JPH0811671A - 乗員保護装置用センサの強制作動構造 - Google Patents

乗員保護装置用センサの強制作動構造

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Publication number
JPH0811671A
JPH0811671A JP6146833A JP14683394A JPH0811671A JP H0811671 A JPH0811671 A JP H0811671A JP 6146833 A JP6146833 A JP 6146833A JP 14683394 A JP14683394 A JP 14683394A JP H0811671 A JPH0811671 A JP H0811671A
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JP
Japan
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inertial
vehicle
inertial body
force
sensor
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Application number
JP6146833A
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English (en)
Inventor
Hisao Yamada
久男 山田
Hideyuki Suzuki
英之 鈴木
Hiroatsu Amano
弘敦 天野
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Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械着火式の乗員保護装置用センサにおい
て、廃車時等に車両への取り付け状態のままで簡単に強
制作動することを実現する。 【構成】 車両急減速時には、ボール34が、バイアス
スプリング60の付勢力に抗して第1位置から第2位置
へ移動する。第2位置では、トリガーの係合部68が段
差70と離脱し、ファイアリングピン38が雷管22と
衝突して雷管22が着火され、エアバッグ装置が作動す
る。廃車時等においては、その前に、エアバッグ装置を
強制的に作動する。すなわち、電磁石72に通電し、電
磁石72の磁力で、ボール34が、バイアススプリング
60の付勢力に抗して第1位置から第2位置へ移動し、
エアバッグ装置を作動すべき車両急減速時のときと同様
に、エアバッグ装置が作動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアバッグ装置や、シ
ートベルト装置のプリテンショナ等の乗員保護装置を作
動するためのセンサを強制的に作動する乗員保護装置用
センサの強制作動構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に装備される乗員保護装置には、エ
アバッグ装置がある。エアバッグ装置は、車両急減速時
に乗員側へ袋体を膨出して乗員を保護する。
【0003】例えば、運転席用のエアバッグ装置では、
ステアリングホイールのハブ部にベースプレートを介し
てインフレータが取り付けられるとともに、インフレー
タの運転席側を覆うようにパッドが取り付けられる。パ
ッド内には、インフレータとの間に、インフレータに連
通可能に取着された袋体が折り畳まれて格納されてい
る。インフレータは内部にガス発生剤を備え、インフレ
ータが着火されるとガス発生剤が燃焼してガスを発生
し、発生ガスが袋体内に供給されて袋体が膨張する。袋
体の膨張によりパッドが破断して袋体が運転者に向けて
出て、これにより運転者が保護される。
【0004】インフレータの着火方式には、機械着火式
と電気着火式とがある。まず、機械着火式について説明
すると、車両急減速を感知するセンサがインフレータに
取り付けられている。センサでは、ボールがバイアスス
プリングの付勢力に抗して、車両急減速に伴う所定の慣
性力で慣性移動し、この慣性移動により、トリガーがフ
ァイアリングピンと離脱してファイアリングピンが雷管
