JP4101317B2 - 適応識別とそれに関する適応エコーキャンセラのための方法と装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、適応システム識別およびそれに関する適応エコーキャンセラのための方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大量消費分野における遠隔通信の最近の急増は、特に自動車の無線通信において、これらのシステムの設計者が、快適な使用という観点から最適な技術的解決を行うことを喚起している。
これに関して、産業上の研究開発チームは、適応システム識別の問題にしばしば直面している。これらの問題の中でも、自動車での無線通信の枠内で、伝播チャネルの均等化と、手で持つ必要のない無線電話のための音響エコーのキャンセルの問題が言及されよう。
【0003】
システム識別のこれらの問題は、適応識別方法を組み込んでいる信号処理技術を使用することによってしばしば解決されている。しかしながら、現在に至るまで、これらの装置のどれ一つとして、環境雑音の条件に合わせて自動的に調節することを可能にしてはいない。
システム識別のこのような適応技術の使用は、達成された性能とそれに関連した制御パラメータの選択との間の強い相関関係に存在する大きな欠点を持っている。この選択は、これらの装置が使用されている環境が、例えば、自動車での無線通信の状況における音響エコーのキャンセルに関連してみられるように、時間の経過につれて変化する場合に、一層重要である。
【0004】
これらの装置は、時間形態における次の一般式 (S. Haykin の "Adaptive Filter Theory", Englewood Cliffs, N.J. Prentice-Hall, 1991 参照のこと)によって特徴づけられる識別アルゴリズムを実行する。すなわち、
【数11】
【数12】
ここで、<・,・>は、2つのベクトルのスカラー積を表し、HL,tは、瞬時tにおけるサイズLの識別フィルタのインパルス応答を表すベクトルであり、μtは、正規化された適応ステップサイズ (normalized adaptation stepsize) であり、XL,t=(xt,xt-1,・・・,xt-L+1)は、入力信号xtの最後のL個のサンプルから構成されるベクトルであり、ytは、観察信号 (observation signal) の現在のサンプルであり、etは、(演繹的)フィルタリング誤差であり、λtは、忘却因子 (forgetting factor) であり、f(・)は、これらの種々のアルゴリズムを見分けることを可能にする関数である。
【0005】
忘却因子は、時間の経過によって滑らかにされる相関係数(これらの係数は識別アルゴリズムに固有である)を推定することを可能にしていることに留意する必要がある。NLMS(正規化された最小2乗平均 (Normalized Least Mean Squares) ,S. Haykin による上述の著作を参照のこと)アルゴリズムは、例えば、次の式によって特徴づけられる。すなわち、
【数13】
【数14】
この場合、‖・‖2は、ベクトルのノルムの2乗を表している。
【0006】
この式((1)および(2))は、時間的アルゴリズムを示すものであるが、ここに示された方法は、周波数基準のアルゴリズムに対しても等しく有効であるということが注意される。
さらに、いくつかのアルゴリズムは適応ステップサイズおよび/または忘却因子を使用する。すなわち、高速再帰的最小2乗 (FRLS; Fast Recursive Least Squares) アルゴリズム(S. Haykin による上述の著作を参照のこと)は、忘却因子のみを使用するのに対して、傾斜型のアルゴリズム(S. Haykin による上述の著作を参照のこと)と、射影型のアルゴリズム(K. Ozeki と T. Umeda による論文“An Adaptive Algorithm Using an Orthogonal Projection to an Affine Subspace and Its Properties”, Electronics and Communications in Japan, vol. 67-A, no. 5, pp. 19-27, 1984を参照のこと)とは、適応ステップサイズを使用するとともに、ときどき忘却因子を使用する。
【0007】
前に述べたように、これらのアルゴリズムの性能(収束の速度、非定常性を追跡する能力、収束後の不適合)は、大きさλtおよびμtの選択に密接に関係している。これらは、一般に、処理される信号の性質と、所望の適用先の観察雑音特性のレベルとに依存して調節される。従って、雑音に強く影響された信号の場合には、雑音に対するこれらのアルゴリズムの強さを高めるために、適応ステップサイズを0に非常に近くし、忘却因子を1に非常に近くすることが勧められる。一方、雑音に弱く影響された信号の場合、1に近い適応ステップサイズは、識別アルゴリズムの最適解への収束率を早めることを可能にする。
【0008】
