JP2002076999A - システム同定方法および装置 - Google Patents

システム同定方法および装置

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JP2002076999A JP2000255710A JP2000255710A JP2002076999A JP 2002076999 A JP2002076999 A JP 2002076999A JP 2000255710 A JP2000255710 A JP 2000255710A JP 2000255710 A JP2000255710 A JP 2000255710A JP 2002076999 A JP2002076999 A JP 2002076999A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ダブルトーク検出器では検出されないようなエ
コーよりも小さいパワーの近端話者音声による外乱が加
わった場合でも、適応フィルタの収束状態を維持可能に
する未知システムの特性を推定するシステム同定方法お
よび装置を提供する。 【解決手段】雑音パワー推定手段として背景雑音レベル
推定回路106および近端音声レベル推定回路107を
設け、ステップサイズ決定回路104による適応フィル
タ101のフィルタ係数修正のステップサイズ105の
決定に使用する。近端音声レベル推定かいろ107は、
音声パワーの時間的変動が背景雑音パワーの時間的変動
と比べて大きいという特徴を利用して、誤差信号4の時
間的変動に対して高速に追従するという動作を実行す
る。雑音パワーに応じてステップサイズ105をより小
さくすることで適応フィルタ101の収束状態を維持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシステム同定方法お
よび装置、特に適応フィルタを使用して未知システムの
特性を推定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】適応フィルタを使用して未知システムの
特性を推定する方法および装置としては、「IEEE T
ransactions on Automatic Control、Vol.AC-12、No.
3、pp.282−287、1967、USA」に開示
されている学習同定法に基づく「トランスバーサル型適
応フィルタ」が広く用いられている。以下、学習同定法
に基づくトランスバーサル型適応フィルタを音響エコー
キャンセラに応用した場合を例にとって、その動作原理
を説明する。
【0003】図9に、学習同定法に基づく音響エコーキ
ャンセラのブロック図を示す。このエコーキャンセラー
100は、適応フィルタ101、減算器102、パワー
推定回路103、除算器109、レジスタ110、スピ
ーカ10およびマイクロホン12により構成される。ス
ピーカ10からの音声出力を未知システム11に入力
し、その出力であるエコー信号6および雑音(ノイズ)
2をマイクロホン12に入力する。マイクロホン12か
らの観測信号3および適応フィルタ101からの出力信
号5を減算器102に入力し、誤差信号4を出力する。
また、参照入力信号1が、パワー推定回路103、適応
フィルタ101およびスピーカ10に入力される。ま
た、適応フィルタ101には、除算器109からのステ
ップサイズ105および減算器102からの誤差信号4
も入力される。
【0004】このシステム同定装置は、エコーキャンセ
ラ100として使用されている。遠端音声信号である参
照入力信号1は、スピーカ10で音響信号に変換され、
未知システム11を含む音響経路を伝搬して、マイクロ
ホン12に到達してエコー信号6となる。マイクロホン
12は、このエコー信号6に雑音2が加えられたものを
電気信号に変換し、観測信号3とする。適応フィルタ1
01は、参照入力信号1とフィルタ係数の畳み込み演算
を行い、結果を出力信号5として減算器102に入力す
る。減算器102は、観測信号3から適応フィルタ10
1の出力信号5を差し引き、減算結果である誤差信号4
をエコーキャンセラ100の出力信号とすると共に適応
フィルタ101にも入力する。パワー推定回路103
は、参照入力信号1のパワーPx(t)を推定し、推定
結果を除算器109に入力する。除算器109は、レジ
スタ110に格納された正の定数μ0を上述したパワー
推定値で除したものをステップサイズ105とする。適
応フィルタ101は、参照入力信号1、誤差信号4およ
びステップサイズ105を使用して、誤差信号4が最小
となるようにフィルタ係数を修正する。
【0005】上述の処理を数式で示すと、次のようにな
る。未知システム11のインパルス応答をhi(i=
0,...,N−1)、時刻tにおける参照入力信号1
をx(t)、雑音2をn(t)、観測信号3をd(t)
とする。参照入力信号x(t)、雑音n(t)、観測信
号d(t)の関係は、下記の式(1)で与えられる。
【数1】
【0006】次に、適応フィルタ101のタップ数を
N、フィルタ係数をwi(t)(i=0、,...、N
−1)とすると、適応フィルタ101の出力信号y
(t)は、下記の式(2)で与えられる。
【数2】
【0007】上記式(1)および式(2)より、誤差信
