JPH08116658A - 磁石可動型リニアアクチュエータ及びポンプ - Google Patents

磁石可動型リニアアクチュエータ及びポンプ

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JPH08116658A
JPH08116658A JP27572494A JP27572494A JPH08116658A JP H08116658 A JPH08116658 A JP H08116658A JP 27572494 A JP27572494 A JP 27572494A JP 27572494 A JP27572494 A JP 27572494A JP H08116658 A JPH08116658 A JP H08116658A
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康之 平林
Takatoshi Oyama
貴俊 大山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁石可動体のストローク端近傍での推力を強
化し、負荷の変動に伴う磁石可動体のストロークの変動
を抑え、用途や使用目的に合わせた推力カーブを持つこ
とを可能とする。 【構成】 同極対向された永久磁石5A,5B間に中間
部軟磁性体6を設けて磁石可動体3を構成し、相互の位
置関係が一定に規制された3連のコイル2A,2B,2
Cの内側に当該磁石可動体3を移動自在に設け、前記3
連のコイル2A,2B,2Cの両端側で前記磁石可動体
3の移動を妨げない位置に固定側の軟磁性体8A,8B
を固定配置し、前記3連のコイル2A,2B,2Cを、
推力発生時において各永久磁石5A,5Bの磁極間を境
にして相異なる方向に電流が流れる如く結線した構成で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御機器、電子機器、
工作機械等において電気エネルギーを電磁作用により往
復運動エネルギー等に変換させる磁石可動型の往復運動
装置であり、バイブレータ、流体ポンプ、コンプレッサ
等の用途に使用できる磁石可動型リニアアクチュエータ
及びポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁石可動型の往復運動装置として
は、特開平6−38486号で開示され、図15に示さ
れる磁石可動型リニアアクチュエータがある。
【0003】図15の従来例において、1は軟磁性体の
円筒状ヨークであり、該円筒状ヨーク1の内側に3連の
コイル2A,2B,2Cが配置され、磁石可動体11を
摺動自在に案内するためのガイド筒体10を構成する絶
縁樹脂等の絶縁部材で円筒状ヨーク1に固着されてい
る。磁石可動体11は同極対向配置の2個の円柱状永久
磁石5A,5Bと、これらの永久磁石5A,5B間に固
着される円柱状中間部軟磁性体6とを一体化したもので
ある。前記3連のコイル2A,2B,2Cは、磁石可動
体11の外周側を周回する如く巻回され、磁石可動体1
1を構成する永久磁石5Aの左端、永久磁石5A,5B
の同極対向端、及び永久磁石5Bの右端の磁極からの磁
束とそれぞれ鎖交するように配置されている。これらの
コイル2A,2B,2Cは推力発生時において永久磁石
5A,5Bの磁極間を境にして相異なる方向に電流が流
れる如く結線されている(磁極間の境は磁極と磁極の間
であれば必ずしも磁極中間位置になくともよい。)。そ
して、コイル2A,2B,2Cと磁石可動体11との位
置関係は、当該磁石可動体11の大部分の可動位置にお
いて、永久磁石磁極間を境にして各コイルに流れる電流
が相互に逆向きとなるように設定しておく。なお、永久
磁石5A,5Bの外側端面には必要に応じて推力を外部
に伝達するためのピン7等を図15の仮想線の如く設け
てもよい。
【0004】ここで、上記従来例において、磁石可動体
11に発生する推力は、基本的にはフレミングの左手の
法則に基づいて与えられる推力に準ずるものである(フ
レミングの左手の法則はコイルに対して適用されるが、
ここではコイルが固定のため、磁石可動体にコイルに作
用する力の反力としての推力が発生する。)。したがっ
て、推力に寄与するのは、磁石可動体11が有する永久
磁石5A,5Bの磁束の垂直成分(永久磁石5A,5B
の軸方向に直交する成分)である。
【0005】ところで、磁石可動体11の構造を、図1
5のように2個の永久磁石5A,5Bを同極対向させか
つ永久磁石5A,5B間に中間部軟磁性体6を配置する
ことにより、中間部軟磁性体位置の表面磁束密度の垂直
成分が、中間部軟磁性体の無い場合よりも大きくできる
ことがわかっている。また、各コイル2A,2B,2C
の外周側に軟磁性体の円筒状ヨーク1を設けた場合に
は、磁石可動体11の表面磁束密度の垂直成分をさらに
増大させることが可能である。
【0006】以上のように、2個の永久磁石5A,5B
を同極対向させかつ永久磁石間に中間部軟磁性体6を設
けた磁石可動体11は、フレミングの左手の法則に基づ
く推力に寄与できる磁石可動体11の長手方向に垂直な
磁束成分を大きくでき、かつ3連のコイル2A,2B,
2Cは永久磁石の全磁極の磁束と有効に鎖交するので、
3連のコイル2A,2B,2Cに交互に逆極性の磁界を
発生する向きに電流を通電することにより、大きな推力
を発生することができる。各コイルの電流を反転させれ
ば磁石可動体11の推力の向きも反転する。交流電流を
流した場合には、一定周期で振動を繰り返すバイブレー
タとして働く。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、磁石
可動型リニアアクチュエータにおける磁石可動体に発生
する推力は、基本的にはフレミングの左手の法則に基づ
いて与えられる推力に準ずるものであり、推力を大きく
するにはコイルと鎖交する永久磁石の磁束の垂直成分
(永久磁石の軸方向に直交する成分)が多いことが望ま
れるが、図15の従来例の構造では、図16の曲線
(イ)に示す磁石可動体11の軸方向変位量と推力(g
f)との関係より、磁石可動体11のストロークの中心
(変位量零)で最大推力となり、両側のストローク端に
いくほど推力が小さくなっていることがわかる。この特
性は、永久磁石間に中間部軟磁性体を設けたり、コイル
の外周側に軟磁性体ヨークを設けたりして、永久磁石の
磁束の垂直成分の増加を図っても同様に表れる。
【0008】なお、図16の曲線(イ)の測定は、直径
2.5mm、長さ3mmの希土類永久磁石5A,5Bの間に
長さ1mmの軟磁性体6を配置してなる磁石可動体11を
用いた磁石可動型リニアアクチュエータにおいて、3連
のコイル2A,2B,2Cに40mAの電流を流し、磁
石可動体11の中間点が中央のコイル2Bの中間点に位
置するときを変位量零として行ったものである(但し、
円筒状ヨーク1の影響を無視した。)。
【0009】前述のように、磁石可動体のストローク端
近傍での推力が小さいため、磁石可動型リニアアクチュ
エータへの負荷、すなわち磁石可動体11への負荷が大
きくなるとストロークが小さくなってしまい、負荷の大
きさが変動するとストロークも変動してしまう。
【0010】また、図15の従来例の構造をもとにポン
プを構成する場合、磁石可動体に連結されたピストンや
ダイアフラムを往復駆動する際、ピストンやダイアフラ
ムが磁石可動体のストローク端側に押される距離が大き
くなるほど、ピストンやダイアフラムが元に戻ろうとす
る反発力が大きくなる。すなわち、磁石可動体の変位量
が大きいほど前記反発力が強くなる。従って、前述のよ
うに、磁石可動体は両側のストローク端にいくほど推力
が小さくなるため、反発力に抗しきれず充分なストロー
クを確保できないので、ポンプの効率向上が困難であっ
た。
【0011】本発明は、上記の点に鑑み、磁石可動体の
ストローク端近傍での推力を強化し、負荷の変動に伴う
磁石可動体のストロークの変動を抑え、用途や使用目的
に合わせた推力カーブを持つことを可能にした磁石可動
型リニアアクチュエータ及びポンプを提供することを目
的とする。
【0012】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施例において明らかにする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の磁石可動型リニアアクチュエータは、同極
対向された少なくとも2個の永久磁石間に中間部軟磁性
体を設けて磁石可動体を構成し、相互の位置関係が一定
に規制された少なくとも3連のコイルの内側に当該磁石
可動体を移動自在に設け、前記少なくとも3連のコイル
の少なくとも一端側又は両端側で前記磁石可動体の移動
を妨げない位置に固定側軟磁性体を固定配置し、前記少
なくとも3連のコイルを、推力発生時において各永久磁
石の磁極間を境にして相異なる方向に電流が流れる如く
結線した構成としている。
【0014】また、本発明の磁石可動型ポンプは、同極
対向された少なくとも2個の永久磁石間に中間部軟磁性
体を設けて磁石可動体を構成し、相互の位置関係が一定
に規制された少なくとも3連のコイルの内側に当該磁石
可動体を移動自在に設け、前記少なくとも3連のコイル
の少なくとも一端側又は両端側で前記磁石可動体の移動
を妨げない位置に固定側軟磁性体を固定配置し、前記少
なくとも3連のコイルを、推力発生時において各永久磁
石の磁極間を境にして相異なる方向に電流が流れる如く
結線し、前記少なくとも3連のコイルに対し一定位置関
係に設けられたケーシング室に対し往復駆動体を設ける
とともに、該往復駆動体を前記磁石可動体に連結した構
成としている。
【0015】また、前記磁石可動型リニアアクチュエー
タ及びポンプにおいて、前記少なくとも3連のコイルの
コイル間にも固定側軟磁性体を固定配置してもよい。
【0016】さらに、前記磁石可動型リニアアクチュエ
ータ及びポンプにおいて、前記少なくとも3連のコイル
の外周側に、前記固定側軟磁性体と一体又は別体に形成
した軟磁性体ヨークを設けて、前記永久磁石の着磁方向
に垂直な方向の磁束成分を増加させるための磁気回路を
構成してもよい。
【0017】また、前記磁石可動型リニアアクチュエー
タ及びポンプにおいて、前記磁石可動体の軸方向両端に
位置する前記永久磁石の外側端面に端部軟磁性体を設け
てもよい。