より一般的には、時間の経過によって雑音レベルが変化する適用(実際によく遭遇する特定の場合)において、これらのパラメータの設定は扱いにくいものとなり、その設定は、しばしば最も不利な条件を考慮することによって実行される。このように、手で持つ必要のない無線電話のための音響エコーキャンセルの枠内で、これらパラメータの大きさは、困難な条件(高速、開放窓など)下での満足のいく動作を獲得できるように調節される。しかしながら、これらの設定は、より不利でない条件(例えば、音響エコーキャンセルに関しては停止している車両)下において当該アルゴリズムの性能を制限するという点に注意することが重要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
識別アルゴリズムの制御パラメータの設定におけるこうした困難のために、この方法は、開発時間の点で大きなコストを生じさせる。この高いコストに対抗するするために、観察雑音の特性における変化を考慮に入れた、適応ステップサイズと忘却因子の式の作成に対する研究が開始されている。可変制御パラメータに関する文献中に示された情報は、以下の異なる2つの形式の解法を可能にする。
【0010】
1. 適応ステップサイズの集合{μt}は、時間経過に関する再帰的な方法で定義されており、すなわち、μtは、N次の再帰(反復)に対するμt-1,・・・,μt-Nの関数として計算される。初期設定値は、一般に、観察信号のパワーに関連づけられており、それらは、明確には雑音状態を考慮に入れていない。このタイプの例は、D.T.M. Slock による論文(“On the Convergence behavior of the LMS and the Normalized LMS Algorithms”, IEEE Tran. on Signal Processing, vol. 41, No.9, pp.2811-2825, September 1993.)の中に示されている。
【0011】
2. 適応ステップサイズは可変であり、一般に残余誤差の短期間のパワーに依存する。この誤差は、それが本来の識別誤差と観察雑音との合計によって与えられる限りにおいて、環境雑音(ambient noise)という概念を導入する。それにもかかわらず、この適応ステップサイズは、観察雑音の相対的有意性と識別誤差の相対的有意性との間を区別することを可能にはしない。このタイプの例は、H. Perez Meana 等による論文(“A Time Varying Step Size Normalized LMS Echo Canceller Algorithm”, Proc. of EUSIPCO-94, pp. II-249 - II-252, Edinburgh, Scotland, September 1994) の中に示されている。
このように、上述された問題に対する満足のいく解決は、既存文献中には見出されていない。本発明の目的は、これら問題に対する満足のいく解決を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明は、入力信号に対するシステムの応答を推定する適応識別方法であって、一方で前記入力信号を、他方で、その一成分が前記入力信号に対する前記応答である観察信号を受け取り、前記システムの応答を表す有限インパルス応答を有する識別フィルタによってフィルタにかけられた前記入力信号を前記観察信号から減算することによって誤差信号を決定し、前記入力信号、前記誤差信号、および、適応ステップサイズを考慮に入れることによって前記識別フィルタの係数を適応させる各過程を有し、前記適応ステップサイズの値μtは、
【数15】
に従って変化され、この場合、a,cおよびdは正の定数を示し、P1tは当該瞬時における前記入力信号のパワーの推定量を示し、P2tは当該瞬時における前記観察信号あるいは前記観察信号の外乱成分のパワーの推定量を示すことを特徴とする適応識別方法を提供する。
【0013】
式(3)は、そのシステムがさらされる雑音状態に対し、自動的に適応ステップサイズμtを調節することを可能にさせる。
雑音が付加(追加)的なものであると仮定すると、観察信号は、識別されるべきシステムからの出力信号と観察雑音との合計によって与えられる。
P2tが観察信号のパワーであるならば、雑音あるいは外乱のパワーが入力信号のパワーに比較して(それ故、出力信号のパワーと比較され)小さいとき、式(3)はa/(c+dγ)に近い値を獲得するのを可能にするが、ここで、γは、識別されるべきシステムの伝達関数の絶対値(modulus)2乗に対する上方限界である。逆に、雑音レベルが著しくなる程、式(3)は0により近い値となる(著しい雑音がある場合、識別フィルタは弱く適応されるべきである)。
一方、P2tが外乱成分のパワーであるならば、式(3)は、雑音あるいは外乱のパワーが入力信号のパワーに比較して小さいときはa/cに近いμtの値を与え、雑音レベルが著しいときには0に近い値を与える。
【0014】
実際には、定数a,cおよびdは、適応ステップサイズの変化の範囲が、用いられるアルゴリズムの安定性の範囲に対応するように選択される。例えば、ホワイトノイズに対してNLMSを使用する場合、識別されるべきシステムの入力信号のパワーと比較して観察雑音のパワーが小さいときは、a=cの選択は、1(この場合の収束に対する最適値)に近い適応ステップサイズの獲得を可能にする。
【0015】
用いられる適応アルゴリズムが忘却因子(forgetting factor)を考慮に入れるとき、本発明により、
【数16】
に従って、この忘却因子λtを変化させることが可能でもあり、この場合、μtは、可変適応ステップサイズを示し、αLは正の定数を示している。
【0016】
