JP2010016478A - 音声通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピーカから高音質の遠端音声を出力するとともに、当該出力された遠端音声によって生じるエコーを正確且つ高精度に除去処理することができる音声通信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】電話ユニットから供給されるアナログ遠端音声信号をスピーカから直接出力し、マイクロホンによって検出される遠端音声及び近端音声のデジタル検出音信号を所定の時間遅延させて演算部に供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エコーキャンセラ機能を有する音声通信装置に関するものである。
従来から電話回線などの音声通信において、通話相手に供給した信号が回路の特性などによって通話相手から供給される信号に回りこんでしまう、すなわちエコーが発生する問題点がある。エコーの具体例としては、電話機の受話器のスピーカから出力される音声を受話器のマイクロホンが検出し、通話相手に向けた自分の音声が再び自分に戻ってくることがある。このようなエコーの発生によって、通話相手が自分に向けて発する音声に雑音である当該エコーが混ざり、通話相手の音声が正確に聞き取ることが困難になることが知れている。
上述した問題を解決する方法として、当該エコーをキャンセルするためのエコーキャンセラを音声通信装置に設ける方法がある。エコーキャンセラは、上述するようなエコーを予測し、エコーに対応した遅延のある疑似的なエコーを生成する。そして、エコーキャンセラが受信した信号から当該疑似的なエコーを減算することにより、不用な音声であるエコーを除去処理することができる。
特許文献1には、上述したエコーの除去処理として、ハンズフリーシステムを利用したものが開示されている。特許文献1に記載のハンズフリーシステムにおいては、電話機能を備えた電話ユニットが切替スイッチを介してデジタルフィルタを用いてエコーの除去処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)に接続されている。また、当該DSPには、上記切替スイッチとは異なる切替スイッチを介してマイクロホン及びスピーカが接続されている。更に、当該ハンズフリーシステムにおいては、エコーを除去処理しない場合には、当該電話ユニットと当該マイクロホン及びスピーカとが、DSPを介することなく、上述した複数の切替スイッチを介して直接的に接続可能となっている。
特開2003−338874
しかしながら、特許文献1記載の音声通信装置においてエコーを除去処理する場合には、擬似エコー信号を生成するために通話相手の音声信号(すなわち、アナログ遠端音声信号)が必ずDSPに供給される。このため、アナログ遠端音声信号は、DSP内においてアナログ−デジタル(A/D)変換によりデジタル遠端音声信号に変換される。更に、当該デジタル遠端音声信号は、スピーカに供給される前にデジタル−アナログ(D/A)変換により再びアナログ遠端音声信号に変換される。かかるA/D変換及びD/A変換により、スピーカに供給されるアナログ遠端音声信号は、DSPに供給されるアナログ遠端音声信号よりも音質が劣化してしまう。
本発明は、以上の如き事情に鑑みてなされたものであり、スピーカから高音質の遠端音声を出力することができるとともに、当該出力された遠端音声によって生じるエコーを正確且つ高精度に除去処理することができる音声通信装置を提供する。
上述した課題を解決するために、本発明の音声通信装置は、電話ユニットから供給されるアナログ遠端音声信号を受信してデジタル遠端音声信号に変換する第1アナログ−デジタル(A/D)変換部と、デジタル遠端音声信号に基づいて擬似エコー信号を生成する擬似エコー信号生成部と、電話ユニットから供給されるアナログ遠端音声信号を遠端音声に変換して出力するスピーカと、遠端音声及び近端音声を検出してアナログ検出音声信号を生成するマイクロホンと、アナログ検出音声信号をデジタル検出音信号に変換する第2A/D変換部と、デジタル検出音信号を遅延させる遅延部と、遅延されたデジタル検出音信号から擬似エコー信号を減算してデジタル差分信号を生成する演算部と、を有することを特徴とする。
また、デジタル検出音信号の遅延量は、擬似エコー信号生成部における擬似エコー信号生成時間に基づいて定められても良い。
また、デジタル遠端音声の擬似エコー信号生成部への供給タイミングと、デジタル検出音信号の演算部への供給タイミングとの時間差に基づいて、遅延部の遅延量を調整する遅延制御部を更に有しても良い。
また、擬似エコー信号生成部が適応フィルタであって、遅延制御部は適応フィルタのタップ係数に基づいて遅延量を調整しても良い。
