JP7287189B2 - カージオイド受波器およびフィルタ係数演算方法、ならびにフィルタ係数演算プログラム - Google Patents

カージオイド受波器およびフィルタ係数演算方法、ならびにフィルタ係数演算プログラム Download PDF

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Description

本発明は、反射等による背面方向からの不要音を低減させるカージオイド受波器およびフィルタ係数演算方法、ならびにフィルタ係数演算プログラムに関するものである。
カージオイド受波器は、正面方向に対して略均一の感度となり、±90度付近で正面方向に対して0.5の感度となり、背面方向に対して最小の感度となる指向性を有するものである。カージオイド受波器は、例えば、正面方向に対して前側および後側に任意の間隔をもって配置された複数の受波器で構成されている。カージオイド受波器を用いて正面方向へ整相処理が行われると、無指向性の受波器を用いた整相処理よりも背面方向の雑音が抑圧されるため、SNR(Signal to Noise power Ratio)の向上が期待できる。
このようなカージオイド受波器において、受波帯域を拡張する種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1のカージオイド受波器は、複数の受波器から出力される受波信号の和と差との信号に対してそれぞれ位相補償を行い、2つの信号の位相を一致させた状態で加算するように構成されている。
特開2007-121024号公報
従来の方法を用いて受波帯域を拡張した場合、受波器間隔に対応する周波数以上の帯域では、指向性が乱れてしまうため、正面方向に対する略均一の感度を維持することが困難である。これを解決する方法として、複数の受波器の受波器間隔を狭めることが考えられるが、受波器間隔を狭めると、低周波数側の空間分解能が劣化してしまう。
そこで、受波器を一つ追加し、3つの受波器において、互いに隣接する受波器の間隔が相対的に狭い受波器間隔と相対的に広い受波器間隔とになるように配置することで、指向性を維持しながら受波帯域を拡張することができる。しかしながら、この場合には、各々の受波器間隔が異なることにより、周波数毎の音響中心が異なるため、方位毎に位相変化が発生してしまう。そのため、このカージオイド受波器を用いて整相処理を行う場合には、低周波数側と高周波数側とで処理を分割する必要があり、処理が複雑化する。
そこで、方位毎の位相変化を抑制しながら、受波帯域を拡張することができるカージオイド受波器およびフィルタ係数演算方法、ならびにフィルタ係数演算プログラムが望まれている。
本発明のカージオイド受波器は、正面方向に高い感度を有し、背面方向に最小の感度を有するカージオイド指向性を有するカージオイド受波器であって、直線上に配置された第1の受波器、第2の受波器および第3の受波器で構成され、前記第1の受波器および前記第2の受波器は、相対的に高周波数の音響信号を受信し、前記第2の受波器および前記第3の受波器は、相対的に低周波数の前記音響信号を受信し、前記第2の受波器と前記第3の受波器との間隔は、前記第1の受波器と前記第2の受波器との間隔よりも広くなるように配置されて、目標からの前記音響信号をそれぞれ受信する複数の受波器と、前記複数の受波器のそれぞれから出力された前記音響信号を、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する複数の変換処理部と、前記複数の変換処理部のそれぞれから出力された前記周波数領域の信号に対して、フィルタ係数を用いてフィルタ処理を行う複数のフィルタリング部と、前記カージオイド指向性が理想的な指向性に近づくように、それぞれの前記フィルタリング部による前記フィルタ処理の際に用いられる前記フィルタ係数を演算する複数のフィルタ係数演算部と、前記複数のフィルタリング部から出力された前記周波数領域の信号を加算して加算信号を出力する加算器と、前記加算信号を、前記周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する逆変換処理部とを備えることを特徴とするものである。
