JPH05304444A - 適応フィルタによる未知システム同定の方法及び装置 - Google Patents

適応フィルタによる未知システム同定の方法及び装置

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JPH05304444A
JPH05304444A JP30868791A JP30868791A JPH05304444A JP H05304444 A JPH05304444 A JP H05304444A JP 30868791 A JP30868791 A JP 30868791A JP 30868791 A JP30868791 A JP 30868791A JP H05304444 A JPH05304444 A JP H05304444A
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誤差信号に対する妨害信号に強く、短い収束
時間と小さい収束後の最終誤差信号レベルを達成するこ
とのできる適応フィルタによる未知システム同定の方法
及び装置を提供する。 【構成】 アダプティブ・フィルタ3は参照入力端子2
に供給されたノイズを用いて主入力端子1にて受信信号
を妨害するノイズのレプリカを発生し、これを減算器4
で差し引くことによりノイズを除去する。減算器4の出
力である差信号を用いてノイズとノイズ・レプリカの誤
差のアダプティブ・フィルタ3の係数に対する傾きをス
テップ・サイズ・コントローラ8で決め、リミッタ9で
過去の制限付ステップ・サイズを用いて計算された最大
値と最小値でステップ・サイズを制限し、得られた制限
付ステップ・サイズを用いてアダプティブ・フィルタの
係数更新が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、適応フィルタ(アダプ
ティブ・フィルタ)を用いて未知システムを同定する方
法及び装置に関する。このようなアダプティブ・フィル
タは、2線/4線変換部で生じるエコーを除去するため
のエコー・キャンセラ、伝送路上で受ける符号間干渉を
除去するための等化器、音響入力用のマイクロホンに漏
れ込むノイズを除去するためのノイズ・キャンセラ、ス
ピーカからマイクロホンに至る音響結合によって生じる
ハウリングを除去するためのハウリング・キャンセラ等
に応用されている。
【0002】
【従来の技術】通常アダプティブ・フィルタによる未知
システムの同定は、同定しようとする未知系とアダプテ
ィブ・フィルタに同一の信号を入力し、未知系出力から
アダプティブ・フィルタ出力を差し引いて得られる同定
誤差(以下、これを誤差信号と呼ぶ)を用いてアダプテ
ィブ・フィルタの係数を更新することによって行われ
る。このようなアダプティブ・フィルタによる未知シス
テムの同定の応用として、エコー・キャンセラ,等化
器,ノイズ・キャンセラ,ハウリング・キャンセラなど
が知られている(アダプティブ・シグナル・プロセシン
グ(ADAPTIVESIGNAL PROCESSI
NG),プレンティス・ホール社(PRENTICE−
HALL),1985年;以下、「文献1」)。これら
の応用におけるアダプティブ・フィルタの基本動作はほ
とんど同じなので、ここではノイズ・キャンセラを例に
取って説明する。
【0003】ノイズ・キャンセラはノイズ源から主入力
端子までノイズが通る経路のインパルス応答を近似する
伝送関数を持つ適応(アダプティブ)・フィルタを用い
て、主入力端子に混入するノイズ成分に対応した擬似ノ
イズ(ノイズ・レプリカ)を生成することにより、主入
力端子に混入して信号に妨害を与えるノイズを抑圧する
ように動作する。この時、アダプティブ・フィルタの各
タップ係数は、ノイズと信号が混在した混在信号からノ
イズ・レプリカを差し引いた差信号と、参照入力端子に
て得られる参照ノイズとの相関をとることにより逐次修
正される。このようなアダプティブ・フィルタの係数修
正すなわちノイズ・キャンセラの収束アルゴリズムの代
表的なものとしてLMSアルゴリズム(LMS ALG
ORITHM)(文献1)とラーニング・アイデンティ
フィケーション・メソッド(LEARNING IDE
NTIFICATION METHOD;LIM)(ア
イイーイーイー・トランザクションズ・オン・オートマ
ティック・コントロール(IEEE TRANSACT
IONS ON AUTOMATIC CONTRO
L)12巻3号,1967年,282−287ページ参
照;以下、「文献2」)が知られている。
【0004】図1は、従来のノイズ・キャンセラの一構
成例を示したブロック図である。主入力端子1において
検出された信号とノイズとの混在信号は、減算器4に供
給される。一方、参照入力端子2において検出された参
照ノイズはアダプティブ・フィルタ3に供給される。ア
ダプティブ・フィルタ3によって発生されたノイズ・レ
プリカが、減算器4にて混在信号から減算されることに
よってノイズ成分が消去され、信号が出力端子6へ供給
される。減算器4の出力は同時に乗算器5へ供給されて
2α倍され、アダプティブ・フィルタ3の係数更新に使
用される。ここにαは定数で、ステップ・サイズと呼ば
れる。いま、信号をsk (但し、kは時刻を示す指
標)、参照ノイズをnk 、消去しようとするノイズをv
k 、信号skが受ける付加ノイズをδk とすると、入力
端子1より減算器4に供給される信号wk は次式で表さ
れる。
【0005】
【数1】
【0006】ノイズ・キャンセラの目的は、数1におけ
るノイズ成分vk のレプリカuk を生成し、ノイズを消
去することである。図1において、アダプティブ・フィ
ルタ3、減算器4,乗算器5からなる閉ループ回路を用
いて、適応的にノイズ・レプリカuk を生成することに
より、減算器4の出力信号として次式に示す差信号dk
を得ることができる。
【0007】
【数2】
【0008】但し、一般にδk はsk に比較して十分小
さいと考えられるから、これを無視している。数2にお
いて、(vk −uk )は残留ノイズと呼ばれ、システム
同定問題として考えれば、誤差信号に等しい。LMSは
アルゴリズムを仮定すれば、アダプティブ・フィルタ3
のm番目の係数cm,k は次式に従って更新される。
【0009】
【数3】
【0010】N個の係数全てに関する数3を行列形式で
表せば、
【0011】
【数4】
【0012】となる。ここに、ck とnk はそれぞれ次
式で与えられる。
【0013】
【数5】
【0014】
【数6】
【0015】但し、[・]T は行列の転置を表す。一
方、LIMでは数4の代りに、数7に従って係数の更新
が行われる。
【0016】
【数7】
【0017】μは、LIMに対するステップ・サイズ、
σn 2はアダプティブ・フィルタ3に入力される平均電力
である。σn 2はステップ・サイズμの値を前記平均電力
に反比例させ、安定な収束を行わせるために用いられ
る。σn 2を求めるためにはいくつかの方法があるが、例
えば数8によって求めることができる。
【0018】
【数8】
【0019】数4と数7におけるステップ・サイズは、
アダプティブ・フィルタの収束の速度と収束後の残留ノ
イズ・レベルを規定する。LMSの場合には、αが大き
いほど収束は速くなるが、残留ノイズ・レベルは大きく
なる。反対に、十分小さい残留ノイズ・レベルを達成す
るためには、それに見合った小さいαを採用する必要が
あり、収束速度の低下を招く。LIMのステップ・サイ
ズμについても、同様である。
【0020】収束速度と残留ノイズのステップ・サイズ
に対する相反する要求を満たすために、ステップ・サイ
ズを可変にするアルゴリズムが提案されている(プロシ
ーディングス・オブ・インターナショナル・カンファレ
ンス・オン・アクースティクス・スピーチ・アンド・シ
グナル・プロセシング(PROCEEDINGS OF
INTERNATIONAL CONFERENCE
ON ACOUSTICS,SPEECH AND
SIGNAL PROCESSING)1990年,1
385−1388ページ参照;以下、「文献3」)。以
下、このアルゴリズムをSGA−GAS(Stocha
stic Gradient Adaptive Fi
lters with Gradient Adapt
iveStep Size)と呼ぶ。
【0021】SGA−GASは、数4のLMSアルゴリ
ズムのステップ・サイズαの代りに、αK を用いる。α
K は差信号dk の電力dk 2の負の傾きに比例した値とし
て、数9で定義される。
【0022】
【数9】
【0023】ρは正の定数で通常は非常に小さな数が用
いられる。数9は、ノイズnk を用いると、
【0024】
【数10】
【0025】と表すことができる。さらに、αk は以下
の条件を満たさなければならない。
【0026】
【数11】
【0027】ここに、{・}T は行列の転置、tr
{・}はトレース、Rはnk の自己相関行列を表す。
【0028】図2はSGA−GASのブロック図であ
る。図1との違いは、固定されていたステップ・サイズ
2αがステップ・サイズ・コントローラ8で計算され、
リミッタ7で制限された後に与えられることである。ス
テップ・サイズ・コントローラ8は図3に示すブロック
図で表すことができ、数10を計算する。
【0029】入力端子90には図2の差信号dk が、入
力端子93にはnk が供給されている。出力端子100
にて得られる信号は図2のリミッタ7へ供給される。入
力端子90に供給されたdk は遅延素子91で1サンプ
ル周期遅延されてdk-1 となり、乗算器92に供給され
る。乗算器92にはdk も供給されており、乗算器92
の出力であるdk k-1 は乗算器96へ伝達される。
【0030】一方、入力端子93に供給されたnK は相
関計算回路94に伝達される。相関計算回路94では、
次式で定義される相関Ck が計算されて乗算器96へ伝
達される。
【0031】
【数12】
【0032】Ck =nk-1 Tk は乗算器96でdk
k-1 と乗算され、さらに乗算器97でρ倍された後、ρ
k k-1 k-1 Tk として加算器98に伝達される。
加算器98では乗算器97からの信号と遅延素子99の
出力である1サンプル周期前の信号が加算されて、出力
端子100へ伝達される。従って、出力端子100へ伝
達される信号αk は、αk-1 +ρdk k-1 k-1 Tk
となり、数10に一致する。
【0033】図4は図3の相関計算回路94の構成であ
る。図3において入力端子93に供給される信号は、図
4において入力端子120に供給される信号に対応す
る。入力端子120に供給される信号サンプルをnk
すると、nk は遅延素子1211 ,1212 ,…,12
N-1 ,121N からなるタップ付遅延線に供給され
る。遅延素子1211 ,1212 ,…,121N-1 ,1
21N の出力はそれぞれ乗算器1221 ,1222
…,122N-1 ,122N に、また入力nk と遅延素子
1211 ,1212 ,…,121N-1 の出力は乗算器1
221 ,1222 ,1223 ,…,122N-1 ,122
N に供給される。すなわち、乗算器1221 ,12
2 ,…,122N-1 ,122N にはそれぞれ(nk
k-1 ),(nk-1,nk-2 ),(nk-2 ,nk-3 ),
…,(nk-N+2 ,nk-N+1 ),(nk-N+1 ,nk-N )が
入力されており、これらの乗算器の出力はnk k-1
k-1 k-2,nk-2 k-3 ,…,nk-N+2 k-N+1
k-N+1 k-N となる。乗算器1221 ,1222
