JPH08116690A - センサレスモータ駆動回路 - Google Patents

センサレスモータ駆動回路

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JPH08116690A
JPH08116690A JP6276980A JP27698094A JPH08116690A JP H08116690 A JPH08116690 A JP H08116690A JP 6276980 A JP6276980 A JP 6276980A JP 27698094 A JP27698094 A JP 27698094A JP H08116690 A JPH08116690 A JP H08116690A
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JP
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circuit
energization
delay
signal
rotor
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JP6276980A
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Kouichi Inagaki
衡一 稲垣
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】センサレスモータのトルクアップを容易に図る
ことができるセンサレスモータ駆動回路を提供するこ
と。 【構成】ロータRと、ロータRに対して複数の励磁コイ
ル1,2を備えたモータを駆動するために通電切り換え
信号13s−1ないし13s−4を与えて、モータ12
0を駆動するセンサレスモータ駆動回路であり、複数の
励磁コイル1,2に対する通電切り換え信号13s−1
ないし13s−4を相互に重ねて通電させるためのデコ
ーダ12を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、センサレスモータの駆
動回路の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】センサレスモータの駆動回路としては、
たとえば2相のブラシレスモータを駆動する回路が知ら
れている。この2相のブラシレスモータを駆動する回路
は、ホール素子等の回転検出素子を用いずに、駆動コイ
ルに発生する誘起電圧(逆起電圧)を利用し、駆動コイ
ルに通電される駆動電流(通電)を切り換えるようにな
っている。
【0003】従来のセンサレスモータの駆動回路では、
通電している相の駆動コイルに対して、もう一方の相の
駆動コイルが誘起電圧を検出する役目を行っている。こ
のため、どちらか1相の駆動コイルは、検出用に通電し
ないで空けておかなければならない。
【0004】図7は、2つ相の駆動コイルに対して通電
切り換え信号を発生させるための従来のデコーダの論理
回路を示している。図8は、従来のデコーダにより発生
する通電切り換え信号のタイミングチャートである。
【0005】図7と図8において、スイッチング出力R
1,R2のデータの組み合わせによって、4通りの通電
タイミングが発生している。通電切り換え信号112s
−1では駆動コイルUの正方向に電流が流れたとする
と、通電切り換え信号112s−2では、その逆方向に
流れる。また、通電切り換え信号112s−3では駆動
コイルVの正方向に電流が流れたとすると、通電切り換
え信号112s−4では、その逆方向に流れる。ここ
で、駆動コイルU,Vに対する通電区間は、90°であ
り、オーバラップ通電はあり得ず、トルクアップができ
ない。なお、ホール素子等の回転検出素子を備えるセン
サー付きのモータは、このような誘起電圧検出を行わな
くてもよいので、90°以上の通電が可能であり、トル
クアップができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したセンサレスモ
ータの駆動回路を、たとえばCD−ROMの駆動用モー
タに用いてアクセスタイムを短縮しようとする場合に、
センサレスモータのトルクアップを図りたいという要望
がある。そこで本発明は上記課題を解消するためになさ