【0018】前記磁石可動型リニアアクチュエータにお
いて、前記磁石可動体の片側又は両側に当該磁石可動体
を押し戻すばね又は当該磁石可動体に対して反発力を発
生する戻し用永久磁石を配設してもよい。
【0019】前記磁石可動型ポンプにおいて、前記ケー
シング室がシリンダ室を構成し、該シリンダ室に前記往
復駆動体としてのピストンを摺動自在に設けてもよい。
【0020】また、前記磁石可動型ポンプにおいて、前
記往復駆動体が可撓性を有するダイアフラムであり、該
ダイアフラム周縁部が前記ケーシング室に固定されてい
る構成であってもよい。
【0021】
【作用】本発明の磁石可動型リニアアクチュエータ及び
ポンプにおいては、同極対向された少なくとも2個の永
久磁石間に中間部軟磁性体を設けて磁石可動体を構成
し、相互の位置関係が一定に規制された少なくとも3連
のコイルの内側に当該磁石可動体を移動自在に設け、前
記少なくとも3連のコイルの少なくとも一端側又は両端
側に固定側軟磁性体を固定配置し、前記少なくとも3連
のコイルを、推力発生時において各永久磁石の磁極間を
境にして相異なる方向に電流が流れる如く結線した構成
としている。この基本動作原理は、前記少なくとも3連
のコイルと磁石可動体の各磁極が発生する磁束とを有効
に鎖交可能として、磁石可動体の軸方向に垂直な磁束成
分と、各コイルに流れる電流との間のフレミングの左手
の法則に基づく推力で磁石可動体を駆動するものであ
り、各コイルの電流を反転させれば磁石可動体の推力の
向きも反転し、交流電流を流した場合には、一定周期で
振動を繰り返す往復運動を行う。
【0022】そして、同極対向された永久磁石間に中間
部軟磁性体を設けて磁石可動体を構成しているので、フ
レミングの左手の法則に基づく推力に寄与する磁石可動
体の軸方向(永久磁石の着磁方向)に垂直な磁束成分を
充分大きくできる。
【0023】また、前記少なくとも3連のコイルの少な
くとも一端側又は両端側に固定側軟磁性体を設けている
ので、磁石可動体がそのストローク端へ移動する際、当
該固定側軟磁性体に近づくと磁石可動体にはその永久磁
石と前記固定側軟磁性体との間にディテント力(無励磁
吸引力)が働き、ストローク端近傍側でのフレミングの
左手の法則に基づく推力低下を補う如く推力が強化され
ている。
【0024】さらに、磁石可動体の往復運動時に、磁石
可動体の一端が固定側軟磁性体を通過しても、その通過
した端部を引き戻す如く固定側軟磁性体のディテント力
が磁石可動体の進行方向と反対に働くため、機械的な規
制部材を設けずに磁石可動体のストロークを磁気的に規
制して往復運動させることも可能である。
【0025】このように、ストローク端近傍側での推力
が強くなっているので、従来の構成で問題であったアク
チュエータへの負荷、すなわち磁石可動体への負荷が増
加したときのストロークの減少を少なくすることがで
き、負荷の変動に伴う磁石可動体のストロークの変動を
抑えることができる。従って、小型、小電流で大きな推
力の磁石可動型リニアアクチュエータを実現できる。
【0026】また、前記少なくとも3連のコイルに対し
一定位置関係に設けられたケーシング室に対し往復駆動
体を設けるとともに、該往復駆動体を前記磁石可動体に
連結した構成の磁石可動型ポンプの場合は、磁石可動体
のストローク端側に押される距離、すなわち磁石可動体
及び往復駆動体の変位量の増加に伴って大きくなる反発
力に対して、磁石可動体の進行方向に働くディテント力
が対抗して磁石可動体及び往復駆動体のストロークの減
少を防ぎ、充分なストロークを確保できるとともに、負
荷の変動に伴うポンプ効率の変動を抑えることができ
る。また、交流電圧にて直接電磁往復動可能であるた
め、ばね等の機械的復帰機構が不要で機構の簡略化がで
き、磁石可動体の往復運動の方向に垂直な方向の偏りも
発生せず、円滑に磁石可動体を作動させることができ
る。従って、小型、小電流で効率良く駆動できる磁石可
動型ポンプを実現できる。
【0027】前記磁石可動型リニアアクチュエータ及び
ポンプにおいて、前記少なくとも3連のコイルのコイル
間にも固定側軟磁性体を固定配置した場合、磁石可動体
に働くディテント力を増加させることができ、磁石可動
体のストローク端近傍でのさらなる推力増加を図ること
ができる。
【0028】また、前記磁石可動型リニアアクチュエー
タ及びポンプにおいて、前記少なくとも3連のコイルの
外周側に、前記固定側軟磁性体と一体又は別体に形成し
た軟磁性体ヨークを設けて、前記永久磁石の着磁方向に
垂直な方向の磁束成分を増加させるための磁気回路を構
成した場合、前記ヨークを設けたことにより各永久磁石
のN極からS極に至る磁気回路の磁気抵抗が減少し、前
記磁石可動体の永久磁石から発生する総磁束が増加する
から、コイルに電流を通電することにより、フレミング
の左手の法則に基づいて与えられる推力をより大きくで
きる。
【0029】さらに、前記磁石可動型リニアアクチュエ
ータ及びポンプにおいて、前記永久磁石を軸方向に着磁
し、前記磁石可動体の軸方向両端に位置する前記永久磁
石の外側端面に端部軟磁性体を設けた場合、磁石可動体
の軸方向両端に位置する永久磁石の外側端面の磁極から
出た磁束が端部磁性体の存在で垂直方向に曲がり易くな
る等の理由で永久磁石の外側部分での磁束密度の垂直成
分(永久磁石の軸方向に直交する成分)が増大する。す
なわち、フレミングの左手の法則に基づく推力に寄与で
きる磁石可動体の軸方向に垂直な磁束成分を大きくで
き、コイルに電流を通電することにより、いっそう大き
な推力を発生することができる。
【0030】また、前記磁石可動型リニアアクチュエー
タ及びポンプにおいて、磁石可動体の質量や無励磁状態
の固定側軟磁性体のディテント力等から定まる固有振動
数と、少なくとも3連のコイルに供給する交流電流の周
波数を合わせることにより高効率な共振運動が可能とな
る。
【0031】前記磁石可動型リニアアクチュエータにお
いて、前記磁石可動体の片側又は両側に当該磁石可動体
を押し戻すばね又は当該磁石可動体に対して反発力を発
生する戻し用永久磁石を配設した場合、磁石可動体はあ
る程度変位したところでばねの弾性力又は戻し用永久磁
石の反発力で中間位置に戻される。従って、磁石可動体
が往復運動によってストローク端側に設けられた規制部
材等に当たるのを防ぎ、永久磁石への衝撃が抑えられ、
磁石の割れや欠けが防止されるとともに、衝突による衝
撃音の発生が防止でき、磁石可動体の往復運動の際の振
動や音の発生を低減することができる。なお、磁石可動
体の進行方向に働くディテント力は充分であるので、磁
石可動体のストローク端近傍でのばねの弾性力又は戻し
用永久磁石の反発力よる推力低下の影響はほとんどな
い。
【0032】また、前記磁石可動体の両側に当該磁石可
動体を押し戻すばね又は当該磁石可動体に対して反発力
を発生する戻し用永久磁石を配設した場合に、磁石可動
体の質量、無励磁状態の固定側軟磁性体のディテント
力、前記ばね又は前記戻し用永久磁石の反発力等から定
まる固有振動数と、少なくとも3連のコイルに供給する
交流電流の周波数を合わせることによりいっそう高効率
な共振運動が可能となる。
【0033】また、前記磁石可動型ポンプにおいて、前
記ケーシング室がシリンダ室を構成し、該シリンダ室に
前記往復駆動体としてのピストンを摺動自在に設けた場
合、ピストンのストローク端側への変位量の増加に伴っ
て大きくなる反発力に対して、磁石可動体の進行方向に
働くディテント力が対抗してピストンのストロークの減
少を防ぎ、充分なストロークを確保できるとともに、負
荷の変動に伴うポンプ効率の変動を抑えることができ
る。
【0034】また、前記磁石可動型ポンプにおいて、前
記往復駆動体が可撓性を有するダイアフラムであり、該
ダイアフラム周縁部が前記ケーシング室に固定されてい
る場合、ダイアフラムの弾性力が最大、すなわち負荷が
最大となるストローク端に磁石可動体が移動するときで
も、磁石可動体の進行方向に働くディテント力が対抗し
て充分な推力が得られ、ダイアフラムのストロークの減
少を防ぎ、充分なストロークを確保できるとともに、負
荷の変動に伴うポンプ効率の変動を抑えることができ
る。
【0035】
【実施例】以下、本発明に係る磁石可動型リニアアクチ
ュエータ及びポンプの実施例を図面に従って説明する。
【0036】図1及び図2は本発明の第1実施例である
磁石可動型リニアアクチュエータを示す。これらの図に
おいて、1は軟磁性体ヨークとしての円筒状ヨークであ
り、該円筒状ヨーク1の内側に、相互の位置関係が一定
に規制された3連のコイル2A,2B,2Cを有する絶
縁樹脂等のボビン4と、固定側軟磁性体である円環状
(穴あき円板状)軟磁性体8A,8Dとが配置固定され
ている。前記ボビン4は、磁石可動体3を摺動自在に案
内するガイド筒体を構成するものである。
【0037】磁石可動体3は、前記ボビン4の内周側を
摺動可能に設けられているものであって、同極対向配置
の2個の円柱状希土類永久磁石5A,5Bと、これらの
永久磁石5A,5B間に固着される円柱状中間部軟磁性
体6とからなり、それらの永久磁石5A,5B及び中間
部軟磁性体6は接着剤等で相互に一体化されている。前
記永久磁石5A,5Bは軸方向に着磁されており、一方
の端面がN極で他方の端面がS極になっている。
【0038】前記磁石可動体3の場合、該磁石可動体3
が有する永久磁石5A,5Bとして希土類永久磁石を用
いているので強力な磁極が形成され、しかも磁石可動体
3は同極対向された2個の永久磁石5A,5B間に中間
部軟磁性体6を設けて構成されているので、特に磁石可
動体3の中間位置での磁束密度の垂直成分(永久磁石の
軸方向に直交する成分)が多くなっており、磁石可動体
3の長手方向(永久磁石の着磁方向)に垂直な磁束成分
が充分大きくなっている。
【0039】前記各コイル2A,2B,2Cは、磁石可
動体3の周囲を取り巻くように、絶縁樹脂等で形成され
ているボビン4に巻線をそれぞれ環状に巻回して磁石可
動体3の各磁極が発生する磁束と有効に鎖交可能になっ
ている。前記ボビン4は、外径が円筒状ヨーク1の内径
と同径で内径が磁石可動体3の外径よりも僅かに大きな
鍔付き円筒状に形成されている。なお、このボビン4に
より3連のコイル2A,2B,2Cは鍔によって相互に
絶縁されて所望の間隔で一体化されており、各コイル毎
に別個のボビンを設ける必要がない。前記円環状軟磁性