号e(t)は、以下の式(3)で与えられる。
【数3】 また、フィルタ係数wi(t)の更新は、ステップサイ
ズμ(t)を用いると、下記の式(4)で与えられる。
【数4】 また、ステップサイズμ(t)は、以下の式(5)で与
えられる。
【数5】 ここで、Px(t)は、以下の式(6)
【数6】 で求められる参照入力信号x(t)のパワーであり、μ
0は、下記の式(7)で与えられる定数である。
【数7】
【0008】学習同定法は、ステップサイズ105が参
照入力信号1のパワーで正規化されており、収束速度が
参照入力信号1のパワーから独立し、そのパワーの大小
に影響されないことを特徴としている。また、式(4)
によれば、フィルタ係数の修正には誤差信号e(t)を
使用している。ところが、式(3)より、誤差信号e
(t)は、システム同定誤差hi−wi(t)の他に、
雑音n(t)を含んでいることが分かる。雑音n(t)
がエコー信号6に比べて十分小さいと、学習同定法を使
用してフィルタ係数を正しく修正し、未知システム11
の特性を同定できる。しかし、雑音n(t)が大きくな
ると、フィルタ係数を正しく修正できない。
【0009】更に、参照入力信号x(t)が音声の如き
非定常信号の場合には、雑音n(t)が比較的小さくて
も、フィルタ係数を正しく修正できない場合がある。こ
れは、以下のような原因であると考えられる。ステップ
サイズμ(t)は、参照入力信号1のパワーPx(t)
に反比例する。そのため、参照入力信号x(t)が非常
に小さい場合には、μ(t)は非常に大きくなる。更
に、エコー信号6は非常に小さく、誤差信号e(t)は
雑音n(t)を多く含む。従って、未知システム11の
同定誤差hi−wi(t)ではなく雑音n(t)を使用
してフィルタ係数wi(t)を大きく更新することにな
り、フィルタ係数を正しく更新できないと考えられる。
即ち、エコーキャンセラでは、エコー信号に雑音が外乱
として混入すると、エコー信号に対する雑音の比に応じ
て適応フィルタの収束が妨害され、誤差信号が増大す
る。
【0010】斯かる問題に対して、特開平7−2027
65号公報の「適応フィルタによるシステム同定の方法
および装置」に開示されている如く、学習同定法を用い
て計算されるステップサイズと比較して雑音パワーに応
じてステップサイズをより小さくすることで適応フィル
タの収束状態を維持することが提案されている。以下、
このアルゴリズムをASVT(Adaptive Step−size Va
riable Threshold)法という。図10は、この特許公報
に開示される第4実施形態のブロック図を示す。
【0011】システム同定装置は、エコーキャンセラ1
00として使用されている。構成は、図9に類似する
が、除算器109をステップサイズ決定回路104に置
換し、このステップサイズ決定回路104には、パワー
推定回路103の出力と共に誤差信号4を入力とする雑
音レベル推定回路106の出力が入力される。遠端音声
信号である参照入力信号1は、スピーカ10で音響信号
に変換され、未知システム11を含む音響経路を伝搬し
て、マイクロホン12に到達してエコー信号6となる。
マイクロホン12は、エコー信号6に雑音2が加えられ
たものを電気信号に変換し、観測信号3を得る。適応フ
ィルタ101は、参照入力信号1とフィルタ係数の畳み
込み演算を行い、結果を出力信号5として減算器102
に入力する。減算器102は、観測信号3から適応フィ
ルタ101の出力信号5を差し引き、減算結果である誤
差信号4をエコーキャンセラ100の出力信号とすると
共に、適応フィルタ101に入力する。
【0012】次に、パワー推定回路103は、参照入力
信号1のパワーPx(t)を推定し、推定結果をステッ
プサイズ決定回路104に入力する。雑音レベル推定回
路106は、参照入力信号1、誤差信号4および適応フ
ィルタ101の出力信号5に基づいて観測信号3に混入
した雑音2のレベルを推定し、推定結果をステップサイ
ズ決定回路104に入力する。ステップサイズ決定回路
104は、参照入力信号1のパワーと雑音レベルに基づ
いてステップサイズ105を決定し、適応フィルタ10
1に供給する。適応フィルタ101は、参照入力信号1
と誤差信号4およびステップサイズ105を使用して、
誤差信号4が最小になるようにフィルタ係数を修正す
る。ステップサイズ決定回路104は、ステップサイズ
μ(t)を決定する際に、第1の閾値Pthおよびステ
ップサイズμ(t)の最大値μmaxを雑音レベルPn
(t)に応じて変化させる。第1の閾値Pthは、雑音
レベルPn(t)が増加すると単調増加する関数、ステ
ップサイズの最大値μmaxは雑音レベルPn(t)が
増加すると単調減少する関数とする。このようなステッ
プサイズの決定方法としては、下記の式(8)
【数8】 から得られるステップサイズμ(t)と、下記の式
(9)
【数9】 から得られる閾値Pthの組み合わせである。この場
合、ステップサイズμ(t)の最大値μmaxは、下記
の式(10)で与えられる。
【数10】
【0013】図7は、この方法によって決定されるステ
ップサイズおよび学習同定法で決定されるステップサイ
ズの特性の比較結果を示す。図7から理解される如く、
ASVT法のステップサイズは、μmaxの点を境にし