(点火剤)に衝突する。この衝突により雷管が発火し、
ガス発生剤に火が付く。
【0005】一方、電気式の場合には、センサがインフ
レータとは別途位置に、例えば、車両前部に取り付けら
れる。衝撃検出センサが車両急減速を感知すると、判定
回路を介してスクイブに通電がなされ(スクイブ電流が
流れて)、点火剤が発火する。
【0006】ところで、車両を潰して廃車を行う場合、
車両がエアバッグ装置を備えたものであれば、車体を潰
す前にエアバッグ装置を強制的に作動するのが、安全性
の観点から好ましい。
【0007】電気着火式の場合には、センサとは別途に
スクイブ電流を流すことができ、エアバッグ装置を強制
的に作動するのにセンサの作動は不要であるが、機械着
火式の場合には、ボールに所定の慣性力を及ぼしてセン
サを作動する必要がある。
【0008】廃車にあたって、ステアリングホイールに
エアバッグ装置を取り付けたままで車両を潰してしまう
のが安全性の面でも、作業性の面でも好ましい。機械着
火式の場合、ステアリングホイールにエアバッグ装置を
取り付けたままでセンサを作動するのは容易でない。
【0009】そこで、車両を潰す前にエアバッグ装置を
ステアリングホイールから取り外し、取り外したエアバ
ッグ装置を車外で強制的に作動することが考えられる。
この際、取り外し作業中にエアバッグ装置の不用意な作
動を禁ずるために、安全装置を作動するための操作、安
全装置の作動を解除するための操作を行う必要があり、
これは面倒な作業となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、機械着火式の乗員保護装置用センサにおいて、廃
車時等に車両への取り付け状態のままで簡単に強制作動
することができる乗員保護装置用センサの強制作動構造
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、付勢移動されて点火剤と衝
突して点火剤を着火し、着火により、車両急減速時に乗
員の保護を行う乗員保護装置を作動する着火部材と、車
両急減速に伴う慣性力の作用する方向に第1位置から第
2位置へ移動自在な慣性体と、前記慣性体の第1位置か
ら第2位置への移動に対抗するために反慣性力作用方向
の付勢力を慣性体へ及ぼし、反慣性力作用方向付勢力が
前記乗員保護装置を作動すべき車両急減速時の慣性力に
は負ける慣性体付勢手段と、前記着火部材と慣性体との
間でそれらに係合し、慣性体の第1位置で着火部材の付
勢移動を阻止し、慣性体の第2位置で着火部材の付勢移
動を許容するトリガーと、を備えた乗員保護装置用セン
サにおいて、前記慣性体付勢手段の反慣性力作用方向付
勢力に抗して慣性体を磁力で第1位置から第2位置へ移
動し、乗員保護装置用センサを強制的に作動する磁力手
段、を備えた構成を特徴とする。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1の構成に
おいて、前記磁力手段は、慣性体を磁性体で形成すると
ともに、慣性体の慣性力作用方向側に慣性体と対向して
設けられて慣性体を吸引する電磁石を備えてなることを
特徴とする。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項1の構成に
おいて、前記慣性体とこの周面と対向して慣性体を移動
案内する案内部とのいずれか一方を電磁石で形成し、磁
力手段をソレノイド磁石で構成してなることを特徴とす
る。
【0014】
【作用】上記構成によれば、請求項1乃至請求項3のい
ずれにおいても、乗員保護装置を作動すべき車両急減速
時以外では、慣性体は第1位置にあり、着火部材の付勢
移動が阻止される。
【0015】乗員保護装置を作動すべき車両急減速時に
は、慣性力が慣性体付勢手段の反慣性力作用方向付勢力
に勝って慣性体が第2位置へ慣性移動し、第2位置で、
着火部材の付勢移動が許容され、着火部材が点火剤と衝
突する。これにより、点火剤が着火され、点火剤の着火
により、乗員保護装置が作動する。すなわち、センサは
機械着火式のものである。
【0016】ここで、廃車時等においては、その前に、
乗員保護装置用センサを強制的に作動する。すなわち、
磁力手段で、慣性体が、慣性体付勢手段の反慣性力作用
