JP2006148375A - エコー除去方法、エコーキャンセラ及び電話中継装置 - Google Patents

エコー除去方法、エコーキャンセラ及び電話中継装置 Download PDF

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Abstract

【目的】IP電話通信環境の如きエコー遅延時間が不明な環境下においても、短時間に精度の高いエコー除去を行うエコー除去方法、エコーキャンセラ及び電話中継装置を提供する。
【構成】
通話路の一端から入る受信音声信号が該通話路の他端から入る送信音声信号に重畳されるエコー信号を除去するエコー除去方法、エコーキャンセラ及び電話中継装置であり、該受信音声信号及び該送信音声信号の各々の単位時間毎のエネルギー密度の変化に基づいて、該エコー信号の遅延時間を判別し、該遅延時間を該受信音声信号に挿入して遅延音声信号を得る。該遅延音声信号から擬似エコー成分を生成し、該送信音声信号に対して該擬似エコー成分に基づく減算処理を施す。
【選択図】
図2

Description

本発明は、電話システムにおける回線エコーの如く音響信号の回り込みにより発生する音響エコーを消去するエコー除去方法、エコーキャンセラ及び電話中継装置に関する。
近年、インターネットのネットワークを利用した音声通信(VoIP:Voice over Internet Protocol)が盛んに行われている。既存の公衆網の様に伝送遅延がごく少ないネットワークでは、発話側の音声が遠端側のハイブリッド回路や受話空間で回り込み発話側に返ってしまういわゆるエコーが発生したとしても、話している自分自身の声と該エコーとのずれが数ms単位でしかないために会話に特に支障がない。しかし、VoIPにおける音声通信の場合、ネットワークの伝送遅延が100ms単位で発生するために、かかるエコーがあると会話に支障をきたしてしまう。そこで、かかるエコーを除去するためにエコーキャンセラが広く用いられる。
図1は、従来のエコーキャンセラの構成を示している。エコーキャンセラ1は、近端側の電話機に対向する遠端側の電話機に戻るエコー信号を消去するものである。遠端側の電話機からの入力受信信号は、エコーキャンセラ100を介して出力受信信号としてハイブリット回路3に入力され、2線に変換されて近端側の電話機にて再生される。近端側の電話機からの音声信号はハイブリット回路3を介して4線に変換され、入力送信信号としてエコーキャンセラ100に入力されて出力送信信号として遠端側の電話機にて再生される。ハイブリッド回路3は、4線−2線変換回路であり、インピーダンス不整合によるエコーの発生源となる。
エコーキャンセラ1は、通常、適応フィルタ2を備えている。適応フィルタ2は、遠端側の話者からの入力受信信号xに対して畳み込み演算を行い、エコー信号と予測される疑似エコー信号y’を生成する。エコーキャンセラ1は、エコーを含んだ入力送信信号yから疑似エコー信号y’を減算することにより該エコーを除去して出力送信信号zを得ている。適応フィルタ2の実現は、通常、FIR(Finite Impulse Response Filter)フィルタによって構成される。かかるFIRフィルタの出力y(n)は、時間軸上のサンプル点n(n=1,2,...)のそれぞれにおける単位インパルス応答に相当する複数のタップ係数ωi(i=1,2,...)と入力x(n−i+1)との積の総和、すなわち畳み込み加算により表される。そして、個々のタップ係数の推定には学習同定法等のアルゴリズムが用いられる(非特許文献1参照)。
金田豊著、「適応フィルタの槻要」、日本音響学会誌48巻7号、P・489〜492、1992年
しかしながら、IP電話通信環境の如き消去すべきエコーが返ってくるまでの時間すなわちエコー遅延時間が不明である環境下で従来のエコーキャンセラを用いるには、その適応フィルタのタップ係数の数を極力多く持つことによって、広い範囲のエコー遅延時間に対応する他はなかった。しかし、適応フィルタが備えるタップ係数の数の増加は、計算量の増加やエコー推定の精度が十分となるまでの時間すなわち収束時間を多く費やすことになり実用的でないという問題があった。
本発明の目的は、IP電話通信環境の如きエコー遅延時間が不明な環境下においても、短時間に精度の高いエコー除去を行うエコー除去方法、エコーキャンセラ及び電話中継装置を提供することである。
