JP2010072460A - 音声通信装置及び音声通信プログラム - Google Patents

音声通信装置及び音声通信プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 フォルマント強調機能がエコーキャンセル機能によって損なわれることを防止する。
【解決手段】 本発明の音声通信装置は、近端からの近端信号と遠端からの遠端信号とから擬似エコー信号を生成し、生成した擬似エコー信号を近端信号から減算して近端信号におけるエコー成分を消去する、内部に適応フィルタを有するエコーキャンセラと、エコーキャンセラから出力された近端信号におけるフォルマントを強調するフォルマント強調手段と、適応フィルタの適応動作の収束状態に応じ、フォルマント強調手段によるフォルマント強調を制御するフォルマント強調制御手段とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は音声通信装置及び音声通信プログラムに関し、例えば、エコーキャンセラを有する電話装置に適用し得るものである。
電話装置の中には、エコーキャンセラが付与されたものがあり、また、音声特徴量の強調機能が付加されたものがある。
ここで、「エコーキャンセラ」は、エコーキャンセル機能を実現するものであり、近端スピーカから発した遠端話者音声が近端マイクに拾われて、遠端側に向けて送信される信号に混入してしまう「エコー」を抑制することを目的とし、非特許文献1にあるように、適応フィルタを用いて擬似エコーを生成し、遠端側への送信信号から擬似エコーを減算することでエコーを打ち消すものである。
また、「音声特徴量強調機能」とは、音声の特徴量を際立たせることで、音声の明瞭度を高め、雑音下や残響下での音声の聴きやすさを向上させる技術のことである。特に、音声特徴量として、図6に示すような、音声の周波数スペクトル上のピークであるフォルマントを用いる場合には、フォルマント強調と呼ぶ。このフォルマント強調の実現方式としては、例えば、特許文献1に記載されているように、LSP(線スペクトル対)値の次元間距離を調整する(LSP値の次元間距離が小さいほどフォルマントのピークは際立つという性質を利用)という方法がある。
ところで、実際の音声通話装置、例えば、電話装置で、フォルマント強調技術を用いる際、当然フォルマント強調だけで通信ができるようになるわけではないので、エコーキャンセラなどの他の機能と連携させて動作させることが多い。エコーキャンセラとフォルマント強調技術との連携では、エコーキャンセラによってエコーが消去された送信信号が通過する箇所に(エコーキャンセラの後段に)、フォルマント強調部を設けることが考えられる。これは、フォルマント強調部をエコーキャンセラより近端マイク側に設けると、フォルマント強調されたエコーが消去対象になるが、擬似エコーはフォルマント強調されていないため、消去が適切にできないためである。
特開2004−86102号公報 山崎芳男、金田豊著、「音・音場のディジタル処理」、コロナ社発行、2002年、pp.154〜204
しかしながら、フォルマント強調部をエコーキャンセラの後段に設けたとしても、以下のような課題が生じると考えられる。
エコーキャンセラは、非特許文献1にあるように、動作開始直後にエコーが十分に消えるようになるわけではなく、適応フィルタの適応動作の進行と共に、徐々にエコーが消えていくという挙動をとる。そのため、エコーキャンセラの初期適応時や、エコー経路変動時のように再適応が必要になったとき、エコーは十分に消えておらず、残留エコーとして送信音声に含まれたまま遠端話者側に伝達されることとなる。従って、フォルマント強調部をエコーキャンセラの後段に単に設けただけでは、エコーが十分に消えていない状態で(初期適応時、エコー経路変動時など)、フォルマント強調機能を動作させることとなり、その結果、近端話者音声だけでなく残留エコーまでもが強調され、相手の聴感を劣化させるという課題が生じる。
そのため、音声特徴量強調機能がエコーキャンセル機能によって損なわれることがない音声通信装置及び音声通信プログラムが望まれている。
第1の本発明の音声通信装置は、(1)近端からの近端信号と遠端からの遠端信号とから擬似エコー信号を生成し、生成した擬似エコー信号を近端信号から減算して近端信号におけるエコー成分を消去する、内部に適応フィルタを有するエコーキャンセラと、(2)上記エコーキャンセラから出力された近端信号における音声特徴量を強調する音声特徴量強調手段と、(3)上記適応フィルタの適応動作の収束状態に応じ、上記音声特徴量強調手段による音声特徴量の強調を制御する音声特徴量強調制御手段とを有することを特徴とする。