て、参照入力信号1のパワーが大きくなるとステップサ
イズが単調減少して学習同定法のステップサイズ特性に
近くなる。また、参照入力信号1のパワーが小さくなっ
てもステップサイズが単調減少するので、学習同定法と
の比較においてステップサイズがより小さくなる。未知
システム11が線形性であれば、エコー信号6のパワー
は、参照入力信号1のパワーに比例する。そこで、雑音
レベルが一定であると仮定した場合には、参照入力信号
1のパワーが小さくなる程エコー信号6のパワーも小さ
くなる。それに従って、雑音レベルに対するエコー信号
6のパワーも小さくなる。上述したASVT法は、ステ
ップサイズを小さくして、適応フィルタの収束状態を維
持する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術では、外
乱の要素として背景雑音のみを考慮しているため、背景
雑音パワーの時間的変動が小さい場合が多いという特徴
を利用していて、雑音パワー推定回路は誤差信号パワー
の時間的変動に対して低速に追従し、参照入力信号パワ
ーが閾値以下である場合又は適応フィルタの出力信号
(疑似エコー)レベルが低いときのみ雑音パワーの推定
を行うという動作になる。
【0015】音響エコーキャンセラにおいては、背景雑
音による外乱に加えて近端話者音声も外乱の要因にな
る。エコー信号に近端話者音声が重畳しているこの状態
はダブルトーク状態と呼ばれている。ダブルトーク状態
の如く短時間に急激な誤差信号の変動が発生する場合に
は、外乱のパワーを正しく推定できないので、適応フィ
ルタの収束状態を維持できないという問題がある。
【0016】
【発明の目的】従って、本発明は、上述した課題に鑑み
てなされたものであり、ダブルトーク検出器では検出さ
れないようなエコーよりも小さいパワーの近端話者音声
(又は近端音声信号)による外乱が加わった場合でも、
適応フィルタの収束状態を維持する未知システムの特性
を推定するシステム同定方法および装置を提供すること
である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によるシステム同
定方法は、未知システムの出力信号に背景雑音と近端話
者音声が外乱として混入している観測信号から、参照入
力信号を適応フィルタで処理して得た出力信号を差し引
いて誤差信号を求め、適応フィルタの係数を誤差信号、
参照入力信号およびステップサイズを用いて、誤差信号
を最小とするように修正して未知システムの特性を推定
する方法であって、参照入力信号パワー、背景雑音レベ
ルおよび近端話者音声レベルをそれぞれ推定し、参照入
力信号パワー、背景雑音レベルおよび近端話者音声レベ
ルに応じてステップサイズを制御する。
【0018】本発明のシステム同定方法の好適実施形態
によると、近端話者音声レベルを推定する際に、誤差信
号パワーの立ち上がりに対する推定と、誤差信号パワー
の立ち下がりに対する推定の追従を異なる速度で行う。
また、近端話者音声レベルを推定する際に、近端話者音
声レベルの推定値よりも誤差信号パワーの方が大きい場
合には、近端話者音声レベルの推定値を即時に誤差信号
パワー値で置き換え、近端話者音声レベルの推定値より
も誤差信号パワーの方が小さい場合には、近端話者音声
レベルの推定値が、誤差信号パワーに漸次追従する。
【0019】また、本発明によるシステム同定装置は、
参照入力信号が入力されるパワー推定回路、適応フィル
タおよびスピーカ、スピーカの出力を未知システムに入
力し、未知システムからのエコー信号および雑音を入力
するマイクロホン、このマイクロホンの観測信号および
適応フィルタからの出力信号の誤差信号を求める減算
器、誤差信号を入力とする雑音レベル推定回路およびこ
の雑音レベル推定回路およびパワー推定回路の出力を受
け、ステップサイズを適応フィルタに入力するステップ
サイズ決定回路を含み、未知システムの特性を推定する
装置であって、マイクロホンに近端音声信号を入力し且
つ誤差信号を入力とし、出力をステップサイズ決定回路
に入力する近端音声レベル推定回路を備える。
【0020】本発明のシステム同定装置の好適実施形態
によると、雑音レベル推定回路および近端音声レベル推
定回路は、誤差信号を2乗する2乗回路と、この2乗回
路の出力および定数aの積を求める第1乗算器と、レベ
ル推定回路の推定結果を格納するレジスタと、このレジ
スタの出力および定数bの積を求める第2乗算器と、こ
れら第1および第2乗算器の出力を加算して推定結果を
得る加算器とを備える。また、近端音声レベル推定回路
は、誤差信号を2乗する2乗回路と、レベル推定回路の
出力を格納するレジスタと、このレジスタおよび2乗回
路の出力を比較する比較器と、この比較器の比較結果に
より定数を選択する1対の選択器と、これら選択器の選
択結果が入力される第1および第2乗算器と、これら両
乗算器の出力を加算して推定結果を得る加算器とを備え
る。
【0021】更に、近端音声レベル推定回路は、誤差信
号を2乗する2乗回路と、推定結果を格納するレジスタ
と、このレジスタおよび2乗回路の出力を比較する比較
器と、レジスタの出力および定数aの積を求める乗算器
と、この乗算器および2乗回路の出力を、比較器の比較
