JPWO2013054459A1 - ハウリング抑圧装置、補聴器、ハウリング抑圧方法、及び集積回路 - Google Patents

ハウリング抑圧装置、補聴器、ハウリング抑圧方法、及び集積回路 Download PDF

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Abstract

ハウリング抑圧装置は、擬似帰還信号を入力信号から減算する減算器(102)と、次の入力信号のための擬似帰還信号を生成する適応フィルタ(107)と、適応フィルタ(107)のフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御部(108)とを備え、係数更新制御部(108)は、入力信号の信号レベルを算出するレベル算出部と、入力信号の信号レベルの単位時間当たりの増加量が閾値を上回る立上り位置を検出する信号立上り検出部と、立上り位置から、入力信号の信号レベルが時間の経過と共に徐々に狭まる所定の範囲を外れた位置までの余韻区間を検出する余韻区間検出部と、余韻区間における更新速度を第1の速度に設定し、余韻区間以外の区間における更新速度を第1の速度より速い第2の速度に設定する更新速度制御部とを備え、適応フィルタ(107)は、フィルタ係数を更新速度制御部で設定された更新速度で更新する。

Description

本発明は、マイクロホンとスピーカとを有する音響装置において、スピーカとマイクロホンとの間の音響結合により発生するハウリングを自動的に検出及び抑圧するハウリング抑圧装置に関するものである。
ハウリングは、スピーカから出力された音がマイクロホンへ帰還することで起こる音のループが引き起こす発振現象である。一旦音響ループが形成されると、強いピークを持つ正弦波状信号が発生し、ループが切れるまで特定の周波数の音が増幅し続ける。
従来のハウリング抑圧装置としては、適応フィルタを用いた適応処理によってマイクロホンとスピーカとの間の空間伝達特性を推定し、適応フィルタが生成した擬似帰還信号を入力信号から差し引くことで音響ループを断ち切り、ハウリングを抑圧するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2009−532924号公報
しかしながら、従来のハウリング抑圧装置では、マイクロホンで収音した音に含まれるハウリング成分の誤検出等によって、適応フィルタの空間伝達特性の推定性能が低下したり、処理音の音質が劣化したりする可能性があるという課題を有している。
本発明は、従来の課題を解決するもので、フィードバックが引き起こすハウリングの検出精度を向上させ、適応的にハウリングを抑圧するハウリング抑圧装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係るハウリング抑圧装置は、入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧する。具体的には、ハウリング抑圧装置は、前記入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、前記入力信号から減算して誤差信号を生成する減算器と、前記誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の前記入力信号のための前記擬似帰還信号を生成する適応フィルタと、前記適応フィルタのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御部とを備える。前記係数更新制御部は、前記入力信号の信号レベルを算出するレベル算出部と、前記入力信号の信号レベルの単位時間当たりの増加量が閾値を上回る立上り位置を検出する信号立上り検出部と、前記立上り位置を始端とし、前記入力信号の信号レベルが時間の経過と共に徐々に狭まる所定の範囲を外れた位置を終端とする余韻区間を検出する余韻区間検出部と、前記余韻区間における前記更新速度を第1の速度に設定し、前記余韻区間以外の区間における前記更新速度を前記第1の速度より速い第2の速度に設定する更新速度制御部とを備える。そして、前記適応フィルタは、前記誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、前記更新速度制御部で設定された前記更新速度で更新する。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本発明によれば、フィードバックが引き起こすハウリングの検出精度を向上させ、適応的にハウリングを抑圧することができる。
図1は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の基本ブロック図である。 図2は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の係数更新制御部の詳細ブロック図である。 図3は、正弦波状信号の時間波形例を示すグラフである。 図4は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の信号立上り検出部のフローチャートである。 図5は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の余韻区間検出部の詳細ブロック図である。 図6は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の信号区間検出部のフローチャートである。 図7は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の状態判定部、更新速度制御部のフローチャートである。 図8は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の更新制御過程を示すグラフである。 図9は、実施の形態2におけるハウリング抑圧装置の余韻区間検出部の詳細ブロック図である。 図10は、本発明の実施の形態2におけるハウリング抑圧装置の信号区間検出部のフローチャートである。 図11は、実施の形態2におけるハウリング抑圧装置の更新制御過程を示すグラフである。 図12は、実施の形態3におけるハウリング抑圧装置の係数更新制御部の詳細ブロック図である。 図13は、実施の形態3におけるハウリング抑圧装置のレベル判定部のフローチャートである。 図14は、実施の形態3におけるハウリング抑圧装置の状態判定部のフローチャートである。 図15は、実施の形態4におけるハウリング抑圧装置の係数更新制御部の詳細ブロック図である。 図16は、実施の形態4におけるハウリング抑圧装置のピーク検出部の詳細ブロック図である。 図17は、実施の形態4におけるハウリング抑圧装置のピーク検出部のフローチャートである。 図18は、実施の形態4におけるハウリング抑圧装置の状態判定部のフローチャートである。 図19は、特許文献1におけるハウリング抑圧装置のブロック図である。
(本発明の基礎となった知見)
図19は、特許文献1に記載されたハウリング抑圧装置の構成を示すブロック図である。
図19において、ハウリング抑圧装置は、入力音を入力信号に変換するマイクロホン801、マイクロホン801の入力信号から適応フィルタ806の出力信号を減算してエラー信号を出力する減算器802、エラー信号に増幅利得を適用することによってプロセッサ出力信号を生成する補聴器プロセッサ803、補聴器プロセッサ803の出力信号を出力音に変換するスピーカ804、補聴器プロセッサ803の出力信号を遅延させる遅延器805、遅延器805の出力信号に対しフィルタ係数を適用することによって、適応フィルタ出力信号(擬似帰還信号)を適応的に導出する適応フィルタ806、補聴器プロセッサ803の出力信号の自己相関を算出する自己相関算出部807、自己相関算出部807で算出された自己相関の値を閾値によって判定し、適応速度の変更を決定する閾値判定部808、閾値判定部808の判定結果から適応フィルタ806の更新速度を決定する更新制御部809から構成される。
マイクロホン801から入力された信号は、補聴器プロセッサ803を通って増幅され、スピーカ804から出力される。この時、スピーカ804の出力信号の一部は帰還信号として再びマイクロホン801へ入力される。そして、この音のループが途切れることなく補聴器プロセッサ803で増幅され続けると、信号の発振現象であるハウリングが発生する。そこで、適応フィルタ806にスピーカ804とマイクロホン801との間の空間伝達特性を推定させることで、ハウリングの基となる帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を生成し、減算器802で入力信号から推定した擬似帰還信号を差し引くことでハウリングを抑圧することができる。