本発明によるエコー除去方法は、通話路の一端から入る受信音声信号が該通話路の他端から入る送信音声信号に重畳されるエコー信号を除去するエコー除去方法であり、該受信音声信号及び該送信音声信号の各々の単位時間毎のエネルギー密度の変化に基づいて、該エコー信号の遅延時間を判別する判別ステップと、該遅延時間を該受信音声信号に挿入して遅延音声信号を得る遅延ステップと、該遅延音声信号から擬似エコー成分を生成する生成ステップと、該送信音声信号に対して該擬似エコー成分の減算処理を施す減算処理ステップとを含むことを特徴とする。
本発明によるエコーキャンセラは、通話路の一端から入る受信音声信号が該通話路の他端から入る送信音声信号に重畳されるエコー信号を除去するエコーキャンセラであり、該受信音声信号及び該送信音声信号の各々の単位時間毎のエネルギー密度の変化に基づいて、該エコー信号の遅延時間を判別する判別手段と、該遅延時間を該受信音声信号に挿入して遅延音声信号を得る遅延手段と、該遅延音声信号から擬似エコー成分を生成する生成手段と、該送信音声信号に対して該擬似エコー成分の減算処理を施す減算処理手段とを含むことを特徴とする。
本発明による電話中継装置は、IP電話通信をなす通話路に介在するIP電話中継装置であり、該通話路の一端から入る受信音声信号が該通話路の他端から入る送信音声信号に重畳されるエコー信号を除去するエコーキャンセラを含み、該エコーキャンセラは、該受信音声信号及び該送信音声信号の各々の単位時間毎のエネルギー密度の変化に基づいて、該エコー信号の遅延時間を判別する判別手段と、該遅延時間を該受信音声信号に挿入して遅延音声信号を得る遅延手段と、該遅延音声信号から擬似エコー成分を生成する生成手段と、該送信音声信号に対して該擬似エコー成分の減算処理を施す減算処理手段とを含むことを特徴とする。
本発明によるエコー除去方法、エコーキャンセラ及び電話中継装置によれば、エコー信号の遅延時間及びエコー長時間からなるエコー消去時間領域を決定し、かかる領域において通常の適応フィルタを適用する構成が与えられる。これにより、計算量の増加、収束時間の増加を招くことなく、エコー遅延時間が不明な環境下においても短時間に精度の高いエコー除去が可能となる。
本発明の実施例について添付の図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施例>
図2は、本発明の第1の実施例を示し、エコーキャンセラを含む全体の構成を示している。エコーキャンセラ100は、通常のアナログ2線式の電話機15とIP電話通信網(図示せず)との間の接続を可能とする電話中継装置すなわちゲートウェイ装置90に含まれる。ゲートウェイ装置90と電話機15との間は、4線−2線変換回路を行うハイブリッド回路14を介して接続される。IP電話通信網等の外部からの音声信号は、入力受信信号としてRin端子10を経てエコーキャンセラ1に入力され、出力受信信号としてRout端子11を経てハイブリット回路14に入力された後に電話機15にて再生される。電話機15からの音声信号は、ハイブリット回路14を介した後に入力送信信号としてSin端子12を経てエコーキャンセラ1に入力され、エコーキャンセラ100からの出力送信信号としてSout端子13を経て外部に送信される。エコーキャンセラ100は、ゲートウエイ装置90に接続される外部の電話機(図示せず)の話者が感得するエコーを除去するために設けられる。また、エコーキャンセラ100は、本実施例の如くゲートウェイ装置90に含まれる構成に限られず、電話機15に含まれる構成又はIP電話アダプタ等の他の電話中継装置に含まれる構成も可能である。
次に、エコーキャンセラ100に含まれる各部の構成について説明する。スイッチ16、17、18は、通常のスイッチであり、エコーキャンセラ100の動作開始時には全てoffにされ、後述する遅延挿入部107及び適応フィルタ108の各々が動作設定を完了しフィルタ動作を開始する直前に全てonにされる。
Routパワー包絡演算部101は、Rin端子10からの入力受信信号xを入力とし、入力受信信号xのパワー包絡routPを算出する。パワー包絡とは、所定の単位時間にわたる音声信号パワーの総量であり、該単位時間毎に変化するエネルギー密度を与える量である。本実施例において、パワー包絡routPは、例えば、10msの期間の音声信号を1フレームとし、該1フレームあたりの音声信号サンプルの振幅値を2乗和した値とする(数1の式参照)。
Figure 2006148375
