JPH04224659A - マルテンサイト系継目無鋼管とその製造方法 - Google Patents

マルテンサイト系継目無鋼管とその製造方法

Info

Publication number
JPH04224659A
JPH04224659A JP41380490A JP41380490A JPH04224659A JP H04224659 A JPH04224659 A JP H04224659A JP 41380490 A JP41380490 A JP 41380490A JP 41380490 A JP41380490 A JP 41380490A JP H04224659 A JPH04224659 A JP H04224659A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
billet
ferrite
steel pipe
less
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP41380490A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2707839B2 (ja
Inventor
Koichi Ikeda
耕一 池田
Kunio Kondo
邦夫 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2413804A priority Critical patent/JP2707839B2/ja
Publication of JPH04224659A publication Critical patent/JPH04224659A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2707839B2 publication Critical patent/JP2707839B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内面疵の少ないマルテ
ンサイト系継目無鋼管、特に油井用マルテンサイト系ス
テンレス継目無鋼管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油井用に使用されてきた13%C
r鋼等のマルテンサイト系継目無鋼管は、製造する際、
鋼管内面疵を多発する場合がある。この要因としては、
主に以下の2点が挙げられる。 (1) 鋼塊中心偏析部において生成するδ−フェライ
トを起点として、鋼管内面疵が発生する。 (2) 鋼塊中心部に生成するキャビティ欠陥がビレッ
ト分塊圧延後も残存し、これを起点として、鋼管内面疵
が発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、(1) につい
ては、高温長時間ソーキングによる偏析の低減が対策と
してなされてきた。しかし、この効果は十分でなく、ソ
ーキング後もδ−フェライトは残存し鋼管内面疵は発生
する。さらに、そのような高温長時間の熱処理を行うと
製造コストも上昇するという欠点がある。また、P、S
を低下させることにより、δ−フェライトを起点とする
割れ発生を抑制することも対策として挙げられるが、効
果が十分でないこと、溶製コストが上昇することを考慮
すると、実際の生産における利益はほとんどない。
【0004】(2) については、鋼塊鋳造時の鋳型断
面形状の影響が大きい。鋳型断面の偏平比(鋳型長辺長
さ/鋳型短辺長さ)を大きくすれば、中心キャビティは
、ほぼ消滅するが、同時に鋼塊中心部における偏析の二
極分化により偏析部に生成するδ−フェライトが広範囲
に存在することになり、逆に鋼管内面疵が増加するとい
う欠点がある。また、(1) および(2) を同時に
防止する対策としては、鋼塊鋳造時に電磁攪拌を行うこ
とがよく用いられるが、これについても効果は十分でな
く、鋼管内面疵を完全に抑制することはできない。
【0005】また、特開昭59−208055号公報に
開示されているように、1050℃から1150℃まで
の温度範囲で30分以上加熱し、その後所定の穿孔温度
に調整するという方法がある。これは、最初の低温加熱
(1050〜1100℃)でδ−フェライトを低減させ
、その後所定の温度まで上昇させて、δ−フェライトが
再生成する前に穿孔を開始するというものである。但し
、これは実操業において、安定して温度制御を実施して
いくのが困難である。この理由としては、丸ビレットの
表層部と中心部の温度差が必然的に生じるため、中心部
の温度を推定するのが難しく、中心部の温度を目標とす
る温度に制御することが困難であることが挙げられる。
【0006】また、特開平1−123024号公報で開
示されているように、1050℃から1250℃まで加
熱したのち穿孔するという方法があるが、これは鋼成分
を特定せず、またその具体的加熱温度についても、加熱
温度を1150℃として後述するδ−フェライト生成指
数: F値試算を求めると、F=−1.1 〜2.4 
となるが、鋳型サイズの限定はなく不十分である。また
、特開平1−293909号公報で開示されているよう
に、鋳型サイズを偏平比1.6 〜3.0 と限定して
いるものがあるが、逆に成分を限定しておらず、内面疵
抑制の効果を期待するには十分ではないと考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一つの目的は
