JP2001343441A - 適応整相システム - Google Patents

適応整相システム

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JP2001343441A
JP2001343441A JP2000161488A JP2000161488A JP2001343441A JP 2001343441 A JP2001343441 A JP 2001343441A JP 2000161488 A JP2000161488 A JP 2000161488A JP 2000161488 A JP2000161488 A JP 2000161488A JP 2001343441 A JP2001343441 A JP 2001343441A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適応整相器の能力を向上させることができる
適応整相システムを提供する。 【解決手段】 適応整相システムにおいて、適応フィル
タ7の入力信号の自己相関行列の時間平均値の逆行列
と、適応フィルタ7の入力信号と参照信号との相互相関
ベクトルの時間平均値から、平均を求めた時間幅におけ
る重み係数の最適解を算出する、第1の重み係数算出手
段と、前記適応フィルタ7の入力信号の瞬時値と前記適
応フィルタ7の参照信号から前記適応フィルタ7の出力
信号を減算した誤差信号の瞬時値を用いて、その時刻に
おける前記適応フィルタ7の重み係数を逐次的に更新す
る、第2の重み係数の更新手段と、を具備し、一定の時
間間隔で前記第1の重み係数を算出し、この算出した第
1の重み係数を前記逐次的に更新する第2の重み係数の
初期値として初期化することで、前記算出時間間隔にお
ける第1の重み係数の変化を前記逐次的に更新する第2
の重み係数によって求め、この求めた第2の重み係数を
前記適応フィルタ7の重み係数とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソーナー等におい
て、目標の方位等の推定のために、複数のセンサで構成
されたセンサアレイを用い、干渉波を適応的に除去する
ことによって、目標信号のみを抽出する適応整相システ
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の適応整相方法の一つとし
て、拘束マトリックス(BlockMatrix)によ
る適応整相システムがある。
【0003】図6は従来の適応整相システムの適応整相
器の第1構成例であり、1−1〜1−Nは音響センサに
対応した入力端子、2は位相補償器、3は空間窓乗算
器、4及び8は加算器、5は減算器、6はBM(Blo
ck Matrix)乗算器、7は適応フィルタ、9は
出力端子、13は重み係数更新器である。
【0004】適応整相システムとしては、周波数領域で
実現した場合の適応整相システムと、時間領域で実現し
た場合の適応整相システムの2種類が考えられるが、こ
こでは周波数領域で実現した場合の適応整相システムを
例にして述べる。
【0005】まず、その適応整相システムの適応整相器
の動作について説明する。
【0006】N個のセンサアレイで受信された信号は、
デジタル信号の時系列データとして入力され、フーリエ
変換等の手法で複数の周波数ビンに分割される。図6の
構成例はこの周波数ビン1ビンの適応整相処理を行う構
成例となっている。
【0007】位相補償器2は、入力端子1−1〜1−N
を通じて、N個のセンサアレイで受信した信号のフーリ
エ変換結果を取り込み、指定された整相方位θ1 の方向
に対してN個のチャネルの位相を合わせるように、次式
の位相補償を行い、その結果を空間窓乗算器3及びBM
乗算器6に出力する。
【0008】 XBn(f,θ1 )=Xn(f)・exp{−j2πfτ(θ1 ,n)} 〔n=1,2,3,・・・,N〕 …(1) τ(θ1 ,n)=<p(n),e(θ1 )>/c …(2) ただし、 Xn(f):n番目のセンサの位相補償器への入力 XBn(f,θ1 ):n番目のセンサのθ1 方位への位
相補償結果 p(n):n番目のセンサの音響中心からの位置ベクト
ル e(θ1 ):整相方位θ1 への単位ベクトル <a,b>:ベクトルaとベクトルbの内積 c:音速 f:処理する周波数ビンの中心周波数 空間窓乗算器3は位相補償器2から入力した位相補償結
果に対して、各センサ毎にシェーディング係数a1〜a
Nをそれぞれ乗算し、その結果を、加算器4に出力す
る。
【0009】加算器4は空間窓乗算器3から入力した各
センサ毎のシェーディング結果に対して、加算処理を行
うことにより、整相方位に最大感度を有するビームを形
成し、その結果を減算器5に出力する。
【0010】一方、BM乗算器6は位相補償器2から入
力した位相補償結果に対して、次式に示すように拘束マ
トリックスを乗算することにより、整相方位に零感度を
有するナル(NULL)整相出力をJビーム分作成し、
その結果を、適応フィルタ7及び重み係数更新器13に
出力する。
【0011】
【数1】
【0012】ただし、 XBn(f,θ1 ):n番目のセンサのθ1 方位への位
相補償結果 Yj(f,θ1 ):θ1 方位に関するj番目のNULL
整相出力 Bjn:j番目のNULLに対するn番目のセンサの拘
束係数 ここで、拘束マトリックスの要素である拘束係数Bjn
は、整相方位の感度を零にする条件である次式(4)を
満足する限り、0次拘束、1次微係数拘束等、その他の
任意の拘束をかけることができる。
【0013】
【数2】
【0014】適応フィルタ7は、BM乗算器6から整相
方位に零感度を有するNULL整相出力をJビーム分入
力するとともに、重み係数更新器13より時刻kにおけ
る各NULL整相出力に対する重み係数Wj(k,f)
を入力し、フィルタリング処理を行った後、その結果を
加算器8に出力する。ここで、周波数領域でのフィルタ
リング処理は次式で与えられるように適応フィルタへの
入力データと重み係数の乗算で与えられる。
【0015】 Yfj(f,θ1 )=Yj(f,θ1 )・Wj(k,f) [j=1,2,3,・・・,J] …(5) ただし、 Yfj(f,θ1 ):θ1 方位に関するj番目の適応フ
ィルタリング結果 Wj(k,f):時刻kでのj番目の適応フィルタの重
み係数 加算器8は、適応フィルタ7からJビーム分の適応フィ
ルタリング結果を入力し、次式により、これらの加算処
理を行い、その結果を減算器5に出力する。
【0016】
【数3】
【0017】減算器5は加算器4から入力された前記整
相方位に最大感度を有する整相出力から、加算器8から
入力された前記整相方位に零感度を有するNULL整相
出力の適応フィルタリング結果を減算することにより、
整相方位以外から到来する信号成分の低減を図り、その
結果である適応整相出力p(f,θ1 )を出力端子9に
出力すると共に、重み係数更新器13に出力する。
【0018】重み係数更新器13は、前記整相方位以外
から到来する信号成分の更なる低減化を図るため、BM
乗算器6からは整相方位に零感度を有するNULL整相