ここで、Lは1フレームあたりの音声信号サンプル数であり、1フレームの時間を10mとする前提に加えて1秒当り8千回の頻度で音声信号をサンプルするとした場合には、Lの値は1フレーム10ms分に相当する80である。nは時系列状でサンプルされる信号のサンプル番号であり時刻に相当する。パワー包絡routPの算出は、上記に示される式による方法に限られず、入力受信信号のパワー包絡が得られる方法であれば良い。例えば、音声信号の絶対値の総和から求めても良い。ただし、Sinパワー包絡演算部102におけるのと同じ方法でなければならないことに注意を要する。
Sinパワー包絡演算部102は、入力送信信号yを入力とし、入力送信信号yのパワー包絡sinPを算出する。パワー包絡sinPは、パワー包絡routPと同様に、10msの期間の音声信号を1フレームとし、該1フレームあたりの音声信号サンプルの振幅値を2乗和した値とする。(数2の式参照)。ここで、L及びnの内容はパワー包絡routPの算出におけると同様である。
Figure 2006148375
Routパワー包絡格納部103は、Rout端子11とSin端子12との間の対応すべきエコー消去領域分のRoutパワー包絡routPを格納する記憶領域すなわちキューである。例えば、エコーの消去領域を100msまでとしたい場合は、routPを10フレーム(1フレーム10msとする)分を格納するキューroutP_queを用意する。この時、畳み込み区間Dの値は10となる。
パワー包絡適応フィルタ104は、Routパワー包絡routPを格納するキューroutP_queを入力とし、パワー包絡適応フィルタ係数αで畳み込み演算を行うことによって、予測パワー包絡predictPを生成する適応フィルタである。該畳み込み演算の畳み込み期間は、最大遅延時間を予測して大きめに準備しておくパワー包絡適応フィルタ104のタップの長さに相当する。畳み込み区間Dの値を10する本実施例の例では、パワー包絡適応フィルタ係数αの数すなわちタップ数は10に固定される。予測パワー包絡predictPの値は、以下の式により表される。ここで、nは時刻でありパワー包絡算出毎すなわちフレーム毎にインクリメントされる。Dは畳み込み区間である。
Figure 2006148375
加算器105は、Sinパワー包絡sinPから、予測パワー包格predictPを差し引き、エラーパワー包絡errPを出力する。すなわち、エラーパワー包格errPは、以下の式により表される。ここでnは時刻でありフレーム毎にインクリメントされる。
Figure 2006148375
パワー包路適応フィルタ104は、FIRフィルタが用いられており、このフィルタ係数は、Sinパワー包絡sinPと加算器105の出力信号であるエラーパワー包絡errPをもとに、学習同定法等の公知のアルゴリズムによりパワー包絡適応フィルタ係数αの更新動作を開始し、予測パワー包絡predictPを生成する。すなわち、更新されるαの値は、以下の式より表される。ここでnは時刻でありフレーム毎にインクリメントされる。μはステップゲインである。
Figure 2006148375
尚、公知のダブルトーク検出器(図示せず)により、同時に2人がしゃべり始めた状態すなわち「ダブルトーク」と判定された場合は、パワー包絡適応フィルタ係数の更新動作は停止させる必要がある。ダブルトークの検出方法は、例えば、Rout端子11とSin端子12における音声信号の比から判定する方法などがある。
遅延量探索部106は、パワー包絡適応フィルタ104が収束した時に動作する。パワー包絡適応フィルタ104の収束判定条件としては、エラーパワー包絡errPがSinパワー包絡sinPに対して十分に小さい値になった時とする。例えば、エラーパワー包絡errPがSinパワー包絡sinPに対して35dB以上小さい時とする。遅延量探索部106は、パワー包絡適応フィルタ104内のフィルタ係数αを入力とし、エコー純遅延時間ITとエコー長時間ETを得る。エコー純遅延時間ITはRin端子10とSin端子12間のエコー信号の遅延時間を与える。エコー長時間ETは、パワー包絡適応フィルタ104のタップ中に、ある一定の閾値以上の振幅をもったパルスが存在するタップの長さを与え、適応フィルタ108で疑似エコー信号y’を生成するために必要なフィルタのタップ数を与える。