、上述のような従来技術の問題点を解消し、内面疵のな
いマルテンサイト系継目無鋼管およびその製造方法を提
供することである。本発明の別の目的は、内面疵の発生
率を3.0%未満に抑えた特に油井用に適するマルテン
サイト系継目無鋼管およびその製造方法を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、下記■ないし■
の知見に基づいて、内面疵発生の要因の1つであるδ−
フェライトの生成を抑制すること、またこれにより鋼塊
鋳造鋳型の偏平比を可能とすること、すなわち、δ−フ
ェライトに起因し、また中心キャビティ残存欠陥に起因
する中カブレを同時に解決することが可能であることを
知り、本発明を完成するに至った。■合金組成の上から
は、炭素含有量を0.15〜0.25%という狭い範囲
に限定するとともに、SiおよびN を一定の相関をも
って制限することにより、δ−フェライトの生成が効果
的に抑制されること。■ビレットの穿孔に先立って12
00℃以上1300℃以下に加熱することによって同じ
くδ−フェライトの生成が効果的に抑制されること。■
ビレットの加熱はその製造に先立って行ってもよく、偏
析元素を充分に拡散させることができれば同様の作用効
果が期待できること。■ビレットの素材の連続鋳造に際
して比較的大型の鋳型 (厚み200mm 以上、偏平
比1.8 以上) を用いて分塊圧延を実施することに
よって中心キャビティの残存を効果的に抑制することが
できること。■鋼組成、ビレット焼鈍時間、およびビレ
ット穿孔加熱温度を一定の相関をもって制御することに
より内面疵の発生が効果的に阻止されること。
【0009】ここに、本発明の要旨とするところは、重
量%で、C : 0.15〜0.25%、Si: 1.
00%以下、Mn: 1.00%以下、P : 0.0
50 %以下、S : 0.005 %以下、Cr: 
12.0〜13.5%、Ni: 0.10%以下、V 
: 0.05〜0.50%、sol.Al: 0.00
5 〜0.100 %、 N : 0.1%以下、F1
(Si、N)=9×(%) Si−25×(%)N<1
.3 ・・・・(1) あるいはさらに下記の第1群お
よび第2群の一方または両方から選ばれた1種以上の元
素を含み(第1群)Mo: 0.01〜2.00%、T
i: 0.01〜0.50%、Zr: 0.01〜0.
50%、Nb: 0.01〜0.50%、B : 0.
0005〜0.01%(第2群)Ca: 0.001 
〜0.05%、  La: 0.001 〜0.05%
、Ce: 0.001 〜0.05%残部Feおよび不
可避不純物から成る鋼組成を有するビレットを素材とす
ることを特徴とする内面疵の少ないマルテンサイト系継
目無鋼管およびこのビレットに対し穿孔、圧延および縮
径加工を行うことを特徴とする、内面疵の少ないマルテ
ンサイト系継目無鋼管の製造方法である。
【0010】本発明の好適態様によれば、前記ビレット
を、穿孔に先立って、1200℃以上1300℃以下に
加熱してもよく、あるいはビレット製造に先立って、そ
の素材を1200℃以上1300℃以下に加熱してもよ
い。本発明において中心キャビティを抑制するためには
、厚み200mm以上で偏平比1.8 以上の鋳型を有
する連続鋳造機で鋳造し、その後分塊圧延によって前記
ビレットを製造するのが好ましい。さらに好ましくは、
鋼組成、ビレット(あるいは鋼塊)焼鈍時間およびビレ
ット穿孔加熱温度を下式を満たすよう制御しながら穿孔
圧延を行う。
【0011】
【数2】
【0012】F(Si,N,t,T):δ−フェライト
生成指数(%)Si: Si重量% (%)N: N重量% ti: ビレット(あるいは鋼塊)における焼鈍加熱時
間(iは、ヒートNo.)   T: 穿孔加熱温度 焼鈍加熱温度: 1200〜1300℃穿孔加熱温度:
 1200℃以下 なお、ここに言う「δ−フェライト」は、例えば凝固時
に最初に析出してくるフェライト相および高温において
生成するフェライト相を称してδ−フェライトといい、
冷却過程における変態点にてオーステナイト→炭化物+
フェライトの変態で生成するフェライト相と区別して使
う。
【0013】
【作用】次に、本発明にかかる製造条件における上述の
ような限定理由について詳述する。まず、本発明におけ
る合金の成分組成範囲を限定した理由は、次の通りであ
る。
【0014】C(炭素):Cは材料の強度を高めるため
に添加されるが、0.15%未満では高温加熱中にδ−
フェライトが生成されて強度が低下し、0.25%を越
えるときには低温靱性が低下する。 Si (珪素):Siは強度を高めるために添加される
が、1.00%を越えると高温加熱中にδ−フェライト
が生成されて熱間加工性および強度が低下する。
【0015】Mn (マンガン):Mnは強度を高める
とともにMnS を形成して固溶Sを減少させることに
よる熱間加工性向上のために添加されるが、1.00%
を越えると耐応力腐食割れ性に悪影響を与える。 P (リン):Pは熱間加工性に悪影響を与える元素で
あり、その含有量が0.050 %を越えると熱間加工
性が著しく悪化する。
【0016】S (硫黄):Sは熱間加工性に悪影響を
与える元素であり、その含有量が0.005 %を越え
ると熱間加工性が著しく悪化する。 Cr (クロム):Crは耐食性向上のために必須の元