出力Yj(f,θ1 )[j=1,2,3,・・・,J]
を、加算器5からは適応整相出力p(f,θ1 )を入力
し、次式により重み係数Wj(k,f)の更新処理を行
い、更新した重み係数Wj(k+1,f)を次の時刻の
重み係数として適応フィルタ7に出力する。ここで、正
規化係数Aの設定方法により、各種の更新アルゴリズム
を選択することができる。次式(7)で与えられる重み
係数の更新式は逐次的に重み係数を更新していくことに
より最適解を求める方法である。
【0019】
【数4】
【0020】ただし、 Yj* (f,θ1 ):θ1 方位に関するj番目のNUL
L整相出力Yj(f,θ 1 )の共役複素数 Wj(k,f):時刻kでのj番目の適応フィルタの重
み係数 p(f,θ1 ):θ1 方位に関する適応整相出力 μ:収束係数 A:正規化係数 A=1(LMSアルゴリズム) A=E[|Yj(f,θ1 )|2 ](学習アルゴリズ
ム) E[・]:時間平均 また、出力端子9から出力された適応整相出力p(f,
θ1 )は、周波数分析やパワー算出等、各種の信号処理
の入力信号として使用される。
【0021】次に、従来技術の第2構成例として、重み
係数更新器において重み係数の最適解をその都度算出す
る方法について述べる。図7に従来技術の第2構成例
を、図8に従来技術の第2構成例の重み係数更新器の詳
細構成例を示す。
【0022】第2構成例が第1構成例と異なる点は、第
1構成例の重み係数更新器13が減算器5の出力と接続
されていたのに対し、第2構成例は重み係数更新器14
としてその内部構成を変え、減算器5への入力すなわち
加算器4からの出力と接続した点である。 図8におい
て、30はBM乗算器6に接続された接続端子、31は
加算器4に接続された接続端子、32は自己相関行列算
出器、33は相互相関ベクトル算出器、43は自己相関
行列格納メモリ、44は相互相関ベクトル格納メモリ、
36及び37は積分器、39は逆行列算出器、40は重
み係数算出器、41は適応フィルタ7に接続された接続
端子である。
【0023】図7において、BM乗算器6はJ本の出力
ラインで重み係数更新器14と接続されているが、図8
においてはこれらJ本のラインを接続端子30で束ねて
1本のラインとして自己相関行列算出器32と相互相関
ベクトル算出器33へ接続している。接続端子41に関
しても同様である。加算器4が加算結果を減算器5以外
に、重み係数更新器14に出力するという点を除けば、
重み係数更新器14以外の動作は従来の第1構成例の場
合と全く同じであるため、ここでは重み係数更新器14
の動作についてのみ説明する。
【0024】自己相関行列算出器32は接続端子30を
通じてBM乗算器6から整相方位に零感度を有するNU
LL整相出力Yj(f,θ1 )[j=1,2,3,…,
J]を入力し、次式により自己相関行列Ryy(f,
θ1 )を算出し、その結果を自己相関行列格納メモリ4
3に出力する。
【0025】
【数5】
【0026】自己相関行列格納メモリ43は現在の時刻
から一定時間さかのぼった時刻までの式(8)で算出さ
れた自己相関行列Ryyが格納されたFIFO形式のメモ
リで、自己相関行列算出器32から最新時刻の自己相関
行列を入力すると、最も過去の時刻の自己相関行列を廃
棄するとともに、後段の積分器で必要とされる時間分の
自己相関行列を積分器36に出力する。
【0027】積分器36は自己相関行列格納メモリ43
から指定された積分時間に相当する時間分の自己相関行
列を入力すると、行列の各要素毎に加算平均処理を実施
し、その結果E[Ryy(f,θ1 )](E[・]は時間
平均)を逆行列算出器39に出力する。
【0028】逆行列算出器39は積分器36からの時間
平均された自己相関行列E[Ryy(f,θ1 )]の逆行
列をLU分解やCholesky分解等を用いた一般に
良く知られた逆行列の解法のアルゴリズムを使用して算
出し、その結果E[Ryy(f,θ1 )]-1を重み係数算
出器40に出力する。
【0029】一方、相互相関ベクトル算出器33は接続
端子30を通じてBM乗算器6から整相方位に零感度を
有するNULL整相出力Yj(f,θ1 )[j=1,
2,3,…,J]を入力するとともに、接続端子31を
通じて加算器4から整相方位に最大感度を有する整相出
力d(f,θ1 )を入力し、次式により相互相関ベクト
ルRdy(f,θ1 )を算出し、その結果を相互相関ベク
トル格納メモリ44に出力する。
【0030】
【数6】
【0031】相互相関ベクトル格納メモリ44は現在の
時刻から一定時間さかのぼった時刻までの式(9)で算
出された相互相関ベクトルが格納されたFIFO形式の
メモリで、相互相関ベクトル算出器33から最新時刻の
相互相関ベクトルを入力すると、最も過去の時刻の相互
相関ベクトルを廃棄するとともに、後段の積分器で必要
とされる時間分の相互相関ベクトルを積分器37に出力
する。
【0032】積分器37は相互相関ベクトル格納メモリ
44から指定された積分時間に相当する時間分の相互相
関ベクトルを入力すると、ベクトルの各要素毎に加算平
均処理を実施し、その結果E[Rdy(f,θ1 )](E
[・]は時間平均)を重み係数算出器40に出力する。
【0033】重み係数算出器40は逆行列算出器39か
らは時間平均された自己相関行列E[Ryy(f,
θ1 )]の逆行列E[Ryy(f,θ1 )]-1を、積分器
37からは時間平均された相互相関ベクトルE[R
dy(f,θ1 )]を入力し、次式により重み係数の最適
解を求め、その結果を接続端子41を通じて適応フィル
タ7に出力する。
【0034】 Wj(k,f)={E[Ryy(f,θ1 )]-1}・E[Rdy(f,θ1 )] …(10) 以下、第1構成例と同じように処理されていく。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
適応整相システムでは、以下のような問題が存在した。
【0036】従来技術の第1構成例における重み係数の
更新処理は、適応フィルタの重み係数を逐次的に更新し
て最適解に近づけていく手法である。この最適解に近づ
けていく速度(収束速度)は式(7)のμの値に依存
し、μの値が大きいほどその収束速度は速いが、適応フ
ィルタの残留誤差は多くなり、結果として適応整相器と
しての能力は劣化する。μの値を小さくすると適応フィ
ルタの残留誤差が小さくなることから適応整相器として
の能力は改善されるが、重み係数の初期値の選び方によ
っては収束までに多大な時間がかかるようになる。ここ
で、重み係数が収束している時間において、受信してい
る信号の方位が移動する等、入力信号の状態が変化すれ
ば、適応フィルタはμの値が小さいことからそれに十分
追随できず、結果として適応整相器の能力は劣化してし
まうことになる。
【0037】また、μの値の選び方と入力信号の特性に
よっては適応フィルタ7が発散することもあり、一度発
散すると適応フィルタが正しい重み係数に収束するまで
には莫大な収束時間が必要となることもある。
【0038】従来技術の第2構成例における重み係数の
更新処理は、適応フィルタへの入力信号の自己相関行列
の時間平均値と、入力信号と参照信号の相互相関ベクト
