JP3001092B2 - 適応アレイの制御方法および適応アレイ装置 - Google Patents

適応アレイの制御方法および適応アレイ装置

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JP3001092B2 JP9292857A JP29285797A JP3001092B2 JP 3001092 B2 JP3001092 B2 JP 3001092B2 JP 9292857 A JP9292857 A JP 9292857A JP 29285797 A JP29285797 A JP 29285797A JP 3001092 B2 JP3001092 B2 JP 3001092B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のセンサを用
いて、信号を空間選択的に受信する適応アレイに関す
る。
【0002】
【従来の技術】音声信号取得の分野や、ソーナー、無線
通信などの分野において、複数の信号源の中から特定の
信号のみを受信するために、適応アレイ技術の応用とし
て、適応マイクロホンアレイによる音声強調装置や適応
アンテナアレイによる無線送受信装置などが知られてい
る。
【0003】センサとしては、マイクロホン、超音波セ
ンサや、ソーナー受音器、アンテナなどを用いることが
できる。ここでは、センサとしてマイクロホンを用いた
場合について説明する。説明を簡単にするため、マイク
ロホンが線分上に等間隔に配置されている場合を考え
る。また、目標音源はマイクロホンが配置されている線
分から十分に離れており、目標音源はその線分に対して
ほぼ直交している方向に存在する状況を考える。
【0004】マイクロホンアレイは、複数のマイクロホ
ンにおいて収音した信号をフィルタリングした後、加算
することにより空間フィルタを形成する。この空間フィ
ルタにより、周囲雑音を減衰させ、事前に規定した方向
から到来した信号、すなわち目標信号のみを受信する。
適応マイクロホンアレイは、空間フィルタ特性を適応的
に変化させるマイクロホンアレイである。適応マイクロ
ホンアレイの構成としては、文献、「一般化サイドロー
ブキャンセラ」(アイイーイーイー,トランザクション
ズ オン アンテナズ アンド プロパゲーション(I
EEE、Transactions on Anten
nas and Propagation),第30巻
1号,1982年,27〜34ペ ージ:以下「文献
1」とする),(アイイーイーイー,トランザクション
ズ オン アンテナズ アンド プロパゲーション(I
EEE、Transactions on Anten
nas and Propagation),第40巻
9号,1992年,1093〜1096ページ:以下
「文献2」とする)に示される構成,電子情報通信学会
論文誌A,第79巻9号,1996年,1516〜15
24ページ:(以下「文献3」とする)に示される構
成,「フロストビームフォーマ」(アイイーイーイー,
プロシーディングス オブ アイイーイーイー(IEE
E,Proceedings of IEEE),第6
0巻8号,1972年,926〜935ページ:以下
「文献4」とする),(アイイーイーイー,プロシーデ
ィングス オブ インターナショナル コンファレンス
オン アコースティクス スピーチ アンド シグナル
プロセッシング 94(IEEE,Proceedi
ngs of International Conf
erenceon Acoustics,Speech
and Signal Processing 9
4),1994年,IV−269〜272ページ:以下
「文献5」とする)に示される構成,(アイイーイーイ
ー,プロシーディングス オブ インターナショナル
コンファレンス オン アコースティクス スピーチ
アンド シグナル プロセッシング 97(IEEE,
Proceedings ofInternation
al Conferenceon Acoustic
s,Speech and Signal Proce
ssing 97),1997年,I−367〜370
ページ:以下「文献6」とする)に示される構成などが
知られている。
【0005】ここでは、代表として、文献3の構成につ
いて、図を用いながら、その動作を説明する。図6は、
第1の従来法としての文献3に示された適応アレイの信
号処理部をM本のマイクロホンを用いて構成した場合の
ブロック図である。マイクロホン群1m(m=0, 1,
..., M−1)の信号は各々、アナログ信号からデ
ィジタル信号に変換される。これらのディジタル信号群
(以下「マイクロホン信号群と呼ぶ)は、信号処理され
ることによって、目標信号が抽出される。
【0006】この第1の従来法は、固定ビームフォーマ
2、ブロッキング行列4、多入力キャンセラ3から構成
されている。以下、固定ビームフォーマ2、ブロッキン
グ行列4、多入力キャンセラ3のそれぞれを詳細に説明
する。まず、固定ビームフォーマ2について説明する。
図6において、固定ビームフォーマ2はマイクロホン1
からの信号群を受ける。これらのマイクロホン信号群か
ら、目標信号が強調され、かつ、目標信号以外の信号が
減衰された信号を出力する。
【0007】固定ビームフォーマとして、マイクロホン
群から受けた信号をそれぞれ遅延して加算するディレイ
アンドサムビームフォーマや、マイクロホン群から受け
た信号をそれぞれフィルタリングして加算するフイルタ
アンドサムビームフォーマを用いることが可能である。
これらの固定ビームフォーマについては、文献、D.
H.Johnson,D.E.Dudgeon著「Ar
ray SignalProcessing」(Pre
ntice Hall、EnglewoodCliff
s、1993年)の4章(以下、「文献7」と呼ぶ)に
説明されている。 ここでは、ディレイアンドサムビー
ムフォーマを用いて動作を説明する。
【0008】ディレイアンドサムビームフォーマにおけ
る処理は、下記の式(1)で表される。
【0009】
【数1】
【0010】ここで、kは、時間軸におけるサンプル番
号を、rmは、各マイクロホン信号xm(k)の遅延サ
ンプル数をそれぞれ示す。g(k)は固定ビームフォー
マ2 の出力信号、xm(k)はマイクロホンlmの出
力信号、fmは固定ビームフォーマにおいて、マイクロ
ホン信号に対応する係数である。ディレイアンドサムビ
ームフォーマは、各マイクロホン信号xm(k)をrm
サンプル数だけ遅延させた値に係数fmを乗じた信号の
総和を計算して出力する。
【0011】各遅延サンプル数rmは、各マイクロホン
lmの出力を遅延した信号xm(k−rm)において、
目標信号の位相が同じになるように設定する。その結
果、xm(k−rm)〔m=0, 1, ..., M−1〕
が加算された際に、目標信号は強調される。一方、妨害
信号は目標信号以外の方向から到来しており、位相が互
いに大きく異なるため、各マイクロホンの出力を遅延し
た信号xm(k−rm)を加算した際に、互いに打ち消
し合い、減衰する。従って、固定ビームフォーマの出力
では、目標信号が強調され、妨害信号が減衰する。
【0012】続いて、ブロッキング行列4について図を
参照しながら説明する。図6において、ブロッキング行
列4は、マイクロホン群1m(m=0, 1, ..., M
−1)からの信号群を受け、適応信号処理を用いて、目
