JPH08115685A - 陰極線管表示装置 - Google Patents

陰極線管表示装置

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JPH08115685A
JPH08115685A JP6253208A JP25320894A JPH08115685A JP H08115685 A JPH08115685 A JP H08115685A JP 6253208 A JP6253208 A JP 6253208A JP 25320894 A JP25320894 A JP 25320894A JP H08115685 A JPH08115685 A JP H08115685A
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cathode ray
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conductive film
electrode
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克幸 川上
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宗一 桜井
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洋 吉岡
Yoshio Sato
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Abstract

(57)【要約】 【構成】陰極線管装置1のファンネル2の外部に形成
し、接地される外装黒鉛膜5と電気的に分離して陰極線
管ガラス容器外壁に接してキャンセル電極8を具備し、
電極に偏向ヨーク6の水平偏向コイルに供給するパルス
電圧と極性が反転した逆パルス電圧を供給し、更に陰極
線管のパネルガラスの外表面に形成した透明導電膜の単
位面積当りの抵抗値を2×106[Ω/□]以下とす
る。 【効果】偏向ヨークに供給するパルス電圧に起因して内
装導電膜に生じた交番電圧をキャンセル電極に供給する
逆パルス電圧で互いに打消し合い、交番電界VLEFを抑制
し、透明導電膜のシールド作用により交番電界ELEFを規
制値以下に抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陰極線管を用いた画像表
示装置に係り、特に、陰極線管の表示面から正面に放射
される交番電界を抑制する機構を有する陰極線管表示装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管表示装置は高周波信号処理回
路、電子ビームの偏向磁界発生回路、高電圧発生回路な
どから構成されている。このため、不要な電波、磁界、
電界などが放射され可能性があるため、これらの不要輻
射を抑制する各種の規制が世界各国で加えられている。
また、最近はパーソナルコンピュータ等の普及に伴い、
陰極線管表示装置を長時間使用する機会が増えているの
で、特に装置から輻射される低周波電界の操作者の身体
へ及す影響が懸念され始めており、画像表示装置から放
射される交番電界(不要輻射電界)値に関する規制が制
定されている。交番電界は周波数帯によって2種類に分
類されており、周波数が2kHzから400kHzの交
番電界をVLEF(Very Low Electric Field)、周波数が
5Hzから2kHzの交番電界をELEF(Extermely Low
Electric Field)と呼ばれている。
【0003】画像表示装置からの不要輻射電界に関する
規格として、例えば、1990年にスウェーデンで制定
されたMPRー2が広く知られている。その後、MPR
−2規格を厳しく強化したTCOガイドラインが制定さ
れ、交番電界の抑制効果を今以上に改善する必要性が増
大している。TCOガイドラインでは2kHzから40
0kHz帯のVLEFに関して電界値1.0[V/m]以下
(表示装置の正面30cm及び周囲50cm)、5Hz
から2kHz帯のELEFに関して電界値10[V/m]以
下(表示装置の正面30cmのみ)となっている。
【0004】陰極線管表示装置の場合には画像表示面
(正面)を除いた部分は、金属板等による静電シールド
により、比較的簡単に交番電界値を規制値以下に抑制で