ルの時間平均値とからダイレクトに最適解を求める手法
である。
【0039】この手法は、最適解がダイレクトに得られ
ることから、適応整相器は最大の能力を発揮することが
期待できる。しかしながら、前記入力信号の自己相関行
列の時間平均値の逆行列を算出するのに莫大な処理量が
かかり、ハード規模が増大する。また、入力信号の特性
と演算器の精度によっては正しく逆行列が求まらないこ
ともあり、その場合には適応整相器は全く機能を果たさ
なくなる。
【0040】本発明は、上記問題点を除去し、適応整相
器の能力を向上させることができる適応整相システムを
提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔1〕第1の発明においては、複数のセンサで構成され
るセンサアレイで受信した信号を用いて、整相方位に最
大感度を有する整相出力と整相方位に零感度を有するN
ULL整相出力を作成し、前記整相方位に最大感度を有
する整相出力を適応フィルタの参照信号とし、前記整相
方位に零感度を有するNULL整相出力を適応フィルタ
の入力信号として、整相方位以外から到来する信号を適
応フィルタを用いて適応的に除去する適応整相システム
において、前記適応フィルタの入力信号の自己相関行列
の時間平均値の逆行列と、前記適応フィルタの入力信号
と参照信号との相互相関ベクトルの時間平均値から、平
均を求めた時間幅における重み係数の最適解を算出する
(以下、第1の重み係数とする)手段と、前記適応フィ
ルタの入力信号の瞬時値と前記適応フィルタの参照信号
から前記適応フィルタの出力信号を減算した誤差信号の
瞬時値とを用いて、その時刻における前記適応フィルタ
の重み係数を逐次的に更新する(以下、第2の重み係数
とする)手段とを設けたもので、前記第2の重み係数の
更新時間間隔よりも十分遅い間隔で前記第1の重み係数
を算出し、前記第1の重み係数が算出される毎に前記第
1の重み係数を初期値として前記第2の重み係数の初期
化処理を行うようにし、前記定期的に初期化される第2
の重み係数を用いて前記適応フィルタのフィルタリング
処理をするようにしたものである。
【0042】〔2〕第2の発明においては、第1の発明
に加えて、前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤
差から、前記第2の重み係数の信頼性を判定する手段を
追加したもので、適応フィルタが発散したり、入力信号
の状態の変化に適応フィルタが追随できなかった場合に
第1の重み係数と第2の重み係数が大きく変わることに
着目して、前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤
差が一定の閾値を超え、第2の重み係数の信頼性が低い
と判断された場合に関してのみ、前記第1の重み係数を
初期値として前記第2の重み係数の初期化処理を行うよ
うにし、適宜初期化される第2の重み係数を用いて前記
適応フィルタのフィルタリング処理をするようにしたも
のである。
【0043】〔3〕第3の発明においては、第1の発明
に加えて、前記自己相関行列の時間平均値の逆行列の計
算精度を評価する手段を追加したもので、入力信号の特
性と演算器の精度によっては正しく逆行列が算出され
ず、結果として適応整相器の能力劣化が発生するという
問題を避けるため、前記逆行列の計算精度が一定の誤差
以内であると判定された場合についてのみ、前記第1の
重み係数を初期値として前記第2の重み係数の初期化処
理を行うようにし、適宜初期化される第2の重み係数を
用いて前記適応フィルタのフィルタリング処理をするよ
うにしたものである。
【0044】〔4〕第4の発明においては、第2の発明
に加えて、前記自己相関行列の時間平均値の逆行列の計
算精度を評価する手段を追加したもので、前記第1の重
み係数と第2の重み係数との誤差が一定の閾値を超え、
第2の重み係数の信頼性が低いと判定された場合で、か
つ前記逆行列の計算精度が一定の誤差以内であると判定
された場合についてのみ、前記第1の重み係数を初期値
として前記第2の重み係数の初期化処理を行うように
し、適宜初期化される第2の重み係数を用いて前記適応
フィルタのフィルタリング処理をするようにしたもので
ある。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図を参照しながら詳細に説明する。
【0046】以下に本発明の第1実施例について説明す
る。
【0047】図1は本発明の第1〜第4実施例に共通な
適応整相器の構成図である。第1実施例から第4実施例
までの相違点は重み係数逐次更新器10と重み係数初期
化処理器11の詳細構成である。
【0048】図1において、1−1〜1−Nは音響セン
サに対応した入力端子、2は位相補償器、3は空間窓乗
算器、4及び8は加算器、5は減算器、6はBM乗算
器、7は適応フィルタ、9は出力端子、10は重み係数
逐次更新器、11は重み係数初期化処理器、12は更新
周期発生器である。
【0049】図2は本発明の第1実施例及び第3実施例
における重み係数逐次更新器10の詳細構成図で、20
はBM乗算器6との接続端子、21は減算器5との接続
端子、22はLMS重み更新器、23は重み係数メモ
リ、24は重み係数初期化処理器11との接続端子、2
5は適応フィルタ7との接続端子である。
【0050】図4は本発明の第1実施例及び第2実施例
における重み係数初期化処理器の詳細構成図で、30は
BM乗算器6に接続された接続端子、31は加算器4に
接続された接続端子、32は自己相関行列算出器、33
は相互相関ベクトル算出器、34は自己相関行列格納メ
モリ、35は相互相関ベクトル格納メモリ、36及び3
7は積分器、38は更新周期発生器12に接続された接
続端子、39は逆行列算出器、40は重み係数算出器、
41は適応フィルタ7に接続された接続端子である。
【0051】ここで、従来技術と同じ構成要素には同じ
番号を付与している。図1において、BM乗算器6はJ
本の出力ラインで重み係数逐次更新器10及び重み係数
初期化処理器11と接続されているが、図2においては
これらJ本のラインを接続端子20で束ねて1本のライ
ンとしてLMS重み更新器22に、図4においてはこれ
らJ本のラインを接続端子30で束ねて1本のラインと
して自己相関行列算出器32及び相互相関ベクトル算出
器33と接続している。接続端子25及び41に関して
も同様である。
【0052】次に、この適応整相器の動作について説明
する。
【0053】N個のセンサアレイで受信された信号は、
デジタル信号の時系列データとして入力され、フーリエ
変換等の手法で複数の周波数ビンに分割される。図1の
構成例はこの周波数ビン1ビンの適応整相処理を行う構
成例となっている。
【0054】位相補償器2は、入力端子1−1〜1−N
を通じて、N個のセンサアレイで受信した信号のフーリ
エ変換結果を取り込み、指定された整相方位の方向に対
してN個のチャネルの位相を合わせるように、式(1)
及び式(2)による位相補償を行い、その結果を空間窓
乗算器3及びBM乗算器6に出力する。
【0055】空間窓乗算器3は位相補償器2から入力し