また、適応アルゴリズムがはっきりと適応ステップサイズを考慮に入れずに、忘却因子λtのみを考慮に入れるときには、忘却因子は、式(3)および(4)の結合に対応する関係、すなわち、
【数17】
に従って変化される値を持つことができる。
さらに、式(4)あるいは(5)は、観察雑音の状態に対するアルゴリズムの忘却因子λtを自動的に調節するのを可能にする。
【0017】
このように、この忘却因子は、雑音パワーが入力信号のパワーに比較して低いとき、[1−a/(c+dγ)αL](あるいは、[1−a/cαL])に向かい、逆に雑音レベルが大きくなると1に向かう。この後者の局面は、著しい雑音がある場合の短期エネルギ推定器(short-term energy estimator)の信頼性の欠如と、これ故の、長期の情報を利用するための、これらの推定器のメモリの増加の必要性とによって説明することができる。
【0018】
本発明の第2の態様は、入力信号が印加されるシステムの適応識別のための装置であって、
・前記入力信号を受け取る第1の入力部と、
・観察信号を受け取る第2の入力部であり、前記観察信号の成分が前記入力信号に対する前記システムの応答である、第2の入力部と、
・前記システムの応答を表す有限インパルス応答を有する識別フィルタと、
・前記識別フィルタによってフィルタにかけられた前記入力信号を前記観察信号から減算することにより誤差信号を生成する減算器と、
・前記入力信号、前記誤差信号、および、適応ステップサイズおよび/または忘却因子の関数として、前記識別フィルタの係数を適応させる手段と、
・前記入力信号のパワーを推定する第1の手段と、
・前記観察信号あるいは前記観察信号の外乱成分のパワーを推定する第2の手段と、
・前記適応手段に与えられる前記適応ステップサイズおよび/または忘却因子を計算する手段とを具備するものである。
【0019】
もしも、前記適応が適応ステップサイズμtを要求するならば、適応ステップサイズμtは上述の式(3)に従って変化する。もしも、前記適応が忘却因子λtを要求するならば、忘却因子λtは上述の式(4)あるいは(5)に従って変化する。
このような装置は、特に、適応エコーキャンセラの一部を形成しうる。適応エコーキャンセラは、前方信号のエコー成分を帰還信号から取り除く。適応識別装置の第1の入力部が前方信号を入力信号として受け取るのに対して、第2の入力部は帰還信号を受け取る。誤差信号は、エコーキャンセラからの出力信号を構成する。
【0020】
さらにまた、費用の抑制によって、エコーキャンセラの設計者は、適応識別アルゴリズムよりも複雑でないゲイン変更アルゴリズムの設計に努力を集中させることをしばしば強いられる。しかしながら、現在まで、ゲイン変更を行う装置はどれも、音声活性度を検出する機構を用いることなしに周りの雑音状況に合わせて自動的に調節することを可能にしていない。
【0021】
可変ゲインエコーキャンセラにおいて、受信ゲインは、スピーカ(エコー発生システムの入力)に印加される(乗じられる)前に、前方信号に印加され、伝送ゲインは、帰還信号を形成するために、マイクロフォンによって得られた信号(エコー発生システムの出力)に印加される。
受信音声活性(度)検出器(reception voice activity detector; RVAD)と、伝送音声活性(度)検出器(transmission voice activity detector; TVAD)と、同様に重複音声検出器(double speech detector; DSD)とは、伝送および受信ゲインを計算するモジュールに必要な情報を提供する。
【0022】
このように、遠くの話者(distant speaker)が話しているとき(RVADによる検出)、伝送ゲインは、エコーを減衰するために低減される。近辺の話者(local speaker)が話す順になると(TVADによる検出)、伝送ゲインに対するこの抑制はゆるめられ、受信ゲインが低減される。重複音声(重複通話)の場合(両方の話者が同時に話している;DSDによって検出される現象)においては、比較器がレベルが最も高い話者を決定し、その話者の伝送方向を有利にするか、さもなければ、伝送および受信ゲインの中間のセッティングが確立される。
【0023】
これら従来の方法は、以下の3つの重要な状況において役に立たない。
(1) 強い結合をもった端末に対し、要求されたゲインの変化は、会話をほとんど交互型(alternate-type)にする。この潜在的な交互性は、言葉の始めと終わりの切り欠いてしまう可能性があり、会話の明瞭性を相当に損なわせる。
(2) 強く雑音に影響された環境(例えば自動車関連)においては、比較器は、伝送を一方方向に固定したままになり、通信を一方通行にしてしまう。そのような環境において、遠方の話者は、さらに、雑音レベルの著しい変化に気づき、快適な受話が著しく損なわれる可能性がある。
(3) 音声活性検出器および重複音声装置は、特に、強く雑音に影響された状況では、完全な信頼性を示さない。そのような信頼性の無さは、誤りの多いゲイン計算に通じ、会話の品質を低減させることがある。
【0024】
本発明のもう一つの目的は、ゲインの適応変化に基づくエコー抑圧方法を提案し、性能改良と複雑さの低減を実現させることである。
