JP4110710B2 - 適応整相システム - Google Patents

適応整相システム Download PDF

Info

Publication number
JP4110710B2
JP4110710B2 JP2000161488A JP2000161488A JP4110710B2 JP 4110710 B2 JP4110710 B2 JP 4110710B2 JP 2000161488 A JP2000161488 A JP 2000161488A JP 2000161488 A JP2000161488 A JP 2000161488A JP 4110710 B2 JP4110710 B2 JP 4110710B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weighting factor
adaptive filter
phasing
adaptive
weighting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000161488A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001343441A (ja
Inventor
伸治 屋内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP2000161488A priority Critical patent/JP4110710B2/ja
Publication of JP2001343441A publication Critical patent/JP2001343441A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4110710B2 publication Critical patent/JP4110710B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソーナー等において、目標の方位等の推定のために、複数のセンサで構成されたセンサアレイを用い、干渉波を適応的に除去することによって、目標信号のみを抽出する適応整相システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の適応整相方法の一つとして、拘束マトリックス(Block Matrix)による適応整相システムがある。
【0003】
図6は従来の適応整相システムの適応整相器の第1構成例であり、1−1〜1−Nは音響センサに対応した入力端子、2は位相補償器、3は空間窓乗算器、4及び8は加算器、5は減算器、6はBM(Block Matrix)乗算器、7は適応フィルタ、9は出力端子、13は重み係数更新器である。
【0004】
適応整相システムとしては、周波数領域で実現した場合の適応整相システムと、時間領域で実現した場合の適応整相システムの2種類が考えられるが、ここでは周波数領域で実現した場合の適応整相システムを例にして述べる。
【0005】
まず、その適応整相システムの適応整相器の動作について説明する。
【0006】
N個のセンサアレイで受信された信号は、デジタル信号の時系列データとして入力され、フーリエ変換等の手法で複数の周波数ビンに分割される。図6の構成例はこの周波数ビン1ビンの適応整相処理を行う構成例となっている。
【0007】
位相補償器2は、入力端子1−1〜1−Nを通じて、N個のセンサアレイで受信した信号のフーリエ変換結果を取り込み、指定された整相方位θ1 の方向に対してN個のチャネルの位相を合わせるように、次式の位相補償を行い、その結果を空間窓乗算器3及びBM乗算器6に出力する。
【0008】
XBn(f,θ1 )=Xn(f)・exp{−j2πfτ(θ1 ,n)}
〔n=1,2,3,・・・,N〕 …(1)
τ(θ1 ,n)=<p(n),e(θ1 )>/c …(2)
ただし、
Xn(f):n番目のセンサの位相補償器への入力
XBn(f,θ1 ):n番目のセンサのθ1 方位への位相補償結果
p(n):n番目のセンサの音響中心からの位置ベクトル
e(θ1 ):整相方位θ1 への単位ベクトル
<a,b>:ベクトルaとベクトルbの内積
c:音速
f:処理する周波数ビンの中心周波数
空間窓乗算器3は位相補償器2から入力した位相補償結果に対して、各センサ毎にシェーディング係数a1〜aNをそれぞれ乗算し、その結果を、加算器4に出力する。
【0009】
加算器4は空間窓乗算器3から入力した各センサ毎のシェーディング結果に対して、加算処理を行うことにより、整相方位に最大感度を有するビームを形成し、その結果を減算器5に出力する。
【0010】
一方、BM乗算器6は位相補償器2から入力した位相補償結果に対して、次式に示すように拘束マトリックスを乗算することにより、整相方位に零感度を有するナル(NULL)整相出力をJビーム分作成し、その結果を、適応フィルタ7及び重み係数更新器13に出力する。
【0011】
【数1】
Figure 0004110710
【0012】
ただし、
XBn(f,θ1 ):n番目のセンサのθ1 方位への位相補償結果
Yj(f,θ1 ):θ1 方位に関するj番目のNULL整相出力
Bjn:j番目のNULLに対するn番目のセンサの拘束係数
ここで、拘束マトリックスの要素である拘束係数Bjnは、整相方位の感度を零にする条件である次式(4)を満足する限り、0次拘束、1次微係数拘束等、その他の任意の拘束をかけることができる。
【0013】
【数2】
Figure 0004110710
【0014】
適応フィルタ7は、BM乗算器6から整相方位に零感度を有するNULL整相出力をJビーム分入力するとともに、重み係数更新器13より時刻kにおける各NULL整相出力に対する重み係数Wj(k,f)を入力し、フィルタリング処理を行った後、その結果を加算器8に出力する。ここで、周波数領域でのフィルタリング処理は次式で与えられるように適応フィルタへの入力データと重み係数の乗算で与えられる。
【0015】
Yfj(f,θ1 )=Yj(f,θ1 )・Wj(k,f)
[j=1,2,3,・・・,J] …(5)
ただし、
Yfj(f,θ1 ):θ1 方位に関するj番目の適応フィルタリング結果
Wj(k,f):時刻kでのj番目の適応フィルタの重み係数
加算器8は、適応フィルタ7からJビーム分の適応フィルタリング結果を入力し、次式により、これらの加算処理を行い、その結果を減算器5に出力する。
【0016】
【数3】
Figure 0004110710
【0017】
減算器5は加算器4から入力された前記整相方位に最大感度を有する整相出力から、加算器8から入力された前記整相方位に零感度を有するNULL整相出力の適応フィルタリング結果を減算することにより、整相方位以外から到来する信号成分の低減を図り、その結果である適応整相出力p(f,θ1 )を出力端子9に出力すると共に、重み係数更新器13に出力する。
【0018】
重み係数更新器13は、前記整相方位以外から到来する信号成分の更なる低減化を図るため、BM乗算器6からは整相方位に零感度を有するNULL整相出力Yj(f,θ1 )[j=1,2,3,・・・,J]を、加算器5からは適応整相出力p(f,θ1 )を入力し、次式により重み係数Wj(k,f)の更新処理を行い、更新した重み係数Wj(k+1,f)を次の時刻の重み係数として適応フィルタ7に出力する。ここで、正規化係数Aの設定方法により、各種の更新アルゴリズムを選択することができる。次式(7)で与えられる重み係数の更新式は逐次的に重み係数を更新していくことにより最適解を求める方法である。
【0019】
【数4】
Figure 0004110710
