JP6011880B2 - ハウリング抑圧装置、補聴器、ハウリング抑圧方法、及び集積回路 - Google Patents

ハウリング抑圧装置、補聴器、ハウリング抑圧方法、及び集積回路 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロホンとスピーカとを有する音響装置において、スピーカとマイクロホンとの間の音響結合により発生するハウリングを自動的に検出及び抑圧するハウリング抑圧装置に関するものである。
ハウリングは、スピーカから出力された音がマイクロホンへ帰還することで起こる音のループが引き起こす発振現象である。一旦音響ループが形成されると、強いピークを持つ正弦波状信号が発生し、ループが切れるまで特定の周波数の音が増幅し続ける。
従来のハウリング抑圧装置としては、適応フィルタを用いた適応処理によってマイクロホンとスピーカとの間の空間伝達特性を推定し、適応フィルタが生成した擬似帰還信号を入力信号から差し引くことで音響ループを断ち切り、ハウリングを抑圧するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2009−532924号公報
しかしながら、従来のハウリング抑圧装置では、マイクロホンで収音した音に含まれるハウリング成分の誤検出等によって、適応フィルタの空間伝達特性の推定性能が低下したり、処理音の音質が劣化したりする可能性があるという課題を有している。
本発明は、従来の課題を解決するもので、フィードバックが引き起こすハウリングの検出精度を向上させ、適応的にハウリングを抑圧するハウリング抑圧装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係るハウリング抑圧装置は、入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧する。具体的には、ハウリング抑圧装置は、前記入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、前記入力信号から減算して誤差信号を生成する減算器と、前記誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の前記入力信号のための前記擬似帰還信号を生成する適応フィルタと、前記適応フィルタのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御部とを備える。前記係数更新制御部は、前記フィルタ係数によって定まる前記適応フィルタのフィルタ特性の、空間伝達特性に対する収束の度合いが基準値を超えるという第1の条件を満たすか否かを判断する収束分析部と、所定の時間内において、前記フィルタ特性の前記空間伝達特性に対する収束が進んでいるという第2の条件を満たすか否かを判断する変化量分析部と、前記第1及び第2の条件の両方を満たす場合に前記更新速度を第1の速度に設定し、前記第1及び第2の条件の少なくとも一方を満たさない場合に前記更新速度を前記第1の速度より遅い第2の速度に設定する更新速度制御部とを備える。そして、前記適応フィルタは、前記誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、前記更新速度制御部で設定された前記更新速度で更新する。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本発明によれば、フィードバックが引き起こすハウリングの検出精度を向上させ、適応的にハウリングを抑圧することができる。
図1は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の基本ブロック図である。 図2は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の係数更新制御部の詳細ブロック図である。 図3は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の収束分析部で算出された二乗平均誤差を表すグラフである。 図4は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の収束分析部の動作を示すフローチャートである。 図5は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の変化量分析部の動作を示すフローチャートである。 図6は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の状態判定部の動作を示すフローチャートである。 図7は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の更新速度制御部の詳細ブロック図である。 図8は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の更新速度制御部の動作を示すフローチャートである。 図9は、実施の形態2におけるハウリング抑圧装置の係数更新制御部の詳細ブロック図である。 図10は、実施の形態2におけるハウリング抑圧装置のピーク検出部の詳細ブロック図である。 図11は、実施の形態2におけるハウリング抑圧装置のピーク検出部の動作を示すフローチャートである。 図12は、実施の形態3におけるハウリング抑圧装置の係数更新制御部の詳細ブロック図である。 図13は、実施の形態4におけるハウリング抑圧装置の係数更新制御部の詳細ブロック図である。 図14は、実施の形態4におけるハウリング抑圧装置の更新速度制御部の詳細ブロック図である。 図15は、実施の形態4におけるハウリング抑圧装置の更新速度制御部における二乗平均誤差から更新速度への変換過程を示すグラフである。 図16は、実施の形態4におけるハウリング抑圧装置の更新速度制御部の動作を示すフローチャートである。 図17は、特許文献1のハウリング抑圧装置の基本ブロック図である。
(本発明の基礎となった知見)
図17は、特許文献1に記載されたハウリング抑圧装置の構成を示すブロック図である。
図17において、ハウリング抑圧装置は、入力音を入力信号に変換するマイクロホン901、マイクロホン901の入力信号から適応フィルタ906の出力信号を減算してエラー信号を出力する減算器902、エラー信号に増幅利得を適用することによってプロセッサ出力信号を生成する補聴器プロセッサ903、補聴器プロセッサ903の出力信号を出力音に変換するスピーカ904、補聴器プロセッサ903の出力信号を遅延させる遅延器905、遅延器905の出力信号に対しフィルタ係数を適用することによって、適応フィルタ出力信号(擬似帰還信号)を適応的に導出する適応フィルタ906、補聴器プロセッサ903の出力信号の自己相関を算出する自己相関算出部907、自己相関算出部907で算出された自己相関の値を閾値によって判定し、適応速度の変更を決定する閾値判定部908、閾値判定部908の判定結果から適応フィルタ906の更新速度を決定する更新制御部909から構成される。
マイクロホン901から入力された信号は、補聴器プロセッサ903を通って増幅され、スピーカ904から出力される。この時、スピーカ904の出力信号の一部は帰還信号として再びマイクロホン901へ入力される。そして、この音のループが途切れることなく補聴器プロセッサ903で増幅され続けると、信号の発振現象であるハウリングが発生する。そこで、適応フィルタ906にスピーカ904とマイクロホン901との間の空間伝達特性を推定させることで、ハウリングの基となる帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を生成し、減算器902で入力信号から推定した擬似帰還信号を差し引くことでハウリングを抑圧することができる。