結果に基づいて選択する選択器とを備える。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の上述したおよび他の目
的、特徴および利点を明確にすべく、以下添付図を参照
しながら、本発明によるシステム同定方法および装置の
好適実施形態の構成および動作を詳細に説明する。
【0023】先ず、図1乃至図4を参照して、受信信号
がスピーカから空間音響経路を伝搬してマイクロホンで
収録される音響エコーを除去するエコーキャンセラを例
にとり説明する。この例では、システム同定装置はエコ
ーキャンセラとして用いられている。図1は、本発明に
よるシステム同定装置(又はエコーキャンセラ)の好適
実施形態の全体構成を示すブロック図である。図2は、
図1中の適応フィルタの具体的構成図である。図3は、
図2中の演算回路の詳細構成例である。また、図4は、
図1中の雑音レベル推定回路/近端音声レベル推定回路
の具体的構成例である。
【0024】図1に示す本発明によるシステム同定回路
の好適実施形態であるエコーキャンセラ100の構成を
説明する。図10を参照して上述した従来技術と類似点
が多く、対応する構成要素には同様の参照符号を使用す
る。このシステム同定回路又はエコーキャンセラ100
は、スピーカ10、マイクロホン12、適応フィルタ1
01、減算器102、パワー推定回路103、ステップ
サイズ決定回路104および雑音レベル推定回路106
と共に近端音声レベル推定回路107により構成され
る。スピーカ10からの音響出力は、未知システム11
に入力され、それから出力されるエコー信号6、雑音2
および近端音声信号7がマイクロホン12に入力され
る。
【0025】また、参照入力信号1が、スピーカ10、
適応フィルタ101およびパワー推定回路103に入力
される。この参照入力信号1は、スピーカ10で音響信
号に変換され、未知システム11を含む音響経路を伝搬
して、マイクロホン12に入力されるエコー信号6とな
る。マイクロホン12は、エコー信号6に雑音2および
近端音声信号7が重畳されたものを電気信号に変換し、
観測信号3とする。適応フィルタ101は、参照入力信
号1とフィルタ係数の畳み込み演算を行い、結果を出力
信号5として減算器102に入力する。減算器102
は、観測信号3から適応フィルタ101の出力信号5を
差し引き、減算結果である誤差信号4をエコーキャンセ
ラ100の出力信号とする。更に、誤差信号4は、適応
フィルタ101、雑音レベル推定回路106および近端
音声レベル推定回路107に入力される。
【0026】パワー推定回路103は、参照入力信号1
のパワーPx(t)を推定し、推定結果をステップサイ
ズ決定回路104に入力する。雑音レベル推定回路10
6は、誤差信号4に基づいて観測信号3に混入した背景
雑音2のレベルを推定し、推定結果をステップサイズ決
定回路104に入力する。一方、近端音声信号レベル推
定回路107は、誤差信号4に基づいて観測信号3に混
入した近端音声信号7のレベルを推定し、推定結果をス
テップサイズ決定回路104に入力する。ステップサイ
ズ決定回路104は、参照入力信号1のパワーと雑音2
のレベルおよび近端音声信号7のパワーに基づいてステ
ップサイズ105を決定し、適応フィルタ101に入力
される。適応フィルタ101は、参照入力信号1、誤差
信号4およびステップサイズ105を使用して、誤差信
号4が最小となるように適応フィルタ101のフィルタ
係数を修正する。
【0027】次に、図2は、適応フィルタ101の詳細
構成例を示す。この適応フィルタ101は、縦続接続さ
れた複数段の演算回路201a〜201n(これら20
1a〜201nを総称して参照符号201を使用する)、
定数レジスタ202および乗算器203により構成され
る。この適応フィルタ101には、参照入力信号1が入
力され、出力信号5を求める。また、誤差信号4および
ステップサイズ105が乗算器203に入力され、その
出力が演算回路201に入力される。この誤差信号20
3が小さくなるように適応フィルタ101のフィルタ係
数を更新する。適応フィルタ101への参照入力信号1
は、遅延器入力として第1演算回路201aに入力され
る。第1演算回路201aは、適応フィルタ101への
参照入力信号1を遅延器入力とし、定数レジスタ202
に格納されている定数0を加算器入力として、遅延処
理、畳み込み演算および係数更新を行う。また、遅延器
出力を第2演算回路201bの遅延器入力に入力し、加
算器出力を第2演算回路201bの加算器に入力する。
【0028】第2演算回路201bは、第1演算回路2
01aの遅延器出力を遅延器入力とし、第1演算回路2
01aの加算器出力を加算器に入力して遅延処理、畳み
込み演算および係数更新を行う。遅延器出力を第3演算
回路201cの遅延器に入力し、加算器出力を第3演算
回路201cの加算器に入力する。第j番の演算回路2
01j(j=3、...、n−1)は、第2演算回路2
01bと同様に、第j−1番の演算回路201j−1の
遅延器出力を遅延器入力とし、第j−1番の演算回路2
01j−1の加算器出力を加算器入力として遅延処理、
畳み込み演算および係数更新を行う。遅延器出力j+1
番を第3の演算回路201j+1の遅延器入力に供給
し、加算器出力を第j+1番の演算回路201j+1の
加算器入力に供給する。同様に、第n番の演算回路20