適応フィルタ806には、自己相関の強い信号を優先的に推定するという性質がある。すなわち、正弦波状信号が入力されると、適応フィルタは正弦波状信号の特性を模擬するように更新を進める。適応フィルタ806のフィルタ特性の更新アルゴリズムは、減算器802を通った後のエラー信号を小さくするように働くが、この正弦波状信号を打ち消すように更新を進めてしまうと、更新を進めれば進めるほど信号の歪みが大きくなる。その結果、著しい音質劣化やハウリングを引き起こす。そこで、このような入力信号に対しては、適応フィルタ806の更新を止めたり緩めたりするなどして出力信号に歪みを生じさせない工夫が必要となる。そこで、特許文献1のハウリング抑圧装置は、信号の自己相関の値から入力信号が純音(pure tone)であると判定されると、更新を一時的に停止する構成を備えている。
このように、特許文献1に記載されたハウリング抑圧装置は、信号の自己相関を閾値判定することによって適応フィルタ806の更新制御を行い、純音を検出すると適応フィルタ806の更新を一時的に停止して適応フィルタ806のフィルタ係数の破壊を抑えることが可能である。
しかしながら、特許文献1の構成では、純音の判定を信号の自己相関のみで行うため、ハウリングのように本来抑圧すべき信号で自己相関の高いものを誤判定してしまい、誤った適応フィルタ806の更新によって本来抑圧すべき音を打ち消さなかったり、音質の劣化を招いたりする可能性があるという課題を有している。
そこで、上記の課題を解決するために本発明の一形態に係るハウリング抑圧装置は、入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧する。具体的には、ハウリング抑圧装置は、前記入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、前記入力信号から減算して誤差信号を生成する減算器と、前記誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の前記入力信号のための前記擬似帰還信号を生成する適応フィルタと、前記適応フィルタのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御部とを備える。前記係数更新制御部は、前記入力信号の信号レベルを算出するレベル算出部と、前記入力信号の信号レベルの単位時間当たりの増加量が閾値を上回る立上り位置を検出する信号立上り検出部と、前記立上り位置を始端とし、前記入力信号の信号レベルが時間の経過と共に徐々に狭まる所定の範囲を外れた位置を終端とする余韻区間を検出する余韻区間検出部と、前記余韻区間における前記更新速度を第1の速度に設定し、前記余韻区間以外の区間における前記更新速度を前記第1の速度より速い第2の速度に設定する更新速度制御部とを備える。そして、前記適応フィルタは、前記誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、前記更新速度制御部で設定された前記更新速度で更新する。
本構成によって、入力信号の信号レベルを用いた信号立上り検出によって突発性の信号を検出し、さらに信号区間検出によって正弦波状信号を検出して、適応フィルタの更新速度を通常時より減速させることで、適応フィルタの誤適応とそれに伴う処理音の音質劣化を低減することができる。なお、本明細書において、「適応フィルタのフィルタ係数の更新」を、単に「適応フィルタの更新」と表記することがある。
さらに、前記係数更新制御部は、前記入力信号の信号レベルが所定の値を超えているか否かを、前記余韻区間の単位時間毎に判定するレベル判定部を備えてもよい。そして、前記更新速度制御部は、前記余韻区間のうち、前記入力信号の信号レベルが前記所定の値を超えている区間における前記更新速度を前記第1の速度に設定し、前記入力信号の信号レベルが所定の値以下の区間における前記更新速度を前記第2の速度に設定してもよい。
本構成によって、入力信号のレベルの大きさに応じて適応フィルタのフィルタ係数の更新速度を適応的に調整することができる。
さらに、前記係数更新制御部は、前記入力信号の信号レベルを周波数信号に変換する周波数分析部と、前記周波数信号にピークが存在するか否かを判断するピーク検出部とを備えてもよい。そして、前記更新速度制御部は、前記周波数信号にピークが複数存在する場合に、前記余韻区間における前記更新速度を前記第1の速度に設定し、前記余韻区間以外の区間における前記更新速度を前記第2の速度に設定してもよい。
本構成によって、入力信号の周波数特性を分析することで正弦波状信号の判定を行うことができるため、より精度良く適応フィルタの更新制御を行うことが可能となる。
一例として、前記信号立上り検出部は、前記入力信号の信号レベルの時間方向の傾き値を前記閾値と比較することによって、前記立上り位置を検出してもよい。
本構成のように、信号レベルの時間方向の傾き値を観察することで、適応フィルタの更新制御を精度良く行う事が可能となる。
他の例として、前記信号立上り検出部は、前記入力信号の信号レベルの時間方向の差分値を前記閾値と比較することによって、前記立上り位置を検出してもよい。
本構成のように、信号レベルの時間方向の差分値を観察することで、適応フィルタの更新制御を精度良く行うことが可能となる。
さらに、前記余韻区間検出部は、前記所定の範囲の最大値を、時間の経過と共に徐々に減少させる最大値算出部と、前記入力信号の信号レベルが前記最大値に達した位置を前記余韻区間の終端と判定する余韻区間判定部とを備えてもよい。
本構成によって、徐々に減少する最大値ホールドと信号レベルとを比較することにより、正弦波状信号の余韻区間を判定することができるので、適応フィルタの更新制御を精度良く行うことが可能となる。
さらに、前記余韻区間検出部は、前記所定の範囲の最小値を、時間の経過と共に徐々に増加させる最小値算出部と、前記入力信号の信号レベルが前記最小値に達した位置を前記余韻区間の終端と判定する余韻区間判定部とを備えてもよい。
本構成によって、徐々に増加する最小値ホールドと信号レベルとを比較することにより正弦波状信号の余韻区間を判定することができるので、適応フィルタの更新制御を精度良く行うことが可能となる。
本発明の一形態に係る補聴器は、周囲の音を収音して前記入力信号に変換する収音部と、上記に記載のハウリング抑圧装置と、前記減算器で生成された前記誤差信号を出力音に変換して出力する出力部とを備える。
この構成によって、ハウリングによる不快感を低減した補聴器を実現できる。
本発明の一形態に係るハウリング抑圧方法は、入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧する方法である。具体的には、ハウリング抑圧方法は、前記入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、前記入力信号から減算して誤差信号を生成する減算ステップと、前記誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の前記入力信号のための前記擬似帰還信号を生成する適応フィルタステップと、前記適応フィルタステップでのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御ステップとを含む。前記係数更新制御ステップは、前記入力信号の信号レベルを算出するレベル算出ステップと、前記入力信号の信号レベルの単位時間当たりの増加量が閾値を上回る立上り位置を検出する信号立上り検出ステップと、前記立上り位置を始端とし、前記入力信号の信号レベルが時間の経過と共に徐々に狭まる所定の範囲を外れた位置を終端とする余韻区間を検出する余韻区間検出ステップと、前記余韻区間における前記更新速度を第1の速度に設定し、前記余韻区間以外の区間における前記更新速度を前記第1の速度より速い第2の速度に設定する更新速度制御ステップとを含む。そして、前記適応フィルタステップでは、前記誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、前記更新速度制御ステップで設定された前記更新速度で更新する。