【0020】
ただし、
Yj* (f,θ1 ):θ1 方位に関するj番目のNULL整相出力Yj(f,θ1 )の共役複素数
Wj(k,f):時刻kでのj番目の適応フィルタの重み係数
p(f,θ1 ):θ1 方位に関する適応整相出力
μ:収束係数
A:正規化係数
A=1(LMSアルゴリズム)
A=E[|Yj(f,θ1 )|2 ](学習アルゴリズム)
E[・]:時間平均
また、出力端子9から出力された適応整相出力p(f,θ1 )は、周波数分析やパワー算出等、各種の信号処理の入力信号として使用される。
【0021】
次に、従来技術の第2構成例として、重み係数更新器において重み係数の最適解をその都度算出する方法について述べる。図7に従来技術の第2構成例を、図8に従来技術の第2構成例の重み係数更新器の詳細構成例を示す。
【0022】
第2構成例が第1構成例と異なる点は、第1構成例の重み係数更新器13が減算器5の出力と接続されていたのに対し、第2構成例は重み係数更新器14としてその内部構成を変え、減算器5への入力すなわち加算器4からの出力と接続した点である。 図8において、30はBM乗算器6に接続された接続端子、31は加算器4に接続された接続端子、32は自己相関行列算出器、33は相互相関ベクトル算出器、43は自己相関行列格納メモリ、44は相互相関ベクトル格納メモリ、36及び37は積分器、39は逆行列算出器、40は重み係数算出器、41は適応フィルタ7に接続された接続端子である。
【0023】
図7において、BM乗算器6はJ本の出力ラインで重み係数更新器14と接続されているが、図8においてはこれらJ本のラインを接続端子30で束ねて1本のラインとして自己相関行列算出器32と相互相関ベクトル算出器33へ接続している。接続端子41に関しても同様である。加算器4が加算結果を減算器5以外に、重み係数更新器14に出力するという点を除けば、重み係数更新器14以外の動作は従来の第1構成例の場合と全く同じであるため、ここでは重み係数更新器14の動作についてのみ説明する。
【0024】
自己相関行列算出器32は接続端子30を通じてBM乗算器6から整相方位に零感度を有するNULL整相出力Yj(f,θ1 )[j=1,2,3,…,J]を入力し、次式により自己相関行列Ryy(f,θ1 )を算出し、その結果を自己相関行列格納メモリ43に出力する。
【0025】
【数5】
Figure 0004110710
【0026】
自己相関行列格納メモリ43は現在の時刻から一定時間さかのぼった時刻までの式(8)で算出された自己相関行列Ryyが格納されたFIFO形式のメモリで、自己相関行列算出器32から最新時刻の自己相関行列を入力すると、最も過去の時刻の自己相関行列を廃棄するとともに、後段の積分器で必要とされる時間分の自己相関行列を積分器36に出力する。
【0027】
積分器36は自己相関行列格納メモリ43から指定された積分時間に相当する時間分の自己相関行列を入力すると、行列の各要素毎に加算平均処理を実施し、その結果E[Ryy(f,θ1 )](E[・]は時間平均)を逆行列算出器39に出力する。
【0028】
逆行列算出器39は積分器36からの時間平均された自己相関行列E[Ryy(f,θ1 )]の逆行列をLU分解やCholesky分解等を用いた一般に良く知られた逆行列の解法のアルゴリズムを使用して算出し、その結果E[Ryy(f,θ1 )]-1を重み係数算出器40に出力する。
【0029】
一方、相互相関ベクトル算出器33は接続端子30を通じてBM乗算器6から整相方位に零感度を有するNULL整相出力Yj(f,θ1 )[j=1,2,3,…,J]を入力するとともに、接続端子31を通じて加算器4から整相方位に最大感度を有する整相出力d(f,θ1 )を入力し、次式により相互相関ベクトルRdy(f,θ1 )を算出し、その結果を相互相関ベクトル格納メモリ44に出力する。
【0030】
【数6】
Figure 0004110710
【0031】
相互相関ベクトル格納メモリ44は現在の時刻から一定時間さかのぼった時刻までの式(9)で算出された相互相関ベクトルが格納されたFIFO形式のメモリで、相互相関ベクトル算出器33から最新時刻の相互相関ベクトルを入力すると、最も過去の時刻の相互相関ベクトルを廃棄するとともに、後段の積分器で必要とされる時間分の相互相関ベクトルを積分器37に出力する。
【0032】
積分器37は相互相関ベクトル格納メモリ44から指定された積分時間に相当する時間分の相互相関ベクトルを入力すると、ベクトルの各要素毎に加算平均処理を実施し、その結果E[Rdy(f,θ1 )](E[・]は時間平均)を重み係数算出器40に出力する。
【0033】
重み係数算出器40は逆行列算出器39からは時間平均された自己相関行列E[Ryy(f,θ1 )]の逆行列E[Ryy(f,θ1 )]-1を、積分器37からは時間平均された相互相関ベクトルE[Rdy(f,θ1 )]を入力し、次式により重み係数の最適解を求め、その結果を接続端子41を通じて適応フィルタ7に出力する。
【0034】
Wj(k,f)={E[Ryy(f,θ1 )]-1}・E[Rdy(f,θ1 )] …(10)
以下、第1構成例と同じように処理されていく。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の適応整相システムでは、以下のような問題が存在した。
【0036】
従来技術の第1構成例における重み係数の更新処理は、適応フィルタの重み係数を逐次的に更新して最適解に近づけていく手法である。この最適解に近づけていく速度(収束速度)は式(7)のμの値に依存し、μの値が大きいほどその収束速度は速いが、適応フィルタの残留誤差は多くなり、結果として適応整相器としての能力は劣化する。μの値を小さくすると適応フィルタの残留誤差が小さくなることから適応整相器としての能力は改善されるが、重み係数の初期値の選び方によっては収束までに多大な時間がかかるようになる。ここで、重み係数が収束している時間において、受信している信号の方位が移動する等、入力信号の状態が変化すれば、適応フィルタはμの値が小さいことからそれに十分追随できず、結果として適応整相器の能力は劣化してしまうことになる。
【0037】
また、μの値の選び方と入力信号の特性によっては適応フィルタ7が発散することもあり、一度発散すると適応フィルタが正しい重み係数に収束するまでには莫大な収束時間が必要となることもある。
【0038】
従来技術の第2構成例における重み係数の更新処理は、適応フィルタへの入力信号の自己相関行列の時間平均値と、入力信号と参照信号の相互相関ベクトルの時間平均値とからダイレクトに最適解を求める手法である。
【0039】
この手法は、最適解がダイレクトに得られることから、適応整相器は最大の能力を発揮することが期待できる。しかしながら、前記入力信号の自己相関行列の時間平均値の逆行列を算出するのに莫大な処理量がかかり、ハード規模が増大する。また、入力信号の特性と演算器の精度によっては正しく逆行列が求まらないこともあり、その場合には適応整相器は全く機能を果たさなくなる。
【0040】
