(k+1)=wj(k)+α・e(k)・x(k−j) (4) で計算される。ここで、αはステップサイズと呼ばれる
定数であり、係数の収束時間や収束後の残留誤差量を決
定するパラメータである。
【0017】一方、文献2に記載されている「LIM」
の場合のフィルタ係数更新は、 wj(k+1)=wj(k)+(μ・e(k)・x(k−1) /Σ(x(m))2 (5) で計算される。ここで、Σはm=k−N+1からm=k
までの総和を示し、μは「LIM」に対するステップサ
イズを示している。
【0018】「LIM」ではステップサイズμを適応フ
ィルタに入力される参照雑音信号x(k)の平均電力に
反比例させることによって、「LMSアルゴリズム」よ
りも安定な収束を実現している。
【0019】「LMSアルゴリズム」におけるステップ
サイズαも、「LIM」におけるステップサイズμも、
その値が大きい場合には係数の修正量が多くなるために
収束が速くなる一方、修正量が大きい分だけ係数更新の
妨害となる成分が存在する場合にその影響を強く受けて
残留誤差量が多くなる。反対に、ステップサイズの値が
小さい場合には収束時間が増加するが、妨害信号成分の
影響が少なく、残留誤差量は小さくなる。したがって、
ステップサイズの設定には「収束時間」と「残留誤差」
とにトレードオフが存在することがわかる。
【0020】ところで、雑音消去装置における適応フィ
ルタ4の目的は雑音信号成分n(k)の擬似信号成分r
(k)を作り出すことであるから、適応フィルタの係数
更新のための誤差信号としてはn(k)とr(k)との
差、すなわち、残留誤差(n(k)−r(k))が必要
となる。この場合、(2)式で示したように、誤差信号
e(k)は音声信号成分s(k)を含んでおり、この音
声信号成分s(k)が適応フィルタ4の係数更新動作に
とっては妨害信号成分として大きな影響を与える。
【0021】適応フィルタ4にとって妨害信号となる音
声信号成分s(k)の影響を低減するため、雑音消去装
置に用いられる適応フィルタ4においては係数更新のた
めのステップサイズを極めて小さい値に設定する必要が
ある。しかしながら、上述したようにステップサイズを
小さくすると適応フィルタ4の収束が遅くなるという問
題が生じる。
【0022】この問題を解決するため、第2の適応フィ
ルタを用いて受信信号の信号対雑音電力比を推定し、推
定値に基づいて第1の適応フィルタのステップサイズを
制御することによって高速収束と残留誤差の低減とを実
現する方法が、特開平10−3298号公報に開示され
た技術で提案されている。
【0023】図2は上記の公報に記載されている従来方
法のブロック図である。図2に示すように、従来方法は
適応フィルタ4のステップサイズを制御するために、遅
延回路8、遅延回路9、信号対雑音電力比推定回路1
0、遅延回路17、比較回路18、ステップサイズ出力
回路19を備えている。
【0024】また、信号対雑音電力比推定回路10は音
声入力端子1から受信信号y(k)が入力される遅延回
路11と、参照入力端子2から参照雑音信号x(k)が
入力される適応フィルタ12と、遅延回路11の出力信
号と適応フィルタ12の出力擬似雑音信号r1(k)と
の減算を行う減算器13と、減算器13及び適応フィル
タ12の各出力信号の夫々の電力を平均化する電力平均
回路14,15と、電力平均回路14の出力信号で電力
平均回路15の出力信号を除算する除算回路16とから
構成されている。
【0025】まず、信号対雑音電力比推定回路10の動
作について説明する。適応フィルタ12は参照入力端子
2から入力される参照雑音信号x(k)を入力信号とし
て受けるとともに、減算器13の出力誤差信号を入力信
号として受け、擬似雑音信号を出力する。遅延回路11
は遅延量Δt1の遅延を受信信号y(k)に与える回路
で、遅延回路3と同様に因果律を補償するために挿入さ
れるものである。減算器13は遅延回路11が出力する
遅延された受信信号から適応フィルタ12の出力擬似雑
音信号を減算し、減算結果を誤差信号として適応フィル
タ12へ供給する。
【0026】このとき、適応フィルタ12の係数更新の
ためのステップサイズは収束速度を速めるために大きめ
の値を設定するものとし、係数更新のアルゴリズムとし
て文献2に記載されている「LIM」を適用する場合に
はステップサイズμとして、例えば「0.2」から
「0.5」程度の値に設定するものとする。
【0027】いま、受信信号をy(k)、適応フィルタ
12に入力される参照雑音信号をx(k)、適応フィル
