JP6389805B2 - 伝達系推定装置、その方法及びプログラム - Google Patents
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Description
従来の未知伝達系の推定技術として、入力信号の相関の影響を反映し、伝達系の特性(インパルス応答)の推定精度を改善する手法はあった。しかし、未知伝達系からの出力信号の観測時に混入する外乱信号の相関については考慮されていなかった。本実施形態では、特性ベクトルおよび観測出力信号の振幅値を確率変数とみなし、それらがガウス分布(正規分布)に従うとして、伝達特性の推定問題を分析する。これにより、外乱信号の相関の影響が、従来対角行列により与えられていた正則化行列の非対角要素に現れることを明らかにし、非対角要素に適切な相関係数を持たせた新たな推定技術を考案する。このような構成により、低周波ノイズや音声信号などの周期性や相関の高い性質を有する外乱信号混入時においても、精度高く未知伝達系の特性推定を可能とする。
従来技術による特性ベクトルの推定精度が、特に相関の高い外乱信号に対して劣化する原因を明らかにするため、K≧2の場合における(式10)の更新式の性質について、以下のように、特性ベクトルW(n)および観測出力信号の系列Y(n)の振幅値を確率変数とみなして分析する。
図1は本実施形態による伝達系推定装置200の機能ブロック図を、図2はその処理フローの例を示す。
出力推定部202は、入力信号x(n)を受け取り、後述するフィルタ係数保持部201からフィルタ係数を取り出す。なお、フィルタ係数は、未知伝達系1の伝達特性の推定値を要素として持つ特性ベクトルW(n)の各要素である。言い換えると、特性ベクトルは未知伝達系1の伝達特性の推定値をフィルタ係数として持つ。
残差算出部203は、外乱信号v(n)が含まれ得る未知伝達系1の出力信号である観測出力信号y(n)と、推定出力信号(の系列)D(n)とを受け取る。観測出力信号y(n)の系列Y(n)と推定出力信号(の系列)D(n)との差分である残差信号の系列R(n)を算出し(S203、(式9)参照)、出力する。
外乱分散共分散行列保持部204は、外乱信号の分散共分散行列の近似行列であって、非対角要素には外乱信号のサンプル間の相関に応じた値が現れる行列(以下、単に「外乱信号の分散共分散行列」または「行列」ともいう)A-1を保持する(S204)。
更新ベクトル算出部205は、入力信号x(n)と残差信号の系列R(n)とを受け取り、行列A-1を外乱分散共分散行列保持部204から取り出す。更新ベクトル算出部205は、行列A-1と、入力信号の系列X(n)と、残差信号の系列R(n)とを用いて、特性ベクトルW(n)に任意の更新候補ベクトルΔW^(n)を加えたベクトル(W(n)+ΔW^(n))と入力信号の系列X(n)とを用いて生成しうる推定出力候補信号の系列{XT(n)(W(n)+ΔW^(n))}を、観測出力信号の系列Y(n)から差し引いた場合に得られる想定残差信号の系列R^(n)が外乱信号の系列V(n)と一致する確率((式12)のp(Y|W)に相当する確率)と、任意の更新候補ベクトルΔW^(n)の生起確率((式12)のp(W)に相当する確率)と、の積((式12)のp(Y|W)p(W)に相当)が最大となるよう選定された更新候補ベクトルを更新ベクトルΔW(n)とし、選定された更新ベクトルΔW(n)を用いて、特性ベクトルW(n)を更新し(S205)、更新後の特性ベクトルW(n+1)を出力する。
フィルタ係数保持部201は、特性ベクトルW(n+1)を受け取り、特性ベクトルW(n+1)からなるフィルタ係数を保持する(S201)。
本実施形態によれば、未知伝達系の出力信号の観測時に重畳される外乱信号の相関の影響も考慮された未知伝達系の特性ベクトルの推定を可能とする。そのため、音響エコーキャンセラにおけるダブルトークのように、音声信号が外乱信号に相当する場合や、低周波騒音等の周期性や相関の強い外乱信号が混入する場合においても、精度高く未知の伝達特性を推定することが可能となる。その結果、エコーやハウリングの発生を抑え、快適なハンズフリー通話の提供などにつながる。
入力信号と出力信号とを、複数の周波数成分の信号に分割し、分割された周波数成分毎の信号に対して、本実施形態を適用し、分割された周波数成分毎の伝達特性を推定してもよい。
第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