本発明のフィルタ係数演算方法は、直線上に配置された第1の受波器、第2の受波器および第3の受波器で構成され、前記第1の受波器および前記第2の受波器は、相対的に高周波数の音響信号を受信し、前記第2の受波器および前記第3の受波器は、相対的に低周波数の前記音響信号を受信し、前記第2の受波器と前記第3の受波器との間隔は、前記第1の受波器と前記第2の受波器との間隔よりも広くなるように配置されて、目標からの前記音響信号をそれぞれ受信する複数の受波器と、前記複数の受波器のそれぞれから出力された前記音響信号を、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する複数の変換処理部と、前記複数の変換処理部のそれぞれから出力された前記周波数領域の信号に対して、フィルタ係数を用いてフィルタ処理を行う複数のフィルタリング部と、前記複数のフィルタリング部から出力された前記周波数領域の信号を加算して加算信号を出力する加算器と、前記加算信号を、前記周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する逆変換処理部とを備えた、正面方向に高い感度を有し、背面方向に最小の感度を有するカージオイド指向性を有するカージオイド受波器において、前記カージオイド指向性が理想的な指向性に近づくように、それぞれの前記フィルタリング部による前記フィルタ処理の際に用いられる前記フィルタ係数を演算することを特徴とするものである。
本発明のフィルタ係数演算プログラムは、直線上に配置された第1の受波器、第2の受波器および第3の受波器で構成され、前記第1の受波器および前記第2の受波器は、相対的に高周波数の音響信号を受信し、前記第2の受波器および前記第3の受波器は、相対的に低周波数の前記音響信号を受信し、前記第2の受波器と前記第3の受波器との間隔は、前記第1の受波器と前記第2の受波器との間隔よりも広くなるように配置されて、目標からの前記音響信号をそれぞれ受信する複数の受波器と、前記複数の受波器のそれぞれから出力された前記音響信号を、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する複数の変換処理部と、前記複数の変換処理部のそれぞれから出力された前記周波数領域の信号に対して、フィルタ係数を用いてフィルタ処理を行う複数のフィルタリング部と、前記複数のフィルタリング部から出力された前記周波数領域の信号を加算して加算信号を出力する加算器と、前記加算信号を、前記周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する逆変換処理部とを備えた、正面方向に高い感度を有し、背面方向に最小の感度を有するカージオイド指向性を有するカージオイド受波器のフィルタ係数演算プログラムであって、コンピュータを、前記カージオイド指向性が理想的な指向性に近づくように、それぞれの前記フィルタリング部による前記フィルタ処理の際に用いられる前記フィルタ係数を演算するフィルタ係数演算部として機能させることを特徴とするものである。
本発明によれば、複数の受波器を備えるカージオイド受波器のカージオイド指向性が理想的な指向性に近づくように、フィルタ処理の際に用いられるフィルタ係数が演算される。これにより、カージオイド指向性が理想指向性に近い特性となるため、方位毎の位相変化を抑制しながら、受波帯域を拡張することができる。
カージオイド受波器の指向性の一例を示す概略図である。 実施の形態1に係るカージオイド受波器の構成の一例を示すブロック図である。 図2の受波器の配置について説明するための概略図である。 図2のカージオイド受波器の構成の一例を示すハードウェア構成図である。 図2のカージオイド受波器の構成の他の例を示すハードウェア構成図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
実施の形態1.
