JPH08120336A - 継目無鋼管製造用マルテンサイト系ステンレス鋼ブルームの製造方法 - Google Patents
継目無鋼管製造用マルテンサイト系ステンレス鋼ブルームの製造方法Info
- Publication number
- JPH08120336A JPH08120336A JP25526494A JP25526494A JPH08120336A JP H08120336 A JPH08120336 A JP H08120336A JP 25526494 A JP25526494 A JP 25526494A JP 25526494 A JP25526494 A JP 25526494A JP H08120336 A JPH08120336 A JP H08120336A
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- Japan
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- martensitic stainless
- stainless steel
- ferrite
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、油井管に用いられるマルテンサイ
ト系ステンレス鋼の継目無鋼管製造用角ブルームの分塊
圧延、及びその後の加熱条件を与える。 【構成】 C:0.15〜0.22重量%、Cr:12
〜14重量%、S:0.0025重量%以下を含有する
マルテンサイト系ステンレス鋼の連続鋳造鋳片を、11
00℃以下900℃以上の温度域で幅圧下比2以上の分
塊圧延を行って角ブルームに圧延し、分塊圧延後110
0℃以上1200℃以下の温度に2時間以上加熱するこ
とにより、ブルームの中心偏析部において凝固偏析した
Crを拡散させ、残存するδフェライトをほぼ完全に消
失させる。 【効果】 本発明により製造したマルテンサイト系ステ
ンレス鋼の角ブルームを用いれば、継目無鋼管圧延時の
内表面の欠陥の発生が回避できる。
ト系ステンレス鋼の継目無鋼管製造用角ブルームの分塊
圧延、及びその後の加熱条件を与える。 【構成】 C:0.15〜0.22重量%、Cr:12
〜14重量%、S:0.0025重量%以下を含有する
マルテンサイト系ステンレス鋼の連続鋳造鋳片を、11
00℃以下900℃以上の温度域で幅圧下比2以上の分
塊圧延を行って角ブルームに圧延し、分塊圧延後110
0℃以上1200℃以下の温度に2時間以上加熱するこ
とにより、ブルームの中心偏析部において凝固偏析した
Crを拡散させ、残存するδフェライトをほぼ完全に消
失させる。 【効果】 本発明により製造したマルテンサイト系ステ
ンレス鋼の角ブルームを用いれば、継目無鋼管圧延時の
内表面の欠陥の発生が回避できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油井管に用いられるマ
ルテンサイト系ステンレス鋼の継目無鋼管製造用角ブル
ームの製造方法に関する。
ルテンサイト系ステンレス鋼の継目無鋼管製造用角ブル
ームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、原油、天然ガスを採取するための
油井管として、炭酸ガス環境、いわゆるスウィート環境
で優れた耐食性を有する鋼が求められるようになり、い
わゆるマルテンサイト系ステンレス鋼であるAISI4
20タイプの13%Cr鋼の需要が増大している。13
%Cr継目無油井管を連続鋳造で製造した角ブルームか
ら圧延法で製造する工程では、角ブルームを所定の長さ
に切断し、プレスピアシングミルで穿孔後、傾斜圧延式
エロンゲーターで延伸圧延を行う。ところが13%Cr
継目無鋼管は、剪断変形が作用するエロンゲーターで内
面疵が発生しやすく、最終製品において、内面へげ疵と
して残存し、歩留の低下や疵手入れに伴う生産性の低下
をもたらすことが知られている。
油井管として、炭酸ガス環境、いわゆるスウィート環境
で優れた耐食性を有する鋼が求められるようになり、い
わゆるマルテンサイト系ステンレス鋼であるAISI4
20タイプの13%Cr鋼の需要が増大している。13
%Cr継目無油井管を連続鋳造で製造した角ブルームか
ら圧延法で製造する工程では、角ブルームを所定の長さ
に切断し、プレスピアシングミルで穿孔後、傾斜圧延式
エロンゲーターで延伸圧延を行う。ところが13%Cr
継目無鋼管は、剪断変形が作用するエロンゲーターで内
面疵が発生しやすく、最終製品において、内面へげ疵と
して残存し、歩留の低下や疵手入れに伴う生産性の低下
をもたらすことが知られている。
【0003】13%Cr継目無鋼管の疵発生を低減する
ため、従来から、素材のP,Sを重量%で、P≦0.