体8A,8Dは、外径及び内径がそれぞれ前記ボビン4
と同径に形成されている。そして、ボビン4の両端面に
円環状軟磁性体8A,8Dが配設された状態で、それら
は円筒状ヨーク1内に嵌め込み固定されている。ボビン
4、円環状軟磁性体8A,8D及び円筒状ヨーク1の接
面部分は接着剤等で相互に固着するのが望ましい。これ
らのボビン4及び円環状軟磁性体8A,8Dは一体化さ
れた状態において磁石可動体3を軸方向に摺動自在に案
内するためのガイド筒体を構成しており、このガイド筒
体の内径は磁石可動体3の外径よりも僅かに大きく、内
周は円周面となっている。
【0040】そして、前記3連のコイル2A,2B,2
Cは推力発生時において永久磁石5A,5Bの磁極間を
境にして相異なる方向に電流が流れる如く結線されてい
る。すなわち、中央のコイル2Bは中間部軟磁性体6及
び永久磁石5A,5BのN極を含む端部を囲み、両側の
コイル2A,2Cは、永久磁石5A,5BのS極を含む
端部をそれぞれ囲むことができるようになっており、か
つ中央のコイル2Bに流れる電流の向きと、両側のコイ
ル2A,2Cの電流の向きとは逆向きである(図1の各
コイルに付したN,Sを参照)。なお、磁石可動体3の
端面には必要に応じて推力を外部に伝達するためのピン
7等が図1の仮想線の如く設けられる。ポケットベル用
等のバイブレータとして用いる場合、ピン7は不要であ
る。
【0041】ここで、上記第1実施例の動作について説
明する。まず、図1に示す極性になる如く、3連のコイ
ル2A,2B,2Cに交互に逆極性の磁界を発生する向
きに電流を通電する。磁石可動体3の長手方向に垂直な
磁束成分と各コイル2A,2B,2Cに流れる電流との
間にフレミングの左手の法則に基づく推力F1が得ら
れ、磁石可動体3は該推力F1により図1の右方向に移
動する。この推力F1は磁石可動体3の永久磁石として
希土類永久磁石を用いることで強力なものとすることが
できる。磁石可動体3の永久磁石5B右端面(極性S)
が円環状軟磁性体8Dに近づくと、永久磁石5Bの右端
面の磁極と円環状軟磁性体8Dとの間にディテント力
(無励磁吸引力)F2が働き、磁石可動体3はそのまま
の移動方向(右方向)に吸引される。そして、各コイル
2A,2B,2Cの電流を反転させ、図示した極性とは
逆になるように通電すると、磁石可動体3は同図の左方
向に移動する。右方向の動作と同様に、磁石可動体3の
永久磁石5A左端面(極性S)が円環状軟磁性体8Aに
近づくと、永久磁石5Aの左端面の磁極と円環状軟磁性
体8Aとの間にディテント力が働き、磁石可動体3はそ
のまま左方向に吸引される。再び、図1に示す極性にな
るように各コイル2A,2B,2Cに通電すると、磁石
可動体3の推力の向きも反転し、磁石可動体3は同図の
右方向に移動する。このように、磁石可動体3を往復運
動させることができ、交流電流を流した場合には、一定
周期で振動を繰り返すバイブレータとして働く。
【0042】この第1実施例では、3連のコイル2A,
2B,2Cの両端側に円環状軟磁性体8A,8Dを設け
ているため、磁石可動体3が前述のフレミングの左手の
法則に基づく推力F1により一方に移動し、磁石可動体
3の端部が円環状軟磁性体に近づくと該磁石可動体3と
円環状軟磁性体との間にディテント力(無励磁吸引力)
F2がさらに働き、磁石可動体3はその移動方向に吸引
される。この円環状軟磁性体8A,8Dによるディテン
ト力F2は、磁石可動体3の外側端面が円環状軟磁性体
8A,8Dの厚みの中央に位置するようになるまで前記
推力F1と同じ向きで作用し、磁石可動体3の外側端面
が円環状軟磁性体8A,8Dの厚みの中央に位置したと
きにディテント力F2は零となり、この位置を通過する
とディテント力F2は反対向き(磁石可動体3をボビン
4の中間位置に戻す向き)となる。
【0043】図16の曲線(ロ)は第1実施例の場合の
磁石可動体3の軸方向変位量とディテント力(gf)との
関係であって、無励磁状態すなわち3連のコイル2A,
2B,2Cに電流を通電しない状態において、変位量零
の点から離れる方向(右方向)に磁石可動体3を動作さ
せて測定したものである(但し、直径2.5mm、長さ3m
mの希土類永久磁石5A,5Bの間に長さ1mmの軟磁性
体6を配置してなる磁石可動体3を用いた)。図16の
曲線(ロ)より、円環状軟磁性体8A,8Dを設けたこ
とによるディテント力は、磁石可動体3の一端が円環状
軟磁性体8A,8Dに近づくのに従って増加するが、や
がて減少に転じ磁石可動体3の一端が円環状軟磁性体8
A,8D厚みの中央に位置するときに零になる曲線を示
しており、そのピークが磁石可動体3のストローク端近
傍に位置しているのがわかる。
【0044】図16の曲線(ハ)は第1実施例の場合の
磁石可動体3の軸方向変位量と推力(gf)との関係であ
って変位量零の点から離れる方向(右方向)に磁石可動
体3が動作するときを示す。磁石可動体3の条件は図1
6の曲線(ロ)の場合と同様であり、3連のコイル2
A,2B,2Cに40mAの電流を流し、図15の従来
例と同じ消費電力としたときに発生する推力を測定し
た。図16の曲線(ハ)より、曲線(イ)に示すフレミ
ングの左手の法則に基づく推力に、曲線(ロ)に示す円
環状軟磁性体8A,8Dによるディテント力が加わって
いるため、磁石可動体3のストローク端近傍で推力がピ
ークとなっているのがわかる。但し、円環状軟磁性体8
A,8Dを設けたことで、これがヨークとしても働き、
永久磁石5A,5BのN極からS極に至る磁気回路の磁
気抵抗が減少して磁石可動体3の長手方向に垂直な磁束
成分が大きくなっているので、円環状軟磁性体8A,8
Dが無い場合よりもフレミングの左手の法則に基づく推
力も若干増加しており、曲線(ハ)は曲線(イ)と
(ロ)の和よりも幾分上回っている。なお、図16で
は、一方(右方向)の推力を示したが、他方(左方向)
の推力も同様の関係を示す。
【0045】以上の第1実施例によれば、次の通りの効
果を得ることができる。
【0046】(1) 3連のコイル2A,2B,2Cの両
端側に円環状軟磁性体8A,8Dを固定的に設けている
ので、磁石可動体3がストローク端へ移動する際、円環
状軟磁性体8A,8Dに近づくと磁石可動体3にはディ
テント力(無励磁吸引力)が働き、従来の構成で問題で
あったストローク端近傍側での推力低下を補って推力を
強化し、磁石可動体3への負荷が増加したときのストロ
ークの減少を少なくすることができる。従って、負荷の
変動に伴う磁石可動体3のストロークの変動を抑えるこ
とができる。
【0047】(2) 3連のコイル2A,2B,2Cの外
周側に軟磁性体の円筒状ヨーク1を設けるとともに、3
連のコイル2A,2B,2C両端側に軟磁性体の円環状
軟磁性体8A,8Dを設けているため、磁石可動体3の
永久磁石5A,5BのN極からS極に至る磁気回路の磁
気抵抗が減少し、磁石可動体3の表面磁束密度の垂直成
分が増大する。従って、フレミングの左手の法則に基づ
いて与えられる推力をより大きくでき、小型、小電流で
大きな推力が得られる磁石可動型リニアアクチュエータ
を実現できる。
【0048】(3) 磁石可動体3の往復運動時に、磁石
可動体3の一端が円環状軟磁性体8A,8Dを通過して
も、その通過した端部を引き戻す如く円環状軟磁性体8
A,8Dによるディテント力が磁石可動体3の進行方向
と反対に働くため、磁石可動体3のストロークを磁気的
に規制して往復運動させることが可能であり、規制部材
を設けた場合に磁石可動体3が規制部材に接して発生す
る騒音、振動を抑えることができる。
【0049】(4) 磁石可動体3の質量や円環状軟磁性
体8A,8Dに起因するディテント力等から定まる磁石
可動型リニアアクチュエータの固有振動数と、3連のコ
イル2A,2B,2Cに供給する交流電流の周波数を合
わせることにより高効率な共振運動が可能となる。この
場合、バイブレータ(ポケットベルやマッサージ機用
等)として好適に使用できる。
【0050】(5) 円環状軟磁性体8A,8Dは、鍔付
きボビン4の両端面に設ければよく、特殊なボビン形状
を必要とせず、3連のコイル2A,2B,2Cはボビン
4の鍔間にそれぞれ巻回すればよい。
【0051】図3は本発明の第2実施例である磁石可動
型リニアアクチュエータを示す。この第2実施例では、
円筒状ヨーク1の内側に、3連のコイル2A,2B,2
Cを有する分割ボビン4A,4B,4Cと固定側軟磁性
体としての円環状軟磁性体8A,8B,8C,8Dとが
配置固定され、分割ボビン4A,4B,4Cと円環状軟
磁性体8A,8B,8C,8Dとを組み合わせ一体化し
たガイド筒体の内側に磁石可動体3が摺動自在に設けら
れている。
【0052】前記各コイル2A,2B,2Cは、絶縁樹
脂等で形成されている分割ボビン4A,4B,4Cに巻
線をそれぞれ環状に巻回したものであり、前記磁石可動
体3の各磁極が発生する磁束と有効に鎖交可能になって
いる。前記分割ボビン4A,4B,4Cは、外径が円筒
状ヨーク1の内径と同径で内径が磁石可動体3の外径よ
りも僅かに大きな円環状に形成されている。前記円環状
軟磁性体8A,8B,8C,8Dは、外径及び内径がそ
れぞれ前記分割ボビン4A,4B,4Cと同径に形成さ
れている。そして、左側のボビン4Aの外側端面に円環
状軟磁性体8Aが、ボビン4A,4B間に円環状軟磁性
体8Bが、ボビン4B,4C間に円環状軟磁性体8C
が、右側のボビン4Cの外側端面に円環状軟磁性体8D
がそれぞれ位置する如く、円筒状ヨーク1内に嵌め込み
固定されている。分割ボビン4A,4B,4C、円環状
軟磁性体8A,8B,8C,8D及び円筒状ヨーク1の
接面部分は接着剤等で相互に固着するのが望ましい。こ
れらの分割ボビン4A,4B,4C及び円環状軟磁性体
8A,8B,8C,8Dは一体化されることで、3連の
コイル2A,2B,2Cの相互の位置関係を一定に規制
するとともに、磁石可動体3を摺動自在に案内するため
のガイド筒体を構成しており、このガイド筒体の内径は
磁石可動体3の外径よりも僅かに大きく、内周は円周面
となっている。なお、その他の構成は前述の第1実施例
と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付した。
【0053】この第2実施例の構成では、以下のような
動作になる。まず、図3に示す極性になる如く、3連の
コイル2A,2B,2Cに交互に逆極性の磁界を発生す