第2の本発明の音声通信プログラムは、コンピュータを、(1)近端からの近端信号と遠端からの遠端信号とから擬似エコー信号を生成し、生成した擬似エコー信号を近端信号から減算して近端信号におけるエコー成分を消去する、内部に適応フィルタを有するエコーキャンセラと、(2)上記エコーキャンセラから出力された近端信号における音声特徴量を強調する音声特徴量強調手段と、(3)上記適応フィルタの適応動作の収束状態に応じ、上記音声特徴量強調手段による音声特徴量の強調を制御する音声特徴量強調制御手段として機能させることを特徴とする。
上記音声特徴量強調手段による音声特徴量の強調が、フォルマント強調であることが好ましい。
本発明によれば、エコーキャンセラの適応動作が収束していないときには、音声特徴量の強調をオフ又は弱めているので、音声特徴量強調機能がエコーキャンセル機能によって損なわれることを防止できる。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による音声通信装置及び音声通信プログラムの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明に係る音声通信装置は、音声特性に対する強調処理を行って音声信号を明瞭化させる構成を備えることを要件としているものであるが、第1の実施形態は、そのような構成がフォルマント強調構成であるものである。
(A−1)第1の実施形態の構成
第1の実施形態に係る音声通信装置の全て又は一部は、ハードウェアによって構築することもでき、また、CPUとCPUが実行するプログラムで構築することもできる。上記プログラムは、記録媒体を介して装置に導入されたものであっても良く、通信処理(例えばダウンロード)を介して装置に導入されたものであっても良い。
図1は、第1の実施形態に係る音声通信装置の機能的構成を示すブロック図である。
図1において、第1の実施形態に係る音声通信装置1は、遠端用サンプリング回路11、近端用サンプリング回路12、エコーキャンセラ本体13、加算器14、フォルマント強調制御部15、フォルマント強調部16、近端スピーカ17及び近端マイク18を有する。ここで、エコーキャンセラ本体13及び加算器14がエコーキャンセラを構成している。
遠端用サンプリング回路11は、遠端話者から受信した信号r(t)(アナログ信号)をディジタル化してそのディジタル信号r[nT]をエコーキャンセラ本体13に与えるものである。近端用サンプリング回路12は、近端マイク18が捕捉した信号S_in(t)(アナログ信号)をディジタル化してそのディジタル信号S_in[nT]をエコーキャンセラ本体13及び加算器14に与えるものである。
近端スピーカ17は、遠端話者から受信した信号r(t)を発音出力するものである。近端マイク18は、近端話者の音声s(t)を捕捉するものであるが、発音出力された遠端話者信号r(t)が回り込んだエコーe(t)を捕捉することもある。
エコーキャンセラ本体13は、遠端話者から送信された信号r[nT]と近端話者の信号S_in[nT]を用いて擬似エコー信号e^[nT]を生成するものである。擬似エコー信号e^[nT]の生成方法には特徴はなく、既存の任意の方法(NLMSアルゴリズムやRLS適応アルゴリズムなど)を適用しても良い。
加算器14は、近端話者信号S_in[nT]から擬似エコー信号e^[nT]を減算してエコー成分を消去するものである。エコー成分が消去された信号S_out[nT]がフォルマント強調部16に与えられる。
フォルマント強調制御部15は、エコーキャンセラ本体13からエコー消去量を取り込み、フォルマント強調部16におけるフォルマント強調を実行させる(オン)か否(オフ)かを表す制御信号を形成して、フォルマント強調部16に与えるものである。
フォルマント強調部16は、フォルマント強調制御部15から出力された制御信号がフォルマント強調の実行を指示していたときに、加算器14から出力された信号S_out[nT]に対して、音声のフォルマントを強調して明瞭度を高めるフォルマント強調を行い、制御信号がフォルマント強調を実行しないことを指示していたときに、加算器14から出力された信号S_out[nT]をそのまま通過させるものである。フォルマント強調部16によるフォルマント強調方法としては、既存の強調方法を適用することができる。例えば、特許文献1に記載の方法や、特開2007−293285号公報、特開平6−175691号公報、特表2004−507141号公報、特表2002−507291号公報などに記載の方法を適用することができる。
図2は、第1の実施形態におけるフォルマント強調制御部15の内部構成を示すブロック図である。
図2において、第1の実施形態のフォルマント強調制御部15は、エコー消去量受信部21、フォルマント強調部オン/オフ制御テーブル22及びフォルマント強調部制御信号送信部23を有する。