本発明の一形態に係る集積回路は、入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧する。具体的には、集積回路は、前記入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、前記入力信号から減算して誤差信号を生成する減算器と、前記誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の前記入力信号のための前記擬似帰還信号を生成する適応フィルタと、前記適応フィルタのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御部とを備える。前記係数更新制御部は、前記入力信号の信号レベルを算出するレベル算出部と、前記入力信号の信号レベルの単位時間当たりの増加量が閾値を上回る立上り位置を検出する信号立上り検出部と、前記立上り位置を始端とし、前記入力信号の信号レベルが時間の経過と共に徐々に狭まる所定の範囲を外れた位置を終端とする余韻区間を検出する余韻区間検出部と、前記余韻区間における前記更新速度を第1の速度に設定し、前記余韻区間以外の区間における前記更新速度を前記第1の速度より速い第2の速度に設定する更新速度制御部とを備える。そして、前記適応フィルタは、前記誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、前記更新速度制御部で設定された前記更新速度で更新する。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
実施の形態1に係るハウリング抑圧装置は、入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、入力信号から減算して誤差信号を生成する減算器と、誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の入力信号のための擬似帰還信号を生成する適応フィルタと、適応フィルタのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御部とを備える。そして、適応フィルタは、誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、係数更新制御部(後述する更新速度制御部)で設定された前記更新速度で更新する。
図1を参照して、実施の形態1に係るハウリング抑圧装置を詳細に説明する。図1は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の基本ブロック図である。
図1において、本実施の形態に係るハウリング抑圧装置は、周囲の音を収音して入力信号(目標信号)に変換するマイクロホン101と、マイクロホン101の出力信号(目標信号)から適応フィルタ107の出力信号(擬似帰還信号)を差し引き、エラー信号(誤差信号)を出力する減算器102と、入力されたエラー信号に音響信号処理を施して出力する音響処理部103と、音響処理部103の出力信号を増幅するアンプ104と、アンプ104で増幅された音(出力音)を出力するスピーカ105と、音響処理部103の出力信号を遅延させて適応フィルタ107の参照信号として出力する遅延器106と、入力された参照信号にフィルタ係数を畳み込むことで擬似帰還信号を出力すると共に、適応アルゴリズムに従ってフィルタ係数の更新を行う適応フィルタ107と、マイクロホン101から出力される目標信号に基づいて、適応フィルタ107の更新速度を決定する係数更新制御部108とを備えている。
実施の形態1に係る係数更新制御部は、入力信号の信号レベルを算出するレベル算出部と、入力信号の信号レベルの単位時間当たりの増加量が閾値を上回る立上り位置を検出する信号立上り検出部と、立上り位置を始端とし、入力信号の信号レベルが時間の経過と共に徐々に狭まる所定の範囲を外れた位置を終端とする余韻区間を検出する余韻区間検出部と、余韻区間における更新速度を第1の速度に設定し、余韻区間以外の区間における更新速度を第1の速度より速い第2の速度に設定する更新速度制御部とを備える。
次に、図2を参照して、係数更新制御部108を詳細に説明する。図2は、本実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の係数更新制御部108の詳細ブロック図である。
図2において、本実施の形態に係る係数更新制御部108は、目標信号が入力される入力端子201と、目標信号の信号レベルを算出するレベル算出部202と、レベル算出部202の出力信号の時間変化を分析することで信号の立ち上がりの強さを分析する信号立上り検出部203と、信号立上り検出部203の出力とレベル算出部202の出力である信号レベルとに基づいて、正弦波状信号の余韻区間を判定する余韻区間検出部204と、信号立上り検出部203の出力結果と余韻区間検出部204の出力結果とから適応フィルタ107のフィルタ係数の更新に適さない信号が入力信号に含まれているかどうかを判定する状態判定部205と、状態判定部205の判定結果に応じて適応フィルタ107のフィルタ係数の更新速度を決定する更新速度制御部206と、決定された更新速度を出力する出力端子207とを備えている。
まず、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の全体動作について説明する。
マイクロホン101に入力された入力信号は、図示していないA/D変換器によりアナログ信号からディジタル信号に変換された後、減算器102で適応フィルタ107の出力信号(擬似帰還信号)が減算され、誤差信号として音響処理部103に入力される。音響処理部103は、入力された誤差信号に所望の音響信号処理を施すもので、例えば増幅処理やフィルタ処理など、誤差信号を加工して時間波形を出力する。音響処理部103の出力信号は、遅延器106に入力されると共に、図示していないD/A変換器によりディジタル信号からアナログ信号に変換された後、アンプ104に入力され、増幅される。そして増幅された出力信号は、スピーカ105から出力音として出力される。
この時、スピーカの出力音の一部がマイクロホン101に帰還することで、スピーカ105とマイクロホン101との間に音響ループが形成される。この音響ループが途切れず信号が周り続けると、特定の帯域で信号が発振し、ハウリングを引き起こす。そこで、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置は、発生したハウリングを適応フィルタ107によって抑圧する。
また、音響処理部103から出力された出力信号は、遅延器106に入力されて、例えば数サンプル〜数十サンプル遅延される。遅延器106で遅延された出力信号は、参照信号として適応フィルタ107に出力される。そして、適応フィルタ107は、遅延器106から取得した参照信号とフィルタ係数との畳み込み処理を行い、擬似帰還信号を減算器102に出力する。減算器102では、マイクロホン入力信号(目標信号)から擬似帰還信号を差し引くことで、目標信号に含まれるフィードバック成分(ハウリング成分)を取り除き、エラー信号を出力する。
適応フィルタ107は、例えば256タップのFIRフィルタである。適応フィルタ107のフィルタ係数は、例えば、目標信号とエラー信号との二乗平均誤差を最小とするような規範の下で動作する適応アルゴリズムに従って更新される。適応フィルタ107の更新アルゴリズムとしては、NLMSアルゴリズムなど、公知の各種適応アルゴリズムを用いる。二乗平均誤差が最小となるときとは、適応フィルタ107が空間伝達特性を正確に推定できた場合である。
かかる構成によれば、フィルタ係数の更新を進めることで適応フィルタ107による空間伝達特性の推定精度が向上し、適応フィルタ107からの出力が帰還信号と類似した擬似帰還信号となる。その結果、減算器102から出力されるエラー信号は、目標信号から擬似帰還信号が取り除かれているので、ユーザが本来聞きたい音を得ることができる。なお、図1において、遅延器106は、音響処理部103の出力信号を入力としているが、減算器102の出力信号(誤差信号)を入力としても良いし、アンプ104の出力信号を入力とする構成でも良い。
次に、実施の形態1における係数更新制御部108の動作について説明する。係数更新制御部108は、適応フィルタ107のフィルタ係数の更新制御を実現するために設けられた部分である。