また、遅延制御部は、デジタル遠端音声信号が適応フィルタに供給された時点から、遠端音声によって生じるエコーのインパルス応答におけるタップ係数の絶対値が所定の閾値を超える時点までの期間だけ遅延量を短縮しても良い。
遅延制御部は、デジタル遠端音声信号が適応フィルタに供給された時点から、遠端音声によって生じるエコーのインパルス応答における最大振幅直前においてタップ係数がゼロである時点までの期間だけ遅延量を短縮しても良い。
本発明の音声通信装置によれば、電話ユニットからアナログ遠端音声信号をスピーカに直接供給するとともに、遅延部を第2A/D変換と演算部との間に設けて検出音信号に遅延を生じさせることによって、スピーカから高音質の遠端音声を出力することができるとともに、当該出力された遠端音声によって生じるエコーを正確に除去処理することができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施例について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1を参照しつつ、本発明の実施例における音声通信装置の構成について詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施例としての音声通信装置10の構成図である。
図1に示されているように、音声通信装置10は電話ユニット11、DSP(Digital Signal Processor)12、スピーカ13及びマイクロホン14から構成されている。また、DSP12は、エコーキャンセラ15、デジタル−アナログ(D/A)変換部16、遅延部17、第1アナログ−デジタル(A/D)変換部18及び第2アナログ−デジタル(A/D)変換部19から構成されている。更に、エコーキャンセラ15は擬似エコー信号生成部15a(以下、単に擬似エコー生成部と称する)及び演算部15bから構成されている。
電話ユニット11は、通話相手との通話を行うための電話機能を備えている。電話ユニット11は、電話回線(図示せず)を介して通話相手の電話ユニット(図示せず)と通信可能である。電話ユニット11には、第1A/D変換部18及びスピーカ13が接続されている。電話ユニット11から供給されるアナログ遠端音声信号は、直接(すなわち、DSP12をバイパスして)、スピーカ13に供給される。アナログ遠端音声信号は、スピーカ13によって遠端音声に変換され、外部に出力される。すなわち、スピーカ13から出力される遠端音声はA/D変換及びD/A変換を経ることがないため、高音質である。また、第1A/D変換部18は、電話ユニット11から出力されたアナログ遠端音声信号をデジタル遠端音声信号(以下、単に遠端音声信号とも称する)に変換する。更に、第1A/D変換部18は、エコーキャンセラ15に設けられた擬似エコー生成部15aに接続されている。第1A/D変換部18は、遠端音声信号を擬似エコー生成部15aに供給する。擬似エコー生成部15aは、遠端音声信号からエコーの除去処理のための擬似エコー信号を生成する。以下においては、擬似エコー生成部が適応デジタルフィルタ(ADF:Adaptive Digital Filter)で構成されている場合を例に説明する。なお、以下において、適応デジタルフィルタは単に適応フィルタを称する。
マイクロホン14は、第2A/D変換部19に接続されている。マイクロホン14は、検出する全ての音をアナログ信号に変換して第2A/D変換部19に供給する。すなわち、マイクロホン14は、通話者の発する近端音声以外にもスピーカ13から出力される遠端音声を検出する。従って、マイクロホン14は、近端音声及び遠端音声を検出し、アナログ検出音信号に変換する。ここで、アナログ検出音信号の遠端音声に係わる部分をアナログエコー信号と称する。更に、アナログ検出音信号を第2A/D変換部19に供給する。また、第2A/D変換部19は、遅延部17に接続されている。第2A/D変換部19は、マイクロホン14から入力されるアナログ検出音信号をデジタル検出音信号(以下、単に検出音信号とも称する)に変換する。ここで、デジタル検出音信号の遠端音声に係わる部分をデジタルエコー信号又は単にエコー信号と称する。更に、第2A/D変換部19は、検出音信号を遅延部17に供給する。
遅延部17は、エコーキャンセラ15の演算部15bに接続されている。遅延部17は、受信した検出音信号を所定時間遅延させた後、演算部15bに供給する。遅延部での遅延時間(以下、遅延量とも称する)は、音声通信装置10の使用環境などに基づいて適切な値が予め設定される。すなわち、遅延量は適宜変更可能な値である。例えば、遅延量は、スピーカ13から出力された遠端音声がマイクロホン14によって検出されるまでの時間によって設定されても良い。ここで、遠端音声のスピーカ13からマイクロホン14までの経路は、直接的な経路又は音声通信装置10が設置されている周囲の壁等による反射を伴う経路であっても良い。また、遅延量は、適応フィルタ15aにおける擬似エコー信号が生成される前に、検出音信号が演算部15bに供給されることが無いように定められる。すなわち、遅延量は適応フィルタ15aにおける擬似エコー信号の生成時間に基づいて設定される。