ハウリングは、自己相関の強い正弦波状信号である。適応フィルタには、更新速度を緩めると目標特性の推定に時間を要するが精度良く推定を行うことができ、更新速度を速めると目標特性を素早く推定できるが推定精度が低下するという、推定速度と推定精度との間にトレードオフの関係が存在することが知られている。推定精度を優先して比較的緩やかな速度で係数更新を行うのが一般的であるが、ハウリングが発生した場合には、ユーザに不快な音を聞かせるのを防ぐために、素早く推定及び抑圧を行う必要がある。そのため、従来のハウリング抑圧装置は、適応フィルタの更新速度を制御する構成を有している。具体的には、従来のハウリング抑圧装置は、補聴器プロセッサ903の出力信号の自己相関が予め定めた閾値を上回るとハウリングが発生していると判断し、適応フィルタの更新速度を加速させる。このように自己相関の値を利用することで、適応フィルタのフィルタ係数の更新制御を行うことが可能である。
しかしながら、特許文献1の構成では、補聴器プロセッサで増幅された信号の自己相関の強さのみを見て更新速度を速めるように制御を行う。そのため、例えばハウリングではないが自己相関の強いユーザに聞かせるべき信号(例:サイレン、電話着信音等)が存在していた場合、誤って適応速度を速めてしまうことがある。その結果、適応フィルタの空間伝達特性の推定性能が低下したり、処理音の音質が劣化したりする可能性があるという課題を有している。
上記の課題を解決するために本発明の一形態に係るハウリング抑圧装置は、入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧する。具体的には、ハウリング抑圧装置は、前記入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、前記入力信号から減算して誤差信号を生成する減算器と、前記誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の前記入力信号のための前記擬似帰還信号を生成する適応フィルタと、前記適応フィルタのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御部とを備える。前記係数更新制御部は、前記フィルタ係数によって定まる前記適応フィルタのフィルタ特性の、空間伝達特性に対する収束の度合いが基準値を超えるという第1の条件を満たすか否かを判断する収束分析部と、所定の時間内において、前記フィルタ特性の前記空間伝達特性に対する収束が進んでいるという第2の条件を満たすか否かを判断する変化量分析部と、前記第1及び第2の条件の両方を満たす場合に前記更新速度を第1の速度に設定し、前記第1及び第2の条件の少なくとも一方を満たさない場合に前記更新速度を前記第1の速度より遅い第2の速度に設定する更新速度制御部とを備える。そして、前記適応フィルタは、前記誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、前記更新速度制御部で設定された前記更新速度で更新する。
この構成によって、フィードバックが引き起こすハウリングを精度良く検出し、ハウリング検出時にだけ適応フィルタのフィルタ係数の更新速度を速める制御を行うことで、ユーザが聞きたい音の音質劣化を少なく、且つ速やかにハウリングを抑圧する事が可能となる。
なお、本明細書において、「適応フィルタのフィルタ特性の空間伝達特性に対する収束」を、単に「適応フィルタの収束」と表記することがある。また、「適応フィルタのフィルタ係数の更新速度」を、単に「適応フィルタの更新速度」と表記することがある。
さらに、前記係数更新制御部は、前記入力信号の信号レベルを算出する第1のレベル算出部と、前記誤差信号の信号レベルを算出する第2のレベル算出部とを備えてもよい。そして、前記収束分析部は、前記入力信号の信号レベルと前記誤差信号の信号レベルとの二乗平均誤差が所定の閾値を下回る場合に、前記第1の条件を満たすと判断してもよい。
この構成によって、入力信号と誤差信号との二乗平均誤差を閾値判定することによって適応フィルタの収束状況を観察することが出来るようになるので、より精度良くハウリングを検出することが可能となる。
また、前記変化量分析部は、前記所定の時間内において、前記入力信号の信号レベルと前記誤差信号の信号レベルとの二乗平均誤差が減少傾向を示す場合に、前記第2の条件を満たすと判断してもよい。
この構成によって、二乗平均誤差の時間方向の変化量を閾値判定することによって適応フィルタの収束状況を観察することが出来るようになるので、より精度良くハウリングを検出することが可能となる。
また、前記第1及び第2の条件の両方を満たす場合において、前記更新速度制御部は、前記入力信号の信号レベルと前記誤差信号の信号レベルとの二乗平均誤差が小さいほど、前記第1の速度を速くしてもよい。
この構成によって、適応フィルタの収束度合いを適応フィルタの更新速度に反映させることで、入力信号に応じた適応フィルタの更新制御を行うことが可能となる。
さらに、前記係数更新制御部は、前記入力信号の信号レベルを周波数信号に変換する周波数分析部と、前記周波数信号にピークが存在するという第3の条件を満たすか否かを判断するピーク検出部とを備えてもよい。そして、前記更新速度制御部は、前記第1〜第3の条件の全てを満たす場合に前記更新速度を前記第1の速度に設定し、前記第1〜第3の条件の少なくとも1つを満たさない場合に前記更新速度を前記第2の速度に設定してもよい。
この構成によって、入力信号の周波数特性の情報を加味してハウリングの発生を判断できるため、より精度良くハウリングを検出することが可能となる。
さらに、前記係数更新制御部は、前記入力信号の信号レベルの最大値が所定の値を超えるという第4の条件を満たすか否かを判断する音声検出部を備えてもよい。そして、前記更新速度制御部は、前記第1の条件、前記第2の条件、及び前記第4の条件の全てを満たす場合に前記更新速度を前記第1の速度に設定し、前記第1の条件、前記第2の条件、及び前記第4の条件の少なくとも1つを満たさない場合に前記更新速度を前記第2の速度に設定してもよい。
この構成によって、入力信号の大きさの情報を加味してハウリングの発生を判断できるため、より精度良くハウリングを検出することが可能となる。
また、前記収束分析部は、前記二乗平均誤差が前記所定の閾値を下回った状態が所定時間継続した場合に、前記第1の条件を満たすと判断してもよい。
この構成によって、二乗平均誤差の閾値判定結果の時間継続性を観察することが出来るようになり、より精度良くハウリングを検出することが可能となる。
また、前記変化量分析部は、前記二乗平均誤差の時間方向の傾き値を分析することによって、前記第2の条件を満たすか否かを判断してもよい。
この構成によって、二乗平均誤差の時間方向の傾き値を参照することによって適応フィルタが一定時間以上安定して収束しているかどうかを判定できるため、より精度良くハウリングの発生を検出することが可能となる。
また、前記変化量分析部は、前記二乗平均誤差の時間方向の差分値を分析することによって、前記第2の条件を満たすか否かを判断してもよい。
この構成によって、二乗平均誤差の時間方向の差分値を参照することによって適応フィルタが一定時間以上安定して収束しているかどうかを判定できるため、より精度良くハウリングの発生を検出することが可能となる。
本発明の一形態に係る補聴器は、周囲の音を収音して前記入力信号に変換する収音部と、上記に記載のハウリング抑圧装置と、前記減算器で生成された前記誤差信号を出力音に変換して出力する出力部とを備える。
この構成によって、ハウリングによる不快感を低減した補聴器を実現できる。
