JP4522059B2 - モータ駆動装置およびモータ駆動方法 - Google Patents

モータ駆動装置およびモータ駆動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ駆動装置およびモータ駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転記録媒体(光ディスク、磁気ディスク等)が装着される電子機器は、主として、回転記録媒体を回転させるためのモータ(スピンドルモータ、スレッドモータ等)と、モータの回転を制御するためのモータ駆動用集積回路と、を有している。上記のモータは、回転記録媒体を回転させるモードに応じて、正回転または逆回転することとなる。そのため、モータ駆動用集積回路は、モータを正回転または逆回転させるための駆動信号を出力する信号処理回路を有している。詳しくは、信号処理回路がモータを正回転させるための駆動信号を出力すると、モータの駆動コイルはこの正回転の駆動信号に基づくタイミングで適宜通電し、モータは正回転することとなる。また、信号処理回路がモータを逆回転させるための駆動信号を出力すると、モータの駆動コイルはこの逆回転の駆動信号に基づくタイミングで適宜通電し、モータは逆回転することとなる。なお、上記の技術は、例えば以下の特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−320895号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、モータの回転方向を逆転させるときに以下の問題を生じることとなる。上記の信号処理回路では、モータの回転方向を逆転させるための信号を受信すると、モータが正回転または逆回転している状態で停止していないにも関わらず、モータを正回転または逆回転させるための駆動信号を強制的に切り替えて出力することとなる。これにより、モータは、脱調しながら減速することとなる。
【0005】
<問題1>
モータの駆動コイルには、無効電流が流れる。これにより、モータの回転方向が逆転するまでの時間は長くなる。
<問題2>
モータの駆動コイルを通電する駆動トランジスタには、貫通電流が流れる可能性がある。これにより、モータは、発熱、雑音等の影響を受けて正常に動作しなくなる可能性がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための主たる発明は、モータを正回転または逆回転させるための駆動信号を出力する信号処理回路と、前記駆動信号に基づいて、前記モータの駆動コイルを通電する駆動トランジスタと、を有するモータ駆動装置において、前記モータの回転方向を逆転するとき、前記モータが正回転または逆回転している状態から停止するまで、前記モータの制動を行う制動手段と、前記モータが停止した後、前記信号処理回路から出力される駆動信号の切り替えを行う切替手段と、を備えたことを特徴とするモータ駆動装置である。
【0007】
本発明の上記以外の特徴とするところは、本明細書および添付図面の記載により明らかとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
===開示の概要===
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0009】
モータを正回転または逆回転させるための駆動信号を出力する信号処理回路と、前記駆動信号に基づいて、前記モータの駆動コイルを通電する駆動トランジスタと、を有するモータ駆動装置において、前記モータの回転方向を逆転するとき、前記モータが正回転または逆回転している状態から停止するまで、前記モータの制動を行う制動手段と、前記モータが停止した後、前記信号処理回路から出力される駆動信号の切り替えを行う切替手段と、を備えたことを特徴とするモータ駆動装置。このモータ駆動装置によれば、モータの脱調を防止するとともに、モータの回転方向を逆転するまでの時間を短縮することが可能となる。
【0010】
また、かかるモータ駆動装置において、前記制動手段は、前記駆動コイルに生じる逆起信号を減衰させるタイミングで、前記駆動トランジスタを通電することとする。このモータ駆動装置によれば、モータの脱調を効果的に防止することが可能となる。
【0011】
また、かかるモータ駆動装置において、前記切替手段は、前記モータが停止したことを検出して起動信号を作成し、この起動信号に基づいて、前記信号処理回路から出力される駆動信号の切り替えを行うこととする。例えば、前記切替手段は、前記モータが停止してから計数を行うカウンタを有し、前記カウンタが所定値を計数したときの出力を前記起動信号とすることとする。このモータ駆動装置によれば、モータの停止を確実に検出するので、モータの回転方向を逆転するまでの時間を効果的に短縮することが可能となる。
【0012】