上述したように、エコーキャンセラ15は適応フィルタ15a及び演算部15bから構成され、所定のデータの送受信が行われている。エコーキャンセラ15の内部処理について以下に説明する。
適応フィルタ15aは遠端音声信号を自身のタップ係数で演算して擬似エコー信号を生成する。ここで、離散時刻tにおける受信信号をX=X(t)とし、タップ係数をH=H(t)とすると、遠端音声信号及びタップ係数は次式によって表わされる。
Figure 2010016478
Figure 2010016478
ここで、上付き添え字Tはベクトルの転置を表わす。
適応フィルタ15aは、演算により生成した擬似エコー信号を演算部15bに供給する。演算部15bは、検出音信号から当該擬似エコー信号を減算し、デジタル差分信号(以下、単に差分信号とも称する)を生成する。また、演算部15bはD/A変換部16にも接続されており、差分信号をD/A変換部16に供給する。ここで、擬似エコー信号をr=r(t)とし、検出音信号をy=y(t)とし、差分信号をe=e(t)とすると、擬似エコー信号及び差分信号は次式によって表わされる。
Figure 2010016478
Figure 2010016478
また、D/A変換部16は、電話ユニット11に接続されている。D/A変換部16は、演算部15bから供給された差分信号をアナログ差分信号に変換する。更に、D/A変換部16は、アナログ差分信号を電話ユニット11に供給する。アナログ差分信号は、電話ユニット11によって所定の音声信号に変換され、電話回線を介して遠端通話者である通話相手に供給される。
電話ユニット11からのアナログ遠端音声信号を遠端音声信号としてスピーカ13から出力する場合には、従来のように電話ユニット11からのアナログ遠端音声信号をA/D変換し、更にD/A変換によってアナログ遠端音声信号に戻す場合に比べて、音質向上を図ることができる。一方で、擬似エコー信号の生成に時間がかかるため、演算部によって検出音信号から擬似エコー信号を減算する場合に、減算のタイミングのずれが生じるため正確なエコーの除去処理ができない。
その点、本実施例における音声通信装置10においては、遅延部17を第2A/D変換部19と演算部15bとの間に設けて検出音信号に遅延を生じさせることにより、演算部15bにおける減算のタイミングを合わせることができる。従って、本実施例における音声通信装置10においては、高音質な遠端音声を得ることができるともに、正確且つ高性能なエコーの除去処理を実現できる。
次に、図2のフローチャートを参照しつつ、本発明の実施例における音声通信装置を用いた信号の流れを詳細に説明する。
先ず、図1に示されているように所定の電話回線を介して遠端通話者からの音声信号が電話ユニット11に供給される。当該遠端通話者からの音声信号は、アナログ遠端音声信号に変換されて、電話ユニット11から第1A/D変換部18及びスピーカ13に供給される(ステップS1)。
次に、第1A/D変換部18は、受信したアナログ遠端音声信号をデジタル遠端音声信号(単に、遠端音声信号とも称する)に変換する。第1A/D変換部18は、遠端音声信号を適応フィルタ15aに供給する(ステップS2)。適応フィルタ15aは、受信した遠端音声信号に基づいて擬似エコー信号を生成する(ステップS3)。具体的には、適応フィルタ15aは、遠端音声信号をタップ係数で演算して擬似エコー信号を生成する。更に、適応フィルタ15aは、生成した擬似エコー信号を演算部15bに供給する(ステップS4)。
一方、電話ユニット11からスピーカ13に供給されたアナログ遠端音声信号は、スピーカ13によって遠端音声に変換されて外部に出力される。スピーカ13から出力された遠端音声に応じて、近端音声(すなわち、通話の応答など)が通話者によってマイクロホン14に向けて発せられる。マイクロホン14は、遠端音声及び近端音声を検出し、当該検出した音声をアナログ検出音信号に変換して第2A/D変換部19に供給する(ステップS5)。
次に、第2A/D変換部19は、マイクロホン14から供給されるアナログ検出音信号をデジタル検出音信号(単に、検出音信号とも称する)に変換する。更に、第2A/D変換部19は、検出音信号を遅延部17に供給する(ステップS6)。遅延部17は、供給された検出音信号を所定期間遅延させた後に、演算部15bに供給する(ステップS7)。