きる。しかし、陰極線管の正面は画像を表示するため、
不透明な金属板を用いてシールドすることはできない。
そこで、特開平5ー283020号公報に記載されてい
るように、陰極線管のファンネル部からネック部に導電
性膜を形成し、導電性膜を電気的に接地することにより
偏向ヨークから放出される交番電界をシールドして、陰
極線管表示装置から放射される交番電界VLEFを抑制する
ものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術は交
番電界VLEFの抑制が十分ではなく、発生原因が異なる交
番電界ELEFを効果的に抑制できない問題があった。すな
わち、交番電界ELEFは高圧回路から陰極線管に供給され
る直流の高電圧が再生する画像内容によりビーム電流が
変化し、動的な電圧変動を生じることが原因となって発
生する交番電界であり、従来技術の対策は十分でなかっ
た。
【0006】本発明の目的は陰極線管表示装置の正面か
ら放出されている二種類の交番電界VLEF、ELEFを効果的
に抑制した陰極線管表示装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は陰極線管のガラス容器外壁に接して外装黒
鉛膜のない部分に電極(以下、キャンセル電極と表記す
る)を具備する。前記キャンセル電極には水平偏向コイ
ルに供給するパルス電圧(振幅V0)と極性が反転した
逆パルス電圧(振幅V1)を印加する。陰極線管の内装
導電膜と水平偏向コイル、前記キャンセル電極との間の
静電容量をそれぞれC0、C1とし、(V0×C0)の
電圧値が(V1×C1)の電圧値より大きくなるように
する。
【0008】更にフェースプレートの外表面に単位面積
当たりの抵抗値が1.2×106[Ω/□]以下の透明
導電膜を具備、接地する。
【0009】
【作用】この構成によれば、偏向ヨークに供給されるパ
ルス電圧に起因し、静電結合により陰極線管の内部導電
膜に生じていた交番電圧を、キャンセル電極に印加した
逆パルス電圧によって内装導電膜に発生させたパルス電
圧により互いに打消し合い、内装導電膜に生じていた交
番電圧の振幅を低減させる。従って、内装導電膜に生じ
た動的な電圧変動(交番電圧)に起因した交番電界VLEF
を低減できる。更にフェースプレートの外表面に形成
し、接地した透明導電膜により交番電界ELEFをシールド
することにより、陰極線管表示装置の正面から放出され
ていた二種類の交番電界VLEF及びELEFを効果的に抑制す
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の第1の実施例の陰極線管表示装置
の主要部を側面から示した説明図、図2は陰極線管を後
方から示した説明図、図3は陰極線管装置から放射され
る交番電界の断面図である。
【0011】図1において、陰極線管1は大きく分けて
三つのガラス容器からなり、フェースプレート部3、フ
ァンネル部2、ネック部7から構成される。少なくとも
フェースプレート3は透明ガラスの内面に蛍光体(図示
せず)を塗布した蛍光面を具備する。ファンネル部2は
略コーン状のガラス容器であり、少なくとも高圧ー偏向
回路20からの高電圧(以下、高圧またはH.V.と略記す
る)を印加するアノードボタン9、外装黒鉛膜5、ファ
ンネル電極8を具備する。外装黒鉛膜5はファンネル2
のガラス容器外壁の一部に電気的な導電体である黒鉛の
水溶液を塗布、乾燥させたもので、外装黒鉛膜5を電気
的に接地して陰極線管1の陽極に静電容量を付加する。
ネック部7には電子ビームを発生する電子銃(図示せ
ず)を封止しており、少なくとも偏向ヨーク6が外部よ
り装着される。ネック部7に装着した偏向ヨーク6は電
子ビームを水平及び垂直方向に偏向してラスターを得る
ための偏向磁界を発生する水平偏向コイルと垂直偏向コ
イルからなる。なお、フェースプレート3の側面部の周
囲には陰極線管のガラス容器が破損した場合の安全性を
高める金属製バンド(防爆バンド)4を巻き付け、電気
的に接地して使用する。
【0012】図3(a)に示したように、ファンネル2
の内面には導電性の黒鉛を塗布した内層導電膜13が形
成されており、アノードボタン9を介して高圧‐偏向回
路20の端子T4からの数万[V]の直流電圧が供給さ
る。一方、フェースプレート3の内面には電子ビーム照
射により発光する蛍光体を塗布して蛍光膜11を形成
し、蛍光膜11と内装導電膜13とが同電位となるよう