本発明は、上記問題点を除去し、適応整相器の能力を向上させることができる適応整相システムを提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕第1の発明においては、複数のセンサで構成されるセンサアレイで受信した信号を用いて、整相方位に最大感度を有する整相出力と整相方位に零感度を有するNULL整相出力を作成し、前記整相方位に最大感度を有する整相出力を適応フィルタの参照信号とし、前記整相方位に零感度を有するNULL整相出力を適応フィルタの入力信号として、整相方位以外から到来する信号を適応フィルタを用いて適応的に除去する適応整相システムにおいて、前記適応フィルタの入力信号の自己相関行列の時間平均値の逆行列と、前記適応フィルタの入力信号と参照信号との相互相関ベクトルの時間平均値から、平均を求めた時間幅における重み係数の最適解を算出する(以下、第1の重み係数とする)手段と、前記適応フィルタの入力信号の瞬時値と前記適応フィルタの参照信号から前記適応フィルタの出力信号を減算した誤差信号の瞬時値とを用いて、その時刻における前記適応フィルタの重み係数を逐次的に更新する(以下、第2の重み係数とする)手段とを設けたもので、前記第2の重み係数の更新時間間隔よりも十分遅い間隔で前記第1の重み係数を算出し、前記第1の重み係数が算出される毎に前記第1の重み係数を初期値として前記第2の重み係数の初期化処理を行うようにし、前記定期的に初期化される第2の重み係数を用いて前記適応フィルタのフィルタリング処理をするようにしたものである。
【0042】
〔2〕第2の発明においては、第1の発明に加えて、前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤差から、前記第2の重み係数の信頼性を判定する手段を追加したもので、適応フィルタが発散したり、入力信号の状態の変化に適応フィルタが追随できなかった場合に第1の重み係数と第2の重み係数が大きく変わることに着目して、前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤差が一定の閾値を超え、第2の重み係数の信頼性が低いと判断された場合に関してのみ、前記第1の重み係数を初期値として前記第2の重み係数の初期化処理を行うようにし、適宜初期化される第2の重み係数を用いて前記適応フィルタのフィルタリング処理をするようにしたものである。
【0043】
〔3〕第3の発明においては、第1の発明に加えて、前記自己相関行列の時間平均値の逆行列の計算精度を評価する手段を追加したもので、入力信号の特性と演算器の精度によっては正しく逆行列が算出されず、結果として適応整相器の能力劣化が発生するという問題を避けるため、前記逆行列の計算精度が一定の誤差以内であると判定された場合についてのみ、前記第1の重み係数を初期値として前記第2の重み係数の初期化処理を行うようにし、適宜初期化される第2の重み係数を用いて前記適応フィルタのフィルタリング処理をするようにしたものである。
【0044】
〔4〕第4の発明においては、第2の発明に加えて、前記自己相関行列の時間平均値の逆行列の計算精度を評価する手段を追加したもので、前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤差が一定の閾値を超え、第2の重み係数の信頼性が低いと判定された場合で、かつ前記逆行列の計算精度が一定の誤差以内であると判定された場合についてのみ、前記第1の重み係数を初期値として前記第2の重み係数の初期化処理を行うようにし、適宜初期化される第2の重み係数を用いて前記適応フィルタのフィルタリング処理をするようにしたものである。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。
【0046】
以下に本発明の第1実施例について説明する。
【0047】
図1は本発明の第1〜第4実施例に共通な適応整相器の構成図である。第1実施例から第4実施例までの相違点は重み係数逐次更新器10と重み係数初期化処理器11の詳細構成である。
【0048】
図1において、1−1〜1−Nは音響センサに対応した入力端子、2は位相補償器、3は空間窓乗算器、4及び8は加算器、5は減算器、6はBM乗算器、7は適応フィルタ、9は出力端子、10は重み係数逐次更新器、11は重み係数初期化処理器、12は更新周期発生器である。
【0049】
図2は本発明の第1実施例及び第3実施例における重み係数逐次更新器10の詳細構成図で、20はBM乗算器6との接続端子、21は減算器5との接続端子、22はLMS重み更新器、23は重み係数メモリ、24は重み係数初期化処理器11との接続端子、25は適応フィルタ7との接続端子である。
【0050】
図4は本発明の第1実施例及び第2実施例における重み係数初期化処理器の詳細構成図で、30はBM乗算器6に接続された接続端子、31は加算器4に接続された接続端子、32は自己相関行列算出器、33は相互相関ベクトル算出器、34は自己相関行列格納メモリ、35は相互相関ベクトル格納メモリ、36及び37は積分器、38は更新周期発生器12に接続された接続端子、39は逆行列算出器、40は重み係数算出器、41は適応フィルタ7に接続された接続端子である。
【0051】
ここで、従来技術と同じ構成要素には同じ番号を付与している。図1において、BM乗算器6はJ本の出力ラインで重み係数逐次更新器10及び重み係数初期化処理器11と接続されているが、図2においてはこれらJ本のラインを接続端子20で束ねて1本のラインとしてLMS重み更新器22に、図4においてはこれらJ本のラインを接続端子30で束ねて1本のラインとして自己相関行列算出器32及び相互相関ベクトル算出器33と接続している。接続端子25及び41に関しても同様である。
【0052】
次に、この適応整相器の動作について説明する。
【0053】
N個のセンサアレイで受信された信号は、デジタル信号の時系列データとして入力され、フーリエ変換等の手法で複数の周波数ビンに分割される。図1の構成例はこの周波数ビン1ビンの適応整相処理を行う構成例となっている。
【0054】
位相補償器2は、入力端子1−1〜1−Nを通じて、N個のセンサアレイで受信した信号のフーリエ変換結果を取り込み、指定された整相方位の方向に対してN個のチャネルの位相を合わせるように、式(1)及び式(2)による位相補償を行い、その結果を空間窓乗算器3及びBM乗算器6に出力する。
【0055】
空間窓乗算器3は位相補償器2から入力した位相補償結果に対して、各センサ毎にシェーディング係数a1〜aNをそれぞれ乗算し、その結果を加算器4に出力する。
【0056】
加算器4は空間窓乗算器3から入力した各センサ毎のシェーディング結果に対して、加算処理を行うことにより、整相方位に最大感度を有するビームを形成し、その結果を減算器5及び重み係数初期化処理器11に出力する。
【0057】
一方、BM乗算器6は位相補償器2から入力した位相補償結果に対して、式(3)を用いて拘束マトリックスを乗算することにより、整相方位に零感度を有するナル(NULL)整相出力をJビーム分作成し、その結果を適応フィルタ7、重み係数逐次更新器10及び重み係数初期化処理器11に出力する。
【0058】
ここで、従来技術と同様に拘束マトリックスの要素である拘束係数Bjnは、整相方位の感度を零にする条件である次式(4)を満足する限り、0次拘束、1次微係数拘束等、その他の任意の拘束をかけることができる。
【0059】
適応フィルタ7は、BM乗算器6から整相方位に零感度を有するNULL整相出力をJビーム分入力するとともに、重み係数逐次更新器10より時刻kにおける各NULL整相出力に対する重み係数Wj(k,f)を入力し、フィルタリング処理を行った後、その結果を加算器8に出力する。ここで、周波数領域でのフィルタリング処理は式(5)で与えられるように適応フィルタへの入力データと重み係数の乗算で与えられる。
【0060】
加算器8は、適応フィルタ7からJビーム分の適応フィルタリング結果を入力し、式(6)によりこれらの加算処理を行い、その結果を減算器5に出力する。
【0061】
減算器5は加算器4から入力された前記整相方位に最大感度を有する整相出力から、加算器8から入力された前記整相方位に零感度を有するNULL整相出力の適応フィルタリング結果を減算することにより、整相方位以外から到来する信号成分の低減化を図り、その結果である適応整相出力p(f,θ1 )を出力端子9に出力すると共に、重み係数逐次更新器10に出力する。