02%、S≦0.003%に低減して、素材の熱間変形
能の向上を図る方法(例えば、特開昭59−20805
5号公報)、穿孔前に950℃から1150℃で30
分以上、均熱拡散処理を行いδフェライトを減少させる
方法(例えば、特開昭63−134630号公報)が開
示されている。上記は、P,Sが粒界の強度を低下さ
せ、疵の発生起点となりやすいことに着目し、これらの
不純物元素を低減することにより、素材の熱間加工性を
向上させるものである。一方上記は、内表面の割れや
へげ等の傾斜圧延で生じる欠陥は、穿孔圧延時に素材に
存在するδフェライトが熱間加工性を低下させることに
より発生することから、素材を均熱処理してδフェライ
トの生成の主たる原因となっているCrの拡散を行い、
δフェライトの生成量を低下させるものである。
ため、従来から、素材のP,Sを重量%で、P≦0.
02%、S≦0.003%に低減して、素材の熱間変形
能の向上を図る方法(例えば、特開昭59−20805
5号公報)、穿孔前に950℃から1150℃で30
分以上、均熱拡散処理を行いδフェライトを減少させる
方法(例えば、特開昭63−134630号公報)が開
示されている。上記は、P,Sが粒界の強度を低下さ
せ、疵の発生起点となりやすいことに着目し、これらの
不純物元素を低減することにより、素材の熱間加工性を
向上させるものである。一方上記は、内表面の割れや
へげ等の傾斜圧延で生じる欠陥は、穿孔圧延時に素材に
存在するδフェライトが熱間加工性を低下させることに
より発生することから、素材を均熱処理してδフェライ
トの生成の主たる原因となっているCrの拡散を行い、
δフェライトの生成量を低下させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、それ
ぞれ以下のような問題点がある。13%Cr継目無油井
管を連続鋳造で製造した角ブルームから圧延法で製造す
る場合、連続鋳造で形成された中心偏析部ではδフェラ
イトが発生し、これが内面疵の原因となる。上記のよ
うに不純物元素を低減する方法は、確かに中心偏析部の
熱間加工性を向上させるが、疵発生の直接の原因である
δフェライトは依然として残存しているため、不純物元
素を低減しただけでは、十分な改善効果は得られないと
いう問題がある。
ぞれ以下のような問題点がある。13%Cr継目無油井
管を連続鋳造で製造した角ブルームから圧延法で製造す
る場合、連続鋳造で形成された中心偏析部ではδフェラ
イトが発生し、これが内面疵の原因となる。上記のよ
うに不純物元素を低減する方法は、確かに中心偏析部の
熱間加工性を向上させるが、疵発生の直接の原因である
δフェライトは依然として残存しているため、不純物元
素を低減しただけでは、十分な改善効果は得られないと
いう問題がある。
【0005】一方、上記はδフェライトの生成量低下
に効果的な方法であるが、連続鋳造で形成された中心偏
析部ではCrの偏析が著しいため、Crの偏析を促進
し、δフェライトを消失させるには、高温長時間の均熱
処理が必要になる。本発明者らの研究結果によれば、δ
フェライトをほぼ完全に消失させるには1150℃で2
0時間以上もの長時間の加熱を要する。この場合、加熱
炉での在炉時間が長くなって生産性が低下し、スケール
ロスや燃料原単位が上昇するばかりでなく、管材外表面
の脱炭が進行し、かえって外表面へのδフェライトの析
出が促進されて熱間加工性が低下し、外表面のへげや割
れ等の圧延欠陥が発生するという問題がある。
に効果的な方法であるが、連続鋳造で形成された中心偏
析部ではCrの偏析が著しいため、Crの偏析を促進
し、δフェライトを消失させるには、高温長時間の均熱
処理が必要になる。本発明者らの研究結果によれば、δ
フェライトをほぼ完全に消失させるには1150℃で2
0時間以上もの長時間の加熱を要する。この場合、加熱
炉での在炉時間が長くなって生産性が低下し、スケール
ロスや燃料原単位が上昇するばかりでなく、管材外表面
の脱炭が進行し、かえって外表面へのδフェライトの析
出が促進されて熱間加工性が低下し、外表面のへげや割
れ等の圧延欠陥が発生するという問題がある。
【0006】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであって、エロンゲーター圧延時の内表面の欠