にアルミニウムを蒸着したメタルバック膜12により電
気的な接続がされる。なお、図には示していないが、カ
ラー陰極線管の場合には蛍光膜11のごく近くに三原色
の色蛍光体を選別するためのシャドウマスク等の色選別
電極が内装導電膜13と同電位となるように具備され
る。端子T4から供給される高圧の変動(リップル)を
低減するために、外装黒鉛膜5は接地され、ファンネル
ガラスを介して内装導電膜13との間に約数千[pF]
の静電容量C5を形成し、高圧回路20の平滑容量とし
て用いる。接地した外装黒鉛膜5と偏向ヨーク6の間に
は本発明の主要部をなすキャンセル電極8を具備してい
る。キャンセル電極8は導電性コーティング膜をファン
ネル2のガラス面の表面に形成したもの、又は粘着剤付
の金属箔(例えば、厚さ35μm程度の銅箔)をガラス
外壁に貼付けたもの、又は水溶性黒鉛を塗布し乾燥させ
たもの等が使用でき、ファンネル部ガラス容器外壁に接
して電極を具備したものである。
【0013】偏向ヨーク6の水平偏向コイルは高圧‐偏
向回路20の端子T1、T2に接続されており、T2か
ら図3(b)に示したような水平周期(以下、H周期と
略記する。その周期は水平偏向周波数fHの逆数)で繰
り返す約一千[Vp-p]のパルス電圧V0が供給されてい
る。パルス電圧V0により水平偏向コイルに水平周期の
鋸歯状電流が生じ、電子ビームを左右に偏向する水平偏
向磁界を発生する。一方、高圧‐偏向回路20の端子T
3には端子T2のパルス電圧V0と相似形かつ、極性が
v0と反転した逆パルス電圧V1を発生させており、電
圧V1をファンネル電極8に供給する。
【0014】ここで、陰極線管装置1が動作している時
に放射される交番電界を解析し、その発生機構を明らか
にしたので、そのメカニズムを説明する。交番電界の発
生原因の主なものは、陰極線管の内層導電膜13に生じ
た動的な電圧変動(交番電圧)に起因しており、陰極線
管装置1が動作している時には二種類の交番電界VLEF1
00とELEF200がフェースプレート3のガラス面を介
して前方に放射されている。更に、図3、図4を用い
て、交番電界VLEF100とELEF200の発生要因と本発
明の対策方法を詳細に説明する。
【0015】周波数帯域が2kHzから400kHz帯
のVLEF100は偏向ヨーク6に供給したパルス電圧V0
に起因して生じるH周期の交番電界である。一方、周波
数帯域が5Hzから2kHz帯のELEF200は映像信号
の内容に応じて陰極線管1の電子銃から放射される電子
ビーム量が変化し、陰極線管1の陽極に供給するH.V.が
垂直周期(以下、V周期と略記する。その周期は垂直偏
向周波数fvの逆数)の動的な電圧変動(ΔHVと略記す
る)を生じることに起因して生じる交番電界である。
【0016】はじめに、VLEF100がフェースプレート
3から放射されるメカニズムと交番電界VLEF100を抑
制する原理を詳しく説明する。偏向ヨーク6の水平偏向
コイルと内装導電膜13間の静電結合(図3(a)には
分布容量を等価的な静電容量C0と表した)により、端
子T2から供給されたパルス電圧V0と相似なパルス電
圧v01が内装導電膜13に発生する。
【0017】同様に、キャンセル電極8と内装導電膜間
13間の静電結合(図3(a)には等価的な静電容量を
C1と表した)により、内装導電膜間13には端子T3
からファンネル電極8に供給した逆パルス電圧V1と相
似なパルス電圧v11を生じる。図4は静電容量C0、
C1などの接続状態を説明する等価回路であり、C5は
外装黒鉛膜5と内装導電膜13間の静電容量、R5は外
装黒鉛膜5の抵抗、C10はフェースプレート3の表面
に形成した透明導電膜10と内装導電膜13間の静電容
量、R10は透明導電膜10の抵抗である。なお、C2
0、R20は高圧ー偏向回路20のFBT(フライバッ
ク・トランス)の内部容量と保護抵抗を表す。
【0018】内装導電膜13(図4に示した等価回路の
P点)に動的な電圧変化(交番電圧)を生じると、交番
電圧は容量C10を介してフェースプレート3の表面に
形成した透明導電膜10(図4のQ点)に生じる。Q点
に生じる交番電圧は静電容量C10と抵抗R10のイン
ピーダンス分割の比率に応じた電圧振幅を透明導電膜1
0に発生し、フェースプレート3の前方に交番電界VLEF
100、ELEF200を放射する。従って、もしも透明導
電膜10の抵抗値R10を十分に小さくでき、シ−ルド
効果を大きくできければ、Q点に発生する交番電圧が小