方向付勢力に抗して第1位置から第2位置へ移動し、着
火部材の付勢移動が許容される。これにより、乗員保護
装置を作動すべき車両急減速時のときと同様に、乗員保
護装置が作動する。
【0017】従って、乗員保護装置を車両に取り付けた
ままで、簡単に乗員保護装置用センサを強制的に作動す
ることができる。乗員保護装置を車両から外す手間が省
かれ、安全装置の作動操作、作動解除操作も不要とな
る。
【0018】請求項2の構成によれば、電磁石が慣性体
を吸引して、慣性体付勢手段の反慣性力作用方向付勢力
に抗して、慣性体を第1位置から第2位置へ移動するこ
とにより、乗員保護装置用センサが強制的に作動する。
慣性体を磁性体で形成し、電磁石を設けるだけでよく、
構造の簡易化が果たされる。慣性体を磁力で移動する上
で、慣性体以外のセンサの構成部品は、非磁性体で形成
するのがよい。
【0019】請求項3の構成によれば、慣性体を電磁石
で形成し、あるいは逆に、案内部を電磁石で形成して、
磁力手段をソレノイド磁石で構成しており、慣性体が、
慣性体付勢手段の反慣性力作用方向付勢力に抗して、案
内部に案内されて、第1位置から第2位置へ移動するこ
とにより、乗員保護装置用センサが強制的に作動する。
【0020】磁力手段が、慣性体、案内部を兼ねること
により、省スペース化、構造の簡易化が果たされる。
【0021】
【実施例】本発明の乗員保護装置用センサの強制作動構
造の第1実施例を、運転席用エアバッグ装置に適用した
ものについて、図1乃至図3に基づき説明する。なお、
車両前方を、矢印FRで図に示す。
【0022】図2に示すように、乗員保護装置としての
運転席用エアバッグ装置は、インフレータ10、袋体1
2、パッド14を備え、ステアリングホイール16のハ
ブ19に、ベースプレート20を介して取り付けられ
る。インフレータ10はステアリングホイール16のの
軸線周りに外周面を有する円筒形状とされ、運転者側の
端部はベースプレート20から運転者側(矢印AFRと
反対側)へ突出している。袋体12は、インフレータ1
0の突出端部を覆うようにされ、パッド14は、運転者
側に底壁を有する底付き筒形状とされて、インフレータ
10との間に、袋体12を折り畳んで収納するようにさ
れる。
【0023】インフレータ10は内部に、ガス発生剤1
8、エンハンサ(火薬)20、着火剤としての雷管2
2、センサ24を備える。ガス発生剤18は、周部に環
状に配置され、エンハンサ20、雷管22、センサ24
は、中央部に、車両後方側から車両前方側に向けて順に
配置されている。センサ24が車両急減速を感知すると
センサ24内のファイアリングピン38が雷管22に衝
突して、雷管22が発火し、続いてエンハンサ22が着
火され、ガス発生剤18に火がついてガス発生剤18が
燃焼し、ガス発生剤18からガスが発生する。発生ガス
は、インフレータ10の外周面の開口28を通って袋体
12内へ供給される。これにより、袋体12は膨張し、
膨張力でパッド14の脆弱部30を破断してパッド14
を展開し、運転者に向けて出る。すなわち、ステアリン
グホイール16と運転者との間に袋体12が膨出して運
転者の保護が図られる。センサ24は機械着火式のもの
である。
【0024】センサ24は、インフレータ10と同軸の
円筒形状とされ、図1に示すように、ケース32内に、
慣性体としてのボール34、トリガー、ファイアリング
ピン38が収納されている。ボール34は、車両前方側
に設けられ、ケース32に設けた凹部(案内部)42内
を、車両急減速に伴う慣性力の作用する方向、すなわち
車両前後方向へ移動自在とされる。
【0025】ファイアリングピン38は、車両後方側に
設けられ、車両前方側に底を有する底付き筒状のピン保
持筒40の底外面にピン保持筒40と一体に車両後方側
へ突出形成される。ピン保持筒40が、ケース32に設
けた凹部44内で車両前後方向に案内移動され、ピン保
持筒40内には、この底と凹部44の底との間にコイル
スプリング46(ピン付勢手段)が設けられる。コイル
スプリング46は、ファイアリングピン38を、車両後
方側へ移動付勢し、これにより、ファイアリングピン3
8は、ケース24に開口されたピン口48を通って雷管
22へ衝突する(図3に鎖線で示す)。
【0026】トリガーは、トリガー本体50とトリガー
