JPH07323810A - 機械着火式センサの強制作動構造 - Google Patents

機械着火式センサの強制作動構造

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JPH07323810A
JPH07323810A JP6116280A JP11628094A JPH07323810A JP H07323810 A JPH07323810 A JP H07323810A JP 6116280 A JP6116280 A JP 6116280A JP 11628094 A JP11628094 A JP 11628094A JP H07323810 A JPH07323810 A JP H07323810A
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JP
Japan
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mass body
inertial mass
sensor
ignition
inertial
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JP6116280A
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English (en)
Inventor
Teruhiko Koide
輝彦 小出
Keisuke Imai
啓介 今井
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Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃車時等に車両への取付状態のままで簡単に
強制作動させることができ、安全でかつ作業性が向上す
る機械着火式センサの強制作動構造を得る。 【構成】 安全レバー46には、慣性質量体32の係止
溝52に嵌入可能な係止部50が形成されており、係止
部50が嵌入時にはセンサ作動不可状態となり、嵌入状
態で更に引っ張り操作されることにより慣性質量体32
を移動させることができる。したがって、センサ強制作
動の際には安全レバー46を操作することで簡単に実施
でき、安全でかつ作業性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアバッグ装置やプリ
テンショナー装置等の乗員保護装置に用いられる機械着
火式センサの強制作動構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両に装備される乗員保護装
置の一つとして、車両急減速時に乗員側へ袋体を膨出さ
せるエアバッグ装置がある。
【0003】エアバッグ装置には種々のタイプがあり、
例えば配設部位の観点で分類すると運転席用、助手席用
等があり、又着火方式の観点で分類すると機械着火式、
電気着火式がある。以下、運転席用のエアバッグ装置を
例にして、機械着火式のエアバッグ装置と電気着火式の
エアバッグ装置とを簡単に比較説明する。
【0004】両者に共通する要素として、内部にガス発
生剤等を備えるインフレータ、このインフレータが取り
付けられるベースプレート、このベースプレートに折り
畳み状態で取り付けられる袋体、この袋体をベースプレ
ートとの間に格納しかつ車両急減速時に破断して展開す
るパッド等がある。一方、両者は前述した如く着火方式
(センサ)が異なる訳であるが、機械着火式の場合には
センサ自体がインフレータの軸芯部に配置されている。
この機械着火式センサは、基本的には、雷管を着火させ
る着火ピンと、大きな加速度によって慣性移動する慣性
質量体と、着火ピンと慣性質量体との間に介在して着火
ピンの移動を阻止するトリガレバーから成る構成であ
り、車両急減速時には慣性質量体が慣性移動することに
よってトリガレバーによる着火ピンの保持が解除され、
着火ピンが付勢力で雷管を刺突し、これによりガス発生
剤が燃焼する構成である。
【0005】またさらに、このような機械着火式センサ
には、組付け時等における誤作動を防止するための安全
装置が設けられている。この安全装置は、慣性力によっ
て移動する前記慣性質量体に係合して慣性力の作用に拘
わらずその移動を阻止する安全レバー(ロック部材)を
備えている。この安全レバーが慣性質量体に係合した状