1nは、第n−1番の演算回路201n−1の遅延器出
力を遅延器入力とし、第n−1番の演算回路201n−
1の加算器出力を加算器入力として遅延処理、畳み込み
演算および係数更新を行う。加算器出力が適応フィルタ
101の出力信号5となる。第n番の演算回路201n
の遅延器出力は使用しない。乗算器203は、誤差信号
4にステップサイズ105を乗じ、乗算結果をn個の演
算回路201a〜201nに入力する。
【0029】次に、図3は、図2中に示す演算回路20
1の具体例の構成を示すブロック図である。この演算回
路201は、遅延器226、第1乗算器227、第2乗
算器229、第1加算器228、第2加算器230およ
び係数レジスタ231により構成される。そして、この
演算回路201は、遅延器入力221、加算器入力22
2およびフィルタ係数更新量223を入力とし、遅延処
理、畳み込み演算および係数更新を行い、遅延器出力2
24および加算器出力225を出力する。遅延器入力2
21は、遅延器226および第1乗算器227に入力さ
れる。遅延器226は、遅延器入力221を1サンプル
遅延させたものを遅延器出力224として出力する。第
1乗算器227は、遅延器入力221および係数レジス
タ231の内容を乗算し、乗算結果を第1加算器228
に入力する。第1加算器228は、第1乗算器227の
乗算結果および加算器入力222を加算し、加算結果を
加算器出力225として出力する。第2乗算器229
は、遅延器入力221およびフィルタ係数更新量223
を乗算し、乗算結果を第2加算器230に入力する。第
2加算器230は、第2乗算器229の乗算結果および
係数レジスタ231の内容を加算し、加算結果を係数レ
ジスタ231に格納する。
【0030】以上、図2および図3を参照してトランス
バーサル型適応フィルタの例を説明したが、本発明はス
テップサイズを用いてフィルタ係数を更新する任意の適
応フィルタに適応できる。例えば、再帰型適応フィルタ
および非線形適応フィルタ等への適応も可能である。
【0031】次に、図4は、雑音レベル推定回路106
の具体例の構成を示す。この雑音レベル推定回路106
は、2乗回路303、第1乗算器304、第2乗算器3
06、加算器305およびレジスタ307により構成さ
れる。この雑音レベル推定回路106は、誤差信号4を
入力とし、雑音レベル推定値302を出力する。誤差信
号4は、2乗回路303に入力されて2乗演算され、第
1乗算器304に入力される。第1乗算器304では、
誤差信号4の2乗値および係数aの乗算値を求めて、加
算器305に入力される。また、レジスタ307の出力
は、第2乗算器306に入力され、係数bとの乗算値を
得る。第2乗算器306の出力は、加算器305に入力
される。加算器305は、第1乗算器304の出力およ
び第2乗算器306の出力を加算した結果を、レジスタ
307に入力すると共に雑音レベル推定回路106の出
力とする。係数aは、平均化の追従速度を決定する定数
である。係数bは、(1−a)の定数である。
【0032】図4は、また、近端音声レベル推定回路1
07の具体例の構成図でもある。この近端音声レベル推
定回路107は、誤差信号4を入力とし、近端音声レベ
ル推定値302を出力とする。係数a’は、平均化の追
従速度を決定する定数であり、係数b’は、(1−
a’)と等しい定数である。近端音声レベル推定回路1
07に使用される係数a’およびb’は、上述した雑音
レベル推定回路106に使用される係数aおよびbとは
異なる値である。
【0033】次に、図1を参照して説明する。参照入力
信号1をx(t)、背景雑音2をn(t)、近端音声信
号7をs(t)および観測信号3をd’(t)の関係
は、下記の式(11)で与えられる。
【数11】 エコーキャンセラ100が収束している状態では、未知
システム11の同定誤差hi−wi(t)が ゼロと見
なすことができるので、上述した式(11)および式
(2)により、図1のシステム同定装置(100)にお
ける誤差信号e’(t)は、下記の式(12)となり、
背景雑音2および近端音声信号7だけになる。
【数12】
【0034】一般に、背景雑音2よりも近端音声信号7
の方が大パワーで且つパワーの時間的変動が著しいの
で、本発明では近端音声信号7のパワーの推定に、誤差
信号e(t)に背景雑音2のパワー推定に使用する回路
と比較してパワーの時間的変動に高速に追従するリーク
積分回路を使用する。近端音声信号レベル推定回路10
7の構成は、図4の通りであるが、乗算器304および
306に入力する係数a’およびb’の値に、雑音パワ
ー推定回路106に使用しているものとは異なる値を使
用する。
【0035】次に、本発明によって、近端音声信号レベ
ル推定回路107の推定値がステップサイズ決定回路1
04に供給された結果を説明する。雑音2のレベルが一
定と仮定すると、背景雑音レベル推定値は殆ど変動しな
いので、ASVT法によるとステップサイズ特性曲線は
背景雑音レベルによって一意に決定される。例えば、図
7に示す特性曲線中の1本の曲線に従ってステップサイ
ズを算出することになる。これに対して、本発明では、
背景雑音レベルが一定であっても近端話者音声レベルが
変動すればステップサイズ特性も変動するので、図7の