すなわち、本発明は、帰還信号において、前方信号のエコー成分を減衰させるエコーキャンセルの方法であって、エコー発生システムに送られる入力信号を生成するように、前記前方信号に受信ゲインを乗じ、前記帰還信号を生成するように、エコー発生システムから発生する観察信号に伝送ゲインを乗じる各過程を有する方法を提供する。この発明によれば、受信および伝送ゲインは、前記前方信号あるいは前記入力信号のパワーの推定量P1tが予め定められた閾値よりも大きい瞬時において、下式
【数18】
で計算される適応変数μtに基づいて決定され、この場合、a,cおよびdは正の定数を示し、P2tは当該瞬時における前記観察信号あるいは前記帰還信号のパワーの推定量を示す。
【0025】
適応変数μtは、ゲインの値を決定するために、音声、エコー、雑音条件を適切な方法で考慮に入れる。もしも、パワーP1tが閾値よりも小さいならば、通常著しいエコー信号は存在せず、変数μtはゼロであることが可能である。単純なエコーの状態において、観察信号のパワーは、”M”がエコー発生システムの伝達関数の絶対値2乗の上方限界である場合に、入力信号のパワーのM倍よりも少ない。この場合、変数μtは、その最大値a/(b+c・M)に近い。エコー、雑音および局所的音声(重複通話)が存在する場合、パワーP2tはパワーP1tよりも大きく、あるいは、ずっと大きくなり、したがって、μtは0に向かう。
このように、この適応変数μtを考慮に入れることは、適応ゲインの原理に基づく公知のエコーキャンセラを複雑にするところの音声活性度および重複音声検出器を無しで済ますことを可能にする。
【0026】
好ましくは、前記受信ゲインGrtおよび前記伝送ゲインGttは、下記の形、すなわち、
【数19】
で再帰的に決定され、この場合、Gtt-1は前の計算の瞬時における伝送ゲインの値を表し、f(μt)は適応変数μtの減少関数を表し、γとδは1より小さい正の定数を表す。
このように、伝送および受信ゲインは忘却因子γによって平滑化され、このことは、システムの反応性を制御することを可能にする。さらに、このことは、言葉の始めと終わりとを切り取ってしまう危険を低減するのに寄与する。
【0027】
本発明のもう一つの側面は、帰還信号における前方信号のエコー成分を減衰させるエコーキャンセラであって、前記前方信号に受信ゲインを乗じ、エコー発生システムに送られる入力信号を生成する第1のゲイン適用手段と、前記エコー発生システムから発生する観察信号に伝送ゲインを乗じ、前記帰還信号を生成する第2のゲイン適用手段とを有し、さらに、前記前方信号あるいは入力信号のパワーの推定量P1tが予め定められた閾値よりも大きい瞬時において、下式、
【数20】
で計算される適応変数μtに基づいて前記受信および伝送ゲインを決定する計算手段を有し、この場合、a,cおよびdは正の定数を示し、P2tは当該瞬時における前記観察信号あるいは前記帰還信号のパワーの推定量を示すことを特徴とするものである。
【0028】
本発明の他の特徴および有利な点は、付属の図面を参照した、以下の実施形態についての記載から明かとなろうが、これら実施形態は、好適かつ非限定なものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、時間的に変化する時変信号xtが印加されるところの、識別されるべきシステム10を示している。入力信号xtに対するシステム10の応答は、ztで表される。応答ztの測定には、観察雑音と呼ばれる外乱成分btの付加が必須である。この観察雑音btは、正確に言えば雑音(例えば、ホワイトノイズあるいはロードノイズ(road noise) )を有しても良いが、さらに多少の有用な信号を有しても良い。成分btは、それが応答ztの観察を乱すかぎりにおいて観察雑音と呼ばれる。図において、加算器12は、付加的であるという仮定のもとでの、応答ztに対する外乱成分btの追加を示している。測定される観察信号ytは、従って、識別されるべきシステム10と加算器12とを包含する実際のシステム14の応答である。
【0030】
適応識別装置16は、第1の入力(部)E1上に入力信号xtを受け取り、第2の入力(部)E2上に観察信号ytを受け取る。信号xtとytとは、表示されていない従来型の要素により、装置16の入力において、増幅、フィルタリング、デジタル化される。
適応識別装置16は、有限インパルス応答をするプログラマブルフィルタからなる識別フィルタ18を含んでいる。識別フィルタ18の係数は、識別されるべきシステム10の応答をこのフィルタが表すように、適応される。フィルタ18は、デジタル化された入力信号xtを受け取り、システム10の応答ztの推定量Λzt(ここで、Λは、推定を表す記号とする)を出力する。
【0031】
減算器20は、誤差信号etをもたらすために、デジタル化された観察信号ytからこの推定量Λztを減算する。この誤差信号etは、外乱成分btの推定量とみなすことができる。
識別フィルタを更新するユニット22は、入力信号xtおよび誤差信号etに基づいて、フィルタ18の係数を適応させる。その適応のために、ユニット22は、適応ステップサイズμt、および/または忘却因子λtを考慮に入れる。本発明によれば、適応ステップサイズμtと(採用する場合の)忘却因子λtとは、入力信号および観察信号の関数として変化し得る。
【0032】
適応識別装置16は、入力信号xtのパワー(電力)の推定量P1tを計算するユニット24と、観察信号ytのパワー(電力)、あるいは、観察システムytの外乱成分btのパワー(電力)のいずれかの推定量P2tを計算するユニット26とを含んでいる。ユニット28は、パワー推定量P1tとP2tの関数として、適応ステップサイズμtと、(適宜)忘却因子λtとを計算し、それらを識別フィルタ更新ユニット22に出力する。適応ステップサイズμtは、以下の式によって計算される。すなわち、