タ12の出力擬似雑音信号をr1(k)とし、上記の方
法と同様に遅延回路11の遅延量Δt1を零と仮定する
と、減算器13の出力である誤差信号e1(k)は、 e1(k)=y(k)−r1(k) (6) で表される。
【0028】ここで、(1)式で示したように、受信信
号y(k)は音声信号s(k)と雑音信号n(k)との
和で表されるから、この(6)式は、 e1(k)=s(k)+n(k)−r1(k) (7) のように書き直される。
【0029】減算器13の出力誤差信号e1(k)は係
数更新のための誤差信号として適応フィルタ12に供給
されるとともに、電力平均回路14に供給される。電力
平均回路14は誤差信号e1(k)を自乗してその時間
平均を出力する。
【0030】誤差信号e1(k)の自乗値e12 (k)
は、 e12 (k)={s(k)+n(k)−r1(k)}2 (8) で与えられる。
【0031】電力平均回路14はこの自乗値e1
2 (k)の時間平均を出力するが、これを期待値で近似
するものとすると、音声信号s(k)と参照雑音信号x
(k)、したがって音声信号s(k)と雑音信号n
(k)とは互いに独立なので、期待値E[e1
2 (k)]は、 E[e12 (k)] =E[s2 (k)]+E[{n(k)−r1(k)}2 ] (9) で表される。
【0032】(9)式の右辺第2項は残留誤差成分を示
しており、これを大きめのステップサイズの設定によっ
て高速に収束することを考慮すると、残留誤差成分は急
速に減衰するから、 E[e12 (k)]≒E[s2 (k)] (10) が得られる。したがって、(10)式に示すように、電
力平均回路14の出力信号は音声信号電力s2 (k)を
近似していることになる。
【0033】一方、電力平均回路15は適応フィルタ1
2の出力擬似雑音信号r1(k)を自乗して、その時間
平均を出力する。適応フィルタ12は大きめのステップ
サイズの設定によって高速に収束することから、 r1(k)≒n(k) (11) が成立する。
【0034】よって、擬似雑音信号r1(k)の自乗値
r12 (k)の期待値E[r12 (k)]は、 E[r12 (k)]≒E[n2 (k)] (12) で近似することができる。
【0035】したがって、電力平均回路15の出力信号
は雑音信号電力n2 (k)を近似していることになる。
除算回路16は電力平均回路14の出力音声信号電力を
電力平均回路15の出力雑音信号電力で除算し、結果と
して信号対雑音電力比の推定値SNR1を出力する。
【0036】ところで、電力平均回路14,15の動作
を移動平均等で行う場合を仮定すると、算出された電力
平均値は実際の電力変化に対して平均回数に依存する遅
延Δavを生じてしまう。そこで、この方法では遅延Δ
avを補償するため、適応フィルタ4の入力参照雑音信
号に対してΔt2の遅延を与える遅延回路9を適応フィ
ルタ4の入力側に備えるとともに、受信信号に対してΔ
t2の遅延を与える遅延回路8を遅延回路3の入力側に
備えている。
【0037】ここで、上記の遅延量Δt2は通常、遅延
量Δavと同じかそれ以上の値が設定される。もし、Δ
t2をΔavよりも大きく設定した場合にはSNR1の
変化を減算器5の実際の入力受信信号のSNR値より速
く検出することになり、SNR1を負の時間方向へ拡張
したことになる。尚、遅延回路8と遅延回路3とは(Δ
t2+Δt1)の遅延を与える一つの遅延回路で構成可
能である。
【0038】以上説明したように、信号対雑音電力比推
定回路10は音声入力端子1から入力される受信信号と
参照信号入力端子2から入力される参照雑音信号とを入
力信号として受け、擬似雑音信号を出力する適応フィル
タ12を動作させ、適応フィルタ12の出力擬似雑音信
号等から誤差信号電力と擬似雑音信号電力とを検出し、
これらに基づいて信号対雑音電力比の推定値SNR1を
出力する。
【0039】次に、遅延回路8,9,17、比較回路1
8の動作を説明する。遅延回路17は信号対雑音電力比
推定回路10が出力する信号対雑音電力比の推定値SN
R1に対してΔt3の遅延を与える。比較回路18は遅
延回路17に入力される遅延前の信号対雑音電力比の推
定値SNR1と、遅延回路17から出力される遅延後の
信号対雑音電力比の推定値SNR2とを比較し、値が大
きい方を推定値SNR3として出力する。信号対雑音電
力比の推定値SNR3は信号対雑音電力比の推定値SN
R1をΔt3だけ正の時間方向に拡張した形になってい
ることが分かる。
【0040】次に、ステップサイズ出力回路19の動作