本実施の形態1に係るカージオイド受波器について説明する。図1は、カージオイド受波器の指向性の一例を示す概略図である。図1に示すように、カージオイド受波器は、正面方向である0度付近で略均一かつ最大の感度となり、±90度付近で正面方向に対して0.5の感度となり、背面方向に対して最小の感度となるカージオイド指向性を有するものである。したがって、カージオイド受波器を用いて正面方向へ整相処理が行われた場合、無指向性の受波器を用いた整相処理よりも背面方向の雑音が抑圧される。
[カージオイド受波器1の構成]
図2は、本実施の形態1に係るカージオイド受波器の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、カージオイド受波器1は、3つの受波器11a~11c、3つのFFT(Fast Fourier Transform)処理部12a~12c、3つのフィルタリング部13a~13c、3つのフィルタ係数演算部20a~20c、加算器14、IFFT(Inverse FFT)処理部15およびデータ抽出部16を備えている。
カージオイド受波器1において、受波器11a、FFT処理部12aおよびフィルタリング部13aで第1の信号経路が形成される。また、受波器11b、FFT処理部12bおよびフィルタリング部13bで第2の信号経路が形成される。さらに、受波器11c、FFT処理部12cおよびフィルタリング部13cで第3の信号経路が形成される。以下では、第1の信号経路をチャンネル#1(図中のCh1)と称し、第2の信号経路をチャンネル#2(図中のCh2)と称し、第3の信号経路をチャンネル#3(図中のCh3)と称することがある。
受波器11a~11cは、無指向性の受波器であり、目標から発せられた音響信号を受波信号として受信する。受波器11a~11cは、受信した受波信号をFFT処理部12a~12cのそれぞれに出力する。
図3は、図2の受波器の配置について説明するための概略図である。図3に示すように、受波器11a~11cは、直線上に配置されている。チャンネル#1の受波器11aおよびチャンネル#2の受波器11bは、高周波数の音響信号を受信する際に用いられ、間隔がdとなるように配置される。この場合には、受波器11aから受波器11b(受波器11bから受波器11a)までの間隔dの1/2であるd/2の地点が、到来方位θの音響信号に対する音響中心となる。
また、チャンネル#2の受波器11bおよびチャンネル#3の受波器11cは、低周波数の音響信号を受信する際に用いられ、間隔がdよりも広いdとなるように配置される。この場合には、受波器11bから受波器11c(受波器11cから受波器11b)までの間隔dの1/2であるd/2の地点が、到来方位θの音響信号に対する音響中心となる。
図2のFFT処理部12a~12cは、入力された受波信号を、FFTを用いて時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する変換処理部として機能する。FFT処理部12a~12cは、変換した周波数領域の信号をフィルタリング部13a~13cに出力する。
フィルタリング部13aは、フィルタ係数演算部20aから入力されるフィルタ係数に基づくカージオイドフィルタを用いて、FFT処理部12aから入力された信号に対してフィルタ処理を行い、加算器14に出力する。フィルタリング部13bは、フィルタ係数演算部20bから入力されるフィルタ係数に基づくカージオイドフィルタを用いて、FFT処理部12bから入力された信号に対してフィルタ処理を行い、加算器14に出力する。フィルタリング部13cは、フィルタ係数演算部20cから入力されるフィルタ係数に基づくカージオイドフィルタを用いて、FFT処理部12cから入力された信号に対してフィルタ処理を行い、加算器14に出力する。
フィルタ係数演算部20a~20cは、フィルタリング部13a~13cのそれぞれで用いられるフィルタ係数を演算する。フィルタ係数演算部20a~20cのそれぞれは、演算したフィルタ係数をフィルタリング部13a~13cのそれぞれに出力する。
なお、フィルタ係数演算部20a~20cの構成は、補助記憶装置に読み込まれたフィルタ係数演算プログラムをコンピュータ(たとえばパーソナルコンピュータ等)上で実行することにより実現される。また、このフィルタ係数演算プログラムは、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等の情報記憶媒体に記憶され、もしくはインターネット等のネットワークを介して配布され、コンピュータにインストールされることになる。
加算器14は、フィルタリング部13a~13cから入力された信号を加算し、加算信号を生成する。具体的には、目標からの音響信号が高周波数である場合、加算器14は、チャンネル#1の信号とチャンネル#2の信号とを加算し、加算信号を生成する。また、目標からの音響信号が低周波数である場合、加算器14は、チャンネル#2の信号とチャンネル#3の信号とを加算し、加算信号を生成する。加算器14は、生成した加算信号をIFFT処理部15に出力する。