作動体52とで構成され、トリガ本体50は、車両後方
側に設けられ、ファイアリングピン38の移動方向と交
差するように延設され、トリガー作動体52は、ボール
34の車両前方側を車両前後方向と直角の方向に延びる
第1片54と、ボール34とファイアリングピン38と
の脇を車両前後方向に延びる第2片56とでL字型に形
成されている。ボール34が車両前方へ移動すると第1
片54がボール34で押圧され、トリガー作動体52は
同方向へ移動可能とされる。第2片56の車両後方側の
端部はファイアリングピン38へ向けて作動部58が一
体に突出形成され、作動部58の下端とケース32との
間には、慣性体付勢手段としてのコイルスプリング(バ
イアススプリング)60が介在する。バイアススプリン
グ60は、トリガー作動体52を車両後方側へ(慣性力
の作用する方向と反対の方向である反慣性力作用方向
へ)移動付勢し、ボール34の車両前方への移動に対抗
する。
【0027】トリガー本体50の延設方向一端部には、
作動部58に形成された溝62内に嵌合する嵌合突起6
4が形成され、トリガー本体50の延設方向他端部は、
回動軸66でケース32に軸支される。トリガー作動体
52が車両前方へ移動すると、トリガー本体50が回動
軸66回りに回動自在とされる(矢印Aの向き)。トリ
ガー本体50の延設方向他端部はまた、係合部68を備
え、トリガー本体50が回動軸66回りに回動するのに
従い係合部68も回動軸66回りに回動し、上記筒状部
40の底外面周端に形成された段差70と係脱自在とさ
れる。係合部68が段差70と係合した状態(図1の状
態)では、ファイアリングピン38の付勢移動が阻止さ
れ(ファイアリングピン38が付勢位置に保持され)、
係合部68が段差70と離脱した状態(図3の状態)で
はファイアリングピン38の付勢移動が許容される(フ
ァイアリングピン38の衝突位置位置への移動が可能と
なる)。
【0028】ボール34が、バイアススプリング60の
付勢力(反慣性力作用方向付勢力)に抗して、車両前方
に第1位置(図1の位置)から第2位置(図3の位置)
へ移動すると、トリガー作動体52、トリガー本体50
を介して係合部68が段差70と係合した状態(図1の
状態)から係合部68が段差70と離脱した状態(図3
の状態)へ回動する。
【0029】バイアススプリング60の反慣性力作用方
向付勢力の大きさは、エアバッグ装置を作動すべき車両
急減速時にボール34に作用する慣性力には負ける大き
さとされる。ボール34は、エアバッグ装置を作動すべ
き車両急減速時に受ける慣性力で、バイアススプリング
60の反慣性力作用方向付勢力に抗して、第1位置から
第2位置へ移動する。
【0030】ここで、ボール34と対向してボール34
の車両前方側に、電磁石72が設けられる。電磁石72
は、ケース32外に、ステアリングホイール16のハブ
18に装着される(図2を参照)。ボール34が磁性体
で形成され、それ以外のケース32、トリガー本体5
0、トリガー作動体52等のセンサーを構成する構成部
品が非磁性体で形成されており、電磁石72は、磁力
で、ボール34を車両前方へ吸引する。これにより、ボ
ール34は、バイアススプリング60の付勢力に抗し
て、第1位置から第2位置へ移動することができる。な
お、エアバッグ装置がステアリングホイール16に装着
された状態で、電磁石72に通電して磁力を発生するこ
とが可能となっている。
【0031】ボール34を磁性体で形成し、電磁石72
を設けることで、磁力手段を構成する。
【0032】上記構成によれば、エアバッグ装置を作動
すべき車両急減速時以外では、ボール34に作用する慣
性力が、バイアススプリング60の付勢力に勝てず、ボ
ール34は第1位置にある。第1位置では、トリガーの
係合部68が、ファイアリングピン38を突出してある
ピン保持筒40の上記段差70と係合し、ファイアリン
グピン38は付勢移動が阻止される。
【0033】エアバッグ装置を作動すべき車両急減速時
には、ボール34に作用する慣性力がバイアススプリン
グ60の付勢力に勝ち、ボール34は第1位置から第2
位置へ移動する。第2位置では、トリガーの係合部68
が段差70と離脱し、ファイアリングピン38は付勢移