について説明する。ステップサイズ出力回路19は比較
回路18が出力する拡張信号対雑音電力比の推定値SN
R3を受け、その入力SNR3値に対応した値を適応フ
ィルタ4のステップサイズとして出力するように動作す
る。この時、ステップサイズ出力回路19はSNR3値
が大きい場合には小さいステップサイズを出力し、逆に
SNR3値が小さい場合には大きなステップサイズを出
力する。
【0041】具体的には、時刻kでのSNR3値をSN
R3(k)、時刻kでのステップサイズをμ(k)とす
ると、SNR3(k)とμ(k)との関係は、例えば、 μ(k)=clip[A・1/SNR3(k),μmax,μmin] (13) のように表される。但し、(13)式中、Aは定数であ
り、例えば「0.1」から「0.5」程度の値に設定さ
れる。また、clip[a,b,c]は最小値、最大値
を設定するための関係で、 clip[a,b,c]=a(c≦a≦b) (14a) clip[a,b,c]=b(a>b) (14b) clip[a,b,c]=c(a<c) (14c) のように定義される。
【0042】ここで、A=0.1、μmax=0.5、
μmin=0.01と仮定すると、(13)式は、 μ(k)=clip[0.1/SNR3(k),0.5,0.01] (15) のように表される。
【0043】したがって、この場合はSNR3値が0d
Bの時、すなわちSNR3(k)=1の時のステップサ
イズは(14a)式から“0.1”となる。また、SN
R3値が10dBの時、すなわちSNR3(k)=10
の時のステップサイズは(14a)式から“0.01”
となる。
【0044】しかしながら、SNR3値が−10dB、
すなわち、SNR3(k)=0.1の時は最大値の制限
を受けてステップサイズは(14b)式から“0.5”
に設定される。同様に、SNR3値が20dB、すなわ
ち、SNR3(k)=100の時は最小値の制限を受け
て(14c)式からステップサイズは“0.01”とな
る。このようなステップサイズの制限範囲の設定は適応
フィルタの安定した動作のために有効である。
【0045】このように、ステップサイズ出力回路19
は信号対雑音電力比推定回路10で推定されたSNR1
値を遅延回路17及び比較回路18で拡張して得た拡張
信号対雑音電力比の推定値SNR3に応じて適応フィル
タ4に供給するステップサイズを制御する。
【0046】以上説明したように、従来の方法では推定
されたSNR3値によって適応フィルタ4に供給するス
テップサイズを制御するようにしたため、音声信号が存
在しない区間や、音声信号が存在しても雑音信号成分に
比べて非常に小さい区間におけるステップサイズを大き
くして妨害信号の影響を受けずに収束を速めることがで
きる。
【0047】一方、雑音信号成分に比べて音声信号成分
が大きい区間においては、ステップサイズを小さくして
妨害信号による残留誤差の増加を防ぐことができる。ま
た、ステップサイズ制御に使用されるSNR3値は遅延
回路8,9による負の時間方向の拡張と、遅延回路17
による正の時間方向の拡張によって、両方向へ拡張され
ているために、音声信号が始まる前に十分ステップサイ
ズを小さくし、音声信号が終了してからステップサイズ
を大きくする制御が行えるため、適応フィルタ4のフィ
ルタ係数を安定に収束させることができる。
【0048】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の雑音消
去方法では、雑音消去装置の使用される環境によって、
全く雑音が存在しない場合や雑音が音声に比べて極端に
多い場合も考えられる。このように想定される信号対雑
音電力比の範囲が大きい場合、従来の雑音消去方法のよ
うに拡張信号対雑音電力の値のみでステップサイズをう
まく制御できない場合がある。
【0049】例えば、全く雑音が存在しない場合には適
応フィルタのステップサイズを零にした方がいい場合も
ある。また、雑音が非常に多い場合には適応フィルタの
ステップサイズをかなり大きめに設定しなければ、充分
に雑音が消去できない場合がある。
【0050】そこで、本発明の目的は上記の問題点を解
消し、雑音消去量の改善と歪み(残留誤差)の低減とを
実現することができる雑音消去方法及びそれを用いた雑
音消去装置を提供することにある。
【0051】
【課題を解決するための手段】本発明による雑音消去方
法は、参照入力端子から入力される参照雑音信号を第1
の適応フィルタに入力してフィルタ係数にしたがったフ