【数21】
ここで、a,cおよびdは、正の定数を示している。
【0033】
もしも、ユニット22によって実行された更新アルゴリズムが忘却因子λtを要求するならば、該因子は、以下の式に従ってユニット28によって計算される。すなわち、
【数22】
この場合、αLは、用いられた識別フィルタ18のインパルス応答の、サンプル数で表される、係数αと長さLとの積に等しい正の定数を示している。
【0034】
識別フィルタ更新ユニット22は、例えば、その式(1)および(2’)が導入部で示されたところの、正規化された最小2乗平均アルゴリズム(NLMS)を実行する。使用可能な適応アルゴリズムのもう一つの例は、2次のアフィン射影アルゴリズム(APA)であり、その式は、すなわち、
【数23】
【数24】
【0035】
さらに、可変の適応ステップサイズおよび/または可変の忘却因子は、ユニット22によって実行できる他の種々の適応アルゴリズムとともに用いることができる。
忘却因子λtは、それが用いられるとき、例えば2次のAPAアルゴリズムの場合の式(6)において与えられるもののようなスカラー積の計算に一般に役立つ。次にスカラー積は、忘却因子の値によって特徴づけられた指数(関数)型の窓(exponential window)にわたって再帰的に計算される。すなわち、
【数25】
あるいは、
【数26】
および、
【数27】
あるいは、
【数28】
【0036】
さらに、式(9)あるいは(9’)は、NLMSアルゴリズムの場合に、
‖XL,t‖2(式(2’))を計算するために用いることができる。可変忘却因子λtを計算するのに役立つ係数αの値は、用いられる適応アルゴリズムに依存する。値α=1は、勾配型(gradient)アルゴリズムあるいは射影型(projection)アルゴリズムに対して一般に適し、一方α=3は、FRLS型アルゴリズムに適している。
【0037】
可変忘却因子λt(α=3で式(5)によって定義される)のみを実行する適応アルゴリズムの例は、次の式(10)から(15)によって与えられる指数(関数)型”忘却”を伴うRLS(再帰的最小2乗:recursive least squares)アルゴリズムである。すなわち、
・初期設定:
【数29】
ここで、cは正の実数であり、ILは、L×Lの大きさの単位行列である。
【0038】
・xtおよびytの取得、xtの格納
・カルマン (Kalman) ゲインの計算
−−中間ベクトルKL,tと中間スカラーkL,tの計算
【数30】
【数31】
−−カルマンゲインの計算
【数32】
【0039】
・自己相関マトリックスの逆マトリックスの更新
【数33】
・フィルタリング
【数34】
・適応
【数35】
【0040】
上では、時間的アルゴリズムを参照したが、本発明は、周波数領域のアルゴリズム、すなわち、信号が周波数領域に変換され(例えば、フーリエ変換により)、プログラマブルフィルタによって周波数領域でフィルタにかけられ、次に、逆フーリエ変換によって時間領域に戻されるものにも同様に適用可能である。この場合、入力信号xtは、フーリエ変換あるいは副帯(sub-band)フィルタリングによって獲得される、元の信号の周波数成分に対応し、パワーP1t,P2tは対応するパワーを表す。このように獲得された係数μtおよび/またはλtは、種々の周波数成分に関して一般的に異なるということが留意される。
【0041】
図2は、図1を参照して記載されたタイプの適応識別装置16を組み込んでいる適応エコーキャンセラを示している。このエコーキャンセラは、手で持つ必要のない(ハンド・フリー)電話装置に関するものである。入力信号xtは、このハンド・フリー装置のスピーカ(拡声器)11に指向された前方信号である。観察信号ytは、このハンド・フリー装置のマイクロフォン13によって集められた帰還信号である。この観察信号ytは、前記前方信号のエコーである成分ztと、雑音とスピーカによって伝達された音声とを包む可能性のある外乱成分btとを包含している。識別されるべきシステムは、エコーパスあるいはスピーカ11とマイクロフォン13との間のパスから構成されている。
【0042】
適応エコーキャンセラに対する適用において、適応識別システム16は、前方信号xtが音声的に活性であるか不活性であるかを示す音声活性(度)検出器30(voice activity detector)を含んでいる。そのような音声活性検出器は、従来、エコーキャンセラの中に用いられている。ユニット22は、前進信号xtが音声活性を保証するときにのみ、識別フィルタ18を更新する。
入力信号xtのパワーP1tを推定するために、ユニット24は、時定数が大きさγ=1−1/Lに関連する、指数(関数)型窓(exponential window)を用いる。
【数36】
あるいは、
【数37】
ここで、xtは、瞬時tにおける入力信号のサンプルを表す。
【0043】
同じ指数型窓が、推定量P2tを計算するために、ユニット26によって使用され得る。P2tが観察信号のパワーの推定量を表すならば、このパワーは、次のように与えられる。
【数38】
あるいは、
【数39】
この場合、ytは、瞬時tにおける帰還信号のサンプルである。