次に、演算部15bは、入力された検出音信号からステップS3で生成された擬似エコー信号を減算してデジタル差分信号(単に、差分信号とも称する)を生成する(ステップS8)。擬似エコー信号は遠端音声信号に基づいて生成されているため、検出音信号から擬似エコー信号を減算することによって、スピーカ13から出力された遠端音声によって生じたエコーが効率よく除去される。
次に、演算部15bは、差分信号をD/A変換部16に供給する。D/A変換部16は、差分信号をアナログ差分信号に変換する(ステップS9)。D/A変換部16は、アナログ差分信号を電話ユニット11に供給する。更に、電話ユニット11から電話回線を介して通話相手の電話ユニットにアナログ差分信号が供給される(ステップS10)。
以上のように、本発明の音声通信装置10においては、電話ユニット11からアナログ遠端音声信号をスピーカ13に直接供給することによって、高音質の遠端音声をスピーカ13から出力することができる。また、本発明の音声通信装置10においては、遅延部17を第2A/D変換部19と演算部15bとの間に設けて検出音信号に遅延を生じさせることによって、演算部15bにおけるエコーの除去処理のための減算のタイミングを合わせることができる。従って、本発明の音声通信装置10は、スピーカ13から高音質の遠端音声を出力することができるとともに、当該出力された遠端音声によって生じるエコーを正確に除去処理することができる。
第1の実施例においては遅延部における検出音信号の遅延量が予め設定されていたが、スピーカから出力される遠端音声によって生じるエコーのインパルス応答に基づいて遅延量を制御する遅延制御部を更に設けても良い。このような遅延制御部を有する音声通信装置においては、スピーカ13から出力された遠端音声がマイクロホン14によって検出されるまでの時間が予め明確でない場合においても、演算部における検出音信号と擬似エコー信号との減算のタイミングを正確に合わせることができ、より正確且つ高性能なエコーの除去処理を実現できる。このような遅延部17における遅延量を制御する遅延制御部を備えた音声通信装置について図3及び図4を参照しつつ詳細に説明する。なお、第1の実施例と同様の構成についてはその説明を省略する。また、第1の実施例と同様の構成部分には同一符号を付する。
図3に示されているように、音声通信装置30はエコーキャンセラ15の適応フィルタ15a及び遅延部17に接続された遅延制御部31を更に有している。遅延制御部31は、適応フィルタ15aから供給される情報データに基づいて、遅延部17における検出音信号の遅延量を制御する。具体的には遅延制御部31は、適応フィルタ15aのタップ係数に基づいて遅延部17における遅延量を制御する。すなわち、遅延制御部31は、適応フィルタ15aへの遠端音声信号の供給タイミングと、演算部15bへの検出音信号の供給タイミングとの時間差に基づいて、遅延部17における遅延量を新たに決定する。かかる遅延量の制御に係わる信号の流れを破線矢印で示す。
遅延制御部31における遅延量の具体的な決定例を図4を参照しつつ詳細に説明する。図4は、あらかじめ設定された遅延量におけるエコーのインパルス応答を示す。横軸は時間であり、縦軸は適応フィルタ15aのタップ係数である。横軸の時刻ゼロ(T=0)は、遠端音声信号が適応フィルタ15aに供給された時間である。時刻A(横軸と破線Aが交わる位置)は、エコー信号が演算部15bに供給された時間である。すなわち、エコーの遅延時間は、期間α(両方向の矢印αで示す)によって示される。この期間αは、スピーカ13から出力された遠端音声がエコーとして戻ってくるまでの遅延時間を示しており、擬似エコー信号生成に不要な係数となる。すなわち、図4に示されたエコーのインパルス応答においては、遅延部17のあらかじめ設定された遅延量を短くし、エコーの遅延時間を短縮することができる。
短縮可能な遅延時間の決定方法は、図4における振幅の絶対値(すなわち、タップ係数の絶対値)とあらかじめ設定された閾値とを比較し、時刻ゼロ(T=0)の時点から振幅が最初に閾値を超える時点までの期間を算出する。図4に示されているように、閾値をTHとすると、振幅が最初に閾値THを超えるのが時刻B(横軸と破線Bが交わる位置)となる。すなわち、時刻ゼロ(T=0)から時刻Bまでの時間である期間β(両方向の矢印βで示す)だけ遅延時間を短縮することができる。遅延制御部31は、あらかじめ設定された遅延量から期間βだけ短縮した時間を遅延量となるように調整する。
上述したような期間βだけ短縮した時間を遅延量として再設定することにより、有効な適応フィルタ15aのタップ係数を増加(すなわち、エコー信号と擬似エコー信号の重なる部分が増加)し、エコーの除去処理を正確且つ高性能に実現できる。なお、上述したような遅延量の制御は、長いエコー信号を取り除く場合において特に有効となる。
なお、閾値はエコーキャンセラ15への影響がない時間を検出できれば所定の一定値でも良い。また、閾値は次式によって算出しても良い。