IFFT処理部15は、加算器14から入力される加算信号を、IFFTを用いて周波数領域の加算信号から時間領域の加算信号に変換する逆変換処理部として機能する。IFFT処理部15は、変換した時間領域の加算信号をデータ抽出部16に出力する。
データ抽出部16は、データ抽出部16から入力された加算信号から、後段の整相処理に必要なデータを抽出して出力する。
このようなカージオイド受波器1は、ソフトウェアを実行することにより各種機能を実現するマイクロコンピュータなどの演算装置、もしくは各種機能に対応する回路デバイスなどのハードウェア等で構成されている。
図4は、図2のカージオイド受波器の構成の一例を示すハードウェア構成図である。カージオイド受波器1の各種機能がハードウェアで実行される場合、図2のカージオイド受波器1は、図4に示すように、処理回路31で構成される。図2のカージオイド受波器1において、FFT処理部12a~12c、フィルタリング部13a~13c、フィルタ係数演算部20a~20c、加算器14、IFFT処理部15およびデータ抽出部16の各機能は、処理回路31により実現される。
各機能がハードウェアで実行される場合、処理回路31は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。カージオイド受波器1は、FFT処理部12a~12c、フィルタリング部13a~13c、フィルタ係数演算部20a~20c、加算器14、IFFT処理部15およびデータ抽出部16の各部の機能それぞれを処理回路31で実現してもよいし、各部の機能を1つの処理回路31で実現してもよい。
図5は、図2のカージオイド受波器の構成の他の例を示すハードウェア構成図である。カージオイド受波器1の各種機能がソフトウェアで実行される場合、図2のカージオイド受波器1は、図5に示すように、プロセッサ41およびメモリ42で構成される。カージオイド受波器1において、FFT処理部12a~12c、フィルタリング部13a~13c、フィルタ係数演算部20a~20c、加算器14、IFFT処理部15およびデータ抽出部16の各機能は、プロセッサ41およびメモリ42により実現される。
各機能がソフトウェアで実行される場合、カージオイド受波器1において、FFT処理部12a~12c、フィルタリング部13a~13c、フィルタ係数演算部20a~20c、加算器14、IFFT処理部15およびデータ抽出部16の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ42に格納される。プロセッサ41は、メモリ42に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。
メモリ42として、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable and Programmable ROM)およびEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ等が用いられる。また、メモリ42として、例えば、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、CD、MD(Mini Disc)およびDVD(Digital Versatile Disc)等の着脱可能な記録媒体が用いられてもよい。
このように、カージオイド受波器1は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせによって、上述した各機能を実現することができる。
[カージオイドフィルタの設計]
上記構成を有するカージオイド受波器1におけるカージオイドフィルタの設計について説明する。カージオイドフィルタは、フィルタリング部13a~13cで信号に対するフィルタリングを行う際に用いられるフィルタである。カージオイドフィルタの特性は、フィルタ係数演算部20a~20cで演算されるフィルタ係数によって決定される。本実施の形態1では、カージオイド受波器1の指向性であるカージオイド指向性が理想的なカージオイド指向性に近づくように、フィルタ係数演算部20a~20cにおいてフィルタ係数が演算される。
カージオイドフィルタを設計するにあたり、ここでは、まず、時間領域でのカージオイド受波器1の出力z(t,θ)を定式化する。i番目のチャンネルにおけるカージオイドフィルタのフィルタ係数をh(t)(i=1,2,3)とし、受波信号をs(t)とした場合、出力z(t,θ)は、式(1)で表される。なお、式(1)において、円で囲まれた「*」は、畳み込み演算を示す記号である。
Figure 0007287189000001
また、カージオイド受波器1の音響中心での受波信号をs(t)とし、音速をcとし、i番目の受波器の位置をpとした場合、式(1)は、式(2)で表される。
Figure 0007287189000002