【0062】
重み係数逐次更新器10内のLMS重み更新器22は、前記整相方位以外から到来する信号成分の更なる低減化を図るため、接続端子20を通じてBM乗算器6からは整相方位に零感度を有するNULL整相出力Yj(f,θ1 )[j=1,2,3,…,J]を、接続端子21を通じて減算器5からは適応整相出力p(f,θ1 )を入力するとともに、重み係数メモリ23からは1時刻前の重み係数Wj(k,f)[j=1,2,3,…,J]を入力し、式(7)により重み係数Wj(k,f)の更新処理を行い、更新した重み係数Wj(k+1,f)を重み係数メモリ23に出力すると共に、接続端子25を通じて適応フィルタ7に出力する。ここで、従来技術の場合と同様に、式(7)の正規化係数Aの設定方法により、各種の更新アルゴリズムを選択することができる。
【0063】
出力端子9から出力された適応整相出力p(f,θ1 )は、周波数分析やパワー算出等、各種の信号処理の入力信号として使用される。
【0064】
一方、更新周期発生器12は前記重み係数逐次更新器10の更新周期に比べて十分遅い周期で重み係数初期化のタイミング信号を作成し、該タイミング信号を重み係数初期化処理器11に出力する。
【0065】
重み係数初期化処理器11内の自己相関行列算出器32は接続端子30を通じてBM乗算器6から整相方位に零感度を有するNULL整相出力Yj(f,θ1 )[j=1,2,3,…,J]を入力し、式(8)により自己相関行列Ryy(f,θ1 )を算出し、その結果を自己相関行列格納メモリ34に出力する。
【0066】
自己相関行列格納メモリ34は現在の時刻から一定時間さかのぼった時刻までの式(8)で算出された自己相関行列が格納されたFIFO形式のメモリで、自己相関行列算出器32から最新時刻の自己相関行列を入力すると、最も過去の時刻の自己相関行列を廃棄する。さらに、自己相関行列格納メモリ34は接続端子38を通じて更新周期発生器12から前記タイミング信号を入力すると、メモリ内の最新時刻から後段の積分器で必要とされる時間分の自己相関行列を積分器36に出力する。
【0067】
積分器36は自己相関行列格納メモリ34から指定された積分時間に相当する時間分の自己相関行列を入力すると、行列の各要素毎に加算平均処理を実施し、その結果E[Ryy(f,θ1 )](E[・]は時間平均)を逆行列算出器39に出力する。
【0068】
逆行列算出器39は積分器36からの時間平均された自己相関行列E[Ryy(f,θ1 )]の逆行列をLU分解やCholesky分解等を用いた一般に良く知られた逆行列の解法のアルゴリズムを使用して算出し、その結果E[Ryy(f,θ1 )]-1を重み係数算出器40に出力する。
【0069】
一方、相互相関ベクトル算出器33は接続端子30を通じてBM乗算器6から整相方位に零感度を有するNULL整相出力Yj(f,θ1 )[j=1,2,3,…,J]を入力するとともに、接続端子31を通じて加算器4から整相方位に最大感度を有する整相出力d(f,θ1 )を入力し、式(9)により相互相関ベクトルRdy(f,θ1 )を算出し、その結果を相互相関ベクトル格納メモリ35に出力する。
【0070】
相互相関ベクトル格納メモリ35は現在の時刻から一定時間さかのぼった時刻までの式(9)で算出された相互相関ベクトルが格納されたFIFO形式のメモリで、相互相関ベクトル算出器33から最新時刻の相互相関ベクトルを入力すると、最も過去の時刻の相互相関ベクトルを廃棄する。さらに、相互相関ベクトル格納メモリ35は接続端子38を通じて更新周期発生器12から前記タイミング信号を入力すると、メモリ内の最新時刻から後段の積分器で必要とされる時間分の相互相関ベクトルを積分器37に出力する。
【0071】
積分器37は相互相関ベクトル格納メモリ35から指定された積分時間に相当する時間分の相互相関ベクトルを入力すると、ベクトルの各要素毎に加算平均処理を実施し、その結果E[Rdy(f,θ1 )](E[・]は時間平均)を重み係数算出器40に出力する。
【0072】
重み係数算出器40は逆行列算出器39からは時間平均された自己相関行列E[Ryy(f,θ1 )]の逆行列E[Ryy(f,θ1 )]-1を、積分器37からは時間平均された相互相関ベクトルE[Rdy(f,θ1 )]を入力し、式(10)により重み係数の最適解を求め、その結果を接続端子41及び接続端子24を通じて重み係数逐次更新器10内の重み係数メモリ23に出力する。
【0073】
重み係数メモリ23は、接続端子24を通じて前記式(10)の計算結果である重み係数の最適解が重み係数初期化処理器11から入力されると、重み係数メモリ23内の重み係数の内容をこの最適解に置き換えることにより重み係数の初期化を図る。これにより、重み係数逐次更新器10の次回の更新では重み係数算出器40で算出した重み係数の最適解に対して更新が図られることになる。
【0074】
このように第1実施例によれば、重み係数逐次更新器10の更新時間間隔よりも十分遅い間隔で、前記適応フィルタ7の入力信号の自己相関行列の時間平均値の逆行列と該適応フィルタ7の入力信号と参照信号との相互相関ベクトルの時間平均値から重み係数の最適解を算出し、該重み係数の最適解を用いて前記重み係数逐次更新器10の初期化処理を定期的に行うようにしたので、処理量の大幅な増加無しで適応整相器の性能の大幅な向上が期待できる。
【0075】
次に、本発明の第2実施例について説明する。第1実施例と第2実施例の相違点は重み係数逐次更新器10の詳細構成が図2ではなく、図3を用いている点である。なお、第1実施例と同じ部分については同一の番号を付与している。図3において、20はBM乗算器6との接続端子、21は減算器5との接続端子、22はLMS重み更新器、23は重み係数メモリ、27は重み係数選択器、24は重み係数初期化処理器11との接続端子、25は適応フィルタ7との接続端子である。図3は第4実施例における重み係数逐次更新器10の詳細構成例でもある。
【0076】
図3において、BM乗算器6からのJ本の出力ラインが接続端子20で束ねて1本のラインとしてLMS重み更新器22に接続されているのは第1実施例と同じである。接続端子25に関しても同様である。図3の重み係数逐次更新器10の詳細構成が第1実施例と異なる点は、重み係数選択器27を重み係数初期化処理器11との接続端子24の出力側と重み係数メモリ23の入力側間に設け、さらに重み係数選択器27にLMS重み更新器22の出力を入力するようにした点である。
【0077】
重み係数逐次更新器10以外の動作は第1実施例と全く同一であるので、以下、第1実施例と異なる点を中心に、その動作を説明する。
【0078】
重み係数逐次更新器10内のLMS重み更新器22は、前記整相方位以外から到来する信号成分の更なる低減化を図るため、接続端子20を通じてBM乗算器6からは前記整相方位に零感度を有するNULL整相出力Yj(f,θ1 )[j=1,2,3,…,J]を、接続端子21を通じて減算器5からは適応整相出力p(f,θ1 )を入力するとともに、重み係数メモリ23からは1時刻前の重み係数Wj(k,f)[j=1,2,3,…,J]を入力し、式(7)により重み係数Wj(k,f)の更新処理を行い、更新した重み係数Wj(k+1,f)を重み係数メモリ23及び重み係数選択器27に出力すると共に、接続端子25を通じて適応フィルタ7に出力する。ここで、従来技術の場合と同様に、式(7)の正規化係数Aの設定方法により、各種の更新アルゴリズムを選択することができる。
【0079】
出力端子9から出力された適応整相出力p(f,θ1 )は、周波数分析やパワー算出等、各種の信号処理の入力信号として使用される。
【0080】