た位相補償結果に対して、各センサ毎にシェーディング
係数a1〜aNをそれぞれ乗算し、その結果を加算器4
に出力する。
【0056】加算器4は空間窓乗算器3から入力した各
センサ毎のシェーディング結果に対して、加算処理を行
うことにより、整相方位に最大感度を有するビームを形
成し、その結果を減算器5及び重み係数初期化処理器1
1に出力する。
【0057】一方、BM乗算器6は位相補償器2から入
力した位相補償結果に対して、式(3)を用いて拘束マ
トリックスを乗算することにより、整相方位に零感度を
有するナル(NULL)整相出力をJビーム分作成し、
その結果を適応フィルタ7、重み係数逐次更新器10及
び重み係数初期化処理器11に出力する。
【0058】ここで、従来技術と同様に拘束マトリック
スの要素である拘束係数Bjnは、整相方位の感度を零
にする条件である次式(4)を満足する限り、0次拘
束、1次微係数拘束等、その他の任意の拘束をかけるこ
とができる。
【0059】適応フィルタ7は、BM乗算器6から整相
方位に零感度を有するNULL整相出力をJビーム分入
力するとともに、重み係数逐次更新器10より時刻kに
おける各NULL整相出力に対する重み係数Wj(k,
f)を入力し、フィルタリング処理を行った後、その結
果を加算器8に出力する。ここで、周波数領域でのフィ
ルタリング処理は式(5)で与えられるように適応フィ
ルタへの入力データと重み係数の乗算で与えられる。
【0060】加算器8は、適応フィルタ7からJビーム
分の適応フィルタリング結果を入力し、式(6)により
これらの加算処理を行い、その結果を減算器5に出力す
る。
【0061】減算器5は加算器4から入力された前記整
相方位に最大感度を有する整相出力から、加算器8から
入力された前記整相方位に零感度を有するNULL整相
出力の適応フィルタリング結果を減算することにより、
整相方位以外から到来する信号成分の低減化を図り、そ
の結果である適応整相出力p(f,θ1 )を出力端子9
に出力すると共に、重み係数逐次更新器10に出力す
る。
【0062】重み係数逐次更新器10内のLMS重み更
新器22は、前記整相方位以外から到来する信号成分の
更なる低減化を図るため、接続端子20を通じてBM乗
算器6からは整相方位に零感度を有するNULL整相出
力Yj(f,θ1 )[j=1,2,3,…,J]を、接
続端子21を通じて減算器5からは適応整相出力p
(f,θ1 )を入力するとともに、重み係数メモリ23
からは1時刻前の重み係数Wj(k,f)[j=1,
2,3,…,J]を入力し、式(7)により重み係数W
j(k,f)の更新処理を行い、更新した重み係数Wj
(k+1,f)を重み係数メモリ23に出力すると共
に、接続端子25を通じて適応フィルタ7に出力する。
ここで、従来技術の場合と同様に、式(7)の正規化係
数Aの設定方法により、各種の更新アルゴリズムを選択
することができる。
【0063】出力端子9から出力された適応整相出力p
(f,θ1 )は、周波数分析やパワー算出等、各種の信
号処理の入力信号として使用される。
【0064】一方、更新周期発生器12は前記重み係数
逐次更新器10の更新周期に比べて十分遅い周期で重み
係数初期化のタイミング信号を作成し、該タイミング信
号を重み係数初期化処理器11に出力する。
【0065】重み係数初期化処理器11内の自己相関行
列算出器32は接続端子30を通じてBM乗算器6から
整相方位に零感度を有するNULL整相出力Yj(f,
θ1)[j=1,2,3,…,J]を入力し、式(8)
により自己相関行列Ryy(f,θ1 )を算出し、その結
果を自己相関行列格納メモリ34に出力する。
【0066】自己相関行列格納メモリ34は現在の時刻
から一定時間さかのぼった時刻までの式(8)で算出さ
れた自己相関行列が格納されたFIFO形式のメモリ
で、自己相関行列算出器32から最新時刻の自己相関行
列を入力すると、最も過去の時刻の自己相関行列を廃棄
する。さらに、自己相関行列格納メモリ34は接続端子
38を通じて更新周期発生器12から前記タイミング信
号を入力すると、メモリ内の最新時刻から後段の積分器
で必要とされる時間分の自己相関行列を積分器36に出
力する。
【0067】積分器36は自己相関行列格納メモリ34
から指定された積分時間に相当する時間分の自己相関行
列を入力すると、行列の各要素毎に加算平均処理を実施
し、その結果E[Ryy(f,θ1 )](E[・]は時間
平均)を逆行列算出器39に出力する。
【0068】逆行列算出器39は積分器36からの時間
平均された自己相関行列E[Ryy(f,θ1 )]の逆行
列をLU分解やCholesky分解等を用いた一般に
良く知られた逆行列の解法のアルゴリズムを使用して算
出し、その結果E[Ryy(f,θ1 )]-1を重み係数算
出器40に出力する。
【0069】一方、相互相関ベクトル算出器33は接続
端子30を通じてBM乗算器6から整相方位に零感度を
有するNULL整相出力Yj(f,θ1 )[j=1,
2,3,…,J]を入力するとともに、接続端子31を
通じて加算器4から整相方位に最大感度を有する整相出
力d(f,θ1 )を入力し、式(9)により相互相関ベ
クトルRdy(f,θ1 )を算出し、その結果を相互相関
ベクトル格納メモリ35に出力する。
【0070】相互相関ベクトル格納メモリ35は現在の
時刻から一定時間さかのぼった時刻までの式(9)で算
出された相互相関ベクトルが格納されたFIFO形式の
メモリで、相互相関ベクトル算出器33から最新時刻の
相互相関ベクトルを入力すると、最も過去の時刻の相互
相関ベクトルを廃棄する。さらに、相互相関ベクトル格
納メモリ35は接続端子38を通じて更新周期発生器1
2から前記タイミング信号を入力すると、メモリ内の最
新時刻から後段の積分器で必要とされる時間分の相互相
関ベクトルを積分器37に出力する。
【0071】積分器37は相互相関ベクトル格納メモリ
35から指定された積分時間に相当する時間分の相互相
関ベクトルを入力すると、ベクトルの各要素毎に加算平
均処理を実施し、その結果E[Rdy(f,θ1 )](E
[・]は時間平均)を重み係数算出器40に出力する。
【0072】重み係数算出器40は逆行列算出器39か
らは時間平均された自己相関行列E[Ryy(f,
θ1 )]の逆行列E[Ryy(f,θ1 )]-1を、積分器
37からは時間平均された相互相関ベクトルE[R
dy(f,θ1 )]を入力し、式(10)により重み係数
の最適解を求め、その結果を接続端子41及び接続端子
24を通じて重み係数逐次更新器10内の重み係数メモ
リ23に出力する。
【0073】重み係数メモリ23は、接続端子24を通
じて前記式(10)の計算結果である重み係数の最適解
が重み係数初期化処理器11から入力されると、重み係
数メモリ23内の重み係数の内容をこの最適解に置き換
えることにより重み係数の初期化を図る。これにより、
重み係数逐次更新器10の次回の更新では重み係数算出
器40で算出した重み係数の最適解に対して更新が図ら
れることになる。
【0074】このように第1実施例によれば、重み係数
逐次更新器10の更新時間間隔よりも十分遅い間隔で、