…,122N-1 ,122N の出力は全て多入力加算器1
23に供給されており、多入力加算器123の出力
【0034】
【数13】
【0035】nk がCk として出力端子124へ伝達さ
れる。
【0036】図5は図2のリミッタの構成を表したもの
である。図5の最小値回路22には図3のステップ・サ
イズ・コントローラ8から入力端子23を経て、ステッ
プ・サイズαk が供給される。最小値回路22の他方の
入力端子には最大値のしきい値であるThH が供給され
ており、これらのうちの小さい方が最小値として最大値
回路21に供給される。最大値回路21の他方の入力端
子には最小値のしきい値であるThL が供給されてお
り、これらのうちの大きい方が最大値として出力端子2
0に供給される。すなわち、入力端子23に供給された
ステップ・サイズαk は、最小値ThL ,最大値ThH
で最大値と最小値を制限されて、以下のαk (バー)と
なって出力される。
【0037】
【数14】
【0038】ThL =0,ThH =2/(3・tr
{R})とすれば、数11を実行したことに等しい。
【0039】図5の最大値回路及び最小値回路は、図6
に示す構成で実現できる。まず、最小値回路を例にとっ
て説明する。図5における最小値回路の2つの入力端子
は、図6の入力端子33及び34に相当する。入力端子
33及び34に供給された信号はセレクタ31及び比較
器32に同時に伝達されている。比較器32では両者の
比較を行い、小さい方の信号がセレクタ31で選択され
るような制御信号を発生する。この制御信号はセレクタ
31に伝達され、セレクタ31で選択された入力端子3
3もしくは34からの信号は最小値として出力端子30
へ伝達される。反対に、最大値回路の場合は、比較器3
2は供給された2入力のうち大きい方の値がセレクタ3
1で選択されるような制御信号を発生する。その他の動
作は最小値回路のときと全く等しい。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】dk =vk −uk が成
立する理想的な場合には、差信号dk の電力dk 2の負の
傾きはシステム同定の誤差を表し、ステップ・サイズ制
御に用いることができるが、一般にノイズ・キャンセラ
ではdk =sk +vk −uk で表されるようにdk はs
k の影響を受けるので、もはや正しいdk 2の傾きを得る
ことはできず、ステップ・サイズも正しく制御されな
い。またノイズ・キャンセラ以外でskが零の場合に
も、数1におけるδk が無視できない場合には、
【0041】
【数15】
【0042】となり、δk がsk と同様に誤差信号vk
−uk に対する妨害となる。これらは共に、収束時間の
増加、或いは収束後の最終誤差レベルの増大を引き起こ
す。
【0043】本発明の目的は、誤差信号vk −uk に対
する妨害信号に強く、短い収束時間と小さい収束後の最
終誤差信号レベルを達成することのできる適応フィルタ
による未知システム同定の方法及び装置を提供すること
にある。
【0044】
【課題を解決するための手段】本発明の適応フィルタに
よる未知システムの同定方法は、1サンプル周期ずつ遅
延された複数の入力信号サンプルを、それぞれに対応し
た複数の被乗数と乗算を行い、その乗算結果の総和をも
って出力とするアダプティブ・フィルタの出力を未知シ
ステムの出力信号から差し引いた差信号を小さくするよ
うに、前記差信号と前記入力信号サンプルと予め定めら
れた第1の定数を乗算した値を1回当りの更新量として
前記被乗数に加算してその値を更新することにより前記
未知システムを近似する際に、前記差信号の前記第1の
定数に対する傾きに比例した値を前記第1の定数に加算
して和を求め、この和に制限を加えた制限付和を用いて
前記第1の定数を変化させ、前記制限を加えるためのし
きい値は過去の前記制限付和を用いて求めることを特徴
とする。
【0045】また本発明の適応フィルタによる未知シス
テム同定の装置は、アダプティブ・フィルタを用いて未
知システムの特性を同定する際に、アダプティブ・フィ
ルタの出力を未知システムの出力信号から差し引いて差
信号を得る減算器と、前記差信号とアダプティブ・フィ
ルタの入力信号を受けて前記アダプティブ・フィルタの
係数更新に用いられるステップ・サイズを逐次計算する
ステップ・サイズ・コントローラと、このステップ・サ
イズ・コントローラの出力を受けて制限を加えるリミッ
タと、このリミッタの出力をリミッタに帰還するための
第1の遅延素子と、前記リミッタ出力と前記差信号を乗
算する第1の乗算器とを少なくとも具備し、前記第1の
乗算器の出力を前記アダプティブ・フィルタの係数更新
のステップ・サイズとして用いることを特徴とする。
【0046】また本発明の適応フィルタによる未知シス
テム同定の方法は、1サンプル周期ずつ遅延された複数
の入力信号サンプルを、それぞれに対応した複数の被乗
数と乗算を行い、その乗算結果の総和をもって出力とす
るアダプティブ・フィルタの出力を未知システムの出力
信号から差し引いた差信号を小さくするように、前記差
信号と前記入力信号サンプルと予め定められた第1の定
数を乗算した値を1回当りの更新量として前記被乗数に
加算してその値を更新することにより前記未知システム
を近似する際に、前記差信号の前記第1の定数に対する
傾きに比例した値を前記第1の定数に加算して和を求
め、この和に制限を加えた制限付和を用いて前記第1の
定数を変化させ、前記制限を加えるためのしきい値は過
去の前記制限付和の2乗値を用いて求めることを特徴と
する。
【0047】また本発明の適応フィルタによる未知シス
テム同定の方法は、前記差信号の前記第1の定数に対す
る傾きに比例した値を前記第1の定数に加算して和を求
め、前記差信号に変動があることを検出したときには前
記和を予め定められた第2の定数に置換し、この和に制
限を加えた制限付和を用いて前記第1の定数を変化さ
せ、前記制限のしきい値は過去の制限付和の2乗値を用
いて生成することを特徴とする。
【0048】また本発明の適応フィルタによる未知シス
テム同定の方法は、前記差信号の前記第1の定数に対す
る傾きに比例した値を前記第1の定数に加算して和を得
た後、この和に制限を加えた制限付和を求め、前記差信
号に変動があることを検出したときには前記制限付和を
予め定められた第2の定数に置換し、置換された制限付
和を用いて前記第1の定数を変化させ、前記制限のしき
い値は過去の制限付和の2乗値を用いて生成することを
特徴とする。
【0049】また本発明の適応フィルタによる未知シス
テム同定の方法は、差信号の変数に対する傾きに比例し
た値を前記変数に加算して和を得た後、この和に制限を
加えた制限付和を求め、前記差信号に変動があることを
検出したときには予め定められた第1の定数に等しいク
ロック数だけ前記和をもって前記制限付和とし、前記制
限付和を用いて前記変数を変化させ、前記制限のしきい
値は過去の制限付和を用いて生成することを特徴とす
る。
【0050】また本発明の適応フィルタによる未知シス
テム同定の方法は、差信号の変数に対する傾きに比例し
た値を前記変数に加算して和を得た後、この和の平均値
を求め、この平均値を前記変数とすることを特徴とす
る。
【0051】また本発明の適応フィルタによる未知シス
テム同定の方法は、差信号の変数に対する傾きに比例し
た値を前記変数に加算して平均化し、得られた平均値を
用いて前記平均演算の時定数を求め、前記差信号に変動
があることを検出したときには予め定められた第1の定
数に等しいクロック数だけ前記時定数を前記変数の初期
値で置換し、前記平均値を用いて前記変数とすることを
特徴とする。
【0052】
【作用】請求項1〜17記載の適応フィルタによる未知
システム同定の方法及び装置は、係数更新に用いるステ
ップ・サイズを誤差信号電力の傾きを用いて計算する際
に、得られたステップ・サイズの変化量に過去のステッ
プ・サイズに依存する制限を設け、雑音等の妨害によっ
てステップ・サイズが正しい値から著しく離れてしまう
ことを防止すると同時に、同定誤差信号のパワーを監視
して同定対象の未知システムの特性が急変動したことを
検知し、ステップ・サイズをリセットすることによっ
て、高速収束と低同定誤差を両立させる。
【0053】請求項18〜36記載の適応フィルタによ
る未知システム同定の方法及び装置は、係数更新に用い
るステップ・サイズを誤差信号電力の傾きを用いて計算
する際に、得られたステップ・サイズの変化量に過去の
ステップ・サイズの2乗値に依存する制限を設け、雑音
等の妨害によってステップ・サイズが正しい値から著し
く離れてしまうことを防止すると同時に、同定誤差信号
のパワーを監視して同定対象の未知システムの特性が急
変動したことを検知し、ステップ・サイズをリセットす
ることによって、高速収束と低同定誤差を両立させる。
【0054】請求項37〜43記載の適応フィルタによ
る未知システム同定の方法及び装置は、係数更新に用い
るステップ・サイズを誤差信号電力の傾きを用いて計算
する際に、得られたステップ・サイズの変化量に過去の
ステップ・サイズに依存する制限を設け、雑音等の妨害
によってステップ・サイズが正しい値から著しく離れて
しまうことを防止すると同時に、同定誤差信号のパワー
を監視して同定対象の未知システムの特性が急変動した
ことを検知し、一定時間だけステップ・サイズの制限を
リセットすることによって、高速収束と低同定誤差を両
立させる。
【0055】請求項44〜55記載の適応フィルタによ
る未知システム同定の方法及び装置は、係数更新に用い
るステップ・サイズを誤差信号電力の傾きを用いて計算
する際に、得られたステップ・サイズを平均化し、雑音
等の妨害によってステップ・サイズが正しい値から著し
く離れてしまうことを防止すると同時に、同定誤差信号
のパワーを監視して同定対象の未知システムの特性が急
変動したことを検知し、一定時間だけ平均化の時定数を
リセットすることによって、高速収束と低同定誤差を両
立させる。
【0056】
【実施例】次に図面を参照して請求項1〜17に記載の
発明について詳細に説明する。図7は、本発明の一実施
例を示すブロック図である。図7において、図2と同一
の参照番号を付与された機能ブロックは図2と同一の機
能を有するものとする。図7と図2の相違点は、乗算器
5に供給されるステップ・サイズを制限するリミッタ9
のシステムが遅延素子10で帰還されていることであ
る。
【0057】図8は図7のリミッタ9の構成を表したも
のである。図7において遅延素子10にはリミッタ9か
ら制限付ステップ・サイズαk (バー)が供給される。
遅延素子10の出力、すなわちαk-1 (バー)は、入力
端子24を経て乗算器25及び26へ伝達される。α
k-1 (バー)は乗算器25及び26でそれぞれa及びb
を乗算され、aαk-1 (αk-1 バー),bαk-1 (α
k-1 バー)として最大値回路27及び最小値回路28へ
供給される。最小値回路28には図7のステップ・サイ
ズ・コントローラ8から入力端子23を経て、ステップ
・サイズαk が供給される。また、最小値回路28の別
の入力端子には最大値のしきい値であるThH が供給さ
れている。これらの3入力、すなわちαk ,ThH ,b
αk-1 (αk-1 バー)が比較されて、そのなかの最小値
が最小値回路28の出力として最大値回路27へ伝達さ
れる。最大値回路27の別の入力端子には最小値のしき
い値であるThL と乗算器25の出力aαk-1 (αk-1
バー)が供給されており、これらのうちの最大値が出力