陥の発生をほぼ完全に回避し、高い生産性、高歩留で1
3%Cr継目無鋼管を製造できる同鋼角ブルームの製造
方法を提供するものである。
れたものであって、エロンゲーター圧延時の内表面の欠
陥の発生をほぼ完全に回避し、高い生産性、高歩留で1
3%Cr継目無鋼管を製造できる同鋼角ブルームの製造
方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、13%C
r鋼ブルームの中心偏析部に残存するδフェライトの量
と分塊圧延及びその後の均熱条件の関係を鋭意調査、研
究を重ねた結果、角ブルームの素材である連続鋳造鋳片
の断面の扁平比を2以上とした分塊圧延を1100℃か
ら900℃の比較的低温で行えば、分塊圧延後2時間の
比較的短時間で、Crの偏析拡散が行え、δフェライト
をほぼ完全に消失し得ることを知見した。
r鋼ブルームの中心偏析部に残存するδフェライトの量
と分塊圧延及びその後の均熱条件の関係を鋭意調査、研
究を重ねた結果、角ブルームの素材である連続鋳造鋳片
の断面の扁平比を2以上とした分塊圧延を1100℃か
ら900℃の比較的低温で行えば、分塊圧延後2時間の
比較的短時間で、Crの偏析拡散が行え、δフェライト
をほぼ完全に消失し得ることを知見した。
【0008】すなわち、本発明の要旨とするところは、
C:0.15〜0.22重量%、Cr:12〜14重量
%、S:0.0025重量%以下を含有するマルテンサ
イト系ステンレス鋼の連続鋳造鋳片を素材として継目無
鋼管用製造用の角ブルームを製造するに際し、1100
℃以下900℃以上の温度域で幅圧下比2以上の分塊圧
延を行って鋳片から角ブルームを圧延して得、該分塊圧
延後1100℃以上1200℃以下の温度に2時間以上
加熱することを特徴とするマルテンサイト系ステンレス
継目無鋼管製造用角ブルームの製造方法にある。
C:0.15〜0.22重量%、Cr:12〜14重量
%、S:0.0025重量%以下を含有するマルテンサ
イト系ステンレス鋼の連続鋳造鋳片を素材として継目無
鋼管用製造用の角ブルームを製造するに際し、1100
℃以下900℃以上の温度域で幅圧下比2以上の分塊圧
延を行って鋳片から角ブルームを圧延して得、該分塊圧
延後1100℃以上1200℃以下の温度に2時間以上
加熱することを特徴とするマルテンサイト系ステンレス
継目無鋼管製造用角ブルームの製造方法にある。
【0009】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。まず、
成分の限定理由について述べる。Cは製品の熱処理(焼
きならし)において、加熱状態でオーステナイト単相組
織とし、マルテンサイト組織を得て、油井管として必要
な強度を得るために0.15%以上添加する。しかし過
度に添加すると、炭化物が多量に生成し、耐食性に必要
な固溶Crが減少するため、上限を0.22%とする。
成分の限定理由について述べる。Cは製品の熱処理(焼
きならし)において、加熱状態でオーステナイト単相組
織とし、マルテンサイト組織を得て、油井管として必要
な強度を得るために0.15%以上添加する。しかし過
度に添加すると、炭化物が多量に生成し、耐食性に必要
な固溶Crが減少するため、上限を0.22%とする。
【0010】Crは耐食性、とりわけ、炭酸ガス環境に
おける耐食性を得るために12%以上添加する。しか
し、14%を超えて添加すると、焼きならしの加熱時に
オーステナイトとフェライトの混合組織となり、焼なら
し後にマルテンサイトとフェライトの混合組織となるた
めに、強度、耐炭酸ガス腐食性が低下する。従って、C
rは12〜14%とする。
おける耐食性を得るために12%以上添加する。しか
し、14%を超えて添加すると、焼きならしの加熱時に
オーステナイトとフェライトの混合組織となり、焼なら
し後にマルテンサイトとフェライトの混合組織となるた
めに、強度、耐炭酸ガス腐食性が低下する。従って、C
rは12〜14%とする。
【0011】また、本発明では、不純物元素として、S
を重量%で0.0025%以下に限定する。Sは結晶粒
界の結合強度を低下させ、エロンゲーター圧延におい
て、非圧延材がロール内にあってプラグと接触する前の
段階である回転空揉み状態において、揉み割れと称され
る微妙な内面割れを生じさせる。揉み割れは、偏析部の
δフェライトに起因するへげとは関係なしに、生じる割