本発明の一形態に係るハウリング抑圧方法は、入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧する方法である。具体的には、ハウリング抑圧方法は、前記入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、前記入力信号から減算して誤差信号を生成する減算ステップと、前記誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の前記入力信号のための前記擬似帰還信号を生成する適応フィルタステップと、前記適応フィルタステップでのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御ステップとを含む。前記係数更新制御ステップは、前記フィルタ係数によって定まるフィルタ特性の、空間伝達特性に対する収束の度合いが基準値を超えるという第1の条件を満たすか否かを判断する収束分析ステップと、所定の時間内において、前記フィルタ特性の前記空間伝達特性に対する収束が進んでいるという第2の条件を満たすか否かを判断する変化量分析ステップと、前記第1及び第2の条件の両方を満たす場合に前記更新速度を第1の速度に設定し、前記第1及び第2の条件の少なくとも一方を満たさない場合に前記更新速度を前記第1の速度より遅い第2の速度に設定する更新速度制御ステップとを含む。そして、前記適応フィルタステップでは、前記誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、前記更新速度制御ステップで設定された前記更新速度で更新する。
本発明の一形態に係る集積回路は、入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧する。具体的には、集積回路は、前記入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、前記入力信号から減算して誤差信号を生成する減算器と、前記誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の前記入力信号のための前記擬似帰還信号を生成する適応フィルタと、前記適応フィルタのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御部とを備える。前記係数更新制御部は、前記フィルタ係数によって定まる前記適応フィルタのフィルタ特性の、空間伝達特性に対する収束の度合いが基準値を超えるという第1の条件を満たすか否かを判断する収束分析部と、所定の時間内において、前記フィルタ特性の前記空間伝達特性に対する収束が進んでいるという第2の条件を満たすか否かを判断する変化量分析部と、前記第1及び第2の条件の両方を満たす場合に前記更新速度を第1の速度に設定し、前記第1及び第2の条件の少なくとも一方を満たさない場合に前記更新速度を前記第1の速度より遅い第2の速度に設定する更新速度制御部とを備える。そして、前記適応フィルタは、前記誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、前記更新速度制御部で設定された前記更新速度で更新する。
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
実施の形態1に係るハウリング抑圧装置は、入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧する装置であって、入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、入力信号から減算して誤差信号を生成する減算器と、誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の入力信号のための擬似帰還信号を生成する適応フィルタと、適応フィルタのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御部とを少なくとも備える。そして、適応フィルタは、誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、係数更新制御部(後述する更新速度制御部)で設定された更新速度で更新する。
図1を参照して、実施の形態1に係るハウリング抑圧装置を詳細に説明する。図1は、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の基本ブロック図である。
図1において、本実施の形態に係るハウリング抑圧装置は、周囲の音を収音して入力信号(目標信号)に変換するマイクロホン101と、マイクロホン101の出力信号(目標信号)から適応フィルタ107の出力信号(擬似帰還信号)を差し引き、エラー信号(誤差信号)を出力する減算器102と、入力されたエラー信号に音響信号処理を施して出力する音響処理部103と、音響処理部103の出力信号を増幅するアンプ104と、アンプ104で増幅された音(出力音)を出力するスピーカ105と、音響処理部103の出力信号を遅延させて適応フィルタ107の参照信号として出力する遅延器106と、入力された参照信号にフィルタ係数を畳み込むことで擬似帰還信号を出力すると共に、適応アルゴリズムに従ってフィルタ係数の更新を行う適応フィルタ107と、マイクロホン101から出力される目標信号と減算器102から出力されるエラー信号とに基づいて、適応フィルタ107の更新速度を決定する係数更新制御部108とを備えている。
実施の形態1に係る係数更新制御部は、前記フィルタ係数によって定まる適応フィルタのフィルタ特性の、空間伝達特性に対する収束の度合いが基準値を超えるという第1の条件を満たすか否かを判断する収束分析部と、所定の時間内において、フィルタ特性の空間伝達特性に対する収束が進んでいるという第2の条件を満たすか否かを判断する変化量分析部と、第1及び第2の条件の両方を満たす場合に更新速度を第1の速度に設定し、第1及び第2の条件の少なくとも一方を満たさない場合に更新速度を第1の速度より遅い第2の速度に設定する更新速度制御部とを少なくとも備える。
より具体的には、係数更新制御部は、さらに、入力信号の信号レベルを算出する第1のレベル算出部と、誤差信号の信号レベルを算出する第2のレベル算出部とを備える。そして、収束分析部は、入力信号の信号レベルと誤差信号の信号レベルとの二乗平均誤差が所定の閾値を下回る場合に、第1の条件を満たすと判断してもよい。また、変化量分析部は、所定の時間内において、入力信号の信号レベルと誤差信号の信号レベルとの二乗平均誤差が減少傾向を示す場合に、第2の条件を満たすと判断してもよい。
次に、図2を参照して、係数更新制御部108を詳細に説明する。図2は、本実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の係数更新制御部108の詳細ブロック図である。
図2において、本実施の形態に係る係数更新制御部108は、目標信号が入力される入力端子201と、エラー信号が入力される入力端子202と、目標信号の信号レベルを算出するレベル算出部203と、エラー信号の信号レベルを算出するレベル算出部204と、目標信号の信号レベルとエラー信号の信号レベルとから適応フィルタ107の収束度合いを分析する収束分析部205と、収束分析部205の出力信号(二乗平均誤差)の時間変化を分析する変化量分析部206と、収束分析部205の出力である二乗平均誤差と、変化量分析部の206の出力である二乗平均誤差の時間方向の傾き値とからハウリングが発生しているかどうかの判定を行う状態判定部207と、状態判定部207の判定結果から適応フィルタ107の更新速度を決めるパラメータを決定する更新速度制御部208と、決定された更新制御パラメータを出力する出力端子209とを備えている。
まず、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置の全体動作について説明する。
マイクロホン101に入力された入力信号は、減算器102で適応フィルタ107の出力信号を減算され、誤差信号として音響処理部103に入力される。音響処理部103は、入力された誤差信号に所望の音響信号処理を施すもので、例えば増幅処理やフィルタ処理など、誤差信号を加工して時間信号を出力する。音響処理部103の出力信号は、次にアンプ104に入力されて増幅される。そして増幅された出力信号は、スピーカ105から出力音として出力される。この時、スピーカ出力音の一部がマイクロホン101に帰還することで、スピーカ105とマイクロホン101との間に音響ループが形成される。この音響ループが途切れず信号が周り続けると、特定の帯域で信号が発振し、ハウリングを引き起こす。そこで、実施の形態1におけるハウリング抑圧装置は、発生したハウリングを適応フィルタ107を用いて抑圧する。