一方、更新周期発生器12は前記重み係数逐次更新器10の更新周期に比べて十分遅い周期で重み係数初期化のタイミング信号を作成し、該タイミング信号を重み係数初期化処理器11に出力する。
【0081】
重み係数初期化処理器11は更新周期発生器12から前記タイミング信号が入力されると、第1実施例と同様の処理で、式(10)により、重み係数の最適解W 0j(f)[j=1,2,3,…,J]を求め、その結果を重み係数逐次更新器10内の重み係数選択器27に接続端子24を通じて出力する。
【0082】
重み係数選択器27は重み係数初期化処理器11から入力された重み係数の最適解W 0j(f)[j=1,2,3,…,J]とLMS重み更新器22から入力した最新の重み係数Wj(k,f)[j=1,2,3,…,J]を入力し、両者の誤差から重み係数Wj(k,f)の信頼性を判定し、重み係数Wj(k,f)の信頼性が低いと判定された場合には、重み係数初期化処理器11から入力した重み係数の最適解W 0j(f)[j=1,2,3,…,J]を重み係数メモリ23に出力する。例えば、重み係数Wj(k,f)の信頼性は次式で判定することができる。
【0083】
【数7】
Figure 0004110710
【0084】
重み係数メモリ23は、重み係数の最適解W 0j(f)[j=1,2,3,…,J]が重み係数選択器27から入力されると、重み係数メモリ23内の重み係数の内容をこの最適解に置き換えることにより重み係数の初期化を図る。
【0085】
これにより、重み係数逐次更新器10の次回の更新では重み係数初期化処理器11で算出した重み係数の最適解に対して更新が図られることになる。
【0086】
このように、第2実施例によれば、第1実施例と同様に、重み係数逐次更新器10の更新時間間隔よりも十分遅い間隔で、前記適応フィルタ7の入力信号の自己相関行列の時間平均値の逆行列と該適応フィルタの入力信号と参照信号との相互相関ベクトルの時間平均値から重み係数の最適解を求め、該重み係数の最適解と前記重み係数逐次算出器10の最新の重み係数の更新結果との誤差を算出し、該誤差がある値以上になった場合、前記重み係数逐次算出器10の最新の重み係数の信頼性が低いとして前記重み係数の最適解を用いて前記重み係数逐次更新器10の初期化処理を行うようにしたので、処理量の大幅な増加無しで適応整相器の性能の大幅な向上を期待できるとともに、適応フィルタ7が発散したり、入力信号の状態の変化に適応フィルタ7が追随できなかった場合でも、適応整相器の性能の劣化を最小限に抑えることが期待できる。
【0087】
次に、本発明の第3実施例について説明する。
【0088】
第1実施例と第3実施例の相違点は重み係数初期化処理器11の詳細構成が図4ではなく、図5に示すような重み係数初期化処理器11の詳細構成を有する点である。なお、第1実施例と同じ部分については同一の番号を付与している。
【0089】
図5は本発明の第3実施例および第4実施例における重み係数初期化処理器の詳細構成例でもある。
【0090】
図5において、30はBM乗算器6に接続された接続端子、31は加算器4に接続された接続端子、32は自己相関行列算出器、33は相互相関ベクトル算出器、34は自己相関行列格納メモリ、35は相互相関ベクトル格納メモリ、36及び37は積分器、38は更新周期発生器12に接続された接続端子、39は逆行列算出器、42は計算精度評価器、40は重み係数算出器、41は適応フィルタ7に接続された接続端子である。
【0091】
図5の重み係数初期化処理器11の詳細構成が第1実施例と異なる点は、計算精度評価器42を逆行列算出器39の出力側と重み係数算出器40の入力側に設け、さらに計算精度評価器42に積分器36の出力を入力するようにした点である。
【0092】
重み係数初期化処理器11以外の動作は第1実施例と全く同一であるので、以下、第1実施例と異なる点を中心に、その動作を説明する。
【0093】
更新周期発生器12は前記重み係数逐次更新器10の更新周期に比べて十分遅い周期で重み係数初期化のタイミング信号を作成し、該タイミング信号を重み係数初期化処理器11に出力する。
【0094】
重み係数初期化処理器11内の自己相関行列算出器32は接続端子30を通じてBM乗算器6から整相方位に零感度を有するNULL整相出力Yj(f,θ1 )[j=1,2,3,・・・,J]を入力し、式(8)により自己相関行列Ryy(f,θ1 )を算出し、その結果を自己相関行列格納メモリ34に出力する。
【0095】
自己相関行列格納メモリ34は現在の時刻から一定時間さかのぼった時刻までの式(8)で算出された自己相関行列が格納されたFIFO形式のメモリで、自己相関行列算出器32から最新時刻の自己相関行列を入力すると、最も過去の時刻の自己相関行列を廃棄する。さらに、自己相関行列格納メモリ34は接続端子38を通じて更新周期発生器12から前記タイミング信号を入力すると、メモリ内の最新時刻から後段の積分器で必要とされる時間分の自己相関行列を積分器36に出力する。
【0096】
積分器36は自己相関行列格納メモリ34から指定された積分時間に相当する時間分の自己相関行列を入力すると、行列の各要素毎に加算平均処理を実施し、その結果E[Ryy(f,θ1 )](E[・]は時間平均)を逆行列算出器39及び計算精度評価器42に出力する。
【0097】
逆行列算出器39は積分器36からの時間平均された自己相関行列E[Ryy(f,θ1 )]の逆行列をLU分解やCholesky分解等を用いた一般に良く知られた逆行列の解法のアルゴリズムを使用して算出し、その結果E[Ryy(f,θ1 )]-1を計算精度評価器42に出力する。
【0098】
計算精度評価器42は積分器36から時間平均された自己相関行列E[Ryy(f,θ1 )]を、逆行列算出器39からはその逆行列E[Ryy(f,θ1 )]-1を入力し、例えば次式(12)で逆行列の計算精度の信頼性を判定し、該判定結果と共に逆行列E[Ryy(f,θ1 )]-1を重み係数算出器40に出力する。
【0099】
全ての要素に関して
|{E[Ryy(f,θ1 )]-1}・E[Ryy(f,θ1 )]−I|η
信頼性が高い …(12)
ただし、Iは単位行列
一方、相互相関ベクトル算出器33は接続端子30を通じてBM乗算器6から整相方位に零感度を有するNULL整相出力Yj(f,θ1 )[j=1,2,3,…,J]を入力するとともに、接続端子31を通じて加算器4から整相方位に最大感度を有する整相出力d(f,θ1 )を入力し、式(9)により相互相関ベクトルRdy(f,θ1 )を算出し、その結果を相互相関ベクトル格納メモリ35に出力する。
【0100】
相互相関ベクトル格納メモリ35は現在の時刻から一定時間さかのぼった時刻までの式(9)で算出された相互相関ベクトルが格納されたFIFO形式のメモリで、相互相関ベクトル算出器33から最新時刻の相互相関ベクトルを入力すると、最も過去の時刻の相互相関ベクトルを廃棄する。さらに、相互相関ベクトル格納メモリ35は接続端子38を通じて更新周期発生器12から前記タイミング信号を入力すると、メモリ内の最新時刻から後段の積分器で必要とされる時間分の相互相関ベクトルを積分器37に出力する。
【0101】
積分器37は相互相関ベクトル格納メモリ35から指定された積分時間に相当する時間分の相互相関ベクトルを入力すると、ベクトルの各要素毎に加算平均処理を実施し、その結果E[Rdy(f,θ1 )](E[・]は時間平均)を重み係数算出器40に出力する。
【0102】
重み係数算出器40は計算精度評価器42から逆行列の計算精度の信頼性の判定結果と前記逆行列E[Ryy(f,θ1 )]-1を、積分器37からは時間平均された相互相関ベクトルE[Rdy(f,θ1 )]を入力し、該計算精度の信頼性の判定結果が高いと判定された場合についてのみ、式(10)により重み係数の最適解を求め、その結果を接続端子41及び接続端子24を通じて重み係数逐次更新器10内の重み係数メモリ23に出力する。