Figure 2010016478
ここで、最大振幅は図4の時刻C(横軸と破線Cが交わる位置)における振幅である。
また、短縮可能な遅延時間の決定方法は、上述した閾値を使用する方法に限られることはなく、以下の方法でも良い。
図4における最大振幅である時刻Cから時刻ゼロ(T=0)に向かうときに、エコーのインパルス応答のグラフが最初(すなわち、最大振幅の直前)に振幅ゼロ(0)の地点を通過する時刻(以下、ゼロクロス位置と称する)を算出する。図4においては、時刻D(横軸と破線Dが交わる位置)がゼロクロス位置となる。遅延制御部31は、時刻ゼロ(T=0)からゼロクロス位置までの経過時間である期間γ(両方向の矢印γで示す)を短縮することが可能であり、あらかじめ設定された遅延量から期間γを減算した遅延量を新たな遅延量として設定する。
以上のように、第2の実施例においては、遅延制御部31を設けることによって、更に遅延量を最適に調整することができる。例えば、スピーカ13からマイクロホン14までの距離又は音声通信装置30が設置させる部屋の広さ等が予め決まらない場合には、遠端音声のスピーカ13からマイクロホン14までの直接的な経路又は音声通信装置30が設置されている周囲の壁等による反射を伴う経路に影響するエコーの遅延量を予め正確に定めることが困難になることもある。第2の実施例においては、遅延制御部31によって当該エコーの遅延量を予め正確に定めることが困難な状況においても遅延部17における遅延量を最適な値に設定することができる。これにより、エコーキャンセラ15はすべてのタップ係数を有効に使用することができ、有効なタップ係数を増加することなく長いエコーの消去も可能となる。また、長いエコーが発生しない状況下においては、有効なタップ係数を少なくし、エコーキャンセラ15の処理量を軽減することができる。
本発明の第1の実施例としての音声通信装置の構成図である。 本発明の第1の実施例としての音声通信装置における音声の送受信を示すフローである。 本発明の第2の実施例としての音声通信装置の構成図である。 本発明の第2の実施例としての音声通信装置におけるエコーのインパル応答を示したグラフである。
符号の説明
10、30 音声通信装置
11 電話ユニット
12 DSP
13 スピーカ
14 マイクロホン
15 エコーキャンセラ
16 D/A変換部
17 遅延部
18、19 A/D変換部
31 遅延制御部

Claims (6)

  1. 電話ユニットから供給されるアナログ遠端音声信号を受信してデジタル遠端音声信号に変換する第1アナログ−デジタル(A/D)変換部と、
    前記デジタル遠端音声信号に基づいて擬似エコー信号を生成する擬似エコー信号生成部と、
    前記電話ユニットから供給される前記アナログ遠端音声信号を遠端音声に変換して出力するスピーカと、
    前記遠端音声及び近端音声を検出してアナログ検出音声信号を生成するマイクロホンと、
    前記アナログ検出音声信号をデジタル検出音信号に変換する第2A/D変換部と、
    前記デジタル検出音信号を遅延させる遅延部と、
    当該遅延されたデジタル検出音信号から前記擬似エコー信号を減算してデジタル差分信号を生成する演算部と、
    前記デジタル差分信号をアナログ差分信号に変換するデジタル−アナログ(D/A)変換部と、を有することを特徴とする音声通信装置。
  2. 前記デジタル検出音信号の遅延量は、前記擬似エコー信号生成部における擬似エコー信号生成時間に基づいて定められることを特徴とする請求項1記載の音声通信装置。
  3. 前記デジタル遠端音声の前記擬似エコー信号生成部への供給タイミングと、前記デジタル検出音信号の前記演算部への供給タイミングとの時間差に基づいて、前記遅延部の前記遅延量を調整する遅延制御部を更に有することを特徴とする請求項1又は2記載の音声通信装置。
  4. 前記擬似エコー信号生成部が適応フィルタであって、前記遅延制御部は前記適応フィルタのタップ係数に基づいて前記遅延量を調整することを特徴とする請求項3記載の音声通信装置。
  5. 前記遅延制御部は、前記デジタル遠端音声信号が前記適応フィルタに供給された時点から、前記遠端音声によって生じるエコーのインパルス応答におけるタップ係数の絶対値が所定の閾値を超える時点までの期間だけ前記遅延量を短縮することを特徴とする請求項4記載の音声通信装置。
  6. 前記遅延制御部は、前記デジタル遠端音声信号が前記適応フィルタに供給された時点から、前記遠端音声によって生じるエコーのインパルス応答における最大振幅直前においてタップ係数がゼロである時点までの期間だけ前記遅延量を短縮することを特徴とする請求項4記載の音声通信装置。
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