態では、前述の如く慣性質量体の移動が強制的に阻止さ
れた状態となるため、車両への組付け時等に不要に外力
が作用しても、センサが誤作動することが防止される。
【0006】これに対し、電気着火式センサの場合には
センサ自体は車体の前部両側及び中央に配置され、車両
急減速状態をいずれかのセンサが感知すると判定回路を
介してインフレータの軸芯部に配置された点火装置に通
電され、これによりガス発生剤が燃焼する。
【0007】ところで、上述したエアバッグ装置を備え
た車両を廃車にする場合、安全性の観点から、車体を潰
す前にエアバッグ装置を強制的に作動させることが望ま
しい。しかも、安全性の観点及び作業労力低減の観点か
ら、この作業をステアリングホイールにエアバッグ装置
が取り付けられた状態で行うことが合理的である。
【0008】この場合、電気着火式センサを用いたエア
バッグ装置の場合は、作業者が点火装置に通電させれば
簡単にエアバッグ装置を作動させることができるので、
安全かつ容易に作業を行うことができる。
【0009】しかしながら、機械着火式センサを用いた
エアバッグ装置の場合には、センサに所定の慣性力を作
用させなければならない。その作用のために、作業者が
エアバッグ装置の安全装置を操作してセンサを非作動状
態にした上でエアバッグ装置をステアリングホイールか
ら取り外し、その後再び安全装置を操作してセンサを作
動状態にしてからエアバッグ装置を強制的に作動させる
という非常に面倒な作業となってしまう。
【0010】またこのことは、エアバッグ装置に限らず
車両に装備される他の乗員保護装置(例えば、プリテン
ショナー等)においても同様である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮し、廃車時等に車両への取付状態のままで簡単に機
械着火式センサを強制作動させることができる機械着火
式センサの強制作動構造を得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の機
械着火式センサの強制作動構造は、雷管を着火させるた
めの着火ピンをトリガレバーによって保持すると共に、
所定荷重作用時に慣性力によって移動する慣性質量体に
よって前記トリガレバーの前記着火ピン保持状態を解除
して着火させる機械着火式センサの強制作動構造であっ
て、前記慣性質量体を前記慣性力による移動方向と同方
向に移動させる慣性体移動手段を設けたことを特徴とし
ている。
【0013】請求項2に係る発明の機械着火式センサの
強制作動構造は、請求項1記載の機械着火式センサの強
制作動構造において、前記慣性体移動手段は、前記慣性
質量体に係合可能に配置され、前記慣性質量体に係合し
た状態では前記慣性質量体の移動を阻止し、前記慣性質
量体と非係合状態では前記慣性質量体の移動を可能とす
るロック部材を備え、前記ロック部材によって前記慣性
質量体を前記慣性力による移動方向と同方向に移動させ
ることを特徴としている。
【0014】請求項3に係る発明の機械着火式センサの
強制作動構造は、請求項2記載の機械着火式センサの強
制作動構造において、前記ロック部材は、軸線方向移動
及び軸線周りに回転可能に支持され、通常は前記慣性質
量体に係合して移動を阻止し、所定角度回転することに
より前記慣性質量体と非係合状態となって移動を可能と
し、前記所定角度よりも更に回転することにより前記慣
性質量体を前記慣性力による移動方向と同方向に移動さ
せる、ことを特徴としている。
【0015】
【作用】請求項1記載の機械着火式センサの強制作動構
造では、通常は、着火ピンはトリガレバーによって保持
されて雷管から離間した位置にある。
【0016】ここで、車両の廃棄処分等の際に機械着火
式センサを強制的に作動させる場合には、慣性体移動手
段によって慣性質量体が慣性力作用時の移動方向と同方
向に移動される。このため、トリガレバーによる着火ピ
ンの保持が解除され、着火ピンが移動して雷管が着火さ
れる。
【0017】このように、センサに所定の慣性力を作用
させることなく、慣性体移動手段によって慣性質量体を
強制的に移動させて雷管を着火させるため、車両の廃棄
処分等の際に機械着火式センサを用いた例えばエアバッ
グ装置をその安全装置を作動させた上でステアリングホ
イールから取り外して処分する必要がなくなり、作業性
が向上する。
【0018】請求項2記載の機械着火式センサの強制作
動構造では、通常は、着火ピンはトリガレバーによって