前記適応フィルタ7の入力信号の自己相関行列の時間平
均値の逆行列と該適応フィルタ7の入力信号と参照信号
との相互相関ベクトルの時間平均値から重み係数の最適
解を算出し、該重み係数の最適解を用いて前記重み係数
逐次更新器10の初期化処理を定期的に行うようにした
ので、処理量の大幅な増加無しで適応整相器の性能の大
幅な向上が期待できる。
【0075】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。第1実施例と第2実施例の相違点は重み係数逐次更
新器10の詳細構成が図2ではなく、図3を用いている
点である。なお、第1実施例と同じ部分については同一
の番号を付与している。図3において、20はBM乗算
器6との接続端子、21は減算器5との接続端子、22
はLMS重み更新器、23は重み係数メモリ、27は重
み係数選択器、24は重み係数初期化処理器11との接
続端子、25は適応フィルタ7との接続端子である。図
3は第4実施例における重み係数逐次更新器10の詳細
構成例でもある。
【0076】図3において、BM乗算器6からのJ本の
出力ラインが接続端子20で束ねて1本のラインとして
LMS重み更新器22に接続されているのは第1実施例
と同じである。接続端子25に関しても同様である。図
3の重み係数逐次更新器10の詳細構成が第1実施例と
異なる点は、重み係数選択器27を重み係数初期化処理
器11との接続端子24の出力側と重み係数メモリ23
の入力側間に設け、さらに重み係数選択器27にLMS
重み更新器22の出力を入力するようにした点である。
【0077】重み係数逐次更新器10以外の動作は第1
実施例と全く同一であるので、以下、第1実施例と異な
る点を中心に、その動作を説明する。
【0078】重み係数逐次更新器10内のLMS重み更
新器22は、前記整相方位以外から到来する信号成分の
更なる低減化を図るため、接続端子20を通じてBM乗
算器6からは前記整相方位に零感度を有するNULL整
相出力Yj(f,θ1 )[j=1,2,3,…,J]
を、接続端子21を通じて減算器5からは適応整相出力
p(f,θ1 )を入力するとともに、重み係数メモリ2
3からは1時刻前の重み係数Wj(k,f)[j=1,
2,3,…,J]を入力し、式(7)により重み係数W
j(k,f)の更新処理を行い、更新した重み係数Wj
(k+1,f)を重み係数メモリ23及び重み係数選択
器27に出力すると共に、接続端子25を通じて適応フ
ィルタ7に出力する。ここで、従来技術の場合と同様
に、式(7)の正規化係数Aの設定方法により、各種の
更新アルゴリズムを選択することができる。
【0079】出力端子9から出力された適応整相出力p
(f,θ1 )は、周波数分析やパワー算出等、各種の信
号処理の入力信号として使用される。
【0080】一方、更新周期発生器12は前記重み係数
逐次更新器10の更新周期に比べて十分遅い周期で重み
係数初期化のタイミング信号を作成し、該タイミング信
号を重み係数初期化処理器11に出力する。
【0081】重み係数初期化処理器11は更新周期発生
器12から前記タイミング信号が入力されると、第1実
施例と同様の処理で、式(10)により、重み係数の最
適解W 0j(f)[j=1,2,3,…,J]を求め、
その結果を重み係数逐次更新器10内の重み係数選択器
27に接続端子24を通じて出力する。
【0082】重み係数選択器27は重み係数初期化処理
器11から入力された重み係数の最適解W 0j(f)
[j=1,2,3,…,J]とLMS重み更新器22か
ら入力した最新の重み係数Wj(k,f)[j=1,
2,3,…,J]を入力し、両者の誤差から重み係数W
j(k,f)の信頼性を判定し、重み係数Wj(k,
f)の信頼性が低いと判定された場合には、重み係数初
期化処理器11から入力した重み係数の最適解W 0
(f)[j=1,2,3,…,J]を重み係数メモリ2
3に出力する。例えば、重み係数Wj(k,f)の信頼
性は次式で判定することができる。
【0083】
【数7】
【0084】重み係数メモリ23は、重み係数の最適解
0j(f)[j=1,2,3,…,J]が重み係数選
択器27から入力されると、重み係数メモリ23内の重
み係数の内容をこの最適解に置き換えることにより重み
係数の初期化を図る。
【0085】これにより、重み係数逐次更新器10の次
回の更新では重み係数初期化処理器11で算出した重み
係数の最適解に対して更新が図られることになる。
【0086】このように、第2実施例によれば、第1実
施例と同様に、重み係数逐次更新器10の更新時間間隔
よりも十分遅い間隔で、前記適応フィルタ7の入力信号
の自己相関行列の時間平均値の逆行列と該適応フィルタ
の入力信号と参照信号との相互相関ベクトルの時間平均
値から重み係数の最適解を求め、該重み係数の最適解と
前記重み係数逐次算出器10の最新の重み係数の更新結
果との誤差を算出し、該誤差がある値以上になった場
合、前記重み係数逐次算出器10の最新の重み係数の信
頼性が低いとして前記重み係数の最適解を用いて前記重
み係数逐次更新器10の初期化処理を行うようにしたの
で、処理量の大幅な増加無しで適応整相器の性能の大幅
な向上を期待できるとともに、適応フィルタ7が発散し
たり、入力信号の状態の変化に適応フィルタ7が追随で
きなかった場合でも、適応整相器の性能の劣化を最小限
に抑えることが期待できる。
【0087】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。
【0088】第1実施例と第3実施例の相違点は重み係
数初期化処理器11の詳細構成が図4ではなく、図5に
示すような重み係数初期化処理器11の詳細構成を有す
る点である。なお、第1実施例と同じ部分については同
一の番号を付与している。
【0089】図5は本発明の第3実施例および第4実施
例における重み係数初期化処理器の詳細構成例でもあ
る。
【0090】図5において、30はBM乗算器6に接続
された接続端子、31は加算器4に接続された接続端
子、32は自己相関行列算出器、33は相互相関ベクト
ル算出器、34は自己相関行列格納メモリ、35は相互
相関ベクトル格納メモリ、36及び37は積分器、38
は更新周期発生器12に接続された接続端子、39は逆
行列算出器、42は計算精度評価器、40は重み係数算
出器、41は適応フィルタ7に接続された接続端子であ
る。
【0091】図5の重み係数初期化処理器11の詳細構
成が第1実施例と異なる点は、計算精度評価器42を逆
行列算出器39の出力側と重み係数算出器40の入力側
に設け、さらに計算精度評価器42に積分器36の出力
を入力するようにした点である。
【0092】重み係数初期化処理器11以外の動作は第
1実施例と全く同一であるので、以下、第1実施例と異
なる点を中心に、その動作を説明する。
【0093】更新周期発生器12は前記重み係数逐次更
新器10の更新周期に比べて十分遅い周期で重み係数初
期化のタイミング信号を作成し、該タイミング信号を重
み係数初期化処理器11に出力する。
【0094】重み係数初期化処理器11内の自己相関行