る向きに電流を通電することにより、磁石可動体3はフ
レミングの左手の法則に基づく推力F1により図3の右
方向に移動する。磁石可動体3の右移動により、永久磁
石5Bの右端面(S極)が円環状軟磁性体8Dに、永久
磁石5B左端面及び永久磁石5Aの右端面(N極)が円
環状軟磁性体8Cに、永久磁石5Aの左端面(S極)が
円環状軟磁性体8Bにそれぞれ近づくと、当該磁石可動
体3と各円環状軟磁性体8B,8C,8Dとの間にディ
テント力(無励磁吸引力)F3が働き、磁石可動体3は
そのままの移動方向(右方向)に吸引される。そして、
各コイル2A,2B,2Cの電流を反転させ、図示した
極性とは逆になるように通電すると、磁石可動体3は図
3の左方向に移動する。すなわち、永久磁石5Aの左端
面(S極)が円環状軟磁性体8Aに、永久磁石5A右端
面及び永久磁石5Bの左端面(N極)が円環状軟磁性体
8Bに、永久磁石5Bの右端面(S極)が円環状軟磁性
体8Cにそれぞれ近づくと、当該磁石可動体3と各円環
状軟磁性体8A,8B,8Cとの間にディテント力が働
き、磁石可動体3はそのまま左方向に吸引される。再
び、各コイル2A,2B,2Cの電流を反転させれば磁
石可動体3の推力の向きも反転し、磁石可動体3は往復
運動を行い、交流電流を流した場合には、一定周期で振
動を繰り返すバイブレータとして働く。
【0054】上記第2実施例では、3連のコイル2A,
2B,2Cの両側の円環状軟磁性体8A,8Dに加え、
コイル2A,2B間及びコイル2B,2C間にそれぞれ
円環状軟磁性体8B,8Cを設けているので、前記第1
実施例における磁石可動体3と円環状軟磁性体8A,8
Dとの間に働くディテント力F2よりも大きなディテン
ト力F3が磁石可動体3に働く。従って、磁石可動体3
のストローク端近傍での推力をいっそう向上させ、より
大きな負荷に対応できる磁石可動型リニアアクチュエー
タを実現できる。なお、その他の作用効果は前述の第1
実施例と同様である。
【0055】図4は本発明の第3実施例である磁石可動
型リニアアクチュエータを示す。この第3実施例では、
円筒状ヨーク1の内側に、3連のコイル2A,2B,2
Cを有する分割ボビン14A,14B,14Cと円環状
軟磁性体18A,18B,18C,18Dが配置固定さ
れ、分割ボビン14A,14B,14Cと円環状軟磁性
体18A,18B,18C,18Dとを組み合わせ一体
化したガイド筒体の内側に磁石可動体3が摺動自在に設
けられている。
【0056】前記円環状軟磁性体18A,18B,18
C,18Dは、外径及び内径がそれぞれ前記分割ボビン
14A,14B,14Cと同径に形成されており、両側
の円環状軟磁性体18A,18Dは径方向断面がL字状
に、中間の円環状軟磁性体18B,18Cは径方向断面
がT字状に、それぞれ内周側が軸方向に幅広く形成され
ている。また、分割ボビン14A,14B,14Cの内
周側は、各円環状軟磁性体18A,18B,18C,1
8Dの幅広部分と嵌合する形状に形成されている。この
場合、隣り合う円環状軟磁性体18A,18B,18
C,18Dの各間に分割ボビン14A,14B,14C
がそれぞれ位置する如く、円筒状ヨーク1内に嵌め込み
固定されている。分割ボビン14A,14B,14C、
円環状軟磁性体18A,18B,18C,18D及び円
筒状ヨーク1の接面部分は接着剤等で相互に固着するの
が望ましい。これらの分割ボビン14A,14B,14
C及び円環状軟磁性体18A,18B,18C,18D
は嵌合一体化されることで磁石可動体3を摺動自在に案
内するためのガイド筒体を構成しており、このガイド筒
体の内径は磁石可動体3の外径よりも僅かに大きく、内
周は円周面となっている。なお、その他の構成は前述の
第1実施例と同様であり、同一又は相当部分に同一符号
を付した。
【0057】この第3実施例の構成では、以下のような
動作になる。まず、図4に示す極性になる如く、3連の
コイル2A,2B,2Cに交互に逆極性の磁界を発生す
る向きに電流を通電することにより、磁石可動体3はフ
レミングの左手の法則に基づく推力F1により図4の右
方向に移動する。磁石可動体3の右移動により、永久磁
石5Bの右端面(S極)が円環状軟磁性体18Dに、永
久磁石5B左端面及び永久磁石5Aの右端面(N極)が
円環状軟磁性体18Cに、永久磁石5Aの左端面(S
極)が円環状軟磁性体18Bにそれぞれ近づくと、当該
磁石可動体3と各円環状軟磁性体18B,18C,18
Dとの間にディテント力(無励磁吸引力)F4が働き、
磁石可動体3はそのままの移動方向(右方向)に吸引さ
れる。そして、各コイル2A,2B,2Cの電流を反転
させ、図示した極性とは逆になるように通電すると、磁
石可動体3は図4の左方向に移動する。すなわち、永久
磁石5Aの左端面(S極)が円環状軟磁性体18Aに、
永久磁石5A右端面及び永久磁石5B左端面(N極)が
円環状軟磁性体18Bに、永久磁石5Bの右端面(S
極)が円環状軟磁性体18Cにそれぞれ近づくと、当該
磁石可動体3と各円環状軟磁性体18A,18B,18
Cとの間にディテント力が働き、磁石可動体3はそのま
ま左方向に吸引される。再び、各コイル2A,2B,2
Cの電流を反転させれば磁石可動体3の推力の向きも反
転し、磁石可動体3は往復運動を行い、交流電流を流し
た場合には、一定周期で振動を繰り返すバイブレータと
して働く。
【0058】上記第3実施例では、磁石可動体3の外周
に面する環状軟磁性体18A,18B,18C,18D
の内周側を幅広く形成しているので、磁石可動体3の変
位量が小さくても磁石可動体3にディテント力を及ぼす
ことができ、磁石可動体3の変位量が比較的小さい段階
でもフレミングの左手の法則に基づく推力に加えてディ
テント力が働く。従って、磁石可動体3のストローク端
近傍での推力向上に加え、磁石可動体3の推力を全体的
により向上させることができ、より大きな負荷に対応で
きる磁石可動型リニアアクチュエータを実現できる。な
お、その他の作用効果は前述の第1実施例と同様であ
る。
【0059】図5は本発明の第4実施例である磁石可動
型リニアアクチュエータを示す。この図において、磁石
可動体15は、同極対向配置の2個の円柱状希土類永久
磁石5A,5Bと、これらの永久磁石5A,5B間に固
着される円柱状中間部軟磁性体6と、永久磁石5A,5
Bの外側両端面にそれぞれ固着される円板状端部軟磁性
体9A,9Bとからなり、それらの永久磁石5A,5
B、中間部軟磁性体6及び端部軟磁性体9A,9Bは接
着剤等で相互に一体化されている。前記永久磁石5A,
5Bは、軸方向に着磁されていて、一方の端面がN極で
他方の端面がS極になっている。なお、前記端部軟磁性
体9A,9Bの肉厚は、中間部軟磁性体6の1/2〜1
倍程度に設定される。
【0060】前記磁石可動体15の場合、同極対向され
た2個の永久磁石5A,5B間に中間部軟磁性体6を設
けて構成されているので、特に磁石可動体15の中間位
置での磁束密度の垂直成分(永久磁石の軸方向に直交す
る成分)が多くなっており、磁石可動体15の長手方向
(永久磁石の着磁方向)に垂直な磁束成分が充分大きく
なっている。また、永久磁石5A,5Bの外側端面に端
部軟磁性体9A,9Bを設けているので、永久磁石5
A,5Bの外側端面の磁極から出た磁束が端部軟磁性体
9A,9Bの存在で垂直方向に曲がり易くなる等の理由
で永久磁石5A,5Bの外側部分での磁束密度の垂直成
分(永久磁石の軸方向に直交する成分)が増大する。
【0061】なお、その他の構成は前述の第1実施例と
同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付した。
【0062】この第4実施例の場合、フレミングの左手
の法則に基づく推力は、図16曲線(ニ)のようにな
り、磁石可動体15の外側両端面に端部軟磁性体9A,
9Bを設けることによる磁束密度の垂直成分(永久磁石
の軸方向に直交する成分)の増加により、端部軟磁性体
の無い場合を示す曲線(イ)よりも全体的に推力が向上
しているのがわかる。例えば、端部軟磁性体の無い磁石
可動体3の場合に比較して数%乃至10%程度の推力向
上が得られる。従って、推力とディテント力との総和
は、曲線(ホ)のようになり、前述した第1実施例の場
合よりも向上する。但し、第1実施例の磁石可動体3と
同じ永久磁石5A,5B及び円柱状中間部軟磁性体6を
用い、永久磁石5A,5Bのそれぞれの外側端面に長さ
0.5mmの円板状端部軟磁性体9A,9Bを配置したも
のを用いるものとし、コイル2A,2B,2Cへの通電
条件も同じにして測定した。
【0063】この第4実施例によれば、磁石可動体15
が同極対向された2個の永久磁石5A,5B間に中間部
軟磁性体6を設け、さらに永久磁石5A,5Bの外側端
面に端部軟磁性体9A,9Bを設けて構成されているの
で、フレミングの左手の法則に基づく推力に寄与できる
磁石可動体15の軸方向(長手方向)に垂直な磁束成分
を充分大きくできる。従って、推力をより大きくでき、
小型、小電流でいっそう大きな推力が得られる磁石可動
型リニアアクチュエータを実現できる。その他の作用効
果は、前述の第1実施例と同様である。
【0064】図6は本発明の第5実施例である磁石可動
型リニアアクチュエータを示す。この場合、磁石可動体
15は、同極対向された2個の永久磁石5A,5B間に
中間部軟磁性体6を設け、さらに永久磁石5A,5Bの
外側端面に端部軟磁性体9A,9Bを設けて構成されて
いる。その他の構成は、前述の第2実施例と同様であ
り、同一又は相当部分に同一符号を付した。
【0065】この第5実施例の場合も、磁石可動体15
が同極対向された2個の永久磁石5A,5B間に中間部
軟磁性体6を設け、さらに永久磁石5A,5Bの外側端
面に端部軟磁性体9A,9Bを設けて構成されているの
で、フレミングの左手の法則に基づく推力に寄与できる
磁石可動体15の軸方向(長手方向)に垂直な磁束成分
を充分大きくできる。従って、前述の第2実施例の場合
よりも一層推力を増大させることができる。なお、その
他の作用効果は、前述の第2実施例と同様である。
【0066】図7は本発明の第6実施例である磁石可動
型リニアアクチュエータを示す。この場合、磁石可動体
15は、同極対向された2個の永久磁石5A,5B間に
中間部軟磁性体6を設け、さらに永久磁石5A,5Bの
外側端面に端部軟磁性体9A,9Bを設けて構成されて
いる。その他の構成は、前述の第3実施例と同様であ