標信号を減衰させ、目標信号以外の信号、すなわち、妨
害信号を強調した信号群を多入力キャンセラ3に伝達す
る。適応信号処理における係数更新の量は、ステップサ
イズ入力端子8におけるステップサイズ α(k)によ
って決まる。図6に示した第1の従来法においては、α
(k)は常に1であり、時不変である。
【0013】次に、ブロッキング行列4の詳細な構成お
よびその動作について、図7を用いて説明する。図7に
おいて、ブロッキング行列4は、固定ビームフォーマ1
03、遅延器群104m(m=0、1、...M−
1)、適応フィルタ群105m(m=0, 1, ...,
M−1)、減算器群106m(m=0, 1, ..., M
−1)、乗算器群49m(m=0, 1, ..., M−
1)、乗算器79から構成されている。
【0014】ブロッキング行列4の適応フィルタ群10
5mのフィルタ構造として、FIR(有限長インパルス
応答)フィルタ、IIR(無限長インパルス応答)フィ
ルタや、ラティスフィルタなどを用いることが可能であ
る。ここでは、FIRフィルタを用いた場合について説
明する。ブロッキング行列4は、マイクロホン群1m
(m=0, 1, ..., M−1)からの信号群を入力端
子101m(m=0, 1, ..., M−1)を通じて受
け、固定ビームフォーマ103と、対応する遅延器群1
04mに伝達する。固定ビームフォーマ103は、マイ
クロホン群1mからの信号群を受けて、図6における固
定ビームフォーマ2と同様の信号処理によって、目標信
号が強調され、かつ、妨害信号が減衰した信号を出力す
る。固定ビームフォーマ103と固定ビームフォーマ2
を共用することも可能である。固定ビームフォーマ1
03の出力信号は、適応フィルタ群105mに 共通の
入力信号となる。
【0015】各遅延器群104mは、入力端子101m
から受けた信号を遅延させて、対応する減算器106m
に伝達する。各適応フィルタ105mは、固定ビームフ
ォーマ103の出力信号を受けて、それぞれの適応フィ
ルタ105mが有するタップ係数を畳み込んだ出力信号
を対応する減算器106mに伝達する。各減算器106
mは、対応する遅延器104mの出力信号から、対応す
る適応フィルタ105mの出力信号を減算する。減算器
106mの減算結果は、ブロッキング行列104の出力
信号として、出力端子102mを通じて、図6の多入力
キャンセラ3に伝達されると同時に、タップ係数更新の
ため、対応する乗算器49mに伝達される。各乗算器4
9mは、対応する減算器106mの減算結果と乗算器7
9の出力とを受けて乗算を行ない、乗算した結果をタッ
プ係数更新のために、対応する適応フィルタ105mへ
伝達する。乗算器79は、ステップサイズ入力端子8を
通じて受けたステップサイズにステップゲインα0を乗
じて、結果を乗算器群49mに伝達する。遅延器104
mの遅延サンプル数は、遅延器104mの出力における
目標信号成分と適応フィルタ105mの出力における目
標信号成分の位相が一致しうるように設定する。
【0016】このブロッキング行列における処理は、下
記の式(2)で表される。
【0017】
【数2】
【0018】ここで、ym(k)は減算器群106mの
出力信号、xm(k−P)は遅延器104mの出 力信
号、Pは遅延器4mの遅延サンプル数である。 また、
Hm(k)は適応フィルタ105mのタップ係数ベクト
ル、{・}T は転置、D(k)は固定ビームフォーマ1
03の出力信号d(k)を遅延させた複数の信号からな
る信号ベクトルであり、タップ数をN として下記の式
(3)、(4)で定義される。
【0019】
【数3】
【0020】
【数4】
【0021】続いて、適応フィルタ105mについて説
明する。適応フィルタ105mとして、タップ係数拘束
適応フィルタやリーク適応フィルタなど、様々な適応フ
ィルタを用いることが可能であるが、ここではリーク適
応フィルタを用いた場合について説明する。適応フィル
タ105mでは、対応する減算器106mからの信号に
基づいて、減算器106m の出力信号電力が最小化さ
れるようにタップ係数の更新を行なう。
【0022】以下、適応フィルタ105mにおける係数
更新について説明する。適応フィルタ105mにおける
タップ係数更新のための適応アルゴリズムとして、NL
MSアルゴリズム(「学習同定法」とも呼ばれる)、R
LSアルゴリズム(「逐次最小自乗法」とも呼ばれ
る)、射影アルゴリズム、勾配法、最小自乗法、ブロッ
ク適応アルゴリズム、直交変換を用いた適応アルゴリズ
ムなどがある。ここでは、適応アルゴリズムとしてNL
MSアルゴリズムを用いた場合について説明する。
【0023】NLMSアルゴリズムを用いたリーク適応
フィルタのタップ係数 Hm(k)(m=0, 1,
..., M−1)は下記の式(5)、(6)で更新さ
れる。
【0024】
【数5】
【0025】
【数6】
【0026】ここで、‖・‖はユークリッドノルム、α
0はステップゲイン、δはリーク係数である。図6に示
した第1の従来法においてはステップサイズα(k)は
常に1であるので、 ステップゲインα0がそのまま乗
じられる。各適応フィルタ105mのタップ係数更新に
よって、対応する減算器106mの出力における信号の
電力が最小化される。適応フィルタ105mの入力信号
である固定ビームフォーマ103の出力信号は主に目標
信号を含むので、各減算器106mの出力信号電力を最
小化した結果、減算器106mの出力では、目標信号が
大きく減衰されることになる。
【0027】続いて、多入力キャンセラ3について図を
参照しながら説明する。図6において、多入力キャンセ
ラ3は、固定ビームフォーマ2の出力信号と、ブロッキ
ング行列4の出力信号群とを受け、適応信号処理によ
り、固定ビームフォーマ2の出力を遅延した信号から、
ブロッキング行列4の出力信号群に相関がある成分を除
去する。 適応信号処理における係数更新の量は、ステ
ップサイズ入力端子9におけるステップサイズ β
(k)によって決まる。第1の従来法においては、β
(k)は常に1であり、時不変である。
【0028】次に、多入力キャンセラ3の構成およびそ
の動作について、図8を用いて説明する。 多入力キャ
ンセラ3は、適応フィルタ群207m(m=0, 1,
..., M−1)と、加算器208と、遅延器211
と、減算器209と、 乗算器212と、乗算器214
とから構成されている。各適応フィルタ207mは、ブ
ロッキング行列4から、対応する減算器106mの出力
信号を入力端子201m(m=0, 1, ..., M−
1)を通じて受け、フィルタ係数と畳み込みを行なった
結果を出力信号として加算器208に伝達する。
【0029】この適応フィルタ207mのフィルタ構造
として、FIRフィルタ、IIRフィルタや、ラティス
フィルタなどを用いることが可能である。ここでは、F
IRフィルタを用いた場合について説明する。加算器2
08は、適応フィルタ群207mの全ての出力信号群を
受け、受けた信号の総和を計算し、計算結果を出力信号
として、減算器209に伝達する。
【0030】遅延器211は、固定ビームフォーマ2の
出力信号を入力端子202を通じて受け、遅延させた
後、減算器209に伝達する。減算器209は、遅延器
211の出力信号から、加算器208の出力信号を減算
する。減算器209の出力信号が多入力キャンセラ3の
出力、 すなわち、適応アレイ装置全体の出力として、