れであり、後述するδフェライト消失を行っても、S量
が高ければ発生する欠陥である。かかる観点からSは低
ければ低いほど好ましいが、実用上からはSを0.00
25%以下にすれば、揉み割れは無害となるので、本発
明ではSを0.0025%以下に限定する。さらに、望
ましくは、揉み割れをより安定して抑えるために、Sを
0.0010%以下にすれば、さらに望ましい。その他
の成分については、通常13%Cr油井管として用いら
れている範囲であれば、本発明の効果を得ることができ
るので、特に成分を特定する必要がない。
を重量%で0.0025%以下に限定する。Sは結晶粒
界の結合強度を低下させ、エロンゲーター圧延におい
て、非圧延材がロール内にあってプラグと接触する前の
段階である回転空揉み状態において、揉み割れと称され
る微妙な内面割れを生じさせる。揉み割れは、偏析部の
δフェライトに起因するへげとは関係なしに、生じる割
れであり、後述するδフェライト消失を行っても、S量
が高ければ発生する欠陥である。かかる観点からSは低
ければ低いほど好ましいが、実用上からはSを0.00
25%以下にすれば、揉み割れは無害となるので、本発
明ではSを0.0025%以下に限定する。さらに、望
ましくは、揉み割れをより安定して抑えるために、Sを
0.0010%以下にすれば、さらに望ましい。その他
の成分については、通常13%Cr油井管として用いら
れている範囲であれば、本発明の効果を得ることができ
るので、特に成分を特定する必要がない。
【0012】次に本発明における分塊圧延条件及び分塊
圧延後の均熱条件について述べる。本発明者らは、分塊
圧延後短時間の均熱処理により角ブルームの中心偏析部
のδフェライトをほぼ完全に消失させるための分塊圧延
条件として、圧延温度、幅圧下比(分塊圧延前の鋳片幅
/分塊圧延後のブルーム幅)を詳細に検討した。その結
果、幅圧下比として2以上の加工を、1100℃から9
00℃の温度域において行えば、分塊圧延後1100〜
1200℃の温度域に2時間以上加熱することにより、
中心偏析部でもほぼ完全にδフェライトを消失できるこ
とを見いだした。
圧延後の均熱条件について述べる。本発明者らは、分塊
圧延後短時間の均熱処理により角ブルームの中心偏析部
のδフェライトをほぼ完全に消失させるための分塊圧延
条件として、圧延温度、幅圧下比(分塊圧延前の鋳片幅
/分塊圧延後のブルーム幅)を詳細に検討した。その結
果、幅圧下比として2以上の加工を、1100℃から9
00℃の温度域において行えば、分塊圧延後1100〜
1200℃の温度域に2時間以上加熱することにより、
中心偏析部でもほぼ完全にδフェライトを消失できるこ
とを見いだした。
【0013】中心偏析部においては、鎖状にδフェライ
トが形成される。分塊圧延後の均熱でδフェライトを消
失するためには、分塊圧延時に鎖状のδフェライトを分
断する必要がある。このために、最低幅圧下比で2以上
の熱間加工が必要である。従って、本発明では分塊圧延
における幅圧下比を2以上とする。
トが形成される。分塊圧延後の均熱でδフェライトを消
失するためには、分塊圧延時に鎖状のδフェライトを分
断する必要がある。このために、最低幅圧下比で2以上
の熱間加工が必要である。従って、本発明では分塊圧延
における幅圧下比を2以上とする。
【0014】また、分塊圧延後の均熱でδフェライトを
消失するためには、δフェライトの生成の原因となって
いるCrの偏析を拡散しなければならない。Crの拡散
は分塊圧延における凝固組織の破壊、格子欠陥の導入に
より促進されやすい。このため分塊圧延温度は、圧延反
力が過大とならない範囲で低温とすることが望ましい。
本発明者らの研究の結果、1100℃以下で分塊圧延す
れば上記Crの拡散促進効果が認められる。また、圧延
反力の増大を考慮すれば、分塊圧延は900℃以上で行
うことが好ましい。従って、本発明では分塊圧延の温度
範囲を1100℃から900℃とする。
消失するためには、δフェライトの生成の原因となって
いるCrの偏析を拡散しなければならない。Crの拡散
は分塊圧延における凝固組織の破壊、格子欠陥の導入に
より促進されやすい。このため分塊圧延温度は、圧延反
力が過大とならない範囲で低温とすることが望ましい。
本発明者らの研究の結果、1100℃以下で分塊圧延す
れば上記Crの拡散促進効果が認められる。また、圧延