図3を参照すると、時刻(n)の推移に対応して得られるパワー包絡適応フィルタ係数αの値を示している。本図の如き時刻(n)とパワー包絡適応フィルタ係数αとの関係から、エコー純遅延時間IT及びエコー長時間ETが決定される。例えば、パワー包絡適応フィルタのタップ数を10タップ(1タップ:10ms)とする100msの畳み込み区間を用意したときに、ある任意の振幅閾値(例えば、0.1)を超えたαが5タップ目から6タップ目で存在したとする。この場合、エコー純遅延時間ITは、4タップ目迄の40msと決定され、エコー長時間ETは、5タップ及び6タップに相応する20msと決定される。エコー長時間ETは、タップ係数は音声信号のインパルス応答であり、エコーパスが変動しない限り、1つの通話路における音声信号に対してある一定の値をとり変わることはない。エコー長時間ETは、適応フィルタ108で疑似エコー信号y’を生成するために必要なフィルタのタップ数を与える。例えば、8K/秒サンプリングの音声信号の場合、適応フィルタ108において160タップを用意する必要がある。
図2を再び参照すると、遅延挿入部107は、エコー純遅延時間ITに一致する遅延時間を入力受信信号xに挿入する。エコー純遅延時間ITが挿入された遅延音声信号x’は、適応フィルタ108に出力される。適応フィルタ108は、遅延音声信号x’を入力とする点で異なるものの、疑似エコー信号を生成するために通常のエコーキャンセラで用いられる適応フィルタと同様の構成をとる。適応フィルタ108は、FIRフィルタにより実現され得る。
適応フィルタ108は、その入力である遅延音声信号x’と加算器109の出力信号である残留エコー信号zをもとに、学習同定法等の公知のアルゴリズムによりFIRフィルタのフィルタ係数(タップ係数とも称する)の更新動作を行い、疑似エコー信号y’を生成する。フィルタ係数の数すなわちタップ数は、エコー長時間ETに相応する疑似エコー信号y’を生成するに必要な数とする。例えば、エコー長時間が10msの場合には、1秒当り8Kの頻度で音声信号をサンプルする前提においては80個のタップ数に決定される。
遅延挿入部107及び適応フィルタ108がエコー純遅延時間IT及びエコー長時間ETの各々を対応して得ることでその動作設定が完了し、その時点でスイッチ16、17及び18の全てがonにされる。これに応じて、遅延挿入部107は遅延音声信号x’を出力し、適応フィルタ108はFIRフィルタのフィルタ係数の更新動作を開始し、加算器109がSin端子12に入力される入力送信信号yから疑似エコー信号y’を差し引くことによってエコーを消去する。
以上のように、第1の実施例においては、エコー純遅延時間が分からない環境であっても、タップ数を多く持つことによって対応するのではなく、エコーキャンセラが自動的にエコー純遅延時間を探索することで、計算量の増加を防ぎ、少ないタップ数であってもエコーを消去することができる。
<第2の実施例>
図4は、本発明の第2の実施例を示し、エコーキャンセラを含む全体の構成を示している。本実施例におけるエコーキャンセラ200とその外部との関係は、第1の実施例の場合と同様であり、ハイブリット回路14を介した電話機15とIP電話通信網(図示せず)との間の接続を可能とする電話中継装置すなわちゲートウェイ装置に含まれ得る。
エコーキャンセラ200に含まれる各部の構成について説明する。スイッチ21、22は、通常のスイッチであり、エコーキャンセラ200の動作開始時には全てoffにされ、後述する動作変更命令部210が遅延量挿入部207及び適応フィルタ208の動作設定を変更設定する際には両方ともにonにされる。
Routパワー包絡演算部101、Sinパワー包絡演算部102、Routパワー包絡格納部103、パワー包絡適応フィルタ104及び加算器105の各々は、第1の実施例におけると同一の機能を有し同様の動作を行う。遅延量探索部206は、第1の実施例における遅延量探索部と同様の機能を有するが、エコー純遅延時間IT及びエコー長時間ETの両方を遅延命令部210に出力する点で異なる。
遅延挿入部207は、第1の実施例における遅延挿入部と同一の機能を含み、エコー純遅延時間ITに相当する遅延時間を入力受信信号xに挿入する。エコー純遅延時間ITが挿入された遅延音声信号x’は適応フィルタ208に出力される。さらに、遅延挿入部207は、パワー包絡適応フィルタ104が収束していないことにより動作変更命令部210からエコー純遅延時間IT’が得られていない場合であっても、任意の所定遅延量、例えば0msを挿入する動作を行う。