出力端子10から出力される。
【0031】また、減算器209の出力信号は、係数更
新のために、乗算器212へ伝達される。乗算器212
は、減算器209から受けた信号に、乗算器214から
受けた信号を乗じて、適応フィルタ群207m(m=
0, 1, ..., M−1)へと送る。乗算器214は、
ステップサイズβ(k)をステップサイズ入力端子9を
通じて受け、ステップゲインβ0を乗じて、乗算器21
2へと送る。各適応フィルタ207mは、乗算器212
から受けた信号によってタップ係数の更新を行なう。
【0032】遅延器211の遅延サンプル数Qは、任意
の方向から到来する信号の位相が、適応フィルタ207
mの出力と遅延器211の出力との間で一致し得るよう
に設定する。例えば、適応フィルタ207mのタップ数
の4分の1から4分の3程度の時間に設定する。この多
入力キャンセラ3における処理は、下記の式(7)で表
される。
【0033】
【数7】
【0034】ここで、z(k)は、減算器209の出力
信号、すなわち、適応アレイ全体の出力信号である。ま
た、g(k−Q)は遅延器211の出力信号、すなわち
固定ビームフォーマ2の出力信号を遅延した信号であ
る。また、Wm(k)は適応フィルタ207mのタップ
係数ベクトルであり、Ym(k)は、適応フィルタ20
7mの入力信号、すなわち、ブロッキング行列4の出力
信号ym(k)を遅延させた信号から構成される信号ベ
クトルである。Wm(k)とYm(k)は、タップ数を
L として、下記の式(8)、(9)のように定義され
る。
【0035】
【数8】
【0036】
【数9】
【0037】各適応フィルタ207mでは、減算器20
9の出力信号z(k)の電力が最小化されるように、タ
ップ係数Wm(k)の更新を行なう。以下、適応フィル
タ群207mについて説明する。適応フィルタ207m
として、タップ係数拘束適応フィルタやリーク適応フィ
ルタを用いることが可能であるが、ここではリーク適応
フィルタを用いた場合について説明する。また、適応フ
ィルタ207mにおけるタップ係数更新のための適応ア
ルゴリズムとして、NLMSアルゴリズム、RLSアル
ゴリズム、射影アルゴリズム、勾配法、最小 自乗法、
ブロック適応アルゴリズム、直交変換を用いた適応アル
ゴリズムなどがある。ここでは、適応アルゴリズムとし
てNLMSアルゴリズムを用いた場合について説明す
る。さらに、適応アルゴリズムとしてNLMSアルゴリ
ズムを適用する場合、各適応フィルタ毎にNLMSアル
ゴリズムを適用する方法と、適応フィルタ群全てまとめ
てNLMSアルゴリズムの適用する方法がある。ここで
は、全ての適応フィルタに対してNLMSアルゴリズム
を適用する方法について説明する。
【0038】適応フィルタ207mにおけるタップ係数
Wm(k)の係数更新は、ステップゲインをβ0とし
て、下記の式(10)で表される。
【0039】
【数10】
【0040】ここで、γはリーク係数である。第1の従
来法においては、ステップサイズβ(k)が常に1であ
るので、ステップゲインβ0が、そのまま乗じられる。
適応フィルタ207mのタップ係数更新の結果、減算器
209の出力における信号の出力が最小化される。各適
応フィルタ207mへの入力信号である減算器106m
の出力信号は主に妨害信号を含むので、減算器209の
出力信号電力を最小化した結果、減算器209の出力信
号、すなわち、出力端子10における信号では、妨害信
号が大きく減衰されることになる。この出力端子10に
おける信号が、適応アレイ全体の出力信号となる。
【0041】以上、説明してきた第1の従来法によれ
ば、妨害信号が存在する状況において、目標信号を抽出
することができる。第1の従来法では、目標信号のみが
存在し、妨害信号が存在しない場合、多入力キャンセラ
3の適応フィルタ群207mにおけるタップ係数Wm
(k)が、目標信号によって乱されるため、最終出力に
おいて目標信号の劣化が生じる。
【0042】また、タップ係数Wm(k)が乱された後
に妨害信号が再発生した場合、妨害信号が除去されず、
最終出力において息づき雑音が生じる。これらの劣化や
雑音を防ぐには、多入力キャンセラ3の適応フィルタ群
207mが乱されないように、適応アルゴリズムのステ
ップゲインβ0を小さくする必要がある。ところが、ス
テップゲインβ0が小さい場合には、妨害信号源の移動
に対する、多入力キャンセラ3における適応フィルタ群
207mの追従速度が遅くなり、最終出力における妨害
信号除去が不十分となる期間が長くなる。
【0043】また、妨害信号のみが存在し、目標信号が
存在しない場合、ブロッキング行列4の適応フィルタ群
105mにおけるタップ係数Hm(k)が乱されるた
め、最終出力において、息づき雑音が生じる。これを防
ぐには、適応フィルタ105mが乱されないよ うに、
適応アルゴリズムのステップゲインα0を小さくする必
要がある。ところが、ステップゲインα0が小さい場合
には、目標信号源の移動に対する、ブロッキング行列4
における適応フィルタ群105mの追従速度が遅くな
り、最終出力における目標信号の品質が劣化する。
【0044】このような問題に対し、出力信号の品質を
高くしたままで、妨害信号源の移動に対して高速で追従
させることを目的として、適応フィルタにおけるステッ
プサイズを制御した適応アレイ装置が、文献、ジャーナ
ル オブ アコースティカルソサイエティ オブ アメ
リカ(Journal of Acoustical
Society of America)、第91巻3
号、1992年、1662〜1676ページ(以下「文
献8」と呼ぶ)に開示されている。
【0045】以下、文献8に示されるステップサイズを
制御する方法について、図を用いて説明する。図9は、
第2の従来法として、文献8に示されたステップサイズ
制御回路を文献3に示された適応アレイ装置に適用した
場合のブロック図である。図6に示す適応アレイ装置と
図9に示す適応アレイ装置との差異は、図6に示す適応
アレイ装置おいては、ステップサイズα(k)とステッ
プサイズβ(k)が両方とも時不変な定数1であるのに
対し、図9に示す適応アレイ装置においては、ステップ
サイズ制御回路50によって時変に制御されていること
である。以下、ステップサイズ制御回路50について説
明する。
【0046】ステップサイズ制御回路50は、符号相互
相関計算回路20と40、比較回路17と37、閾値発
生回路19と39、反転回路69から構成されている。
符号相互相関計算回路20は、対応するマイクロホン1
j と1j+1 からの信号を受け、その符号相互相関を計算
し、計算結果を比較回路17に伝達する。比較回路17
は、符号相互相関計算回路20の出力値と、閾値発生回
路19からの閾値θbとを受けて両者を比較する。符号
相互相関計算回路20の出力値の方が閾値θbより大き
い場合には1を出力し、小さい場合には0を出力する。
比較回路17の出力は、ステップサイズα(k)として
ブロッキング行列4に伝達される。
【0047】同様に、符号相互相関計算回路40は、対
応するマイクロホン1j と1j+1 からの信号を受けて、
その符号相互相関を計算し、計算結果を比較回路37に
伝達する。比較回路37は、符号相互相関計算回路40
の出力値と、閾値発生回路39からの閾値θcとを受け
て両者を比較する。符号相互相関計算回路40の出力値
の方が閾値θcより大きい場合には1を出力し、小さい