もしも、推定P2tが観察信号の外乱成分のパワーを表すならば、ユニット26は、同じ式(17)あるいは(17’)を実行するが、その実行は、音声活性検出器30が、前方信号が音声的に不活性であるということを示している瞬時においてのみ行われる。
【0044】
上述のエコーキャンセラは、重複音声現象(局所的な音声がエコー信号に重畳される場合)に対して比較的強力であるという有利さを持っている。重複音声状態は、パワー推定量P2tが増加することにつながり、これ故に、適応ステップサイズμtの値が低減されることにつながる。このように、適応ステップサイズμtの自動的な調整は、特にこういった重複音声状態の検出を不可欠とすることなく、重複音声状態における適応の重要性を制限することを可能にする。研究室の試験において、重複音声状態における本エコーキャンセラの良い性能が確認されている。
【0045】
実際のところ、このエコーキャンセラは、通常のように、特定の信号処理装置(シグナル・プロセッサ、DSP)をプログラムすることにより製作可能である。さらにそれは、この用途に専用の特定用途向け集積回路(ASIC)によって製造してもよい。
発明者達は、エコーキャンセラにおける本発明による適応識別方法によってもたらされた性能の改良を確認することができた。例えば、観察信号の外乱成分のパワーを表すP2t、および、8kHzのサンプリング周波数に対するパラメータa=c=20,d=L=256の選択とともに、関係式(3)および(4)に従って適応ステップサイズμtおよび忘却因子λtを変化させることによって、2次のAPAアルゴリズムが、特に強い周囲雑音があるときに、固定の適応ステップサイズを用いる同じアルゴリズムと比較して、エコーの減衰の著しい増加を与える(ERLE:“Echo Return Loss Enhancement”)ということを観察できる
。
【0046】
さらに、発明者達は、重複音声状態において得られたエコーキャンセラの動作に対する外乱は、固定の適応ステップサイズを使用した場合よりも少ないということを確認した。このことは、例えば、観察信号のパワーを表すP2t、および、8kHzのサンプリング周波数に対するパラメータa=2.5,c=10,d=80,L=256の選択とともに、関係式(3)および(4)に従って適応ステップサイズμtと忘却因子λtとを変化させることによる、2次のAPAアルゴリズムにおいて観察される。
【0047】
本発明による適応識別のための方法および装置は、雑音に影響された環境における適応識別システムの性能の改良を可能にする。ここに示された技術は、雑音の特徴が時間とともに変化する環境における、これらのシステムの制御のためのパラメータの選択によってしばしば持ち出される問題を解決する。実際にしばしば遭遇するこれらの環境の中でも、窓が開いているときあるいは閉じられているとき、あるいは反対方向に進む車両とすれ違うときに、車両の内部で検知される雑音レベルの変化が挙げられる。
【0048】
このパラメータの選択は、現在に至るまで、最も不利な条件を考慮することによって研究室で経験的に実行されていたということに留意することが重要である。本発明は、これらの同じパラメータが、遭遇した雑音条件の関数として、自動的かつ適応的に調節されるという点において相当の進歩をなす。
さらに、この装置は、重複音声状態におけるこれらの識別システムの性能を著しく向上させるのを可能にし、これらの識別システムに接続された制御機構を相当に簡略化している。
【0049】
さらに、本発明による適応識別に対する方法および装置は、自動車での無線通信の関連における音響エコーキャンセルに対する用途において記載されたが、それらは任意の識別システムにおいても同様に用いることができる(伝播チャネルの均一化、電話技術のための電気的なエコーのキャンセル、製造管理のための自動工程制御など)。
上述された本発明の複数の用途分野は、それの主たる利点、すなわち、自動的かつ適応的な装置を通して獲得される適応識別に対するシステムの性能における非常に著しい改良、および、時間とともに雑音特性が変化する環境における改良を非常に高めることができる。
【0050】
図3は、例えばハンド・フリー電話装置からなるところの、本発明を実行するもう一つの装置を示している。この装置は、それぞれ前方信号と帰還信号と呼ばれるデジタル信号xt,y'tを送受信すると考えられ、図1および2を参照して採用された記号が以下で与えられる(アナログ通信の場合、信号xtおよびy't(添字tは連続するサンプリング瞬時t=0,1,2,・・・を示す)がデジタル形式で得られるように適切な変換器が備えられる)。
【0051】
ここに示された例において、上記ハンド・フリー装置は、エコー発生システム14の一部を形成するスピーカ11とマイクロフォン13とを含んでいる。
入力信号x'tは、乗算器66により、前方信号xtに受信ゲインGrtを印加することによって獲得される。入力信号x'tは、変換器(DAC)68によってアナログに変換され、スピーカ11に加える前に増幅される。
【0052】
マイクロフォン13によって得られた信号は、スピーカ11によって出力された信号から発生するエコー成分ztと、雑音および/または有用な信号(局所スピーカの音声)を含む可能性のある局所発生的成分btとを一般に有する。マイクロフォン13からのこの信号は増幅され、デジタル観察信号ytを生成するために変換器(ADC)70によってデジタル化される。
【0053】