端子20に供給される。すなわち、入力端子23に供給
されたステップ・サイズαk は、最大値ThL 及びaα
k-1 (αk-1 バー)、最大値ThH 及びbαk-1 (α
k-1 バー)で最大値と最小値を制限されて、以下のαk
(バー)となって出力される。
【0058】
【数16】
【0059】sk とvk −uk の振幅分布は一般に独立
である。従って、
【0060】
【数17】
【0061】が成立し、αk の代りにαk (バー)を用
いることにより、sk がvk −uk に対して妨害となっ
ても、sk のvk −uk に対する瞬間的な影響をリミッ
タ9で抑圧し、安定なステップ・サイズを得ることがで
きる。図8では最大値と最小値の両方の制限でステップ
・サイズの安定かを図っているが、最大値もしくは最小
値のどちらか一方だけでも有効である。
【0062】図8を用いて説明したように、ステップ・
サイズの最大値と最小値を過去のステップ・サイズの値
を用いて制限すると、同定しようとする未知システムの
特性が急変して、誤差信号が急増した場合などに不都合
が生じる。このような場合にはステップ・サイズを急激
に大きくして未知システム特性の変化に適応フィルタを
追随させなければならない。しかし、ステップ・サイズ
の値がその過去の値で制限されていると緩やかにしか変
化することができず、システム変動への追随特性が劣化
する。この点に対処することのできるステップ・サイズ
・コントローラの実施例を図9に示す。
【0063】図9において、図3と同一の参照番号を付
与された機能ブロックは図3と同一の機能を有するもの
とする。図3において加算器98の出力は直接出力端子
100へ伝達されているが、図9においてはセレクタ4
3を介している。セレクタ43の他の入力端子にはαO
が供給されている。セレクタ43は誤差変動検出回路4
2からの制御信号によって、αO もしくは加算器98の
出力を選択して、出力信号、すなわちステップ・サイズ
として出力端子100へ伝達する。また、セレクタ43
の出力信号は遅延素子99を経て加算器98に帰還され
ている。従って、セレクタ43が加算器98からの信号
を選択して出力端子100に伝達しているときは図9は
図3と全く等しい動作をすることになり、ステップ・サ
イズは過去の値に変化分を加算して計算される。セレク
タ43がαO を出力端子100へ供給するときは、過去
の値にかかわらずステップ・サイズはαO に等しくな
り、これはステップ・サイズを再設定することに相当す
る。誤差変動検出回路42は、入力端子90に供給され
る誤差信号を入力としてその変動を検出し、変動が検出
されたときには1を、それ以外のときは0を発生する。
セレクタ43は誤差変動検出回路42から1が供給され
たときはαO を選択し、0が供給されたときは加算器9
8の出力信号を選択する。次に誤差変動検出回路42に
ついて説明する。
【0064】図10に誤差変動検出回路の一例を示す。
入力端子50には誤差信号が供給されており、これは乗
算器51で2乗された後、セレクタ52と比較回路57
に伝達される。セレクタ52の別の入力には0が供給さ
れており、カウンタ53の出力によっていずれかが選択
され、最大値回路54へ供給され、最大値回路54の出
力は遅延素子55を介して最大値回路54の別の入力に
帰還されているから、カウンタ53は予め定められた整
数NC までカウントアップを続け、セレクタ52が乗算
器51から供給された信号を選択するような制御信号を
セレクタ52へ供給する。従って、乗算器51からセレ
クタ52、最大値回路54を経て遅延素子55によって
閉じる帰還回路は、一番目からNC 番目のサンプルの最
大値を検出して保存することになる。NC 番目以降のサ
ンプルが入力されるとセレクタ52は0を選択して最大
値回路54へ伝達するので、最大値回路54の出力は遅
延素子55から供給される信号、すなわち一番目からN
C 番目までのサンプルの最大値となり、この信号が乗算
器56へ伝達される。乗算器56では最大値回路54か
ら供給された最大値に定数ethが乗算されて比較器57
へ伝達される。一方、比較回路57の他の入力端子には
乗算器51の出力である誤差信号の2乗値が供給されて
いる。比較回路57は、誤差信号の2乗値が大きいとき
は1を、それ以外のときは0を出力し、出力端子58へ
伝達する。出力端子58へ供給された信号によって図3
のセレクタ43が制御され、ステップ・サイズとしてα
O 又はαK が出力される。誤差信号をek とすると、比
較回路57の入力はそれぞれ、
【0065】
【数18】
【0066】となる。従って、図9の出力端子100に
供給されるステップ・サイズαk は数19で表される。
【0067】
【数19】
【0068】数19で得られたステップ・サイズαk
ステップ・サイズ・コントローラ8の出力としてリミッ
タ7へ伝達される。
【0069】図11は、誤差変動検出回路の別の例であ
る。図10との違いは、乗算器51が絶対値回路59に
置換されている点であり、その他は全く等しい。従っ
て、図11に示す誤差変動検出回路を用いた場合には、
図9の出力端子100に供給されるステップ・サイズα
k は数20で表される。
【0070】
【数20】
【0071】数20で得られたステップ・サイズαk
ステップ・サイズ・コントローラ8の出力としてリミッ
タ9へ伝達される。
【0072】図12は本発明の他の実施例で、図7に示
す実施例で図9に示す構成のステップ・サイズ・コント
ローラを採用した場合を別の構成で実現する例である。
図12が図7と図9の組合せと異なる点は、誤差変動の
検出とステップ・サイズの再設定である。図7と図9の
組合せではステップ・サイズの再設定をした後にリミッ
タでステップ・サイズを制限しているが、図12ではリ
ミッタで制限されたステップ・サイズに対して再設定を
行う。誤差変動検出回路42は図10または図11に示
された構成で、すでに説明したように誤差信号に変動が
あるときには1を、ないときには0を出力する。セレク
タ41は誤差変動検出回路42から制御信号として1が
供給されたときにはαO を、0が供給されたときにはリ
ミッタ9の出力であるαk (バー)を選択して乗算器5
に伝達する。従って、誤差信号に変動が検出されたとき
には、再設定されたステップ・サイズはαO が乗算器5
に供給される。
【0073】
【実施例】次に請求項18〜36に記載の発明について
詳細に説明する。図13は、本発明の一実施例を示すブ
ロック図である。図13において、図2と同一の参照番
号を付与された機能ブロックは図2と同一の機能を有す
るものとする。図13と図2の相違点は、乗算器5に供
給されるステップ・サイズを制限するリミッタ9の出力
が遅延素子10で帰還されていることである。
【0074】図14は図13のリミッタ9の第1の構成
を表したものである。図13において遅延素子10には
リミッタ9から制限付ステップ・サイズαk (バー)が
供給される。遅延素子10の出力、すなわちαk-1 (バ
ー)は、入力端子24を経て乗算器200及び201へ
伝達される。αk-1 (バー)は乗算器201で正の定数
η倍された後、乗算器200でαk-1 (バー)と乗算さ
れ、ηαk-1 2(αk-1 バー)として最大値回路27及び
最小値回路28へ供給される。最小値回路28には図1
3のステップ・サイズ・コントローラ8から入力端子3
3を経て、ステップ・サイズαk が供給される。また、
最小値回路28の別の入力端子には最大値のしきい値で
あるThH が供給されている。これらの3入力、すなわ
ちαk,ThH ,ηαk-1 2(αk-1 バー)が比較され
て、そのなかの最小値が最小値回路28の出力として最
大値回路27へ伝達される。最大値回路27の別の入力
端子には最小値のしきい値であるThL と乗算器25の
出力ηαk-1 2(αk-1バー)が供給されており、これら
のうちの最大値が出力端子20に供給される。すなわ
ち、入力端子23に供給されたステップ・サイズα
k は、最小値ThL 及びηαk-1 2(αk-1 バー)、最大
値ThH 及びηαk-1 2(αk-1 バー)で最大値と最小値
を制限されて、以下のαk (バー)となって出力され
る。
【0075】
【数21】
【0076】sk とvk −uk の振幅分布は一般に独立
である。従って、
【0077】
【数22】
【0078】が成立し、αk の代りにαk (バー)を用
いることにより、sk がvk −uk に対して妨害となっ
ても、sk のvk −uk に対する瞬間的な影響をリミッ
タ9で抑圧し、安定なステップ・サイズを得ることがで
きる。
【0079】図15は図13のリミッタ9の第2の構成
を表したものである。遅延素子10の出力、すなわちα
k-1 (バー)は、入力端子24を経て乗算器200へ伝
達される。αk-1 (バー)は乗算器200で2乗された
後、乗算器25及び26でそれぞれ正の定数η倍、正の
定数θ倍される。得られた出力であるηαk-1 2(αk-1
バー),θαk-1 2(αk-1 バー)はそれぞれ最大値回路
27及び最小値回路28へ供給される。以下、図14に
示した第1の構成例と同様に動作する。すなわち、入力
端子23に供給されたステップ・サイズαk は、最小値
ThL 及びηαk-1 2(αk-1 バー)、最大値ThH 及び
θαk-1 2(αk-1 バー)で最大値と最小値を制限され
て、以下のαk (バー)となって出力される。
【0080】
【数23】
【0081】図15では最小値と最大値の両方の制限で
ステップ・サイズの安定化をはかっているが、最大値、
もしくは最小値のどちらか一方だけでも有効である。
【0082】図14及び図15を用いて説明したよう
に、ステップ・サイズの最大値と最小値を過去のステッ
プ・サイズの値を用いて制限すると、同定しようとする
未知システムの特性が急変して、誤差信号が急増した場
合などに不都合が生じる。このような場合にはステップ
・サイズを急激に大きくして未知システム特性の変化に
適応フィルタを追随させなければならない。しかし、ス
テップ・サイズの値がその過去の値で制限されていると
緩やかにしか変化することができず、システム変動への
追随特性が劣化する。この点に対処することのできるス
テップ・サイズ・コントローラの構成は、図9に示した
ものと同じである。また、図9中の誤差変動検出回路4
2の構成例は、図10及び図11に示したものと同じで
ある。
【0083】また図12に示した実施例は、本発明にも
適用でき、その動作は、図12に関連して説明したもの
と同じである。
【0084】次に請求項37〜43に記載の発明につい
て説明する。図16は、本発明の一実施例を示すブロッ
ク図である。図16において、図1と同一の参照番号を
付与された機能ブロックは図1と同一の機能を有するも
のとする。図16と図1の相違点は、乗算器5に供給さ
れるステップ・サイズを制限するリミッタ9の出力がセ
レクタ41を介して遅延素子11で帰還されていること
である。セレクタ41を制御するために、誤差変動検出
回路42,カウンタ44,遅延素子46,セレクタ45
が具備されている。
【0085】リミッタ回路9の構成は、図15の構成と
同じである。図16において、遅延素子11にはセレク
タ41を介してリミッタ9から制限付ステップ・サイズ
αk(バー)、またはαk が供給される。説明を簡単化
するために、リミッタ9からは制限付ステップ・サイズ
αk (バー)が供給されていると仮定する。遅延素子1
1の出力、すなわちαk-1 (バー)は、図15の入力端
子24を経て乗算器200へ伝達される。αk-1 (バ