り、同一又は相当部分に同一符号を付した。
【0067】この第6実施例の場合も、磁石可動体15
が同極対向された2個の永久磁石5A,5B間に中間部
軟磁性体6を設け、さらに永久磁石5A,5Bの外側端
面に端部軟磁性体9A,9Bを設けて構成されているの
で、フレミングの左手の法則に基づく推力に寄与できる
磁石可動体15の軸方向(長手方向)に垂直な磁束成分
を充分大きくできる。従って、前述の第3実施例の場合
よりも一層推力を増大させることができる。なお、その
他の作用効果は、前述の第3実施例と同様である。
【0068】図8は本発明の第7実施例である磁石可動
型リニアアクチュエータを示す。この図において、21
は軟磁性体の円筒状ヨークであり、該円筒状ヨーク21
の内側に、相互の位置関係が一定に規制された3連のコ
イル2A,2B,2Cと、該3連のコイル2A,2B,
2Cの各間及び両端側に円環状軟磁性体8A,8B,8
C,8Dがそれぞれ配置され、これらのコイル2A,2
B,2C及び円環状軟磁性体8A,8B,8C,8Dは
磁石可動体23を移動自在に案内するためのガイド筒体
24を構成する絶縁樹脂等の絶縁部材(非磁性材)で円
筒状ヨーク21に固着されている。このガイド筒体24
の内径は磁石可動体23の外径よりも僅かに大きく、内
周は円周面となっている。
【0069】磁石可動体23は、同極対向された2個の
穴あき円柱状希土類永久磁石25A,25B、それらの
永久磁石間に配置された穴あき円柱状中間部軟磁性体2
6及び前記永久磁石25A,25Bの外側位置に配置さ
れた穴あき円板状クッション板31A,31Bに金属貫
通軸体27を挿通し、該金属貫通軸体27の係合溝32
に止め具(金属製Eリングと呼ばれる止め輪)33を嵌
め込み係止して、当該金属貫通軸体27に永久磁石25
A,25B、中間部軟磁性体26及び円板状クッション
板31A,31Bを固定したものである。前記永久磁石
25A,25Bは、軸方向に着磁されていて、一方の端
面がN極で他方の端面がS極になっており、全表面に金
属あるいは樹脂からなる磁性又は非磁性コーティング層
34がそれぞれ被着形成されている。該コーティング層
34は電解メッキ、無電解メッキ等のメッキ技術や、蒸
着等の薄膜技術等を利用して形成してもよい。また、貫
通軸体27は非磁性又は磁性金属であり、クッション板
31A,31Bはシリコンゴム等の弾性材で形成された
緩衝部材であり、多少圧縮状態で一対の止め具33間に
挟持されている。この結果、クッション板31A,31
Bは各永久磁石25A,25B及び中間部軟磁性体26
の厚みのばらつきを吸収してがたつきを防止することが
できる。なお、前記金属貫通軸体27に永久磁石25
A,25B及び中間部軟磁性体26を一体化する際に接
着剤を併用してもよい。
【0070】前記3連のコイル2A,2B,2Cは永久
磁石25A,25Bの磁極間を境にして相異なる方向に
電流が流れる如く結線されている。すなわち、中央のコ
イル2Bは中間部軟磁性体26及び永久磁石25A,2
5BのN極を含む端部を囲み、両側のコイル2A,2C
は、永久磁石25A,25BのS極を含む端部をそれぞ
れ囲むことができるように円環状に巻回されており、か
つ中央のコイル2Bに流れる電流の向きと、両側のコイ
ル2A,2Cの電流の向きとは逆向きである(図8の各
コイルに付したN,Sを参照)。前記円環状軟磁性体8
A,8B,8C,8Dは、その外径が円筒状ヨーク21
の内径と同径に、内径がガイド筒体24の内径以上に形
成されたものであり、隣り合うコイル2A,2B,2C
と少し間をおいてそれぞれ配設されている。
【0071】また、前記軟磁性体の円筒状ヨーク21及
び非磁性のガイド筒体24の両端部に非磁性の側板35
A,35Bが嵌合、固着され、該側板35A,35Bの
中央部に焼結金属、高摺動性樹脂等の円筒状軸受部材3
6がそれぞれ固定支持されている。そして、各円筒状軸
受部材36の内周面にて永久磁石25A,25Bに貫
通、一体化された貫通軸体27が摺動自在に支えられ、
該貫通軸体27の一方の端部は軸受部材36外側に突出
して、負荷と接続する出力ピンとして利用できるように
なっている。なお、側板35A,35Bは前記ガイド筒
体24の内周面に嵌合する凸部37をそれぞれ有してお
り、該凸部37の先端面が前記磁石可動体23の移動時
にクッション板31A,31Bに当接して当該磁石可動
体23の移動範囲を規定するようになっている(なお、
側板35A,35Bの距離を充分大きくすれば凸部37
がクッション板31A,31Bに当接しないようにもで
きる。)。また、前記軸受部材36は非磁性でも磁性体
であってもよい。
【0072】この第7実施例の磁石可動型リニアアクチ
ュエータでは、前記第1実施例と同様に、磁石可動体2
3が有する永久磁石25A,25Bとして希土類永久磁
石を用いているので強力な磁極が形成され、しかも各コ
イル2A,2B,2Cの外周側に軟磁性体の円筒状ヨー
ク21が設けられているため、フレミングの左手の法則
に基づく推力に寄与できる磁石可動体23の軸方向(長
手方向)に垂直な磁束成分を大きくでき、磁石可動体2
3の周囲を環状に巻回する3連のコイル2A,2B,2
Cに交互に逆極性の磁界を発生する向きに電流を通電す
ることにより、いっそう大きな推力を発生することがで
きる。
【0073】そして、3連のコイル2A,2B,2Cの
各間及び両端側に軟磁性体の円環状軟磁性体8A,8
B,8C,8Dを設けているため、磁石可動体23が前
述のフレミングの左手の法則に基づく推力により一方に
移動し、そのストローク端に近づくと、該磁石可動体2
3と円環状軟磁性体8A,8B,8C,8Dのうち各磁
極に近付くものとの間にディテント力(無励磁吸引力)
が働き、磁石可動体23はその移動方向に吸引される。
【0074】この円環状軟磁性体8A,8B,8C,8
Dによるディテント力は、磁石可動体23の永久磁石2
5A,25Bの一端が円環状軟磁性体8A,8Dの厚み
の略中央に位置するときに零となり、磁石可動体23の
一端が円環状軟磁性体8A,8Dを通過すると、該円環
状軟磁性体8A,8B,8C,8Dにより通過した端部
を引き戻す如く、進行方向と反対方向(磁石可動体23
をガイド筒体24の中央部に戻す向き)にディテント力
が働く。
【0075】図8の極性では、磁石可動体23が右方向
に移動する向きであり、各コイルの電流を反転させれば
磁石可動体23の推力の向きも反転する。交流電流を流
した場合には、一定周期で振動を繰り返すバイブレータ
として働く。
【0076】以上の第7実施例によれば、3連のコイル
2A,2B,2Cの各間及び両端側に円環状軟磁性体8
A,8B,8C,8Dを設けているので、磁石可動体2
3がストローク端へ移動する際、円環状軟磁性体8A,
8B,8C,8Dのうち各磁極に近付くものと磁石可動
体23との間にはディテント力(無励磁吸引力)が働
く。従って、磁石可動体23駆動時のストローク端近傍
側での推力が強化され、磁石可動体23(すなわち貫通
軸体27)への負荷が増加したときのストロークの減少
を少なくすることができ、ひいては負荷の変動に伴う磁
石可動体23のストロークの変動を抑えることができ
る。また、磁石可動体23の往復運動時に、その端部が
円環状軟磁性体8A,8Dを通り過ぎても磁石可動体2
3の進行方向と反対に働くディテント力により磁石可動
体23のストロークが規制され、前記側板35A,35
Bの凸部37に当たるのを防止する、あるいは当たった
際の衝撃を抑えることができ、磁石可動体23が凸部3
7に接して発生する騒音、振動を抑えることができる。
【0077】この第7実施例においても、前述の第1実
施例で示したのと同様の作用効果が得られ、さらに、以
下に述べる作用効果を奏することができる。
【0078】(1) 穴あき円柱状希土類永久磁石25
A,25B及び穴あき円板状クッション板31A,31
Bに金属貫通軸体27を挿通し、該金属貫通軸体27の
係合溝32に止め具33を嵌め込み係止して磁石可動体
23を構成しており、永久磁石25A,25Bの固定、
一体化を確実に実行でき、しかも組立容易であり固着信
頼性が高い。
【0079】(2) 磁石可動体23に一体の貫通軸体2
7を軸受部材36で摺動自在に支持することで、磁石可
動体23のがたつきを無くして常時ガイド筒体24の内
周中心と同心状態に規制でき、しかも永久磁石25A,
25Bを一体化するためのホルダ等を永久磁石外周側に
被せる必要がなく、永久磁石25A,25Bの外周面と
コイル2A,2B,2Cとの間隙を必要最小限に設定で
き、推力の向上に有効である。
【0080】(3) 磁石可動体23がガイド筒体24の
内周面に接触しなくなるため、磁石可動体23を軸方向
に円滑に移動させることが可能であり、磁石可動体23
やガイド筒体24の摩耗等の問題も解消でき、運動回数
の長寿命化が図れる。
【0081】(4) 永久磁石25A,25Bの外側位置
には緩衝材として穴あき円板状クッション板31A,3
1Bを設けることにより、磁石可動体23の往復運動に
よってガイド筒体24の両端部に固定されている側板3
5A,35Bの凸部37に当たっても、永久磁石25
A,25Bへの衝撃が抑えられ、磁石の割れや欠けが防
止されるとともに、衝突による衝撃音の発生が防止で
き、磁石可動体23の往復運動に伴う振動や音の発生を
低減可能である。また、側板35A,35Bにクッショ
ン板31A,31Bに当たる凸部37を形成しておくこ
とで、止め具33が軸受部材36に当たるのを防止でき
る。
【0082】(5) 穴あき円柱状希土類永久磁石25
A,25Bの全表面に磁性又は非磁性のコーティング層
34を形成することで、当該永久磁石25A,25Bを
備える磁石可動体23が往復運動する際の衝撃で永久磁
石25A,25Bに割れや欠けが発生することを防止す
ることができる。また、そのコーティング層34は、穴
あき円柱状希土類永久磁石25A,25B及び穴あき円
板状クッション板31A,31Bに金属貫通軸体27を
挿通して磁石可動体23を構成する際に、永久磁石25
A,25Bに割れや欠け等の損傷が発生するのも防止可
能である。なお、コーティング層34は永久磁石25
A,25Bの外周面に少なくとも設けられていれば、内
周面は省略してもよい。
【0083】(6) 側板35A,35Bの対向間隔を充
分大きく設定した場合には、磁石可動体23の往復運動