伝送ゲインGttは、帰還信号y'tを生成するために、乗算器72によって観察信号ytに印加される。
受信ゲインと伝送ゲインとを決定するために、エコーキャンセラは、瞬時パワーを推定するための2つのユニット74,76と、適応変数μtを計算するためのユニット78と、ゲインを計算するためのユニット80とを有している。図3に示される装置の場合、ユニット74によって計算された推定量P1tは、入力信号x'tのパワーの推定であり、ユニット76によって計算された推定量P2tは、観察信号ytのパワーの推定である。
【0054】
瞬時tにおける入力信号x'tのパワーP1tを推定するために、ユニット74は、時定数がλ1(0≦λ1<1)で示される指数型窓を用いる。すなわち、
【数40】
あるいは、
【数41】
この場合、x'tは、瞬時tにおける入力信号のサンプルを表す。
【0055】
同じ型の指数型窓を、推定P2tを計算するために、ユニット76によって用いることができる。P2tが観察信号ytのパワーの推定を表すならば、この推定は以下で与えられる。すなわち、
【数42】
あるいは、
【数43】
この場合、ytは、瞬時tおよび0≦λ2<1(λ2はλ1に等しいかまたは異なる)における入力信号のサンプルを表す。
【0056】
図4のステップ50は、ユニット74および76によって実行される動作を表している(式(18’)および(19’)の場合)。
ユニット78は、推定量P1tおよびP2tに基づいて、ゲインの値を決定するために用いられる適応変数μtを計算する。このように、ユニット78は、図4に示されたステップ51から53までを実行する。それは、先ず、パワー推定量P1tがある閾値T(固定であっても適応性を有するものであってもよい)よりも大きいか否かを決定する。もしも、P1t>Tであれば、適応変数μtは、0に等しくされる。さもなければ、次に従って計算される。すなわち、
【数44】
この場合、a,cおよびdは、正の定数を示す。
【0057】
次に、ユニット80は、変数μtの関数として、乗算器66,72に与えられるゲインGrtおよびGttを計算する。最初の段階では、ユニット80は、適応変数μtの減少関数f(μt)の形で大きさfを計算する。図4に示された例において(ステップ54から58まで)、この関数f(μt)は、適応変数μtが第1の閾値T1よりも小さい場合は1に等しく、適応変数μtが第2の閾値T2よりも大きい場合は、β(1−α・μt)に等しく、適応変数μtが第1,第2の閾値T1,T2の間にある場合は、1−α・μtに等しい。
パラメータαおよびβは、正の定数である。閾値T1およびT2は、固定であっても適応性を有するものであってもよい。定数βは、一般的に1より小さく、変数μtの小さな値を強調することを可能にし、このことは、パラメータa,cおよびdの選択におけるより大きな柔軟性を可能にしている。
【0058】
指数型窓は、次に、以前に計算された大きさfが時間的に平滑化される形式で、伝送ゲインGttを計算することを可能にする。従って、ステップ59において、ユニット80は、下記の形で瞬時tにおける伝送ゲインGttを計算する。すなわち、
【数45】
この場合、γは、0と1との間の忘却因子である。
さらに、瞬時tにおける受信ゲインGrtは、下記の式により計算される。すなわち、
【数46】
ここで、δは、0と1との間の定数である。
【0059】
上述の計算モードに関して、受信ゲインと伝送ゲインとは、音響エコーのエネルギに直接関連づけられており、このことは、適応方法においてエコーを減衰させること、および、言葉の始めと終わりを切り取ってしまう危険を低減させることを可能にする。
さらにまた、伝送ゲインGttの変化の範囲は、雑音レベルの減少関数となっており、このことは、離れた位置のスピーカにより喚起される雑音レベルの突然の変動の危険を相当に低減することを可能にする。
【0060】
これらの有利点は、それらが音声活性検出器あるいは重複音声検出器に頼ることなく得られたということと、知られているエコーキャンセラにおいては、それらは複雑で、時には信頼性が不十分な要素であるということに留意されよう。
実際には、本発明による適応ゲインをもったエコーキャンセラは、通常のように、特定の信号処理装置(DSP)をプログラムすることにより作製することができる。さらに、この用途に専用の特定用途向け集積回路(ASIC)によっても製造することができる。
【0061】
もちろん、音声ピックアップが幾つかのマイクロフォンを使用する場合、および/または、音声再生が幾つかのスピーカを使用する場合は、パワーが推定される“入力信号”および“観察信号”は、マイクロフォンによって測定された信号、あるいは、スピーカに向けられた信号の線形的な組み合わせから構成される。
さらに、用いられる定数を適切に調整することによって、図3の点線の矢印によって示されるように、ユニット74によって計算された推定量P1tは、入力信号x'tのパワーよりもむしろ前方信号xtのパワーに一致することが可能であり、ユニット76によって計算された推定量P2tは、観察信号ytのパワーよりもむしろ帰還信号y'tのパワーに一致することが可能である。
【0062】
【実施例】
本発明者達は、本発明によるゲインをエコーキャンセラに適用する方法の良い性能を確認することができた。例証によれば、その方法は、無音および雑音においてのみエコーのみがある場合、および重複音声がある場合に良い性能を示し、次の数値が得られた。すなわち、以下のようである。