ー)は乗算器200で2乗された後、乗算器25及び2
6でそれぞれ正の定数η倍及びθ倍される。得られた出
力であるηαk-1 2(αk-1 バー)、θαk-1 2(αk-1
ー)はそれぞれ最大値回路27及び最小値回路28へ供
給される。最小値回路28には図16のステップ・サイ
ズ・コントローラ8から入力端子23を経て、ステップ
・サイズαk が供給される。また、最小値回路28の別
の入力端子には最大値のしきい値であるThH が供給さ
れている。これらの3入力、すなわちαk ,ThH ,θ
αk-1 2(αk-1 バー)が比較されて、その中の最小値が
最小回路28の出力として最大値回路27へ伝達され
る。最大値回路27の別の入力端子には最小値のしきい
値であるThL と乗算器25の出力ηαk-1 2(αk-1
ー)が供給されており、これらのうちの最大値が出力端
子20に供給される。すなわち、入力端子23に供給さ
れたステップ・サイズαk は、最小値ThL 及びηα
k-1 2(αk-1 バー)、最小値ThH 及びθαk-1 2(α
k-1 バー)で最大値と最小値を制限されて、以下のαk
(バー)となって出力される。
【0086】
【数24】
【0087】sk とvk −uk の振幅分布は一般に独立
である。従って、
【0088】
【数25】
【0089】が成立し、αk の代りにαk (バー)を用
いることにより、sk がvk −uk に対して妨害となっ
ても、sk のvk −uk に対する瞬間的な影響をリミッ
タ9で抑圧し、安定なステップ・サイズを得ることがで
きる。図15では最小値と最大値の両方の制限でステッ
プ・サイズの安定化をはかっているが、最大値、もしく
は最小値のどちらか一方だけでも有効である。
【0090】図15を用いて説明したように、ステップ
・サイズの最大値と最小値を過去のステップ・サイズの
値を用いて制限すると、同定しようとする未知システム
の特性が急変して、誤差信号が急増した場合などに不都
合が生じる。このような場合にはステップ・サイズを急
激に大きくして未知システム特性の変化に適応フィルタ
を追随させなければならない。しかし、ステップ・サイ
ズの値がその過去の値で制限されていると緩やかにしか
変化することができず、システム変動への追随特性が劣
化する。そこで本発明では、同定しようとする未知シス
テムの特性急変を誤差変動検出回路で検出し、ステップ
・サイズに対する制限を除去する。
【0091】誤差変動検出回路42の一構成例は、図1
0に示したものと同じである。入力端子50には誤差信
号が供給されており、これは乗算器51で2乗された
後、セレクタ52と比較回路57に伝達される。セレク
タ52の別の入力には0が供給されており、カウンタ5
3の出力によっていずれかが選択され、最大値回路54
へ供給される。最大値回路54の出力は遅延素子55を
介して最大値回路54の別の入力に帰還されている。カ
ウンタ53は予め定められた整数NC までカウントアッ
プを続け、セレクタ52が乗算器51から供給された信
号を選択するような制御信号をセレクタ52へ供給す
る。従って、乗算器51からセレクタ52、最大値回路
54を経て遅延素子55によって閉じる帰還回路は、一
番目からNC番目のサンプルの最大値を検出して保存す
ることになる。NC 番目以降のサンプルが入力されると
セレクタ52は0を選択して最大値回路54へ伝達する
ので、最大値回路54の出力は遅延素子55から供給さ
れる信号、すなわち一番目からNC 番目までのサンプル
の最大値となり、この信号が乗算器56へ伝達される。
乗算器56では最大値回路54から供給された最大値に
定数ethが乗算されて比較器57へ伝達される。一方、
比較器57の他方の入力端子には乗算器51の出力であ
る誤差信号の2乗値が供給されている。比較回路57
は、誤差信号の2乗値が大きいときは1を、それ以外の
ときは0を出力し、出力端子58へ伝達する。
【0092】出力端子58へ供給された信号は誤差変動
検出回路42の出力として、図16のカウンタ44とセ
レクタ45に供給される。セレクタ45には遅延素子4
6からの帰還信号も供給されている。カウンタ44は誤
差信号検出回路42の出力が0から1に変化してからカ
ウントアップを開始し、カウントが1のときは誤差変動
検出回路42の出力を、カウントが2から外部から供給
されるしきい値kthに達するまでは遅延素子46から供
給される信号を、セレクタ45が選択して出力するよう
に制御する。従って、カウンタ44では誤差信号検出回
路42の出力が0から1に変化してからkthクロックの
間は、セレクタ45の出力としては1が得られる。セレ
クタ45の出力はセレクタ41を制御する。セレクタ4
1は制御信号として0が供給されたときはリミッタ9か
らの信号を、1が供給されたときはステップ・サイズ・
コントローラ8からの信号を選択して出力する。従っ
て、誤差信号に変動が検出されてからkthクロックの間
は制限無しのステップ・サイズαk が、それ以外はリミ
ッタ9で得られる制限付ステップ・サイズαk (バー)
が乗算器5に供給されることになる。
【0093】請求項44〜55に記載の発明について詳
細に説明する。図17は、本発明の一実施例を示すブロ
ック図である。図17において、図1と同一の参照番号
を付与された機能ブロックは図1と同一の機能を有する
ものとする。図17と図1の相違点は、リミッタ9で得
られたステップ・サイズが平均化回路47で平均化され
てから乗算器5に供給されることである。リミッタ9で
得られるステップ・サイズは、減算器4の出力sk +v
k −uk に雑音sk が含まれるためにその妨害を受け、
振幅が雑音振幅に依存した大きさで本来のステップ・サ
イズから変動する。
【0094】雑音振幅sk は確率過程で振幅分布が誤差
信号vk −uk の振幅分布と相関がない、すなわち
【0095】
【数26】
【0096】で、かつE[sk ]=0が成立するので、
リミッタ9の出力を平均化することで雑音の影響による
ステップ・サイズの変動分も平均化される。従って、平
均化回路47の出力には近似的に本来のステップ・サイ
ズを得ることができ、雑音によるステップ・サイズ変動
の悪影響を抑圧することができる。
【0097】図18は図17の平均化回路47の構成を
表したものである。入力端子74には図17のリミッタ
9からステップ・サイズαk が供給される。αk は乗算
器75でβ倍されてβαk となり、加算器76に伝達さ
れる。加算器76では乗算器75の出力と乗算器79の
出力が加算されて平均化されたステップ・サイズα
k(バー)となり、出力端子77へ伝達される。また、
加算器76の出力は遅延素子78と乗算器79を介して
加算器76に帰還される。遅延素子78の出力はαk-1
(バー)乗算器29で(1−β)倍されて(1−β)α
k-1 (αk-1 バー)となり、加算器76への帰還信号と
なる。従って、平均化回路47の出力信号αk-1 (バ
ー)は入力信号αk を用いて
【0098】
【数27】
【0099】で与えられる。
【0100】本発明の収束特性と最終誤差は上記のパラ
メータβに依存する。βが大きいと収束は遅いが最終誤
差は小さい。βが小さいと収束は速いが最終誤差が大き
い。この問題を解決するために、パラメータβをリミッ
タ9の出力を用いて可変とすることもできる。
【0101】図19に可変パラメータβを有する本発明
の実施例を示す。図17と異なる点は、パラメータβが
平均化回路48の出力である平均化ステップ・サイズに
よって可変となっていること、及び誤差変動検出回路4
2によって未知系の急変動を検出し、ステップ・サイズ
をβ0 に切換えることである。
【0102】平均化回路48の出力は乗算器5へ伝達さ
れると同時に乗算器49へも供給される。乗算器49で
は平均化回路48の出力信号を正定数δ倍した後、セレ
クタ41へ伝達する。セレクタ41には別の正定数β0
も供給されており、セレクタ45からの信号でいずれか
を選択されて平均化回路48に伝達される。セレクタ4
1が乗算器49から供給される信号を選択したときに
は、平均化回路48には平均ステップ・サイズに正定数
δを乗算したものが帰還されることになる。
【0103】図20は平均化回路48の具体例である。
基本構成及び動作は図18で説明した平均化回路47と
同じである。図20の平均化回路48では、平均化の時
定数を決定する乗算器75及び79がそれぞれ301及
び302に置換されている。これによって、乗算器30
1,302の乗数は入力端子300を経て外部から供給
される値を用いることができる。
【0104】ステップ・サイズを、過去のステップ・サ
イズを時定数とした平均回路を用いて計算すると、同定
しようとする未知システムの特性が急変して、誤差信号
が急増した場合などに不都合が生じる。このような場合
にはステップ・サイズを急激に大きくして未知システム
特性の変化に適応フィルタを追随させなければならな
い。しかし、ステップ・サイズの値が大きな時定数で平
均化されていると緩やかにしか変化することができず、
システム変動への追随特性が劣化する。図19の実施例
では時定数がステップ・サイズを用いて計算され、ステ
ップ・サイズが小さい、すなわち収束状態において時定
数が大きくなる。そこで本発明では、同定しようとする
未知システムの特性急変を誤差変動検出回路で検出し、
平均化の時定数を小さく設定する。
【0105】誤差変動検出回路42の一構成例は、図1
0に示したものと同じである。入力端子50には誤差信
号が供給されており、これは乗算器51で2乗された
後、セレクタ52と比較回路57に伝達される。セレク
タ52の別の入力には0が供給されており、カウンタ5
3の出力によっていずれかが選択され、最大値回路54
へ供給される。最大値回路54の出力は遅延素子55を
介して最大値回路54の別の入力に帰還されている。カ
ウンタ53は予め定められた整数NC までカウントアッ
プを続け、セレクタ52が乗算器51から供給された信
号を選択するような制御信号をセレクタ52へ供給す
る。従って、乗算器51からセレクタ52、最大値回路
54を経て遅延素子55によって閉じる帰還回路は、一
番目からNC番目のサンプルの最大値を検出して保存す
ることになる。NC 番目以降のサンプルが入力されると
セレクタ52は0を選択して最大値回路54へ伝達する
ので、最大値回路54の出力は遅延素子55から供給さ
れる信号、すなわち一番目からNC 番目までのサンプル
の最大値となり、この信号が乗算器56へ伝達される。
乗算器56では最大値回路54から供給された最大値に
定数ethが乗算されて比較器57へ伝達される。一方、
比較器57の他の入力端子には乗算器51の出力である
誤差信号の2乗値が供給されている。比較回路57は、
誤差信号の2乗値が大きいときは1を、それ以外のとき
は0を出力し、出力端子58へ伝達する。
【0106】出力端子58へ供給された信号は誤差変動
検出回路42の出力として、図19のカウンタ44とセ
レクタ45に供給される。セレクタ45には遅延素子4
6からの帰還信号も供給されている。カウンタ44は誤
差信号検出回路42の出力が0から1に変化してからカ
ウントアップを開始し、カウントが1のときは誤差変動
検出回路42の出力を、カウントが2から外部から供給
されるしきい値kthに達するまでは遅延素子46から供
給される信号を、セレクタ45が選択して出力するよう
に制御する。従って、カウンタ44では誤差信号検出回
路42の出力が0から1に変化してからkthクロックの
間は、セレクタ45の出力としては1が得られる。セレ
クタ45の出力はセレクタ41を制御する。セレクタ4