ィルタリングによって擬似雑音信号を生成し、この擬似
雑音信号と音声入力端子から入力される音声信号と背景
雑音信号とが混在した受信信号とを減算器によって減算
して誤差信号を生成し、該誤差信号に基づいて前記第1
の適応フィルタのフィルタ係数を逐次修正することで前
記減算器から雑音が消去された信号を出力する雑音消去
方法であって、前記参照信号と前記受信信号とを夫々受
け、前記第1の適応フィルタと同様の構成の第2の適応
フィルタを用いて生成した擬似雑音信号から誤差信号電
力と擬似雑音信号電力とを検出し、これら誤差信号電力
と擬似雑音信号電力とから前記受信信号の信号対雑音電
力比を推定し、推定された該信号対雑音電力比を時間平
均した平均信号対雑音電力比の値を算出し、前記信号対
雑音電力比の推定値と前記信号対雑音電力比の推定値を
予め定められた時間だけ遅延させた遅延推定値とを比較
して値の大きい方を拡張信号対雑音電力比の推定値とし
て出力し、該拡張信号対雑音電力比の推定値及び前記平
均信号対雑音電力比の値から算出される値を前記第1の
適応フィルタのフィルタ係数の修正量として該フィルタ
係数を適応的に変化させている。
【0052】本発明による他の雑音消去方法は、参照入
力端子から入力される参照雑音信号を第1の適応フィル
タに入力してフィルタ係数にしたがったフィルタリング
によって擬似雑音信号を生成し、この擬似雑音信号と音
声入力端子から入力される音声信号と背景雑音信号とが
混在した受信信号とを減算器によって減算して誤差信号
を生成し、該誤差信号に基づいて前記第1の適応フィル
タのフィルタ係数を逐次修正することで前記減算器から
雑音が消去された信号を出力する雑音消去方法であっ
て、前記参照信号と前記受信信号とを夫々受け、前記第
1の適応フィルタと同様の構成の第2の適応フィルタを
用いて生成した擬似雑音信号から誤差信号電力と擬似雑
音信号電力とを検出する工程と、これら誤差信号電力と
擬似雑音信号電力とから前記受信信号の信号対雑音電力
比を推定する工程と、推定された該信号対雑音電力比を
時間平均した平均信号対雑音電力比の値を算出する工程
と、前記信号対雑音電力比の推定値と前記信号対雑音電
力比の推定値を予め定められた時間だけ遅延させた遅延
推定値とを比較して値の大きい方を拡張信号対雑音電力
比の推定値として出力する工程と、該拡張信号対雑音電
力比の推定値及び前記平均信号対雑音電力比の値から算
出される値を前記第1の適応フィルタのフィルタ係数の
修正量として該フィルタ係数を適応的に変化させる工程
とを備えている。
【0053】本発明による雑音消去装置は、音声入力端
子から入力される音声信号と背景雑音信号とが混在した
受信信号を第1の遅延時間遅延する第1の遅延回路と、
参照入力端子から入力される参照雑音信号を第2の遅延
時間遅延する第2の遅延回路と、前記第1の遅延回路か
ら出力された遅延受信信号から前記第1の擬似雑音信号
を減算して第1の誤差信号を生成しかつ出力端子へ雑音
が消去された信号を出力する第1の減算器と、前記第2
の遅延回路からの出力遅延参照雑音信号と前記第1の減
算器からの前記第1の誤差信号とをフィルタ係数にした
がってフィルタリングして第1の擬似雑音信号を出力す
る第1の適応フィルタと、前記参照入力端子からの参照
雑音信号と前記音声入力端子からの受信信号とを基に前
記受信信号の信号対雑音電力比の推定値を生成する信号
対雑音電力比推定回路と、前記信号対雑音電力比推定回
路の出力推定値を第3の遅延時間遅延する第3の遅延回
路と、前記第3の遅延回路の入力推定値と出力遅延推定
値とを比較して大きな値の方を拡張信号対雑音電力比の
推定値として出力する比較回路と、前記信号対雑音電力
比推定回路が出力する信号対雑音電力比の推定値を時間
平均して平均信号対雑音電力比を出力するSNR平均回
路と、前記比較回路から出力された拡張信号対雑音電力
比の推定値及び前記SNR平均回路から出力された平均
信号対雑音電力比の値に基づいて前記第1の適応フィル
タのフィルタ係数の修正量を決定するステップサイズを
出力するステップサイズ出力回路とを備えている。
【0054】すなわち、本発明の雑音消去方法は上記の
目的を達成するため、参照入力端子から入力される参照
雑音信号を第1の適応フィルタに入力してフィルタ係数
にしたがったフィルタリングによって擬似雑音信号を生
成し、この擬似雑音信号と音声入力端子から入力される
音声信号と背景雑音信号とが混在した受信信号とを減算
器によって減算して誤差信号を生成し、該誤差信号に基