動が許容される。これにより、ファイアリングピン38
が雷管22と衝突し、雷管22が着火され、雷管22の
着火により、エアバッグ装置が作動する。
【0034】ここで、廃車時等においては、その前に、
エアバッグ装置を強制的に作動する。すなわち、電磁石
72に通電し、電磁石72の磁力で、ボール34が、バ
イアススプリング60の付勢力に抗して第1位置から第
2位置へ移動し、ファイアリングピン38の付勢移動が
許容されて、エアバッグ装置を作動すべき車両急減速時
のときと同様に、エアバッグ装置が作動する。
【0035】これにより、エアバッグ装置を車両に取り
付けたままで、簡単にセンサ24を強制的に作動するこ
とができる。エアバッグ装置を外す手間が省かれ、安全
装置の作動操作、作動解除操作も不要である。
【0036】ボール34を磁性体で形成し、電磁石72
を設けるだけで、バイアススプリング60の付勢力に抗
して、ボール34を第1位置から第2位置へ移動するこ
とができ、構造の簡易化が果たされる。
【0037】なお、磁性体で形成するのを要するのはボ
ール34だけでよく、ボール34を磁力で吸引して第1
位置から第2位置へ移動する上で、ボール34のみを磁
性体で形成するのが好ましい。ただ、ボール34を磁力
で第2位置へ移動できるのであれば、必ずしも、ボール
34のみを磁性体で形成することを要するものではな
い。
【0038】次に、第2実施例を図4乃至図6に基づき
説明する。図4に示すように、本実施例のセンサ100
では、案内部としての案内体102が、車両前後方向線
回りに周面を有する筒状に形成され、ケース104のケ
ース周壁内面に嵌合して設けられる。案内体102内に
は、これと同軸状に慣性体としての筒体106が設けら
れ、筒体106は、案内体102に案内されて、車両急
減速に伴う慣性力の作用する方向へ移動することができ
る。筒体106の車両前方側の端部と、これに対向する
ケース端壁との間にはコイルスプリングで形成されたバ
イアススプリング(慣性体付勢手段)108が介在し、
バイアススプリング108は、筒体106を、この車両
後方側の端部がこれと対向するケース端壁へ当接する第
1位置(図4の位置)に、慣性力の作用する方向と反対
の方向である反慣性力作用方向へ付勢する。
【0039】筒体106は、図6に示すように、内部
に、筒体106の移動方向から見て、円形断面空間部1
10と、円形断面空間部110から筒体106の肉厚中
に直径方向両側に突出した一対の突出空間部112とを
備える。
【0040】円形断面空間部110には、第1実施例と
同様のファイアリングピン38が設けられ、ファイアリ
ングピン38は、このピン保持筒40が円形断面空間部
110に案内されて、車両前後方向へ移動可能とされ
る。ファイアリングピン38のピン保持筒40の底内面
と、これと対向するケース端壁との間にはコイルスプリ
ング46が介在し、コイルスプリング46は、ファイア
リングピン38を雷管22に向けて付勢する。これも、
第1実施例と同様である。
【0041】一対の突出空間部112のうちの一方に
は、トリガー114が車両前方側から突入される。トリ
ガー114は、車両前後方向に延び、車両前方側の端部
がケース104に回動軸105で軸支され、車両後方側
の端部には、筒体106の半径方向内方へ、ピン保持筒
40の段差70に対応する爪状の係合部116を突出し
て備えるとともに、筒体106の半径方向外方へ、突出
空間部112で筒体106の半径方向内方へ突出形成さ
れた突出部118と対応する凸部120を突出して備え
る。トリガー114は、筒体106の半径方向へ沿っ
て、回動軸105回りに回動し、係合部116が段差7
0と係合する位置(図4の位置)と、係合部116が段
差70と離脱する位置(図5の位置)とを得る。係合部
116の段差70との係合により、ファイアリングピン
38の付勢移動が阻止され、係合部116の段差70と
の離脱により、ファイアリングピン38の付勢移動が許
容される。筒体106の第1位置では、突出部118が
凸部120を押圧して、トリガー114の筒体半径方向
外方への移動を阻止し、係合部116と段差70との係
合が保持される。筒体106が第1位置(図4の位置)
から、バイアススプリング108の付勢力に抗して第2
位置(図5の位置)へ、車両前方に移動すると、第2位