式(2)は、周波数領域で表現した場合に、式(3)で表される。式(3)において、「f」は音響信号の周波数を示し、「S(f)」は周波数領域における音響中心での受波信号を示す。また、「H(f)」は、周波数領域におけるi番目のチャンネルにおけるカージオイドフィルタのフィルタ係数を示す。「j」は虚数単位を示す。
Figure 0007287189000003
式(3)は、ベクトルを用いた場合、式(4)で表される。式(4)において、「T」は行列の転置を示す。また、ベクトル「v(f,θ)」は式(5)で表され、ベクトル「h(f)」は式(6)で表される。
Figure 0007287189000004
Figure 0007287189000005
Figure 0007287189000006
また、式(4)は、伝達関数の形式にした場合、式(7)で表される。
Figure 0007287189000007
次に、各周波数かつ方位θ~θ毎の理想指向性(伝達関数)Zideal(f,θ)に基づき、フィルタ係数h(f)についての連立方程式を立てる。ここで、カージオイド受波器1の指向性を示すカージオイド指向性は、式(8)で表される。そのため、理想指向性Zideal(f,θ)は、一般的には、式(8)に基づき式(9)で表される。これにより、フィルタ係数h(f)についての連立方程式は、式(10)で表される。式(10)において、「e(f)」は、理想指向性Zideal(f,θ)と、設計するv(f,θ)h(f)との誤差成分を示す。
Figure 0007287189000008
Figure 0007287189000009
Figure 0007287189000010
また、理想指向性Zideal(f,θ)を式(11)のように表し、v(f,θ)を式(12)のように表した場合、式(10)は、式(13)で示される。
Figure 0007287189000011
Figure 0007287189000012
Figure 0007287189000013
次に、式(13)において、誤差成分e(f)が最小二乗の観点で最小となるように、フィルタ係数としての解h^(f)を算出する。なお、以下の説明においては、数式中で「h」などの文字の上に「^」がつけられた文字を「h^」と記載するものとする。誤差成分e(f)が最小となるときのフィルタ係数h^(f)は、式(14)に基づき算出される。
Figure 0007287189000014
このように、本実施の形態1では、カージオイド指向性が理想指向性に近づくように、最小二乗法を用いてカージオイドフィルタのフィルタ係数が演算される。これにより、低周波数の音響信号と高周波数の音響信号とで音響中心が異なることによって生じる方位毎の位相変化が抑制される。
以上のように、本実施の形態1に係るカージオイド受波器1において、複数のフィルタ係数演算部20a~20cは、カージオイド指向性が理想的な指向性に近づくように、フィルタ処理の際に用いられるフィルタ係数を演算する。これにより、カージオイド指向性が理想指向性に近い特性となるため、方位毎の位相変化を抑制しながら、受波帯域を拡張することができる。
本実施の形態1に係るカージオイド受波器1では、受波器11a、受波器11bおよび受波器11cが直線上に配置され、受波器11aおよび受波器11bは、相対的に高周波数の音響信号を受信し、受波器11bおよび受波器11cは、相対的に低周波数の音響信号を受信する。そして、受波器11bと受波器11cとの間隔は、受波器11aと受波器11bとの間隔よりも広くなるように配置されている。これにより、周波数に応じて音響中心が異なる場合でも、音響信号を適切に受信することができる。
本実施の形態1に係るカージオイド受波器1において、複数のフィルタ係数演算部20a~20cは、最小二乗法を用いてフィルタ係数を演算する。これにより、カージオイド指向性が理想指向性に近づくため、低周波数の音響信号と高周波数の音響信号とで音響中心が異なることによって生じる方位毎の位相変化を抑制することができる。
なお、本実施の形態1では、3つの受波器11a~11cが用いられたが、受波器の数はこれに限られず、例えば4つ以上とし、受信する音響信号の周波数をさらに分割してもよい。
また、本実施の形態1において、フィルタ係数演算部20a~20cは、最小二乗法を用いてフィルタ係数を演算したが、これに限られず、カージオイド指向性を理想指向性に近づけることができれば、いずれの演算方法を用いてもよい。
1 カージオイド受波器、11a、11b、11c 受波器、12a、12b、12c FFT処理部、13a、13b、13c フィルタリング部、14 加算器、15 IFFT処理部、16 データ抽出部、20a、20b、20c フィルタ係数演算部、31 処理回路、41 プロセッサ、42 メモリ。

Claims (5)

  1. 正面方向に高い感度を有し、背面方向に最小の感度を有するカージオイド指向性を有するカージオイド受波器であって、