づいて第1の適応フィルタのフィルタ係数を逐次修正す
ることで減算器から雑音が消去された受信信号を出力す
る方法を用いている。
【0055】本発明の雑音消去方法は、上記の方法にお
いて、参照信号と受信信号とを夫々受け、第1の適応フ
ィルタと同様の構成の第2の適応フィルタを用いて生成
した擬似雑音信号から誤差信号電力と擬似雑音信号電力
とを検出し、これら誤差信号電力と擬似雑音信号電力と
から受信信号の信号対雑音電力比を推定し、推定された
該信号対雑音電力比を時間平均した平均信号対雑音電力
比の値を算出し、信号対雑音電力比の推定値と、信号対
雑音電力比の推定値を予め定められた時間だけ遅延させ
た遅延推定値とを比較し、値の大きい方を拡張信号対雑
音電力比の推定値として出力し、該拡張信号対雑音電力
比の推定値及び平均信号対雑音電力比の値から算出され
る値を第1の適応フィルタのフィルタ係数の修正量とし
て該フィルタ係数を適応的に変化させている。
【0056】また、本発明の雑音消去装置は想定される
SNRの範囲が大きい場合においても最適なステップサ
イズ値を設定することによって、音声入力端子から入力
される音声信号と背景雑音信号とが混在した受信信号を
第1の遅延時間遅延する第1の遅延回路と、参照入力端
子から入力される参照雑音信号を第2の遅延時間遅延す
る第2の遅延回路と、該第2の遅延回路の出力遅延参照
雑音信号と第1の誤差信号が入力されてフィルタ係数に
従ったフィルタリングにより第1の擬似雑音信号を出力
する第1の適応フィルタと、第1の遅延回路から出力さ
れた遅延受信信号から第1の擬似雑音信号を差し引き、
その減算の結果得られる差信号を第1の誤差信号として
第1の適応フィルタに供給するとともに、出力端子へ雑
音が消去された受信信号を出力する第1の減算器と、参
照入力端子からの参照雑音信号と音声入力端子からの受
信信号とを入力信号として受け、受信信号の信号対雑音
電力比の推定値を得る信号対雑音電力比推定回路と、該
信号対雑音電力比推定回路の出力推定値を第3の遅延時
間遅延する第3の遅延回路と、該第3の遅延回路の入力
推定値と出力遅延推定値とを比較して大きな値の方を拡
張信号対雑音電力比の推定値として出力する比較回路
と、信号対雑音電力比推定回路が出力する信号対雑音電
力比の推定値を時間平均して平均信号対雑音電力比を出
力するSNR平均回路と、比較回路から出力された拡張
信号対雑音電力比の推定値及びSNR平均回路から出力
された平均信号対雑音電力比の値に基づいて、第1の適
応フィルタのフィルタ係数の修正量を決定するステップ
サイズを出力するステップサイズ出力回路とから構成さ
れている。
【0057】さらに、上記の信号対雑音電力比推定回路
は音声入力端子からの受信信号を第4の遅延時間遅延す
る第4の遅延回路と、参照入力端子からの参照雑音信号
と第2の誤差信号が入力されてフィルタ係数にしたがっ
たフィルタリングによって第2の擬似雑音信号を出力す
る第2の適応フィルタと、第4の遅延回路から出力され
た遅延受信信号から第2の擬似雑音信号を差し引き、そ
の減算の結果得られる差信号を第2の誤差信号として第
2の適応フィルタに供給する第2の減算器と、第2の減
算器の出力差信号を受けてその自乗平均値を算出して受
信信号電力として出力する第1の電力平均回路と、第2
の適応フィルタの出力する第2の擬似雑音信号を受けて
その自乗平均値を算出して雑音信号電力として出力する
第2の電力平均回路と、受信信号電力を雑音信号電力で
除算して受信信号の信号対雑音電力比の推定値を出力す
る除算回路とから構成されている。
【0058】さらにまた、ステップサイズ出力回路は比
較回路から出力された拡張信号対雑音電力比の推定値の
逆数に対して平均信号対雑音電力比の値によって決定さ
れる所定の係数を乗じた乗算値が、平均信号対雑音電力
比の値によって決定される最大値と最小値との範囲内の
値である時は該乗算値を第1の適応フィルタのフィルタ
係数の修正量を決定する第1のステップサイズとして出
力し、該乗算値が該最大値より大なる時は該最大値を、
該乗算値が該最小値より小なる時は該最小値をステップ
サイズとして出力している。
【0059】上記の雑音消去装置では信号対雑音電力比
の平均値を算出する。ステップサイズ出力回路が出力す
る適応フィルタのステップサイズは拡張信号対雑音電力
比だけでなく、平均信号対雑音電力比の値をも考慮して
決定される。平均信号対雑音電力比の値によって雑音消
去装置が使用されている雑音環境を推定することができ
るため、想定される信号対雑音電力比の範囲が大きい場