場合には0を出力する。
【0048】比較回路37の出力は、反転回路69に伝
達される。反転回路69は、比較回路37の出力を入力
とし、入力が1の場合は0を出力し、入力が0の場合は
1を出力する。反転回路69の出力は、ステップサイズ
β(k)として、多入力キャンセラ3に伝達される。符
号相互相関計算回路20は、帯域通過回路11と12、
符号判定回路13と14、乗算回路15、低域通過回路
16から構成されている。帯域通過回路11と12は同
一の周波数特性を有し、それぞれ、対応するマイクロホ
ン1j と1j+ 1 から信号を受けて、必要な周波数成分を
通過させ、不要な成分を減衰させる。環境によっては、
全ての周波数成分を通過させる場合もある。この場合に
は帯域通過回路11と12は省略可能である。
【0049】帯域通過回路11と12の出力信号は、そ
れぞれ、対応する符号判定回路13と14に送られる。
符号判定回路13と14は、それぞれ、対応する帯域通
過回路11と12の出力信号を受けて、信号の符号が正
である場合には1を出力し、信号の符号が負である場合
には−1を出力する。符号判定回路13と14の出力信
号は、乗算回路15へと送られる。
【0050】乗算回路15では、符号判定回路13と1
4の出力信号を受けて、その積を計算し、計算結果を低
域通過回路16へと送る。低域通過回路16では、乗算
回路15の出力信号を受けて、高周波成分を減衰させ、
低周波成分を通過させた信号を出力する。低域通過回路
16の出力信号、すなわち、符号相互相関計算回路20
の出力信号は、マイクロホン1j と1j+1 からの信号の
符号相互相関になっている。
【0051】ここで、符号相互相関計算回路20の出力
信号、すなわち、低域通過回路16の出力信号の性質に
ついて説明する。マイクロホン配置直線と目標信号源方
向がほぼ直交する場合、目標信号の成分の位相は、マイ
クロホン1j と1j+1 の信号においては、ほぼ一致して
いる。従って、目標信号が存在する場合、低域通過回路
16の出力信号は大きくなる。逆に、目標信号が存在し
ない場合、低域通過回路16の出力信号は小さくなる。
従って、この低域通過回路16の出力信号、すなわち符
号相互相関計算回路20の出力信号は、目標信号の有無
に関する指標となる。この符号相互相関計算回路20の
出力信号を、比較回路17において、閾値θbと比較す
ることによって、目標信号の有無を検出し、検出結果に
基づいて、ステップサイズα(k)を制御している。
【0052】符号相互相関計算回路40の構成は符号相
互相関計算回路20と全く同じであるので、その説明は
省略する。符号相互相関計算回路20の出力信号と同様
に、符号相互相関計算回路40の出力信号は目標信号の
有無に関する指標となる。この符号相互相関計算回路4
0の出力信号を比較回路37において閾値θcと比較す
ることによって、目標信号の有無を検出し、検出結果を
反転回路69で反転した出力に基づいて、ステップサイ
ズβ(k)を制御している。
【0053】ただし、符号相互相関計算回路40におけ
る各パラメータは、符号相互相関計算回路20における
各パラメータと異なっていても良い。特に低域通過回路
36の時定数は、低域通過回路16より小さい方が雑音
除去性能が高くなる。以上説明してきたように、ステッ
プサイズ制御回路50を用いて、ブロッキング行列及び
多入力キャンセラのステップサイズを制御することによ
り、出力信号の品質を高くしたままで、妨害信号源の移
動に高速追従させることができる。
【0054】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、第2の従来
法における符号相互相関計算回路20の低域通過回路1
6における時定数設定には、出力信号品質の劣化と息づ
き雑音との間において、目標信号検出の精度によるトレ
ードオフが存在した。 息づき雑音は、目標信号がない
ときに、目標信号があると誤って検出した場合(以下
「誤検出」と呼ぶ)に生じる。この誤検出は、符号相互
相関の分散が大きい場合に起きる。従って、誤検出を少
なくするためには、低域通過回路16の時定数を長くす
ればよい。
【0055】一方、目標信号の劣化は、目標信号が存在
するときに目標信号が存在しないと判定してしまった場
合(以下、「検出失敗」と呼ぶ)に生じる。この検出失
敗は、符号相互相関の変化が目標信号の有無に追従でき
ないときに生じる。従って、検出失敗を少なくするに
は、低域通過回路16の時定数を短くすればよい。この
ように低域通過回路16の時定数設定にはトレードオフ
が存在する。同様のトレードオフは、符号相互相関計算
回路40の低域通過回路36における時定数設定にも存
在する。
【0056】また、閾値発生回路19が発生する閾値θ
bについても、出力信号品質の劣化と息づき雑音との間
において、目標信号検出の精度によるトレードオフが存
在する。息づき雑音を少なくするためには、誤検出の確
率を小さくしなければならない。また、誤検出を少なく
するためには、閾値θbを大きく設定しなければならな
い。
【0057】しかし、閾値θbが大きいと、目標信号の
有無に対する指標の追従が遅れるため、特に目標信号が
発生した時に出力信号の品質が劣化する。同様のトレー
ドオフは、閾値発生回路39が発生する閾値θcについ
ても存在する。出力信号の品質を高くするためには、検
出失敗の確率を小さくしなければならない。検出失敗の
確率を小さくするためには、閾値θcを小さく設定しな
ければならない。しかし、閾値θcを小さく設定する
と、誤検出の確率が増加するため、収束速度の低下や、
息づき雑音の増加が生じる。
【0058】本発明は、以上のような従来の適応アレイ
の制御方法における問題点に鑑みてなされたものであ
り、息づき雑音が小さく、かつ、出力信号の品質が高い
適応アレイの制御方法、および、適応アレイ装置を提供
することを目的とする。
【0059】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の第1の態様によれば、複数のセンサと適応フ
ィルタを用いて、複数の信号源の中から、ある特定の信
号源のみを目標信号源として受信する適応アレイの制御
方法において、2つのセンサ出力信号における目標信号
の成分の位相を一致させるように位相を調整した信号か
ら第1の時定数で計算した第1の相互相関と第1の閾値
とを比較した結果と、第2の時定数で計算した第2の相
互相関と第2の閾値とを比較した結果とを入力とする状
態回路の出力を、前記適応フィルタにおける適応アルゴ
リズムのステップサイズとすること、を特徴とする適応
アレイの制御方法が提示される。
【0060】上記課題を解決するために本発明の第2の
態様によれば、複数のセンサと適応フィルタを用いて、
複数の信号源の中から、ある特定の信号源のみを目標信
号源として受信する適応アレイの制御方法において、2
つのセンサ出力信号における目標信号の成分の位相を一
致させるように位相を調整した信号から第1の時定数で
計算した第1の符号相互相関と第1の閾値とを比較した
結果と、第2の時定数で計算した第2の符号相互相関と
第2の閾値とを比較した結果とを入力とする状態回路の
出力を、前記適応フィルタにおける適応アルゴリズムの
ステップサイズとすること、を特徴とする適応アレイの
制御方法が提示される。
【0061】上記課題を解決するために本発明の第3の