エコー消去量受信部21は、エコーキャンセラ本体13からエコー消去量を受け取るものである。エコー消去量としては、例えば、ERLE(echo return loss enhancement)を適用できる。
なお、エコー消去特性の指標となる値であればERLEに限定されず、他の指標(例えば二乗誤差)を用いるようにしても良い。ERLEや二乗誤差の定義(算出式)については、例えば、非特許文献1に記載されている。ここで、エコー消去量は、エコーキャンセラ本体13内の適応フィルタの適応動作の進捗を表す指標として用いている。ERLEは、適応フィルタの適応動作の進行と共に値が大きくなり、ERLEが大きい値になるほど残留エコーは少なくなり、一方、二乗誤差は適応フィルタの適応が進むと値が小さくなってゆき、二乗誤差の値が小さいほど、残留エコーが少なくなり、エコーキャンセラ本体13内の適応フィルタの適応動作の進捗を表す指標として用いることができる。
適応フィルタの適応動作が進捗するとは、電話の通話路が確立された直後の初期時の適応動作がある程度収束した場合だけでなく、一旦、収束した後、エコー経路の変動時などによって収束状態が崩れ、再度、適応動作が実行され、収束した場合をも含むものである。このような適応フィルタの適応動作が進捗したか否かを、エコー消去量を用いる代わりに、エコーキャンセラ本体13内の適応フィルタのフィルタ係数が収束状態に入ったか否か(フィルタ係数の変化量の大小)で捉えるようにしても良い。
フォルマント強調部オン/オフ制御テーブル22は、エコー消去量とフォルマント強調部制御信号とを対応付けたテーブルであり、エコー消去量受信部21が取り込んだエコー消去量に対応付けたフォルマント強調部制御信号を出力する。
フォルマント強調部制御信号送信部23は、フォルマント強調部オン/オフ制御テーブル22から読み出されたフォルマント強調部制御信号を、フォルマント強調部16に送信するものである。
図3は、第1の実施形態におけるフォルマント強調部オン/オフ制御テーブル22の構成例を示す説明図であり、エコー消去量がERLEの場合を示している。
図3に示すフォルマント強調部オン/オフ制御テーブル22は、ERLEが0〜20[dB]未満のエコー消去量が小さいときに、フォルマント強調部16のオフを意味する論理「0」のフォルマント強調部制御信号を出力すると共に、ERLEが20[dB]以上のエコー消去量が大きいときに、フォルマント強調部16のオンを意味する論理「1」のフォルマント強調部制御信号を出力するものである。なお、図3に示す第2欄「フォルマント強調部のオン/オフ」は説明の便宜上記載しただけであり、フォルマント強調部オン/オフ制御テーブル22にかかる項目は設けられていなくても良い(但し、保守者などが必要に応じて表示させたときに、「1」、「0」の意味を理解できるように設けられていても良い)。また、フォルマント強調のオンかオフかを切り分ける閾値は20[dB]に限定されるものではない。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る音声通信装置1の動作を、図面を参照しながら説明する。
遠端話者から送信されてきた音声信号r(t)を近端スピーカ17から放音されると共に、遠端用サンプリング回路11でディジタル信号r[nT]に変換され、エコーキャンセラ本体13に与えられる。
近端スピーカ17から放音された信号r(t)は、近端スピーカ17と近端マイク18間の伝達の過程でエコー信号e(t)に変わり、近端マイク18によって捕捉される。近端話者の音声s(t)も近端マイク18で捕捉される。すなわち、近端マイク18によって捕捉される信号は、S_in(t)=s(t)+e(t)ということになる。
この捕捉信号S_in(t)は、近端用サンプリング回路12でディジタル信号S_in[nT]に変換され、加算器14及びエコーキャンセラ本体13に与えられる。
エコーキャンセラ本体13では、入力された遠端信号r[nT]及び近端での捕捉信号S_in[nT]が適用されて内部の適応フィルタを適応動作させ、これにより、擬似エコー信号e^[nT]が生成され、加算器14に与えられる。そして、加算器14において、近端での捕捉信号S_in[nT]から擬似エコー信号e^[nT]が減算され、エコー成分が消去された信号S_out[nT]が得られる。
フォルマント強調部制御信号が「1」のときには、加算器14からの出力信号S_out[nT]に対し、フォルマント強調部16によってフォルマント強調がなされ、フォルマント強調後の信号が遠端話者に向かって送信される。一方、フォルマント強調部制御信号が「0」のときには、加算器14からの出力信号S_out[nT]は、フォルマント強調部16をそのまま通過して遠端話者に向かって送信される。