合にも最適なステップサイズを設定することができる。
【0060】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施例について
図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例によ
る雑音消去装置の構成を示すブロック図である。図にお
いて、本発明の一実施例による雑音消去装置は信号対雑
音電力比の時間平均を算出するためのSNR平均回路2
1を設けた以外は、図2に示す従来の雑音消去装置と同
様の構成となっており、同一構成要素には同一符号を付
してある。また、同一構成要素の動作は従来の雑音消去
装置と同様である。
【0061】SNR平均回路21は信号対雑音電力比の
時間平均を算出してステップサイズ出力回路20に出力
する。ステップサイズ出力回路20は比較回路18が出
力する拡張信号対雑音電力比と、SNR平均回路21が
出力する平均信号対雑音電力比とを入力とする。従来の
雑音除去方法と本発明の一実施例による雑音除去方法と
の違いはSNR平均回路21及びステップサイズ出力回
路20だけであるので、ここではこれらの動作について
説明する。
【0062】除算回路16は電力平均回路14の出力音
声信号電力を電力平均回路15の出力雑音信号電力で除
算し、結果として信号対雑音電力比の推定値SNR1を
出力する。SNR平均回路21は除算回路16の出力す
る推定SNR値SNR1を受け、その平均値SNR4を
算出する。信号対雑音電力比の時間平均を算出する方法
としては、例えば256回の移動平均を仮定すると、時
刻kにおけるSNR4は、 SNR4=(1/256)・[ΣSNR1(k−j)] (16) で表される。ここで、Σはj=0からj=255までの
総和である。
【0063】次に、ステップサイズ出力回路20の動作
について説明する。ステップサイズ出力回路20はSN
R平均回路21が出力するSNR平均値SNR4及び比
較回路18が出力する拡張信号対雑音電力比SNR3を
受け、適応フィルタ4のステップサイズを出力する。
【0064】従来の雑音除去方法との違いは、SNR3
の値だけではなく、平均SNR値であるSNR4の値を
も用いてステップサイズを決定している点である。い
ま、時刻kでのSNR3値をSNR3(k)、時刻kで
のSNR4値をSNR4(k)、時刻kでのステップサ
イズをμ(k)とすると、SNR3(k)、SNR4
(k)とμ(k)との関係は、 μ(k)=clip[A(SNR4(k))・1/SNR3(k) +B(SNR4(k)),μmax,μmin] (17) のように表される。ここで、A(SNR4(k))及び
B(SNR4(k))はSNR4(k)の値によって決
定されるパラメータであり、従来の雑音除去方法では定
数になっていた部分である。
【0065】いま、A(SNR4(k))及びB(SN
R4(k))として、 A(SNR4(k))=0.0(SNR4(k)>10dB) (18a) A(SNR4(k))=0.3(−10dB≦SNR4(k)≦10dB) (18b) A(SNR4(k))=0.5(SNR4(k)<−10dB) (18c) B(SNR4(k))=0.05(SNR4(k)>10dB) (19a) B(SNR4(k))=0.07(−10dB≦SNR4(k) ≦10dB) (19b) B(SNR4(k))=0.09(SNR4(k)< ?10dB) (19c) と仮定する。
【0066】上記の例においては、平均SNRであるS
NR4の値によって、A及びBの値が3種類存在する。
例えば、SNR4(k)が10dBより大きい場合には
A=0.0、B=0.05、SNR4(k)が−10d
Bと10dBとの間の場合にはA=0.3、B=0.0
7、SNR4(k)が−10dB未満の場合にはA=
0.5、B=0.09となる。
【0067】このように、平均SNR値であるSNR4
(k)の値によって、ステップサイズを算出するための
計算式を変更することによって、想定されるSNRの範
囲が大きい場合においても、最適なステップサイズを算
出することが可能である。
【0068】以上説明したように、本発明の一実施例に
よる雑音消去装置は推定された信号対雑音電力比の平均
値である平均SNRを算出し、信号対雑音電力比と平均
SNR値との両方の値に応じて適応フィルタ4に供給す
るステップサイズを決定する。
【0069】したがって、想定されるSNRの範囲が大
きい場合においても最適なステップサイズを算出するこ
