JP2008113371A - エコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 収束速度の高速化及び安定性の向上を図ることのできるエコーキャンセラを提供する。
【解決手段】 本発明のエコーキャンセラは、エコー除去手段によって減算処理された結果としての残留誤差信号の電力を算出する電力算出手段と、電力算出手段によって算出された残留誤差信号の電力値に応じて、フィルタ係数の更新に関わるステップサイズの値を求めるステップサイズ算出手段とを備える。ステップサイズ算出手段は、残留誤差信号の電力値が閾値以下のときは、ステップサイズの値を、当該電力値が当該閾値を超えている場合に適用されるステップサイズの値と比較して小さい値とし、該求めたステップサイズの値を適応フィルタに与える。
【選択図】 図1

Description

本発明はエコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法に関し、例えば、電話回線において2線4線変換機能を有するハイブリッド回路で生じる回線エコーを消去する場合に適用し得るものである。
図6は、従来のエコーキャンセラの構成を示している。図6に示すように、従来のエコーキャンセラ10は、適応フィルタ11、加算器12、ダブルトーク検出器13を備えている。
エコーキャンセラ10には、遠方通話者(以下、遠端という)からの受信入力信号(遠端入力信号ともいう)Rinが入力される。この受信入力信号Rinは、受信者(以下、近端という)側に向けて受信出力信号Routとして出力されるとともに、適応フィルタ11に入力される。ここで、適応フィルタ11に入力される受信入力信号Rinを受信入力信号x(n)とする。
適応フィルタ11は、フィルタ係数と受信入力信号x(n)(=受信入力信号Rin)とを基に疑似エコー信号y(n)を生成し、後述する加算器12による減算処理の結果としての残留誤差信号RES(後述する残留誤差信号e(n))を用いてフィルタ係数の更新を行う。
加算器12は、受信者(以下、近端という)側から入力された送信入力信号Sinから疑似エコー信号y(n)を差し引き、この演算した結果を残留誤差信号RESとして出力する。この残留誤差信号RESは、適応フィルタ11に入力されるとともに、遠端側に向けて送信される。
なお、加算器12は、送信入力信号Sinから疑似エコー信号y(n)を差し引く(減算する)ことによりエコー信号を除去する。
ダブルトーク検出器13は、受信入力信号Rin、送信入力信号Sin、及び残留誤差信号RESをモニタして発話状態を監視するものであり、近端話者発話時、双方発話時及び無通話時は適応フィルタ11の係数更新をディスエーブル(Disable)にし、遠端話者発話時は適応フィルタ11の係数更新をイネーブル(Enable)にする。
また、図6において、ハイブリッド回路20は、2線4線変換機能を有し、エコーキャンセラ10における受信経路または送信経路と図示しない電話機側の経路との接続機能を担うものである。
エコーキャンセラ10においては、遠端話者の発話に伴い、遠端側から入力される受信入力信号Rinは、そのまま近端側へ送出されるとともに、適応フィルタ11に与えられる。
エコーキャンセラ10から出力された受信出力信号Rout(=受信入力信号Rin)は、ハイブリッド回路20を経由して近端話者つまり電話機(図示せず)に向けて送出される。このとき、ハイブリッド回路20ではエコー(回線エコー)が発生する。この発生したエコー信号はエコーキャンセラ10の送信経路に流れる。
エコーキャンセラ10では、適応フィルタ11が、フィルタ係数と受信入力信号x(n)とを基に疑似エコーy(n)を生成して、加算器12に向けて出力する。そして、加算器12が送信入力信号Sin(ここではエコー信号)から疑似エコー信号y(n)を差し引くことでエコー信号を除去(消去)する。
ところで、適応フィルタの係数更新のアルゴリズムとしては、既知の正規化LMS(Least Mean Square)などが知られている。
この正規化LMSによる係数更新のための数式の一例を、次の数1に示す。
Figure 2008113371
ここで、μはステップサイズ、h(n)はフィルタ係数の更新前の係数列、h(n+1)はフィルタ係数の更新後の係数列、Mはフィルタのタップ長である。また、‖x(n)‖=x(n)+x(n−1)+…+x(n−M+1)=‖x(n−1)‖+x(n)−x(n−M)である。
適応フィルタが生成する疑似エコー信号y(n)は次の数2を演算することで求められる。
Figure 2008113371
正規化LMSアルゴリズム(非特許文献1参照)が収束するための必要十分条件は0<μ<2である。ステップサイズμ=1.0のときに収束速度が最大となり、ステップサイズμが0に近づくほどフィルタ係数の更新量が小さくなり適応フィルタの安定性が向上する。
適応フィルタの安定性が高いというのは、近端話者側より入力される背景雑音などの外乱や、トーン信号などの狭帯域信号入力に対してフィルタ係数が発散し難いということである。
「適応フィルタ理論(原文名:Adaptive Filter Theory)」、著者:Simon Haykin、翻訳者:鈴木博(翻訳主幹)ほか、出版社:科学技術出版、2001年1月10日、p.437〜497
ところで、エコーキャンセラは、収束速度が速く、適応後の残留誤差が小さく、安定性が高いことが理想的である。