れたものであり、センサレスモータのトルクアップを容
易に図ることができるセンサレスモータ駆動回路を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にあ
っては、ロータと、前記ロータに対して複数の励磁コイ
ルを備えたモータを駆動するために通電切り換え信号を
与えて、前記モータを駆動するセンサレスモータ駆動回
路において、前記複数の前記励磁コイルに対する通電切
り換え信号を相互に重ねて通電させるデコーダを備える
センサレスモータ駆動回路により、達成される。
【0008】本発明にあっては、好ましくは前記デコー
ダは、ディレイ回路からのディレイ信号に基づいて前記
通電切り換え信号を相互に重ねる。本発明にあっては、
好ましくは前記複数の前記励磁コイルは、第1の励磁コ
イルと第2の励磁コイルである。本発明にあっては、好
ましくは前記センサレスモータは、回転磁気ヘッド装置
の回転ドラムの回転に用いられる。本発明にあっては、
好ましくは前記センサレスモータは、光ディスクの回転
に用いられる。
【0009】
【作用】上記構成によれば、デコーダのロジックによ
り、複数の励磁コイルに対する通電切り換え信号を相互
に重ねて通電させることで、トルクアップを図ることが
できる。たとえば、ロータの起動時、加速時、減速時な
どの場合に、電切り換え信号を相互に重ねて通電させ
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基
づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、
本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種
々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説
明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、
これらの態様に限られるものではない。
【0011】図1は、本発明のセンサレスモータ駆動回
路の好ましい実施例を示している。図1に示すセンサレ
スモータ駆動回路は、2相両方向通電型のセンサレスモ
ータの駆動装置を示している。図1において、2相両方
向センサレスモータ(以下、センサレスモータという)
120は、センサレスモータ駆動回路100により駆動
されるようになっている。このセンサレスモータ120
は、たとえばVTR等に用いられる回転磁気ヘッド装置
の回転ドラムを回転するのに用いられたり、あるいは光
ディスク装置における光ディスクの回転用のモータとし
て用いることができるものである。
【0012】センサレスモータ120は、2つの駆動コ
イル(励磁コイルともいう)1,2とロータRを有して
いる。ロータRは、N極とS極を有している。駆動コイ
ル1からは、誘起電圧6s−1と誘起電圧(逆起電圧)
6s−2が得られる。駆動コイル2側からは、誘起電圧
6s−3と誘起電圧(逆起電圧)6s−4を得ることが
できる。
【0013】図1において、センサレスモータ駆動回路
100は、次のような構成要素を有している。ロータR
の回転により2相の駆動コイル1または駆動コイル2に
より生じた逆起電圧6s−2,6s−4は、検出器3に
対して入力できるようになっていて、これにより回転す
るロータRの基準位置を検出する。このロータRの基準
位置とは、ロータRが回転するとコイルに交流電圧が誘
起されるが、この交流電圧がゼロボルトになった時のロ
ータRの位置のことである。検出器3は、これらの逆起
電圧6s−2,逆起電圧6s−4に基づいて、図6に示
すコンパレート信号3s−1とコンパレート信号3s−
2を、セレクタ4と微分回路7にそれぞれ与えるように
なっている。セレクタ4は、スイッチング回路5および
デコーダ12を介してドライバ6に接続されている。
【0014】図1の微分回路7は、微分パルス発生手段
7であり、図4のコンパレート信号3s−1,3s−2
のどちらかが反転した時に1つの微分パルス7sを発生
するようになっている(たとえば図4の矢印F1,F2
を参照)。つまり2相の駆動コイル1,2の逆起電圧6
s−2,逆起電圧6s−4のどちらかが、図6に例示す
るゼロクロス点ZCを通過する毎に微分パルス7sを発