次に、フォルマント強調制御部15の動作を説明する。
エコーキャンセラ本体13から送出されたエコー消去量は、エコー消去量受信部21によって受信され、受信されたエコー消去量に応じたフォルマント強調部制御信号が、フォルマント強調部オン/オフ制御テーブル22から取り出され、フォルマント強調部制御信号送信部23によってフォルマント強調部16によって送出される。例えば、エコー消去量(ERLE)が17[dB]である場合には、フォルマント強調部制御信号送信部23から、フォルマント強調部16のオフを指示する値が「0」のフォルマント強調部制御信号が送出される。なお、フォルマント強調制御部15からのフォルマント強調部制御信号の送信を、その値が他方の値に変化したときだけ行うようにしても良く、エコーキャンセラ本体13からのエコー消去量を受信する周期毎に送信するようにしても良い。
フォルマント強調部16は、最新に受信したフォルマント強調部制御信号を保持するようになされており、上述のように、フォルマント強調部制御信号が「1」のときに、加算器14からの出力信号S_out[nT]に対してフォルマント強調を実行し、フォルマント強調部制御信号が「0」のときに加算器14からの出力信号S_out[nT]をそのまま通過させる。
第1の実施形態の音声通信装置1は、単に、フォルマント強調部16を設けるだけでなく、エコーキャンセラ本体13内の適応フィルタの適応動作の進捗に応じて、フォルマント強調部16の動作のオン/オフをコントロールするフォルマント強調制御部15を設けていることを特徴としている。
フォルマント強調部16を単に設けただけでは、エコーキャンセラの初期適応時や、エコー経路変動時のように再適応が必要になったとき、エコーは十分に消えておらず、残留エコーとして送信音声に含まれたままとなり、フォルマント強調部16は、エコーが十分に消えていない状態で(初期適応時、エコー経路変動時など)、フォルマント強調機能を動作させることとなり、その結果、近端話者音声だけでなく残留エコーまでもが強調され、相手の聴感を劣化させる。フォルマント強調制御部15を設けたことにより、フォルマント強調部16は、エコーが十分に消えた状態(初期適応後の収束状態、又は、エコー経路変動による再適応後の収束状態)で、フォルマント強調機能を動作させることとなり、その結果、近端話者音声だけが強調され、所望する音声の明瞭化が実現できる。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、エコーキャンセラの適応動作の進捗度(収束度合)に応じて、フォルマント強調部動作のオン/オフを制御するようにしたので、フォルマント強調によって、初期適応時や経路変動時にかなり存在する残留エコーまでも強調され、聴感が悪化するというようなことを、未然に防止することができる。
すなわち、聴き手に不快感を与える所定レベル以上の残留エコーがある場合には、残留エコーを強調せずに済むため、聴き手には不快感を極力与えずに済むことができる。これに対して、所定レベル以下の残留エコーしか存在しない場合、フォルマント強調することで、聴き手に不快感を与える程度の残留エコーの強調はない上、音声の明瞭性だけを高めることができる。
なお、フォルマント強調部を単に設けただけでは、聴き手に不快感を与える所定レベル以上の初期の残留エコーがあった場合、上記残留エコー及び音声が強調されていた。すなわち、不快感を与える残留エコーが強調されるため、たとえ音声が強調されても聴き手に不快感を与えていることに変わりはなかった。さらに、ITU−T勧告規格G.168(エコーキャンセラ)では、聴き手に不快感を与えないように、初期の残留エコーを消去することが推奨されている。つまり、初期の残留エコーを消去せずに強調することは、聴き手に不快感を与えてしまっていた。
(B)第2の実施形態
次に、本発明による音声通信装置及び音声通信プログラムの第2の実施形態を、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
第2の実施形態に係る音声通信装置の全体構成も、第1の実施形態の説明で用いた図1で表すことができる。
しかしながら、第2の実施形態の音声通信装置は、フォルマント強調制御部15の内部構成が第1の実施形態のものと異なっており、また、フォルマント強調部16として、フォルマント強調の強調度合を外部から制御できるものを適用している点が第1の実施形態のものと異なっている。
第2の実施形態のフォルマント強調部16は、例えば、特許文献1に記載のようなLSP値の次元間距離を調整するタイプのフォルマント強調技術を適用している。第2の実施形態のフォルマント強調部16は、上述のLSP値の次元間距離に、外部(フォルマント強調制御部15)から与えられたフォルマント強調部補正量を乗算することにより、フォルマント強調の強調度合を外部から制御できるものである。