態様によれば、複数のセンサと適応フィルタを用いて、
複数の信号源の中から、ある特定の信号源のみを目標信
号源として受信する適応アレイの制御方法において、2
つのセンサ出力信号における目標信号の成分の位相を一
致させるように位相を調整した信号から第1の時定数で
計算した第1の相互相関係数と第1の閾値とを比較した
結果と、第2の時定数で計算した第2の相互相関係数と
第2の閾値とを比較した結果とを入力とする状態回路の
出力を、前記適応フィルタにおける適応アルゴリズムの
ステップサイズとすること、を特徴とする適応アレイの
制御方法が提示される。
【0062】また、前記状態回路の内部状態が、次の状
態遷移が目標信号停止による状態遷移であるか、又は、
目標信号発生による状態遷移であるかを表し、前記状態
回路によるステップサイズの制御が前記内部状態によっ
て異なること、を特徴とする前記の適応アレイの制御方
法も提示される。さらに、前記状態回路の内部状態が、
前記第1の相互相関又は前記第1の符号相互相関又は前
記第1の相互相関係数が前記第1の閾値より大きく、か
つ、前記第2の相互相関又は前記第2の符号相互相関又
は前記第2の相互相関係数が前記第2の閾値より大きい
ときに、次の状態遷移が目標信号停止による状態遷移で
あることを表すように状態遷移し、前記第1の相互相関
又は前記第1の符号相互相関又は前記第1の相互相関係
数が前記第1の閾値より小さく、かつ、前記第2の相互
相関又は前記第2の符号相互相関又は前記第2の相互相
関係数が前記第2の閾値より小さいときに、次の状態遷
移が目標信号発生による状態遷移であることを表すよう
に状態遷移すること、を特徴とする前記の適応アレイの
制御方法も提示される。
【0063】上記課題を解決するために本発明の第4の
態様によれば、複数のセンサと適応フィルタを備えて、
複数の信号源の中から、ある特定の信号源のみを目標信
号源として受信する適応アレイにおいて、2つのセンサ
出力信号における目標信号の成分の位相を一致させるよ
うに位相を調整した信号から第1の時定数で計算した第
1の相互相関と第1の閾値とを比較した結果と、第2の
時定数で計算した第2の相互相関と第2の閾値とを比較
した結果とを入力とする状態回路の出力を、前記適応フ
ィルタにおける適応アルゴリズムのステップサイズとす
ること、を特徴とする適応アレイ装置が提供される。
【0064】上記課題を解決するために本発明の第5の
態様によれば、複数のセンサと適応フィルタを備えて、
複数の信号源の中から、ある特定の信号源のみを目標信
号源として受信する適応アレイにおいて、2つのセンサ
出力信号における前記目標信号の成分の位相を一致させ
るように位相を調整した信号から、第1の時定数で計算
した第1の符号相互相関と第1の閾値とを比較した結果
と、第2の時定数で計算した第2の符号相互相関と第2
の閾値とを比較した結果とを入力とする状態回路の出力
を、前記適応フィルタにおける適応アルゴリズムのステ
ップサイズとすること、を特徴とする適応アレイ装置が
提供される。
【0065】上記課題を解決するために本発明の第6の
態様によれば、複数のセンサと適応フィルタを備えて、
複数の信号源の中から、ある特定の信号源のみを目標信
号源として受信する適応アレイにおいて、2つのセンサ
出力信号における目標信号の成分の位相を一致させるよ
うに位相を調整した信号から第1の時定数で計算した第
1の相互相関係数と第1の閾値とを比較した結果と、第
2の時定数で計算した第2の相互相関係数と第2の閾値
とを比較した結果とを入力とする状態回路の出力を、前
記適応フィルタにおける適応アルゴリズムのステップサ
イズとすること、を特徴とする適応アレイ装置が提供さ
れる。
【0066】また、前記状態回路の内部状態が、次の状
態遷移が目標信号停止による状態遷移であるか、目標信
号発生による状態遷移であるかを表し、前記状態回路に
よるステップサイズの制御が、前記内部状態によって異
なること、を特徴とする前記の適応アレイ装置が提供さ
れる。そして、前記状態回路の内部状態が、前記第1の
相互相関又は前記第1の符号相互相関又は前記第1の相
互相関係数が前記第1の閾値より大きく、かつ、前記第
2の相互相関又は前記第2の符号相互相関又は前記第2
の相互相関係数が前記第2の閾値より大きいときに、次
の状態遷移が目標信号停止による状態遷移であることを
表すように状態遷移し、前記第1の相互相関又は前記第
1の符号相互相関又は前記第1の相互相関係数が前記第
1の閾値より小さく、かつ、前記第2の相互相関又は前
記第2の符号相互相関又は前記第2の相互相関係数が前
記第2の閾値より小さいときに、次の状態遷移が目標信
号発生による状態遷移であることを表すように状態遷移
すること、を特徴とする前記の適応アレイ装置も提供さ
れる。
【0067】本発明の適応アレイの制御方法および適応
アレイ装置によれば、目標信号の検出が正確になるた
め、ステップサイズ制御がより正確に行えるようにな
り、息づき雑音が減少し、かつ、出力信号の品質劣化が
少なくなる。
【0068】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形
態に係る適応アレイ装置のブロック図である。本実施形
態は、図9に示された第2の従来法に対して、ステップ
サイズ制御回路50をステップサイズ制御回路51で置
換したものである。ステップサイズ制御回路50とステ
ップサイズ制御回路51の差異は、 反転回路69が除
去されていること、および、状態回路60が付加されて
いることである。図1を参照すると、比較回路17と3
7の出力信号は、状態回路60に伝達されている。状態
回路60は、比較回路17と37の出力信号を受けて、
ステップサイズα(k)とβ(k)を出力する。以下、
状態回路60について説明する。
【0069】状態回路60は、1つの内部状態i(k)
を有しており、内部状態i(k)と比較回路17と37
の比較結果から、次サンプル(k+ 1)における内部状
態i(k+ 1)、ステップサイズα(k)および ステ
ップサイズβ(k)を出力する。表1は、状態回路60
の状態遷移およびステップサイズα(k)とβ(k)の
変化の一例である。
【0070】
【表1】
【0071】表1において、0/1は、0と1のどちら
でもよいこと、すなわち、いわゆるドントケア(Don't
care)項を表している。内部状態i(k)は、次に発生
する状態遷移が目標信号発生によるものか、目標信号停
止によるものかを表している。ここでは、内部状態i
(k)を、次の状態変化が目標信号発生によることを意
味するときに1とし、目標信号停止によることを意味す
るときに0とする。内部状態i(k)は、入力信号であ
る比較回路17と37の比較結果によって変化する。比
較回路17と37の出力の両方が0である場合は、次サ
ンプル(k+ 1)における内部状態i(k+ 1)は、1
となる。
【0072】比較回路17と37の出力の両方が1であ
る場合は、次サンプル(k+ 1)における内部状態i
(k+ 1)は、0となる。この2つの場合以外には、次
サンプル(k+ 1)における内部状態i(k+ 1)は、
現在のサンプルkにおける内部状態i(k)を維持す
る。また、表1に示すように、ステップサイズα(k)
が1となる場合は、比較回路17の出力が1であり、か
つ 比較回路37の出力が1である場合と、内部状態i
(k)が1である場合である。それ以外の場合には、ス