時に、磁石可動体23の端部が両端の円環状軟磁性体8
A,8Dを通り過ぎた際に進行方向と反対に働くディテ
ント力により磁石可動体23のストロークを規制し、前
記側板35A,35Bの凸部37に磁石可動体23が当
たるのを防止することができ、これによって、低騒音
化、低振動化を図ることができる。
【0084】図9は本発明の第8実施例である磁石可動
型リニアアクチュエータを示す。この図において、軟磁
性体の円筒状ヨーク21及び非磁性のガイド筒体24の
両端部に非磁性の側板35C,35Dが嵌合、固着さ
れ、該側板35C,35Dの内面と磁石可動体23側の
円板状クッション板31A,31B間に圧縮ばね38が
配設されている。該圧縮ばね38は磁石可動体23を中
間位置に押し戻す作用を有する。なお、その他の構成は
前述の第7実施例と同様であり、同一又は相当部分に同
一符号を付した。
【0085】この第8実施例によれば、各コイル2A,
2B,2Cに通電されていない状態では、磁石可動体2
3は左右の圧縮ばね38の弾性力で円筒状ヨーク21内
の中間位置に復帰しており、各コイル2A,2B,2C
に直流電流を通電することで磁石可動体23を一方に駆
動することができる。また、交流電流を通電すれば、磁
石可動体23は往復運動してバイブレータとして動作す
るが、前記第7実施例で述べた円環状軟磁性体8A,8
B,8C,8Dのディテント力(変位量が過大になると
磁石可動体23の進行方向と反対に働く)による磁石可
動体23のストロークの規制に加え、磁石可動体23は
ある程度変位したところで圧縮ばね38の弾性力で中間
位置に戻される。従って、磁石可動体23が側板35
C,35Dに衝突して衝撃音が発生することを防止でき
る。なお、磁石可動体23の進行方向に働くディテント
力は充分であるので、磁石可動体23のストローク端近
傍での圧縮ばね38の弾性力による推力低下の影響はほ
とんどない。なお、その他の作用効果は前述の第7実施
例と同様である。
【0086】図10は本発明の第9実施例である磁石可
動型リニアアクチュエータを示す。この図において、軟
磁性体の円筒状ヨーク21及び非磁性のガイド筒体24
の両端部に非磁性の側板35A,35Bが嵌合、固着さ
れ、該側板35A,35Bの凸部37の内周に戻し用環
状永久磁石39がそれぞれ固定されている。そして、該
戻し用環状永久磁石39及び軸受部材36の内周穴を磁
石可動体23の貫通軸体27が貫通している。戻し用環
状永久磁石39は、磁石可動体23が有する永久磁石2
5A,25Bの外側端面の磁極との間で反発力を発生す
る磁極を磁石可動体23への対向面に有している。例え
ば、図10では、永久磁石25A,25Bの外側端面の
S極に戻し用環状永久磁石39のS極が対向している。
なお、その他の構成は前述の第7実施例と同様であり、
同一又は相当部分に同一符号を付した。
【0087】この第9実施例によれば、各コイル2A,
2B,2Cに通電されていない状態では、磁石可動体2
3は永久磁石25A,25Bと左右の戻し用環状永久磁
石39の反発力で円筒状ヨーク21内の中間位置に復帰
しており、各コイル2A,2B,2Cに直流電流を通電
することで磁石可動体23を一方に駆動することができ
る。また、交流電流を通電すれば、磁石可動体23は往
復運動してバイブレータとして動作するが、前記第7実
施例で述べた円環状軟磁性体8A,8B,8C,8Dの
ディテント力(変位量が過大になると磁石可動体23の
進行方向と反対に働く)による磁石可動体23のストロ
ークの規制に加え、磁石可動体23はある程度変位した
ところで永久磁石25A,25Bと左右の戻し用環状永
久磁石39の反発力で中間位置に戻される。従って、磁
石可動体23が側板35A,35Bや戻し用環状永久磁
石39に衝突して衝撃音が発生することを防止できる。
なお、磁石可動体23の進行方向に働くディテント力は
充分であるので、磁石可動体23のストローク端近傍で
の戻し用環状永久磁石39の反発力による推力低下の影
響はほとんどない。なお、その他の作用効果は前述の第
7実施例と同様である。
【0088】図11は本発明の第10実施例である磁石
可動型リニアアクチュエータを示す。この図において、
磁石可動体23Aは、同極対向された2個の穴あき円柱
状希土類永久磁石25C,25D、それらの永久磁石間
に配置された穴あき円柱状中間部軟磁性体26、前記永
久磁石25C,25Dの外側に配置された穴あき円板状
端部軟磁性体29A,29B及び該端部軟磁性体29
A,29Bの外側位置に配置された穴あき円板状クッシ
ョン板31A,31Bに金属貫通軸体27を挿通し、該
金属貫通軸体27の係合溝32に止め具(金属製Eリン
グ)33を嵌め込み係止して、当該金属貫通軸体27に
永久磁石25C,25D、中間部軟磁性体26、端部軟
磁性体29A,29B及び円板状クッション板31A,
31Bを固定したものである。ここで、貫通軸体27は
非磁性又は磁性金属であり、クッション板31A,31
Bはシリコンゴム等の弾性材であり、多少圧縮状態で一
対の止め具33間に挟持されている。この結果、クッシ
ョン板31A,31Bは各永久磁石25C,25D、軟
磁性体26,29A,29Bの厚みのばらつきを吸収し
てがたつきを防止することができる。なお、前記金属貫
通軸体27に永久磁石25C,25D、軟磁性体26,
29A,29Bを一体化する際に接着剤を併用してもよ
い。前記端部軟磁性体29A,29Bの肉厚は、中間部
軟磁性体26の1/2〜1倍程度に設定される。なお、
その他の構成は前述の第7実施例と同じである。
【0089】この第10実施例では、前記第4乃至第6
実施例で示した磁石可動体15と同様に、磁石可動体2
3Aが有する永久磁石25C,25Dの外側端面に端部
軟磁性体29A,29Bが配置されており、永久磁石2
5C,25Dの外側端面の磁極から出た磁束が端部軟磁
性体29A,29Bの存在で垂直方向に曲がり易くなる
等の理由で永久磁石25C,25Dの外側部分での磁束
密度の垂直成分(永久磁石の軸方向に直交する成分)が
増大する。すなわち、フレミングの左手の法則に基づく
推力に寄与できる磁石可動体23Aの軸方向(長手方
向)に垂直な磁束成分を大きくでき、磁石可動体23A
の周囲を環状に巻回する3連のコイル2A,2B,2C
に交互に逆極性の磁界を発生する向きに電流を通電する
ことにより、いっそう大きな推力を発生することができ
る。例えば、端部軟磁性体の無い第8実施例の場合に比
較して数%乃至10%程度の推力向上が得られる。な
お、その他の作用効果は前述の第7実施例と同様であ
る。
【0090】なお、上記第10実施例において、図11
の仮想線に示すように、側板35A,35Bの凸部37
の内周側に固定されている軸受部材36内面と磁石可動
体23A側の円板状クッション板31A,31B間に圧
縮ばね38Aを配設してもよい。該圧縮ばね38Aは磁
石可動体23Aを中間位置に押し戻す作用を有する。従
って、圧縮ばね38Aを配設することで、磁石可動体2
3Aが側板35A,35Bに衝突して衝撃音が発生する
ことを防止できるといった前記第8実施例と同様の作用
効果が得られる。
【0091】図12は本発明の第11実施例である磁石
可動型ポンプを示す。この図において、40は往復動ア
クチュエータであり、該往復動アクチュエータ40の磁
石可動体43の両側に、ケーシング室としてのシリンダ
室51A,51Bを設けるとともに、該シリンダ室51
A,51Bに往復駆動体としてのピストン52A,52
Bをそれぞれ摺動自在に設けて2個のポンプ部53A,
53Bを構成している。
【0092】前記往復動アクチュエータ40は、軟磁性
体の円筒状ヨーク41の内側に、3連のコイル2A,2
B,2Cと、該3連のコイル2A,2B,2Cの各間及
び両端側にそれぞれ配置された円環状軟磁性体8A,8
B,8C,8Dとを有し、これらのコイル2A,2B,
2C及び円環状軟磁性体8A,8B,8C,8Dは、磁
石可動体43を摺動自在に案内するためのガイド筒体4
4を構成する絶縁樹脂等の絶縁部材(非磁性材)で円筒
状ヨーク41に固着されている。ガイド筒体44の内径
は磁石可動体43の外径よりも僅かに大きく、内周は円
周面となっている。磁石可動体43は、同極対向配置の
2個の円柱状希土類永久磁石5A,5Bと、これらの永
久磁石5A,5B間に配置される円柱状中間部軟磁性体
6と、各永久磁石5A,5Bの外側端面にそれぞれ配置
される軸部品45A,45Bと、非磁性筒状ホルダ47
とからなり、それらの永久磁石5A,5B、中間部軟磁
性体6及び軸部品45A,45Bの円板状部46A,4
6Bは筒状ホルダ47内に収納され接着剤、あるいはホ
ルダ端部のかしめ等で固定されている。前記3連のコイ
ル2A,2B,2Cは永久磁石5A,5Bの磁極間を境
にして相異なる方向に電流が流れる如く結線されてい
る。すなわち、中央のコイル2Bは中間部軟磁性体6及
び永久磁石5A,5BのN極を含む端部を囲み、両側の
コイル2A,2Cは、永久磁石5A,5BのS極を含む
端部をそれぞれ囲むことができるようになっており、か
つ中央のコイル2Bに流れる電流の向きと、両側のコイ
ル2A,2Cの電流の向きとは逆向きである(図12の
各コイルに付したN,Sを参照)。
【0093】前記磁石可動体43を摺動自在に案内する
ためのガイド筒体44の左側にポンプ部53Aが構成さ
れている。すなわち、ガイド筒体44の左側に前記シリ
ンダ室51Aが形成されており、軸部品45Aの軸48
Aの先端面にピストン52Aがボルト49Aで固定され
ている。ピストン52Aの端面には吸入穴54Aが形成
されており、該吸入穴54Aを閉塞するゴム等の可撓性
板材の吸入弁55Aが前記ボルト49Aでピストン52
Aの端面に重なるように取り付けられている。また、シ
リンダ室51Aの左側開口を密閉するためにOリング5
6を介して蓋体57Aが前記円筒状ヨーク41に固着さ
れている。前記シリンダ室51Aの右寄り位置に連通す
るように円筒状ヨーク41及びガイド筒体44を貫通す
る吸気穴58Aが、シリンダ室51Aの側壁を成す蓋体
57Aに排気穴59Aがそれぞれ形成されている。
【0094】同様に、前記磁石可動体43を摺動自在に
案内するためのガイド筒体44の右側にポンプ部53B
が構成されている。すなわち、ガイド筒体44の右側に
シリンダ室51Bが形成されており、軸部品45Bの軸
48Bの先端面にピストン52Bがボルト49Bで固定
されている。ピストン52Bの端面には吸入穴54Bが