また、音響処理部103から出力された出力信号は、遅延器106に入力されて、例えば数サンプル〜数十サンプル遅延される。遅延器106で遅延された出力信号は、参照信号として適応フィルタ107に出力される。そして、適応フィルタ107は、遅延器106から取得した参照信号とフィルタ係数との畳み込み処理を行い、擬似帰還信号を減算器102に出力する。減算器102では、マイクロホン101の入力信号(目標信号)から擬似帰還信号を差し引くことで、目標信号に含まれるフィードバック成分(ハウリング成分)を取り除き、エラー信号を出力する。
適応フィルタ107は、例えば256タップのFIRフィルタである。適応フィルタ107のフィルタ係数は、例えば、目標信号とエラー信号との二乗平均誤差を最小とするような規範の下で動作する適応アルゴリズムに従って更新される。適応フィルタ107の更新アルゴリズムとしては、NLMSアルゴリズムなど、公知の各種適応アルゴリズムを用いる。二乗平均誤差が最小となるときとは、適応フィルタ107が空間伝達特性を正確に推定できた場合である。
かかる構成によれば、フィルタ係数の更新を進めることで適応フィルタ107による空間伝達特性の推定精度が向上し、適応フィルタ107からの出力が帰還信号と類似した擬似帰還信号となる。その結果、減算器102から出力されるエラー信号は、目標信号から擬似帰還信号が取り除かれているので、ユーザが本来聞きたい音を得ることができる。
なお、図1において、遅延器106は、音響処理部103の出力信号を入力としているが、減算器102の出力信号(誤差信号)を入力としても良いし、アンプ104の出力信号を入力とする構成でも良い。
次に、実施の形態1における係数更新制御部108の動作について説明する。係数更新制御部108は、適応フィルタ107のフィルタ係数の更新制御を実現するために設けられた部分である。
入力端子201、202には、それぞれマイクロホン101の入力信号(目標信号)とエラー信号とが入力される。レベル算出部203は、入力端子201に入力された目標信号の信号レベルを算出する。レベル算出部204は、入力端子202に入力されたエラー信号の信号レベルを算出する。収束分析部205では、目標信号の信号レベルとエラー信号の信号レベルとの二乗平均誤差を算出する。二乗平均誤差とは、適応フィルタ107の収束度合いを判断するために用いられる指標である。この値を算出することで、エラー信号の中にどれだけ帰還信号成分が残っているかを参照することができる。
一例として、二乗平均誤差には、エラー信号の信号レベルの二乗と、目標信号の信号レベルの二乗との比を用いることができる。但し、二乗平均誤差の具体例は、これに限定されず、例えば、目標信号の信号レベルの二乗とエラー信号の信号レベルの二乗との差を用いてもよい。また、二乗平均誤差を算出するパラメータは、目標信号とエラー信号との組み合わせには限定されない。例えば、目標信号と擬似帰還信号との二乗平均誤差であってもよいし、擬似帰還信号とエラー信号との二乗平均誤差であってもよい。
図3は、マイクロホン101に音声と雑音との混合信号を入力し、適応フィルタ107を常に一定の速度で動作させながら5秒目で意図的にハウリングを生じさせた場合の時間波形(上段)と、収束分析部205で算出した二乗平均誤差(下段)とを描画したグラフである。5秒目で生じたハウリングは約2秒で収束するが、この時、二乗平均誤差のグラフを参照すると、ハウリングが生じるのと同じタイミングでグラフの値が低下し始め、ハウリングが収束するとまた値が上昇していく様子が観察される。この二乗平均誤差の低下は、ハウリングを適応フィルタ107が同定することで、適応フィルタ107の収束が進んでいる状態を表している。
すなわち、収束分析部205は、これを利用して、適応フィルタ107の収束の度合いを判断することが出来る。図2における収束分析部205は、二乗平均誤差と予め定められた閾値とを比較し、二乗平均誤差が閾値を下回る場合は第1の検出フラグ(収束フラグ)の値を1に設定し、二乗平均誤差が閾値以上の場合は第1の検出フラグの値を0に設定する。なお、上述した第1の検出フラグの設定値は一例であり、これに限定されない。すなわち、第1の検出フラグには、適応フィルタ107の収束の度合いが基準値を越えている状態を表す値(上記の例では“1”)と、適応フィルタ107の収束の度合いが基準値以下の状態を表す値(上記の例では“0”)とのうちのいずれかを設定すればよい。後述する他のフラグに設定される値についても同様のことが言える。
変化量分析部206は、収束分析部205で算出される二乗平均誤差に加えて、より精度良くハウリングの発生状態を検出できるように設けられたブロックである。変化量分析部206では、入力された二乗平均誤差の時間方向の変化量を分析する。具体的には、変化量分析部206は、現在の時刻tにおける二乗平均誤差と、過去の時刻(t−n)における二乗平均誤差値との傾きを算出する。そして、変化量分析部206は、過去の時刻(t−n)の二乗平均誤差に対する現在の時刻tの二乗平均誤差の傾きがマイナスであれば適応フィルタ107の収束が進んでおり、傾きがプラスであれば適応フィルタ107の収束が停滞しているとみなす。また、変化量分析部206は、所定の時間内における二乗平均誤差の傾きがマイナスであり続ける場合、収束が継続しているとみなすことができる。
なお、「過去の時刻(t−n)の二乗平均誤差に対する現在の時刻tの二乗平均誤差の傾きがマイナスである」とは、所定の時間内における二乗平均誤差が減少傾向を示すことを意味するものであり、隣接するサンプル間の二乗平均誤差が単調減少していることまでを要求するものではない。
収束分析部205では、二乗平均誤差の値そのものを観察するため、ハウリングの他に音声などハウリング以外の収束の進みやすい信号を誤検出する可能性がある。これに対して、変化量分析部206では、収束の時間方向の継続性を分析することで、例えば音声など、時間変動の激しい入力信号に対する誤検出を低減することができる。そして、変化量分析部206は、収束分析部205と同様に閾値判定を利用し、算出した二乗平均誤差の時間方向の傾き値が閾値を下回る場合に第2の検出フラグ(変化量フラグ)の値を1に設定し、二乗平均誤差の時間方向の傾き値が閾値以上の場合に第2の検出フラグの値を0に設定する。
状態判定部207では、収束分析部205から出力された収束フラグと、変化量分析部206から出力された変化量フラグとを用いて、マイクロホン101に入力された信号にハウリングが含まれているか否かの判定を行う。具体的には、状態判定部207は、収束フラグと変化量フラグとを参照し、両方のフラグが立っている(上記の例では、“1”が設定されている)場合にハウリングが発生している状態であるとして加速フラグを立てる(例えば、“1”を設定する)。一方、状態判定部207は、収束フラグ及び変化量フラグの少なくともいずれか一方が立っていない(上記の例では、“0”が設定されている)場合にハウリングが発生していない状態として加速フラグを立てない(例えば、“0”を設定する)。
更新速度制御部208は、状態判定部207の出力信号である加速フラグの値に従って適応フィルタ107の更新速度を設定する。具体的には、更新速度制御部208は、状態判定部207から入力された加速フラグが1の場合は更新速度を大きい値(第1の速度)に設定し、加速フラグが0の場合は更新速度を通常値(第1の速度より遅い第2の速度)に設定し、設定された更新速度を適応フィルタ107に出力する。なお、「更新速度」とは、フィルタ係数の単位時間当たりの更新量を指す。より具体的には、更新速度は、1回の更新処理におけるフィルタ係数の変動幅と言い換えることができる。
図4〜図6は、図2に示される係数更新制御部108の動作を、ソフトウェアで実現する場合の動作を示すフローチャートである。
図4は、収束分析部205の動作を表すフローチャートである。収束分析部205は、目標信号の信号レベルとエラー信号の信号レベルとの二乗平均誤差を算出する(S1101)。次に、収束分析部205は、算出された二乗平均誤差の値と予め定められた閾値とを比較する(S1102)。そして、二乗平均誤差が閾値を下回る場合(S1102でYes)は収束フラグの値を1に設定(S1103)して状態判定部207に出力し、二乗平均誤差が閾値以上の場合(S1102でNo)は収束フラグの値を0に設定(S1104)して状態判定部207に出力する。なお、図4のステップS1101では現在時刻における二乗平均誤差と閾値とを比較しているが、これに限定されず、二乗平均誤差が所定の閾値を下回った状態が所定時間継続した場合に、ステップS1101でYesと判断してもよい。