生させることになる。この微分パルス7sは、PLL回
路8、ラッチ回路9、起動パルス発生回路10、マスク
信号発生回路11およびディレイ回路14にそれぞれ入
力される。
【0015】図1のPLL回路8は、図4の微分パルス
7sに対して、たとえば図4に示す16倍のクロックパ
ルス信号8sを発生するためのものである。PLL回路
8は、微分パルス7sに同期して、図4に示すようなク
ロックパルス信号8sを出力する。図5は、このPLL
回路8の構成の一例を示している。位相比較器40は、
微分回路7から微分パルス7sが入力されるようになっ
ている。位相比較器40は、ローパスフィルタ(LP
F)42を介して電圧制御型発振器(VCO)44に接
続されている。位相比較器40は、電圧制御型発振器4
4から出力されるクロックパルス信号8sを分周して得
られるパルス8p(図4参照)と、微分回路7からの微
分パルス7s(図4参照)を比較して、図5の出力40
aを出力するようになっている。図5の電圧制御型発振
器44は、1/N分周器46を介して位相比較器40に
接続されている。1/N分周器46は、電圧制御型発振
器44からのクロックパルス信号8sを、1/16の周
波数に分周して位相比較器40にパルス8pとして与え
る。
【0016】出力40aの周波数成分のうちの一定周波
数以下の成分は、ローパスフィルタ42を通過する。電
圧制御型発振器44は、ローパスフィルタ42の出力4
2aにより制御されて、この出力42aに対応した周波
数のクロックパルス信号8sを発生するようになってい
る。これにより、電圧制御型発振器44は、微分回路7
からの微分パルス7sのたとえば16倍付近の周波数の
クロックパルス信号8sを発振することができる。この
際、ローパスフィルタ42の出力42aの電圧が高い場
合には、高い周波数のクロックパルス信号8sを出力
し、出力42aの電圧が低い場合には、低い周波数のク
ロックパルス信号8sを出力する。
【0017】図1のラッチ遅延回路(ラッチ回路)9
は、内部にカウンタを持ち、図4のクロックパルス信号
8sをカウントすると共に、微分回路7からの微分パル
ス7sからたとえば3クロック後に、図4に示す矢印G
1,G2に示すように、ラッチ遅延パルス9sを発生す
るようになっている。このラッチ遅延パルス9sは、ロ
ータRの基準位置より所定量遅延させたパルスである。
【0018】図1のマスク信号発生回路11は、図4の
微分パルス7sの発生時からラッチ遅延パルス9sを通
過してさらに所定のクロック数経つまでの間、マスク信
号11sをオンするようになっている。このマスク信号
発生回路11は、図6に示すような駆動コイル1(U相
に相当)の通電波形において、駆動コイル1に流す電流
のスイッチイングに伴なう逆起電圧波形に起因するゼロ
クロス点ZC1が、図1のセレクタ4の論理回路に入力
されるのを防止する回路である。このマスク信号発生回
路11の疑似パルス抑制期間Tは、駆動コイル1,2を
通電切り換えする時に発生する疑似パルス(図6に示す
フライバック電圧)を抑制する期間である。マスク信号
発生回路11は、図1の駆動コイル1,2のスイッチに
伴なうゼロクロス点ZC1をマスクして、スイッチング
に伴なう逆起電圧波形(フライバック電圧)をしてい
る。なぜなら、フライバック電圧の発生に起因するゼロ
クロス点ZC1は、センサレスモータの回転によらない
で発生するゼロクロス点ZC1であるからである。
【0019】図1の起動パルス発生回路10は、PLL
回路8からのクロックパルス信号8sをカウントして、
予め設定されたクロック数の間に、微分パルス7sが発
生しなかった場合に、微分パルス7sの代わりに起動パ
ルス10sを発生するためのものである。起動パルス1
0sは、ラッチ回路9とマスク信号発生回路11に働き
かけて、ラッチ回路9とマスク信号発生回路11は、こ
の駆動パルス10sに基づいて微分パルス7sが発生し
た時と同様の働きを行う。
【0020】ディレイ回路14は、図4に示すディレイ
信号14sを、微分回路7の微分パルス7sとPLL回
路8からのクロックパルス信号8sに基づいて、デコー
ダ12に対して図4のディレイ信号14sを出力するよ
うになっている。このディレイ回路(遅延回路)14
は、図3のディレイ信号14sを発生する。このディレ
イ信号14sは、通電切り換え信号13s−1ないし通