【0103】
重み係数メモリ23は、接続端子24を通じて前記式(10)の計算結果である重み係数の最適解が重み係数初期化処理器11から入力されると、重み係数メモリ23内の重み係数の内容をこの最適解に置き換えることにより重み係数の初期化を図る。これにより、重み係数逐次更新器10の次回の更新では重み係数算出器40で算出した重み係数の最適解に対して更新が図られることになる。
【0104】
このように第3実施例によれば、第1実施例と同様に、重み係数逐次更新器10の更新時間間隔よりも十分遅い間隔で、前記適応フィルタの入力信号の自己相関行列の時間平均値の逆行列を求めると共に、該逆行列の計算精度の信頼性の判定を行い、信頼性が高いと判定された場合についてのみ該適応フィルタの入力信号と参照信号との相互相関ベクトルの時間平均値を用いて重み係数の最適解を求め、該重み係数の最適解を用いて前記重み係数逐次更新器10の初期化処理を行うようにしたので、処理量の大幅な増加無しで適応整相器の性能の大幅な向上を期待できるとともに、入力信号の特性と演算器の精度に依存して前記逆行列が正しく求まらなかった場合においても、適応整相器の性能の劣化を最小限に抑えることが期待できる。
【0105】
次に、本発明の第4実施例について説明する。第1実施例と第4実施例の相違点は、重み係数逐次更新器10の詳細構成が図2ではなく、図3に示すような重み係数逐次更新器10の詳細構成を有する点と、重み係数初期化処理器11の詳細構成が図4ではなく図5に示すような重み係数逐次更新器10を有する点である。
【0106】
重み係数逐次更新器10及び及び初期化処理器11以外の動作は第1実施例と全く同一であり、重み係数逐次更新器10の動作は第2実施例と、重み係数初期化処理器11の動作は第3実施例と全く同一となる。よって、第4実施例においては、前記逆行列の計算精度の信頼性が評価された重み係数の最適解が重み係数逐次更新器10に出力され、重み係数逐次更新器10内では、LMS重み更新器22で更新した最新の重み係数と前記逆行列の計算精度の信頼性が評価された重み係数の最適解との誤差から該最新の重み係数の信頼性を判定し、信頼性が低いと判定された場合には、重み係数メモリ23内の重み係数の内容をこの最適解に置き換えることにより重み係数の初期化を図るようになっている。
【0107】
このように、第4実施例によれば、第2実施例と第3実施例の双方の特徴を兼ね備えるように構成したので、処理量の大幅な増加無しで適応整相器の性能の大幅な向上が期待できるとともに、適応フィルタが発散したり、入力信号の状態の変化に適応フィルタが追随できなかった場合や、入力信号の特性と演算器の精度に依存して前記逆行列が正しく求まらなかった場合においても、適応整相器の性能の劣化を最小限に抑えることが期待できる。
【0108】
第1〜第4実施例では、適応整相器は周波数領域で実現した場合の周波数ビン1ビンの処理についてのみ記載したが、前記実施例を複数段並列に保有することで複数の周波数ビンに対する適応整相器を構成することができる。
【0109】
第1〜第4実施例では、適応整相器を周波数領域で実現した場合についてのみ記載したが、適応フィルタをFIR型のフィルタで構成すれば、適応整相器を時間領域で実現した場合でも全く同様の手法で本実施例を実現することができる。
【0110】
第1〜第4実施例では、適応整相器は1つの整相方位についてのみ記載したが、前記実施例を複数段並列に保有することで、複数の整相方位に対する待受け型適応整相器を構成することができる。
【0111】
第1〜第4実施例において、重み係数逐次更新器10の更新アルゴリズムとしてLMSアルゴリズムと学習アルゴリズムの2種類に関して説明したが、適応フィルタの入力信号の瞬時値と参照信号から適応フィルタの出力信号を減算した誤差信号の瞬時値から逐次的に更新する方法であれば、如何なるアルゴリズムを用いても構わない。
【0112】
第1〜第4実施例では、積分器36及び37は加算平均型の積分器の場合を用いて説明したが、積分器36及び37を指数積分型の積分器を適用しても構わない。その場合には、自己相関行列格納メモリ34と相互相関ベクトル格納メモリ35は不要となり、更新周期発生器12との接続端子38は積分器36及び37と接続されるようになる。すなわち、積分器36は自己相関行列算出器32から最新の自己相関行列を入力すると指数積分により積分結果の更新を図り、更新周期発生器12からのタイミング信号に基づき積分結果を逆行列算出器39に出力する。積分器37も全く同様の動作となる。この場合においても第1〜第4実施例とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0113】
第2及び第4実施例において、重み係数Wj(k,f)の信頼性を判定する手法として重み係数初期化処理器11から入力した重み係数の最適解W 0j(f)[j=1,2,3,・・・,J]とLMS重み更新器22から入力した最新の重み係数Wj(k,f)の誤差の2乗和を判定の評価量として使用していたが、評価量として絶対値の和や個々の重み係数の絶対値の差が全て一定の範囲内になっていること等、両者の差が明確に現れる評価量であれば、どんな手法を用いても構わない。
【0114】
第3及び第4実施例において、逆行列の計算精度の信頼性を判定する手法として自己相関行列E[Ryy(f,θ1 )]とその逆行列E[Ryy(f,θ1 )]-1の行列積を求め、単位行列との差を判定の評価量として使用していたが、逆行列が正しく得られているかどうかわかる手法であればどんな手法を用いても構わない。
【0115】
上記した実施例の装置は、集積回路を用いた個別回路で構成しても構わないし、ディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)やマイコン等でソフト的に構成しても構わない。
【0116】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0117】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0118】
従来の適応整相器において、重み係数の更新処理を逐次更新型の手法を採用した場合には、最適解への収束速度を速くすると適応整相器としての性能が劣化し、適応整相器としての性能を重視して収束速度を遅くすると信号の方位の変化に追随できなくなるという問題があった。また、収束係数の選び方と入力信号の特性によっては適応フィルタが発散し、一度発散すると復帰するまでに多大な時間がかかるという問題もあった。
【0119】
また、重み係数の更新処理を適応フィルタへの入力信号の自己相関行列の時間平均値と入力信号と参照信号の相互相関ベクトルの時間平均値からダイレクトに最適解を求める手法を採用した場合には、適応整相器は最大の性能を発揮するものの、ハード規模が非常に増大し、入力信号の特性と演算器の精度によっては、適応整相器が全く機能しなくなるという場合が発生するという問題があった。
【0120】
これらの問題に対して、
(A)第1の発明によれば、前記適応フィルタの入力信号の自己相関行列の時間平均値の逆行列と、該適応フィルタの入力信号と参照信号との相互相関ベクトルの時間平均値から、平均を求めた時間幅における重み係数の最適解を算出する(第1の重み係数)手段と、該適応フィルタの入力信号の瞬時値と、該適応フィルタの参照信号から該適応フィルタの出力信号を減算した誤差信号の瞬時値とを用いて、その時刻における前記適応フィルタの重み係数を逐次的に更新する(第2の重み係数)手段とを設け、該第1の重み係数を初期値として前記第2の重み係数の初期化処理を定期的に行うようにしたので、信号の方位が変化した場合でも、処理量の大幅な増加無しで適応整相器の性能の大幅な向上が期待できる。