しかしながら、上記従来のエコーキャンセラでは、適応フィルタにおけるステップサイズμは固定の値を使用するようにしているので、ステップサイズμを小さい値に設定した場合には、適応後の残留誤差は小さくなり、安定性は高くなるものの、収束速度は遅くなる。一方、ステップサイズμを大きい値に設定した場合は、収束速度は速くなるものの、適応後の残留誤差が大きくなり、安定性が低くなる。
すなわち、収束速度の高速化と残留誤差低減及び安定性向上とはトレードオフの関係となってしまい、エコーキャンセラの所望の特性を得ることが困難である。
そこで、本発明は、収束速度の高速化及び安定性の向上を図ることのできるエコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法を提供することを目的とする。
第1の発明に係るエコーキャンセラは、フィルタ係数と受信入力信号とを基に疑似エコー信号を生成する適応フィルタと、送信入力信号から上記疑似エコー信号を減算しエコー信号を除去するエコー除去手段とを備えるエコーキャンセラであって、上記エコー除去手段によって減算処理された結果としての残留誤差信号の電力を算出する電力算出手段と、上記電力算出手段によって算出された残留誤差信号の電力値に応じて、上記フィルタ係数の更新に関わるステップサイズの値を求めるステップサイズ算出手段とを有し、上記ステップサイズ算出手段は、上記残留誤差信号の電力値が電力値用閾値以下のときは、上記ステップサイズの値を、上記残留誤差信号の電力値が上記電力値用閾値を超えている場合に適用されるステップサイズの値と比較して小さい値とすると共に、求めたステップサイズの値を上記適応フィルタに与えることを特徴とする。
第2の発明に係るエコーキャンセラは、フィルタ係数と受信入力信号とを基に疑似エコー信号を生成する適応フィルタと、送信入力信号から上記疑似エコー信号を減算しエコー信号を除去するエコー除去手段とを備えるエコーキャンセラであって、上記エコー除去手段によって減算処理された結果としての残留誤差信号の電力を算出する第1の電力算出手段と、上記受信入力信号の電力を算出する第2の電力算出手段と、上記第1の電力算出手段によって算出された残留誤差信号の電力値及び上記第2の電力算出手段によって算出された受信入力信号の電力値に応じて、上記フィルタ係数の更新に関わるステップサイズの値を求めるステップサイズ算出手段とを有し、上記ステップサイズ算出手段は、上記残留誤差信号の電力値が電力値用閾値以下で、かつ、上記受信入力信号の電力値から当該残留誤差信号の電力値を減算した結果としてのエコー減衰量が減衰量用閾値以上のときは、上記ステップサイズの値を、上記残留誤差信号の電力値が上記電力値用閾値を超えている場合に適用されるステップサイズの値と比較して小さい値とすると共に、該求めたステップサイズの値を上記適応フィルタに与えることを特徴とする。
第3の発明に係るエコーキャンセル方法は、適応フィルタフィルタ係数と受信入力信号とを基に疑似エコー信号を生成し、エコー除去手段が送信入力信号から上記疑似エコー信号を減算し、エコー信号を除去するエコーキャンセル方法であって、電力算出手段及びステップサイズ算出手段を有し、上記電力算出手段が、上記エコー除去手段によって減算処理された結果としての残留誤差信号の電力を算出し、上記ステップサイズ算出手段は、上記残留誤差信号の電力値が電力値用閾値以下のときは、上記フィルタ係数の更新に関わるステップサイズの値を、上記残留誤差信号の電力値が上記電力値用閾値を超えている場合に適用されるステップサイズの値と比較して小さい値とすると共に、求めたステップサイズの値を上記適応フィルタに与えることを特徴とする。
第4の発明に係るエコーキャンセル方法は、適応フィルタフィルタ係数と受信入力信号とを基に疑似エコー信号を生成し、エコー除去手段が送信入力信号から上記疑似エコー信号を減算し、エコー信号を除去するエコーキャンセル方法であって、第1の電力算出手段、第2の電力算出手段及びステップサイズ算出手段を有し、上記第1の電力算出手段は、上記エコー除去手段によって減算処理された結果としての残留誤差信号の電力を算出し、上記第2の電力算出手段は、上記受信入力信号の電力を算出し、上記ステップサイズ算出手段は、上記残留誤差信号の電力値が電力値用閾値以下で、かつ、上記受信入力信号の電力値から当該残留誤差信号の電力値を減算した結果としてのエコー減衰量が減衰量用閾値以上のときは、上記フィルタ係数の更新に関わるステップサイズの値を、上記残留誤差信号の電力値が上記電力値用閾値を超えている場合に適用されるステップサイズの値と比較して小さい値とすると共に、求めたステップサイズの値を上記適応フィルタに与えることを特徴とする。
本発明に係るエコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法によれば、収束速度の高速化及び安定性の向上を図ることができる。
(A)第1の実施形態
以下、本発明に係るエコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法の第1の実施形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係るエコーキャンセラの機能構成を示すブロック図である。
図1に示すエコーキャンセラ100は、図6に示した従来のエコーキャンセラの構成において、電力算出手段110及びステップサイズ算出手段120を追加し、適応フィルタ11を適応フィルタ130に変更した構成になっている。なお、図1において、図6に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
この第1の実施形態において、加算器12は、送信入力信号Sinから疑似エコー信号y(n)を減算しエコー信号を除去するエコー除去手段として機能する。