図4は、第2の実施形態におけるフォルマント強調制御部15の内部構成を示すブロック図であり、第1の実施形態に係る図2との同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。
図4において、第2の実施形態のフォルマント強調制御部15は、エコー消去量受信部21、フォルマント強調部補正量制御テーブル22A及びフォルマント強調部制御信号送信部23を有する。エコー消去量受信部21及びフォルマント強調部制御信号送信部23は、第1の実施形態のものと同様であるので、その説明は省略する。
フォルマント強調部補正量制御テーブル22Aは、入力されたエコー消去量に応じて、フォルマント強調部15の強調度合を示すフォルマント強調部補正量を、フォルマント強調部制御信号として出力するものである。
図5は、第2の実施形態におけるフォルマント強調部補正量制御テーブル22Aの構成例を示す説明図であり、エコー消去量がERLEの場合を示している。図5に示すフォルマント強調部補正量制御テーブル22Aは、ERLEの範囲と、フォルマント強調部補正量とを対応付けており、入力されたERLE(エコー消去量)が属する範囲に対応付けられているフォルマント強調部補正量を出力するものである。図5に示すように、ERLEの範囲が複数に分かれており、値が大きい範囲ほど、小さなフォルマント強調部補正量に対応付けられている。
第2の実施形態では、フォルマント強調部16をオンオフ制御する第1の実施形態と異なり、エコー消去量に応じて、フォルマント強調部16の強調度合を制御する。例えば、エコーキャンセラ本体13内の適応フィルタの適応動作がそれほど進んでいない段階では、フォルマント強調部16でのLSP値の次元間距離に、1.0のフォルマント強調部補正量を乗算させ、事実上、入力信号を素通りさせる。ある程度以上、適応動作が進むと(図5の例ではERLEが30dB以上になった段階)、LSP値の次元間距離に、1.0未満のフォルマント強調部補正量を乗算させ、LSP値の次元間距離を狭めて、フォルマントを際立たせる。ここで、適応動作が進めば進むほど、より小さなフォルマント強調部補正量を乗算させ、フォルマント強調の度合いを高める。
フォルマント強調部制御部15の上述のような動作により、エコー消去量に応じて、徐々にフォルマント強調部16の効果を高めることができるようになり、フォルマント強調をオンオフする場合よりは、聴感上の急変動を抑えることができる。
なお、適応動作中でも、エコー消去量は徐々に小さくなってだけでなく、たまに大きくなることがあるが、そのように大きくなった場合にも、その大きさに応じたフォルマント強調部補正量がフォルマント強調部制御信号として送出されることは勿論である。
また、図5に示した数値や指標は例であり、図5中に記載した数値や指標に限らないことは、第1の実施形態と同様である。また、上記では、特許文献1に記載のようなLSP値の次元間距離を調整するタイプのフォルマント強調技術をフォルマント強調部16が適用している場合を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、フィルタを用いてフォルマントを強調する技術を用いている場合にも、第2の実施形態の技術思想を適用することができる。その際、フォルマント強調部補正量は、LSP値距離に対する補正量ではなく、フィルタの特性を補正する値に変更するようにすれば良い。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によっても、エコーキャンセラの適応動作の進捗度(収束度合)に応じて、フォルマント強調部動作を制御するようにしたので、フォルマント強調によって、初期適応時や経路変動時にかなり存在する残留エコーまでも強調され、聴感が悪化するというようなことを、未然に防止することができる。
また、第2の実施形態によれば、フォルマント強調部によるフォルマント強調の段階を複数設け、適応動作の進捗度に応じて、フォルマント強調の段階を切り替えるようにしたので、フォルマント強調によって聴感上の急変動を起こさないようにすることができる。
(C)他の実施形態
上記各実施形態では、フォルマント強調部制御信号を出力する構成がテーブル構成のものを示したが、他の構成を適用しても良いことは勿論である。例えば、関数を利用して、入力値に対応するフォルマント強調部制御信号を得るようにしても良い。
上記第2の実施形態では、フォルマント強調しない場合にも、LSP値距離に対する補正量の乗算処理を行うものを示したが、フォルマント強調しない場合にフォルマント強調部が何らの演算を実行しないようにしても良い。例えば、第1の実施形態のような「オン」、「オフ」を表す制御信号を送出することとし、「オン」を表す信号には補正量を付随させるようにしても良い。
上記各実施形態では、音声の特徴量強調としてフォルマント強調を適用した場合を示したが、他の音声の特徴量強調によって、音声の特徴を際立たせて明瞭度を向上させる場合にも、本発明の技術思想を適用することができる。例えば、フィルタ処理やイコライザ処理によって、音声の特徴を際立たせて明瞭度を向上させる場合にも本発明を適用することができる。このような他の音声強調方法を記載した文献は多数に渡るが、数例を挙げると、特開2008−186010号公報、特開2008−116534号公報、特開2008−104001号公報などを挙げることができる。
他の音声の特徴量強調を適用する場合においては、図1におけるフォルマント強調部の箇所に、その強調部を配置し、フォルマント強調制御部と同様なその強調部のオンオフ制御、若しくは、強調度合の制御を行う制御部に、エコーキャンセラの適応動作の進捗度(収束度合)を表すパラメータを与えて制御内容を決定させるようにすれば良い。
第1の実施形態に係る音声通信装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態におけるフォルマント強調制御部の内部構成を示すブロック図である。 第1の実施形態におけるフォルマント強調部オン/オフ制御テーブルの構成例を示す説明図である。 第2の実施形態におけるフォルマント強調制御部の内部構成を示すブロック図である。 第2の実施形態におけるフォルマント強調部補正量制御テーブルの構成例を示す説明図である。 フォルマントの説明図である。
符号の説明
1…音声通信装置、13…エコーキャンセラ本体、14…加算器、15…フォルマント強調制御部、16…フォルマント強調部、22…フォルマント強調部オン/オフ制御テーブル、22A…フォルマント強調部補正量制御テーブル。

Claims (7)

  1. 近端からの近端信号と遠端からの遠端信号とから擬似エコー信号を生成し、生成した擬似エコー信号を近端信号から減算して近端信号におけるエコー成分を消去する、内部に適応フィルタを有するエコーキャンセラと、
    上記エコーキャンセラから出力された近端信号における音声特徴量を強調する音声特徴量強調手段と、
    上記適応フィルタの適応動作の収束状態に応じ、上記音声特徴量強調手段による音声特徴量の強調を制御する音声特徴量強調制御手段と
    を有することを特徴とする音声通信装置。
  2. 上記音声特徴量強調制御手段は、上記適応フィルタの適応動作の収束状態を示す適応動作進捗情報として、エコー消去量を利用することを特徴とする請求項1に記載の音声通信装置。
  3. 上記音声特徴量強調制御手段は、上記適応フィルタの適応動作の収束状態を示す適応動作進捗情報として、上記適応フィルタのフィルタ係数の変化量を利用することを特徴とする請求項1に記載の音声通信装置。
  4. 上記音声特徴量強調制御手段は、上記適応動作進捗情報が、収束状態が不十分であることを示している場合に、上記音声特徴量強調手段による強調をオフにし、上記適応動作進捗情報が、収束状態が十分であることを示している場合に、上記音声特徴量強調手段による強調をオンにすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の音声通信装置。
  5. 上記音声特徴量強調制御手段は、上記適応動作進捗情報が、複数ある段階のいずれの段階に属するかを判別し、その段階に応じた強調度合で、上記音声特徴量強調手段による強調を実行させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の音声通信装置。
  6. 上記音声特徴量強調手段による音声特徴量の強調が、フォルマント強調であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の音声通信装置。
  7. コンピュータを、
    近端からの近端信号と遠端からの遠端信号とから擬似エコー信号を生成し、生成した擬似エコー信号を近端信号から減算して近端信号におけるエコー成分を消去する、内部に適応フィルタを有するエコーキャンセラと、
    上記エコーキャンセラから出力された近端信号における音声特徴量を強調する音声特徴量強調手段と、
    上記適応フィルタの適応動作の収束状態に応じ、上記音声特徴量強調手段による音声特徴量の強調を制御する音声特徴量強調制御手段として機能させる
    ことを特徴とする音声通信プログラム。
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