【0121】
(B)第2の発明においては、第1の発明に加えて、前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤差から、前記第2の重み係数の信頼性を判定する手段を追加し、前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤差が一定のしきい値を超え、第2の重み係数の信頼性が低いと判定された場合に関してのみ、前記第1の重み係数を初期値として前記第2の重み係数の初期化処理を適宜行うようにしたので、処理量の大幅な増加無しで適応整相器の性能の大幅な向上を期待できるとともに、適応フィルタが発散したり、入力信号の状態の変化に適応フィルタが追随できなかった場合でも、適応整相器の性能の劣化を最小限に抑えることが期待できる。
【0122】
(C)第3の発明においては、第1の発明に加えて、前記自己相関行列の時間平均値の逆行列の計算精度を評価する手段を追加し、前記逆行列の計算精度が一定の誤差以内であると判定された場合についてのみ、前記第1の重み係数を初期値として前記第2の重み係数の初期化処理を適宜行うようにしたので、処理量の大幅な増加無しで適応整相器の性能の大幅な向上を期待できるとともに、入力信号の特性と演算器の精度に依存して前記逆行列が正しく求まらなかった場合においても、適応整相器の性能の劣化を最小限に抑えることが期待できる。
【0123】
(D)第4の発明においては、第2の発明に加えて、前記自己相関行列の時間平均値の逆行列の計算精度を評価する手段を追加し、前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤差が一定のしきい値を超え、第2の重み係数の信頼性が低いと判定された場合で、かつ前記逆行列の計算精度が一定の誤差以内であると判定された場合についてのみ、前記第1の重み係数を初期値として前記第2の重み係数の初期化処理を適宜行うようにしたので、処理量の大幅な増加無しで適応整相器の性能の大幅な向上を期待できるとともに、適応フィルタが発散したり、入力信号の状態の変化に適応フィルタが追随できなかった場合や、入力信号の特性と演算器の精度に依存して前記逆行列が正しく求まらなかった場合においても、適応整相器の性能の劣化を最小限に抑えることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜第4実施例に共通な適応整相器の構成図である。
【図2】本発明の第1実施例及び第3実施例における重み係数逐次更新器の詳細構成図である。
【図3】本発明の第2実施例及び第4実施例における重み係数逐次更新器の詳細構成図である。
【図4】本発明の第1実施例及び第2実施例における重み係数初期化処理器の詳細構成図である。
【図5】本発明の第3実施例及び第4実施例における重み係数初期化処理器の詳細構成図である。
【図6】従来の適応整相器の第1構成例を示す図である。
【図7】従来の適応整相器の第2構成例を示す図である。
【図8】従来の適応整相器の重み係数更新器の詳細構成例を示す図である。
【符号の説明】
1−1〜1−N 音響センサに対応した入力端子
2 位相補償器
3 空間窓乗算器
4,8 加算器
5 減算器
6 BM乗算器
7 適応フィルタ
9 出力端子
10 重み係数逐次更新器
11 重み係数初期化処理器
12 更新周期発生器
20,21,24,25,30,31,38,41 接続端子
22 LMS重み更新器
23 重み係数メモリ
27 重み係数選択器
32 自己相関行列算出器
33 相互相関ベクトル算出器
34 自己相関行列格納メモリ
35 相互相関ベクトル格納メモリ
36,37 積分器
39 逆行列算出器
40 重み係数算出器
42 計算精度評価器

Claims (4)

  1. 複数のセンサで構成されるセンサアレイで受信した信号を用いて、整相方位に最大感度を有する整相出力と整相方位に零感度を有するNULL整相出力を作成し、前記整相方位に最大感度を有する整相出力を適応フィルタの参照信号とし、前記整相方位に零感度を有するNULL整相出力を適応フィルタの入力信号として、整相方位以外から到来する信号を適応フィルタを用いて適応的に除去する適応整相システムにおいて、
    (a)前記適応フィルタの入力信号の自己相関行列の時間平均値の逆行列と、前記適応フィルタの入力信号と参照信号との相互相関ベクトルの時間平均値から、平均を求めた時間幅における重み係数の最適解を算出する第1の重み係数の算出手段と、
    (b)前記適応フィルタの入力信号の瞬時値と前記適応フィルタの参照信号から前記適応フィルタの出力信号を減算した誤差信号の瞬時値を用いて、その時刻における前記適応フィルタの重み係数を逐次的に更新する第2の重み係数の更新手段とを具備し、
    (c)一定の時間間隔で前記第1の重み係数を算出し、該算出した前記第1の重み係数を前記逐次的に更新する第2の重み係数の初期値として初期化することにより、前記算出時間間隔における前記第1の重み係数の変化を前記逐次的に更新する第2の重み係数によって求め、該求めた第2の重み係数を前記適応フィルタの重み係数としたことを特徴とする適応整相システム。
  2. 請求項1記載の適応整相システムにおいて、前記適応フィルタの入力信号の自己相関行列の時間平均値の逆行列と、前記適応フィルタの入力信号と参照信号との相互相関ベクトルの時間平均値から、第1の重み係数を算出する手段と、前記適応フィルタの入力信号の瞬時値と前記適応フィルタの参照信号から前記適応フィルタの出力信号を減算した誤差信号の瞬時値を用いて、その時刻における前記適応フィルタの重み係数を逐次的に更新することで第2の重み係数を求める手段と、前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤差から、前記第2の重み係数の信頼性を判定する手段とを具備し、前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤差が一定の閾値を超え、前記第2の重み係数の信頼性が低いと判定された場合に関してのみ、前記第1の重み係数を前記逐次的に更新する第2の重み係数の初期値として初期化するようにしたことを特徴とする適応整相システム。
  3. 請求項1記載の適応整相システムにおいて、前記適応フィルタの入力信号の自己相関行列の時間平均値の逆行列と、前記適応フィルタの入力信号と参照信号との相互相関ベクトルの時間平均値から、第1の重み係数を算出する手段と、前記適応フィルタの入力信号の瞬時値と前記適応フィルタの参照信号から前記適応フィルタの出力信号を減算した誤差信号の瞬時値を用いて、その時刻における前記適応フィルタの重み係数を逐次的に更新することにより、第2の重み係数を求める手段と、前記自己相関行列の時間平均値の逆行列の計算精度を評価する手段とを具備し、一定の時間間隔で前記第1の重み係数を算出し、前記逆行列の計算精度が一定の誤差以内であると判定された場合についてのみ、前記算出された第1の重み係数を前記逐次的に更新する第2の重み係数の初期値として初期化することで、前記算出時間間隔における第1の重み係数の変化を前記逐次的に更新する第2の重み係数によって求め、該求めた第2の重み係数を前記適応フィルタの重み係数としたことを特徴とする適応整相システム。