反力の増大を考慮すれば、分塊圧延は900℃以上で行
うことが好ましい。従って、本発明では分塊圧延の温度
範囲を1100℃から900℃とする。
【0015】上記のように鋳片で形成されたδフェライ
トの分析、Crの拡散促進のための加工を分塊圧延で行
っておけば、その後の均熱は短時間で行うことができ
る。均熱温度は1100℃以上1200℃以下とする。
均熱の間にCrの拡散を起こさせる必要があるが、均熱
温度が1100℃未満ではCrの拡散係数が低下するた
め、均熱温度はl100℃以上とする。しかし、均熱温
度が高すぎると、オーステナイトからδフェライトが変
態してでてくるので、均熱温度の上限を1200℃とす
る。以上の条件のもとでδフェライトをほぼ完全に消失
させるために、均熱時間は2時間以上必要である。
トの分析、Crの拡散促進のための加工を分塊圧延で行
っておけば、その後の均熱は短時間で行うことができ
る。均熱温度は1100℃以上1200℃以下とする。
均熱の間にCrの拡散を起こさせる必要があるが、均熱
温度が1100℃未満ではCrの拡散係数が低下するた
め、均熱温度はl100℃以上とする。しかし、均熱温
度が高すぎると、オーステナイトからδフェライトが変
態してでてくるので、均熱温度の上限を1200℃とす
る。以上の条件のもとでδフェライトをほぼ完全に消失
させるために、均熱時間は2時間以上必要である。
【0016】
【実施例】表1に化学成分を示す13%Cr鋼を通常の
転炉溶製で溶製し、連続鋳造で鋳片を製造した。115
0℃に加熱後、分塊圧延機を用いて表2に示す条件で分
塊圧延、均熱を行った。得られた角ブルームを圧延し、
外径114.3mm、肉厚8.9mmの継目無鋼管を得た。
この鋼管の目視検査を実施して、内面欠陥の発生を調査
した結果を表2に併せて示す。表2から明らかなよう
に、本発明法により製造された角ブルームから圧延した
継目無管は、内面欠陥の発生が防止されていることがわ
かる。
転炉溶製で溶製し、連続鋳造で鋳片を製造した。115
0℃に加熱後、分塊圧延機を用いて表2に示す条件で分
塊圧延、均熱を行った。得られた角ブルームを圧延し、
外径114.3mm、肉厚8.9mmの継目無鋼管を得た。
この鋼管の目視検査を実施して、内面欠陥の発生を調査
した結果を表2に併せて示す。表2から明らかなよう
に、本発明法により製造された角ブルームから圧延した
継目無管は、内面欠陥の発生が防止されていることがわ
かる。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、13%Cr継目無油井
管を連続鋳造で製造した角ブルームから圧延法で製造す
るに際し、エロンゲーター圧延時の内表面の欠陥の発生
を回避し、高い生産性、高歩留で13%Cr継目無鋼管
を製造できるので工業的意義は極めて大きい。
管を連続鋳造で製造した角ブルームから圧延法で製造す
るに際し、エロンゲーター圧延時の内表面の欠陥の発生
を回避し、高い生産性、高歩留で13%Cr継目無鋼管
を製造できるので工業的意義は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 直治 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内
Claims (1)
- 【請求項1】 C:0.15〜0.22重量%、Cr:
12〜14重量%、S:0.0025重量%以下を含有
するマルテンサイト系ステンレス鋼の連続鋳造鋳片を素
材として継目無鋼管製造用の角ブルームを製造するに際
し、1100℃以下900℃以上の温度域で幅圧下比2
以上の分塊圧延を行って鋳片から角ブルームを圧延し、
該分塊圧延後1100℃以上1200℃以下の温度に2
時間以上加熱することを特徴とする継目無鋼管製造用マ
ルテンサイト系ステンレス鋼角ブルームの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25526494A JPH08120336A (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | 継目無鋼管製造用マルテンサイト系ステンレス鋼ブルームの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25526494A JPH08120336A (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | 継目無鋼管製造用マルテンサイト系ステンレス鋼ブルームの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08120336A true JPH08120336A (ja) | 1996-05-14 |