図5は、変化量分析部206の動作を表すフローチャートである。変化量分析部206は、収束分析部205から二乗平均誤差を取得し、二乗平均誤差の時間方向の変化量を算出する(S1201)。次に、変化量分析部206は、算出された時間変化量と予め定められた閾値の値とを比較する(S1202)。変化量分析部206は、時間変化量が閾値を下回る場合(S1202)に変化量フラグの値を1に設定(S1203)して状態判定部207に出力し、時間変化量が閾値以上の場合(S1202でNo)に変化量分析部206は、変化量フラグの値を0に設定(S1204)して状態判定部207に出力する。
図6は、状態判定部207の動作を表すフローチャートである。まず、状態判定部207は、第1の条件として、収束分析部205から取得した収束フラグの値を確認する(S1301)。そして、収束フラグの値が0の場合(S1301でNo)、状態判定部207は、加速フラグの値を0に設定(S1303)して更新速度制御部208に出力する。一方、収束フラグの値が1の場合(S1301でYes)、状態判定部207は、次に、第2の条件として、変化量分析部206から取得した変化量フラグの値を確認する(S1302)。そして、状態判定部207は、変化量フラグの値が0の場合(S1302でNo)に加速フラグの値を0に設定(S1305)して更新速度制御部208に出力し、変化量フラグの値が1の場合(S1302でYes)に加速フラグの値を1に設定(S1304)して更新速度制御部208に出力する。なお、収束フラグ及び変化量フラグの確認順序は、図6の例に限定されない。すなわち、変化量フラグを確認した後に収束フラグを確認してもよい。
かかる構成によれば、目標信号とエラー信号とから算出された二乗平均誤差を分析することで適応フィルタ107の収束を加速させるタイミングを自動判断することが可能となり、算出された加速のタイミングに従って適応フィルタ107の更新速度を変化させることができる。これにより、ハウリングが発生している間だけ高速に適応フィルタ107のフィルタ係数を更新することになるので、速やかにハウリングを抑圧することが可能となる。
なお、図2の変化量分析部206では二乗平均誤差の時間方向の傾き値を見るとしているが、変化量の算出には時間方向に2つの二乗平均誤差の差分値を取っても良いし、2つの二乗平均誤差の大小関係を算出して判定を行っても良い。また、二乗平均誤差の時間方向の傾き値が、一定の時間以上継続して減少を続けるか観察を行い、継続性が見られた場合のみ変化量フラグを立てるような構成でも良い。
かかる構成によれば、二乗平均誤差の瞬間的な値のみならず、二乗平均誤差の時間方向の傾き値の時間的な継続性をハウリングが発生しているか否かを判定する判定基準に加えることによって、適応フィルタ107の収束が一定時間以上安定して進んでいる状態のみを選択することができる。このため、ハウリングの発生をより精度良く検出することが可能となる。
図7は、実施の形態1における更新速度制御部208の詳細ブロック図である。
図7において、本実施の形態に係る更新速度制御部208は、入力端子301と、更新速度選択部302と、出力端子303とを備えている。
入力端子301には、図2における状態判定部207の出力信号が入力される。状態判定部207の出力信号とは加速フラグであり、ハウリングが発生していれば1が、ハウリングが発生していなければ0が設定されている。更新速度選択部302には、予め定められた適応フィルタ107の更新速度が記憶されており、加速用の第1の速度と通常用の第2の速度との2種類の値を持っている。そして、更新速度選択部302は、入力された加速フラグの値が1の場合は加速用の値を、フラグの値が0の場合は通常用の値を適応フィルタ107の更新速度として決定し、出力端子303へ出力する。
図8は、更新速度制御部208の動作を表すフローチャートである。更新速度制御部208は、状態判定部207から取得した加速フラグの値を判定する(S1401)。そして、更新速度制御部208は、加速フラグの値が1である場合(S1401で)は適応フィルタ107の更新速度を予め定めた加速用の値に設定し(S1402)、加速フラグの値が0である場合は適応フィルタ107の更新速度を通常用の値に設定する(S1403)。
かかる構成によれば、更新速度選択部302で予め定めた更新制御用パラメータ値を保有し、入力信号に応じて対応する値を1つ選択することによって、適応フィルタ107の更新速度を変化させ、ハウリングを素早く抑圧することが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る係数更新制御部は、さらに、入力信号の信号レベルを周波数信号に変換する周波数分析部と、周波数信号にピークが存在するという第3の条件を満たすか否かを判断するピーク検出部とを備える。そして、更新速度制御部は、第1〜第3の条件の全てを満たす場合に更新速度を第1の速度に設定し、第1〜第3の条件の少なくとも1つを満たさない場合に更新速度を第2の速度に設定する。
図9を参照して、実施の形態2に係る係数更新制御部108を詳細に説明する。図9は、実施の形態2における係数更新制御部108の詳細ブロック図である。図9において、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図9において、本実施の形態に係る係数更新制御部108は、入力端子201に入力された時間信号を周波数領域の信号に変換する周波数分析部401と、周波数分析部401から出力された周波数領域の信号を分析して周波数ピークを検出するピーク検出部402とをさらに備える。そして、本実施の形態に係る状態判定部403は、収束分析部205から出力された収束フラグと、変化量分析部206から出力された変化量フラグと、ピーク検出部402から出力されたピーク検出結果(ピーク検出フラグ)とに基づいて、マイクロホン101に入力された信号にハウリング成分が含まれているかどうかを判定する。
周波数分析部401は、入力端子201を通じて取得したマイクロホン101の出力信号(目標信号)を周波数変換し、複数の帯域信号に分割する。周波数変換手法としては、例えば高速フーリエ変換、複数のFIRフィルタまたはIIRフィルタから構成されるフィルタバンクなど、時間信号を複数の帯域信号に分割する公知の各手法を用いることができる。ピーク検出部402では、帯域分割された周波数領域信号から信号の周波数特性を分析して周波数ピークの検出を行い、周波数ピークの数を出力する。
図10は、実施の形態3におけるピーク検出部402の詳細ブロック図である。
図10において、本実施の形態に係るピーク検出部402は、帯域分割された周波数領域の信号をピーク検出部402へ入力する入力端子501と、帯域ごとに入力信号の信号レベルを算出するレベル算出部502と、複数帯域の信号レベルから入力信号の周波数特性を分析する特徴分析部503と、特徴分析部503の出力である周波数特性を入力として周波数ピークを検出するピーク判定部504と、ピーク判定部504の出力結果を出力する出力端子505とを備えている。
図10の周波数分析部401で複数の帯域に分割された周波数領域信号は、帯域ごとにレベル算出部502に入力される。レベル算出部502では、入力された帯域ごとの周波数領域の信号の信号レベルを算出して出力する。特徴分析部503は、入力された帯域ごとの信号レベルから周波数特性を分析する。具体的には、特徴分析部503は、隣り合う帯域レベルのレベル比を算出して出力する。ピーク判定部504には、特徴分析部503から出力される帯域レベル比を所定の閾値と比較し、閾値を超えた帯域があれば正弦波状信号が存在するとみなし、ピーク数カウンタに1を加算する。出力端子505は、ピーク数カウンタをピーク判定部504でカウントされたピーク周波数の数として出力する。