さくなり、交番電界を小さな値に抑制できる。
【0019】ところで前述のように、交番電界VLEF10
0の発生原因は静電容量C0の存在により端子T2に供
給されたパルス電圧V0と相似な交番電圧v01が内装
導電膜13に発生するためである。図5(a)に示すよ
うに交番電圧v01は図4のP点においてP点とアース
間の合成インピーダンスをZ00、C0のインピーダン
スをZ0とすると、P点の電圧は下式で示され、z00
≪z0であるから数1で近似される。
【0020】〔数1〕 v01=(Z00×V0)/(Z00+Z0) ≒(Z00×V0)/Z0 ∝(C0×V0) (数1) 数1から、発生電圧v01の振幅は水平偏向コイルの静
電容量C0と水平偏向コイルに供給するパルス電圧V0
の積(C0×V0)に比例することがわかる。
【0021】同様にファンネル電極8の静電容量C1に
より、電極に印加した逆パルス電圧V1と相似な交番電
圧v11が内装導電膜13に発生する。図5(b)に示
すように交番電圧v11は図4のP点においてP点とア
ース間の合成インピーダンスをZ11、C1のインピー
ダンスをZ1とすると、P点の電圧はz11≪z1であ
るから数2で近似される。
【0022】〔数2〕 v11=(Z11×V1)/(Z11+Z1) ≒(Z11×V1)/Z1 ∝(C1×V1) (数2) 数2から、発生した電圧v11の振幅はファンネル電極
の静電容量C1と逆パルス電圧V1の積(C1×V1)
に比例することがわかる。
【0023】逆パルス電圧V1と相似なパルス電圧v1
1を内装導電膜13に誘起することにより、内装導電膜
13に生じていた交番電圧v01は極性が反転した交番
電圧v11と互いに打消し合う。図6はファンネル電極
8の面積を変え、電極の静電容量C1をパラメータにし
て逆パルス電圧を変化させた時の内装導電膜13の交番
電圧Δv13(=v01−v11)の振幅を測定したも
のである。各ファンネル電極8の静電容量値に応じて逆
パルス電圧値を最適に設定することにより、VLEF100
の発生源となる交番電圧Δv13を零にできる。図7は
陰極線管装置1の正面、管面から30cmの距離に交番
電界測定器(例えば、スウェーデンのCombinova社EFM20
0)を設置してVLEFを測定した結果である。管面から放
射される交番電界VLEFと内装導電膜13における交番電
圧Δv13は一対一の対応があり、交番電圧Δv13を
ほぼ零とすることにより交番電界VLEF100を対策前の
4.3[V/m]から対策後の0.8〜0.5[V/
m]に低減できることを実験により確認している。すな
わち、本発明により、ファンネル電極8の静電容量c1
と逆パルス電圧V1を適宜設定することによりVLEFの交
番電界値をTCOガイドライン(≦1[V/m])以下
にでき、不要輻射電界の人体への影響が問題とならない
レベルに改善できる。
【0024】ところで、C0、V0、C1、V1の関係
を種々な値に設定して実験を行なった結果、(V0×C
0)の電圧値が(V1×C1)の電圧値より必ず大きい
ことが判明した。また、Kを定数として数3に示した関
係式において、 〔数3〕 K×(V0×C0)=(V1×C1) (数3) 定数Kの値は実験に使用した偏向ヨーク6の水平偏向コ
イルの巻線仕様により異なっていた。表1は仕様の異な
る3種類の偏向ヨーク#1、#2及び#3に関して、定
数Kの値を実験結果から算出したもので、Kは0.1か
ら0.9の範囲であった。なお、図6、図7に示したデ
ータの偏向ヨーク#2の定数Kは約0.5であった。
【0025】
【表1】
【0026】また、ファンネル電極8の静電容量C1は
電極面積の大小によって設定でき、電極形状、電極を設
置する位置には余り関係しない。従って、電極の形状、
設置位置は図1に示したものに限定されるものではな
く、例えば図8に示したように外装黒鉛膜13の無い領
域に任意な形状のファンネル電極88を配置できる。
【0027】ところで、外装黒鉛膜5の面積を可能な限
り小さくして、ファンネル電極8の面積を大きく(C1
を大きく)設定すれば、小さな逆パルス電圧で交番電界
VLEFを抑制できる。逆にファンネル電極6の面積を小さ
く(C1を小さく)設定すれば、交番電界VLEFを抑制す
るには大きな逆パルス電圧を要する。表2は表1に示し
た偏向ヨーク#2を用い、ファンネル電極6の面積を変
えた時に必要な逆パルス電圧V1及び静電容量C0とC
1の比R=C1/C0を実験結果から算出したものであ