電力算出手段110は、加算器(エコー除去手段)12によって減算処理された結果(送信入力信号Sinから疑似エコー信号y(n)が減算された結果)としての残留誤差信号RESの電力[dBm]を算出し、この算出した残留誤差信号RESの電力値[dBm]をステップサイズ算出手段120に与える。
ステップサイズ算出手段120は、例えば後述する図2に示す特性情報を基に、電力算出手段110によって算出された残留誤差信号RESの電力値[dBm]に応じて、適応フィルタ130のフィルタ係数の更新に関わるステップサイズμの値を求め、この求めたステップサイズμの値を適応フィルタ130に与える。
適応フィルタ130は、基本的には適応フィルタ11と同様の機能を有しており、上述した数1の係数更新式を演算してフィルタ係数の係数更新を実行するとともに、上述した数2の式を演算して疑似エコー信号y(n)を生成する。
この第1の実施形態では、適応フィルタ130は、上述した係数更新式(数1参照)に、ステップサイズ算出手段120によって与えられる、残留誤差信号RESの電力値[dBm]に応じて変更されるステップサイズμを代入するようになっている。そして、適応フィルタ130は、受信入力信号x(n)、残留誤差信号e(n)、ステップサイズμを使用して、残留誤差信号RES=残留誤差信号e(n)が最小となるようにフィルタ係数を更新する。
図2は、ステップサイズ算出手段120の特性(あるいは機能)を説明する図を示している。
ステップサイズ算出手段120は、図2に示す特性情報を基にステップサイズμを求めるようになっており、残留誤差信号RESの電力値[dBm]が閾値th1[dBm]以下のときは、ステップサイズμの値を、残留誤差信号RESの電力値が閾値th1を超えている場合に適用されるステップサイズμの値μ1と比較して小さい値μ2(すなわちμ2<μ1の関係が成立)とするとともに、該求めたステップサイズμの値μ2を適応フィルタ130に与える。
なお、第1の実施形態においては、ステップサイズμに関して、大きい値μ1と小さい値μ2の2値で構成され、μ1=倍率α×μ2の関係が成立し、大きい値μ1と小さい値μ2のそれぞれの実際の値は「1〜0」の範囲内の値になっている。ここで、倍率αは、例えば、4である。
勿論、ステップサイズμは2値に限定されることなく、多値で構成されていても良い。すなわち、大きい値μ1に関しては、異なる複数(m1)の値μ1−1,μ1−2,…,μ1−m1とし、同様に、小さい値μ2に関しても、異なる複数(m2)の値μ2−1,μ2−2,…,μ2−m2とする。そして、ステップサイズとして大きい値または小さい値を求める際に、残留誤差信号RESの電力値[dBm]に応じて、複数の値の中から特定の値を決定するようにしても良い。
上述したステップサイズμに関しては、後述する第2及び第3の実施形態においても適用されるものとする。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、エコーキャンセラ100の動作(第1の実施形態のエコーキャンセル方法)について説明する。
エコーキャンセラ100に遠端側からの受信入力信号Rinが入力されると、その受信入力信号Rinは、適応フィルタ130に入力されるとともに、エコーキャンセラ100の受信経路を経由してハイブリッド回路20に入力される。
エコーキャンセラ100から出力された受信出力信号Rout(=受信入力信号Rin)は、ハイブリッド回路20を経由して近端話者つまり電話機(図示せず)へ送出される。
このとき、ハイブリッド回路20においてエコー(回線エコー)が発生した場合は、そのエコー信号がエコーキャンセラ100の送信経路に流れる。つまり、エコー信号である送信入力信号Sinが、エコーキャンセラ100の加算器12に入力される。
一方、受信入力信号Rinつまり受信入力信号x(n)が入力された適応フィルタ130は、その受信入力信号x(n)とフィルタ係数とを基に疑似エコー信号y(n)を生成して、加算器12に向けて出力する。なお、疑似エコー信号y(n)は、上記数2の式に従って演算することで求められる。
加算器12は、送信入力信号(エコー信号)Sinから疑似エコー信号y(n)を減算し、この減算した結果(残留誤差)つまり残留誤差信号RESを出力する。このようにして加算器12から出力された残留誤差信号RESは、適応フィルタ130及び電力算出手段110に入力される。
電力算出手段110は、入力された残留誤差信号RESの電力(電力レベル)[dBm]を算出し、この算出した電力値[dBm]をステップサイズ算出手段120に与える。
ステップサイズ算出手段120は、電力算出手段110から与えられた残留誤差信号RESの電力値[dBm]と予め設定された閾値th1[dBm]とを比較し、この比較した結果に応じて、ステップサイズμの値をμ1またはμ2に決定する。ここで、μ1>μ2の関係が成立している。
すなわち、ステップサイズ算出手段120は、残留誤差信号RESの電力値が閾値th1以下のときは、ステップサイズμの値を、残留誤差信号RESの電力値が閾値th1を超えている場合に適用されるステップサイズμの値(μ1)と比較して小さい値(μ2)とする。
ここで、残留誤差信号RESの電力[dBm]に関して、電力値RES1>閾値th1>電力値RES2の関係が成立するものとする(図2参照)。
さて、適応の初期段階において、電力算出手段110によって算出された残留誤差信号RESの電力値がRES1[dBm]であるとする。