図9において、最後に状態判定部403では、ピーク検出部402から出力されたピーク数カウンタ、収束分析部205から出力された収束フラグ、及び変化量分析部206から出力された変化量フラグの3つのパラメータを基に、ハウリングが発生しているかどうかの判定を行う。ハウリングは鋭い周波数ピークが1本だけ立つ正弦波状信号であるため、周波数ピークの数を状態判定に取り入れることで、より精度良くハウリングの発生を検出することができる。すなわち、状態判定部403は、第1のフラグと第2のフラグとが両方1で、かつピーク検出部402から出力されたピーク数が1の場合(第3の条件)にのみハウリングが発生していると判断し、加速フラグを1にする。
かかる構成によれば、周波数領域の信号の分析結果(ピーク数)を状態判定部403に入力し、入力信号の周波数特性を判定基準に加えることで、より高精度なハウリング検出が可能となる。
図11は、ピーク検出部402の動作を表すフローチャートである。レベル算出部502は、周波数分析部401から帯域ごとの周波数領域の信号を取得すると、まず分割された帯域ごとに信号レベルを算出する(S1501)。次に、特徴分析部503は、算出された各帯域の信号レベルを利用して、隣り合う帯域のレベル比を算出する(S1502)。次に、ピーク判定部504は、レベル比を予め定められた閾値と比較(S1503)し、レベル比が閾値を上回る場合にピーク数カウンタの値に1を加算する(S1504)。次に、ピーク判定部504は、ピーク数カウンタの数を判定する(S1505)。ピーク数カウンタの値が1である場合(S1505でYes)、ピーク判定部504は、ハウリングが発生していると判断してピーク検出フラグを1に設定する(S1506)。一方、ピーク数カウンタが1でない値の場合(S1505でNo)、ピーク判定部504は、ピーク検出フラグを0に設定する(S1507)。
かかる構成によれば、隣り合う帯域ごとの信号レベルのレベル比を取ることで、周波数特性のピーク検出を行うことができるので、ハウリングをより精度よく検出し、適応フィルタ107のフィルタ係数の更新制御を適切に行うことが可能となる。
なお、本実施の形態において、特徴分析部503では隣り合う帯域の信号レベル比を算出すると記述したが、隣り合う2つの帯域の信号レベルの差分を算出してピーク検出を行っても良いし、隣り合う2つの帯域の大小関係を利用してピーク検出を行っても良い。
なお、本実施の形態において、ピーク検出部402による周波数ピークのカウント条件は、周波数ピークがある一定の時間以上継続して現れた場合にカウンタフラグの値を1増やす構成にしても良い。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る係数更新制御部は、さらに、入力信号の信号レベルの最大値が所定の値を超えるという第4の条件を満たすか否かを判断する音声検出部を備える。そして、更新速度制御部は、第1の条件、第2の条件、及び第4の条件の全てを満たす場合に更新速度を第1の速度に設定し、第1の条件、第2の条件、及び第4の条件の少なくとも1つを満たさない場合に更新速度を第2の速度に設定する。
図12を参照して、実施の形態3に係る係数更新制御部108を詳細に説明する。図12は、実施の形態3における係数更新制御部108の詳細ブロック図である。図12において、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図12において、本実施の形態に係る係数更新制御部108は、レベル算出部203から取得した入力信号の信号レベルに基づいて、ハウリング信号の有無を判断する音声検出部601をさらに備える。そして、本実施の形態に係る状態判定部602は、音声検出部601、収束分析部205、及び変化量分析部206それぞれの出力からハウリングが発生しているかどうかを判定する。
音声検出部601は、レベル算出部203で算出された入力信号の信号レベルを入力とする。ハウリングは信号の発振現象であるため、ハウリングが生じている場合の入力信号の信号レベルは大きな値を示す。これを利用して、音声検出部601は、入力信号の信号レベルの大きさと閾値とを比較し、入力信号の信号レベルが閾値以上の場合は信号検出フラグを1に設定して状態判定部602に出力し、入力信号の信号レベルが閾値を下回る場合は信号検出フラグを0に設定して状態判定部602に出力する。状態判定部602では、収束分析部205の出力である収束フラグと、変化量分析部206の出力である変化量フラグと、音声検出部601の出力である信号検出フラグとに基づいて、ハウリングが発生しているかどうかを判定する。具体的には、状態判定部602は、二乗平均誤差の閾値判定で収束フラグが1になり、変化量フラグが1になり、かつ信号検出フラグが1の場合(第4の条件)にハウリングが発生しているとみなし、加速フラグを1にする。
かかる構成によれば、信号レベルの情報を適応フィルタ107のフィルタ係数の更新制御の条件に加えることによって、ハウリングが発生しているかどうかを入力信号の大きさからも判定できる。その結果、より適切に適応フィルタ107のフィルタ係数の更新制御を行うことが可能となる。
(実施の形態4)
実施の形態4に係る更新速度制御部は、第1及び第2の条件の両方を満たす場合において、入力信号の信号レベルと誤差信号の信号レベルとの二乗平均誤差が小さいほど、第1の速度を速くする。
図13を参照して、実施の形態4に係る係数更新制御部108を詳細に説明する。図13は、実施の形態4における係数更新制御部108の詳細ブロック図である。図13において、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図13において、本実施の形態に係る係数更新制御部108は、更新速度制御部701を新たに備えている。
更新速度制御部701は、状態判定部207の出力結果である加速フラグと、収束分析部205の出力結果である二乗平均誤差の値との2つの信号を入力としている。二乗平均誤差の値は、入力信号に応じた適応フィルタ107の収束度合いを示すパラメータであるので、加速フラグが1(ハウリングが発生していると判定された状態)の場合、更新速度制御部701は、二乗平均誤差の値を見ることによって適応フィルタ107をどの程度加速させれば良いかについて、大まかな目安を知ることができる。これを利用して、更新速度制御部701は、加速フラグが1の場合に二乗平均誤差の値を変換することで、適応フィルタ107の更新速度を決定し、出力する。
かかる構成によれば、更新速度制御部701は、二乗平均誤差の値を利用して更新速度を決定することで、入力信号に応じて更新速度の値を最適化して適応フィルタ107のフィルタ係数の更新制御を行うことが可能となる。
図14は、本実施の形態4における更新速度制御部701の詳細ブロック図である。
図14において、本実施の形態に係る更新速度制御部701は、収束分析部205の出力である二乗平均誤差を入力とする入力端子801と、状態判定部207の出力である加速フラグを入力とする入力端子802と、入力端子801から入力された二乗平均誤差の値を平滑化する平滑化処理部803と、平滑化処理部803から出力された平滑化後の二乗平均誤差から適応フィルタ107の更新速度を算出する更新速度算出部804と、入力端子802から入力された加速フラグの値と更新速度算出部804で算出された更新速度とに基づいて、適応フィルタ107の更新速度を最終決定する更新速度設定部805と、設定された更新速度を適応フィルタ107に出力する出力端子806とを備えている。
二乗平均誤差を入力とする平滑化処理部803では、二乗平均誤差の細かな時間変動を取り除き、適応フィルタ107の更新速度に変換しやすい程度に平滑化処理を行う。平滑化処理された信号(二乗平均誤差)は、更新速度算出部804へ入力される。更新速度算出部804では、平滑化処理された二乗平均誤差を適応フィルタ107の更新速度を決定するための指標に変換する処理を行う。
図15は、図14における更新速度算出部804の処理の過程で算出される途中信号をグラフで描画したものである。図15の(a)は、ホワイトノイズを入力信号とし、10秒目で系変動を起こしてハウリングを発生させた場合の最終出力信号である。図15の(a)では、10秒目から約1秒間波形の振幅が大きくなり、ハウリングが発生している様子が分かる。