保持されて雷管から離間した位置にある。さらに、セン
サ作動不可状態(安全装置作動状態)では、ロック部材
が慣性質量体に係合してその移動を阻止している。した
がってこの状態においては、仮に機械着火式センサに大
きな加速度が作用しても、慣性質量体が慣性移動するこ
とがなく、トリガレバーの着火ピン保持状態が解除され
ることはない。したがって、機械着火式センサを車両に
組み付ける際等における誤作動が防止される。
【0019】機械着火式センサを車両に組み付けた後に
は、センサ作動可能状態(安全装置解除状態)とする。
すなわち、ロック部材を操作して慣性質量体から離間さ
せて非係合状態とすると、慣性質量体の移動が可能とな
り、センサ作動可能な状態となる。この状態において機
械着火式センサに大きな加速度が作用すると、慣性質量
体が慣性移動し、トリガレバーによる着火ピンの保持が
解除され、着火ピンが移動して雷管が着火される。
【0020】一方、車両の廃棄処分等の際に機械着火式
センサを強制的に作動させる場合には、慣性体移動機構
を操作することにより、ロック部材によって慣性質量体
が慣性力作用時の移動方向と同方向に移動される。この
ため、トリガレバーによる着火ピンの保持が解除され、
着火ピンが移動して雷管が着火される。
【0021】このように、センサに所定の慣性力を作用
させることなく、ロック部材によって慣性質量体を強制
的に移動させて雷管を着火させるため、車両の廃棄処分
等の際に機械着火式センサを用いた例えばエアバッグ装
置をその安全装置を作動させた上でステアリングホイー
ルから取り外して処分する必要がなくなり、作業性が向
上する。また、既存のロック部材(安全装置)を用いる
ことにより実現でき、別の新たな部品を必要とせず、部
品点数が増加することもない。
【0022】請求項3記載の機械着火式センサの強制作
動構造では、センサ作動不可状態(安全装置作動状態)
では、ロック部材が慣性質量体に係合してその移動を阻
止している。したがってこの状態においては、仮に機械
着火式センサに大きな加速度が作用しても、慣性質量体
が慣性移動することがなく、トリガレバーの着火ピン保
持状態が解除されることはない。したがって、機械着火
式センサを車両に組み付ける際等における誤作動が防止
される。
【0023】機械着火式センサを車両に組み付けた後に
は、ロック部材を所定角度回転させると、ロック部材が
慣性質量体から離間して非係合状態となる。これによ
り、慣性質量体の移動が可能となり、センサ作動可能な
状態となる。この状態において機械着火式センサに大き
な加速度が作用すると、慣性質量体が慣性移動し、トリ
ガレバーによる着火ピンの保持が解除され、着火ピンが
移動して雷管が着火される。
【0024】一方、車両の廃棄処分等の際に機械着火式
センサを強制的に作動させる場合には、慣性体移動機構
を操作してロック部材を前記所定角度よりも更に回転さ
せると、慣性質量体が慣性力作用時の移動方向と同方向
に移動される。このため、トリガレバーによる着火ピン
の保持が解除され、着火ピンが移動して雷管が着火され
る。
【0025】このように、センサに所定の慣性力を作用
させることなく、ロック部材によって慣性質量体を強制
的に移動させて雷管を着火させるため、車両の廃棄処分
等の際に機械着火式センサを用いた例えばエアバッグ装
置をその安全装置を作動させた上でステアリングホイー
ルから取り外して処分する必要がなくなり、作業性が向
上する。また、所定角度回転することによりセンサ作動
不可状態及び作動可能状態とするロック部材を、センサ
強制作動時には更に回転させて着火させる構成であるた
め、機構も簡単となる。さらに、既存のロック部材(安
全装置)を用いることにより実現でき、別の新たな部品
を必要とせず、部品点数が増加することもない。
【0026】
【実施例】図1には本発明が適用された第1実施例に係
る機械着火式センサ10の主要部の構成が概略斜視図に
て示されており、図2には機械着火式センサ10の全体
構成が概略断面図にて示されている。
【0027】機械着火式センサ10はケース12を備え
ている。ケース12は、一端に底壁14を有する円筒形
に形成されており、開口側にはプレート16がカバー1
8によって固定されて封印されている。ケース12の底
壁14には軸線上に透孔20が形成されており、また、
ケース12には円筒形状のガイド孔22が形成されてい
る。
【0028】このケース12の内部には着火ピン24が