テップサイズα(k)は0となる。ステップサイズβ
(k)は、比較回路17の出力が0であり、かつ、比較
回路37の出力が0である場合に1となる。それ以外の
場合には、ステップサイズβ(k)は0となる。
【0073】図2は、ステップサイズ制御回路51の内
部信号、閾値、ステップサイズ、内部状態を模式的に示
すタイムチャートである。次に、図2を参照して、ステ
ップサイズ制御回路51の動作を説明する。図2は、第
2の従来法のステップサイズ制御回路50と本発明のス
テップサイズ制御回路51に共通する内部信号p
(k)、q(k)の波形、閾値θb、θc、および、ス
テップサイズ制御回路50が出力するステップサイズα
(k)、β(k)の波形、ならびに、ステップサイズ制
御回路51の内部状態i(k)、および、出力されるス
テップサイズα(k)、β(k)の波形を 模式的に表
している。理想的には、目標信号発生の瞬間に、ブロッ
キング行列4におけるステップサイズα(k)が1にな
るとともに、多入力キャンセラ3におけるステップサイ
ズβ(k)が0になればよい。逆に目標信号停止の瞬間
には、ステップサイズα(k)が0になるとともに、ス
テップサイズβ(k)が1になればよい。
【0074】図2において、第2の従来法のステップサ
イズ制御回路50におけるステップサイズα(k)の波
形は、目標信号が発生した時点から遅延して1になって
いるのに対し、本発明のステップサイズ制御回路51に
おけるステップサイズα(k)の波形は、目標信号が発
生した直後に1になっている。すなわち、本発明のステ
ップサイズ制御回路51による目標信号検出結果は、目
標信号発生および停止からの遅延が少ない。すなわち、
本発明のステップサイズ制御回路51を使用した場合、
第2の従来法のステップサイズ制御回路50を使用する
場合より、精度の高い目標信号検出を行なうことができ
る。その結果、出力信号における息づき雑音や目標信号
品質の劣化が減少する。
【0075】本発明における状態回路60の状態遷移お
よびステップサイズα(k)とβ(k)を 決定する表
として、これまで表1を用いてきたが、表1と異なる表
を用いることも可能である。表2は、状態回路60にお
ける状態遷移およびステップサイズα(k)とβ(k)
を決定する表の他の例を表している。
【0076】
【表2】
【0077】表1と表2の差異は、α(k)の決定方法
のみである。表2でα(k)が1になる場合は、表1の
場合に加え、内部状態i(k)が0であり、かつ、比較
器17の出力が1である場合、または、内部状態i
(k)が0であり、かつ、比較器37の出力が1である
場合である。図3は、ステップサイズ制御回路51の内
部信号、閾値、ステップサイズ、内部状態を模式的に示
す他のタイムチャートである。
【0078】図3は、本発明のステップサイズ制御回路
51において表2の状態遷移表を用いた場合について、
内部信号p(k)、q(k)の波形と、閾値θb、θ
c、および、ステップサイズα(k)、β(k)の波形
を模式的に表している。図3と、図2との差異は、本発
明におけるα(k)の波形のみである。図3から分かる
ように、 本発明のステップサイズ制御回路51におい
て 表2による状態遷移を行う場合、第2の従来法のス
テップサイズ制御回路50を使用する場合より、精度の
高い目標信号検出が行なえる。
【0079】この表2を用いた場合にも、表1を用いた
場合と同様に、次の状態遷移が目標信号の発生によるも
のか、あるいは目標信号の停止によるものかを表す内部
状態i(k)を用いることによって、精度の高い目標信
号検出が可能であり、表1を用いた場合と同様の効果を
生じる。表3は、状態回路60における状態遷移および
ステップサイズα(k)とβ(k)を 決定する表の他
の例を表している。
【0080】
【表3】
【0081】表1と表3の差異は、β(k)の決定方法
のみである。表3でβ(k)が1になる場合は、表1の
場合に加え、内部状態i(k)が0であり、かつ、比較
器17の出力が1である場合、または、内部状態i
(k)が0であり、かつ、比較器37の出力が1である
場合である。図4も、ステップサイズ制御回路51の内
部信号、閾値、ステップサイズ、内部状態を模式的に示
す他のタイムチャートである。
【0082】図4は、本発明のステップサイズ制御回路
51において表3の状態遷移表を用いた場合について、
内部信号p(k)、q(k)の波形と、閾値θb、θ
c、および、ステップサイズα(k)、β(k)の波形
を 模式的に表している。 図4と、図2との差異は、
本発明におけるβ(k)の波形のみである。図4から分
かるように、本発明のステップサイズ制御回路51にお
いて表3による状態遷移を行う場合、第3の従来法のス
テップサイズ制御回路50を使用する場合より、精度の
高い目標信号検出が行なえる。
【0083】この表3を用いた場合にも、表1を用いた
場合と同様に、次の状態遷移が目標信号の発生によるも
のか、あるいは目標信号の停止によるものかを表す内部
状態i(k)を用いることによって、精度の高い目標信
号検出が可能であり、表1を用いた場合と同様の効果を
生じる。以上、目標信号の有無に関する指標として、2
個のマイクロホン信号の符号相互相関を用いてきたが、
異なる指標を用いることも可能である。図5は本発明の
第2の実施形態に係る適応アレイ装置のブロック図であ
る。
【0084】図1に示す本発明の第1の実施形態と本実
施形態との差異は、ステップサイズ制御回路51が、図
5ではステップサイズ制御回路53で置換されているこ
とのみである。ステップサイズ制御回路51とステップ
サイズ制御回路53との差異は、符号相互相関計算回路
20が相互相関計算回路21で置換され、符号相互相関
計算回路40が相互相関計算回路41で置換されている
ことである。以下、この差異についてのみ説明する。
【0085】符号相互相関計算回路20と相互相関計算
回路21との差異は、符号相互相関計算回路20におけ
る符号判定回路13と14が取り除かれ、帯域通過回路
11と12の出力が乗算回路15へ直結されていること
のみである。低域通過回路16の出力、すなわち、相互
相関計算回路21の出力は、2個のマイクロホン1j
j+1 からの信号の相互相関になっている。従って、相
互相関が目標信号検出の指標になっている。符号相互相
関計算回路40と相互相関計算回路41との差異も同様
に符号判定回路33と34が取り除かれていることであ
るので、説明を省略する。
【0086】相互相関は、目標信号が存在する場合に大
きくなり、目標信号が停止している場合に小さくなる。
この性質は、符号相互相関と同様である。したがって、
本発明第2の実施の形態におけるステップサイズ制御回
路53は、本発明第1の実施の形態におけるステップサ
イズ制御回路51と同様の性質を有するため、本発明第
2の実施の形態は、本発明第1の実施の形態と同様に、
出力信号における息づき雑音を減少し、出力信号の品質
が高まるという効果を有する。
【0087】相互相関の定義には、様々なものがあり、
その定義に応じて、相互相関計算回路には、図5に示す
構成以外に、様々な構成が可能である。以上では、目標
信号検出のための指標として、相互相関の他に符号相互
相関を用いたが、相互相関係数を用いることも可能であ
る。あるいは、この他の目標信号検出のための指標とし
て、目標信号電力と雑音電力の比の推定値を用いること
も可能である。