素であるが、12.0%未満では、耐食性が劣化し、1
3.5%を越えると高温加熱時にδ−フェライトを生成
して熱間加工性および強度が低下する。
【0017】Ni (ニッケル):Niは耐食性を向上
させるとともに、C含有量を抑える効果があり、これら
の作用効果の組みあわせで強度、靱性を大きく向上させ
る効果がある。しかし、0.10%を越えると、耐H2
S 特性が悪化する。 V (バナジウム):Vは強度や靱性の向上に効果があ
ると同時に、耐食性に有効な基質中のCrの減少を阻止
する効果がある。そのためには0.05%以上の添加が
必要である。しかし、0.50%を越える含有量ではか
えって靱性を劣化させる。
【0018】sol.Al: Alは溶鋼の脱酸のため
添加させる。sol.Alとして0.005 %以上の
含有量になるように添加する必要があるが、0.100
 %を越える含有量になると、酸化物系介在物が増加し
、靱性、耐食性を劣化させる。 N (窒素):Nは強度を向上させる安価な元素である
が、含有量が0.1 %を越えると著しく靱性の低下を
もたらす。一方、δ−フェライトの低減という観点から
は、F1(Si、N)=9×(%)Si−25×(%)
N<1.3 ・・・ (1)に制限される。ここで、F
1はδ−フェライト生成指数である。
【0019】Mo (モリブデン):Moは必要に応じ
て添加され、0.01%以上で耐食性の向上に効果があ
るが、含有量が2.00%を越えるとδ−フェライトが
生成して熱間加工性、強度が低下する。 Ti、Zr 、Nb: これらの元素は、強度や靱性の
向上に効果があると同時に、耐食性に有効な基質中のC
rの減少を阻止することで耐食性を改善する効果がある
。しかし、含有量がそれぞれ0.50%を越えるとかえ
って靱性を劣化させる。
【0020】B ( ボロン):強度の向上に効果があ
るとともに組織の微細化を促し、靱性および耐食性をも
改善する効果がある。しかし、含有量が0.01%を超
えると逆に靱性、耐食性に悪影響がでてくる。なお、M
o、Ti、Zr、Nb、およびB は、耐食性改善の点
から少なくとも一種以上添加されればよく、より好まし
くは後述するCa、La、およびCeの少なくとも一種
との複合添加が好ましい。 Ca、La、Ce: これらの元素は必要に応じ少なく
とも一種以上添加され、鋼中の硫化物の形状を改善し、
耐応力腐食割れ性を向上させる。それぞれ0.001 
%未満の含有量ではその効果が得られず、0.05%を
越えるとかえって靱性、耐食性を劣化させる。
【0021】本発明においてはδ−フェライトの生成を
可及的少ない量とすることが要求されており、そのため
に上述のような鋼組成を選ぶのであるが、さらにその効
果を顕著なものとするには次のような製造工程をとる。 まず通常の継目無鋼管と同様に、傾斜ロール型穿孔圧延
機 (いわゆるマンネスマン穿孔機) または、押出型
穿孔機 (いわゆるプレスピアシングミル) とその後
工程として絞り圧延機を用して穿孔、圧延、および縮径
加工を行う。したがって、このような操作に関しては慣
用手段を採用すればよい。
【0022】次に、好適態様としては素材であるビレッ
トを1200〜1300℃の温度に所定時間焼鈍加熱す
るが、この焼鈍加熱温度( ビレットソーキング温度を
もいう)が1200℃未満であると、偏析の拡散が困難
でありδ−フェライト相の生成を十分に抑えることはで
きない。一方、1300℃超であると、ビレット表面疵
が発生しやすくなる。一方、このようなδ−フェライト
相の生成の抑制は、また、ビレット製作に先立つソーキ
ングによっても可能である。ソーキングは、拡散速度が
大きくなる高温度、つまり1200〜1300℃で実施
するのが望ましい。ここでこれらのビレットソーキング
温度を考慮すると、前述の(1) 式は下式のように限
定される。
【0023】
【数3】
【0024】       焼鈍加熱温度: 1200〜1300℃ま
た、製管加熱温度の影響も大きいことから、さらに望ま
しくは製管加熱温度、つまり穿孔加熱温度を考慮する必
要がある。従って、上記(2) 式は、さらに下式のよ
うに限定される。
【0025】
【数4】
【0026】ti :前述に同じ。 T:製管加熱温度(1200℃以下とする)(℃)次に
、鋳造時に中心キャビティの抑制を図ることによっても
製管時の内面疵の発生率を効果的に減少させることがで
きる。かかる中心キャビティの形成は、鋼塊鋳造時の鋳
型形状に大きく左右される。したがって、本発明の好適
態様によれば、厚み200mm 以上、偏平比1.8 
以上の鋳型を使用することによって連続鋳造を行い、分
塊圧延によって得られたビレットを使用するのが好まし
い。但し、偏平比増加に従い、中心キャビティは改善さ
れるが中心偏析の二極分化は促進される。次に、本発明
をその実施例によってさらに具体的に説明する。
【0027】
【実施例1】本例は、表1および表2に示す鋼を使用し
、プロセスを変化させてそのときのδ−フェライトの生
成および製管時の内面疵発生率を調べた。結果を表3お
よび表4に示す。製造条件は表5および表6に示すプロ
セスA〜Hに示すものであった。ただし、δ−フェライ
トは分塊圧延により得たビレットの中心部より20mm
×20mmの試片を採取し、1200℃×1Hr加熱後
急冷し、ミクロ検鏡し点算法にてδ−フェライト量測定
を実施した。 また内面疵はビレットソーキングを行わず、1200℃