また、かかるモータ駆動装置を用いて、複数相の駆動コイルを有するセンサレスモータを駆動すると効果的である。
【0013】
また、モータを正回転または逆回転させるための駆動信号を出力する信号処理回路と、前記駆動信号に基づいて、前記モータの駆動コイルを通電する駆動トランジスタと、を有するモータ駆動装置において、前記モータの回転方向を逆転するとき、前記モータが正回転または逆回転している状態から停止するまで、前記モータの制動を行うステップと、前記モータが停止した後、前記信号処理回路から出力される駆動信号の切り替えを行うステップと、を有することを特徴とするモータ駆動方法。このモータ駆動方法によれば、モータの脱調を防止するとともに、モータの回転方向を逆転するまでの時間を短縮することが可能となる。
【0014】
===全体の構成===
図1、図2および図3を参照しつつ、本発明にかかる全体の構成について説明する。図1は、本発明のモータ駆動装置を説明するための構成図である。図2は、本発明のモータ駆動装置の動作を説明するための波形図である。図3は、図1の正逆回路の動作を説明するための波形図である。なお、本実施形態では、モータ駆動装置は、3相のセンサレスモータ(例えば、スピンドルモータ、スレッドモータ等)を駆動する集積回路であることとする。ここで、センサレスモータは、ロータおよびステータの相対位置を検知するための素子(例えば、ホール素子)を持たないモータのことである。
【0015】
図1において、U相駆動コイル2、V相駆動コイル4、W相駆動コイル6は、スター結線されるとともに120度の電気角を有しており、センサレスモータのステータに固着されている。
【0016】
Nチャンネル型MOSFET8は、U相駆動コイル2を通電するためのソース側の駆動トランジスタ、Nチャンネル型MOSFET10は、U相駆動コイル2を通電するためのシンク側の駆動トランジスタである。Nチャンネル型MOSFET8、10のドレインソースは、電源Vpと接地との間に直列接続され、Nチャンネル型MOSFET8、10のドレインソース接続部は、U相駆動コイル2の一端と接続されている。同様に、Nチャンネル型MOSFET12は、V相駆動コイル4を通電するためのソース側の駆動トランジスタ、Nチャンネル型MOSFET14は、V相駆動コイル4を通電するためのシンク側の駆動トランジスタである。Nチャンネル型MOSFET12、14のドレインソースは、電源Vpと接地との間に直列接続され、Nチャンネル型MOSFET12、14のドレインソース接続部は、V相駆動コイル4の一端と接続されている。同様に、Nチャンネル型MOSFET16は、W相駆動コイル6を通電するためのソース側の駆動トランジスタ、Nチャンネル型MOSFET18は、W相駆動コイル6を通電するためのシンク側の駆動トランジスタである。Nチャンネル型MOSFET16、18のドレインソースは、電源Vpと接地との間に直列接続され、Nチャンネル型MOSFET16、18のドレインソース接続部は、W相駆動コイル6の一端と接続されている。そして、Nチャンネル型MOSFET8、10、12、14、16、18を後述する適宜のタイミングでオンオフすることによって、U相駆動コイル2、V相駆動コイル4、W相駆動コイル6に駆動電流が流れて、センサレスモータは回転(例えば正回転)することとなる。これにより、U相駆動コイル2、V相駆動コイル4、W相駆動コイル6の一端には、電気角120度の位相差を有する駆動電圧Vu、Vv、Vwが現れるとともに、U相駆動コイル2、V相駆動コイル4、W相駆動コイル6の共通接続部には、破線の中性点電圧Vcomが現れる。なお、駆動電圧Vu、Vv、Vw上における上方向および下方向の重畳パルスKBは、Nチャンネル型MOSFET8、10、12、14、16、18がオンオフすることによって、U相駆動コイル2、V相駆動コイル4、W相駆動コイル6を流れる駆動電流の方向が変化するときに生じるキックバックパルスである。なお、駆動トランジスタとしては、MOSFETの代わりにバイポーラトランジスタを使用することも可能である。
【0017】
切り換え回路20は、U端子、V端子、W端子を有し、U端子、V端子、W端子には、駆動電圧Vu、Vv、Vwが供給される。切り換え回路20は、U端子、V端子、W端子を電気角60度のタイミングで切り換えて、駆動電圧Vu、Vv、Vwの何れか1つを出力するものである。切り換え回路20は、センサレスモータが正回転するとき、U端子、W端子、V端子の順で繰り返し切り換え、一方、センサレスモータが逆回転するとき、U端子、V端子、W端子の順で繰り返し切り換えることとなる。
【0018】
コンパレータ22は、切り換え回路20から得られる駆動電圧Vu、Vv、Vwの何れか1つ(+端子)と中性点電圧Vcom(−端子)とを比較するものである。これにより、コンパレータ22からは、電気角60度のタイミングで変化する矩形の比較信号CPが出力される。なお、比較信号CP上における上方向および下方向の重畳パルスは、キックバックパルスKBに基づくものである。本実施形態では、切り換え回路20を設けることによって、1個のコンパレータを設けるだけで済むので、素子数を削減することが可能となる。