配置されている。着火ピン24は、略円筒形に形成され
た本体26と、この本体26の底壁26Aから一体的に
突出形成された凸部28とから構成されており、軸線に
沿ってケース12内をスライド移動することにより凸部
28は底壁14に形成された透孔20内に入り込み可能
である。この凸部28は、着火ピン24(本体26)が
最もケース12の底壁14の側へ移動した状態におい
て、透孔20から外部へ突出する。
【0029】ケース12の開口側に固定されたプレート
16と着火ピン24との間にはファイアリングスプリン
グ30が配置されており、常に着火ピン24を透孔20
の方向へ付勢している。
【0030】また、ケース12のガイド孔22には、慣
性質量体32が配置されている。慣性質量体32は、略
円筒形に形成されており、ガイド孔22内に軸線方向に
沿って移動可能に収容されている。慣性質量体32とプ
レート16との間にはバイアススプリング34が配置さ
れており、常に慣性質量体32を底壁14の方向へ付勢
している。
【0031】慣性質量体32と着火ピン24との間に
は、トリガレバー36が配置されている。トリガレバー
36は、長手方向一端部が軸38によって回動可能に支
持されている。また、トリガレバー36の先端は、着火
ピン24へ向けて屈曲されて係合部40となっており、
着火ピン24に係合可能である。すなわち、トリガレバ
ー36が軸38周りに回動することにより、係合部40
は着火ピン24に接近または離間できる。このトリガレ
バー36の係合部40が着火ピン24の本体26に係合
した状態では、ファイアリングスプリング30により付
勢された着火ピン24をその凸部28が透孔20から抜
き出た位置で保持している。
【0032】また、トリガレバー36の先端部近傍の着
火ピン24と反対側には、慣性質量体32へ向けてスラ
イド保持部42が突出形成されている。スライド保持部
42は、慣性質量体32に形成された解除孔44に対応
しており、慣性質量体32の移動時に解除孔44内に入
り込むことができるように構成されている。すなわち、
通常は、慣性質量体32はバイアススプリング34によ
って最もケース12の底壁14に接近した位置にあり、
この状態では、慣性質量体32がトリガレバー36のス
ライド保持部42に当接しており、トリガレバー36の
係合部40は着火ピン24の本体26に係合して、着火
ピン24をその凸部28が透孔20から抜き出た位置で
保持した状態となっている。さらに、慣性質量体32が
底壁14から離間する方向へ移動する際には、慣性質量
体32はトリガレバー36のスライド保持部42と線状
に接触しながら相対移動し、スライド保持部42が解除
孔44に入り込む構成である。
【0033】一方、プレート16の着火ピン24と反対
側(カバー18との間)には、ロック部材としての安全
レバー46が配置されている。安全レバー46は円盤状
に形成されており、プレート16とカバー18とによっ
て軸線周りの回転及び軸線方向に移動可能に支持されて
いる。また、安全レバー46には腕部48が形成されて
いる。腕部48は、プレート16を貫通して慣性質量体
32へ向けて延出しており、先端には係止部50が形成
されている。この係止部50は、慣性質量体32の端部
に形成された係止溝52に嵌入可能とされており、安全
レバー46が所定角度回転した際に嵌入及び離脱するよ
うになっている。係止部50が係止溝52に嵌入した状
態(図5に二点鎖線にて示す状態)では、慣性質量体3
2が安全レバー46(腕部48)に保持されてその軸線
方向移動が阻止され、係止部50が係止溝52から抜き
出た状態(図5に実線にて示す状態)では、慣性質量体
32の軸線方向移動が可能となる構成である。
【0034】安全レバー46とプレート16との間には
捩じりコイルスプリング54が配置されており、係止部
50が係止溝52に入り込む方向へ常に安全レバー46
を回転付勢している。また、安全レバー46とカバー1
8との間には圧縮コイルスプリング56が配置されてお
り、安全レバー46がプレート16に接近する方向へ常
に付勢している。なお、この圧縮コイルスプリング56
による通常の付勢状態において、安全レバー46の係止
部50が慣性質量体32の係止溝52に周方向において
対向するように各部の寸法等が設定されている。
【0035】安全レバー46の軸部はカバー18から外
部に突出されており、操作レバー58が取り付けられて
いる。図3及び図4に示す如く、操作レバー58は、解