適応の初期段階においては、残留誤差信号RESの電力は例えば電力値RES1の如く閾値th1よりも大きくなるので、ステップサイズ算出手段120は、与えられた残留誤差信号RESの電力値RES1は閾値th1を超えていると判断して、ステップサイズμの値をμ1とする。このようにして求められたステップサイズμの値μ1は適応フィルタ130に与えられる。
このように適応の初期段階においては、残留誤差信号RESの電力は大きくなるため、ステップサイズμが大きくなり収束速度が速くなる。
ステップサイズ算出手段120からステップサイズμの値μ1を与えられた適応フィルタ130は、そのステップサイズμの値μ1、入力された受信入力信号x(n)及び残留誤差信号e(n)を使用して、残留誤差信号RES=残留誤差信号e(n)が最小となるようにフィルタ係数を更新する。次に、適応フィルタ130は、この更新したフィルタ係数と受信入力信号x(n)とを基に新たな疑似エコー信号y(n)を生成する。
そして、適応が進むにつれて残留誤差は小さくなっていき、電力算出手段110によって算出された残留誤差信号RESの電力値がRES2[dBm]であるとする。
適応が進むにつれて残留誤差が小さくなっていくことに起因して、残留誤差信号RESの電力が例えば電力値RES2の如く閾値th1以下になったとすると、ステップサイズ算出手段120は、与えられた残留誤差信号RESの電力値RES2は閾値th1以下であると判断して、ステップサイズμの値をμ2とする。つまりステップサイズμはμ1からμ2に切り替えられる。このようにして求められたステップサイズμの値μ2は適応フィルタ130に与えられる。
このように適応が進むにつれて残留誤差が小さくなっていき、閾値th1を超えていた残留誤差信号RESの電力が閾値th1以下になったときは、ステップサイズμが大きい値(μ1)から小さい値(μ2)に切り替わるので、その結果、適応後の残留誤差が小さくなり、さらに適応フィルタ130の安定性が高くなる。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上説明したように、第1の実施形態のエコーキャンセラのエコーキャンセル方法によれば、適応の初期段階においてはステップサイズμが大きい値(μ1)になるので収束速度が速くなり、一方、収束状態に近づいた段階ではステップサイズμが大きい値(μ1)から小さい値(μ2)に切り替わるので残留誤差が小さくなり、さらに安定性が高くなるという効果が得られる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係るエコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法の第2の実施形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成
図3は、本発明の第2の実施形態に係るエコーキャンセラの機能構成を示すブロック図である。
図3に示すエコーキャンセラ200は、図1に示した第1の実施形態のエコーキャンセラの構成において、電力算出手段110及びステップサイズ算出手段120をそれぞれ第1の電力算出手段210及びステップサイズ算出手段220に変更し、第2の電力算出手段230を追加した構成になっている。図3において、図1に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
第1の電力算出手段210は、上述した電力算出手段110と同様に、加算器(エコー除去手段)12によって減算処理された結果(送信入力信号Sinから疑似エコー信号y(n)が減算された結果)としての残留誤差信号RESの電力[dBm]を算出し、この算出した残留誤差信号RESの電力値[dBm]をステップサイズ算出手段220に与える。
第2の電力算出手段230は、エコーキャンセラ200に入力された遠端側からの受信入力信号の電力[dBm]を算出し、この算出した受信入力信号の電力値[dBm]をステップサイズ算出手段220に与える。
ステップサイズ算出手段220は、第1の電力算出手段210によって算出された残留誤差信号RESの電力値及び第2の電力算出手段230によって算出された受信入力信号Rinの電力値に応じて、適応フィルタ130のフィルタ係数の更新に関わるステップサイズμの値を求め、この求めたステップサイズμの値を適応フィルタ130に与える。
図4は、ステップサイズ算出手段220の特性(あるいは機能)を説明する図を示している。
図4において、残留誤差信号RESの電力レベル[dBm]に関して、RES1>RES2>RES3の関係が成立し、受信入力信号Rinの電力レベル[dBm]に関して、Rin1<Rin12<Rin2<Rin23<Rin3の関係が成立している。
ステップサイズ算出手段220は、図4に示す特性情報を基に、ステップサイズμを求めるようになっており、残留誤差信号RESの電力値[dBm]が閾値th1(図4ではth1=−40[dBm])以下で、かつ、受信入力信号Rinの電力値[dBm]から当該残留誤差信号RESの電力値[dBm]を減算した結果としてのエコー減衰量[dB]が閾値th2(図4ではth2=20[dB])以上のときは、ステップサイズμの値を、残留誤差信号RESの電力値[dBm]が閾値th1を超えている場合に適用されるステップサイズμの値と比較して小さい値とするとともに、該求めたステップサイズμの値を適応フィルタ130に与える。
なお、図4においては、受信入力信号Rinの電力が、電力値Rin1から電力値Rin2未満までの電力レベル範囲R101内である場合、あるいは電力値Rin2以上で電力値Rin3までの電力レベル範囲R102内である場合のいずれにおいても、残留誤差信号RESの電力値が閾値th1以下で、かつ、受信入力信号Rinの電力値から当該残留誤差信号RESの電力値を減算した結果としてのエコー減衰量が閾値th2以上のときは、ステップサイズμは小さい値μ2となるようになっている。