特性曲線が任意に移動することになる。従って、エコー
信号に対する外乱として雑音2、近端話者音声信号7又
はこれら両方が重畳された場合においても、適応フィル
タ101の収束状態を維持して誤差信号4の増大を抑制
するという効果が得られる。特に、参照入力信号1のパ
ワーが大きい状態のときに、同時に近端話者音声信号7
が割り込んでくるダブルトーク状態の場合には、近端音
声信号7のレベルに応じてフィルタ係数修正のステップ
サイズを小さくすることができる。そこで、誤差信号4
の増大を抑制するのに有効である。
【0036】図8は、図7の参照入力信号パワーに対す
るステップサイズ特性を別の観点から見たものであり、
参照入力信号パワー対誤差信号パワー比に対するステッ
プサイズ比を示したものである。ここで、参照入力信号
パワー対誤差信号パワー比とは、誤差信号のパワー/参
照入力信号のパワーであり、エコー信号の抑圧の程度を
表す数値である。この数値が大きいほど誤差信号4が小
さくなる。また、ステップサイズ比とは、本発明による
ステップサイズ/学習同定法によるステップサイズの如
く、学習同定法によって求められるステップサイズに対
する本発明によるシステム同定方法又はASVT法によ
って求められるステップサイズの比である。
【0037】本発明によるシステム同定方法およびAS
VT法は、誤差信号パワーが充分に小さいときは学習同
定法と比較してステップサイズが略同じになり、逆に誤
差信号パワーが大きいときはステップサイズがゼロに近
くなる特性を持っている。ASVT法と本発明によるシ
ステム同定方法との違いは、ダブルトーク時に顕著に現
れる。ASVT法では、参照入力信号パワーが大きいと
き、雑音パワー推定回路は停止しているので、ダブルト
ーク時には雑音パワー推定値が一定値になり特性曲線は
一意に決定されてしまう。このダブルトーク期間に、係
数の修正誤りが徐々に大きくなっていったとしても、ス
テップサイズは参照入力信号パワーとダブルトークにな
る直前の背景雑音パワー推定値から決定され続ける。し
かし、本発明によるシステム同定方法では、ダブルトー
ク中でも近端音声信号レベル推定回路が動作しているの
で、近端音声信号が割り込んできて誤差信号パワーが大
きくなる方向に係数修正が進むと、誤差信号パワーの増
大を受けて特性曲線が右方向に移動して、ステップサイ
ズを小さくする方向に特性が変化する。
【0038】一般に、学習同定法のステップサイズ算出
式である式(5)において、μ0がゼロに近い程、収束
速度は小さくなる。しかし、フィルタ係数の修正量が小
さくなって適応フィルタ101の安定度が増加し、 逆
に、μ0=1.0のときに収束速度が最大となることが
知られている。このことから、ステップサイズが学習同
定法と比較してより小さくなることで適応フィルタ10
1の安定度が増加して、ダブルトーク検出器で検出でき
ないような小さい近端音声信号が重畳した場合や、ダブ
ルトークの検出遅延がある場合によって発生する誤った
学習状態においても、誤差信号を小さく抑えることがで
きる。従って、本発明によると、未知システム特性の推
定誤差を小さくすることができる。
【0039】次に、本発明によるシステム同定方法およ
び装置の他の実施形態を説明する。その基本的構成は、
上述の通りであるが、近端音声信号パワーの推定方法に
ついて更に工夫している。音声信号は、背景雑音と比較
して時間的変動が大きく、信号パワーの立ち上がりが早
いことが特徴であるから、音声信号パワーの時間的変動
に対する追従性を高めることを意図している。
【0040】図5は、本発明による第2実施形態におけ
る近端音声レベル推定回路107’の構成を示すブロッ
ク図である。この近端音声レベル推定回路107’は、
2乗回路403、乗算器404、406、加算器40
5、レジスタ407、比較器408および1対の選択器
(セレクタ)409、410により構成される。近端音
声レベル推定回路107’は、誤差信号4を入力とし、
近端音声レベル推定値402を出力とする。誤差信号4
は、2乗回路403に入力されて2乗演算され、乗算器
404および比較器408に入力される。乗算器404
では、誤差信号4の2乗値および選択器409により選
択された係数の積が求められ、加算器405に入力され
る。また、レジスタ407の出力は、乗算器406と比
較器408に入力される。乗算器406では、レジスタ
407の出力および選択器410により選択された係数
の積が求められる。乗算器406の出力は、加算器40
5に入力される。加算器405は、乗算器404の出力
および乗算器406の出力の加算結果をレジスタ407
に入力すると共に近端音声レベル推定回路107’の出
力とする。比較器408には、2乗回路403の出力お
よびレジスタ407の出力が入力され、数値の大小比較
が行われ、その比較結果を選択器409、410に入力
する。選択器409、410は、大小比較結果に従って
連動して動作し、係数a1、b1又は係数a2、b2の
何れかの数値の組み合わせを選択する。係数a1、a2
は、平均化の追従速度を決定する定数である。ここで、
係数b1は、(1−a1)であり、b2は、(1−b
2)と等しい定数である。
【0041】次に、この近端音声レベル推定回路10
7’の動作を説明する。レジスタ407は、近端音声レ