除装置A及び解除装置Bによって外部から操作すること
ができる。
【0036】解除装置Aは、操作レバー58自体に対応
して配置されており、図3及び図4矢印P方向へ押し込
み操作することにより操作レバー58に係合してこれを
回転させることができる。すなわち、通常は捩じりコイ
ルスプリング54の付勢力によって係止部50が係止溝
52に入り込んだ状態の安全レバー46を、解除装置A
によって所定角度回転させて係止部50が係止溝52か
ら抜き出た状態とすることができる。
【0037】一方、解除装置Bは、操作レバー58とカ
バー18との間に対応して配置されれおり、先端部分は
操作レバー58とカバー18との間の対向間隙寸法より
も厚肉寸法に形成されている。この解除装置Bは、図3
及び図4矢印Q方向へ引っ張り操作することにより操作
レバー58に係合してこれを軸線方向に移動させること
ができる。すなわち、安全レバー46の係止部50が係
止溝52に入り込んだ状態において引っ張り操作をする
と、圧縮コイルスプリング56の付勢力に抗して操作レ
バー58を軸線方向に引っ張り移動させることができ、
これにより、安全レバー46を慣性質量体32と共に移
動させることができる構成である。
【0038】以上の構成による機械着火式センサ10
は、例えばエアバッグ装置やプリテンショナー装置のガ
スジェネレータ(図示省略)に組み付けられている。ガ
スジェネレータにはガス発生剤が収容されており、さら
に、このガス発生剤を着火燃焼させる雷管60が配置さ
れている。雷管60は、機械着火式センサ10が組み付
けられた状態において機械着火式センサ10の軸線上に
位置している。したがってこの組付状態では、ケース1
2の透孔20は雷管60に対向しており、この透孔20
から突出可能な着火ピン24の凸部28は、雷管60に
衝突可能となっている。
【0039】次に本第1実施例の作用を説明する。上記
のように構成される本第1実施例の機械着火式センサ1
0では、通常は、図2に示す如く、着火ピン24はファ
イアリングスプリング30の付勢力に抗して雷管60か
ら離間した位置(ケース12の透孔20から抜き出た位
置)にあり、トリガレバー36は係合部40が着火ピン
24の本体26に係合して、着火ピン24を保持してい
る。さらに、慣性質量体32はバイアススプリング34
によって最も底壁14に接近した位置すなわちトリガレ
バー36の回動軌跡に侵入しており、内周壁がトリガレ
バー36のスライド保持部42に当接してトリガレバー
36の回動を阻止して着火ピン保持状態を維持してい
る。
【0040】さらにここで、安全装置作動状態(センサ
作動不可状態)では、安全レバー46の係止部50が慣
性質量体32の係止溝52に嵌入すると共にこの状態が
捩じりコイルスプリング54の付勢力によって維持され
ている(図5に二点鎖線にて示す状態)。したがってこ
の状態においては、仮に機械着火式センサ10に大きな
加速度が作用しても、慣性質量体32は移動することが
なく(トリガレバー36のスライド保持部42が解除孔
44内に入り込むことがなく)、したがって、トリガレ
バー36が回動することがなく、着火ピン保持状態が解
除されることはない。
【0041】一方、解除装置Aによって操作レバー58
を操作することにより捩じりコイルスプリング54の付
勢力に抗して安全レバー46を回転させると、係止部5
0が係止溝52から周方向に抜き出た状態(図5に実線
にて示す状態)となって慣性質量体32の軸線方向移動
が可能となり、安全装置不作動状態(センサ作動可能状
態)となる。
【0042】ここで、機械着火式センサ10に大きな加
速度が作用すると、慣性質量体32がプレート16の方
向へ慣性移動し、トリガレバー36の回動軌跡に解除孔
44が対応する。トリガレバー36のスライド保持部4
2が慣性質量体32の解除孔44に対向してその保持が
解除されると、ファイアリングスプリング30により付
勢された着火ピン24によってこの着火ピン24から離
間する方向へ押圧されたトリガレバー36が、着火ピン
24から離間する方向へ回動される。これにより、トリ
ガレバー36の係合部40が着火ピン24の本体26か
ら離間して着火ピン24の保持を解除し、このため、着
火ピン24がファイアリングスプリング30の付勢力に
よって軸線方向に移動し、凸部28が透孔20から外方
へ突出する。
【0043】これにより、着火ピン24の凸部28が雷
管60に衝突して雷管60が着火される。雷管60が着