ところで、ステップサイズ算出手段220が図4に示すような特性情報を基にステップサイズを求めるのは、次の理由からである。
すなわち、第1の実施形態においては、図2に示すような特性情報を基にステップサイズを求めるようにしているので、エコーキャンセラ100に入力された受信入力信号Rinの電力レベルが小さい場合には、適応の初期段階であったとしても、残留誤差信号RESの電力が小さくなるのでステップサイズが小さい値(μ2)となり、収束速度が遅くなってしまうことがある。
そこで、入力された受信入力信号Rinの電力レベルが小さい場合であっても、適応の初期段階において収束速度を速くし、収束状態に近づいた段階で適応フィルタ130の安定性を高くするのである。
これを実現するため、第2の実施形態では、上述したように、算出された残留誤差信号RESの電力値が閾値以下であることの条件(第1の実施形態の場合の条件)に加えて、受信入力信号Rinの電力から残留誤差信号RESの電力を差し引いたエコー減衰量が閾値th2以上となることを条件に、ステップサイズμを小さい値とするようにする。
上述したように第2の実施形態に係るエコーキャンセラ200は、上述した第1の実施形態に係るエコーキャンセラ100とは、ステップサイズμの求め方が相違している。他の機能については同様になっている。
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、エコーキャンセラ200の動作(第2の実施形態のエコーキャンセル方法)について説明する。
エコーキャンセラ200に遠端側からの受信入力信号Rinが入力されると、その受信入力信号Rinは、第2の電力算出手段230及び適応フィルタ130に入力されるとともに、エコーキャンセラ200の受信経路を経由してハイブリッド回路20に入力される。
エコーキャンセラ200から出力された受信出力信号Rout(=受信入力信号Rin)は、ハイブリッド回路20を経由して近端話者つまり電話機(図示せず)へ送出される。
このとき、上述した第1の実施形態の場合と同様に、ハイブリッド回路20においてエコー(回線エコー)が発生した場合は、そのエコー信号である送信入力信号Sinが、エコーキャンセラ200の加算器12に入力される。
一方、受信入力信号Rinつまり受信入力信号x(n)が入力された適応フィルタ130は、その受信入力信号x(n)とフィルタ係数とを基に疑似エコー信号y(n)を生成して、加算器12に向けて出力する。なお、疑似エコー信号y(n)は、上記数2の式に従って演算することで求められる。
加算器12は、送信入力信号(エコー信号)Sinから疑似エコー信号y(n)を減算し、この減算した結果(残留誤差)つまり残留誤差信号RESを出力する。このようにして加算器12から出力された残留誤差信号RESは、適応フィルタ130及び第1の電力算出手段210に入力される。
残留誤差信号RESが入力された第1の電力算出手段210は、その残留誤差信号RESの電力[dBm]を算出してステップサイズ算出手段220に与える。
また受信入力信号Rinが入力された第2の電力算出手段230は、その受信入力信号Rinの電力[dBm]を算出してステップサイズ算出手段220に与える。
ここで、受信入力信号Rinの電力[dBm]及び残留誤差信号RESの電力[dBm]が次の(1)〜(4)の3つのパターンである場合のステップサイズ算出手段220によるステップサイズの求め方について説明する。
(1)受信入力信号Rinの電力値がRin23であり、適応の初期段階において残留誤差信号RESの電力値がRES1(>閾値th1)である場合
ステップサイズ算出手段220は、残留誤差信号RESの電力値RES1と閾値th1とを比較し、残留誤差信号RESの電力値RES1が閾値th1を超えていると判断して、ステップサイズμを値μ1とする。
この場合、適応の初期段階においては、ステップサイズμが大きい値(μ1)になるので収束速度が速くなる。
(2)上記(1)の初期段階から収束状態に近づいた段階に移行して、受信入力信号Rinの電力値がRin23であり、収束状態に近づいた段階で残留誤差信号RESの電力値がRES2(<閾値th1)に達した(つまり電力値がRES1からRES2に変更になった)場合
ここで、受信入力信号Rinの電力値Rin23から残留誤差信号RESの電力値RES2を差し引いたエコー減衰量が閾値th2以上であるとする。
ステップサイズ算出手段220は、残留誤差信号RESの電力値RES2と閾値th1とを比較し、残留誤差信号RESの電力値RES2が閾値th1以下であると判断するとともに、受信入力信号Rinの電力値Rin23から残留誤差信号RESの電力値RES2を減算したエコー減衰量[dB]が閾値th2以上であると判断して、ステップサイズμを値μ2とする。つまり、ステップサイズμは、大きい値μ1から小さい値μ2に切り替えられることになる。
このように、適応が進むにつれて残留誤差が小さくなっていき、残留誤差信号RESの電力が閾値th1以下、かつ、エコー減衰量が閾値th2以上となると、ステップサイズμが大きい値(μ1)から小さい値(μ2)に切り替わる。換言すれば、収束状態に近づいた段階ではステップサイズμが大きい値(μ1)から小さい値(μ2)に切り替わるので残留誤差が小さくなり、さらに適応フィルタの安定性が高くなる。
(3)受信入力信号Rinの電力値がRin12であり、適応の初期段階において残留誤差信号RESの電力値がRES2(<閾値th1)である場合