【0019】
分配回路32は、U端子、V端子、W端子を有し、U端子、V端子、W端子を切り換え回路20と同一タイミングで切り換えて、比較信号CPを分配して出力するものである。なお、分配回路32は、センサレスモータが正回転するとき、U端子、W端子、V端子の順で繰り返し切り換え、一方、センサレスモータが逆回転するとき、U端子、V端子、W端子の順で繰り返し切り換えることとなる。
【0020】
分配回路32のU端子からは、電気角60度の断片的な信号が得られるだけで、U相駆動コイル2を通電するための電気角120度の信号が欠落している。同様に、分配回路32のV端子からも、電気角60度の断片的な信号が得られるだけで、V相駆動コイル4を通電するための電気角120度の信号が欠落している。同様に、分配回路32のW端子からも、電気角60度の断片的な信号が得られるだけで、W相駆動コイル6を通電するための電気角120度の信号が欠落している。なお、分配回路32のU端子、V端子、W端子から得られる信号には、キックバックパルスKBに対応するノイズが重畳されている。
【0021】
マスク回路34は、分配回路32のU端子から得られる電気角60度の信号からキックバックパルスKBに対応するノイズを除去し、この電気角60度の信号を用いてU相駆動コイル2を駆動するための連続するマスク信号Umaskを生成して出力する。同様に、マスク回路34は、分配回路32のV端子から得られる電気角60度の信号からキックバックパルスKBに対応するノイズを除去し、この電気角60度の信号を用いてV相駆動コイル4を駆動するための連続するマスク信号Vmaskを生成して出力する。同様に、マスク回路34は、分配回路32のW端子から得られる電気角60度の信号からキックバックパルスKBに対応するノイズを除去し、この電気角60度の信号を用いてW相駆動コイル6を駆動するための連続するマスク信号Wmaskを生成して出力する。なお、マスク信号Umask、Vmask、Wmaskは、電気角120度の位相差を有する。
【0022】
合成回路38は、マスク回路34から得られるマスク信号Umask、Vmask、Wmaskを合成して、電気角60度のタイミングで変化する矩形の合成信号FGを出力する。すなわち、合成信号FGは、比較信号CPからキックバックパルスKBに基づく重畳パルスを除去したものとなる。
【0023】
位相比較器40、フィルタ42、バッファ44、電圧制御発振器46、1/N分周器48は、PLL回路を構成する。位相比較器40は、合成回路38から得られる合成信号FGと、1/N分周器48から得られる分周信号DVとの位相差に応じたパルス幅を有する電圧信号を出力するものである。例えば、位相比較器40は、合成信号FGの位相が分周信号DVの位相より進んでいる状態では、正の電圧信号を出力し、一方、合成信号FGの位相が分周信号DVの位相より遅れている状態では、負の電圧信号を出力する。この電圧信号は、フィルタ42で積分され、その後、バッファ44を介して電圧制御発振器46に供給される。電圧制御発振器46は、バッファ44から得られる電圧信号と対応する周波数信号VCOを出力して、1/N分周器48に供給する。この動作を繰り返すことによって、合成信号FGの位相と分周信号DVの位相は、一致することとなる。本実施形態では、合成信号FGの1/2周期(ハイレベルまたはローレベル)が周波数信号VCOの複数周期となるように、1/N分周器48の分周数Nを設定することとする。
【0024】
センサレスロジック回路52は、U相駆動コイル2、V相駆動コイル4、W相駆動コイル6を適宜のタイミングで通電するための信号を出力するものである。センサレスロジック回路52は、センサレスモータ自体が初期状態でのロータおよびステータ間の相対位置を推定できないことを考慮して、予め定められたマスク信号Umask、Vmask、Wmaskの初期レベルから動作することとなる(例えば、マスク信号Umask、Vmask、Wmaskの初期レベルを"L""L""H"とする)。センサレスロジック回路52は、通電信号Uiogic1(=Umask−Vmask)、Vlogic1(=Vmask−Wmask)、Wlogic1(=Wmask−Umask)を作成する。そして、センサレスロジック回路52は、通電信号Ulogic1が"M"レベルとなる期間、切り換え回路20のU端子と分配回路32のU端子を選択するための信号を出力する。同様に、センサレスロジック回路52は、通電信号Vlogic1が"M"レベルとなる期間、切り換え回路20のV端子と分配回路32のV端子を選択するための信号を出力する。同様に、センサレスロジック回路52は、通電信号Wlogic1が"M"レベルとなる期間、切り換え回路20のW端子と分配回路32のW端子を選択するための信号を出力する。そして、センサレスロジック回路52は、通電信号Ulogic1、Vlogic1、Wlogic1から遅延する通電信号(駆動信号)Ulogic2、Vlogic2、Wlogic2を作成して出力する。