ベル推定回路107’の推定結果を保持している。比較
器408は、推定結果と新しく入力されてくる誤差信号
4の2乗結果を比較して、推定結果と誤差信号4の2乗
値との大小関係を判断する。小さい場合には、係数a
1、b1の組を選択し、大きい場合には係数a2、b2
の組を選択する。推定結果が誤差信号4の2乗値よりも
小さい場合には、近端音声信号パワーが増加する方向に
変動しているから、係数a1、b1の組は、信号パワー
の立ち上がりに追従できる数値を準備しておく。一方、
推定結果が誤差信号の2乗値よりも大きい場合には、近
端音声信号パワーが減少する方向に変動しているから、
係数a2、b2の組は、信号パワーの立ち下がりに追従
できる数値を準備しておく。
【0042】次に、図6は、本発明による第3実施形態
における近端音声レベル推定回路の構成を示すブロック
図である。この近端音声レベル推定回路107”は、2
乗回路503、選択器504、レジスタ505、乗算器
506および比較器507により構成される。この近端
音声レベル推定回路107”は、誤差信号4を入力と
し、近端音声レベル推定値502を出力とする。誤差信
号4は、2乗回路503に入力されて2乗演算され、選
択器504および比較器507に入力される。選択器5
04は、その出力をレジスタ505に入力すると共に近
端音声レベル推定回路107”の出力とする。また、レ
ジスタ505の出力は、乗算器506および比較器50
7に入力される。乗算器506は、レジスタ505の出
力および係数aの積を求めて選択器504に入力する。
係数aは、追従速度を決定する定数である。比較器50
7には、2乗回路503の出力とレジスタ505の出力
が入力され、数値の大小比較が行われ、その比較結果を
選択器504に入力する。選択器504は、比較器50
7の比較結果に基づいて動作し、2乗回路503の出力
又はレジスタ505の出力を選択して、選択器504の
出力である近端音声レベル推定値(又は推定結果)50
2とする。
【0043】この近端音声レベル推定回路107”の動
作を説明する。レジスタ505は、近端音声レベル推定
回路107”の推定結果502を保持している。比較器
507は、推定結果と新しく入力されてくる誤差信号4
の2乗値を比較して、推定結果502と誤差信号4の2
乗値との大小関係を判断している。小さい場合には誤差
信号4の2乗値を選択し、大きい場合には乗算器506
の出力を選択する。推定結果502が誤差信号4の2乗
値よりも小さい場合には、近端音声信号パワーが増加す
る方向に変動しているから、推定結果502を新たに誤
差信号4の2乗値に置き換えることで、瞬時に近端音声
信号パワーの増加変動に追従する。推定結果502が誤
差信号4の2乗値よりも大きい場合には、近端音声信号
パワーが減少する方向に変動しているから、信号パワー
の立ち下がりに追従できるように乗算器506の出力を
選択する。ここで、係数aは、音声信号の減衰特性や、
室内等の残響特性を考慮して設定しておく。
【0044】以上、本発明によるシステム同定方法およ
び装置の好適実施形態の構成および動作を詳述した。し
かし、斯かる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎ
ず、何ら本発明を限定するものではないことに留意され
たい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応
じて種々の変形変更が可能であること、当業者には容易
に理解できよう。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、本発明
のシステム同定方法および装置によると、次の如き実用
上の顕著な効果が得られる。即ち、参照入力信号のパワ
ーや雑音レベルに加えて、割り込んできた近端音声信号
のパワーに応じてステップサイズを変更という基本構成
に基づき、雑音および割り込み信号がエコーに混入した
状態でもフィルタ係数を正しく更新することを実現した
音響エコーキャンセラが得られる。また、未知システム
特性の推定誤差を小さくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシステム同定装置を音響エコーキ
ャンセラとして使用した第1実施形態のブロック図であ
る。
【図2】図1に示す適応フィルタの詳細構成を示すブロ
ック図である。
【図3】図2に示す演算回路の詳細構成を示すブロック
図である。
【図4】図1に示す雑音レベル測定回路および近端音声
レベル測定回路の詳細構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す近端音声レベル測定回路の別の具体
例の構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示す近端音声レベル測定回路の更に他の
具体例の構成を示すブロック図である。
【図7】参照入力信号パワーに対する学習同定法で決定
されるステップサイズとASVT法によって決定される
ステップサイズを比較した特性図である。
【図8】参照入力信号パワー対誤差信号パワー比に対す
る学習同定法により求められるステップサイズを基準に
した本発明およびASVT法により求められるステップ
サイズの比を示す特性図である。