ここで、受信入力信号Rinの電力値Rin12から残留誤差信号RESの電力値RES2を差し引いたエコー減衰量[dB]が閾値th2未満であるとする。
ステップサイズ算出手段220は、残留誤差信号RESの電力値RES2と閾値th1とを比較し、残留誤差信号RESの電力値RES2が閾値th1以下であると判断するとともに、受信入力信号Rinの電力値Rin12から残留誤差信号RESの電力値RES2を減算したエコー減衰量が閾値th2未満であると判断して、ステップサイズμを値μ1とする。
この場合、受信入力信号Rinの電力レベルが小さい場合であっても、適応の初期段階においては、エコー減衰量が閾値th2以上とならないので、ステップサイズμが値μ1の如く大きい値となり、収束速度が速くなる。
ちなみに、上述した第1の実施形態に係るステップサイズ算出手段120が上記(3)の前提条件の下においてステップサイズμを求めた場合には、残留誤差信号RESの電力値RES2は閾値th1以下であると判断され、ステップサイズμは値μ2となる。
そのため、第1の実施形態の場合では、受信入力信号Rinの電力が電力値Rin12如く小さい場合には、適応の初期段階であったとしても、残留誤差信号RESの電力が小さくなるのでステップサイズμが小さい値となり、収束速度が遅くなってしまうことになる。
(4)上記(3)の初期段階から収束状態に近づいた段階に移行して、受信入力信号Rinの電力値がRin12であり、収束状態に近づいた段階で残留誤差信号RESの電力値がRES3(<閾値th1)に達した(つまり電力値がRES2からRES3に変更になった)場合
ここで、受信入力信号Rinの電力値Rin12から残留誤差信号RESの電力値RES3を差し引いたエコー減衰量が閾値th2以上であるとする。
ステップサイズ算出手段220は、残留誤差信号RESの電力値RES3と閾値th1とを比較し、残留誤差信号RESの電力値RES3が閾値th1以下であると判断するとともに、受信入力信号Rinの電力値Rin12から残留誤差信号RESの電力値RES3を減算したエコー減衰量が閾値th2以上であると判断して、ステップサイズμを値μ2とする。つまり、ステップサイズμは、大きい値μ1から小さい値μ2に切り替えられることになる。
このように、適応が進むにつれて残留誤差は小さくなっていき、残留誤差信号RESの電力が閾値th1以下、かつ、エコー減衰量が閾値th2以上となると、ステップサイズμが大きい値(μ1)から小さい値(μ2)に切り替わる。換言すれば、収束状態に近づいた段階ではステップサイズμが大きい値(μ1)から小さい値(μ2)に切り替わるので残留誤差が小さくなり、さらに適応フィルタの安定性が高くなる。
ところで、上述したようにしてステップサイズμの値を求めたステップサイズ算出手段220は、そのステップサイズμの値を適応フィルタ130に与える。これ以降の動作は上述した第1の実施形態の場合と同様なので、ここでは説明を省略する。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上説明したように、第2の実施形態のエコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法によれば、ステップサイズμを小さい値とする条件として、残留誤差信号RESの電力が閾値th1以下であることという条件(第1の実施形態の場合の条件)に加えて、受信入力信号Rinの電力から残留誤差信号RESの電力を差し引いたエコー減衰量が閾値th2以上となることという条件を追加したので、第1の実施形態の場合と比較して、受信入力信号Rinの電力レベルが小さくても収束速度が速くなるという効果が得られる。
(C)第3の実施形態
次に、本発明に係るエコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法の第3の実施形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。
(C−1)第3の実施形態の構成
第3の実施形態に係るエコーキャンセラは、基本的には上述した第2の実施形態に係るエコーキャンセラ200の構成(図3参照)及び機能と同様になっている。
但し、ステップサイズ算出手段220によるステップサイズμの求め方が第2の実施形態とは相違している。そこで、ここではその相違する点について説明する。
図5は、ステップサイズ算出手段220の特性(あるいは機能)を説明する図を示している。
図5において、残留誤差信号RESの電力レベル[dBm]に関して、RES1>RES2>RES3>RES4の関係が成立し、受信入力信号Rinの電力レベル[dBm]に関して、Rin1<Rin14<Rin4<Rin2<Rin3の関係が成立している。
第3の実施形態に係るステップサイズ算出手段220は、図5に示す特性情報を基に、ステップサイズμを求めるようになっており、残留誤差信号RESの電力値が第1の閾値th1以下で、かつ、受信入力信号Rinの電力値から当該残留誤差信号RESの電力値を減算した結果としてのエコー減衰量が閾値th2以上の場合、あるいは残留誤差信号RESの電力値が第1の閾値th1よりも小さい第2の閾値th1′以下の場合は、ステップサイズの値を、残留誤差信号RESの電力値が第1の閾値th1を超えている場合に適用されるステップサイズの値と比較して小さい値とするとともに、該求めたステップサイズの値を適応フィルタ130に与える。
なお、図5においては、次の(1)あるいは(2)の前提条件が満たされたときに、ステップサイズμが、小さい値μ2となるようになっている。