【0088】以上では、本発明の方法によって、ブロッ
キング行列4のステップサイズα(k)と多入力キャン
セラ3のステップサイズβ(k)の両方を制御している
が、ブロッキング行列4のステップサイズα(k)の
み、あるいは、多入力キャンセラ3のステップサイズβ
(k)のみを本発明の方法で制御することも可能であ
る。この場合、本発明の方法で制御しないステップサイ
ズの制御を従来法によって制御することも可能である。
【0089】以上、多入力キャンセラの各適応フィルタ
207mのタップ係数更新を行うための適応アルゴリズ
ムとして、NLMSアルゴリズムを用いた場合について
説明してきたが、NLMSアルゴリズム以外に、RLS
アルゴリズム、射影アルゴリズム 、勾配法、最小自乗
法、ブロック適応アルゴリズム、直交変換を用いた適応
アルゴリズムなど、他の適応アルゴリズムを用いた場合
についても同様の手法が可能である。
【0090】NLMSアルゴリズムを用いた場合には、
ステップサイズのみを制御していたが、他の適応アルゴ
リズムを用いた場合には、ステップサイズ以外のパラメ
ータも制御することができる。例えば、RLSアルゴリ
ズムを用いた場合には、ステップサイズのみならず、忘
却定数と呼ばれる定数も同様の手法で制御することがで
きる。
【0091】以上、多入力キャンセラの各適応フィルタ
207mとしてリーク適応フィルタを用いた場合を説明
してきたが、リーク適応フィルタ以外に、タップ係数拘
束適応フィルタ、ノルム拘束適応フィルタなどを用いる
ことが可能である。以上、多入力キャンセラの各適応フ
ィルタ207mのフィルタ構造として、FIRフィルタ
を用いた場合について説明してきたが、FIR以外に、
IIRフィルタや、ラティスフィルタなどを用いること
が可能である。
【0092】また、ブロッキング行列の各適応フィルタ
105mのタップ係数を更新するための適応アルゴリズ
ムとして、NLMSアルゴリズムを用いた場合について
説明してきたが、NLMSアルゴリズム以外に、LMS
アルゴリズム、RLSアルゴリズム、射影アルゴリズ
ム、勾配法、最小自乗法、ブロック適応アルゴリズム、
直交変換を用いた適応アルゴリズムなど、他の適応アル
ゴリズムを用いた場合についても同様の手法が可能であ
る。
【0093】NLMSアルゴリズムを用いた場合には、
ステップサイズのみを制御していたが、他の適応アルゴ
リズムを用いた場合には、ステップサイズ以外のパラメ
ータも制御することができる。例えば、RLSアルゴリ
ズムを用いた場合には、ステップサイズのみならず、忘
却定数と呼ばれる定数も同様の手法で制御することがで
きる。
【0094】以上、ブロッキング行列の各適応フィルタ
105mとしてリーク適応フィルタを用いた場合を説明
してきたが、リーク適応フィルタ以外に、タップ係数拘
束適応フィルタ、ノルム拘束適応フィルタなどを用いる
ことが可能である。以上、ブロッキング行列の各適応フ
ィルタ105mのフィルタ構造として、FIR フィル
タを用いた場合について説明してきたが、FIR以外
に、IIRフィルタや、ラティスフィルタなどを用いる
ことが可能である。
【0095】以上、固定ビームフォーマ2及び固定ビー
ムフォーマ103の構成として、ディレイアンドサムビ
ームフォーマを用いて説明してきたが、この他に、フィ
ルタアンドサムビームフォーマなど様々な構成を用いる
ことができる。以上、適応アレイの構成として、文献3
の構成を例に説明してきたが、この他に、適応アレイと
して、文献1の構成や、文献2の構成、文献4の構成、
文献5の構成、文献6の構成などを用いた場合について
も同様の手法が可能である。
【0096】本発明の適応アレイの制御方法および適応
アレイ装置は、文献4のフロストビームフォーマについ
ても適用できる。文献4では、タップ係数更新に、線形
拘束付きの適応アルゴリズムが用いられている。この適
応アルゴリズムにおけるステップサイズや忘却定数を、
これまで説明してきたものと同様の性質を有するステッ
プサイズ制御回路、例えば、図1におけるステップサイ
ズ制御回路51の出力によって制御すればよい。
【0097】以上、目標信号源がマイクロホンアレイ配
置されている線分に直交する直線の近傍方向に存在する
状況で説明してきたが、目標信号源がマイクロホンアレ
イ配置されている線分に直交する直線の近傍方向に存在
しない場合にも本発明は適用できる。帯域通過回路11
と12の入力信号において、目標信号成分の位相がほぼ
一致するように、各マイクロホン1mの出力に位相を調
整する手段を挿入してやればよい。
【0098】以上、マイクロホンアレイが線分上に等間
隔に配置されている場合について説明してきたが、マイ
クロホン配置が等間隔でない場合や、曲線上に配置され
ている場合や、平面上、曲面上、あるいは立体的に配置
されている場合でも、同様の原理による構成が可能であ
る。また、固定ビームフォーマとしてセンサアレイを用
いた場合について説明してきたが、マイクロホン自身が
指向性を持っている場合についても同様の手法が可能で
ある。さらに、センサとしてマイクロホンを用いて説明
してきたが、マイクロホン以外に、超音波センサや、ソ
ーナー受音器、アンテナなどのセンサを用いることが可
能である。
【0099】
【発明の効果】前述のように、本発明の適応アレイの制
御方法および適応アレイ装置によれば、目標信号の検出
が正確になり、ステップサイズの制御がより正確にな
る。このため、最終出力における息づき雑音が減少する
効果、及び、目標信号の品質が高まるという効果が生じ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る適応アレイ装置
のブロック図である。
【図2】ステップサイズ制御回路の内部信号、閾値、ス
テップサイズ、内部状態を模式的に示すタイムチャート
である。
【図3】ステップサイズ制御回路の内部信号、閾値、ス
テップサイズ、内部状態を模式的に示す他のタイムチャ
ートである。
【図4】ステップサイズ制御回路の内部信号、閾値、ス
テップサイズ、内部状態を模式的に示す他のタイムチャ
ートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る適応アレイ装置
のブロック図である。
【図6】第1の従来法の構成を示す図である。
【図7】ブロッキング行列の構成の一例を示すブロック
図である。
【図8】多入力キャンセラの構成の一例を示すブロック
図である。
【図9】第2の従来法の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10〜1M−1 マイクロホン 2 固定ビームフォーマ 3 多入力キャンセラ 4 ブロッキング行列 8 ステップサイズ入力端子 9 ステップサイズ入力端子 10 出力端子 11,12,31,32 帯域通過回路 13,14,33,34 符号判定回路 15,35 乗算器 16,36 低域通過回路 17,37 比較器 19,39 閾値発生回路 20,40 符号相互相関計算回路 21,41 相互相関計算回路 50,51,53 ステップサイズ制御回路 60 状態回路 490〜49M−1 乗算器 69 反転回路 79 乗算器 1010〜101M−1 入力端子 1020〜102M−1 出力端子 103 固定ビームフォーマ 1040〜104M−1 遅延器 1050〜105M−1 適応フィルタ 1060〜106M−1 減算器 2010〜201M−1 入力端子 202 入力端子 2070〜207M−1 適応フィルタ 208 加算器 209 減算器 211 遅延器 212 乗算器 214 乗算器