次に、図15の(b)は、図15の(a)の時の二乗平均誤差を描画したもので、10秒目でハウリングが発生すると、二乗平均誤差の値が大きく低下している。次に、図15の(c)は、図15の(b)の二乗平均誤差にオフセット(約1dB)を載せた値を反転し、さらに二乗平均誤差の低下が大きく見られる箇所だけが0を越える値となるように変換した結果である。
図15の(d)は、状態判定部207で定められた加速フラグを描画したものである。図15の(e)は、予め定めておいた更新速度の下限値と上限値とのレンジ幅を利用して、図15の(c)の値を下限値から上限値の間に収まるように調整(マッピング)し、二乗平均誤差の大きな変動だけを捕らえて適応フィルタ107の更新速度への変換を行った結果を示す図である。
最後に、更新速度設定部805は、入力端子802から入力される加速フラグが1の場合に、更新速度算出部804で算出された更新速度を最終的な更新速度として設定して出力端子806に出力し、加速フラグが0の場合に通常時の更新速度を設定して出力端子806に出力する。
図16は、更新速度制御部701の動作を表すフローチャートである。まず、平滑化処理部803は、収束分析部205の出力である二乗平均誤差を平滑化し、細かな二乗平均誤差の変動を除去して大まかな値の変動を抽出する(S1601)。次に、更新速度算出部804は、平滑化した二乗平均誤差の最大値と最小値とが、それぞれ予め定めておいた適応フィルタ107の更新速度を表すパラメータの上限値と下限値に一致するように値を変換する(S1602)。次に、更新速度設定部805は、更新速度制御部701に入力された加速フラグの値を確認する(S1603)。加速フラグの値が1である場合(S1603でYes)、更新速度設定部805は、適応フィルタ107の更新速度に、ステップS1602で算出された二乗平均誤差を更新速度に変換した値を設定する(S1604)。一方、加速フラグの値が1でない場合(S1603でNo)、更新速度設定部805は、適応フィルタ107の更新速度に通常時の値を設定する(S1605)。
かかる構成によれば、二乗平均誤差の値を適応フィルタ107の更新速度に対応するように変換することで、入力信号に応じて更新速度の値を最適化して適応フィルタ107の更新速度を制御することが可能となる。
なお、更新速度算出部804では二乗平均誤差を適応フィルタ107の更新速度に変換したが、連続的な値に変換するのでなく、予め定めた更新速度の下限値と上限値との間に例えば2のべき乗でパラメータを段階的に設定し、ビットシフトなどによって二乗平均誤差をいずれかの設定値にマッピングしても良い。
上記の各実施の形態に係るハウリング抑圧装置は、例えば、補聴器に利用することができす。すなわち、このような補聴器は、周囲の音を収音して入力信号に変換する収音部(マイクロホン)と、上記の各実施の形態に係るハウリング抑圧装置と、減算器で生成された誤差信号を出力音に変換して出力する出力部(スピーカ)とを備える。
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
(1)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムで実現され得る。RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、ROMからRAMにコンピュータプログラムをロードし、ロードしたコンピュータプログラムにしたがって演算等の動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されてもよい。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールには、上記の超多機能LSIが含まれてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有してもよい。
(4)本発明は、上記に示す方法で実現されてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムで実現してもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号で実現してもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなどに記録したもので実現してもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号で実現してもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送してもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、メモリは、コンピュータプログラムを記憶しており、マイクロプロセッサは、コンピュータプログラムにしたがって動作してもよい。
また、プログラムまたはデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、またはプログラムまたはデジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施してもよい。
(5)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
本発明にかかるハウリング抑圧装置は、マイクロホンとスピーカとを有する各種音響装置において、スピーカとマイクロホンとの間の音響結合により発生するハウリングを抑圧するハウリング抑圧装置等として有用である。
101,901 マイクロホン
102,902 減算器
103 音響処理部
104 アンプ
105,904 スピーカ
106,905 遅延器
107,906 適応フィルタ
108 係数更新制御部
201,202,301,501,801,802 入力端子
203,204,502 レベル算出部
205 収束分析部
206 変化量分析部
207,403,602 状態判定部
208,701 更新速度制御部
209,303,505,806 出力端子
302 更新速度選択部
401 周波数分析部
402 ピーク検出部
503 特徴分析部
504 ピーク判定部
601 音声検出部
803 平滑化処理部
804 更新速度算出部
805 更新速度設定部
903 補聴器プロセッサ
907 自己相関算出部
908 閾値判定部
909 更新制御部

Claims (10)

  1. 入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧するハウリング抑圧装置であって、
    前記入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、前記入力信号から減算して誤差信号を生成する減算器と、
    前記誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の前記入力信号のための前記擬似帰還信号を生成する適応フィルタと、
    前記適応フィルタのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御部とを備え、
    前記係数更新制御部は、
    前記フィルタ係数によって定まる前記適応フィルタのフィルタ特性の、空間伝達特性に対する収束の度合いが基準値を超えるという第1の条件を満たすか否かを判断する収束分析部と、
    所定の時間内において、前記フィルタ特性の前記空間伝達特性に対する収束が進んでいるという第2の条件を満たすか否かを判断する変化量分析部と、
    前記第1及び第2の条件の両方を満たす場合に前記更新速度を第1の速度に設定し、前記第1及び第2の条件の少なくとも一方を満たさない場合に前記更新速度を前記第1の速度より遅い第2の速度に設定する更新速度制御部とを備え、