(1)受信入力信号Rinの電力が、電力値Rin4以上で電力値Rin2未満の電力レベル範囲R202内である場合、あるいは電力値Rin2以上で電力値Rin3までの電力レベル範囲R203内である場合のいずれにおいても、残留誤差信号RESの電力値が第1の閾値th1以下で、かつ、受信入力信号Rinの電力値から当該残留誤差信号RESの電力値を減算した結果としてのエコー減衰量[dB]が閾値th2以上の場合。
(2)受信入力信号Rinの電力が電力値Rin1から電力値Rin4未満までの電力レベル範囲R201内である場合において、残留誤差信号RESの電力値[dBm]が第2の閾値th1′以下の場合。
ところで、ステップサイズ算出手段220が図5に示すような特性情報を基にステップサイズを求めるのは、次の理由からである。
すなわち、第2の実施形態では、図4に示すような特性情報を基にステップサイズを求めるようにしているので、エコーキャンセラ200に入力された受信入力信号Rinの電力レベルが小さい場合に、近端話者側より入力される背景雑音の影響により、受信入力信号Rinの電力から残留誤差信号RESの電力を差し引いたエコー減衰量が閾値th2以上とならず、適応後もステップサイズが大きいままとなってしまうことがある。
そのため、受信入力信号Rinの電力レベルが小さい場合に背景雑音の影響により残留誤差が大きくなり、また適応フィルタの安定性が低下することがある。
そこで、受信入力信号Rinの電力レベルが小さいときに、背景雑音の影響により残留誤差が大きくなっている場合であっても、適応後のステップサイズμを小さくして、適応フィルタの安定性を高くするためである。
これを実現するため、第3の実施形態では、第2の実施形態の場合の条件に加えて、残留誤差信号RESの電力が第2の閾値th1′以下となったことを条件に、ステップサイズμを小さい値とするようにする。
(C−2)第3の実施形態の動作
次に、エコーキャンセラ200の動作(第3の実施形態のエコーキャンセル方法)について説明するが、ここではステップサイズ算出手段220の動作について説明する。
受信入力信号Rinの電力が電力レベル範囲R202内である場合あるいは電力レベル範囲R203内である場合は、上述した第2の実施形態の場合と同様にして、ステップサイズμの値を求めることができる。なお、この場合、閾値th1を第1の閾値th1に置き換えて、ステップサイズμを求めることになる。
次に、受信入力信号Rinの電力が電力レベル範囲R201内の例えば電力値Rin14であり、残留誤差信号RESの電力値がRES4(<第2の閾値th1′)である場合のステップサイズ算出手段220によるステップサイズの求め方について説明する。
第1の電力算出手段210は残留誤差信号RESの電力を算出した結果つまり電力値RES4をステップサイズ算出手段220に与えるとともに、第2の電力算出手段230は受信入力信号Rinの電力を算出した結果つまり電力値Rin14をステップサイズ算出手段220に与える。
ステップサイズ算出手段220は、与えられた残留誤差信号RESの電力値RES4と第2の閾値th1′とを比較し、残留誤差信号RESの電力値RES4が第2の閾値th1′以下であると判断して、ステップサイズμを値μ2とする。つまりステップサイズμは値μ1(大きい値)から値μ2(小さい値)に切り替えられたことになる。
これにより、受信入力信号Rinの電力レベルが小さい場合であっても、残留誤差を低減し、適応フィルタの安定性を向上させることが可能となる。
ちなみに、第2の実施形態に係るステップサイズ算出手段220が上記前提条件の下においてステップサイズμを求めた場合には、受信入力信号Rinの電力値Rin14から残留誤差信号RESの電力値RES4を差し引いたエコー減衰量が閾値th2以上とならず、適応後もステップサイズμは値μ1の如く大きいままとなる。
(C−3)第3の実施形態の効果
以上説明したように、第3の実施形態のエコーキャンセラ及びエコーキャンセル方法によれば、第2の実施形態の場合の条件に加えて、残留誤差信号RESの電力が第2の閾値th1′以下の場合にも、ステップサイズμを小さい値とするようにしたので、受信入力信号Rinの電力レベルが小さい場合であっても、収束速度が速く、残留誤差が小さく、安定性が高くなるという効果が得られる。
(D)他の実施形態
本発明は、電話回線において2線4線変換機能をもつハイブリッド回路で生じる回線エコーを除去するエコーキャンセラのほか、スピーカからマイクロホンに回り込んだエコー(音響エコー)を除去するエコーキャンセラにも適用することができる。
また、上記各実施形態の説明では、エコーキャンセラがハードウェア的に構成されているイメージで説明したが、ソフトウェア的にエコーキャンセラを構成しても良く、また、エコーキャンセラを1チップ又は1チップの部分として構成するようにしても良い。
第1の実施形態に係るエコーキャンセラの機能構成を示す機能ブロック図である。 第1の実施形態に係るステップサイズ算出手段の特性(あるいは機能)を説明する図である。 第2及び第3の実施形態に係るエコーキャンセラの機能構成を示す機能ブロック図である。 第2の実施形態に係るステップサイズ算出手段の特性(あるいは機能)を説明する図である。 第3の実施形態に係るステップサイズ算出手段の特性(あるいは機能)を説明する図である。 従来のエコーキャンセラの構成を示す構成図である。
符号の説明
12…加算器、13…ダブルトーク検出器、20…ハイブリッド回路、100、200…エコーキャンセラ、110…電力算出手段、120、220…ステップサイズ算出手段、130…適応フィルタ、210…第1の電力手算出段、230…第2の電力手算出段、RES、e(n)…残留誤差信号、Rin、x(n)…受信入力信号、Sin…送信入力信号、y(n)…疑似エコー信号。