電切り換え信号13s−4に対して、オーバラップ期間
TORを設定して、1相(駆動コイル1または2)がオ
ンしてから他相(駆動コイル2または1)がオフになる
まで遅延を持たせて、オーバラップ通電を行うようにな
っている。次の相のオン信号とディレイ信号14sの論
理積で前の相をオンし、一定時間オーバラップして通電
する。具体的には、たとえば通電切り換え信号13s−
2(B)がオンしていると、次に通電切り換え信号13
s−3(C)がオンするタイミングにおいて、通電切り
換え信号13s−3(C)とディレイ信号14sの論理
積がとられ、通電切り換え信号13s−2(B)を継続
してオンしている。そして、ディレイ信号14sがオフ
すると同時に通電切り換え信号13s−2(B)もオフ
になる。その間、通電切り換え信号13s−2(B)と
通電切り換え信号13s−3(C)は、オーバラップし
て通電される。オーバラップ期間TORを含む各相の通
電電気角EAは、たとえば135°である。このオーバ
ラップ通電は、ロータRの起動時、加速時あるいは減速
時に行いトルクアップを図る。そして、ロータRが規定
回転数になったらデコーダ12に対するディレイ信号1
4sの供給は停止して、オーバラップ通電を止めて通常
の通電電気角が90°の通電に切り換える。ディレイ信
号14s(E)はスイッチングの度に所定時間オンす
る。たとえばディレイ信号14s(E)は誘起電圧のゼ
ロクロス点から遅れて(理想的には45°)出力され
る。ラッチ遅延信号9sは、ディレイ信号14sの時間
の半分だけラッチ出力を早めるのがベストである。この
ようなオーバラップ通電は、たとえばCD−ROM装置
などで、アクセスタイムを短くするためにトルクアップ
を行うために有用である。ここまでの各要素の説明で
は、図1のセンサレスモータ駆動回路100における内
部の制御を行うためのコントロール信号の生成方式につ
いて説明している。
【0021】次に、駆動コイル1,2に対して、駆動電
流を通電するためのデータの流れについて説明する。図
1のセレクタ4に入った図4に示すコンパレート信号3
s−1,3s−2は、図1のマスク信号発生回路11の
マスク信号11sがオフの間セレクタ4を通過し、マス
ク信号11sがオンの間はマスク信号11sがオンする
寸前のデータがラッチされて、セレクトデータ信号4s
−1,4s−2としてスイッチング回路5に対して出力
される。スイッチング回路5では、ラッチ遅延パルス9
sのタイミングでセレクトデータ信号4s−1,4s−
2がラッチされる。つまり、上述したように微分パルス
7sからたとえば3クロック後にセレクトデータ信号4
s−1,4s−2がラッチされる。
【0022】スイッチング回路5からのスイッチング出
力5s−1,5s−2は、デコーダ12に入力されるよ
うになっている。デコーダ12は、図2に示すような論
理回路になっている。図2のスイッチング出力(U相に
相当)5s−1と(V相に相当)5s−2は、デコーダ
12の論理回路に基づく通電コードに従ってデコードさ
れて、通電切り換え信号13s−1ないし13s−4と
して、図1のドライバ6に対して与えられる。図1のド
ライバ6は、トランジスタをスイッチングして図3に示
すように相切り換えを行って、図1の駆動コイル1,2
に通電する。このように、一連の駆動コイル1,2に対
して通電するためのデータの流れのほとんどは、PLL
回路8から発生されるクロックパルス信号8sを基準と
してセンサレスモータ駆動回路100の内部でコントロ
ールすることができる。
【0023】次に、図1のセンサレスモータ駆動回路1
00の動作を説明する。 (1) ロータRが通電時に回転する場合 センサレスモータ駆動回路100に対して通電をして図
1のロータRを回転する場合には、2つの駆動コイル
1,2のうちのどちらかに駆動電流の通電が行われる。
駆動コイル1,2のどちらかに通電が行われると、その
通電のあったたとえば駆動コイル1の磁力により、ロー
タRが引き付けられて少し回転する。すると、既に述べ
たように駆動コイル1の誘起電圧(逆起電圧6s−2も
しくは6s−4)を検出器3が検出する。逆起電圧6s
−2,6s−4の波形は、図4に一例を示している。
【0024】図1の検出器3が逆起電圧6s−2,6s
−4を検出すると、図1の検出器3はコンパレート信号