形成されており、該吸入穴54Bを閉塞するゴム等の可
撓性板材の吸入弁55Bが前記ボルト49Bでピストン
52Bの端面に重なるように取り付けられている。ま
た、シリンダ室51Bの右側開口を密閉するためにOリ
ング56を介して蓋体57Bが前記円筒状ヨーク41に
固着されている。前記シリンダ室51Bの左寄り位置に
連通するように前記円筒状ヨーク41及びガイド筒体4
4を貫通する吸気穴58Bが、シリンダ室51Bの側壁
を成す蓋体57Bに排気穴59Bが形成されている。
【0095】この第11実施例の往復動アクチュエータ
40では、図12に示す極性になる如く3連のコイル2
A,2B,2Cに交互に逆極性の磁界を発生する向きに
電流を通電することにより、磁石可動体43がフレミン
グの左手の法則に基づく推力により図12の右方向に移
動し、当該磁石可動体43のストローク端近傍では、磁
石可動体43と各円環状軟磁性体8B,8C,8Dとの
間にディテント力(無励磁吸引力)が働いてそのままの
移動方向(右方向)に吸引される。このディテント力
は、磁石可動体43右端部の永久磁石5B外側端面が円
環状軟磁性体8Dに近づくところで最大となり、円環状
軟磁性体8Dの厚みの中央付近に到達するとディテント
力は零となる。つまり、磁石可動体43のストローク端
近傍での推力を強化している。このディテント力は、ピ
ストン52A,52B駆動時の反発力に対して打ち消す
方向に働く。このため、磁石可動体43への負荷が増加
したときのストロークの減少を少なくし、負荷の変動に
伴う磁石可動体43のストロークの変動を抑えることが
できる。また、各コイル2A,2B,2Cの電流を反転
させれば磁石可動体43の推力の向きも反転し、同様に
ディテント力が働く。従って、各コイル2A,2B,2
Cに交流電流を流すことで、一定周期で往復運動を繰り
返す小型で推力の大きな往復動アクチュエータとして機
能する。なお、往復動アクチュエータ40のその他の作
用効果は、前記第2実施例における磁石可動型リニアア
クチュエータと同様である。
【0096】上記したように、往復動アクチュエータ4
0を往復運動することで、シリンダ室51A,51B内
のピストン52A,52Bが往復動し、2個のポンプ部
53A,53Bを駆動することができる。すなわち、磁
石可動体43が図12の右方向に動くとき、ポンプ部5
3Aでは吸入弁55Aが開きシリンダ室51Aの左側に
吸気穴58A及び吸入穴54Aを介して空気を吸入し、
ポンプ部53Bではピストン52Bがシリンダ室51B
右側の空気を圧縮して排気穴59Bを介し送出する。ま
た、磁石可動体43が図12の左方向に動くときは、ポ
ンプ部53Bが空気を吸入し、ポンプ部53Aが空気を
排気穴59Aを介し送出する。
【0097】この第11実施例の磁石可動型ポンプで
は、往復動アクチュエータ40が小型、小電流で大きな
推力が得られるものであり、円環状軟磁性体8A,8
B,8C,8Dによるディテント力の付加で磁石可動体
43のストローク端近傍での推力が強化されているた
め、磁石可動体43両側のポンプ部53A,53Bでの
負荷が大きくてもストロークの減少を防ぎ、負荷の変動
に伴うポンプ効率の変動を抑えることができる。従っ
て、2個のポンプ部53A,53Bを駆動する小型で効
率の良いエアーポンプ等を実現できる。
【0098】図13は本発明の第12実施例である磁石
可動型ポンプを示す。この場合は、往復駆動体としての
ピストンに代えて往復動するダイアフラムを使用してい
る。すなわち、往復動アクチュエータ60の構成は、前
述の第11実施例の往復動アクチュエータ40とほぼ同
様であり、軟磁性体の円筒状ヨーク61の内側に、3連
のコイル2A,2B,2Cと、円環状軟磁性体8A,8
B,8C,8Dとを有し、前記磁石可動体43を摺動自
在に案内するためのガイド筒体64を絶縁樹脂等の絶縁
部材(非磁性材)で構成している。前記ガイド筒体64
の左側にケーシング室70の右部分が形成されており、
ケーシング室70の左部分を構成する有蓋筒体71の端
面と前記ガイド筒体64の端面間に可撓性(弾性)を持
つ薄板状のダイアフラム72の周縁部が挟持、固定され
ている。有蓋筒体71は前記円筒状ヨーク61のフラン
ジ部に固着されており、吸気穴73及び排気穴74を有
している。そして、吸気穴73の内側、及び排気穴74
の外側にそれぞれ逆流防止用の弁75,76が設けられ
ている。例えば弁75,76はゴム等の可撓性板材であ
り、一端にて有蓋筒体71に固定されている。ダイアフ
ラム72の中央部は磁石可動体43に一体に固定されて
いる軸部品45Aの軸48Aに連結されている。また、
ガイド筒体64の右側には、前記軸部品45Bの軸48
Bが摺動自在に嵌合する軸受穴62が形成されている。
なお、その他の構成は前記第11実施例と同様であり、
同一又は相当部分に同一符号を付した。
【0099】この第12実施例の往復動アクチュエータ
60は、前記第11実施例の往復動アクチュエータ40
と同様に、フレミングの左手の法則に基づく推力とディ
テント力により往復運動することができ、各コイル2
A,2B,2Cに交流電流を流すことで、一定周期で往
復運動を繰り返す小型で推力の大きな往復動アクチュエ
ータとして機能する(図13に示す極性では磁石可動体
43が右方向に移動する)。そして、この往復動アクチ
ュエータ60を駆動することでダイアフラム72を往復
動させ、ダイアフラム72で隔離されたケーシング室7
0の左側の流体導入室78の体積を増減することで、空
気等の吸気穴73からの吸入、排気穴74からの排出を
交互に繰り返し実行することができる。
【0100】この第12実施例の磁石可動型ポンプで
は、往復動アクチュエータ60が小型、小電流で大きな
推力が得られるものであり、円環状軟磁性体8A,8
B,8C,8Dによるディテント力の付加で磁石可動体
43のストローク端近傍での推力が強化されている。こ
のディテント力は、ダイアフラム72駆動時の反発力に
対して打ち消す方向に働く。特に、ダイアフラム72の
弾性力が最大、すなわち負荷が最大となるストローク端
に磁石可動体43が位置するときでも、ディテント力に
より充分な推力が得られ、磁石可動体43のストローク
の減少を防止できる。従って、小型で効率の良いエアー
ポンプを実現できる。
【0101】図14は本発明の第13実施例である磁石
可動型リニアアクチュエータを示す。この場合、円筒状
ヨーク1の内側に、円柱状希土類永久磁石5A,5B,
5Cの磁極間を境にして相異なる方向に電流が流れる如
く結線された4連のコイル2A,2B,2C,2Dを有
する分割ボビン4A,4B,4C,4Dと、該分割ボビ
ン4A,4B,4C,4Dの各間及び両端側に円環状軟
磁性体8A,8B,8C,8D,8Eをそれぞれ配置固
定し、磁石可動体13を摺動自在に案内するためのガイ
ド筒体を構成している。磁石可動体13は、同極対向配
置した3個の円柱状希土類永久磁石5A,5B,5C
と、これらの永久磁石5A,5B,5Cの各間に固着さ
れる円柱状中間部軟磁性体6A,6Bと、永久磁石5
A,5Cの外側両端面にそれぞれ固着される円板状端部
軟磁性体9A,9Bとを一体化したものである。なお、
その他の構成は前述の第5実施例と同様である。
【0102】この第13実施例の磁石可動型リニアアク
チュエータは、前記第5実施例と同様に、フレミングの
左手の法則に基づく推力とディテント力により往復運動
することができ、各コイル2A,2B,2C,2Dに交
流電流を流すことで、一定周期で往復運動を繰り返すバ
イブレータとして機能する(図14に示す極性では磁石
可動体13が右方向に移動する)。この場合、3個の永
久磁石5A,5B,5Cを有する磁石可動体13を4連
のコイル2A,2B,2C,2Dで駆動する構成として
いるので、前記第5実施例で示した2個の永久磁石を有
する磁石可動体を3連のコイルで駆動する構成と比較し
て、全体的にフレミングの左手の法則に基づく推力とデ
ィテント力が増加するので、推力がさらに大きい磁石可
動型リニアアクチュエータを実現できる。なお、その他
の作用効果は前述の第5実施例と同様である。
【0103】なお、前記第1乃至第12実施例では、磁
石可動体は2個の同極対向の永久磁石と両永久磁石間の
中間部軟磁性体とを備える構成としたが、上記第13実
施例で示したように、3個の同極対向の永久磁石と各永
久磁石間に設けた中間部軟磁性体とを有する磁石可動体
を4連のコイルで駆動する構成を採用してもよい。さら
に、4個以上の同極対向の永久磁石と各永久磁石間に設
ける中間部軟磁性体で磁石可動体を構成してもよく、こ
れに対応させてコイル数も5個以上とすることができ
る。
【0104】なお、各実施例において、固定側軟磁性体
である円環状軟磁性体は、装置の仕様を満足するように
少なくとも3連のコイルの少なくとも一端側に配置固定
すればよく、一端のみの場合、その一方向への推力が強
化される。また、前記第3実施例で示した環状軟磁性体
のように磁石可動体に対向する内周側を軸方向に幅広く
形成する等形状を工夫して、固定側軟磁性体によるディ
テント力の強弱や分布を適宜変更可能である。
【0105】なお、各実施例において、両外側に位置す
る固定側軟磁性体としての円環状軟磁性体の少なくとも
一方を軟磁性体円筒状ヨークと一体に形成する構成とし
てもよい。
【0106】また、各実施例において、軟磁性体ヨーク
としての円筒状ヨーク1,21,41,61を半割や軸
方向に分割する等、複数個の分割ヨークを組み合わせて
一体化する構成でもよい。また、円環状軟磁性体も半割
等の複数個の分割軟磁性体を組み合わせて一体化する構
成としてもよい。この場合、各分割ヨークと分割軟磁性
体を予め一体に形成する構成も可能である。
【0107】なお、前記第11及び第12実施例のポン
プにおいて、前記第4、第5又は第6実施例と同様に、
磁石可動体軸方向両端に位置する永久磁石の外側端面に
端部軟磁性体を設ける構成としてもよい。
【0108】なお、前記各実施例において、コイルや固
定側軟磁性体の相互の位置関係を一定に規制(規定)す
る手段は、ボビンを用いる構成でも、軟磁性体ヨークの
内側に絶縁樹脂等の絶縁部材(非磁性材)で固着する構
成でもよい。さらに、ボビンについては半割等の複数個
の分割ボビンを組み合わせて一体化する構成が可能であ
る。
【0109】前記各実施例では、円筒状の軟磁性体ヨー
ク及びガイド筒体を用いたが、これに限らず、例えば、