    前記適応フィルタは、前記誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、前記更新速度制御部で設定された前記更新速度で更新し、
    前記係数更新制御部は、さらに、
    前記入力信号の信号レベルを算出する第1のレベル算出部と、
    前記誤差信号の信号レベルを算出する第2のレベル算出部と、
    前記入力信号の信号レベルを周波数信号に変換する周波数分析部と、
    前記周波数信号にピークが存在するという第3の条件を満たすか否かを判断するピーク検出部とを備え、
    前記収束分析部は、前記入力信号の信号レベルと前記誤差信号の信号レベルとの二乗平均誤差が所定の閾値を下回る場合に、前記第1の条件を満たすと判断し、
    前記更新速度制御部は、前記第1〜第3の条件の全てを満たす場合に前記更新速度を前記第1の速度に設定し、前記第1〜第3の条件の少なくとも1つを満たさない場合に前記更新速度を前記第2の速度に設定する
    ハウリング抑圧装置。
  2. 前記変化量分析部は、前記所定の時間内において、前記入力信号の信号レベルと前記誤差信号の信号レベルとの二乗平均誤差が減少傾向を示す場合に、前記第2の条件を満たすと判断する
    請求項に記載のハウリング抑圧装置。
  3. 前記第1及び第2の条件の両方を満たす場合において、前記更新速度制御部は、前記入力信号の信号レベルと前記誤差信号の信号レベルとの二乗平均誤差が小さいほど、前記第1の速度を速くする
    請求項又はに記載のハウリング抑圧装置。
  4. 前記係数更新制御部は、さらに、前記入力信号の信号レベルの最大値が所定の値を超えるという第4の条件を満たすか否かを判断する音声検出部を備え、
    前記更新速度制御部は、前記第1の条件、前記第2の条件、及び前記第4の条件の全てを満たす場合に前記更新速度を前記第1の速度に設定し、前記第1の条件、前記第2の条件、及び前記第4の条件の少なくとも1つを満たさない場合に前記更新速度を前記第2の速度に設定する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のハウリング抑圧装置。
  5. 前記収束分析部は、前記二乗平均誤差が前記所定の閾値を下回った状態が所定時間継続した場合に、前記第1の条件を満たすと判断する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のハウリング抑圧装置。
  6. 前記変化量分析部は、前記二乗平均誤差の時間方向の傾き値を分析することによって、前記第2の条件を満たすか否かを判断する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のハウリング抑圧装置。
  7. 前記変化量分析部は、前記二乗平均誤差の時間方向の差分値を分析することによって、前記第2の条件を満たすか否かを判断する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のハウリング抑圧装置。
  8. 周囲の音を収音して前記入力信号に変換する収音部と、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のハウリング抑圧装置と、
    前記減算器で生成された前記誤差信号を出力音に変換して出力する出力部とを備える
    補聴器。
  9. 入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧するハウリング抑圧方法であって、
    前記入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、前記入力信号から減算して誤差信号を生成する減算ステップと、
    前記誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の前記入力信号のための前記擬似帰還信号を生成する適応フィルタステップと、
    前記適応フィルタステップでのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御ステップとを含み、
    前記係数更新制御ステップは、
    前記フィルタ係数によって定まるフィルタ特性の、空間伝達特性に対する収束の度合いが基準値を超えるという第1の条件を満たすか否かを判断する収束分析ステップと、
    所定の時間内において、前記フィルタ特性の前記空間伝達特性に対する収束が進んでいるという第2の条件を満たすか否かを判断する変化量分析ステップと、
    前記第1及び第2の条件の両方を満たす場合に前記更新速度を第1の速度に設定し、前記第1及び第2の条件の少なくとも一方を満たさない場合に前記更新速度を前記第1の速度より遅い第2の速度に設定する更新速度制御ステップとを含み、
    前記適応フィルタステップでは、前記誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、前記更新速度制御ステップで設定された前記更新速度で更新し、
    前記係数更新制御ステップは、さらに、
    前記入力信号の信号レベルを算出する第1のレベル算出ステップと、
    前記誤差信号の信号レベルを算出する第2のレベル算出ステップと、
    前記入力信号の信号レベルを周波数信号に変換する周波数分析ステップと、
    前記周波数信号にピークが存在するという第3の条件を満たすか否かを判断するピーク検出ステップとを含み、
    前記収束分析ステップでは、前記入力信号の信号レベルと前記誤差信号の信号レベルとの二乗平均誤差が所定の閾値を下回る場合に、前記第1の条件を満たすと判断し、
    前記更新速度制御ステップでは、前記第1〜第3の条件の全てを満たす場合に前記更新速度を前記第1の速度に設定し、前記第1〜第3の条件の少なくとも1つを満たさない場合に前記更新速度を前記第2の速度に設定する
    ハウリング抑圧方法。
  10. 入力信号に含まれるハウリング成分を抑圧する集積回路であって、
    前記入力信号に含まれるハウリング成分である帰還信号を推定した信号である擬似帰還信号を、前記入力信号から減算して誤差信号を生成する減算器と、
    前記誤差信号にフィルタ処理を適用して、次の前記入力信号のための前記擬似帰還信号を生成する適応フィルタと、
    前記適応フィルタのフィルタ係数の更新速度を制御する係数更新制御部とを備え、
    前記係数更新制御部は、
    前記フィルタ係数によって定まる前記適応フィルタのフィルタ特性の、空間伝達特性に対する収束の度合いが基準値を超えるという第1の条件を満たすか否かを判断する収束分析部と、
    所定の時間内において、前記フィルタ特性の前記空間伝達特性に対する収束が進んでいるという第2の条件を満たすか否かを判断する変化量分析部と、
    前記第1及び第2の条件の両方を満たす場合に前記更新速度を第1の速度に設定し、前記第1及び第2の条件の少なくとも一方を満たさない場合に前記更新速度を前記第1の速度より遅い第2の速度に設定する更新速度制御部とを備え、
    前記適応フィルタは、前記誤差信号にフィルタ処理を適用するためのフィルタ係数を、前記更新速度制御部で設定された前記更新速度で更新し、
    前記係数更新制御部は、さらに、
    前記入力信号の信号レベルを算出する第1のレベル算出部と、
    前記誤差信号の信号レベルを算出する第2のレベル算出部と、
    前記入力信号の信号レベルを周波数信号に変換する周波数分析部と、
    前記周波数信号にピークが存在するという第3の条件を満たすか否かを判断するピーク検出部とを備え、
    前記収束分析部は、前記入力信号の信号レベルと前記誤差信号の信号レベルとの二乗平均誤差が所定の閾値を下回る場合に、前記第1の条件を満たすと判断し、
    前記更新速度制御部は、前記第1〜第3の条件の全てを満たす場合に前記更新速度を前記第1の速度に設定し、前記第1〜第3の条件の少なくとも1つを満たさない場合に前記更新速度を前記第2の速度に設定する
    集積回路。
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