    直線上に配置された第1の受波器、第2の受波器および第3の受波器で構成され、前記第1の受波器および前記第2の受波器は、相対的に高周波数の音響信号を受信し、前記第2の受波器および前記第3の受波器は、相対的に低周波数の前記音響信号を受信し、前記第2の受波器と前記第3の受波器との間隔は、前記第1の受波器と前記第2の受波器との間隔よりも広くなるように配置されて、目標からの前記音響信号をそれぞれ受信する複数の受波器と、
    前記複数の受波器のそれぞれから出力された前記音響信号を、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する複数の変換処理部と、
    前記複数の変換処理部のそれぞれから出力された前記周波数領域の信号に対して、フィルタ係数を用いてフィルタ処理を行う複数のフィルタリング部と、
    前記カージオイド指向性が理想的な指向性に近づくように、それぞれの前記フィルタリング部による前記フィルタ処理の際に用いられる前記フィルタ係数を演算する複数のフィルタ係数演算部と、
    前記複数のフィルタリング部から出力された前記周波数領域の信号を加算して加算信号を出力する加算器と、
    前記加算信号を、前記周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する逆変換処理部と
    を備える
    ことを特徴とするカージオイド受波器。
  2. 前記複数のフィルタ係数演算部は、最小二乗法を用いて前記フィルタ係数を演算する
    ことを特徴とする請求項1記載のカージオイド受波器。
  3. 前記複数の受波器は、無指向性の受波器である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のカージオイド受波器。
  4. 直線上に配置された第1の受波器、第2の受波器および第3の受波器で構成され、前記第1の受波器および前記第2の受波器は、相対的に高周波数の音響信号を受信し、前記第2の受波器および前記第3の受波器は、相対的に低周波数の前記音響信号を受信し、前記第2の受波器と前記第3の受波器との間隔は、前記第1の受波器と前記第2の受波器との間隔よりも広くなるように配置されて、目標からの前記音響信号をそれぞれ受信する複数の受波器と、
    前記複数の受波器のそれぞれから出力された前記音響信号を、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する複数の変換処理部と、
    前記複数の変換処理部のそれぞれから出力された前記周波数領域の信号に対して、フィルタ係数を用いてフィルタ処理を行う複数のフィルタリング部と、
    前記複数のフィルタリング部から出力された前記周波数領域の信号を加算して加算信号を出力する加算器と、
    前記加算信号を、前記周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する逆変換処理部と
    を備えた、正面方向に高い感度を有し、背面方向に最小の感度を有するカージオイド指向性を有するカージオイド受波器において、
    前記カージオイド指向性が理想的な指向性に近づくように、それぞれの前記フィルタリング部による前記フィルタ処理の際に用いられる前記フィルタ係数を演算する
    ことを特徴とするフィルタ係数演算方法。
  5. 直線上に配置された第1の受波器、第2の受波器および第3の受波器で構成され、前記第1の受波器および前記第2の受波器は、相対的に高周波数の音響信号を受信し、前記第2の受波器および前記第3の受波器は、相対的に低周波数の前記音響信号を受信し、前記第2の受波器と前記第3の受波器との間隔は、前記第1の受波器と前記第2の受波器との間隔よりも広くなるように配置されて、目標からの前記音響信号をそれぞれ受信する複数の受波器と、
    前記複数の受波器のそれぞれから出力された前記音響信号を、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する複数の変換処理部と、
    前記複数の変換処理部のそれぞれから出力された前記周波数領域の信号に対して、フィルタ係数を用いてフィルタ処理を行う複数のフィルタリング部と、
    前記複数のフィルタリング部から出力された前記周波数領域の信号を加算して加算信号を出力する加算器と、
    前記加算信号を、前記周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する逆変換処理部と
    を備えた、正面方向に高い感度を有し、背面方向に最小の感度を有するカージオイド指向性を有するカージオイド受波器のフィルタ係数演算プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記カージオイド指向性が理想的な指向性に近づくように、それぞれの前記フィルタリング部による前記フィルタ処理の際に用いられる前記フィルタ係数を演算するフィルタ係数演算部として機能させるためのフィルタ係数演算プログラム。
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