【図9】従来の学習同定法に基づく音響エコーキャンセ
ラの構成を示すブロック図である。
【図10】従来のエコーキャンセラの構成を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 参照入力信号 2 雑音 3 観測信号 4 誤差信号 5 適応フィルタの出力信号 6 エコー信号 7 近端音声信号 10 スピーカ 11 未知システム 12 マイクロホン 100 エコーキャンセラ 101 適応フィルタ 102 減算器 103 パワー推定回路 104 ステップサイズ決定回路 105 ステップサイズ 106 雑音レベル推定回路 107 近端音声レベル推定回路 201 演算回路 226 遅延器 203、227、229、304、306、404、4
06、506 乗算器 231、307、407、505 レジスタ 228、230、305、405 加算器 409、410、504 選択器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未知システムの出力信号に背景雑音と近端
    話者音声が外乱として混入している観測信号から、参照
    入力信号を適応フィルタで処理して得た出力信号を差し
    引いて誤差信号を求め、前記適応フィルタの係数を前記
    誤差信号、前記参照入力信号およびステップサイズを用
    いて、前記誤差信号を最小とするよう修正して前記未知
    システムの特性を推定するシステム同定方法において、 前記参照入力信号パワー、前記背景雑音レベルおよび前
    記近端話者音声レベルをそれぞれ推定し、前記参照入力
    信号パワー、前記背景雑音レベルおよび前記近端話者音
    声レベルに応じて前記ステップサイズを制御することを
    特徴とするシステム同定方法。
  2. 【請求項2】前記近端話者音声レベルを推定する際に、
    前記誤差信号パワーの立ち上がりに対する推定と、前記
    誤差信号パワーの立ち下がりに対する推定の追従を異な
    る速度で行うことを特徴とする請求項1に記載のシステ
    ム同定方法。
  3. 【請求項3】前記近端話者音声レベルを推定する際に、
    前記近端話者音声レベルの推定値よりも前記誤差信号パ
    ワーの方が大きい場合には、前記近端話者音声レベルの
    推定値を即時に前記誤差信号パワー値で置き換え、前記
    近端話者音声レベルの推定値よりも前記誤差信号パワー
    の方が小さい場合には、前記近端話者音声レベルの推定
    値が、前記誤差信号パワーに漸次追従することを特徴と
    する請求項1に記載のシステム同定方法。
  4. 【請求項4】参照入力信号が入力されるパワー推定回
    路、適応フィルタおよびスピーカ、該スピーカの出力を
    未知システムに入力し、該未知システムからのエコー信
    号および雑音を入力するマイクロホン、該マイクロホン
    の観測信号および前記適応フィルタからの出力信号の誤
    差信号を求める減算器、前記誤差信号を入力とする雑音
    レベル推定回路および該雑音レベル推定回路および前記
    パワー推定回路の出力を受け、ステップサイズを前記適
    応フィルタに入力するステップサイズ決定回路を含み、
    前記未知システムの特性を推定するシステム同定装置に
    おいて、 前記マイクロホンに近端音声信号を入力し且つ前記誤差
    信号を入力とし、出力を前記ステップサイズ決定回路に
    入力する近端音声レベル推定回路を備えることを特徴と
    するシステム同定装置。
  5. 【請求項5】前記雑音レベル推定回路および前記近端音
    声レベル推定回路は、前記誤差信号を2乗する2乗回路
    と、該2乗回路の出力および定数aの積を求める第1乗
    算器と、前記レベル推定回路の推定結果を格納するレジ
    スタと、該レジスタの出力および定数bの積を求める第
    2乗算器と、前記第1および第2乗算器の出力を加算し
    て前記推定結果を得る加算器とを備えることを特徴とす
    る請求項4に記載のシステム同定装置。
  6. 【請求項6】前記近端音声レベル推定回路は、前記誤差
    信号を2乗する2乗回路と、前記レベル推定回路の出力
    を格納するレジスタと、該レジスタおよび前記2乗回路
    の出力を比較する比較器と、該比較器の比較結果により
    定数を選択する1対の選択器と、該選択器の選択結果が
    入力される第1および第2乗算器と、該両乗算器の出力
    を加算して前記推定結果を得る加算器とを備えることを
    特徴とする請求項4に記載のシステム同定装置。
  7. 【請求項7】前記近端音声レベル推定回路は、前記誤差
    信号を2乗する2乗回路と、推定結果を格納するレジス
    タと、該レジスタおよび前記2乗回路の出力を比較する
    比較器と、前記レジスタの出力および定数aの積を求め
    る乗算器と、該乗算器および前記2乗回路の出力を前記
    比較器の比較結果に基づいて選択する選択器とを備える
    ことを特徴とする請求項4に記載のシステム同定装置。
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