とができ、従来の雑音除去方法よりも雑音消去量の改善
と歪み(残留誤差)の低減とを実現することができる。
尚、上記の雑音消去装置の各回路の処理動作を各ステッ
プ(工程)として構成することで本発明の一実施例によ
る雑音消去方法を実現することができる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、信
号対雑音電力比及びその平均値の両方の値に基づいて適
応フィルタのステップサイズを決定することによって、
想定されるSNRの範囲が大きい場合においても、従来
の方法よりも雑音消去量の改善と歪み(残留誤差)の低
減とを実現することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による雑音除去装置の構成を
示すブロック図である。
【図2】従来例による雑音除去装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】従来例による雑音除去方法を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 音声入力端子 2 参照入力端子 3,8,9,11,17 遅延回路 4 第1の適応フィルタ 5 第1の減算器 6 出力端子 10,22 信号対雑音電力比推定回路 12 第2の適応フィルタ 13 第2の減算器 14 第1の電力平均回路 15 第2の電力平均回路 16 除算回路 18 比較回路 19,20 ステップサイズ出力回路 21 SNR平均回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 参照入力端子から入力される参照雑音信
    号を第1の適応フィルタに入力してフィルタ係数にした
    がったフィルタリングによって擬似雑音信号を生成し、
    この擬似雑音信号と音声入力端子から入力される音声信
    号と背景雑音信号とが混在した受信信号とを減算器によ
    って減算して誤差信号を生成し、該誤差信号に基づいて
    前記第1の適応フィルタのフィルタ係数を逐次修正する
    ことで前記減算器から雑音が消去された信号を出力する
    雑音消去方法であって、 前記参照信号と前記受信信号とを夫々受け、前記第1の
    適応フィルタと同様の構成の第2の適応フィルタを用い
    て生成した擬似雑音信号から誤差信号電力と擬似雑音信
    号電力とを検出し、これら誤差信号電力と擬似雑音信号
    電力とから前記受信信号の信号対雑音電力比を推定し、
    推定された該信号対雑音電力比を時間平均した平均信号
    対雑音電力比の値を算出し、前記信号対雑音電力比の推
    定値と前記信号対雑音電力比の推定値を予め定められた
    時間だけ遅延させた遅延推定値とを比較して値の大きい
    方を拡張信号対雑音電力比の推定値として出力し、該拡
    張信号対雑音電力比の推定値及び前記平均信号対雑音電
    力比の値から算出される値を前記第1の適応フィルタの
    フィルタ係数の修正量として該フィルタ係数を適応的に
    変化させることを特徴とする雑音消去方法。
  2. 【請求項2】 参照入力端子から入力される参照雑音信
    号を第1の適応フィルタに入力してフィルタ係数にした
    がったフィルタリングによって擬似雑音信号を生成し、
    この擬似雑音信号と音声入力端子から入力される音声信
    号と背景雑音信号とが混在した受信信号とを減算器によ
    って減算して誤差信号を生成し、該誤差信号に基づいて
    前記第1の適応フィルタのフィルタ係数を逐次修正する
    ことで前記減算器から雑音が消去された信号を出力する
    雑音消去方法であって、 前記参照信号と前記受信信号とを夫々受け、前記第1の
    適応フィルタと同様の構成の第2の適応フィルタを用い
    て生成した擬似雑音信号から誤差信号電力と擬似雑音信
    号電力とを検出する工程と、 これら誤差信号電力と擬似雑音信号電力とから前記受信
    信号の信号対雑音電力比を推定する工程と、 推定された該信号対雑音電力比を時間平均した平均信号
    対雑音電力比の値を算出する工程と、 前記信号対雑音電力比の推定値と前記信号対雑音電力比
    の推定値を予め定められた時間だけ遅延させた遅延推定
    値とを比較して値の大きい方を拡張信号対雑音電力比の
    推定値として出力する工程と、 該拡張信号対雑音電力比の推定値及び前記平均信号対雑