入力端子201には、マイクロホン101の入力信号(目標信号)が入力される。レベル算出部202は、入力端子201に入力された目標信号の信号レベルを算出する。信号立上り検出部203は、レベル算出部202で算出された信号レベルの時間方向の変化の大きさを観察する。信号立上り検出部203は、信号レベルの変化量を観察した結果、入力信号が時間方向に急激な立ち上がりを見せた場合に、その信号を突発性信号として検出することを目的としている。突発性信号は、全帯域に渡り非常に大きなレベルの信号を持つ事を特徴とし、適応フィルタ107が推定する空間伝達特性の精度を低下させる性質を持つ。
図3は、適応フィルタ107の更新に適さない正弦波状信号の時間波形の例を示すグラフである。図3では、0.9秒目付近から約2秒に渡って正弦波状信号が発生している。より具体的には、0.9秒目付近で急激な立ち上がり(突発性信号)が生じ、その後徐々にパワーを減衰させながら余韻が生じている事が観察できる。
図4は、図2における信号立上り検出部203の動作を表すフローチャートである。まず、信号立上り検出部203は、現在の時刻(t)における入力信号の信号レベルと時刻(t−n)における入力信号の信号レベルとから、入力信号の信号レベルの時間変化量を算出する(S1101)。ここでは、時間変化量として両者の傾き値を算出するものとする。次に、信号立上り検出部203は、ステップS1101で算出した傾き値と予め定められた閾値との大小関係を判定する(S1102)。傾き値が閾値より大きい場合(S1102でYes)、信号立上り検出部203は、立上り検出フラグを1に設定する(S1103)。一方、傾き値が閾値以下の場合(S1102でNo)、信号立上り検出部203は、立上り検出フラグを0に設定する(S1104)。
ここで、ハウリングは、信号が立ち上がるのに数百ミリ秒程度の時間を要する信号である。これに対して、突発性信号(正弦波状信号の先頭部分)は、信号が立ち上がるのに要する時間が数ミリ〜数十ミリ秒程度であり、ハウリングと比較して立ち上がりに要する時間が短い信号である。すなわち、ステップS1102で用いられる閾値には、ハウリングが立ち上がるのに必要な時間より短い値が設定される。
なお、上述した立上り検出フラグの設定値は一例であり、これに限定されない。すなわち、立上り検出フラグには、入力信号の信号レベルの単位時間当たりの増加量が閾値を上回る立上り位置が検出されたことを表す値(上記の例では“1”)と、立上り位置が検出されなかったことを表す値(上記の例では“0”)とのうちのいずれかを設定すればよい。後述する他のフラグに設定される値についても同様のことが言える。
実施の形態1に係る余韻区間検出部は、所定の範囲の最大値を時間の経過と共に徐々に減少させる最大値算出部と、入力信号の信号レベルが最大値に達した位置を余韻区間の終端と判定する余韻区間判定部とを備える。なお、実施の形態1では、所定の範囲の最小値を一定とし、最大値を徐々に減少させることによって、所定の範囲を時間の経過と共に徐々に狭める例を説明する。
図5を参照して、実施の形態1に係る余韻区間検出部を詳細に説明する。図5は、図2における余韻区間検出部204の詳細ブロック図である。
図2において、本実施の形態に係る余韻区間検出部204は、立上り検出フラグが入力される入力端子301と、入力信号の信号レベルが入力される入力端子302と、立上り検出フラグの結果から余韻区間の検出を行うか否かを決定し、決定結果を出力する区間検出開始判定部303と、区間検出開始判定部303での決定結果に応じて、入力端子302から入力された信号レベルの最大値を算出する最大値算出部304と、入力端子302と最大値算出部304から出力される最大値とから余韻区間の判定を行う余韻区間判定部305と、余韻区間判定部305の判定結果を出力する出力端子306とを備えている。
図6は、図2における余韻区間検出部204の動作を表すフローチャートである。余韻区間検出部204は、始めに図6の(a)に示される余韻区間の検出の開始判定を行う。まず、区間検出開始判定部303は、立上り検出フラグの値が1であるかどうかを判定する(S1201)。立上り検出フラグの値が1であれば(S1201でYes)、区間検出開始判定部303は、区間検出開始フラグを1に設定する(S1202)。一方、立上り検出フラグの値が0であれば(S1201でNo)、区間検出開始判定部303は、区間検出開始フラグを0に設定する(S1203)。また、立上り検出フラグの値が1であった場合、最大値算出部304は、立上り位置の検出時における信号レベルを閾値(所定の範囲の最大値)として設定する(S1204)。
次に、余韻区間検出部204は、図6の(b)に示される余韻区間の検出を行う。まず、余韻区間判定部305は、図6の(a)で値を定めた区間検出開始フラグの値を確認する(S1205)。区間検出開始フラグの値が0である場合(S1205でNo)、余韻区間判定部305は、余韻区間の判定を行わずに処理を終了する。一方、区間検出開始フラグの値が1である場合(S1205でYes)、余韻区間判定部305は、余韻区間を判定するために、レベル算出部202から取得した現時点における入力信号の信号レベルと、図6の(a)のステップS1204で設定された閾値とを比較する(S1206)。
次に、閾値が現時点における入力信号の信号レベルより大きければ(S1206でYes)、余韻区間判定部305は、余韻区間検出フラグの値を1に設定する(S1207)。また、余韻区間判定部305は、閾値に1より小さな定数αをかけ、次のステップの新たな閾値とする(S1209)。一方、閾値が現時点における入力信号の信号レベルより小さい場合(S1206でNo)、余韻区間判定部305は、余韻区間検出フラグの値を0に設定する(S1208)。この場合、余韻区間判定部305は、余韻区間が終了したと判定を下すため、区間検出開始フラグの値を0に設定する(S1210)。
ここで、ハウリングは、適応フィルタ107によって抑圧されなければ時間の経過と共に信号レベルが増大するか同じレベルを維持し(すなわち、減衰しない)、適応フィルタ107によって抑圧されれば数十ミリ〜数百ミリ秒程度で急激に減衰する。これに対して、正弦波状信号は、減衰するのに要する時間が数百ミリ〜数秒程度である。すなわち、所定の範囲の最大値の減少速度が、適応フィルタ107によって抑圧されないハウリングの減衰速度より速く、且つ適応フィルタ107によって抑圧されるハウリングの減衰速度より遅くなるように、ステップS1209におけるαの値を設定すればよい。
図7は、図2における状態判定部205と更新速度制御部206との動作を示すフローチャートである。状態判定部205では、図7の(a)に示されるように、入力された立上り検出フラグと余韻区間検出フラグとのうち、少なくともどちらかが1(S1301でYes)であれば、更新速度制御を適用するものとして、制御フラグを1に設定する(S1302)。一方、2つのフラグの値がいずれも0の場合(S1301でNo)、状態判定部205は、更新速度制御の必要はないと判断し、制御フラグを0に設定する(S1303)。
なお、突発性信号が発生した瞬間は、立上り検出フラグに1が設定され、信号区間検出フラグに1が設定される。一方、正弦波状信号の余韻区間の間は、立上り検出フラグに0が設定され、信号区間検出フラグに1が設定されることになる。すなわち、図7のように更新速度を制御することにより、突発性信号のみが発生した場合でも、突発性信号の後に余韻区間が続く正弦波状信号が発生した場合でも、適応フィルタ107のフィルタ係数の更新速度を適応的に制御することができる。
次に、更新速度制御部206では、図7の(b)に示されるように、制御フラグの値を判定する(S1304)。制御フラグの値が1の場合(S1304でYes)、更新速度制御部206は、適応フィルタ107の更新速度を減速時の値(第1の速度)に設定する(S1305)。一方、制御フラグの値が0の場合(S1304でNo)、更新速度制御部206は、適応フィルタ107の更新速度を通常時の値(第2の速度)に設定する(S1306)。なお、「更新速度」とは、フィルタ係数の単位時間当たりの更新量を指す。より具体的には、更新速度は、1回の更新処理におけるフィルタ係数の変動幅と言い換えることができる。
図8は、突発性信号の検出から更新速度制御を行うまでの過程を順にグラフ化して示したものである。