の製管加熱を行ったときのそれである。製管操作自体は
慣用装置を使って交差穿孔、圧延、縮径加工を経て行っ
た。 このδ−フェライト量をSi、Nで整理すると図1のよ
うになる。また、同様にして鋼管内面疵の発生率を整理
すると図2のようになる。図1および図2より、内面疵
防止にはδ−フェライトを、0.05%以下にすること
が必要であり、そのためには、Si、N含有量は下記式
(1) に示す相関を満足するのが好ましい。 F1(Si、N)=9×(%) Si−25×(%)N
<1.3 ・・・(1)
【0028】
【実施例2】まず、表1および表2の中から鋼No. 
10について、試験炉にて加熱温度および時間を種々変
更させ、そのときのδ−フェライトの量を測定した結果
を図3に示す。これからも分かるように、製管前のビレ
ットにおけるソーキングによりδ−フェライト抑制効果
が発揮され、加熱温度は拡散速度の大きくなる高温で実
施するのが良いことがわかる。 (試験では、1250
℃) 実際にビレットソーキングを1250℃×10h
rで実施し、製管加熱温度を1200℃にして製管した
。 (プロセスB) 。製管前のビレットにて、δ−フ
ェライト量を測定した結果を図4に示すが、δ−フェラ
イト量は確実に低減している。 製管した結果を図5にまとめて示すが、鋼管内面疵が3
.0 %未満に抑制するにはN およびSiは次の関係
を満足すればよい。
【0029】
【数5】
【0030】       焼鈍加熱温度: 1200〜1300℃

0031】
【実施例3】まず、表1および表2の中から鋼6につい
て、試験炉において種々加熱温度を変更させて、そのと
きのδフェライト生成量を調べた。図6にそのときの製
管加熱温度とδ−フェライト量の関係を示す。加熱温度
は、製管可能な限り低温であるのが望ましい。ただし、
製管加熱温度が1100℃以下になると、変形抵抗増加
のため製管不可能である。図7に、1150℃に加熱し
た時のδ−フェライト量測定結果を示す。また、図8に
、1150℃加熱で製管した鋼管内面疵の傾向を示す。 従来の1200℃加熱の成績(図2)と比較して良好な
値を示す。加えてビレットソーキングを実施すると、鋼
管内面疵成績は、更に良好な値になる。これについては
、図9、図10参照。これらの結果より、鋼管内面疵を
3.0 %未満に抑制するにはNおよびSiは次の関係
を満たせばよい。
【0032】
【数6】
【0033】ti :前述に同じ。 T:製管加熱温度(1200℃以下とする)(℃)
【0
034】
【実施例5】本例では、表1および表2の鋼A、Bを使
い、表3および表4のプロセスA、E、F、Gに準じて
実施例1を繰り返して製管を行った。すなわち、ビレッ
トソーキングは行わず、製管加熱温度は1200℃とし
、鋳型偏平比は1.29〜2.44までを4種に変更し
て鋳込んだ。 結果を図11および図12にまとめて示す。図11は、
鋳型偏平比と鋼管内面疵の発生率の関係を原因別に示す
。これらからも分かるように、偏平比が上昇すれば、中
心キャビティ起因の内面疵は減少するが、逆に二極分化
偏析に沿って広範囲に存在するδ−フェライト起因の内
面疵が増加する。偏平比は、1.8 以上を確保するこ
とが好ましい。しかし、F ≧1.3 の場合、鋳型偏
平比をあげても内面疵は改善されないことがあるが、F
 <1.3 と限定すると改善効果が大きい。
【0035】
【実施例6】偏平比を1.8 以上として中心キャビテ
ィ起因の鋼管内面疵を抑制した上で、(2) 式を満た
すように成分を限定した例を、表1および表2の鋼6、
プロセスCと比較して、鋼21プロセスHの内面疵の成
績を図12に示す。中心キャビティ起因の鋼管内面疵だ
けでなく、δ−フェライト起因の鋼管内面疵をも抑制す
ることを可能にすることにより、鋼管内面疵の発生率は
、1%以下に十分抑制可能である。以上、実施例では、
製管工程自体は慣用のものである。鋳型偏平比および(
2) 式を満たすよう成分限定しており、中心キャビテ
ィの抑制とδ−フェライトの低減を図っている。内面疵
は、目視および超音波探傷にて検査した。このように、
成分限定および鋳型偏平比のアップにより、鋼管内面疵
を抑制することが可能である。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているから、鋼管内面疵発生に関係するδ−フェライト
の生成を抑制すること、および鋳片の偏平比を一定以上
としたことによる中心キャビティに起因する内面疵の抑
制により、すぐれた特性の油井用マルテンサイト系ステ
ンレス継目無鋼管およびその製造方法が提供され、産業
上益するところ極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】Si、N含有量とδフェライトの存在量を示す
グラフである。
【図2】Si、N含有量と鋼管内面疵発生率の関係図で
ある。
【図3】ソーキング時間とフェライト量との関係図であ
る。
【図4】Si、N含量とソーキングによるδフェライト
の変化を示す関係図である。
【図5】図4における鋼管内面疵発生率の関係図である
【図6】製管温度とδフェライトの量の関係図である。
【図7】1150℃に加熱したときのδフェライト量の
測定結果を示す図である。
【図8】1150℃に加熱したときの鋼管内面疵発生率
の関係図である。
【図9】ビレットソーキングをしたときのδフェライト
鋼管内面疵発生率の関係図である。
【図10】ビレットソーキングをしたときのδフェライ
ト鋼管内面疵発生率の関係図である。
【図11】鋳型偏平比とキャビティの起因およびδフェ
ライト起因鋼管内面疵発生率との関係図である。
【図12】鋳型偏平比と鋼管内面疵発生率の関係図であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C : 0.15〜0.25%
    、Si:1.00 %以下、Mn:1.00 %以下、
     P:0.050%以下、S : 0.005 %以下
    、Cr:12.0 〜13.5%、Ni:0.10 %
    以下、V:0.05〜0.50%、sol.Al: 0
    .005 〜0.100 %、 N:0.1%以下、F
    1(Si、N)=9×(%) Si−25×(%)N<
    1.3 残部Feおよび不可避不純物から成る鋼組成を
    有するビレットを素材とすることを特徴とする、内面疵
    の少ないマルテンサイト系継目無鋼管。
  2. 【請求項2】  前記ビレットが、更に、下記の第1群
    および第2群の一方または両方から選ばれた1種以上の
    元素を含む請求項1記載のマルテンサイト系継目無鋼管
    。 (第1群)Mo: 0.01〜2.00%、Ti: 0
    .01〜0.50%、Zr: 0.01〜0.50%、
    Nb: 0.01〜0.50%、B : 0.0005
    〜0.01%(第2群)Ca: 0.001 〜0.0
    5%、  La: 0.001 〜0.05%、Ce:
     0.001 〜0.05%
  3. 【請求項3】  請求項1
    または2記載の鋼組成を有するビレットを、1200℃
    以上1300℃以下に所定時間焼鈍加熱してから所定の
    温度に調整あるいは再加熱して穿孔、圧延および縮径加
    工を行うことを特徴とするマルテンサイト系継目無鋼管
    の製造方法。
  4. 【請求項4】  前述のビレットの加熱に代えて、ビレ
    ット製造に先立って、その素材を1200℃以上130
    0℃以下に焼鈍加熱する請求項3記載のマルテンサイト
    系継目無鋼管の製造方法。
  5. 【請求項5】  厚み200 mm以上で偏平比1.8
     以上の鋳型を有する連続鋳造機で鋳造し、その後分塊
    圧延によって前記ビレットを製造する請求項3または4
    に記載のマルテンサイト系継目無鋼管の製造方法。
  6. 【請求項6】  鋼組成、ビレット(あるいは鋼塊)焼
    鈍時間およびビレット穿孔加熱温度を下式を満たすよう
    制御した請求項3ないし5のいずれかに記載のマルテン
    サイト系継目無鋼管の製造方法。 【数1】 (%)Si: Si重量% (%)N: N重量% ti: ビレット(あるいは鋼塊)における焼鈍加熱時
    間(iは、ヒートNo.) T: 穿孔加熱温度 焼鈍加熱温度: 1200〜1300℃穿孔加熱温度:
     1200℃以下
JP2413804A 1990-12-25 1990-12-25 マルテンサイト系継目無鋼管とその製造方法 Expired - Lifetime JP2707839B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2413804A JP2707839B2 (ja) 1990-12-25 1990-12-25 マルテンサイト系継目無鋼管とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2413804A JP2707839B2 (ja) 1990-12-25 1990-12-25 マルテンサイト系継目無鋼管とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04224659A true JPH04224659A (ja) 1992-08-13
JP2707839B2 JP2707839B2 (ja) 1998-02-04

Family

ID=18522370

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2413804A Expired - Lifetime JP2707839B2 (ja) 1990-12-25 1990-12-25 マルテンサイト系継目無鋼管とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2707839B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003000938A1 (en) * 2001-06-21 2003-01-03 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Method of producing high cr-based seamless steel tube
JP3700582B2 (ja) * 1999-05-18 2005-09-28 住友金属工業株式会社 継目無鋼管用マルテンサイト系ステンレス鋼
US7047749B2 (en) 2001-06-21 2006-05-23 Air Water Inc. Regenerative refrigerating apparatus