3s−1,3s−2を出力し、これに基づいて微分回路
7は図4の微分パルス7sを生成し、微分パルス7sは
PLL回路8、ラッチ回路9、起動パルス発生回路1
0、マスク信号発生回路11、ディレイ回路14に与え
られる。セレクタ回路4はセレクトデータ信号4s−
1,4s−2を生成する。図1のPLL回路8は、最低
周波数でクロックパルス信号8sを発生して、このクロ
ックパルス信号8sを、ラッチ遅延回路9、駆動パルス
発生回路10、マスク信号発生回路11、ディレイ回路
14に与える。
【0025】ラッチ遅延回路9とマスク信号発生回路1
1は、この微分パルス7sに基づいて働く。ラッチ遅延
回路9は、ラッチ遅延パルス9sを発生する。スイッチ
ング回路5では、このラッチ遅延パルス9sは、微分パ
ルス7sから所定クロック後、たとえば3クロック後に
セレクトデータ信号4s−1,4s−2をラッチする。
セレクトデータ信号4s−1,4s−2により、スイッ
チング回路5の出力が強制的に次の相に切り換えられ
る。このラッチ遅延パルス9sにより、スイッチング回
路5のスイッチング出力5s−1,5s−2が強制的に
次の相に切り換えられた結果、デコーダ12からドライ
バ6に対して通電切り換え信号13s−1ないし13s
−4が与えられて、駆動コイル1,2に通電されて、ロ
ータRが回転することになる。ロータRが回転を始める
と、上述した一連の動作が繰り返されてロータRの回転
が速くなると同時に、図4に示したような誘起電圧のゼ
ロクロス点ZCを通過するタイミングが速くなって、図
4に示す微分パルス7sの発生間隔が狭くなる。
【0026】図1のPLL回路8は、常にこの微分パル
ス7sの、たとえば16倍のクロックパルス信号8sを
発生し、さらには微分パルス7sからたとえば3クロッ
ク後に常に相切り換えを行うことができる。PLL回路
8は、ロータRの回転数に関係なく、常にゼロクロス点
から一定の遅延間隔でスイッチングすることができる回
路である。
【0027】本発明のセンサレスモータの駆動回路の実
施例では、駆動装置100の内部に励磁コイルともいう
駆動コイル1,2の誘起電圧を入力とするPLL回路8
を有している。PLL回路8のクロックパルス信号8s
を基にして、ラッチ遅延回路9により位相シフト(位相
遅れを積極的に形成)を形成してロータRの基準位置よ
り所定量遅延させる。マスク信号発生回路11は、クロ
ックパルス信号8sを基にして、マスク期間T(図6参
照)のタイミング形成して図6に示す不要なフライバッ
ク電圧を除去する。これにより、図1のモータ120の
ロータRの速度が変化しても、常に最適な駆動コイル
1,2の通電を行うことができる。
【0028】また、ディレイ回路14は、図4に示すデ
ィレイ信号14sを、微分回路7の微分パルス7sとP
LL回路8からのクロックパルス信号8sに基づいて、
デコーダ12に対して出力する。このディレイ回路(遅
延回路)14は、図3のディレイ信号14sを発生す
る。このディレイ信号14sは、通電切り換え信号13
s−1ないし通電切り換え信号13s−4に対して、オ
ーバラップ期間TORを設定して、1相がオンしてから
他相がオフになるまで遅延を持たせて、オーバラップ通
電を行う。このオーバラップ通電は、ロータRの起動
時、加速時あるいは減速時に行いトルクアップを図る。
そして、ロータRが規定回転数になったら、デコーダ1
2に対するディレイ信号14sの供給は停止して、オー
バラップ通電を止めて通常の通電電気角が90°の通電
に切り換える。
【0029】(2) ロータRが通電時にすでに制止す
べき位置にあり通電によっては回転を始めない場合 駆動コイル1,2に通電後に、仮に図1のロータRが引
き付けられて、ロータRの静止すべき位置に既にあった
場合には、ロータRは動かないと同時に、誘起電圧6s
−1,6s−3と逆起電圧6s−2,6s−4が発生し
ないことになる。このように通電してもロータRが静止
している場合においても、図1のPLL回路8は、最低
周波数でクロックパルス信号8sを発生して、このクロ
ックパルス信号8sを、ラッチ遅延回路9、駆動パルス
発生回路10、マスク信号発生回路11、ディレイ回路
14に与える。起動パルス発生回路10は、このクロッ
クパルス信号8sを受けて、このクロックパルス信号8
sをカウントして、予め設定された数に達すると、上述