置では、突出部118が凸部120と離脱して、トリガ
ー114の筒体半径方向外方(矢印Bの向き)への移動
が許容される。コイルスプリング46の付勢力は、係合
部116と段差70との係合を外そうとして作用し、ト
リガー114の筒体半径方向外方への移動が許容される
ことにより、係合部116が段差70と離脱する。係合
部116が段差70と離脱すると、トリガー114の付
勢移動が許容され、ファイアリングピン38がケース端
壁の開口48を通って雷管22に衝突する。これによ
り、雷管22が着火して、エアバッグ装置を作動できる
のは、第1実施例と同様である。エアバッグ装置の構成
は、センサ100を除き、第1実施例と同様である。
【0042】バイアススプリング108の反慣性力作用
方向付勢力は、エアバッグ装置を作動すべき車両急減速
時の慣性力が筒体106に作用したときに、筒体106
が、バイアススプリング108の反慣性力作用方向付勢
力に抗して第1位置から第2位置へ移動できる大きさと
される。
【0043】また、筒体106は、電機子とされ、案内
体102は、この軸線回り、ないし筒体移動方向線周り
に巻かれるコイルを有して磁界を発生する筒状の電磁石
で形成され、磁力手段が、ソレノイド磁石122で構成
されている。エアバッグ装置をステアリングホイール1
6へ取り付けた状態で、電磁石とされる案内体102に
通電操作することができ、通電によって筒体106は、
バイアススプリング108の付勢力に抗して、第1位置
から第2位置へ移動して、センサ100を強制的に作動
することができる。
【0044】上記構成によれば、エアバッグ装置を作動
すべき車両急減速時以外では、筒体106に作用する慣
性力が、バイアススプリング108の付勢力に勝てず、
筒体106は第1位置にある。第1位置では、トリガー
114の係合部116が、ファイアリングピン38を突
設した筒状部40の段差70と係合し、ファイアリング
ピン38は付勢移動が阻止される。
【0045】エアバッグ装置を作動すべき車両急減速時
には、筒体106に作用する慣性力がバイアススプリン
グ108の付勢力に勝ち、筒体106は第1位置から第
2位置へ移動する。第2位置では、トリガー114の係
合部116が段差70と離脱し、ファイアリングピン3
8は付勢移動が許容される。これにより、ファイアリン
グピン38が雷管22と衝突し、雷管22が着火され、
雷管22の着火により、エアバッグ装置が作動する。
【0046】ここで、廃車時等においては、その前に、
エアバッグ装置を強制的に作動する。すなわち、電磁石
とされる案内体102に通電し、磁力で、筒体106
が、バイアススプリング108の反慣性力作用方向付勢
力に抗して第1位置から第2位置へ移動し、ファイアリ
ングピン38の付勢移動が許容されて、エアバッグ装置
を作動すべき車両急減速時のときと同様に、エアバッグ
装置が作動する。
【0047】これにより、エアバッグ装置を車両に取り
付けたままで、簡単にセンサ24を強制的に作動するこ
とができる。エアバッグ装置を車両外へ外すような手間
が省かれ、安全装置の作動操作、作動解除操作も不要で
ある。
【0048】また、慣性体である筒体106を電機子で
形成し、案内部である案内体102を電磁石で形成し
て、磁力手段が、慣性体、案内部を兼ねることができ、
省スペース化、構造の簡易化が果たされる。
【0049】次に第3実施例を図7に基づき説明する。
上記第2実施例では、案内体102を電磁石で形成して
いるが、本実施例では、図7に示すように、逆に、筒体
150を電磁石で形成し、電磁石とされた筒体10は通
電されて、磁力で、自ら移動するようにしており、磁力
手段はソレノイド磁石154で構成される。筒体150
の形状は、第2実施例の筒体106と同様であるが、案
内体152は、筒体150の半径方向で対向する一対の
円弧状部156で構成される。
【0050】エアバッグ装置をステアリングホイール1
6へ取り付けた状態で、電磁石とされる筒体150に通
電操作することができ、通電によって、磁力で、筒体1
50が、バイアススプリング108の反慣性力作用方向
付勢力に抗して第1位置から第2位置へ移動する。
【0051】本実施例によっても、磁力手段が、慣性
体、案内部を兼ねることができ、省スペース化、構造の