火されると、ガスジェネレータのガス発生剤が着火燃焼
され、例えばアエバッグ装置やプリテンショナー装置が
作動される。
【0044】またここで、機械着火式センサ10では、
車両の廃棄処分等の際には、車体に取り付けた状態のま
まで強制的に作動させることができる。
【0045】すなわち、機械着火式センサ10を強制的
に作動させる場合には、先ず、前述の如き解除装置Aに
よる安全レバー46の回転状態を解除して、再び安全レ
バー46の係止部50が慣性質量体32の係止溝52に
嵌入した状態とする。さらに、解除装置Bを引っ張り操
作することにより操作レバー58を軸線方向に移動させ
ると、係止部50が係止溝52に入り込んだ状態の安全
レバー46が圧縮コイルスプリング56の付勢力に抗し
て軸線方向に移動され、これにより、慣性質量体32が
安全レバー46と共に慣性力作用時の移動方向と同方向
に強制的に移動される。このため、前述と同様に、慣性
質量体32の解除孔44がトリガレバー36のスライド
保持部42に対向してその保持が解除され、トリガレバ
ー36が着火ピン24から離間する方向へ回動されて着
火ピン24の保持が解除される。これにより、着火ピン
24がの凸部28が雷管60に衝突して雷管60が着火
され、ガスジェネレータのガス発生剤が着火燃焼され
る。
【0046】このように、機械着火式センサ10では、
センサに所定の慣性力を作用させることなく、安全レバ
ー46によって慣性質量体32を強制的に移動させて雷
管60を着火させるため、車両の廃棄処分等の際に機械
着火式センサ10を用いた例えばエアバッグ装置をその
安全装置を作動させた上でステアリングホイールから取
り外して処分する必要がなくなり、作業性が向上する。
【0047】また、所定角度回転することによりセンサ
作動不可状態及び作動可能状態とする安全レバー46
を、センサ強制作動時には単に軸線方向に引っ張ること
により着火させる構成であるため、機構も簡単となる。
さらに、センサ安全装置を構成する安全レバー46は既
存のものであり、これを用いることにより強制作動を実
現でき、別の新たな部品を必要とせず、部品点数が増加
することもない。
【0048】次に本発明の第2実施例を説明する。な
お、前記第1実施例と基本的に同一の部品には前記第実
施例と同一の符号を付与し、その説明を省略している。
【0049】図6には第2実施例に係る機械着火式セン
サ70の主要部の構成が概略斜視図にて示されている。
【0050】機械着火式センサ70では、慣性質量体7
2及びロック部材としての安全レバー74を備えてい
る。慣性質量体72は略円筒形に形成されており、さら
に外周壁には係止溝76が形成されている。この係止溝
76内に安全レバー74の係止部78が入り込んでい
る。
【0051】係止溝76は、前記第1実施例と同様に、
安全レバー74によるセンサ状態と関連付けられて形成
されており、慣性質量体72の周方向に沿って三つの位
置が設定されている。すなわち、図7に示す如く、セン
サ作動不可位置X、センサ作動可能位置Y、センサ強制
作動位置Zが設定されている。センサ作動不可位置Xに
おいては、慣性質量体72の軸線方向に沿った係止溝7
6の長さ寸法は短く形成されており、センサ作動可能位
置Yにおいては、慣性質量体72の軸線方向に沿った係
止溝76の長さ寸法は長く形成されており、さらに、セ
ンサ強制作動位置Zにおいては、傾斜面80が形成され
ている。
【0052】また、係止溝76に入り込んだ安全レバー
74の係止部78は、安全レバー74が軸82周りに回
転することによって前記三つの位置に移動可能である。
【0053】したがって、安全レバー74の係止部78
が係止溝76のセンサ作動不可位置Xに位置する状態で
は、係止部78が係止溝76の周囲壁に係合して慣性質
量体72の軸線方向移動が阻止され、安全レバー74の
係止部78が係止溝76のセンサ作動可能位置Yに位置
する状態では、係止部78は係止溝76の周囲壁に係合
することがなく慣性質量体72の軸線方向移動が可能と
なる構成である。さらに、安全レバー74の係止部78
が係止溝76のセンサ強制作動位置Zに位置するように
移動することにより、係止部78が係止溝76の傾斜面
80を押圧して慣性質量体72を軸線方向に移動させる
ことができる構成である。
【0054】図8に示す如く、安全レバー74の軸82
には操作レバー84が取付けられている。この操作レバ
ー84は、外部から解除装置Cによって操作できる。