【0025】
正逆回路54(制動手段)は、センサレスモータのブレーキと、センサレスモータの回転方向の逆転と、を行うものである。正逆回路54は、外部装置等から供給されるブレーキ指示信号に基づいて、逆転トルクブレーキを実行する。逆転トルクブレーキは、図3に示すように、U相駆動コイル2、V相駆動コイル4、W相駆動コイル6に生じる正弦波の逆起信号を減衰させる方向に通電するものである。これにより、センサレスモータは、減速または停止することとなる。また、正逆回路54は、外部装置等から供給される回転指示信号FR(例えば、正回転時"H"、逆回転時"L"とする)の変化に基づいて、先ず、逆転トルクブレーキを実行してセンサレスモータを停止させ、その後、回転方向の逆転を実行する。このとき、センサレスモータが正方向へ回転するときのマスク信号Umask、Vmask、Wmaskと、センサレスモータが逆方向へ回転するときのマスク信号Umask、Vmask、Wmaskとは、V相およびW相のマスク信号が入れ替わることとなる。これにより、センサレスモータは、回転方向が逆転して加速することとなる。なお、ブレーキ指示信号が存在せず回転指示信号FRが変化しないとき、通電信号Ulogic2、Vlogic2、Wlogic2は、正逆回路54を介してそのまま出力される。
【0026】
Nチャンネル型MOSFET8、10、12、14、16、18は、正逆回路54の出力信号によってオンオフすることとなる。
【0027】
起動カウンタ58は、センサレスモータが起動しないとき、合成信号FGの電気角60度のタイミングを基準として計数を行うものである。そして、センサレスロジック回路52は、起動カウンタ58が所定値を計数したとき、マスク信号Umask、Vmask、Wmaskのレベルを次の電気角60度のレベルに変更する。これにより、センサレスモータは、再度起動されることとなる。
【0028】
なお、正逆回路54の出力信号を得るまでの信号処理を行うブロック全体が、信号処理回路である。また、センサレスロジック回路52および起動カウンタ58は、切替手段である。
【0029】
===センサレスロジック回路の正回転および逆回転のロジック===
次に、図4を参照しつつ、センサレスロジック回路52が有する正回転および逆回転のロジックについて説明する。図4(a)は、図1のセンサレスロジック回路が有する正回転のロジックを説明するための図、図4(b)は、図1のセンサレスロジック回路が有する逆回転のロジックを説明するための図である。なお、図4(a)(b)の期間1乃至6の各々は、電気角60度に相当する。
【0030】
≪正回転のロジック≫
センサレスモータは、初期状態でのロータおよびステータ間の相対位置を推定することができない。そこで、センサレスモータを起動して正回転させるとき、センサレスロジック回路52は、電気角60度を経過するその都度、次のマスク信号Umaskを前のマスク信号Vmaskの反転とし、次のマスク信号Vmaskを前のマスク信号Wmaskの反転とし、次のマスク信号Wmaskを前のマスク信号Umaskの反転とするための信号処理を行う。これにより、マスク信号Umask、Vmask、Wmaskが図4(a)の順序で変化し、センサレスモータを正回転させることが可能となる。
【0031】
≪逆回転のロジック≫
次に、センサレスモータを起動して逆回転させるとき、センサレスロジック回路52は、電気角60度を経過するその都度、次のマスク信号Umaskを前のマスク信号Wmaskの反転とし、次のマスク信号Vmaskを前のマスク信号Umaskの反転とし、次のマスク信号Wmaskを前のマスク信号Vmaskの反転とするための信号処理を行う。これにより、マスク信号Umask、Vmask、Wmaskが図4(b)の順序で変化し、センサレスモータを逆回転させることが可能となる。
【0032】
===センサレスモータの回転方向の逆転動作===
次に、図1および図5を参照しつつ、センサレスモータの回転方向の逆転動作について説明する。図5は、本発明のモータ駆動装置の逆転動作を説明するためのフローチャートである。なお、回転指示信号FRは"H"であり、センサレスモータは正回転していることとする。
【0033】
≪ステップS2≫
センサレスモータが正回転している状態において、正逆回路54に入力されている回転指示信号FRは"H"であるので、以後、"H"を継続するか、または、"H"から"L"へ変化することとなる。つまり、正逆回路54は、回転指示信号FRの変化が入力可能な状態となっている。
【0034】
≪ステップS4≫