まず、信号立上り検出部203は、図8の(a)に示される入力信号に対し、正弦波状信号の開始地点(立上り位置)を見極めるために突発性信号の検出を行う。具体的には、信号立上り検出部203は、2つの異なる時刻(t)と時刻(t−n)との間の信号レベルの傾き値が予め定めた閾値を上回る場合に立上り検出フラグを1に、傾き値が閾値以下の場合に立上り検出フラグを0に設定する。立上り検出フラグの推移の例を、図8の(c)に示す。
次に、余韻区間検出部204では、正弦波状信号の特に余韻区間を検出する。具体的には、余韻区間検出部204は、図8の(b)に示されるように、レベル算出部202で算出された目標信号の信号レベルと、目標信号レベルの最大値ホールド(図6の(a)のステップS1204又は図6の(b)のステップS1209で設定される閾値に相当)の値とを比較する。正弦波状信号の余韻区間は突発性信号の直後に続くように入力されるため、目標信号レベルと信号レベルの最大値とを比較する事で余韻区間の検出が可能となる。
具体的には、余韻区間検出部204は、余韻区間の信号レベルは時間の経過と共に減衰する事を利用して、最大値ホールドの値と信号レベルとの大小関係が逆転することなくどちらも緩やかに減衰し続ける間を、余韻成分が継続している区間であると判定する。そして、余韻区間検出部204は、突発音検出フラグが1を示した直後から最大値ホールドの値と信号レベルの値との大小関係が逆転するまでの区間で余韻区間検出フラグを1にする。余韻区間検出フラグの推移の例を、図8の(d)に示す。
状態判定部205には、立上り検出フラグと余韻区間検出フラグとが入力される。正弦波状信号の余韻成分が適応フィルタ107のフィルタ係数による空間伝達特性の推定精度を低下させることについては言及済みであるが、突発性信号が入力された場合も入力レベルの急激な変動で適応フィルタ107のフィルタ係数による空間伝達特性の推定精度が劣化する事が確認されている。したがって、状態判定部205は、立上り検出フラグ及び余韻区間検出フラグ少なくともどちらか一方が1の場合にフィルタ係数の更新を停止するか減速するように、制御フラグを1にする。
次に、更新速度制御部206では、入力された制御フラグの値に応じて適応フィルタ107の更新速度を制御する。具体的には、更新速度制御部206は、制御フラグの値が1の場合で、且つフィルタ係数の更新を停止する場合は適応フィルタ107の更新速度を0に、フィルタ係数の更新を減速する場合は更新速度を減速値に設定し、制御フラグの値が0の場合は更新速度を通常値に設定する。更新速度の推移の例を、図8の(e)に示す。そして、設定された更新速度は、出力端子207から適応フィルタ107に出力される。
かかる構成によれば、信号立上り検出部203で突発性信号を、余韻区間検出部204で正弦波状信号の余韻区間を検出することができるので、適応フィルタ107のフィルタ係数の更新に適さない信号が入力されたことを判断できる。その結果、適応フィルタ107の更新速度を入力信号に応じて適切に調整することが可能となる。
なお、本実施の形態において、係数更新制御部108への入力信号には適応フィルタ107の目標信号が用いられているが、これに限定されず、例えば、適応フィルタ107のエラー信号を入力しても良い。
なお、本実施の形態において、信号立上り検出部203では信号パワーの時間方向の傾き値を算出すると記述したが、時間方向の差分値を算出して判定を行っても良い。
なお、本実施の形態において、余韻区間検出部204では信号レベルの最大値ホールドの値と信号レベルの減衰の様子との大小関係により余韻区間を判定したが、突発音検出後に突発音検出時の信号レベルと現在の信号レベルとを比較し、信号レベルの減衰量が例えば10dBなど、一定の値以下に低下するまでの間を余韻区間として判定しても良い。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る余韻区間検出部は、さらに、所定の範囲の最小値を時間の経過と共に徐々に増加させる最小値算出部と、入力信号の信号レベルが最小値に達した位置を余韻区間の終端と判定する余韻区間判定部とを備える。なお、実施の形態2では、所定の範囲の最大値を一定とし、最小値を徐々に増加させることによって、所定の範囲を時間の経過と共に徐々に狭める例を説明する。
図9を参照して、実施の形態2に係る余韻区間検出部を詳細に説明する。図9は、本発明の実施の形態2に係るハウリング抑圧装置における余韻区間検出部204の詳細ブロック図である。なお、図9において、図5と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図9において、本実施の形態に係る余韻区間検出部204は、図5の最大値算出部304に代えて、区間検出開始判定部303の出力結果に応じて、入力端子302から入力された信号レベルの最小値を算出する最小値算出部401を新たに備えている。そして、実施の形態2に係る余韻区間判定部402は、入力端子302の出力と最小値算出部401の出力とから余韻区間の判定を行う。
図10は、図9における余韻区間検出部204の動作を表すフローチャートである。まず、余韻区間検出部204は、図10の(a)に示されるように、余韻区間検出の開始判定を行う。区間検出開始判定部303は、まず初めに、立上り検出フラグの値が1であるかどうかを判定する(S1401)。そして、区間検出開始判定部303は、立上り検出フラグの値が1(S1041でYes)であれば区間検出開始フラグを1に(S1402)、立上り検出フラグの値が0(S1041でNo)であれば区間検出開始フラグを0に設定する(S1403)。また、最小値算出部401は、立上り検出フラグの値が1であった場合(S1041でYes)に、信号立上り検出直前の信号レベルを閾値(最小値)として設定する(S1404)。
次に、余韻区間判定部402は、図10の(b)に示されるように、余韻区間の判定を行う。余韻区間判定部402は、まず初めに、余韻区間判定部402は、図10の(a)で値を定めた区間検出開始フラグの値を確認する(S1405)。区間検出開始フラグの値が0である場合(S1405でNo)、余韻区間判定部402は、信号区間判定は行わずに処理を終了する。一方、区間検出開始フラグの値が1である場合(S1405でYes)、余韻区間判定部402は、閾値と信号レベルの値とのどちらが大きいか判定を行う(S1406)。
そして、閾値が信号レベルより小さければ(S1406でYes)、余韻区間判定部402は、余韻区間検出フラグの値を1に設定する(S1407)。また、余韻区間判定部402は、閾値に1より大きな定数βをかけ、次のステップの新たな閾値とする(S1409)。一方、閾値が信号レベルより大きい場合(S1406でNo)、余韻区間判定部402は、余韻区間検出フラグの値を0に設定する(S1408)。この場合、余韻区間判定部402は、余韻区間が終了したと判定を下すため、区間検出開始フラグの値を0に設定する(S1410)。
図11は、突発性信号の検出から更新速度制御を行うまでの過程を順にグラフ化して示したものである。
まず、信号立上り検出部203は、図11の(a)に示される入力信号に対し、正弦波状信号の開始地点を見極めるために突発性信号の検出を行う。具体的には、信号立上り検出部203は、2つの異なる時刻(t)と時刻(t−n)との信号レベルの傾き値が予め定めた閾値を上回る場合には立上り検出フラグを1に、下回る場合には立上り検出フラグを0に設定する。立上り検出フラグの推移の例を、図11の(c)に示す。
次に、余韻区間検出部204では、正弦波状信号の特に余韻区間を検出する。具体的には、余韻区間判定部402は、図11の(b)に示されるように、レベル算出部202で算出された目標信号の信号レベルと、目標信号レベルの最小値ホールド(図10の(a)のステップS1404又は図10の(b)のステップS1409で設定される閾値に相当)の値とを比較する。正弦波状信号の余韻区間は突発性信号の直後に続くように入力されるため、目標信号レベルと信号レベルの最小値とを比較する事で区間検出が可能となる。
具体的には、余韻区間判定部402は、余韻区間の信号レベルは時間の経過と共に減少する事を利用して、最小値ホールドと信号レベルとの大小関係が逆転することなく、信号レベルが緩やかに減衰し続け、且つ最小値ホールドが緩やかに増大する間は余韻成分が継続している区間であると判定する。そして、余韻区間判定部402は、突発音検出フラグが1を示した直後から最小値ホールドと信号レベルの値との大小関係が逆転するまでの区間で余韻区間検出フラグを1にする。余韻区間検出フラグの推移の例を、図11の(d)に示す。