Claims (6)

  1. フィルタ係数と受信入力信号とを基に疑似エコー信号を生成する適応フィルタと、送信入力信号から上記疑似エコー信号を減算し、エコー信号を除去するエコー除去手段とを備えるエコーキャンセラであって、
    上記エコー除去手段によって減算処理された結果としての残留誤差信号の電力を算出する電力算出手段と、
    上記電力算出手段によって算出された残留誤差信号の電力値に応じて、上記フィルタ係数の更新に関わるステップサイズの値を求めるステップサイズ算出手段とを有し、
    上記ステップサイズ算出手段は、上記残留誤差信号の電力値が電力値用閾値以下のときは、上記ステップサイズの値を、上記残留誤差信号の電力値が当該電力値用閾値を超えている場合に適用されるステップサイズの値と比較して小さい値とすると共に、求めたステップサイズの値を上記適応フィルタに与える
    ことを特徴とするエコーキャンセラ。
  2. フィルタ係数と受信入力信号とを基に疑似エコー信号を生成する適応フィルタと、送信入力信号から上記疑似エコー信号を減算しエコー信号を除去するエコー除去手段とを備えるエコーキャンセラであって、
    上記エコー除去手段によって減算処理された結果としての残留誤差信号の電力を算出する第1の電力算出手段と、
    上記受信入力信号の電力を算出する第2の電力算出手段と、
    上記第1の電力算出手段によって算出された残留誤差信号の電力値及び上記第2の電力算出手段によって算出された受信入力信号の電力値に応じて、上記フィルタ係数の更新に関わるステップサイズの値を求めるステップサイズ算出手段とを有し、
    上記ステップサイズ算出手段は、上記残留誤差信号の電力値が電力値用閾値以下で、かつ、上記受信入力信号の電力値から当該残留誤差信号の電力値を減算した結果としてのエコー減衰量が減衰量用閾値以上のときは、上記ステップサイズの値を、上記残留誤差信号の電力値が上記電力値用閾値を超えている場合に適用されるステップサイズの値と比較して小さい値とすると共に、求めたステップサイズの値を上記適応フィルタに与える
    ことを特徴とするエコーキャンセラ。
  3. 上記ステップサイズ算出手段は、上記残留誤差信号の電力値が第1の電力値用閾値以下で、かつ、上記受信入力信号の電力値から当該残留誤差信号の電力値を減算した結果としてのエコー減衰量が減衰量用閾値以上の場合、あるいは上記残留誤差信号の電力値が上記第1の電力値用閾値よりも小さい第2の電力値用閾値以下の場合は、上記ステップサイズの値を、上記残留誤差信号の電力値が上記第1の電力値用閾値を超えている場合に適用されるステップサイズの値と比較して小さい値とすると共に、該求めたステップサイズの値を上記適応フィルタに与えることを特徴とする請求項2に記載のエコーキャンセラ。
  4. 適応フィルタフィルタ係数と受信入力信号とを基に疑似エコー信号を生成し、エコー除去手段が送信入力信号から上記疑似エコー信号を減算し、エコー信号を除去するエコーキャンセル方法であって、
    電力算出手段及びステップサイズ算出手段を有し、
    上記電力算出手段が、上記エコー除去手段によって減算処理された結果としての残留誤差信号の電力を算出し、
    上記ステップサイズ算出手段は、上記残留誤差信号の電力値が電力値用閾値以下のときは、上記フィルタ係数の更新に関わるステップサイズの値を、上記残留誤差信号の電力値が上記電力値用閾値を超えている場合に適用されるステップサイズの値と比較して小さい値とすると共に、求めたステップサイズの値を上記適応フィルタに与える
    ことを特徴とするエコーキャンセル方法。
  5. 適応フィルタフィルタ係数と受信入力信号とを基に疑似エコー信号を生成し、エコー除去手段が送信入力信号から上記疑似エコー信号を減算し、エコー信号を除去するエコーキャンセル方法であって、
    第1の電力算出手段、第2の電力算出手段及びステップサイズ算出手段を有し、
    上記第1の電力算出手段は、上記エコー除去手段によって減算処理された結果としての残留誤差信号の電力を算出し、
    上記第2の電力算出手段は、上記受信入力信号の電力を算出し、
    上記ステップサイズ算出手段は、上記残留誤差信号の電力値が電力値用閾値以下で、かつ、上記受信入力信号の電力値から当該残留誤差信号の電力値を減算した結果としてのエコー減衰量が減衰量用閾値以上のときは、上記フィルタ係数の更新に関わるステップサイズの値を、上記残留誤差信号の電力値が上記電力値用閾値を超えている場合に適用されるステップサイズの値と比較して小さい値とすると共に、求めたステップサイズの値を上記適応フィルタに与える
    ことを特徴とするエコーキャンセル方法。
  6. 上記ステップサイズ算出手段は、上記残留誤差信号の電力値が第1の電力値用閾値以下で、かつ、上記受信入力信号の電力値から当該残留誤差信号の電力値を減算した結果としてのエコー減衰量が減衰量用閾値以上の場合、あるいは上記残留誤差信号の電力値が上記第1の電力値用閾値よりも小さい第2の電力値用閾値以下の場合は、上記ステップサイズの値を、上記残留誤差信号の電力値が上記第1の電力値用閾値を超えている場合に適用されるステップサイズの値と比較して小さい値とすると共に、該求めたステップサイズの値を上記適応フィルタに与えることを特徴とする請求項5に記載のエコーキャンセル方法。
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