    音電力比の値から算出される値を前記第1の適応フィル
    タのフィルタ係数の修正量として該フィルタ係数を適応
    的に変化させる工程とを有することを特徴とする雑音消
    去方法。
  3. 【請求項3】 音声入力端子から入力される音声信号と
    背景雑音信号とが混在した受信信号を第1の遅延時間遅
    延する第1の遅延回路と、 参照入力端子から入力される参照雑音信号を第2の遅延
    時間遅延する第2の遅延回路と、 前記第1の遅延回路から出力された遅延受信信号から前
    記第1の擬似雑音信号を減算して第1の誤差信号を生成
    しかつ出力端子へ雑音が消去された信号を出力する第1
    の減算器と、 前記第2の遅延回路からの出力遅延参照雑音信号と前記
    第1の減算器からの前記第1の誤差信号とをフィルタ係
    数にしたがってフィルタリングして第1の擬似雑音信号
    を出力する第1の適応フィルタと、 前記参照入力端子からの参照雑音信号と前記音声入力端
    子からの受信信号とを基に前記受信信号の信号対雑音電
    力比の推定値を生成する信号対雑音電力比推定回路と、 前記信号対雑音電力比推定回路の出力推定値を第3の遅
    延時間遅延する第3の遅延回路と、 前記第3の遅延回路の入力推定値と出力遅延推定値とを
    比較して大きな値の方を拡張信号対雑音電力比の推定値
    として出力する比較回路と、 前記信号対雑音電力比推定回路が出力する信号対雑音電
    力比の推定値を時間平均して平均信号対雑音電力比を出
    力するSNR平均回路と、 前記比較回路から出力された拡張信号対雑音電力比の推
    定値及び前記SNR平均回路から出力された平均信号対
    雑音電力比の値に基づいて前記第1の適応フィルタのフ
    ィルタ係数の修正量を決定するステップサイズを出力す
    るステップサイズ出力回路とを有することを特徴とする
    雑音消去装置。
  4. 【請求項4】 前記信号対雑音電力比推定回路は、前記
    音声入力端子からの受信信号を第4の遅延時間遅延する
    第4の遅延回路と、 前記第4の遅延回路から出力された遅延受信信号から前
    記第2の擬似雑音信号を減算して第2の誤差信号を生成
    する第2の減算器と、 前記参照入力端子からの参照雑音信号と前記第2の減算
    器からの第2の誤差信号とをフィルタ係数にしたがって
    フィルタリングして第2の擬似雑音信号を出力する第2
    の適応フィルタと、 前記第2の減算器の出力差信号の自乗平均値を算出して
    受信信号電力を出力する第1の電力平均回路と、 前記第2の適応フィルタの出力する第2の擬似雑音信号
    の自乗平均値を算出して雑音信号電力を出力する第2の
    電力平均回路と、 前記受信信号電力を前記雑音信号電力で除算して前記受
    信信号の信号対雑音電力比の推定値を出力する除算回路
    とからなることを特徴とする請求項3記載の雑音消去装
    置。
  5. 【請求項5】 前記ステップサイズ出力回路は、前記比
    較回路から出力された拡張信号対雑音電力比の推定値の
    逆数に対して前記平均信号対雑音電力比の値によって決
    定される所定の係数を乗じた乗算値が前記平均信号対雑
    音電力比の値によって決定される最大値と最小値との範
    囲内の値である時に該乗算値を前記第1の適応フィルタ
    のフィルタ係数の修正量を決定する第1のステップサイ
    ズとして出力し、該乗算値が該最大値より大なる時に該
    最大値を、該乗算値が該最小値より小なる時に該最小値
    を前記ステップサイズとして出力するようにしたことを
    特徴とする請求項3または請求項4記載の雑音消去装
    置。
  6. 【請求項6】 前記第2の遅延時間は、前記信号対雑音
    電力比推定回路において前記受信信号の信号対雑音電力
    比の推定値を算出するのに要する時間に等しいかそれ以
    上の値に設定し、 前記第1の遅延時間は、前記第2の遅延時間より大なる
    時間に設定したことを特徴とする請求項3から請求項5
    のいずれか記載の雑音消去装置。
  7. 【請求項7】 前記第4の遅延時間は、前記第1の遅延
    時間から前記第2の遅延時間を差し引いた時間に設定し
    たことを特徴とする請求項6記載の雑音消去装置。
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