次に、状態判定部205には、立上り検出フラグと余韻区間検出フラグとが入力される。正弦波状信号の余韻成分が適応フィルタ107のフィルタ係数による空間伝達特性の推定精度を低下させることについては言及済みであるが、突発性信号が入力された場合も入力レベルの急激な変動で適応フィルタ107のフィルタ係数による空間伝達特性の推定精度が劣化する事が確認されている。したがって、状態判定部205は、立上り検出フラグ及び余韻区間検出フラグ少なくともどちらか一方が1の場合はフィルタ係数の更新を停止するか減速するように、制御フラグを1にする。
次に、更新速度制御部206では、入力された制御フラグの値に応じて適応フィルタ107のフィルタ係数の更新速度を制御する。具体的には、更新速度制御部206は、制御フラグの値が1の場合で、且つ更新を停止する場合は適応フィルタ107の更新速度を0に、更新を減速する場合は更新速度を減速値に設定し、制御フラグの値が0の場合は更新速度を通常値に設定する。更新速度の推移の例を、図11の(e)に示す。そして、設定された更新速度は、出力端子207から適応フィルタ107に出力される。
かかる構成によれば、信号立上り検出部203で突発性信号を、余韻区間検出部204で正弦波状信号の余韻区間を検出することができるので、適応フィルタ107のフィルタ係数の更新に適さない信号が入力されたことを判断できる。その結果、適応フィルタ107のフィルタ係数の更新速度を入力信号に応じて適切に調整することが可能となる。
なお、実施の形態1に係る余韻区間検出部204は所定の範囲の最大値のみを変化させて余韻区間を検出し、実施の形態2に係る余韻区間検出部204は所定の範囲の最小値のみを変化させて余韻区間を検出しているが、これらを組み合わせてもよい。すなわち、余韻区間検出部204は、時間の経過と共に所定の範囲を徐々に狭めながら(最大値を徐々に減少させ、且つ最小値を徐々に増加させながら)、入力信号の信号レベルが所定の範囲に含まれるか否かを判定してもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る係数更新制御部は、さらに、入力信号の信号レベルが所定の値を超えているか否かを、余韻区間の単位時間毎に判定するレベル判定部を備える。そして、更新速度制御部は、余韻区間のうち、入力信号の信号レベルが所定の値を超えている区間における更新速度を第1の速度に設定し、入力信号の信号レベルが所定の値以下の区間における更新速度を第2の速度に設定する。
図12を参照して、実施の形態3に係る係数更新制御部を詳細に説明する。図12は、本発明の実施の形態3におけるハウリング抑圧装置の係数更新制御部108の詳細ブロック図である。なお、図12において、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図12において、本実施の形態に係るハウリング抑圧装置の係数更新制御部108は、レベル算出部202から出力された信号レベルが所定の値(以下、「閾値」と表記する)を超えているか否かを、余韻区間の単位時間毎に判定するレベル判定部501を新たに備えている。そして、実施の形態3に係る状態判定部502は、信号立上り検出部203から出力された立上り検出フラグ、余韻区間検出部204から出力された余韻区間検出フラグ、及びレベル判定部501から出力されたレベル判定フラグに基づいて、適応フィルタ107のフィルタ係数の更新に適さない信号が入力信号に含まれているかどうか判定を行う。
適応フィルタ107のフィルタ係数の更新は、ある程度の大きさの信号が入力された場合は効果的に働くが、小さな信号が入力された場合は更新を行ってもそれほどフィルタ特性が更新されない。これを利用して、状態判定部502の判定基準に、入力信号の信号レベルを加える。具体的には、レベル判定部501は、入力信号レベルの大きさが予め定めた閾値を上回る場合にはレベル判定フラグを1に、閾値以下の場合にはレベル判定フラグを0に設定して出力する。
状態判定部502には、立上り検出フラグ及び余韻区間検出フラグに加えて、レベル判定フラグが入力される。そして、状態判定部502は、立上り検出フラグ及び余韻区間検出フラグの少なくともどちらか一方が1で、且つレベル判定フラグの値が1のときにのみ、フィルタ係数の更新を停止するか減速するように、制御フラグを1にする。
図13は、図12におけるレベル判定部501の動作を示すフローチャートである。レベル判定部501は、入力された信号レベルの大きさと閾値とを比較する(S1501)。そして、レベル判定部501は、信号レベルが閾値を上回る場合(S1501でYes)にはレベル判定フラグを1に設定し(S1502)、閾値以下の場合(S1501でNo)にはレベル判定フラグを0に設定する(S1503)。
図14は、図12における状態判定部502の動作を示すフローチャートである。状態判定部502は、まず初めに、レベル判定フラグの値を確認する(S1601)。レベル判定フラグの値が0の場合(S1601でNo)、状態判定部502は、制御フラグの値を0に設定し(S1602)、処理を終了する。一方、レベル判定フラグの値が1の場合(S1601でYes)、状態判定部502は、立上り検出フラグ及び余韻区間検出フラグを確認する(S1603)。そして、立上り検出フラグと余韻区間検出フラグとのどちらか一方でも値が1である場合(S1603でYes)、状態判定部502は、制御フラグの値を1に設定する(S1604)。一方、立上り検出フラグと余韻区間検出フラグとの値が共に0である場合(S1603でNo)、状態判定部502は、制御フラグを0に設定する(S1605)。
かかる構成によれば、レベル判定部501を新たに備えて状態判定部502へフラグ情報を出力することで、適応フィルタ107に悪影響を及ぼしにくい小さな入力信号では更新を継続することができるため、途切れることなく適応フィルタ107が空間伝達特性を推定できる。
なお、本実施の形態において、レベル判定部501では信号レベルが閾値を上回る場合にレベル判定フラグを1に設定するものとして説明したが、信号レベルが閾値を上回る状態が所定の時間継続した場合にレベル判定フラグを1に設定する構成にしても良い。
(実施の形態4)
実施の形態4に係る係数更新制御部は、さらに、入力信号の信号レベルを周波数信号に変換する周波数分析部と、周波数信号にピークが存在するか否かを判断するピーク検出部とを備える。そして、更新速度制御部は、周波数信号にピークが複数存在する場合に、余韻区間における更新速度を前記第1の速度に設定し、余韻区間以外の区間における更新速度を第2の速度に設定する。
図15を参照して、実施の形態4に係る係数更新制御部を詳細に説明する。図15は、本発明の実施の形態4におけるハウリング抑圧装置の係数更新制御部108の詳細ブロック図である。なお、図15において、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図15において、本実施の形態に係る係数更新制御部108は、入力された信号を周波数領域の信号に変換する周波数分析部601と、周波数分析部601から取得した周波数領域の信号のピークを検出するピーク検出部602とを新たに備える。そして、実施の形態4に係る状態判定部603は、ピーク検出部602の出力結果であるピーク検出フラグと、信号立上り検出部203の出力結果である立上り検出フラグと、余韻区間検出部204の出力結果である余韻区間検出フラグを入力とに基づいて、適応フィルタ107のフィルタ係数の更新に適さない信号が入力信号に含まれているかどうかの判定を行う。
周波数分析部601は、入力端子201からマイクロホン101から取得した入力信号を周波数変換することによって複数の帯域信号に分割する。周波数変換手法としては、例えば高速フーリエ変換や、複数のFIRフィルタまたはIIRフィルタから構成されるフィルタバンクなど、時間信号を複数の帯域信号に分割する公知の各手法を用いる。ピーク検出部602では、帯域分割された周波数領域の信号の周波数特性を分析し、周波数ピークの検出を行う。最後に状態判定部603では、ピーク検出部602の出力結果であるピーク検出フラグと、信号立上り検出部203の出力結果である立上り検出フラグと、余韻区間検出部204の出力結果である余韻区間検出フラグとの3つのパラメータを基に、マイクロホン101に入力された信号の中に正弦波状信号が存在しているかどうかの判定を行う。