1は制御信号として0が供給されたときは乗算器49か
らの信号を、1が供給されたときは正の定数β0 を選択
して出力する。従って、誤差信号に変動が検出されてか
らkthクロックの間はβ0 が、それ以外は平均化回路4
8で平均化された後、乗算器49でδ倍されたステップ
・サイズが平均化回路48に供給されることになる。
【0107】既に説明したように、LIMとLMSの違
いはステップ・サイズμをアダプティブ・フィルタ3に
入力される平均電力σn 2で割ったものをαの代りに使用
することなので、これまで説明してきたステップ・サイ
ズを可変にする方法はそのまま適用することができる。
【0108】
【発明の効果】以上詳細に述べたように、本発明によれ
ば、係数更新に用いるステップ・サイズを誤差信号電力
の傾きを用いて計算する際に、得られたステップ・サイ
ズの変化量に過去のステップ・サイズに依存した制限を
設け、雑音等の妨害によってステップ・サイズが正しい
値から著しく離れてしまうことを防止すると同時に、同
定誤差信号のパワーを監視して同定対象の未知システム
の特性が急変動したことを検知し、ステップ・サイズを
リセットすることによって、高速収束と低同定誤差を両
立させた適応フィルタによる未知システム同定の方法及
び装置を提供することができる。
【0109】また本発明によれば、同定誤差信号のパワ
ーを監視して同定対象の未知システムの特性が急変動し
たことを検知し、ステップ・サイズの制限を除外するこ
とによって、高速収束と低同定誤差を両立させた適応フ
ィルタによる未知システム同定の方法及び装置を提供す
ることができる。
【0110】さらに本発明によれば、係数更新に用いる
ステップ・サイズを誤差信号電力の傾きを用いて計算す
る際に、得られたステップ・サイズを平均化してから用
いることで、雑音等の妨害によってステップ・サイズが
正しい値から著しく離れてしまうことを防止することに
よって高速収束と低同定誤差を両立させた適応フィルタ
による未知システム同定の方法及び装置を提供すること
ができる。
【0111】さらに、得られたステップ・サイズを平均
化する際にその時定数を得られた平均ステップ・サイズ
を用いて制御し、同定誤差信号のパワーを監視して同定
対象の未知システムの特性が急変動したことを検知して
平均化の時定数を小さい値に設定することによって、高
速収束と低同定誤差を両立させた適応フィルタによる未
知システム同定の方法及び装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例を示すブロック図である。
【図2】他の従来例を示すブロック図である。
【図3】ステップ・サイズ・コントローラの一例を示す
ブロック図である。
【図4】相関計算回路の一例を示すブロック図である。
【図5】リミッタの従来の構成を示すブロック図であ
る。
【図6】最大値回路及び最小値回路の一例を示すブロッ
ク図である。
【図7】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図8】リミッタの一例を示すブロック図である。
【図9】ステップ・サイズ・コントローラの他の例を示
すブロック図である。
【図10】誤差変動検出回路の一例を示すブロック図で
ある。
【図11】誤差変動検出回路の他の例を示すブロック図
である。
【図12】本発明の他の実施例を示すブロック図であ
る。
【図13】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図14】リミッタの一例を示すブロック図である。
【図15】リミッタの他の例を示すブロック図である。
【図16】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図17】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図18】平均化回路の一例を示すブロック図である。
【図19】本発明の他の例を示すブロック図である。
【図20】平均化回路の他の例を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 主入力端子 2 参照入力端子 3 アダプティブ・フィルタ 4 減算器 5 乗算器 6 出力端子 8 ステップ・サイズ・コントローラ 9 リミッタ 10 遅延素子 41 セレクタ 42 誤差変動検出回路 44 カウンタ 45 セレクタ 46 遅延素子 47,48 平均化回路 49 乗算器

Claims (55)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1サンプル周期ずつ遅延された複数の入力
    信号サンプルを、それぞれに対応した複数の被乗数と乗
    算を行い、その乗算結果の総和をもって出力とするアダ
    プティブ・フィルタの出力を未知システムの出力信号か
    ら差し引いた差信号を小さくするように、前記差信号と
    前記入力信号サンプルと予め定められた第1の定数を乗
    算した値を1回当りの更新量として前記被乗数に加算し
    てその値を更新することにより前記未知システムを近似
    する際に、前記差信号の前記第1の定数に対する傾きに
    比例した値を前記第1の定数に加算して和を求め、この
    和に制限を加えた制限付和を用いて前記第1の定数を変
    化させ、前記制限を加えるためのしきい値は過去の前記
    制限付和を用いて求めることを特徴とする適応フィルタ
    による未知システム同定の方法。
  2. 【請求項2】1サンプル周期ずつ遅延された複数の入力
    信号サンプルを、それぞれに対応した複数の被乗数と乗
    算を行い、その乗算結果の総和をもって出力とするアダ
    プティブ・フィルタの出力を未知システムの出力信号か
    ら差し引いた差信号を小さくするように、前記差信号と
    前記入力信号サンプルと予め定められた第1の定数を乗
    算した値を1回当りの更新量として前記被乗数に加算し
    てその値を更新することにより前記未知システムを近似
    する際に、前記差信号の前記第1の定数に対する傾きに
    比例した値を前記第1の定数に加算して和を求め、前記
    差信号に変動があることを検出したときには前記和を予
    め定められた第2の定数で置換し、前記和に制限を加え
    た制限付和を用いて前記第1の定数を変化させ、前記制
    限を加えるためのしきい値は過去の前記制限付和を用い
    て求めることを特徴とする適応フィルタによる未知シス
    テム同定の方法。
  3. 【請求項3】1サンプル周期ずつ遅延された複数の入力
    信号サンプルを、それぞれに対応した複数の被乗数と乗
    算を行い、その乗算結果の総和をもって出力とするアダ
    プティブ・フィルタの出力を未知システムの出力信号か
    ら差し引いた差信号を小さくするように、前記差信号と
    前記入力信号サンプルと予め定められた第1の定数を乗
    算した値を1回当りの更新量として前記被乗数に加算し
    てその値を更新することにより前記未知システムを近似
    する際に、前記差信号の前記第1の定数に対する傾きに
    比例した値を前記第1の定数に加算して和を得た後、こ
    の和に制限を加えた制限付和を求め、前記差信号に変動
    があることを検出したときには前記制限付和を予め定め
    られた第2の定数で置換し、置換された制限付和を用い
    て前記第1の定数を変化させ、前記制限を加えるための
    しきい値は過去の前記制限付和を用いて求めることを特
    徴とする適応フィルタによる未知システム同定の方法。
  4. 【請求項4】差信号の変動検出は、この差信号の2乗値
    を求め、システム同定開始後のクロック数が予め定めら
    れた第3の定数に達するまでのすべての前記2乗値から
    最大値を求め、この最大値に予め定められた第4の定数
    を乗算した積と前記2乗値を逐一比較して行うことを特
    徴とする請求項2または3記載の適応フィルタによる未
    知システム同定の方法。
  5. 【請求項5】差信号の変動検出は、この差信号の絶対値
    を求め、システム同定開始後のクロック数が予め定めら
    れた第3の定数に達するまでのすべての前記絶対値から
    最大値を求め、この最大値に予め定められた第4の定数
    を乗算した積と前記絶対値を逐一比較して行うことを特
    徴とする請求項2または3記載の適応フィルタによる未
    知システム同定の方法。
  6. 【請求項6】制限付和は、過去の前記制限付和に予め定
    められた第5の定数を乗算して求めた値と予め定められ
    た第6の定数と前記和を比較し、最小値をもって前記制
    限付和とすることを特徴とする請求項1,4または5記
    載の適応フィルタによる未知システム同定の方法。
  7. 【請求項7】制限付和は、過去の前記制限付和に予め定
    められた第7の定数を乗算して求めた値と予め定められ
    た第8の定数と前記和を比較し、最大値をもって前記制
    限付和とすることを特徴とする請求項1,4または5記
    載の適応フィルタによる未知システム同定の方法。
  8. 【請求項8】制限付和は、過去の前記制限付和に予め定
    められた第5の定数を乗算して得られた値と予め定めら
    れた第6の定数と前記和を比較して得られた最小値と過
    去の前記制限付和に予め定められた第7の定数を乗算し
    て得られた値と予め定められた第8の定数を比較し、最
    大値をもって前記制限付和とすることを特徴とする請求
    項1,4または5記載の適応フィルタによる未知システ
    ム同定方法。
  9. 【請求項9】アダプティブ・フィルタを用いて未知シス
    テムの特性を同定する際に、アダプティブ・フィルタの
    出力を未知システムの出力信号から差し引いて差信号を
    得る減算器と、 前記差信号とアダプティブ・フィルタの入力信号を受け
    て前記アダプティブ・フィルタの係数更新に用いられる
    ステップ・サイズを逐次計算するステップ・サイズ・コ
    ントローラと、 このステップ・サイズ・コントローラの出力を受けて制
    限を加えるリミッタと、 このリミッタの出力をリミッタに帰還するための第1の
    遅延素子と、 前記リミッタ出力と前記差信号を乗算する第1の乗算器
    とを少なくとも具備し、 前記第1の乗算器の出力を前記アダプティブ・フィルタ
    の係数更新のステップ・サイズとして用いることを特徴
    とする適応フィルタによる未知システム同定の装置。
  10. 【請求項10】アダプティブ・フィルタを用いて未知シ
    ステムの特性を同定する際に、アダプティブ・フィルタ
    の出力を未知システムの出力信号から差し引いて差信号
    を得る減算器と、 前記差信号を受けて差信号の変動を検出する誤差変動検
    出回路と、 前記差信号とアダプティブ・フィルタの入力信号を受け
    て前記アダプティブ・フィルタの係数更新に用いられる
    ステップ・サイズを逐次計算するステップ・サイズ・コ
    ントローラと、 このステップ・サイズ・コントローラの出力を受けて制
    限を加えるリミッタと、 このリミッタの出力と前記第2の定数を受けて前記誤差
    変動検出回路の出力に応じていずれかを選択して出力す
    る第1のセレクタと、 この第1のセレクタ出力を前記リミッタに帰還するため