簡易化が果たされる。
【0052】他の構成、作用効果は第2実施例と同様で
ある。本発明は、上記各実施例に限定されるものではな
く種々の変更が可能である。例えば、慣性体等の形状
や、トリガーの慣性体とファイアリングピンとの係合構
造等は、各実施例に限定されるものではない。
【0053】また、上記各実施例では、運転席用のエア
バッグ装置について説明したが、それに限定されるので
はなく、本発明は、助手席用のエアバッグ装置や、更に
は、エアバッグ装置以外の、シートベルト装置のプリテ
ンショナ(プリローダ)、すなわち、車両急減速時に、
シートベルトを装着したときに残っている弛みを取って
ベルトによる拘束を早めるための装置等の他の乗員保護
装置についても適用可能である。
【0054】
【発明の効果】本発明に係る乗員保護装置用センサの強
制作動構造によれば、乗員保護装置を車両に取り付けた
ままで、簡単に乗員保護装置用センサを強制的に作動す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の乗員保護装置用セン
サの強制作動構造を車両前後方向に沿って切断して示す
断面図でる。
【図2】第1実施例の乗員保護装置用センサの強制作動
構造を適用した運転席用エアバッグ装置を、車両前後方
向に沿って切断して示す断面図である。
【図3】慣性体移動後の状態を示す図1に相当する図で
ある。
【図4】第2実施例の乗員保護装置用センサの強制作動
構造を車両前後方向に沿って切断して示す断面図であ
る。
【図5】慣性体移動後の状態を示す図4に相当する図で
ある。
【図6】第2実施例の乗員保護装置用センサの強制作動
構造の要部を示す斜視図である。
【図7】第3実施例の乗員保護装置用センサの強制作動
構造の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
22 点火剤 24 センサ 34 ボール(慣性体、磁力手段) 38 ファイアリングピン(着火部材) 50 トリガー本体(トリガー) 52 トリガー作動体(トリガー) 60 バイアススプリング(慣性体付勢手段) 72 電磁石(磁力手段) 100 センサ 102 案内体(案内部、磁力手段) 106 筒体(慣性体、磁力手段) 108 バイアススプリング(慣性体付勢手段) 114 トリガー 150 筒体(慣性体、磁力手段) 152 案内体(案内部、磁力手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 付勢移動されて点火剤と衝突して点火剤
    を着火し、着火により、車両急減速時に乗員の保護を行
    う乗員保護装置を作動する着火部材と、 車両急減速に伴う慣性力の作用する方向に第1位置から
    第2位置へ移動自在な慣性体と、 前記慣性体の第1位置から第2位置への移動に対抗する
    ために反慣性力作用方向の付勢力を慣性体へ及ぼし、反
    慣性力作用方向付勢力が前記乗員保護装置を作動すべき
    車両急減速時の慣性力には負ける慣性体付勢手段と、 前記着火部材と慣性体との間でそれらに係合し、慣性体
    の第1位置で着火部材の付勢移動を阻止し、慣性体の第
    2位置で着火部材の付勢移動を許容するトリガーと、 を備えた乗員保護装置用センサにおいて、 前記慣性体付勢手段の反慣性力作用方向付勢力に抗して
    慣性体を磁力で第1位置から第2位置へ移動し、乗員保
    護装置用センサを強制的に作動する磁力手段、 を備えたことを特徴とする乗員保護装置用センサの強制
    作動構造。
  2. 【請求項2】 前記磁力手段は、慣性体を磁性体で形成
    するとともに、慣性体の慣性力作用方向側に慣性体と対
    向して設けられて慣性体を吸引する電磁石を備えてなる
    請求項1に記載の乗員保護装置用センサの強制作動構
    造。
  3. 【請求項3】 前記慣性体とこの周面と対向して慣性体
    を移動案内する案内部とのいずれか一方を電磁石で形成
    し、磁力手段をソレノイド磁石で構成してなる請求項1
    に記載の乗員保護装置用センサの強制作動構造。
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