ハウリングが鋭い周波数ピークを1つだけ持つ正弦波に類似した信号であるのに対し、日常生活で耳にする正弦波状信号(風鈴、鈴、ドアベルなど)は、正弦波に似た信号のピークを2つ以上持つ特徴を有することが多い。この特徴を利用し、周波数特性の分析によって信号の中に鋭いピークを2つ以上検出した場合は、入力信号にハウリングでない正弦波状信号が含まれていると判断することが出来る。
かかる構成によれば、入力信号に含まれる周波数ピークの情報を加味して判定を行うので、正弦波状信号の余韻区間検出を精度良く行うことが可能となる。
図16は、本発明の実施の形態4におけるピーク検出部602の詳細ブロック図である。
図16において、本実施の形態に係るピーク検出部602は、帯域分割された各周波数領域の信号をピーク検出部602へ入力する入力端子701と、帯域ごとに入力信号の信号レベルを算出するレベル算出部702と、複数の帯域の信号レベルから入力信号の特性を分析する特徴分析部703と、特徴分析部703からの出力に基づいて信号の周波数ピークを検出するピーク判定部704と、ピーク判定部704の出力結果を出力する出力端子705とを備えている。
図15の周波数分析部601で複数の帯域に分割された周波数領域の信号は、帯域ごとにレベル算出部702に入力される。レベル算出部702では、入力された帯域ごとの周波数信号の信号レベルを算出して出力する。特徴分析部703は、入力された帯域ごとの信号レベルから周波数特性を分析する。具体的には、特徴分析部703は、隣り合う帯域の信号レベルのレベル比を算出して出力する。ピーク判定部704は、特徴分析部703の出力結果であるレベル比と閾値とを比較し、レベル比が閾値を超える帯域があれば正弦波状信号が存在するとみなし、ピーク数カウンタを1加算する。出力端子705は、ピーク数カウンタの値を示すピーク検出フラグを出力する。
ハウリングは、ピーク数が1の正弦波に類似した信号である。これに対して、日常生活で耳にする風鈴の音などの正弦波状信号は、ピーク数が2以上の複数の正弦波が混合された信号であることが多い。このように入力信号の周波数ピーク数をカウントすることで、適応フィルタ107のフィルタ係数の更新に不適切な正弦波状信号の有無を判定することができる。
図17は、図15におけるピーク検出部602の動作を示すフローチャートである。まず、レベル算出部702は、入力端子701に入力された周波数領域の信号から、分割された帯域ごとに信号レベルを算出する(S1701)。次に、特徴分析部703は、算出された帯域ごとの信号レベルを利用して、隣り合う帯域のレベル比を算出する(S1702)。次に、ピーク判定部704は、算出されたレベル比と予め設定された閾値とを比較する(S1703)。そして、ピーク判定部704は、レベル比が閾値を超える(S1703でYes)たびにピーク数カウンタのカウント値を1増加させる(S1704)。最後に、ピーク判定部704は、ピーク数カウンタの値によるピーク判定を行う(S1705)。すなわち、ピーク判定部704は、ピーク数カウンタの値が1より大きければ(S1705でYes)正弦波状信号が入力信号に含まれているとしてピーク検出フラグの値を1に設定し(S1706)、ピーク数カウンタの値が1以下の場合(S1705でNo)はピーク検出フラグの値を0に設定する(S1707)。
図18は、図15における状態判定部603の動作を示すフローチャートである。まず、状態判定部603は、ピーク検出フラグの判定処理を行う(S1801)。ピーク検出フラグの値が0の場合(S1801でNo)、状態判定部603は、制御フラグの値を0に設定し(S1803)、処理を終了する。一方、ピーク検出フラグの値が1の場合(S1801でYes)、状態判定部603は、立上り検出フラグと余韻区間検出フラグとを用いて正弦波状信号の判定処理を行う(S1802)。立上り検出フラグまたは余韻区間検出フラグのどちらか一方の値が1である場合(S1802でYes)、状態判定部603は、制御フラグの値を1に設定する(S1804)。一方、立上り検出フラグと余韻区間検出フラグとのどちらの値も0であった場合(S1802でNo)、状態判定部603は、制御フラグの値を0に設定する(S1805)。
かかる構成によれば、帯域ごとの信号レベルのレベル比に基づいて周波数特性のピーク検出を行うことにより、正弦波状信号をより精度よく検出し、適応フィルタ107のフィルタ係数の更新制御を適切に行うことが可能となる。
なお、本実施の形態において、特徴分析部703では隣り合う帯域の信号レベル比を算出すると記述したが、隣り合う2つの帯域の信号レベルの差分(レベル差)を算出してピーク検出を行っても良いし、隣り合う2つの帯域の信号レベルの大小関係を利用してピーク検出を行っても良い。
また、図17のステップS1705において、ピーク検出部602はピーク数カウンタの値が1より大きければピーク検出フラグの値を1に設定するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、ピーク数カウンタの判定閾値は1より大きな値であれば適宜設定しても良い。また、ピークが存在しない正弦波状信号も考えられるので、ピーク数カウンタが1の場合にピーク検出フラグの値を0に設定し、ピーク数カウンタが1以外の場合にピーク検出フラグの値を1に設定してもよい。
上記の各実施の形態に係るハウリング抑圧装置は、例えば、補聴器に利用することができる。すなわち、このような補聴器は、周囲の音を収音して入力信号に変換する収音部(マイクロホン)と、上記の各実施の形態に係るハウリング抑圧装置と、減算器で生成された誤差信号を出力音に変換して出力する出力部(スピーカ)とを備える。
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
(1)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムで実現され得る。RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、ROMからRAMにコンピュータプログラムをロードし、ロードしたコンピュータプログラムにしたがって演算等の動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されてもよい。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールには、上記の超多機能LSIが含まれてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有してもよい。
(4)本発明は、上記に示す方法で実現されてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムで実現してもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号で実現してもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなどに記録したもので実現してもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号で実現してもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送してもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、メモリは、コンピュータプログラムを記憶しており、マイクロプロセッサは、コンピュータプログラムにしたがって動作してもよい。
また、プログラムまたはデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、またはプログラムまたはデジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施してもよい。
(5)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
本発明に係るハウリング抑圧装置は、マイクロホンとスピーカとを有する各種音響装置において、スピーカとマイクロホンとの間の音響結合により発生するハウリングを抑圧するハウリング抑圧装置等として有用である。
101,801 マイクロホン
102,802 減算器
103 音響処理部
104 アンプ
105,804 スピーカ
106,805 遅延器
107,806 適応フィルタ
108 係数更新制御部
201,301,302,701 入力端子