した微分パルス7sに代わりに、起動パルス発生回路1
0は起動パルス10sを発生して、ラッチ遅延回路9と
マスク信号発生回路11に与える。
【0030】ラッチ遅延回路9とマスク信号発生回路1
1は、この起動パルス10sに基づいて働く。ラッチ遅
延回路9は、ラッチ遅延パルス9sを発生する。スイッ
チング回路5では、このラッチ遅延パルス9sは、セレ
クトデータ信号4s−1,4s−2をラッチする。セレ
クトデータ信号4s−1,4s−2により、スイッチン
グ回路5の出力が強制的に次の相に切り換えられる。こ
のラッチ遅延パルス9sにより、スイッチング回路5の
スイッチング出力5s−1,5s−2が強制的に次の相
に切り換えられた結果、デコーダ12からドライバ6に
対して通電切り換え信号13s−1ないし13s−4が
与えられて、駆動コイル1,2に通電されて、ロータR
が回転することになる。ロータRが回転を始めると、上
述した一連の動作が繰り返されてロータRの回転が速く
なると同時に、図4に示したような誘起電圧のゼロクロ
ス点ZCを通過するタイミングが速くなって、図4に示
す微分パルス7sの発生間隔が狭くなる。
【0031】図1のPLL回路8は、常にこの微分パル
ス7sの、たとえば16倍のクロックパルス信号8sを
発生し、さらには微分パルス7sからたとえば3クロッ
ク後に常に相切り換えを行うことができる。PLL回路
8は、ロータRの回転数に関係なく、常にゼロクロス点
から一定の遅延間隔でスイッチングすることができる回
路である。
【0032】本発明のセンサレスモータの駆動回路の実
施例では、駆動装置100の内部に励磁コイルともいう
駆動コイル1,2の誘起電圧を入力とするPLL回路8
を有している。PLL回路8のクロックパルス信号8s
を基にして、ラッチ遅延回路9により位相シフト(位相
遅れを積極的に形成)を形成してロータRの基準位置よ
り所定量遅延させる。マスク信号発生回路11は、クロ
ックパルス信号8sを基にして、マスク期間T(図6参
照)のタイミング形成して図6に示す不要なフライバッ
ク電圧を除去する。これにより、図1のモータ120の
ロータRの速度が変化しても、常に最適な駆動コイル
1,2の通電を行うことができる。
【0033】また、ディレイ回路14は、図4に示すデ
ィレイ信号14sを、微分回路7の微分パルス7sとP
LL回路8からのクロックパルス信号8sに基づいて、
デコーダ12に対して出力する。このディレイ回路(遅
延回路)14は、図3のディレイ信号14sを発生す
る。このディレイ信号14sは、通電切り換え信号13
s−1ないし通電切り換え信号13s−4に対して、オ
ーバラップ期間TORを設定して、1相がオンしてから
他相がオフになるまで遅延を持たせて、オーバラップ通
電を行う。このオーバラップ通電は、ロータRの起動
時、加速時あるいは減速時に行いトルクアップを図る。
そして、ロータRが規定回転数になったら、デコーダ1
2に対するディレイ信号14sの供給は停止して、オー
バラップ通電を止めて通常の通電電気角が90°の通電
に切り換える。
【0034】以上説明した本発明の実施例は、従来のよ
うなアナログで構成された駆動回路と比較して、外付け
部品が少なくなるために、コストダウンが図れると同時
にマウント工数の削減につながる。また、本発明の実施
例では、トルクアップが必要なたとえば起動時に駆動コ
イルの1相当たり90°以上の通電角度でオーバラップ
通電を行うことにより、たとえば30パーセントのトル
クアップを図ることができ、本発明の実施例は、CD−
ROM等の駆動に最適である。しかも、本発明の実施例
は、トルクアップしながら、定速時のロータ回転でトル
クリップルに影響を受けにくく、節電も可能である。
【0035】本発明の実施例は、アナログで構成された
従来の駆動回路と比較して、各タイミングが安定してお
り、タイミングの変化がロジックで行えるので、駆動回
路セットに対して実装した後でも容易にモードに合せた
タイミングの変更が行える。本発明の実施例は、モータ
のロータRの回転速度に関係なく、常に最適な駆動電流
のスイッチングを行うことができる。本発明の実施例で
は、ラッチ遅延回路9により位相遅れを作ることがで
き、センサレスモータ120の極性が反転するタイミン
グにある遅延量を与えて通電切り換えを行うことができ
る。本発明の実施例では、マスク信号発生回路11を用