    の第2の遅延素子と、 前記リミッタ出力と前記差信号を乗算する第1の乗算器
    とを少なくとも具備し、 前記第1の乗算器の出力を前記アダプティブ・フィルタ
    の係数更新のステップ・サイズとして用いることを特徴
    とする適応フィルタによる未知システム同定の装置。
  11. 【請求項11】前記ステップ・サイズ・コントローラ
    は、差信号を受けて1サンプル周期遅延させる第3の遅
    延素子と、この第3の遅延素子出力と前記差信号を乗算
    する第2の乗算器と、アダプティブ・フィルタの入力信
    号を受けて相関を計算する相関計算回路と、この相関計
    算回路出力と前記第2の乗算器出力を乗算する第3の乗
    算器と、この第3の乗算器出力を定数倍する第4の乗算
    器と、この第4の乗算器出力と第4の遅延素子出力を加
    算する加算器とから構成され、前記第4の遅延素子は、
    前記加算器出力を遅延させてから前記加算器に帰還する
    ことを特徴とする請求項9または10記載の適応フィル
    タによる未知システム同定の装置。
  12. 【請求項12】前記ステップ・サイズ・コントローラ
    は、差信号を受けて差信号の変動を検出する誤差変動検
    出回路と、前記差信号を受けて1サンプル周期遅延させ
    る第3の遅延素子と、この第3の遅延素子出力と前記差
    信号を乗算する第2の乗算器と、アダプティブ・フィル
    タの入力信号を受けて相関を計算する相関計算回路と、
    この相関計算回路出力と前記第2の乗算器出力を乗算す
    る第3の乗算器と、この第3の乗算器出力を定数倍する
    第4の乗算器と、この第4の乗算器出力と第4の遅延素
    子出力を加算する加算器と、この加算器出力と前記第2
    の定数を受けて前記誤差変動検出回路の出力に応じてい
    ずれかを選択して出力する第2のセレクタとから構成さ
    れ、前記第4の遅延素子は前記第2のセレクタ出力を遅
    延させてから前記加算器に帰還することを特徴とする請
    求項9記載の適応フィルタによる未知システム同定の装
    置。
  13. 【請求項13】前記誤差変動検出回路は、差信号を受け
    て2乗する第5の乗算器と、この第5の乗算器の出力と
    0を受けてカウンタ出力によっていずれかを選択する第
    3のセレクタと、この第3のセレクタ出力と第5の遅延
    素子出力を受けて最大値を出力する第1の最大値回路
    と、この第1の最大値回路の出力と予め定められた第4
    の定数を乗算する第6の乗算器と、この第6の乗算器の
    出力と前記第5の乗算器の出力を比較してどちらが大き
    いかの情報を出力する比較回路とから構成され、前記第
    5の遅延素子は、前記第1の最大値回路の出力を受けて
    1サンプルクロック遅延させた後、前記第1の最大値回
    路へ帰還することを特徴とする請求項10または12記
    載の適応フィルタによる未知システム同定の装置。
  14. 【請求項14】前記誤差変動検出回路は、差信号の絶対
    値を求める絶対値回路と、この絶対値回路の出力と0を
    受けてカウンタ出力によっていずれかを選択する第3の
    セレクタと、この第3のセレクタ出力と第5の遅延素子
    出力を受けて最大値を出力する第1の最大値回路と、こ
    の第1の最大値回路の出力と予め定められた第4の定数
    を乗算する第6の乗算器と、この第6の乗算器の出力と
    第5の乗算器の出力を比較してどちらが大きいかの情報
    を出力する比較回路とから構成され、前記第5の遅延素
    子は、前記第1の最大値回路の出力を受けて1サンプル
    クロック遅延させた後、前記第1の最大値回路へ帰還す
    ることを特徴とする請求項10または12記載の適応フ
    ィルタによる未知システム同定の装置。
  15. 【請求項15】前記リミッタは、帰還信号を受けて予め
    定められた第5の定数を乗算する第7の乗算器と、この
    第7の乗算器出力と入力信号と前記第6の定数を受けて
    最小値を検出する最小値回路とから構成されることを特
    徴とする請求項9,10,11または12記載の適応フ
    ィルタによる未知システム同定の装置。
  16. 【請求項16】前記リミッタは、帰還信号を受けて予め
    定められた第7の定数を乗算する第8の乗算器と、この
    第8の乗算器出力と入力信号と前記第8の定数を受けて
    最大値を出力する第2の最大値回路とから構成されるこ
    とを特徴とする請求項9,10,11または12記載の
    適応フィルタによる未知システム同定の装置。
  17. 【請求項17】前記リミッタは、帰還信号を受けて予め
    定められた第5の定数を乗算する第7の乗算器と、この
    第7の乗算器出力と入力信号と前記第6の定数を受けて
    最小値を検出する最小値回路と、前記帰還信号を受けて
    予め定められた第7の定数を乗算する第8の乗算器と、
    この第8の乗算器出力と入力信号と前記第8の定数を受
    けて最大値を出力する第2の最大値回路から構成される
    ことを特徴とする請求項9,10,11または12記載
    の適応フィルタによる未知システム同定の装置。
  18. 【請求項18】1サンプル周期ずつ遅延された複数の入
    力信号サンプルを、それぞれに対応した複数の被乗数と
    乗算を行い、その乗算結果の総和をもって出力とするア
    ダプティブ・フィルタの出力を未知システムの出力信号
    から差し引いた差信号を小さくするように、前記差信号
    と前記入力信号サンプルと予め定められた第1の定数を
    乗算した値を1回当りの更新量として前記被乗数に加算
    してその値を更新することにより前記未知システムを近
    似する際に、前記差信号の前記第1の定数に対する傾き
    に比例した値を前記第1の定数に加算して和を求め、こ
    の和に制限を加えた制限付和を用いて前記第1の定数を
    変化させ、前記制限を加えるためのしきい値は過去の前
    記制限付和の2乗値を用いて求めることを特徴とする適
    応フィルタによる未知システム同定の方法。
  19. 【請求項19】1サンプル周期ずつ遅延された複数の入
    力信号サンプルを、それぞれに対応した複数の被乗数と
    乗算を行い、その乗算結果の総和をもって出力とするア
    ダプティブ・フィルタの出力を未知システムの出力信号
    から差し引いた差信号を小さくするように、前記差信号
    と前記入力信号サンプルと予め定められた第1の定数を
    乗算した値を1回当りの更新量として前記被乗数に加算
    してその値を更新することにより前記未知システムを近
    似する際に、前記差信号の前記第1の定数に対する傾き
    に比例した値を前記第1の定数に加算して和を求め、前
    記差信号に変動があることを検出したときには前記和を
    予め定められた第2の定数で置換し、前記和に制限を加
    えた制限付和を用いて前記第1の定数を変化させ、前記
    制限を加えるためのしきい値は過去の前記制限付和の2
    乗値を用いて求めることを特徴とする適応フィルタによ
    る未知システム同定の方法。
  20. 【請求項20】1サンプル周期ずつ遅延された複数の入
    力信号サンプルを、それぞれに対応した複数の被乗数と
    乗算を行い、その乗算結果の総和をもって出力とするア
    ダプティブ・フィルタの出力を未知システムの出力信号
    から差し引いた差信号を小さくするように、前記差信号
    と前記入力信号サンプルと予め定められた第1の定数を
    乗算した値を1回当りの更新量として前記被乗数に加算
    してその値を更新することにより前記未知システムを近
    似する際に、前記差信号の前記第1の定数に対する傾き
    に比例した値を前記第1の定数に加算して和を得た後、
    この和に制限を加えた制限付和を求め、前記差信号に変
    動があることを検出したときには前記制限付和を予め定
    められた第2の定数で置換し、置換された制限付和を用
    いて前記第1の定数を変化させ、前記制限を加えるため
    のしきい値は過去の前記制限付和の2乗値を用いて求め
    ることを特徴とする適応フィルタによる未知システム同
    定の方法。
  21. 【請求項21】差信号の変動検出は、この差信号の2乗
    値を求め、システム同定開始後のクロック数が予め定め
    られた第3の定数に達するまでのすべての前記2乗値か
    ら最大値を求め、この最大値に予め定められた第4の定
    数を乗算した積と前記2乗値を逐一比較して行うことを
    特徴とする請求項19または20記載の適応フィルタに
    よる未知システム同定の方法。
  22. 【請求項22】差信号の変動検出は、この差信号の絶対
    値を求め、システム同定開始後のクロック数が予め定め
    られた第3の定数に達するまでのすべての前記絶対値か
    ら最大値を求め、この最大値に予め定められた第4の定
    数を乗算した積と前記絶対値を逐一比較して行うことを
    特徴とする請求項19または20記載の適応フィルタに
    よる未知システム同定の方法。
  23. 【請求項23】制限付和は、過去の前記制限付和を2乗
    した後に予め定められた第5の定数を乗算して求めた値
    と予め定められた第6の定数と前記和を比較し、最小値
    をもって前記制限付和とすることを特徴とする請求項1
    8,21または22記載の適応フィルタによる未知シス
    テム同定の方法。
  24. 【請求項24】制限付和は、過去の前記制限付和を2乗
    した後に予め定められた第7の定数を乗算して求めた値
    と予め定められた第8の定数と前記和を比較し、最大値
    をもって前記制限付和とすることを特徴とする請求項1
    8,21または22記載の適応フィルタによる未知シス
    テム同定の方法。
  25. 【請求項25】制限付和は、過去の前記制限付和を2乗
    した後に予め定められた第5の定数を乗算して得られた
    値と予め定められた第6の定数と前記和を比較して得ら
    れた最小値と過去の前記制限付和を2乗した後に予め定
    められた第7の定数を乗算して得られた値と予め定めら
    れた第8の定数を比較し、最大値をもって前記制限付和
    とすることを特徴とする請求項18,21または22記
    載の適応フィルタによる未知システム同定方法。
  26. 【請求項26】制限付和は、過去の前記制限付和を2乗
    した後に予め定められた第7の定数を乗算して得られた
    値をしきい値とし、このしきい値と予め定められた第6
    の定数と前記和を比較して得られた最小値と前記しきい
    値と予め定められた第8の定数を比較し、最大値をもっ
    て前記制限付和とすることを特徴とする請求項18,2
    1または22記載の適応フィルタによる未知システム同
    定の方法。
  27. 【請求項27】アダプティブ・フィルタを用いて未知シ
    ステムの特性を同定する際に、アダプティブ・フィルタ
    の出力を未知システムの出力信号から差し引いて差信号
    を得る減算器と、 前記差信号とアダプティブ・フィルタの入力信号を受け
    て前記アダプティブ・フィルタの係数更新に用いられる