  4. 請求項1記載の適応整相システムにおいて、前記適応フィルタの入力信号の自己相関行列の時間平均値の逆行列と、前記適応フィルタの入力信号と参照信号との相互相関ベクトルの時間平均値から、第1の重み係数を算出する手段と、前記適応フィルタの入力信号の瞬時値と前記適応フィルタの参照信号から前記適応フィルタの出力信号を減算した誤差信号の瞬時値を用いて、その時刻における前記適応フィルタの重み係数を逐次的に更新することで第2の重み係数を求める手段と、前記自己相関行列の時間平均値の逆行列の計算精度を評価する手段と、前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤差から、前記第2の重み係数の信頼性を判定する手段と、を具備し、前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤差が一定の閾値を超え、かつ、前記逆行列の計算精度が一定の誤差以内であると判定された場合についてのみ、前記第1の重み係数を前記逐次的に更新する第2の重み係数の初期値として初期化するようにしたことを特徴とする適応整相システム。
JP2000161488A 2000-05-31 2000-05-31 適応整相システム Expired - Fee Related JP4110710B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000161488A JP4110710B2 (ja) 2000-05-31 2000-05-31 適応整相システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000161488A JP4110710B2 (ja) 2000-05-31 2000-05-31 適応整相システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001343441A JP2001343441A (ja) 2001-12-14
JP4110710B2 true JP4110710B2 (ja) 2008-07-02

Family

ID=18665504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000161488A Expired - Fee Related JP4110710B2 (ja) 2000-05-31 2000-05-31 適応整相システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4110710B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7252086B2 (ja) * 2019-07-29 2023-04-04 アルパイン株式会社 適応同定システム、適応同定装置、及び適応同定方法
JP7367558B2 (ja) * 2020-02-25 2023-10-24 沖電気工業株式会社 整相処理装置および整相処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001343441A (ja) 2001-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4398146B2 (ja) 適応フィルタ
JP3216704B2 (ja) 適応アレイ装置
US5208786A (en) Multi-channel signal separation
US4951269A (en) Echo canceller with short processing delay and decreased multiplication number
US5568411A (en) Method and apparatus for using polarity-coincidence correlators in LMS adaptive filters
US8244787B2 (en) Optimum nonlinear correntropy filter
CN103229237A (zh) 信号处理设备、信号处理方法以及信号处理程序
US20080040037A1 (en) System and Method for Adaptive Reduced-Rank Parameter Estimation Using an Adaptive Decimation and Interpolation Scheme
JPH10207490A (ja) 信号処理装置
EP0654901B1 (en) System for the rapid convergence of an adaptive filter in the generation of a time variant signal for cancellation of a primary signal
CN105891810A (zh) 一种快速自适应联合时延估计方法
Venkatesan et al. An efficient noise removal technique using modified error normalized LMS algorithm
CN114660562A (zh) 自适应滤波方法及滤波器
JP4110710B2 (ja) 適応整相システム
JP3391373B2 (ja) 適応等化器
Gu et al. Direction of arrival tracking for signals with known waveforms based on block least squares techniques
JP2541044B2 (ja) 適応フィルタ装置
CN113299284B (zh) 一种基于自适应滤波的语音识别装置、方法、设备及介质
JP4367243B2 (ja) 適応整相装置、そのプログラム及び適応整相システム
JP2003232849A (ja) 適応整相方法
Hofmann et al. Recent advances on LIP nonlinear filters and their applications: Efficient solutions and significance-aware filtering
Jayapravintha et al. Design of Systolic architecture for various adaptive filters for noise cancellation
CN117040489B (zh) 一种稀疏约束的样条自适应滤波器
JP3001092B2 (ja) 適応アレイの制御方法および適応アレイ装置
JP7287189B2 (ja) カージオイド受波器およびフィルタ係数演算方法、ならびにフィルタ係数演算プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080318

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080331

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4110710

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110418

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110418

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130418

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140418

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees