JPH08119618A - 溶融シリカ粉末及びその製造方法 - Google Patents

溶融シリカ粉末及びその製造方法

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JPH08119618A
JPH08119618A JP25844894A JP25844894A JPH08119618A JP H08119618 A JPH08119618 A JP H08119618A JP 25844894 A JP25844894 A JP 25844894A JP 25844894 A JP25844894 A JP 25844894A JP H08119618 A JPH08119618 A JP H08119618A
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登志昭 石丸
Norihisa Nakajima
徳久 中島
Kazunori Koide
和範 小出
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然珪石からウラン含有率0.1ppb以下
の溶融シリカ粉末を得ること。 【構成】 天然珪石から得られたウラン含有率0.1p
pb以下の溶融シリカ粉末、及びウラン含有率0.1p
pb以下の天然珪石を温度500℃以上に加熱してから
粉砕し、それを溶融することを特徴とする溶融シリカ粉
末の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然珪石から得られた
ウラン含有率0.1ppb以下の溶融シリカ粉末及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体ICの急激な高集積化・高密度化
に伴ってMOS DRAMやCCDのようにデータを電
荷として蓄積するメモリにおいては、蓄積データが半導
体封止材から放出されるα線によって反転するソフトエ
ラーを無視することができない状況になっている。
【0003】そのためには、α線放出量の小さい半導体
封止材を使用する必要があり、とりわけ半導体封止材の
80〜90重量%を占めているシリカ粉末をウラン含有
率0.1ppb以下のものを使用する必要がある。
【0004】従来、ウラン含有率0.1ppb以下のシ
リカ粉末は、合成法によってのみ製造することができ天
然法では不可能であった。天然法は合成法に比較して生
産性が良好である利点がある。
【0005】すなわち、合成法には珪酸アルカリを中和
・ゲル乾燥・粉砕後火炎溶融する方法(特開平2−14
5415号公報等)、アルコキシシランを火炎分解する
方法(特開昭61−295209号公報等)などが知ら
れているが、製造工程が複雑なために高価である。これ
に対して、天然法は天然珪石を粉砕しそれを溶融して製
造されるものであるため合成法よりも安価となるが、ウ
ラン含有率0.1ppb以下を達成することはできな
い。その理由は、産地を厳選することによってウラン含
有率0.1ppb以下の高純度珪石を入手することがで
きるが、溶融シリカの製造工程、例えば粉砕工程、粒度
調整工程等でウランが混入してしまうからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、天然法
によってウラン含有率0.1ppb以下の溶融シリカ粉
末を得る方法について鋭意検討した結果、ウラン含有率
0.1ppb以下の天然珪石を先ず加熱してから粉砕し
それを溶融すればすればよいことを見いだし、本発明を
完成するに至ったものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、天
然珪石から得られたウラン含有率0.1ppb以下の溶
融シリカ粉末、及びウラン含有率0.1ppb以下の天
然珪石を温度500℃以上に加熱してから粉砕し、それ
を溶融することを特徴とする溶融シリカ粉末の製造方法
である。
【0008】以下、更に詳しく本発明について説明す
る。
【0009】ウランの混入を防止しつつ天然珪石を粉砕
する方法としては、目的の粒度が得られるようにサイズ
調整された珪石自身を粉砕媒体とすることが知られてい
る。この方法によれば、粉砕物と同等又はそれ以上に不
純物の少ない粉砕媒体を用いて粉砕が行われるので比較
的高純度の粉砕物を得ることが可能であるが、粉砕効率
が悪いので長時間の粉砕が必要となり、そのため粉砕機
のライニング材等からのコンタミを避けることができ
ず、ウラン含有率が増大してしまう。
【0010】一方、短時間で粉砕を行うのに高純度アル
ミナ製粉砕媒体を用いることが行われているが、アルミ
ナには数10ppbのウランが含まれているのでこれま
た粉砕物のウラン含有率が増大してしまう。
【0011】そこで、本発明者らは珪石の結晶転移によ
る熱膨張収縮に着目した。すなわち、天然珪石の結晶相
であるα−石英は加熱されると573℃でαからβ転移
による急激な変態膨張を起こし、β−石英に転移し終え
るとその膨張は急に停止し収縮に移るが、このような結
晶転移による熱膨張収縮は1100℃までは加熱と冷却
とにおいて可逆的であるということである。
【0012】本発明は、天然珪石を加熱冷却すると結晶
転移による熱膨張収縮によって無数のクラックが発生し
て粉砕が容易となり、粉砕機のライニング材や粉砕媒体
によって粉砕物が汚染される恐れが極めて少なくなると
いうことに基づいている。
【0013】本発明においては、天然珪石の加熱温度は
できるだけ低いほうが製造コストの面から好ましいが、
500℃未満であるとα−石英からβ−石英への結晶転
移が不十分となるので500℃以上好ましくは600℃
以上の加熱が好ましい。加熱温度の上限については特に
限定はないが1100℃以下が好ましい。天然珪石のウ
ラン含有率としては0.1ppb以下である。
【0014】本発明においては、石英の結晶転移による
熱膨張収縮は昇温速度と冷却速度の影響を受けないの
で、天然珪石の加熱方法としては、抵抗加熱炉、誘導加
熱炉等の電気加熱、LPG、水素、一酸化炭素等のガス
燃焼加熱、重油等の液体燃料加熱、石炭等の固形燃料加
熱、高温排ガスによる加熱等を全ての加熱手段を採用す
ることができる。また、加熱後の冷却手段についても、
自然冷却、軸流ファン等による強制冷却、不純物除去し
た水冷却等を採用することができる。
【0015】加熱処理された天然石英の粉砕は、振動ミ
ル、ボールミル等の一般の粉砕機を用いて行われ、その
際に使用される粉砕媒体としては目的粒度が得られるよ
うにサイズ調整された天然珪石、高純度アルミナ、窒化
珪素等のように加熱処理の行われた天然珪石よりも硬度
と耐摩耗性の高いものが望ましい。目的粒度の一例をあ
げれば140μm下である。
【0016】粉砕物の溶融法としては、従来の火炎溶射
法を好ましく採用することができ、その一例は特公平5
−87292号公報に詳しく記載されている。
【0017】本発明のような天然珪石から得られたウラ
ン含有率が0.1ppb以下の溶融シリカ粉末の用途と
しては、半導体封止材等の樹脂用充填材、化粧品、塗料
等、従来の用途をあげることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例をあげて更に
具体的に説明する。なお、ウラン含有率は、分光蛍光光
度計(日立計測器社製 測定限界0.01ppb)を用
いて測定した。
【0019】実施例1〜4 ウラン含有率0.03ppb、粒子径9mm以下の天然
珪石を抵抗加熱炉に入れ、5℃/分の昇温速度で温度6
00℃又は800℃まで加熱しその温度で10分間保持
した後抵抗加熱炉の電源を切り自然冷却した。得られた
珪石には全てクラックが発生しており白色化していた。
【0020】加熱処理された珪石を連続式ボールミル
(ライニング材:アルミナ)を用い、粉砕媒体として高
純度アルミナボール(直径20mm)又は加熱処理の行
われていない高純度珪石ボール(直径50〜100m
m)を用いて粉砕した。この場合、目的粒度(140μ
m下とした)を得るために、珪石フィード量を高純度ア
ルミナボールを使用したときには90kg/時とし、高
純度珪石ボールを使用したときには10kg/時とし
た。
【0021】粉砕物の粒子径140μm下の粉末を振動
篩により篩分けし、その回収率を測定するとともに粒子
径140μm下の粉末中のウラン含有率を測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0022】以上のようにして得られた珪石粉末をLP
G−酸素で形成させた温度1800℃以上の火焔中に供
給して溶融した後冷却し、粒子径140μm以上の粗大
粒子を除去して溶融シリカ粉末を製造し、そのウラン含
有率を測定した。その結果を表1に示す。
【0023】比較例1〜2 天然珪石の加熱を行わないか、又は温度450℃で加熱
を行ってから粉砕しそれを溶融したこと以外は実施例と
同様にして溶融シリカ粉末を製造した。その結果を表1
に示す。
【0024】
【表1】
【0025】本発明によれば、天然珪石からウラン含有
率0.1ppb以下の溶融シリカ粉末を製造することが
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然珪石から得られたウラン含有率0.
    1ppb以下の溶融シリカ粉末。
  2. 【請求項2】 ウラン含有率0.1ppb以下の天然珪
    石を温度500℃以上に加熱してから粉砕し、それを溶
    融することを特徴とする溶融シリカ粉末の製造方法。
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WO2022210119A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 デンカ株式会社 二酸化ケイ素粉末

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