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のセンサと適応フィルタを用いて、
    複数の信号源の中から、ある特定の信号源のみを目標信
    号源として受信する適応アレイの制御方法において、 2つのセンサ出力信号における目標信号の成分の位相を
    一致させるように位相を調整した信号から第1の時定数
    で計算した第1の相互相関と第1の閾値とを比較した結
    果と、 第2の時定数で計算した第2の相互相関と第2の閾値と
    を比較した結果とを入力とする状態回路の出力を、 前記適応フィルタにおける適応アルゴリズムのステップ
    サイズとすること、 を特徴とする適応アレイの制御方法。
  2. 【請求項2】 複数のセンサと適応フィルタを用いて、
    複数の信号源の中から、ある特定の信号源のみを目標信
    号源として受信する適応アレイの制御方法において、 2つのセンサ出力信号における目標信号の成分の位相を
    一致させるように位相を調整した信号から第1の時定数
    で計算した第1の符号相互相関と第1の閾値とを比較し
    た結果と、 第2の時定数で計算した第2の符号相互相関と第2の閾
    値とを比較した結果とを入力とする状態回路の出力を、 前記適応フィルタにおける適応アルゴリズムのステップ
    サイズとすること、を特徴とする適応アレイの制御方
    法。
  3. 【請求項3】 複数のセンサと適応フィルタを用いて、
    複数の信号源の中から、ある特定の信号源のみを目標信
    号源として受信する適応アレイの制御方法において、 2つのセンサ出力信号における目標信号の成分の位相を
    一致させるように位相を調整した信号から、第1の時定
    数で計算した第1の相互相関係数と第1の閾値とを比較
    した結果と、 第2の時定数で計算した第2の相互相関係数と第2の閾
    値とを比較した結果とを入力とする状態回路の出力を、 前記適応フィルタにおける適応アルゴリズムのステップ
    サイズとすること、 を特徴とする適応アレイの制御方法。
  4. 【請求項4】 前記状態回路の内部状態が、 次の状態遷移が目標信号停止による状態遷移であるか、
    又は、目標信号発生による状態遷移であるかを表し、前
    記状態回路によるステップサイズの制御が前記内部状態
    によって異なること、 を特徴とする請求項1,2又は3記載の適応アレイの制
    御方法。
  5. 【請求項5】 前記状態回路の内部状態が、 前記第1の相互相関又は前記第1の符号相互相関又は前
    記第1の相互相関係数が前記第1の閾値より大きく、か
    つ、前記第2の相互相関又は前記第2の符号相互相関又
    は前記第2の相互相関係数が前記第2の閾値より大きい
    ときに、次の状態遷移が目標信号停止による状態遷移で
    あることを表すように状態遷移し、 前記第1の相互相関又は前記第1の符号相互相関又は前
    記第1の相互相関係数が前記第1の閾値より小さく、か
    つ、前記第2の相互相関又は前記第2の符号相互相関又
    は前記第2の相互相関係数が前記第2の閾値より小さい
    ときに、次の状態遷移が目標信号発生による状態遷移で
    あることを表すように状態遷移すること、 を特徴とする請求項4記載の適応アレイの制御方法。
  6. 【請求項6】 複数のセンサと適応フィルタを備えて、
    複数の信号源の中から、ある特定の信号源のみを目標信
    号源として受信する適応アレイにおいて、 2つのセンサ出力信号における目標信号の成分の位相を
    一致させるように位相を調整した信号から第1の時定数
    で計算した第1の相互相関と第1の閾値とを比較した結
    果と、 第2の時定数で計算した第2の相互相関と第2の閾値と
    を比較した結果とを入力とする状態回路の出力を、 前記適応フィルタにおける適応アルゴリズムのステップ
    サイズとすること、 を特徴とする適応アレイ装置。
  7. 【請求項7】 複数のセンサと適応フィルタを備えて、
    複数の信号源の中から、ある特定の信号源のみを目標信
    号源として受信する適応アレイにおいて、 2つのセンサ出力信号における目標信号の成分の位相を
    一致させるように位相を調整した信号から第1の時定数
    で計算した第1の符号相互相関と第1の閾値とを比較し
    た結果と、 第2の時定数で計算した第2の符号相互相関と第2の閾
    値とを比較した結果とを入力とする状態回路の出力を、
    前記適応フィルタにおける適応アルゴリズムのステップ
    サイズとすること、 を特徴とする適応アレイ装置。
  8. 【請求項8】 複数のセンサと適応フィルタを備えて、
    複数の信号源の中から、ある特定の信号源のみを目標信
    号源として受信する適応アレイにおいて、 2つのセンサ出力信号における目標信号の成分の位相を
    一致させるように位相を調整した信号から第1の時定数
    で計算した第1の相互相関係数と第1の閾値とを比較し
    た結果と、 第2の時定数で計算した第2の相互相関係数と第2の閾
    値とを比較した結果とを入力とする状態回路の出力を、 前記適応フィルタにおける適応アルゴリズムのステップ
    サイズとすること、 を特徴とする適応アレイ装置。
  9. 【請求項9】 前記状態回路の内部状態が、次の状態遷
    移が目標信号停止による状態遷移であるか、又は、目標
    信号発生による状態遷移であるかを表し、前記状態回路
    によるステップサイズの制御が、前記内部状態によって
    異なること、 を特徴とする請求項6,7又は8記載の適応アレイ装
    置。
  10. 【請求項10】 前記状態回路の内部状態が、 前記第1の相互相関又は前記第1の符号相互相関又は前
    記第1の相互相関係数が前記第1の閾値より大きく、か
    つ、前記第2の相互相関又は前記第2の符号相互相関又
    は前記第2の相互相関係数が前記第2の閾値より大きい
    ときに、次の状態遷移が目標信号停止による状態遷移で
    あることを表すように状態遷移し、 前記第1の相互相関又は前記第1の符号相互相関又は前
    記第1の相互相関係数が前記第1の閾値より小さく、か
    つ、前記第2の相互相関又は前記第2の符号相互相関又
    は前記第2の相互相関係数が前記第2の閾値より小さい
    ときに、次の状態遷移が目標信号発生による状態遷移で
    あることを表すように状態遷移すること、 を特徴とする請求項9記載の適応アレイ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20230006867A1 (en) * 2021-07-01 2023-01-05 Nvidia Corporation Feed forward filter equalizer adaptation using a constrained filter tap coefficient value
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