列算出器32は接続端子30を通じてBM乗算器6から
整相方位に零感度を有するNULL整相出力Yj(f,
θ1)[j=1,2,3,・・・,J]を入力し、式
(8)により自己相関行列Ryy(f,θ1 )を算出し、
その結果を自己相関行列格納メモリ34に出力する。
【0095】自己相関行列格納メモリ34は現在の時刻
から一定時間さかのぼった時刻までの式(8)で算出さ
れた自己相関行列が格納されたFIFO形式のメモリ
で、自己相関行列算出器32から最新時刻の自己相関行
列を入力すると、最も過去の時刻の自己相関行列を廃棄
する。さらに、自己相関行列格納メモリ34は接続端子
38を通じて更新周期発生器12から前記タイミング信
号を入力すると、メモリ内の最新時刻から後段の積分器
で必要とされる時間分の自己相関行列を積分器36に出
力する。
【0096】積分器36は自己相関行列格納メモリ34
から指定された積分時間に相当する時間分の自己相関行
列を入力すると、行列の各要素毎に加算平均処理を実施
し、その結果E[Ryy(f,θ1 )](E[・]は時間
平均)を逆行列算出器39及び計算精度評価器42に出
力する。
【0097】逆行列算出器39は積分器36からの時間
平均された自己相関行列E[Ryy(f,θ1 )]の逆行
列をLU分解やCholesky分解等を用いた一般に
良く知られた逆行列の解法のアルゴリズムを使用して算
出し、その結果E[Ryy(f,θ1 )]-1を計算精度評
価器42に出力する。
【0098】計算精度評価器42は積分器36から時間
平均された自己相関行列E[Ryy(f,θ1 )]を、逆
行列算出器39からはその逆行列E[Ryy(f,
θ1 )]-1を入力し、例えば次式(12)で逆行列の計
算精度の信頼性を判定し、該判定結果と共に逆行列E
[Ryy(f,θ1 )]-1を重み係数算出器40に出力す
る。
【0099】全ての要素に関して |{E[Ryy(f,θ1 )]-1}・E[Ryy(f,θ1 )]−I|η 信頼性が高い …(12) ただし、Iは単位行列 一方、相互相関ベクトル算出器33は接続端子30を通
じてBM乗算器6から整相方位に零感度を有するNUL
L整相出力Yj(f,θ1 )[j=1,2,3,…,
J]を入力するとともに、接続端子31を通じて加算器
4から整相方位に最大感度を有する整相出力d(f,θ
1 )を入力し、式(9)により相互相関ベクトルR
dy(f,θ1 )を算出し、その結果を相互相関ベクトル
格納メモリ35に出力する。
【0100】相互相関ベクトル格納メモリ35は現在の
時刻から一定時間さかのぼった時刻までの式(9)で算
出された相互相関ベクトルが格納されたFIFO形式の
メモリで、相互相関ベクトル算出器33から最新時刻の
相互相関ベクトルを入力すると、最も過去の時刻の相互
相関ベクトルを廃棄する。さらに、相互相関ベクトル格
納メモリ35は接続端子38を通じて更新周期発生器1
2から前記タイミング信号を入力すると、メモリ内の最
新時刻から後段の積分器で必要とされる時間分の相互相
関ベクトルを積分器37に出力する。
【0101】積分器37は相互相関ベクトル格納メモリ
35から指定された積分時間に相当する時間分の相互相
関ベクトルを入力すると、ベクトルの各要素毎に加算平
均処理を実施し、その結果E[Rdy(f,θ1 )](E
[・]は時間平均)を重み係数算出器40に出力する。
【0102】重み係数算出器40は計算精度評価器42
から逆行列の計算精度の信頼性の判定結果と前記逆行列
E[Ryy(f,θ1 )]-1を、積分器37からは時間平
均された相互相関ベクトルE[Rdy(f,θ1 )]を入
力し、該計算精度の信頼性の判定結果が高いと判定され
た場合についてのみ、式(10)により重み係数の最適
解を求め、その結果を接続端子41及び接続端子24を
通じて重み係数逐次更新器10内の重み係数メモリ23
に出力する。
【0103】重み係数メモリ23は、接続端子24を通
じて前記式(10)の計算結果である重み係数の最適解
が重み係数初期化処理器11から入力されると、重み係
数メモリ23内の重み係数の内容をこの最適解に置き換
えることにより重み係数の初期化を図る。これにより、
重み係数逐次更新器10の次回の更新では重み係数算出
器40で算出した重み係数の最適解に対して更新が図ら
れることになる。
【0104】このように第3実施例によれば、第1実施
例と同様に、重み係数逐次更新器10の更新時間間隔よ
りも十分遅い間隔で、前記適応フィルタの入力信号の自
己相関行列の時間平均値の逆行列を求めると共に、該逆
行列の計算精度の信頼性の判定を行い、信頼性が高いと
判定された場合についてのみ該適応フィルタの入力信号
と参照信号との相互相関ベクトルの時間平均値を用いて
重み係数の最適解を求め、該重み係数の最適解を用いて
前記重み係数逐次更新器10の初期化処理を行うように
したので、処理量の大幅な増加無しで適応整相器の性能
の大幅な向上を期待できるとともに、入力信号の特性と
演算器の精度に依存して前記逆行列が正しく求まらなか
った場合においても、適応整相器の性能の劣化を最小限
に抑えることが期待できる。
【0105】次に、本発明の第4実施例について説明す
る。第1実施例と第4実施例の相違点は、重み係数逐次
更新器10の詳細構成が図2ではなく、図3に示すよう
な重み係数逐次更新器10の詳細構成を有する点と、重
み係数初期化処理器11の詳細構成が図4ではなく図5
に示すような重み係数逐次更新器10を有する点であ
る。
【0106】重み係数逐次更新器10及び及び初期化処
理器11以外の動作は第1実施例と全く同一であり、重
み係数逐次更新器10の動作は第2実施例と、重み係数
初期化処理器11の動作は第3実施例と全く同一とな
る。よって、第4実施例においては、前記逆行列の計算
精度の信頼性が評価された重み係数の最適解が重み係数
逐次更新器10に出力され、重み係数逐次更新器10内
では、LMS重み更新器22で更新した最新の重み係数
と前記逆行列の計算精度の信頼性が評価された重み係数
の最適解との誤差から該最新の重み係数の信頼性を判定
し、信頼性が低いと判定された場合には、重み係数メモ
リ23内の重み係数の内容をこの最適解に置き換えるこ
とにより重み係数の初期化を図るようになっている。
【0107】このように、第4実施例によれば、第2実
施例と第3実施例の双方の特徴を兼ね備えるように構成
したので、処理量の大幅な増加無しで適応整相器の性能
の大幅な向上が期待できるとともに、適応フィルタが発
散したり、入力信号の状態の変化に適応フィルタが追随
できなかった場合や、入力信号の特性と演算器の精度に
依存して前記逆行列が正しく求まらなかった場合におい
ても、適応整相器の性能の劣化を最小限に抑えることが
期待できる。
【0108】第1〜第4実施例では、適応整相器は周波
数領域で実現した場合の周波数ビン1ビンの処理につい
てのみ記載したが、前記実施例を複数段並列に保有する
ことで複数の周波数ビンに対する適応整相器を構成する
ことができる。
【0109】第1〜第4実施例では、適応整相器を周波
数領域で実現した場合についてのみ記載したが、適応フ
ィルタをFIR型のフィルタで構成すれば、適応整相器