更新ベクトル算出部305は、入力信号x(n)と残差信号の系列R(n)とを受け取り、行列A-1を外乱分散共分散行列保持部204から取り出す。更新ベクトル算出部305は、第一実施形態の場合と同様に、行列A-1と、入力信号の系列X(n)と、残差信号の系列R(n)とを用いて、想定残差信号の系列R^(n)が外乱信号の系列V(n)と一致する確率と、任意の更新候補ベクトルΔW^(n)の生起確率との積が最大となるよう選定された更新候補ベクトルを更新ベクトルΔW(n)とし、選定された更新ベクトルΔW(n)を用いて、特性ベクトルW(n)を更新し(図2のS305)、更新後の特性ベクトルW(n+1)を出力する。本実施形態では、後述のように、特性ベクトルW(n)の各要素の値が取りうる確率が、対角要素が互いに異なる値を取る対角行列に基づく分散共分散行列B-1により表される多次元正規分布に従うものとして扱うことにより、第一実施形態とは異なる更新ベクトルΔW(n)が選定される。更新ベクトルΔW(n)の二つの選定方法について説明する。
このような構成とすることで、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態では、各要素に重み付けすることができ、より柔軟に特性ベクトルを更新することができる。
本発明は上記の実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
また、上記の実施形態及び変形例で説明した各装置における各種の処理機能をコンピュータによって実現してもよい。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記各装置における各種の処理機能がコンピュータ上で実現される。
Claims (6)
- 推定対象の未知伝達系の伝達特性の推定値をフィルタ係数として持つ特性ベクトルと、前記未知伝達系の入力信号の系列とを用いて、前記未知伝達系の出力信号を推定し、その推定値である推定出力信号を得る出力推定部と、
外乱信号が含まれ得る前記未知伝達系の出力信号である観測出力信号と前記推定出力信号との差分である残差信号を算出する残差算出部と、
前記特性ベクトルに任意の更新候補ベクトルを加えたベクトルと前記入力信号の系列とを用いて生成しうる推定出力候補信号の系列を、前記観測出力信号の系列から差し引いた場合に得られる想定残差信号系列が前記外乱信号の系列と一致する確率と、前記任意の更新候補ベクトルの生起確率と、の積を最大とする更新候補ベクトルを更新ベクトルとして選定し、選定された前記更新ベクトルを用いて、前記特性ベクトルを更新する更新ベクトル算出部とを含み、
前記想定残差信号系列が前記外乱信号の系列と一致する確率は、前記外乱信号の系列の分散共分散行列の非対角項が非零の要素を取りうる多次元正規分布に依存し、前記任意の更新候補ベクトルの生起確率は、前記任意の更新候補ベクトルの分散共分散行列の非対角項が全て零となる多次元正規分布に依存する、
伝達系推定装置。 - 請求項1または2の伝達系推定装置であって、
(i) 前記任意の更新候補ベクトルの分散共分散行列の対角項の各要素は、互いに等しく、前記特性ベクトルの各要素の分散を全要素について平均した値として逐次算出され、
または、
(ii) 前記任意の更新候補ベクトルの分散共分散行列の対角項の各要素は、互いに等しく、予め固定値として与えられ、
離散時間のインデックスをn、特性ベクトルをW(n)、ステップサイズをμ、入力信号の系列をX(n)、前記任意の更新候補ベクトルの分散共分散行列の対角項の互いに等しい各要素の値を1/β、残差信号の系列をR(n)とし、前記更新ベクトル算出部は、
により、前記特性ベクトルW(n)を更新する、
伝達系推定装置。 - 出力推定部が、推定対象の未知伝達系の伝達特性の推定値をフィルタ係数として持つ特性ベクトルと、前記未知伝達系の入力信号の系列とを用いて、前記未知伝達系の出力信号を推定し、その推定値である推定出力信号を得る出力推定ステップと、
残差算出部が、外乱信号が含まれ得る前記未知伝達系の出力信号である観測出力信号と前記推定出力信号との差分である残差信号を算出する残差算出ステップと、
更新ベクトル算出部が、前記特性ベクトルに任意の更新候補ベクトルを加えたベクトルと前記入力信号の系列とを用いて生成しうる推定出力候補信号の系列を、前記観測出力信号の系列から差し引いた場合に得られる想定残差信号系列が前記外乱信号の系列と一致する確率と、前記任意の更新候補ベクトルの生起確率と、の積を最大とする更新候補ベクトルを更新ベクトルとして選定し、選定された前記更新ベクトルを用いて、前記特性ベクトルを更新する更新ベクトル算出ステップとを含み、
前記想定残差信号系列が前記外乱信号の系列と一致する確率は、前記外乱信号の系列の分散共分散行列の非対角項が非零の要素を取りうる多次元正規分布に依存し、前記任意の更新候補ベクトルの生起確率は、前記任意の更新候補ベクトルの分散共分散行列の非対角項が全て零となる多次元正規分布に依存する、
伝達系推定方法。 - 請求項1から請求項4の何れかに記載の伝達系推定装置として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
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