・種々のデジタル信号が、8kHzにおいて16ビットでサンプリングされる
・λ1=0.9375、およびλ2=0.9961(ステップ50)
・T=100,000(ステップ51)
・a=1,c=2およびd=4(ステップ53)
・α=2,β=0.1,T1=0.2,およびT2=0.25(ステップ54から58まで)
・γ=0.9375およびδ=0(ステップ59)
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による適応識別のための装置の構成図である。
【図2】 本発明による適応エコーキャンセラの構成図である。
【図3】 本発明によるエコーキャンセラのもう一つの実施形態の構成図である。
【図4】 本発明に従ってゲインを適応させる方法のフローチャートである。
【符号の説明】
10 識別されるべきシステム
11 スピーカ
12 加算器
13 マイクロフォン
14 エコー発生システム
16 適応識別装置
18 識別フィルタ
20 減算器
22,24,26,28,74,76,78,80 ユニット
30 音声活性検出器
50〜59 (フローチャートの)ステップ
66 乗算器
68,70 変換器
72 乗算器
Claims (5)
- 入力信号(xt)が印加されるシステム(10)の適応識別のための装置であって、
前記入力信号を受け取る第1の入力部(E1)と、
観察信号(yt)を受け取る第2の入力部(E2)であり、前記観察信号の成分が前記入力信号に対する前記システムの応答である、第2の入力部と、
前記システムの応答を表す有限インパルス応答を有する識別フィルタ(18)と、
前記識別フィルタによってフィルタにかけられた前記入力信号を前記観察信号から減算することにより誤差信号(et)を生成する減算器(20)と、
前記入力信号、前記誤差信号、および、適応ステップサイズの関数として前記識別フィルタの係数を適応させる手段(22)とを有し、
前記入力信号のパワー(P1t)を推定する第1の手段(24)と、
前記観察信号のパワー(P2t)を推定する第2の手段(26)と、
前記適応手段(22)に与えられる前記適応ステップサイズであって、下記の式、
この場合、a,cおよびdは正の定数を示し、P1tは第1の推定手段(24)によって与えられるパワー推定量であり、P2tは第2の推定手段(26)によって与えられるパワー推定量であることを特徴とする適応識別装置。 - 入力信号(xt)が印加されるシステム(10)の適応識別のための装置であって、
前記入力信号を受け取る第1の入力部(E1)と、
観察信号(yt)を受け取る第2の入力部(E2)であり、前記観察信号の成分が前記入力信号に対する前記システムの応答である、第2の入力部と、
前記システムの応答を表す有限インパルス応答を有する識別フィルタ(18)と、
前記識別フィルタによってフィルタにかけられた前記入力信号を前記観察信号から減算することにより誤差信号(et)を生成する減算器(20)と、
前記入力信号、前記誤差信号、および、忘却因子の関数として前記識別フィルタの係数を適応させる手段(22)とを有し、
前記入力信号のパワー(P1t)を推定する第1の手段(24)と、
前記観察信号のパワー(P2t)を推定する第2の手段(26)と、
前記適応手段(22)に与えられる前記忘却因子であって、下記の式、
この場合、a,c,dおよびαLは正の定数を示し、P1tは第1の推定手段(24)によって与えられるパワー推定量であり、P2tは第2の推定手段(26)によって与えられるパワー推定量であることを特徴とする適応識別装置。 - 帰還信号(yt)から前方信号(xt)のエコー成分を取り除く適応エコーキャンセラであって、
第1の入力部(E1)が入力信号として前記前方信号(xt)を受け取り、第2の入力部(E2)が観察信号として前記帰還信号(yt)を受け取る、請求項1または2のいずれか1項による識別装置(16)を有し、
前記誤差信号(et)がエコーキャンセラからの出力信号を構成することを特徴とする適応エコーキャンセラ。 - 帰還信号(y't)における前方信号(xt)のエコー成分を減衰させるエコーキャンセラであって、
前記前方信号に受信ゲイン(Grt)を乗じ、エコー発生システム(14)に送られる入力信号(x't)を生成する第1のゲイン適用手段(66)と、
前記エコー発生システムから発生する観察信号(yt)に伝送ゲイン(Gtt)を乗じ、前記帰還信号を生成する第2のゲイン適用手段(72)とを有し、
前記前方信号(xt)あるいは入力信号(x't)のパワーの推定量P1tが予め定められた閾値(T)よりも大きい瞬時において、下式、
この場合、a,cおよびdは正の定数を示し、P2tは当該瞬時における前記観察信号(yt)あるいは前記帰還信号(y't)のパワーの推定量を示し、
前記計算手段(80)は、下記の形、すなわち、
- 前記関数f(μt)は、前記適応変数μtが第1の閾値(T1)よりも小さい場合は1に等しく、前記適応変数μtが第2の閾値(T2)よりも大きい場合は、β(1−α・μt)に等しく、前記適応変数μtが前記第1および第2の閾値(T1,T2)の間にある場合は、1−α・μtに等しく、
前記第1の閾値は前記第2の閾値より小さく、前記パラメータα、βは、正の定数であることを特徴とする請求項4記載のエコーキャンセラ。
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