US7181847B2 (en) * 2000-10-24 2007-02-27 Boehler Edelstahl Gmbh & Co. Kg Process for manufacturing a cylindrical hollow body and hollow body made thereby
WO2007100042A1 (ja) 2006-03-01 2007-09-07 Sumitomo Metal Industries, Ltd. 高Cr継目無管の製造方法
JP2007254799A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Sumitomo Metal Ind Ltd マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法
EP1867737A1 (en) * 2005-03-30 2007-12-19 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Method for producing martensitic stainless steel
US7325429B2 (en) 2004-05-28 2008-02-05 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Method for manufacturing seamless steel pipe or tube
WO2012086179A1 (ja) 2010-12-22 2012-06-28 住友金属工業株式会社 高Cr-高Ni合金からなる継目無管用丸鋼片の製造方法、およびその丸鋼片を用いた継目無管の製造方法
WO2023195361A1 (ja) * 2022-04-08 2023-10-12 日本製鉄株式会社 マルテンサイト系ステンレス鋼材

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02277720A (ja) * 1989-02-28 1990-11-14 Mannesmann Ag シームレスオイルパイプライン管を製作する方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02277720A (ja) * 1989-02-28 1990-11-14 Mannesmann Ag シームレスオイルパイプライン管を製作する方法

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3700582B2 (ja) * 1999-05-18 2005-09-28 住友金属工業株式会社 継目無鋼管用マルテンサイト系ステンレス鋼
US7181847B2 (en) * 2000-10-24 2007-02-27 Boehler Edelstahl Gmbh & Co. Kg Process for manufacturing a cylindrical hollow body and hollow body made thereby
JP2003003212A (ja) * 2001-06-21 2003-01-08 Sumitomo Metal Ind Ltd 高Cr系継目無鋼管の製造方法
US6692592B2 (en) 2001-06-21 2004-02-17 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Method for manufacturing high chromium system seamless steel pipe
EP1413634A1 (en) * 2001-06-21 2004-04-28 Sumitomo Metal Industries, Ltd. METHOD OF PRODUCING HIGH CR−BASED SEAMLESS STEEL TUBE
US7047749B2 (en) 2001-06-21 2006-05-23 Air Water Inc. Regenerative refrigerating apparatus
WO2003000938A1 (en) * 2001-06-21 2003-01-03 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Method of producing high cr-based seamless steel tube
US7325429B2 (en) 2004-05-28 2008-02-05 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Method for manufacturing seamless steel pipe or tube
US7905967B2 (en) 2005-03-30 2011-03-15 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Method of manufacturing martensitic stainless steel
EP1867737A1 (en) * 2005-03-30 2007-12-19 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Method for producing martensitic stainless steel