    ステップ・サイズを逐次計算するステップ・サイズ・コ
    ントローラと、 このステップ・サイズ・コントローラの出力を受けて制
    限を加えるリミッタと、 このリミッタの出力をリミッタに帰還するための第1の
    遅延素子と、前記リミッタ出力と前記差信号を乗算する
    第1の乗算器とを少なくとも具備し、 前記第1の乗算器の出力を前記アダプティブ・フィルタ
    の係数更新のステップ・サイズとして用いることを特徴
    とする適応フィルタによる未知システム同定の装置。
  28. 【請求項28】アダプティブ・フィルタを用いて未知シ
    ステムの特性を同定する際に、アダプティブ・フィルタ
    の出力を未知システムの出力信号から差し引いて差信号
    を得る減算器と、 前記差信号を受けて差信号の変動を検出する誤差変動検
    出回路と、 前記差信号とアダプティブ・フィルタの入力信号を受け
    て前記アダプティブ・フィルタの係数更新に用いられる
    ステップ・サイズを逐次計算するステップ・サイズ・コ
    ントローラと、 このステップ・サイズ・コントローラの出力を受けて制
    限を加えるリミッタと、 このリミッタの出力と前記第2の定数を受けて前記誤差
    変動検出回路の出力に応じていずれかを選択して出力す
    る第1のセレクタと、 この第1のセレクタ出力を前記リミッタに帰還するため
    の第2の遅延素子と、 前記リミッタ出力と前記差信号を乗算する第1の乗算器
    とを少なくとも具備し、 前記第1の乗算器の出力を前記アダプティブ・フィルタ
    の係数更新のステップ・サイズとして用いることを特徴
    とする適応フィルタによる未知システム同定の装置。
  29. 【請求項29】前記ステップ・サイズ・コントローラ
    は、差信号を受けて1サンプル周期遅延させる第3の遅
    延素子と、この第3の遅延素子出力と前記差信号を乗算
    する第2の乗算器と、アダプティブ・フィルタの入力信
    号を受けて相関を計算する相関計算回路と、この相関計
    算回路出力と前記第2の乗算器出力を乗算する第3の乗
    算器と、この第3の乗算器出力を定数倍する第4の乗算
    器と、この第4の乗算器出力と第4の遅延素子出力を加
    算する加算器とから構成され、前記第4の遅延素子は、
    前記加算器出力を遅延させてから前記加算器に帰還する
    ことを特徴とする請求項27または28記載の適応フィ
    ルタによる未知システム同定の装置。
  30. 【請求項30】前記ステップ・サイズ・コントローラ
    は、差信号を受けて差信号の変動を検出する誤差変動検
    出回路と、前記差信号を受けて1サンプル周期遅延させ
    る第3の遅延素子と、この第3の遅延素子出力と前記差
    信号を乗算する第2の乗算器と、アダプティブ・フィル
    タの入力信号を受けて相関を計算する相関計算回路と、
    この相関計算回路出力と前記第2の乗算器出力を乗算す
    る第3の乗算器と、この第3の乗算器出力を定数倍する
    第4の乗算器と、この第4の乗算器出力と第4の遅延素
    子出力を加算する加算器と、この加算器出力と前記第2
    の定数を受けて前記誤差変動検出回路の出力に応じてい
    ずれかを選択して出力する第2のセレクタとから構成さ
    れ、前記第4の遅延素子は前記第2のセレクタ出力を遅
    延させてから前記加算器に帰還することを特徴とする請
    求項27記載の適応フィルタによる未知システム同定の
    装置。
  31. 【請求項31】前記誤差変動検出回路は、差信号を受け
    て2乗する第5の乗算器と、この第5の乗算器の出力と
    0を受けてカウンタ出力によっていずれかを選択する第
    3のセレクタと、この第3のセレクタ出力と第5の遅延
    素子出力を受けて最大値を出力する第1の最大値回路
    と、この第1の最大値回路の出力と予め定められた第4
    の定数を乗算する第6の乗算器と、この第6の乗算器の
    出力と前記第5の乗算器の出力を比較してどちらが大き
    いかの情報を出力する比較回路とから構成され、前記第
    5の遅延素子は、前記第1の最大値回路の出力を受けて
    1サンプルクロック遅延させた後、前記第1の最大値回
    路へ帰還することを特徴とする請求項28または30記
    載の適応フィルタによる未知システム同定の装置。
  32. 【請求項32】前記誤差変動検出回路は、差信号の絶対
    値を求める絶対値回路と、この絶対値回路の出力と0を
    受けてカウンタ出力によっていずれかを選択する第3の
    セレクタと、この第3のセレクタ出力と第5の遅延素子
    出力を受けて最大値を出力する第1の最大値回路と、こ
    の第1の最大値回路の出力と予め定められた第4の定数
    を乗算する第6の乗算器と、この第6の乗算器の出力と
    第5の乗算器の出力を比較してどちらが大きいかの情報
    を出力する比較回路とから構成され、前記第5の遅延素
    子は、前記第1の最大値回路の出力を受けて1サンプル
    クロック遅延させた後、前記第1の最大値回路へ帰還す
    ることを特徴とする請求項28または30記載の適応フ
    ィルタによる未知システム同定の装置。
  33. 【請求項33】前記リミッタは、帰還信号を受けて2乗
    する第7の乗算器と、この第7の乗算器出力と予め定め
    られた第5の定数を乗算する第8の乗算器と、この第8
    の乗算器出力と入力信号と前記第6の定数を受けて最小
    値を検出する最小値回路とから構成されることを特徴と
    する請求項27,28,29または30記載の適応フィ
    ルタによる未知システム同定の装置。
  34. 【請求項34】前記リミッタは、帰還信号を受けて2乗
    する第7の乗算器と、この第7の乗算器出力と予め定め
    られた第7の定数を乗算する第9の乗算器と、この第9
    の乗算器出力と入力信号と前記第8の定数を受けて最大
    値を出力する第2の最大値回路から構成されることを特
    徴とする請求項27,28,29または30記載の適応
    フィルタによる未知システム同定の装置。
  35. 【請求項35】前記リミッタは、帰還信号を受けて2乗
    する第7の乗算器と、この第7の乗算器出力と予め定め
    られた第5の定数を乗算する第8の乗算器と、この第8
    の乗算器出力と入力信号と前記第6の定数を受けて最小
    値を検出する最小値回路と、前記第7の乗算器出力と予
    め定められた第7の定数を乗算する第9の乗算器と、こ
    の第9の乗算器出力と入力信号と前記第8の定数を受け
    て最大値を出力する第2の最大値回路から構成されるこ
    とを特徴とする請求項27,28,29または30記載
    の適応フィルタによる未知システム同定の装置。
  36. 【請求項36】前記リミッタは、帰還信号を受けて予め
    定められた第5の定数を乗算する第10の乗算器と、こ
    の第10の乗算器出力と前記帰還信号を乗算する第11
    の乗算器と、この第11の乗算器出力と入力信号と前記
    第6の定数を受けて最小値を検出する最小値回路と、前
    記第11の乗算器出力と入力信号と前記第8の定数を受
    けて最大値を出力する第2の最大値回路から構成される
    ことを特徴とする請求項27,28,29または30記
    載の適応フィルタによる未知システム同定の装置。
  37. 【請求項37】1サンプル周期ずつ遅延された複数の入
    力信号サンプルを、それぞれに対応した複数の被乗数と
    乗算を行い、その乗算結果の総和をもって出力とするア
    ダプティブ・フィルタの出力を未知システムの出力信号
    から差し引いた差信号を小さくするように、前記差信号
    と前記入力信号サンプルと変数を乗算した値を1回当り
    の更新量として前記被乗数に加算してその値を更新する
    ことにより前記未知システムを近似する際に、前記差信
    号の前記変数に対する傾きに比例した値を前記変数に加
    算して和を得た後、この和に制限を加えた制限付和を求
    め、前記差信号に変動があることを検出したときには予
    め定められた第1の定数に等しいクロック数だけ前記和
    をもって前記制限付和とし、この制限付和を用いて前記
    変数を変化させ、前記制限を加えるためのしきい値は過
    去の前記制限付和を用いて求めることを特徴とする適応
    フィルタによる未知システム同定の方法。
  38. 【請求項38】差信号の変動検出は、この差信号の2乗
    値を求め、システム同定開始後のクロック数が予め定め
    られた第2の定数に達するまでのすべての前記2乗値か
    ら最大値を求め、この最大値に予め定められた第3の定
    数を乗算した積と前記2乗値を逐一比較して行うことを
    特徴とする請求項37記載の適応フィルタによる未知シ
    ステム同定の方法。
  39. 【請求項39】制限付和は、過去の前記制限付和を2乗
    した後に予め定められた第4の定数を乗算して得られた
    値と予め定められた第5の定数と前記和を比較して得ら
    れた最小値と過去の前記制限付和を2乗した後に予め定
    められた第6の定数を乗算して得られた値と予め定めら
    れた第7の定数を比較し、最大値をもって前記制限付和
    とすることを特徴とする請求項37記載の適応フィルタ
    による未知システム同定の方法。
  40. 【請求項40】アダプティブ・フィルタを用いて未知シ
    ステムの特性を同定する際に、アダプティブ・フィルタ
    の出力を未知システムの出力信号から差し引いて差信号
    を得る減算器と、 前記差信号を受けて前記差信号の変動を検出する誤差変
    動検出回路と、 この誤差変動検出回路の出力を受けてクロックのカウン
    トを行うカウンタと、前記誤差変動検出回路出力と第1
    の遅延素子出力を受け前記カウンタ出力に応じていずれ
    かを選択して出力する第1のセレクタと、 前記差信号とアダプティブ・フィルタの入力信号を受け
    て前記アダプティブ・フィルタの係数更新に用いられる
    ステップ・サイズを逐次計算するステップ・サイズ・コ
    ントローラと、 このステップ・サイズ・コントローラの出力を受けて制
    限を加えるリミッタと、 このリミッタの出力と前記ステップ・サイズ・コントロ
    ーラ出力を受けて前記第1のセレクタ出力に応じていず
    れかを選択して出力する第2のセレクタと、 この第2のセレクタ出力を前記リミッタに帰還するため
    の第2の遅延素子と、 前記第2のセレクタ出力と前記差信号を乗算する第1の
    乗算器とを少なくとも具備し、 前記第1の遅延素子は前記第1のセレクタ出力を遅延さ
    せてから前記第1のセレクタの入力へ帰還し、前記第1
    の乗算器の出力を前記アダプティブ・フィルタの係数更
    新のステップ・サイズとして用いることを特徴とする適
    応フィルタによる未知システム同定の装置。
  41. 【請求項41】前記ステップ・サイズ・コントローラ
    は、差信号を受けて1サンプル周期遅延させる第3の遅
    延素子と、この第3の遅延素子出力と前記差信号を乗算
    する第2の乗算器と、アダプティブ・フィルタの入力信