正逆回路54に入力される回転指示信号FRが"H"を継続しているとき、すなわち、上記のステップS2が否定されているとき、センサレスロジック回路52から得られる正回転のための通電信号Ulogic2、Vlogic2、Wlogic2は、正逆回路54からそのまま出力される。これにより、センサレスモータは、図4(a)の正回転ロジックに従って正回転を継続することとなる。
【0035】
≪ステップS6≫
正逆回路54に入力される回転指示信号FRが外部装置等からの指示に基づいて"H"から"L"へ変化すると、すなわち、上記のステップS2が肯定されると、正逆回路54は、図4(a)の正回転ロジックを維持したままで上記の逆転トルクブレーキを実行する。これにより、センサレスモータの正方向の回転速度は減速し、U相駆動コイル2、V相駆動コイル4、W相駆動コイル6に現れる駆動電圧Vu、Vv、Vwの振幅は、U相駆動コイル2、V相駆動コイル4、W相駆動コイル6に現れる逆起信号の振幅とともに減衰していくこととなる。
【0036】
≪ステップS8≫
センサレスモータが回転しているとき、U相駆動コイル2、V相駆動コイル4、W相駆動コイル6の接続部に現れる中性点電圧Vcomは、逆起信号との交点(ゼロクロス)を有する。この交点は、比較信号CPが電気角60度の間隔で変化するタイミングであり、センサレスモータが回転するための基準となるタイミングである。しかし、この交点は、逆起信号の振幅が減衰してゼロとなったとき得られなくなる。このとき、センサレスロジック回路52から得られる通電信号Ulogic2、Vlogic2、Wlogic2のレベルは3論理値"H""M""L"から1論理値"M"へ固定され、センサレスモータの回転は停止することとなる。
【0037】
そこで、センサレスロジック回路52は、通電信号Ulogic2、Vlogic2、Wlogic2が"M"に固定されて停止したとき、起動カウンタ58に対して、計数を行うための指示信号を出力する。これにより、起動カウンタ58は、起動カウンタ58自体の計数値がリセットされ、適宜のクロックの計数を開始して、所定周期T1のクロックを計数することとなる。
【0038】
≪ステップS10≫
起動カウンタ58は、所定周期T1のクロックを計数したとき、起動カウンタ58自体の計数値T1がリセットされ、適宜のクロックの計数を再度開始して、所定周期T1のクロックを計数することとなる。
一方、起動カウンタ58は、所定周期T1のクロックを計数したとき、正逆回路54に対して、逆転トルクブレーキを停止するための指示信号を出力する。これにより、正逆回路54は、U相駆動コイル2、V相駆動コイル4、W相駆動コイル6に対する逆転トルクブレーキの動作を停止する。
【0039】
なお、起動カウンタ58が適宜のクロックの計数を再度開始してから所定周期T2(<T1:例えば2周期)のクロックを計数するまでの間、Nチャンネル型MOSFET8、10、12、14、16、18はオフし、Nチャンネル型MOSFET8、10のドレインソース路、Nチャンネル型MOSFET12、14のドレインソース路、Nチャンネル型MOSFET16、18のドレインソース路に貫通電流が流れるのを防止することが可能となる。
【0040】
以上より、起動カウンタ58が所定周期T1およびT2のクロックを上記の適宜のタイミングで計数することで、センサレスモータが安定した状態で停止するタイミングを得ることが可能となる。
【0041】
≪ステップS12≫
起動カウンタ58が所定周期T2を計数したとき、センサレスロジック回路52では、現在設定されている図4(a)の正回転ロジックが図4(b)の逆回転ロジックへ切り替わる。このとき、センサレスモータは、逆回転可能な状態となる。そして、起動カウンタ58は、所定周期T1のクロックを再度計数したとき、センサレスロジック回路52に対して起動信号を出力する。センサレスロジック回路52は、この起動信号を受信することによって、図4(b)の逆回転ロジックに基づく通電信号Ulogic2、Vlogic2、Wlogic2を作成して出力する。これにより、センサレスモータは、上記の停止したタイミングから逆回転することとなる。そして、正逆回路54は、回転指示信号FRの変化が入力可能な状態となって、上記のステップS2以降を再度実行することとなる。
【0042】
以上より、センサレスモータの回転方向は、正回転の制動、停止、逆回転を上記の適宜のタイミングで順次実行することで、正回転から逆回転へ脱調することなく滑らかな状態で且つ短時間で逆転することとなる。なお、センサレスモータの回転方向を逆回転から正回転へ逆転させる場合も、上記のステップを実行することによって同様の作用効果を得ることが可能となる。
【0043】
また、センサレスモータは初期状態でのロータおよびステータ間の相対位置を推定できないので、正回転ロジックおよび逆回転ロジックを上記のタイミングで切り替えることは効果的である。
【0044】
===その他の実施形態===