適応フィルタ208は、第1の実施例における適応フィルタと同一の機能を含み、遅延音声信号x’と加算器109の出力信号である残留エコー信号zをもとに、学習同定法等の公知のアルゴリズムにより適応フィルタ係数の更新動作を行い疑似エコー信号y’を生成する。フィルタのタップ数は、エコー長時間ETから疑似エコー信号y’を生成するに必要な数が用意される。さらに、適応フィルタ208は、パワー包絡適応フィルタ104が収束していな状態にあることにより動作変更命令部210からエコー長時間ET’が得られていない場合であっても、任意の所定フィルタタップ長、例えば16msを以て動作する。
以上の遅延挿入部207及び適応フィルタ208の動作に並行して、加算器109は、第1の実施例と同様に、Sin端子12に入力される入力送信信号yから疑似エコー信号y’を差し引くことによってエコーを消去する。
一方、動作変更命令部210は、エコー純遅延時間ITとエコー長時間ETを入力とし、遅延量挿入部207及び適応フィルタ208の動作状態を監視し、該動作状態に応じて遅延量挿入部207及び適応フィルタ208の設定を変更することでその動作状態を変更する機能を有する。
動作変更命令部210の動作について説明すると、動作変更命令部210は、遅延量挿入部207及び適応フィルタ208の動作を監視し、そのエコー消去領域設定、例えば0から16msまでの領域設定ではエコーを消去できないと判断した場合には、スイッチ21及び22をonにし、適応フィルタ208のタップ係数をリセットする。次いで、遅延挿入部207に設定するエコー純遅延時間IT’を遅延量探索部206からのエコー純遅延時間ITに変更設定し、適応フィルタ208に設定するエコー長時間ET’を遅延量探索部206からのエコー長時間ETに変更設定する。動作変更命令部210からの変更設定に応じて、遅延量挿入部207はエコー純遅延時間IT’(エコー純遅延時間ITに等しい)に基づいて再び遅延量を挿入し、適応フィルタ208はエコー長時間ET’(エコー長時間ETに等しい)に基づいて再び適応フィルタ係数の更新動作を開始する。
逆に、動作変更命令部210が設定変更せずにエコーを消去できると判断した場合には、遅延量挿入部207及び適応フィルタ208の設定は、当初の任意の所定値のままとする。しかし、計算量を減らしたい場合には、遅延挿入部207及び適応フィルタ208に、任意の適切なエコー純遅延時間IT’及びエコー長時間ET’の各々を設定することで、適応フィルタ208のタップ数を減らすようにすることもできる。
以上の第2の実施例においては、遅延挿入部及びエコーを消去するための適応フィルタは、第1の実施例1の場合と異なり、パワー包絡適応フィルタの収束を待たずに任意の遅延量、任意のフィルタタップ長を以てエコー消去動作を開始する。そのため、任意の所定値に従うエコー消去領域設定で、実際に戻ってくるエコー信号が消去できる場合は、第1の実施例のエコーキャンセラよりも迅速にエコーを消去できる。これに反して、かかる任意の所定値に従った消去領域設定では実際に戻ってくるエコー信号が消去できない場合は、第1の実施例における同様の設定に動作変更することで第1の実施例と同様の効果を奏する。
以上のように、本発明によるエコー除去方法、エコーキャンセラ及び電話中継装置によれば、そのRout端パワー包絡を入力とした適応フィルタを用いてSin端パワー包絡を予測し、適応フィルタの推定インパルス応答からエコーパスの純遅延時間、エコー長時間を得ることで、予めエコー純遅延時間が分からない環境下であっても、エコーキャンセラのフィルタタップ数を多く用意することなくエコーを消去できる。
本発明によるエコーキャンセラ及び電話中継装置は、IP電話通信の如き電話回線のためのエコーキャンセラ又は電話中継装置のみならず、音声信号伝送一般における音響エコーキャンセラにも適用し得る。
従来のエコーキャンセラの構成を示しているブロック図である。 本発明の第1の実施例を示し、エコーキャンセラを含む全体の構成を示しているブロック図である。 離散時間の推移におけるパワー包絡適応フィルタ係数の変化の様子を示しているグラフである。 本発明の第2の実施例を示し、エコーキャンセラを含む全体の構成を示しているブロック図である。
符号の説明
10 Rin端子
11 Rout端子
12 Sin端子
13 Sout端子
14 ハイブリッド回路
15 電話機
16、17、18 スイッチ
21 スイッチ
90 ゲートウエイ装置
100、200 エコーキャンセラ
101 Routパワー包絡演算部