角筒状等の軟磁性体ヨーク及びガイド筒体を採用するこ
ともでき、これに合わせて磁石可動体の方も角柱乃至角
筒状等にすることが可能であり、この場合も各コイルは
磁石可動体の外周を周回するように巻回すればよく、固
定側軟磁性体も磁石可動体の外周を囲むガイド筒体側に
設ければよい。
【0110】さらに、前記第7乃至第10実施例では磁
石可動体23,23Aの貫通軸体27の両側を軸受部材
36で支持したが、貫通軸体の片側のみを軸受部材で支
持する構造を採用してもよい。この場合、軸受部材も一
方のみとなる(但し、軸受部材を長めにすることが望ま
しい。)。
【0111】また、前記第7乃至第10実施例では、軸
受部材36により磁石可動体の貫通軸体27を支持して
いるので、絶縁樹脂等の絶縁部材(非磁性材)のガイド
筒体24を省略して各コイルをヨーク21の内周側に絶
縁固定する構造を採用することも可能である。
【0112】以上本発明の実施例について説明してきた
が、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の
範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者
には自明であろう。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁石可動
型リニアアクチュエータ及びポンプによれば、同極対向
された少なくとも2個の永久磁石間に中間部軟磁性体を
設けて磁石可動体を構成し、相互の位置関係が一定に規
制された少なくとも3連のコイルの内側に当該磁石可動
体を移動自在に設け、前記少なくとも3連のコイルの少
なくとも一端側又は両端側で前記磁石可動体の移動を妨
げないように固定側軟磁性体を固定配置し、前記少なく
とも3連のコイルを、各永久磁石の磁極間を境にして相
異なる方向に電流が流れる如く結線した構成としたの
で、磁石可動体の軸方向(長手方向)に垂直な磁束成分
を充分大きくでき、かつ前記少なくとも3連のコイルと
磁石可動体の各磁極が発生する磁束とを有効に鎖交可能
であり、磁石可動体の垂直な磁束成分と各コイルに流れ
る電流との間のフレミングの左手の法則に基づいて磁石
可動体に与えられる推力を充分大きくできる。
【0114】また、前記少なくとも3連のコイルの少な
くとも一端側又は両端側に固定側軟磁性体を設けている
ので、磁石可動体がそのストローク端へ移動する際、磁
石可動体の進行方向にディテント力(無励磁吸引力)が
働き、ストローク端近傍側での推力低下を補う如く推力
が強化されるため、磁石可動体への負荷が増加したとき
のストロークの減少を少なくすることができ、負荷の変
動に伴う磁石可動体のストロークの変動を抑えることが
できる。
【0115】さらに、磁石可動体の往復運動時に、磁石
可動体の一端が固定側軟磁性体を通過しても、その通過
した端部を引き戻す如く固定側軟磁性体のディテント力
が磁石可動体の進行方向と反対に働くため、規制部材を
設けずに磁石可動体のストロークを磁気的に規制して往
復運動させることも可能である。
【0116】また、前記少なくとも3連のコイルに対し
一定位置関係に設けられたケーシング室に対し往復駆動
体を設けるとともに、該往復駆動体を前記磁石可動体に
連結して構成した磁石可動型ポンプの場合、磁石可動体
(往復駆動体)の進行方向に働くディテント力が磁石可
動体の変位量の増加に伴って大きくなる反発力を打ち消
し、磁石可動体のストロークを充分確保してポンプ効率
の向上を図り、負荷の変動に伴うポンプ効率の変動を抑
えることができる。また、交流電圧にて直接電磁往復動
させられるため、復帰用ばね等の機械的復帰機構が不要
であり、部品点数の削減、機構の簡略化、更には小型化
が可能である。従って、小型、小電流で効率良く駆動で
きる磁石可動型ポンプを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の磁石可動型リニアアクチ
ュエータを示す正断面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】本発明の第2実施例の磁石可動型リニアアクチ
ュエータを示す正断面図である。
【図4】本発明の第3実施例の磁石可動型リニアアクチ
ュエータを示す正断面図である。
【図5】本発明の第4実施例の磁石可動型リニアアクチ
ュエータを示す正断面図である。
【図6】本発明の第5実施例の磁石可動型リニアアクチ
ュエータを示す正断面図である。
【図7】本発明の第6実施例の磁石可動型リニアアクチ
ュエータを示す正断面図である。
【図8】本発明の第7実施例の磁石可動型リニアアクチ
ュエータを示す正断面図である。
【図9】本発明の第8実施例の磁石可動型リニアアクチ
ュエータを示す正断面図である。
【図10】本発明の第9実施例の磁石可動型リニアアク
チュエータを示す正断面図である。
【図11】本発明の第10実施例の磁石可動型リニアア
クチュエータを示す正断面図である。
【図12】本発明の第11実施例の磁石可動型ポンプを
示す正断面図である。
【図13】本発明の第12実施例の磁石可動型ポンプを
示す正断面図である。
【図14】本発明の第13実施例である磁石可動型リニ
アアクチュエータを示す正断面図である。
【図15】従来例を示す正断面図である。
【図16】図1の第1実施例の磁石可動型リニアアクチ
ュエータと図15の従来例における磁石可動体の変位量
と推力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1,21,41,61 円筒状ヨーク 2A,2B,2C,2D コイル 3,13,15,23,23A,43 磁石可動体 4,4A,4B,4C,4D,14A,14B,14C
ボビン 5A,5B,5C,25A,25B,25C,25D
永久磁石 6,6A,6B,26 中間部軟磁性体 8A,8B,8C,8D,8E,18A,18B,18
C,18D 円環状軟磁性体 9A,9B,29A,29B 端部軟磁性体 27 貫通軸体 35A,35B,35C,35D 側板 36 軸受部材 38,38A 圧縮ばね 40,60 往復動アクチュエータ 51A,51B シリンダ室 52A,52B ピストン 53A,53B ポンプ部 72 ダイアフラム
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同極対向された少なくとも2個の永久磁
    石間に中間部軟磁性体を設けて磁石可動体を構成し、相
    互の位置関係が一定に規制された少なくとも3連のコイ
    ルの内側に当該磁石可動体を移動自在に設け、前記少な
    くとも3連のコイルの少なくとも一端側又は両端側で前
    記磁石可動体の移動を妨げない位置に固定側軟磁性体を
    固定配置し、前記少なくとも3連のコイルを、推力発生
    時において各永久磁石の磁極間を境にして相異なる方向
    に電流が流れる如く結線したことを特徴とする磁石可動
    型リニアアクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも3連のコイルのコイル間
    にも固定側軟磁性体を固定配置した請求項1記載の磁石
    可動型リニアアクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも3連のコイルの外周側
    に、前記固定側軟磁性体と一体又は別体に形成した軟磁
    性体ヨークを設けて、前記永久磁石の着磁方向に垂直な
    方向の磁束成分を増加させるための磁気回路を構成した
    請求項1又は2記載の磁石可動型リニアアクチュエー
    タ。
  4. 【請求項4】 前記磁石可動体の軸方向両端に位置する
    前記永久磁石の外側端面に端部軟磁性体を設けた請求項
    1、2又は3記載の磁石可動型リニアアクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記磁石可動体の片側又は両側に当該磁
    石可動体を押し戻すばね又は当該磁石可動体に対して反
    発力を発生する戻し用永久磁石を配設した請求項1、
    2、3又は4記載の磁石可動型リニアアクチュエータ。
  6. 【請求項6】 同極対向された少なくとも2個の永久磁
    石間に中間部軟磁性体を設けて磁石可動体を構成し、相
    互の位置関係が一定に規制された少なくとも3連のコイ
    ルの内側に当該磁石可動体を移動自在に設け、前記少な
    くとも3連のコイルの少なくとも一端側又は両端側で前
    記磁石可動体の移動を妨げない位置に固定側軟磁性体を
    固定配置し、前記少なくとも3連のコイルを、推力発生
    時において各永久磁石の磁極間を境にして相異なる方向
    に電流が流れる如く結線し、前記少なくとも3連のコイ
    ルに対し一定位置関係に設けられたケーシング室に対し
    往復駆動体を設けるとともに、該往復駆動体を前記磁石
    可動体に連結したことを特徴とする磁石可動型ポンプ。
  7. 【請求項7】 前記少なくとも3連のコイルの各コイル
    間に前記固定側軟磁性体を配置した請求項6記載の磁石
    可動型ポンプ。
  8. 【請求項8】 前記少なくとも3連のコイルの外周側
    に、前記固定側軟磁性体と一体又は別体に形成した軟磁
    性体ヨークを設けて、前記永久磁石の着磁方向に垂直な
    方向の磁束成分を増加させるための磁気回路を構成した
    請求項6又は7記載の磁石可動型ポンプ。
  9. 【請求項9】 前記磁石可動体の軸方向両端に位置する
    前記永久磁石の外側端面に端部軟磁性体を設けた請求項
    6、7又は8記載の磁石可動型ポンプ。
  10. 【請求項10】 前記ケーシング室がシリンダ室を構成
    し、該シリンダ室に前記往復駆動体としてのピストンが
    摺動自在に設けられている請求項6、7、8又は9記載
    の磁石可動型ポンプ。
  11. 【請求項11】 前記往復駆動体が可撓性を有するダイ
    アフラムであり、該ダイアフラム周縁部が前記ケーシン
    グ室に固定されている請求項6、7、8又は9記載の磁
    石可動型ポンプ。
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