【0055】解除装置Cは、操作レバー84に対応して
配置されており、第1操作溝90と第2操作溝92が形
成されている。この解除装置Cを押し込み操作して第1
操作溝90内に操作レバー84を係合させることによ
り、安全レバー74を回転させて係止部78を係止溝7
6のセンサ作動不可位置Xからセンサ作動可能位置Yへ
移動させることができ、さらに、この状態から更に解除
装置Cを押し込み操作して第2操作溝92内に操作レバ
ー84を係合させることにより、安全レバー74を更に
回転させて係止部78を係止溝76のセンサ作動可能位
置Yからセンサ強制作動位置Zへ移動させることができ
る構成である。
【0056】次に本第2実施例の作用を説明する。上記
のように構成される本第2実施例の機械着火式センサ7
0では、通常は、着火ピン24はファイアリングスプリ
ング30の付勢力に抗して雷管60から離間した位置
(ケース12の透孔20から抜き出た位置)にあり、ト
リガレバー36は係合部40が着火ピン24の本体26
に係合して、着火ピン24を保持している。さらに、慣
性質量体72はバイアススプリング34によって最も底
壁14に接近した位置すなわちトリガレバー36の回動
軌跡に侵入しており、内周壁がトリガレバー36のスラ
イド保持部42に当接してトリガレバー36の回動を阻
止して着火ピン保持状態を維持している。
【0057】さらにここで、安全装置作動状態(センサ
作動不可状態)では、図8(A)に示す如く解除装置C
は操作レバー84から離間しており、安全レバー74の
係止部78は慣性質量体72の係止溝76のセンサ作動
不可位置Xに嵌入して保持されている。したがってこの
状態においては、仮に機械着火式センサ70に大きな加
速度が作用しても、慣性質量体72は移動することがな
く(トリガレバー36のスライド保持部42が解除孔4
4内に入り込むことがなく)、したがって、トリガレバ
ー36が回動することがなく、着火ピン保持状態が解除
されることはない。
【0058】一方、図8(B)に示す如く解除装置Cを
押し込み操作して第1操作溝90内に操作レバー84を
係合させると、安全レバー74が回転されて係止部78
が係止溝76のセンサ作動不可位置Xからセンサ作動可
能位置Yへ移動される。これにより、慣性質量体72の
軸線方向移動が可能となり、安全装置不作動状態(セン
サ作動可能状態)となる。
【0059】ここで、機械着火式センサ70に大きな加
速度が作用すると、慣性質量体72がプレート16の方
向へ慣性移動し、トリガレバー36の回動軌跡に解除孔
44が対応する。トリガレバー36のスライド保持部4
2が慣性質量体72の解除孔44に対向してその保持が
解除されると、トリガレバー36が着火ピン24から離
間する方向へ回動される。これにより、トリガレバー3
6の係合部40が着火ピン24の本体26から離間して
着火ピン24の保持を解除し、このため、着火ピン24
がファイアリングスプリング30の付勢力によって軸線
方向に移動し、凸部28が透孔20から外方へ突出す
る。
【0060】これにより、着火ピン24の凸部28が雷
管60に衝突して雷管60が着火される。雷管60が着
火されると、ガスジェネレータのガス発生剤が着火燃焼
され、例えばアエバッグ装置やプリテンショナー装置が
作動される。
【0061】さらにここで、機械着火式センサ70で
は、車両の廃棄処分等の際には、車体に取り付けた状態
のままで強制的に作動させることができる。
【0062】すなわち、機械着火式センサ70を強制的
に作動させる場合には、前述の如く解除装置Cの第1操
作溝90内に操作レバー84が係合した状態から更に解
除装置Cを押し込み操作して図8(C)に示す如く第2
操作溝92内に操作レバー84を係合させると、安全レ
バー74が更に回転されて係止部78が係止溝76のセ
ンサ作動可能位置Yからセンサ強制作動位置Zへ移動さ
れる。この際に、係止部78が係止溝76の傾斜面80
を押圧し、これにより慣性質量体72が軸線方向(慣性
力作用時の移動方向と同方向)に強制的に移動される。
このため、前述と同様に、慣性質量体72の解除孔44
がトリガレバー36のスライド保持部42に対向してそ
の保持が解除され、トリガレバー36が回動されて着火
ピン24の保持が解除される。これにより、着火ピン2
4がの凸部28が雷管60に衝突して雷管60が着火さ
れ、ガスジェネレータのガス発生剤が着火燃焼される。
【0063】このように、機械着火式センサ70では、