    号を受けて相関を計算する相関計算回路と、この相関計
    算回路出力と前記第2の乗算器出力を乗算する第3の乗
    算器と、この第3の乗算器出力を定数倍する第4の乗算
    器と、この第4の乗算器出力と第4の遅延素子出力を加
    算する加算器とから構成され、前記第4の遅延素子は、
    前記加算器出力を遅延させてから前記加算器に帰還する
    ことを特徴とする請求項40記載の適応フィルタによる
    未知システム同定の装置。
  42. 【請求項42】前記誤差変動検出回路は、差信号を受け
    て2乗する第5の乗算器と、この第5の乗算器の出力と
    0を受けてカウンタ出力によっていずれかを選択する第
    3のセレクタと、この第3のセレクタ出力と第5の遅延
    素子出力を受けて最大値を出力する第1の最大値回路
    と、この第1の最大値回路の出力と予め定められた第3
    の定数を乗算する第6の乗算器と、この第6の乗算器の
    出力と前記第5の乗算器の出力を比較してどちらが大き
    いかの情報を出力する比較回路とから構成され、前記第
    5の遅延素子は、前記第1の最大値回路の出力を受けて
    1サンプルクロック遅延させた後、前記第1の最大値回
    路へ帰還することを特徴とする請求項41記載の適応フ
    ィルタによる未知システム同定の装置。
  43. 【請求項43】前記リミッタは、帰還信号を受けて2乗
    する第7の乗算器と、この第7の乗算器出力と予め定め
    られた第4の定数を乗算する第8の乗算器と、この第8
    の乗算器出力と入力信号と前記第5の定数を受けて最小
    値を検出する最小値回路と、前記第7の乗算器出力と予
    め定められた第6の定数を乗算する第9の乗算器と、こ
    の第9の乗算器出力と入力信号と前記第7の定数を受け
    て最大値を出力する第2の最大値回路から構成されるこ
    とを特徴とする請求項42記載の適応フィルタによる未
    知システム同定の装置。
  44. 【請求項44】1サンプル周期ずつ遅延された複数の入
    力信号サンプルを、それぞれに対応した複数の被乗数と
    乗算を行い、その乗算結果の総和をもって出力とするア
    ダプティブ・フィルタの出力を未知システムの出力信号
    から差し引いた差信号を小さくするように、前記差信号
    と前記入力信号サンプルと変数を乗算した値を1回当り
    の更新量として前記被乗数に加算してその値を更新する
    ことにより前記未知システムを近似する際に、前記差信
    号の前記変数に対する傾きに比例した値を前記変数に加
    算して和を得た後、この和に制限を加えて制限付和を求
    め、この制限付和の平均値を求めて演算変数とすること
    を特徴とする適応フィルタによる未知システム同定の方
    法。
  45. 【請求項45】平均演算の時定数は前記平均値を用いて
    求め、差信号に変動があることを検出したときには前記
    時定数を前記変数の初期値で置換することを特徴とする
    請求項44記載の適応フィルタによる未知システム同定
    の方法。
  46. 【請求項46】差信号の変動検出は、この差信号の2乗
    値を求め、システム同定開始後のクロック数が予め定め
    られた第1の定数に達するまでのすべての前記2乗値か
    ら最大値を求め、この最大値に予め定められた第2の定
    数を乗算した積と前記2乗値を逐一比較して行うことを
    特徴とする請求項45記載の適応フィルタによる未知シ
    ステム同定の方法。
  47. 【請求項47】差信号の変動検出は、この差信号の絶対
    値を求め、システム同定開始後のクロック数が予め定め
    られた第1の定数に達するまでのすべての前記絶対値か
    ら最大値を求め、この最大値に予め定められた第2の定
    数を乗算した積と前記絶対値を逐一比較して行うことを
    特徴とする請求項45記載の適応フィルタによる未知シ
    ステム同定の方法。
  48. 【請求項48】アダプティブ・フィルタを用いて未知シ
    ステムの特性を同定する際に、アダプティブ・フィルタ
    の出力を未知システムの出力信号から差し引いて差信号
    を得る減算器と、 前記差信号とアダプティブ・フィルタの入力信号を受け
    て前記アダプティブ・フィルタの係数更新に用いられる
    ステップ・サイズを逐次計算するステップ・サイズ・コ
    ントローラと、 このステップ・サイズ・コントローラの出力を受けて制
    限を加えるリミッタと、 このリミッタの出力を受けて平均値を計算する平均化回
    路とを少なくとも具備し、 この平均化回路の出力を前記アダプティブ・フィルタの
    係数更新のステップ・サイズとして用いることを特徴と
    する適応フィルタによる未知システム同定の装置。
  49. 【請求項49】アダプティブ・フィルタを用いて未知シ
    ステムの特性を同定する際に、アダプティブ・フィルタ
    の出力を未知システムの出力信号から差し引いて差信号
    を得る減算器と、 前記差信号を受けて前記差信号の変動を検出する誤差変
    動検出回路と、 この誤差変動検出回路の出力を受けてクロックのカウン
    トを行うカウンタと、 前記誤差変動検出回路出力と第1の遅延素子出力を受け
    前記カウンタ出力に応じていずれかを選択して出力する
    第1のセレクタと、 前記差信号とアダプティブ・フィルタの入力信号を受け
    て前記アダプティブ・フィルタの係数更新に用いられる
    ステップ・サイズを逐次計算するステップ・サイズ・コ
    ントローラと、 このステップ・サイズ・コントローラの出力を受けて制
    限を加えるリミッタと、 このリミッタの出力を受けて平均値を計算する平均化回
    路と、 この平均化回路の出力と予め定められた第3の定数とを
    前記第1のセレクタ出力に応じていずれかを選択して出
    力する第2のセレクタを少なくとも具備し、 前記平均化回路の出力を前記アダプティブ・フィルタの
    係数更新のステップ・サイズとして用いることを特徴と
    する適応フィルタによる未知システム同定の装置。
  50. 【請求項50】前記ステップ・サイズ・コントローラ
    は、差信号を受けて1サンプル周期遅延させる第3の遅
    延素子と、この第3の遅延素子出力と前記差信号を乗算
    する第2の乗算器と、アダプティブ・フィルタの入力信
    号を受けて相関を計算する相関計算回路と、この相関計
    算回路出力と前記第2の乗算器出力を乗算する第3の乗
    算器と、この第3の乗算器出力を定数倍する第4の乗算
    器と、この第4の乗算器出力と第4の遅延素子出力を加
    算する加算器とから構成され、前記第4の遅延素子は、
    前記加算器出力を遅延させてから前記加算器に帰還する
    ことを特徴とする請求項48または49記載の適応フィ
    ルタによる未知システム同定の装置。
  51. 【請求項51】前記誤差変動検出回路は、差信号を受け
    て2乗する第5の乗算器と、この第5の乗算器の出力と
    0を受けてカウンタ出力によっていずれかを選択する第
    3のセレクタと、この第3のセレクタ出力と第5の遅延
    素子出力を受けて最大値を出力する第1の最大値回路
    と、この第1の最大値回路の出力と予め定められた第5
    の定数を乗算する第6の乗算器と、この第6の乗算器の
    出力と前記第5の乗算器の出力を比較してどちらが大き
    いかの情報を出力する比較回路とから構成され、前記第
    5の遅延素子は前記第1の最大値回路の出力を受けて1
    サンプルクロック遅延させた後、前記第1の最大値回路
    へ帰還することを特徴とする請求項48または49記載
    の適応フィルタによる未知システム同定の装置。
  52. 【請求項52】前記誤差変動検出回路は、差信号を受け
    て絶対値を求める絶対値検出回路と、この絶対値検出回
    路出力と0を受けてカウンタ出力によっていずれかを選
    択する第3のセレクタと、この第3のセレクタ出力と第
    5の遅延素子出力を受けて最大値を出力する第1の最大
    値回路と、この第1の最大値回路の出力と予め定められ
    た第5の定数を乗算する第6の乗算器と、この第6の乗
    算器の出力と前記絶対値検出回路出力を比較してどちら
    が大きいかの情報を出力する比較回路とから構成され、
    前記第5の遅延素子は前記第1の最大値回路の出力を受
    けて1サンプルクロック遅延させた後、前記第1の最大
    値回路へ帰還することを特徴とする請求項48または4
    9記載の適応フィルタによる未知システム同定の装置。
  53. 【請求項53】前記リミッタは、入力信号と前記第6の
    定数を受けて最小値を検出する最小値回路と、この最小
    値回路出力と前記第7の定数を受けて最大値を出力する
    第2の最大値回路から構成されることを特徴とする請求
    項48または49記載の適応フィルタによる未知システ
    ム同定の装置。
  54. 【請求項54】前記平均化回路は、リミッタ出力に第1
    の定数を乗算する第5の乗算器と、この第5の乗算器出
    力と第6の乗算器出力を加算して平均値として出力する
    第2の加算器と、この第2の加算器出力を受けて1クロ
    ック遅延させる第6の遅延素子とから構成され、前記第
    6の乗算器は前記第6の遅延素子出力に第8の定数を乗
    算して前記第2の加算器へ帰還することを特徴とする請
    求項48記載の適応フィルタによる未知システム同定の
    装置。
  55. 【請求項55】前記平均化回路は、リミッタ出力に第2
    の変数を乗算する第7の乗算器と、この第7の乗算器出
    力と第8の乗算器出力を加算して平均値として出力する
    第2の加算器と、この第2の加算器出力を受けて1クロ
    ック遅延させる第6の遅延素子とから構成され、前記第
    8の乗算器は前記第6の遅延素子出力に第3の変数を乗
    算して前記第2の加算器へ帰還し、前記第2及び第3の
    変数はセレクタ41からの帰還信号を用いて求めること
    を特徴とする請求項49記載の適応フィルタによる未知
    システム同定の装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07202765A (ja) * 1993-12-28 1995-08-04 Nec Corp 適応フィルタによるシステム同定の方法および装置
US5638439A (en) * 1995-03-20 1997-06-10 Oki Electric Industry Co., Ltd. Adaptive filter and echo canceller
US6504868B1 (en) 1998-03-13 2003-01-07 Nec Corporation Adaptive equalizer
JP2008113371A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Oki Electric Ind Co Ltd エコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法

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