EP1867737A4 (en) * 2005-03-30 2009-04-29 Sumitomo Metal Ind PROCESS FOR MANUFACTURING MARTENSITIC STAINLESS STEEL
WO2007100042A1 (ja) 2006-03-01 2007-09-07 Sumitomo Metal Industries, Ltd. 高Cr継目無管の製造方法
JP2007254799A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Sumitomo Metal Ind Ltd マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法
WO2012086179A1 (ja) 2010-12-22 2012-06-28 住友金属工業株式会社 高Cr-高Ni合金からなる継目無管用丸鋼片の製造方法、およびその丸鋼片を用いた継目無管の製造方法
US9468959B2 (en) 2010-12-22 2016-10-18 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Production method of seamless tube using round bar made of high Cr-high Ni alloy
WO2023195361A1 (ja) * 2022-04-08 2023-10-12 日本製鉄株式会社 マルテンサイト系ステンレス鋼材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2707839B2 (ja) 1998-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100933114B1 (ko) 페라이트계 내열강
JP2003268503A (ja) 耐水蒸気酸化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼管およびその製造方法
JP6384626B2 (ja) 高周波焼入れ用鋼
AU2014294080A1 (en) High-strength steel material for oil well and oil well pipes
WO2016059763A1 (ja) 低合金油井用鋼管
JP4867088B2 (ja) 高Cr系継目無鋼管の製造方法
US20200123624A1 (en) High-Strength Steel Material and Production Method Therefor
EP3018229B1 (en) Seamless steel tube for line pipe used in acidic environment and method for its manufacture
KR20190028757A (ko) 고주파 담금질용 강
JP7036238B2 (ja) サワー環境での使用に適した鋼材
JPH04224659A (ja) マルテンサイト系継目無鋼管とその製造方法
JP5082509B2 (ja) 継目無鋼管用ビレットおよび継目無鋼管
JP3711959B2 (ja) 耐熱用低合金鋼管およびその製造方法
JPH1192881A (ja) ラスマルテンサイト組織のフェライト系耐熱鋼と その製造方法
KR101851245B1 (ko) 용접부 저온인성이 우수한 페라이트계 스테인리스강
JP7036237B2 (ja) サワー環境での使用に適した鋼材
JP5195802B2 (ja) 鋼片の製造方法
JP2705416B2 (ja) マルテンサイト系ステンレス鋼と製造方法
JP2000178685A (ja) 疲労特性及び伸線加工性に優れた鋼線材とその製造方法
JP3598771B2 (ja) 熱間加工性及び耐硫化物応力割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼及びその分塊圧延方法並びにこれらを用いた継目無鋼管及びその製造方法
KR20170121267A (ko) 열간 압연 봉선재, 부품 및 열간 압연 봉선재의 제조 방법
JP3518517B2 (ja) 高クロム・フェライト系耐熱鋼材の製造方法
WO2023286338A1 (ja) 加工性、耐食性に優れる溶接管用Ni-Cr-Mo系合金
JP2019112696A (ja) フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JPH069693B2 (ja) 耐食性に優れた二相ステンレス鋼管の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19970916

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081017

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101017

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 14