Family
ID=17276340
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25526494A Withdrawn JPH08120336A (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | 継目無鋼管製造用マルテンサイト系ステンレス鋼ブルームの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08120336A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1099772A1 (en) * | 1999-05-18 | 2001-05-16 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Martensite stainless steel for seamless steel tube |
WO2003000938A1 (en) * | 2001-06-21 | 2003-01-03 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Method of producing high cr-based seamless steel tube |
CN113198913A (zh) * | 2021-05-13 | 2021-08-03 | 衡阳鸿源管业有限公司 | 高钢级大口径薄壁无缝钢管的生产方法 |
WO2023195361A1 (ja) * | 2022-04-08 | 2023-10-12 | 日本製鉄株式会社 | マルテンサイト系ステンレス鋼材 |
-
1994
- 1994-10-20 JP JP25526494A patent/JPH08120336A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1099772A1 (en) * | 1999-05-18 | 2001-05-16 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Martensite stainless steel for seamless steel tube |
EP1099772A4 (en) * | 1999-05-18 | 2003-05-07 | Sumitomo Metal Ind | MARTENSITIC STAINLESS STEEL FOR STEEL TUBE WITHOUT WELDING |
WO2003000938A1 (en) * | 2001-06-21 | 2003-01-03 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Method of producing high cr-based seamless steel tube |
US6692592B2 (en) | 2001-06-21 | 2004-02-17 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Method for manufacturing high chromium system seamless steel pipe |
CN113198913A (zh) * | 2021-05-13 | 2021-08-03 | 衡阳鸿源管业有限公司 | 高钢级大口径薄壁无缝钢管的生产方法 |
WO2023195361A1 (ja) * | 2022-04-08 | 2023-10-12 | 日本製鉄株式会社 | マルテンサイト系ステンレス鋼材 |
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