を時間領域で実現した場合でも全く同様の手法で本実施
例を実現することができる。
【0110】第1〜第4実施例では、適応整相器は1つ
の整相方位についてのみ記載したが、前記実施例を複数
段並列に保有することで、複数の整相方位に対する待受
け型適応整相器を構成することができる。
【0111】第1〜第4実施例において、重み係数逐次
更新器10の更新アルゴリズムとしてLMSアルゴリズ
ムと学習アルゴリズムの2種類に関して説明したが、適
応フィルタの入力信号の瞬時値と参照信号から適応フィ
ルタの出力信号を減算した誤差信号の瞬時値から逐次的
に更新する方法であれば、如何なるアルゴリズムを用い
ても構わない。
【0112】第1〜第4実施例では、積分器36及び3
7は加算平均型の積分器の場合を用いて説明したが、積
分器36及び37を指数積分型の積分器を適用しても構
わない。その場合には、自己相関行列格納メモリ34と
相互相関ベクトル格納メモリ35は不要となり、更新周
期発生器12との接続端子38は積分器36及び37と
接続されるようになる。すなわち、積分器36は自己相
関行列算出器32から最新の自己相関行列を入力すると
指数積分により積分結果の更新を図り、更新周期発生器
12からのタイミング信号に基づき積分結果を逆行列算
出器39に出力する。積分器37も全く同様の動作とな
る。この場合においても第1〜第4実施例とほぼ同様の
効果を得ることができる。
【0113】第2及び第4実施例において、重み係数W
j(k,f)の信頼性を判定する手法として重み係数初
期化処理器11から入力した重み係数の最適解W 0
(f)[j=1,2,3,・・・,J]とLMS重み更
新器22から入力した最新の重み係数Wj(k,f)の
誤差の2乗和を判定の評価量として使用していたが、評
価量として絶対値の和や個々の重み係数の絶対値の差が
全て一定の範囲内になっていること等、両者の差が明確
に現れる評価量であれば、どんな手法を用いても構わな
い。
【0114】第3及び第4実施例において、逆行列の計
算精度の信頼性を判定する手法として自己相関行列E
[Ryy(f,θ1 )]とその逆行列E[Ryy(f,
θ1 )]-1の行列積を求め、単位行列との差を判定の評
価量として使用していたが、逆行列が正しく得られてい
るかどうかわかる手法であればどんな手法を用いても構
わない。
【0115】上記した実施例の装置は、集積回路を用い
た個別回路で構成しても構わないし、ディジタル・シグ
ナル・プロセッサ(DSP)やマイコン等でソフト的に
構成しても構わない。
【0116】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、それらを本発明の範囲から除外するものではな
い。
【0117】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。
【0118】従来の適応整相器において、重み係数の更
新処理を逐次更新型の手法を採用した場合には、最適解
への収束速度を速くすると適応整相器としての性能が劣
化し、適応整相器としての性能を重視して収束速度を遅
くすると信号の方位の変化に追随できなくなるという問
題があった。また、収束係数の選び方と入力信号の特性
によっては適応フィルタが発散し、一度発散すると復帰
するまでに多大な時間がかかるという問題もあった。
【0119】また、重み係数の更新処理を適応フィルタ
への入力信号の自己相関行列の時間平均値と入力信号と
参照信号の相互相関ベクトルの時間平均値からダイレク
トに最適解を求める手法を採用した場合には、適応整相
器は最大の性能を発揮するものの、ハード規模が非常に
増大し、入力信号の特性と演算器の精度によっては、適
応整相器が全く機能しなくなるという場合が発生すると
いう問題があった。
【0120】これらの問題に対して、(A)第1の発明
によれば、前記適応フィルタの入力信号の自己相関行列
の時間平均値の逆行列と、該適応フィルタの入力信号と
参照信号との相互相関ベクトルの時間平均値から、平均
を求めた時間幅における重み係数の最適解を算出する
(第1の重み係数)手段と、該適応フィルタの入力信号
の瞬時値と、該適応フィルタの参照信号から該適応フィ
ルタの出力信号を減算した誤差信号の瞬時値とを用い
て、その時刻における前記適応フィルタの重み係数を逐
次的に更新する(第2の重み係数)手段とを設け、該第
1の重み係数を初期値として前記第2の重み係数の初期
化処理を定期的に行うようにしたので、信号の方位が変
化した場合でも、処理量の大幅な増加無しで適応整相器
の性能の大幅な向上が期待できる。
【0121】(B)第2の発明においては、第1の発明
に加えて、前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤
差から、前記第2の重み係数の信頼性を判定する手段を
追加し、前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤差
が一定のしきい値を超え、第2の重み係数の信頼性が低
いと判定された場合に関してのみ、前記第1の重み係数
を初期値として前記第2の重み係数の初期化処理を適宜
行うようにしたので、処理量の大幅な増加無しで適応整
相器の性能の大幅な向上を期待できるとともに、適応フ
ィルタが発散したり、入力信号の状態の変化に適応フィ
ルタが追随できなかった場合でも、適応整相器の性能の
劣化を最小限に抑えることが期待できる。
【0122】(C)第3の発明においては、第1の発明
に加えて、前記自己相関行列の時間平均値の逆行列の計
算精度を評価する手段を追加し、前記逆行列の計算精度
が一定の誤差以内であると判定された場合についての
み、前記第1の重み係数を初期値として前記第2の重み
係数の初期化処理を適宜行うようにしたので、処理量の
大幅な増加無しで適応整相器の性能の大幅な向上を期待
できるとともに、入力信号の特性と演算器の精度に依存
して前記逆行列が正しく求まらなかった場合において
も、適応整相器の性能の劣化を最小限に抑えることが期
待できる。
【0123】(D)第4の発明においては、第2の発明
に加えて、前記自己相関行列の時間平均値の逆行列の計
算精度を評価する手段を追加し、前記第1の重み係数と
第2の重み係数との誤差が一定のしきい値を超え、第2
の重み係数の信頼性が低いと判定された場合で、かつ前
記逆行列の計算精度が一定の誤差以内であると判定され
た場合についてのみ、前記第1の重み係数を初期値とし
て前記第2の重み係数の初期化処理を適宜行うようにし
たので、処理量の大幅な増加無しで適応整相器の性能の
大幅な向上を期待できるとともに、適応フィルタが発散
したり、入力信号の状態の変化に適応フィルタが追随で
きなかった場合や、入力信号の特性と演算器の精度に依
存して前記逆行列が正しく求まらなかった場合において
も、適応整相器の性能の劣化を最小限に抑えることが期
待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜第4実施例に共通な適応整相器
の構成図である。
【図2】本発明の第1実施例及び第3実施例における重
み係数逐次更新器の詳細構成図である。