202 レベル算出部
203 信号立上り検出部
204 余韻区間検出部
205,502,603 状態判定部
206 更新速度制御部
207,306,705 出力端子
303 区間検出開始判定部
304 最大値算出部
305,402 余韻区間判定部
401 最小値算出部
501 レベル判定部
601 周波数分析部
602 ピーク検出部
702 レベル算出部
703 特徴分析部
704 ピーク判定部
803 補聴器プロセッサ
807 自己相関算出部
808 閾値判定部
809 更新制御部

Claims (10)

  1. 入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧するハウリング抑圧装置であって、
    前記入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、前記入力信号から減算して誤差信号を生成する減算器と、
    前記誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の前記入力信号のための前記擬似帰還信号を生成する適応フィルタと、
    前記適応フィルタのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御部とを備え、
    前記係数更新制御部は、
    前記入力信号の信号レベルを算出するレベル算出部と、
    前記入力信号の信号レベルの単位時間当たりの増加量が閾値を上回る立上り位置を検出する信号立上り検出部と、
    前記立上り位置を始端とし、前記入力信号の信号レベルが時間の経過と共に徐々に狭まる所定の範囲を外れた位置を終端とする余韻区間を検出する余韻区間検出部と、
    前記余韻区間における前記更新速度を第1の速度に設定し、前記余韻区間以外の区間における前記更新速度を前記第1の速度より速い第2の速度に設定する更新速度制御部とを備え、
    前記適応フィルタは、前記誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、前記更新速度制御部で設定された前記更新速度で更新する
    ハウリング抑圧装置。
  2. 前記係数更新制御部は、さらに、前記入力信号の信号レベルが所定の値を超えているか否かを、前記余韻区間の単位時間毎に判定するレベル判定部を備え、
    前記更新速度制御部は、前記余韻区間のうち、前記入力信号の信号レベルが前記所定の値を超えている区間における前記更新速度を前記第1の速度に設定し、前記入力信号の信号レベルが所定の値以下の区間における前記更新速度を前記第2の速度に設定する
    請求項1に記載のハウリング抑圧装置。
  3. 前記係数更新制御部は、さらに、
    前記入力信号の信号レベルを周波数信号に変換する周波数分析部と、
    前記周波数信号にピークが存在するか否かを判断するピーク検出部とを備え、
    前記更新速度制御部は、前記周波数信号にピークが複数存在する場合に、前記余韻区間における前記更新速度を前記第1の速度に設定し、前記余韻区間以外の区間における前記更新速度を前記第2の速度に設定する
    請求項1に記載のハウリング抑圧装置。
  4. 前記信号立上り検出部は、前記入力信号の信号レベルの時間方向の傾き値を前記閾値と比較することによって、前記立上り位置を検出する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のハウリング抑圧装置。
  5. 前記信号立上り検出部は、前記入力信号の信号レベルの時間方向の差分値を前記閾値と比較することによって、前記立上り位置を検出する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のハウリング抑圧装置。
  6. 前記余韻区間検出部は、さらに、
    前記所定の範囲の最大値を、時間の経過と共に徐々に減少させる最大値算出部と、
    前記入力信号の信号レベルが前記最大値に達した位置を前記余韻区間の終端と判定する余韻区間判定部とを備える
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のハウリング抑圧装置。
  7. 前記余韻区間検出部は、さらに、
    前記所定の範囲の最小値を、時間の経過と共に徐々に増加させる最小値算出部と、
    前記入力信号の信号レベルが前記最小値に達した位置を前記余韻区間の終端と判定する余韻区間判定部とを備える
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のハウリング抑圧装置。
  8. 周囲の音を収音して前記入力信号に変換する収音部と、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のハウリング抑圧装置と、
    前記減算器で生成された前記誤差信号を出力音に変換して出力する出力部とを備える
    補聴器。
  9. 入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧するハウリング抑圧方法であって、
    前記入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、前記入力信号から減算して誤差信号を生成する減算ステップと、
    前記誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の前記入力信号のための前記擬似帰還信号を生成する適応フィルタステップと、
    前記適応フィルタステップでのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御ステップとを含み、
    前記係数更新制御ステップは、
    前記入力信号の信号レベルを算出するレベル算出ステップと、
    前記入力信号の信号レベルの単位時間当たりの増加量が閾値を上回る立上り位置を検出する信号立上り検出ステップと、
    前記立上り位置を始端とし、前記入力信号の信号レベルが時間の経過と共に徐々に狭まる所定の範囲を外れた位置を終端とする余韻区間を検出する余韻区間検出ステップと、
    前記余韻区間における前記更新速度を第1の速度に設定し、前記余韻区間以外の区間における前記更新速度を前記第1の速度より速い第2の速度に設定する更新速度制御ステップとを含み、
    前記適応フィルタステップでは、前記誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、前記更新速度制御ステップで設定された前記更新速度で更新する
    ハウリング抑圧方法。
  10. 入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧する集積回路であって、
    前記入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、前記入力信号から減算して誤差信号を生成する減算器と、
    前記誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の前記入力信号のための前記擬似帰還信号を生成する適応フィルタと、
    前記適応フィルタのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御部とを備え、
    前記係数更新制御部は、
    前記入力信号の信号レベルを算出するレベル算出部と、
    前記入力信号の信号レベルの単位時間当たりの増加量が閾値を上回る立上り位置を検出する信号立上り検出部と、
    前記立上り位置を始端とし、前記入力信号の信号レベルが時間の経過と共に徐々に狭まる所定の範囲を外れた位置を終端とする余韻区間を検出する余韻区間検出部と、
    前記余韻区間における前記更新速度を第1の速度に設定し、前記余韻区間以外の区間における前記更新速度を前記第1の速度より速い第2の速度に設定する更新速度制御部とを備え、
    前記適応フィルタは、前記誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、前記更新速度制御部で設定された前記更新速度で更新する
    集積回路。
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