センサに所定の慣性力を作用させることなく、安全レバ
ー74によって慣性質量体72を強制的に移動させて雷
管60を着火させるため、車両の廃棄処分等の際に機械
着火式センサ70を用いた例えばエアバッグ装置をその
安全装置を作動させた上でステアリングホイールから取
り外して処分する必要がなくなり、作業性が向上する。
【0064】また、所定角度回転することによりセンサ
作動不可状態及びセンサ作動可能状態とする安全レバー
74を、センサ強制作動時には更に回転させて着火させ
る構成であるため、機構も簡単となる。さらに、センサ
安全装置を構成する安全レバー74は既存のものであ
り、これを用いることにより強制作動を実現でき、別の
新たな部品を必要とせず、部品点数が増加することもな
い。
【0065】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る機械着火
式センサの強制作動構造は、廃車時等に車両への取付状
態のままで簡単に機械着火式センサを強制作動させるこ
とができ、安全でかつ作業性が向上し、かつこれを簡単
な構造で部品点数が増加することなく実現できるという
優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された第1実施例に係る機械着火
式センサの主要部の構成を示す概略斜視図である。
【図2】本発明が適用された第1実施例に係る機械着火
式センサの全体構成を示す断面図である。
【図3】本発明が適用された第1実施例に係る機械着火
式センサと解除装置の対応関係を示す裏面図である。
【図4】本発明が適用された第1実施例に係る機械着火
式センサと解除装置の対応関係を示す正面図である。
【図5】本発明が適用された第1実施例に係る機械着火
式センサの安全レバーと慣性質量体の関係を示す平面図
である。
【図6】本発明が適用された第2実施例に係る機械着火
式センサの主要部の構成を示す概略斜視図である。
【図7】本発明が適用された第2実施例に係る機械着火
式センサの慣性質量体の係止溝を示す正面図である。
【図8】本発明が適用された第2実施例に係る機械着火
式センサと解除装置の対応関係を示す平面図である。
【符号の説明】
10 機械着火式センサ 24 着火ピン 32 慣性質量体 36 トリガレバー 46 安全レバー(ロック部材) 50 係止部 52 係止溝 58 操作レバー 60 雷管 70 機械着火式センサ 72 慣性質量体 74 安全レバー(ロック部材) 76 係止溝 78 係止部 80 傾斜面 84 操作レバー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雷管を着火させるための着火ピンをトリ
    ガレバーによって保持すると共に、所定荷重作用時に慣
    性力によって移動する慣性質量体によって前記トリガレ
    バーの前記着火ピン保持状態を解除して着火させる機械
    着火式センサの強制作動構造であって、 前記慣性質量体を前記慣性力による移動方向と同方向に
    移動させる慣性体移動手段を設けたことを特徴とする機
    械着火式センサの強制作動構造。
  2. 【請求項2】 前記慣性体移動手段は、前記慣性質量体
    に係合可能に配置され、前記慣性質量体に係合した状態
    では前記慣性質量体の移動を阻止し、前記慣性質量体と
    非係合状態では前記慣性質量体の移動を可能とするロッ
    ク部材を備え、前記ロック部材によって前記慣性質量体
    を前記慣性力による移動方向と同方向に移動させること
    を特徴とする請求項1記載の機械着火式センサの強制作
    動構造。
  3. 【請求項3】 前記ロック部材は、軸線方向移動及び軸
    線周りに回転可能に支持され、通常は前記慣性質量体に
    係合して移動を阻止し、所定角度回転することにより前
    記慣性質量体と非係合状態となって移動を可能とし、前
    記所定角度よりも更に回転することにより前記慣性質量
    体を前記慣性力による移動方向と同方向に移動させる、
    ことを特徴とする請求項2記載の機械着火式センサの強
    制作動構造。
JP6116280A 1994-05-30 1994-05-30 機械着火式センサの強制作動構造 Pending JPH07323810A (ja)

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