【図3】本発明の第2実施例及び第4実施例における重
み係数逐次更新器の詳細構成図である。
【図4】本発明の第1実施例及び第2実施例における重
み係数初期化処理器の詳細構成図である。
【図5】本発明の第3実施例及び第4実施例における重
み係数初期化処理器の詳細構成図である。
【図6】従来の適応整相器の第1構成例を示す図であ
る。
【図7】従来の適応整相器の第2構成例を示す図であ
る。
【図8】従来の適応整相器の重み係数更新器の詳細構成
例を示す図である。
【符号の説明】
1−1〜1−N 音響センサに対応した入力端子 2 位相補償器 3 空間窓乗算器 4,8 加算器 5 減算器 6 BM乗算器 7 適応フィルタ 9 出力端子 10 重み係数逐次更新器 11 重み係数初期化処理器 12 更新周期発生器 20,21,24,25,30,31,38,41
接続端子 22 LMS重み更新器 23 重み係数メモリ 27 重み係数選択器 32 自己相関行列算出器 33 相互相関ベクトル算出器 34 自己相関行列格納メモリ 35 相互相関ベクトル格納メモリ 36,37 積分器 39 逆行列算出器 40 重み係数算出器 42 計算精度評価器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のセンサで構成されるセンサアレイ
    で受信した信号を用いて、整相方位に最大感度を有する
    整相出力と整相方位に零感度を有するNULL整相出力
    を作成し、前記整相方位に最大感度を有する整相出力を
    適応フィルタの参照信号とし、前記整相方位に零感度を
    有するNULL整相出力を適応フィルタの入力信号とし
    て、整相方位以外から到来する信号を適応フィルタを用
    いて適応的に除去する適応整相システムにおいて、
    (a)前記適応フィルタの入力信号の自己相関行列の時
    間平均値の逆行列と、前記適応フィルタの入力信号と参
    照信号との相互相関ベクトルの時間平均値から、平均を
    求めた時間幅における重み係数の最適解を算出する第1
    の重み係数の算出手段と、(b)前記適応フィルタの入
    力信号の瞬時値と前記適応フィルタの参照信号から前記
    適応フィルタの出力信号を減算した誤差信号の瞬時値を
    用いて、その時刻における前記適応フィルタの重み係数
    を逐次的に更新する第2の重み係数の更新手段とを具備
    し、(c)一定の時間間隔で前記第1の重み係数を算出
    し、該算出した前記第1の重み係数を前記逐次的に更新
    する第2の重み係数の初期値として初期化することによ
    り、前記算出時間間隔における前記第1の重み係数の変
    化を前記逐次的に更新する第2の重み係数によって求
    め、該求めた第2の重み係数を前記適応フィルタの重み
    係数としたことを特徴とする適応整相システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の適応整相システムにおい
    て、前記適応フィルタの入力信号の自己相関行列の時間
    平均値の逆行列と、前記適応フィルタの入力信号と参照
    信号との相互相関ベクトルの時間平均値から、第1の重
    み係数を算出する手段と、前記適応フィルタの入力信号
    の瞬時値と前記適応フィルタの参照信号から前記適応フ
    ィルタの出力信号を減算した誤差信号の瞬時値を用い
    て、その時刻における前記適応フィルタの重み係数を逐
    次的に更新することで第2の重み係数を求める手段と、
    前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤差から、前
    記第2の重み係数の信頼性を判定する手段とを具備し、
    前記第1の重み係数と第2の重み係数との誤差が一定の
    閾値を超え、前記第2の重み係数の信頼性が低いと判定
    された場合に関してのみ、前記第1の重み係数を前記逐
    次的に更新する第2の重み係数の初期値として初期化す
    るようにしたことを特徴とする適応整相システム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の適応整相システムにおい
    て、前記適応フィルタの入力信号の自己相関行列の時間
    平均値の逆行列と、前記適応フィルタの入力信号と参照
    信号との相互相関ベクトルの時間平均値から、第1の重
    み係数を算出する手段と、前記適応フィルタの入力信号
    の瞬時値と前記適応フィルタの参照信号から前記適応フ
    ィルタの出力信号を減算した誤差信号の瞬時値を用い
    て、その時刻における前記適応フィルタの重み係数を逐
    次的に更新することにより、第2の重み係数を求める手
    段と、前記自己相関行列の時間平均値の逆行列の計算精
    度を評価する手段とを具備し、一定の時間間隔で前記第
    1の重み係数を算出し、前記逆行列の計算精度が一定の
    誤差以内であると判定された場合についてのみ、前記算
    出された第1の重み係数を前記逐次的に更新する第2の
    重み係数の初期値として初期化することで、前記算出時
    間間隔における第1の重み係数の変化を前記逐次的に更
    新する第2の重み係数によって求め、該求めた第2の重
    み係数を前記適応フィルタの重み係数としたことを特徴
    とする適応整相システム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の適応整相システムにおい
    て、前記適応フィルタの入力信号の自己相関行列の時間
    平均値の逆行列と、前記適応フィルタの入力信号と参照
    信号との相互相関ベクトルの時間平均値から、第1の重
    み係数を算出する手段と、前記適応フィルタの入力信号
    の瞬時値と前記適応フィルタの参照信号から前記適応フ
    ィルタの出力信号を減算した誤差信号の瞬時値を用い
    て、その時刻における前記適応フィルタの重み係数を逐
    次的に更新することで第2の重み係数を求める手段と、
    前記自己相関行列の時間平均値の逆行列の計算精度を評
    価する手段と、前記第1の重み係数と第2の重み係数と
    の誤差から、前記第2の重み係数の信頼性を判定する手
    段と、を具備し、前記第1の重み係数と第2の重み係数
    との誤差が一定の閾値を超え、かつ、前記逆行列の計算
    精度が一定の誤差以内であると判定された場合について
    のみ、前記第1の重み係数を前記逐次的に更新する第2
    の重み係数の初期値として初期化するようにしたことを
    特徴とする適応整相システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7367558B2 (ja) 2020-02-25 2023-10-24 沖電気工業株式会社 整相処理装置および整相処理方法

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