いているので、このマスク信号発生回路により、駆動コ
イル1,2に対する通電切り換え時に発生するスパイク
電圧(フライバック電圧)を発生する期間マスキングし
て除去することができ、スパイク電圧により生ずるゼロ
クロス点を誤って検出することがなくなる。
【0036】本発明の実施例において、起動パルス発生
回路10は、駆動コイル1,2に対して通電した直後に
ロータRが駆動しない場合に備えて、ある時間内に誘起
電圧を検出できなかった時に、微分パルス7sに代え
て、起動パルス10sを発生して、駆動コイル1,2に
対して強制的に次の通電パターン切り換えるようになっ
ている。このような各要素は、データ回路として1つの
センサレスモータ駆動回路100内に構成されている。
【0037】ところで本発明は上記実施例に限定されな
い。本発明のセンサレス駆動回路は、2相モータに限ら
ず、3相のセンサレスモータに対しても適用することが
できる。また、2相モータとしては、コアレスモータや
鉄心型モータだけでなく、PM型ステッピングモータや
HB(ハイブリッド)型ステッピングモータに適用する
ことができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、セ
ンサレスモータのトルクアップを容易に図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセンサレスモータ駆動回路の好ましい
実施例を示すブロック図。
【図2】図1のセンサレスモータ駆動回路のデコーダの
論理回路を示す図。
【図3】図2のデコーダの論理回路における通電構造の
一連を示す図。
【図4】図1のセンサレスモータ駆動回路の各信号のタ
イムチャートを示す図。
【図5】図1のPLL回路の構成の一例を示す図。
【図6】1つの駆動回路の通電波形の例を示し、通電切
り換え時におけるフライバック電圧およびゼロクロス点
の一例を示す図。
【図7】従来のデコーダの論理回路を示す図。
【図8】従来の通電パターンを示す図。
【符号の説明】
1,2 モータの駆動コイル(励
磁コイル) 3 検出器(検出手段) 3s−1,3s−2 コンパレート信号 4 セレクタ 4s−1,4s−2 セレクトデータ信号 5 スイッチング回路 6 ドライバ 6s−1ないし6s−4 誘起電圧(逆起電圧) 7 微分回路(微分パスル発
生手段) 7s 微分パルス 8 PLL回路 8s クロックパルス信号 9 ラッチ遅延回路(ラッチ
回路) 9s ラッチ遅延パルス(ラッ
チパルス) 10 起動パルス発生回路 10s 起動パルス 11 マスク信号発生回路 12 デコーダ 13s−1ないし13s−4 通電切り換え信号 14 ディレイ回路 14s ディレイ信号 100 センサレスモータ駆動回
路 120 センサレスモータ R モータのロータ T 疑似パルス抑制期間 TOR オーバラップ期間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータと、前記ロータに対して複数の励
    磁コイルを備えたモータを駆動するために通電切り換え
    信号を与えて、前記モータを駆動するセンサレスモータ
    駆動回路において、 前記複数の前記励磁コイルに対する通電切り換え信号を
    相互に重ねて通電させるデコーダを備えることを特徴と
    するセンサレスモータ駆動回路。
  2. 【請求項2】 前記デコーダは、ディレイ回路からのデ
    ィレイ信号に基づいて前記通電切り換え信号を相互に重
    ねる請求項1に記載のセンサレスモータ駆動回路。
  3. 【請求項3】 前記複数の前記励磁コイルは、第1の励
    磁コイルと第2の励磁コイルである請求項または請求項
    2に記載のセンサレスモータ駆動回路。
  4. 【請求項4】 前記センサレスモータは、回転磁気ヘッ
    ド装置の回転ドラムの回転に用いられる請求項1に記載
    の1ないし請求項3のいずれかに記載のセンサレスモー
    タ駆動回路。
  5. 【請求項5】 前記センサレスモータは、光ディスクの
    回転に用いられる請求項1に記載の1ないし請求項3の
    いずれかに記載のセンサレスモータ駆動回路。
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