以上、本発明に係るモータ駆動装置について説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易とするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0045】
≪制動手段≫
本実施形態では、センサレスモータは、正回転または逆回転している状態から停止するまで、逆転トルクブレーキを用いて減速することとして説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、U相駆動コイル2、V相駆動コイル4、W相駆動コイル6の一端を短絡するショートブレーキを用いることとしてもよい。これにより、センサレスモータは、減速が滑らかではなくなるが、脱調することなく短時間で逆転することとなる。
【0046】
≪切替手段≫
本実施形態では、センサレスロジック回路52は、図4(a)の順序で正回転ロジックを実行し、図4(b)の順序で逆回転ロジックを実行することとして説明している。しかし、センサレスモータを起動するときのマスク信号Umask、Vmask、Wmaskの初期レベルは、期間1乃至6の何れに設定してもよい。
【0047】
≪駆動トランジスタ≫
本実施形態では、Nチャンネル型MOSFETであるが、これに限定されるものではない。例えば、Pチャンネル型MOSFET、NPN型バイポーラトランジスタ、PNP型バイポーラトランジスタの何れかを使用することも可能である。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、モータの脱調および貫通電流を防止するとともに、モータの回転方向を逆転するまでの時間を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータ駆動装置を説明するための構成図である。
【図2】本発明のモータ駆動装置の動作を説明するための波形図である。
【図3】図1の正逆回路の動作を説明するための波形図である。
【図4】図1のセンサレスロジック回路が有する正回転および逆回転のロジックを説明するための図である。
【図5】本発明のモータ駆動装置の逆転動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
2 U相駆動コイル
4 V相駆動コイル
6 W相駆動コイル
8、10、12、14、16、18 Nチャンネル型MOSFET
52 センサレスロジック回路
54 正逆回路
58 起動カウンタ

Claims (6)

  1. モータを正回転または逆回転させるための駆動信号を出力する信号処理回路と、前記駆動信号に基づいて、前記モータの駆動コイルを通電する複数の駆動トランジスタと、を有するモータ駆動装置において、
    前記モータの回転方向を逆転するとき、前記モータが正回転または逆回転している状態から停止するまで、前記モータの制動を行う制動手段と、
    前記モータが停止したとみなした後、前記駆動トランジスタの全てをオフさせてから前記信号処理回路から出力される駆動信号の切り替えを行う切替手段と、
    を備えたことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記制動手段は、前記駆動コイルに生じる逆起信号を減衰させるタイミングで、前記駆動トランジスタを通電することを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
  3. 前記切替手段は、前記モータが停止したことを検出して起動信号を作成し、この起動信号に基づいて、前記信号処理回路から出力される駆動信号の切り替えを行うことを特徴とする請求項1または2記載のモータ駆動装置。
  4. 前記切替手段は、前記モータが停止してから計数を行うカウンタを有し、前記カウンタが所定値を計数したときの出力を前記起動信号とすることを特徴とする請求項3記載のモータ駆動装置。
  5. 前記モータは、複数相の駆動コイルを有するセンサレスモータであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のモータ駆動装置。
  6. モータを正回転または逆回転させるための駆動信号を出力する信号処理回路と、前記駆動信号に基づいて、前記モータの駆動コイルを通電する複数の駆動トランジスタと、を有するモータ駆動装置において、
    前記モータの回転方向を逆転するとき、前記モータが正回転または逆回転している状態から停止するまで、前記モータの制動を行うステップと、
    前記モータが停止したとみなした後、前記駆動トランジスタの全てをオフさせてから前記信号処理回路から出力される駆動信号の切り替えを行うステップと、
    を有することを特徴とするモータ駆動方法。
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