102 Sinパワー包絡演算部
103 Routパワー包絡格納部
104 パワー包絡適応フィルタ
105、109 加算器
106、206 遅延量探索部
107、207 遅延挿入部
108、208 適応フィルタ
210 動作変更命令部

Claims (9)

  1. 通話路の一端から入る受信音声信号が前記通話路の他端から入る送信音声信号に重畳されるエコー信号を除去するエコー除去方法であって、
    前記受信音声信号及び前記送信音声信号の各々の単位時間毎のエネルギー密度の変化に基づいて、前記エコー信号の遅延時間を判別する判別ステップと、
    前記遅延時間を前記受信音声信号に挿入して遅延音声信号を得る遅延ステップと、
    前記遅延音声信号から擬似エコー成分を生成する生成ステップと、
    前記送信音声信号に対して前記擬似エコー成分の減算処理を施す減算処理ステップと、
    を含むことを特徴とするエコー除去方法。
  2. 前記判別ステップは、第1のFIRフィルタを用いて、前記第1のFIRフィルタを構成する複数のフィルタ係数の値を推定する推定ステップと、前記複数のフィルタ係数の値から前記エコー信号の遅延時間を探索する探索ステップを含むことを特徴とする請求項1記載のエコー除去方法。
  3. 前記推定ステップは、所定の畳み込み期間において、前記受信音声信号のエネルギー密度から予測されるエコー信号のエネルギー密度と前記送信音声信号のエネルギー密度との差を最小とすることにより、前記複数のフィルタ係数の値を推定するステップであることを特徴とする請求項2記載のエコー除去方法。
  4. 前記探索ステップは、前記畳み込み期間において当該推定されたフィルタ係数の値と所定閾値とを比較し、前記所定閾値を超える時点を判定して前記エコー信号の遅延時間を決定するステップであることを特徴とする請求項3記載のエコー除去方法。
  5. 前記探索ステップは、前記所定閾値を超える期間を判定して前記エコー信号のエコー長時間を決定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項4記載のエコー除去方法。
  6. 前記生成ステップは、第2のFIRフィルタを用いて、前記第2のFIRフィルタを構成する複数のフィルタ係数の数を、前記エコー長時間に従って設定する設定ステップを含み、該設定された数の複数のフィルタ係数の推定値から前記擬似エコー信号を予測するステップであることを特徴とする請求項5記載のエコー除去方法。
  7. 前記設定ステップは、任意の所定遅延時間及び所定エコー長時間を保持するステップを含み、前記所定遅延時間及び所定エコー長時間に従って前記エコー信号の除去が可能と判定される限り、前記遅延手段における遅延時間及び前記第2予測手段におけるエコー長時間を、前記所定遅延時間及び所定エコー長時間の各々に維持するステップであることを特徴とする請求項6記載のエコー除去方法。
  8. 通話路の一端から入る受信音声信号が前記通話路の他端から入る送信音声信号に重畳されるエコー信号を除去するエコーキャンセラであって、
    前記受信音声信号及び前記送信音声信号の各々の単位時間毎のエネルギー密度の変化に基づいて、前記エコー信号の遅延時間を判別する判別手段と、
    前記遅延時間を前記受信音声信号に挿入して遅延音声信号を得る遅延手段と、
    前記遅延音声信号から擬似エコー成分を生成する生成手段と、
    前記送信音声信号に対して前記擬似エコー成分の減算処理を施す減算処理手段と、
    を含むことを特徴とするエコーキャンセラ。
  9. IP電話通信をなす通話路に介在するIP電話中継装置であって、
    前記通話路の一端から入る受信音声信号が前記通話路の他端から入る送信音声信号に重畳されるエコー信号を除去するエコーキャンセラを含み、
    前記エコーキャンセラは、
    前記受信音声信号及び前記送信音声信号の各々の単位時間毎のエネルギー密度の変化に基づいて、前記エコー信号の遅延時間を判別する判別手段と、
    前記遅延時間を前記受信音声信号に挿入して遅延音声信号を得る遅延手段と、
    前記遅延音声信号から擬似エコー成分を生成する生成手段と、
    前記送信音声信号に対して前記擬似エコー成分の減算処理を施す減算処理手段と、
    を含むことを特徴とする電話中継装置。
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