る。比Rの値はほぼ0.5から15の間にあることがわ
かる。
【0028】
【表2】
【0029】一方、交番電界VLEF100の発生源となる
内装導電膜13の交番電圧v01は数1に示したように
静電容量C0に比例する。従って、C0を低減できれ
ば、VLEFを抑制するのに必要なファンネル電極容量C
1、又は逆パルス電圧V1を小さくできるので、本発明
を実施する上での利点となる。ところで、平行平板コン
デンサの静電容量Cは数4で表されることが知られてい
る。
【0030】〔数4〕 C=εS/d (数4) ここに、εは平行平板間の誘電率 Sは平行平板の面積 dは平行平板間の距離 数4から、静電容量Cを低減するにはεとSを小さく、
反対にdを大きくすればよい。これを水平偏向コイルの
静電容量C0に適用し、偏向ヨ−クと対向する部分のガ
ラス容器材として、例えばよく用いられる鉛アルカリガ
ラス(誘電率ε≒8.3)から誘電率εが8以下のホウ
ケイ酸ガラス(誘電率≒5)等を用いる。又は、水平偏
向コイルに対向する内装導電膜13をメッシュ状等に
し、その一部を欠くようにして等価的な面積Sを低減す
る。又は、水平偏向コイルと対向する部分のガラス容器
厚を容器の内面側に大きくすることによりdを増大させ
る。これらを単独又は併用する事により静電容量C0を
90[pF]以下にでき、ファンネル電極の面積、逆パ
ルス電圧値も耐電圧上問題のない実用的な値で交番電界
VLEFを抑制できることを確認している。
【0031】ファンネル電極8に供給する逆パルス電圧
V1の発生手段の1例を図9に示す。図9(a)、
(b)、(c)は各々偏向ヨーク6の側面図、正面図及
び磁性体コアの磁束の説明図である。偏向ヨーク6は磁
性体コア60の内面に垂直偏向コイル61、水平偏向コ
イル62を設ける。更に本発明では水平偏向コイル62
が発生する磁束63を検出する補助巻線64をコア部6
0に具備する。補助巻線64には水平偏向磁界63が鎖
交し、端子T3’には逆パルス電圧V1’が得られる。
逆パルス電圧V1’は端子T2に供給されるパルス電圧
V0と極性が反転したパルス電圧であり、前述の逆パル
ス電圧v1と同様に交番電界VLEFの抑制に使用できるこ
とは説明するまでもない。別の実施例では偏向ヨーク6
にパルス電圧v0を印加する端子T2から検出したパル
ス電圧を所定な振幅に減衰後、反転したパルス電圧を逆
パルス電圧V1”としてファンネル電極8に供給し、交
番電界VLEFの抑制に使用した。
【0032】一方、周波数帯が5Hzから2kHzの交
番電界ELEF200は、前述の交番電界VLEFとは異なり、
図3(c)に示した高圧の動的な電圧変動であるΔHVが
発生原因である。本発明では交番電界ELEF200を抑制
するために、陰極線管1のフェースプレート3の表面に
抵抗値を最適に設定した透明導電膜10を具備する。透
明導電膜の材料としては酸化インジウムや酸化スズの微
粒子を分散させたもの等が用いられる。更に透明導電膜
10の表面には酸化珪素の薄膜(図3には図示せず)が
成膜され、反射防止膜としての機能を付加している。図
10は陰極線管表示装置1の正面30[cm]の距離に
おいて、透明導電膜10の単位面積当りの抵抗値(単位
[Ω/□])と交番電界ELEFの関係を測定した結果であ
る。TCOガイドラインのELEFの規制値(≦10[V/
m]、正面30cmの距離)を達成するには透明電極の
抵抗値を2×106[Ω/□]以下にすればよい。図1
1は一般的な透明導電膜の抵抗値の周波数特性を示した
ものである。製造コストが高い透明導電膜は二種類の交
番電界ELEF、VLEFの周波数領域において抵抗値が小さ
く、十分に二種類の交番電界をシールドできる。しか
し、この透明導電膜のコストは高いものとなり、ごく一
部の高級機種のみに使用されていた。ところが、製造コ
ストが安い透明導電膜はELEF帯の周波数領域では抵抗値
が小さいが、周波数が高くなると抵抗値が増大し、交番
電界VLEFのシールド効果が低減する欠点がある。この測
定結果を踏まえ、安価な透明導電膜を用い、ELEFの抑制
は透明導電膜のシールド作用で行い、シールド効果が低
減するVLEF帯はのファンネル電極に逆パルスを供給して
VLEFを抑制する方式とを併用する方法が経済的にも有利
であることを確認している。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、陰極線管のフェースプ
レートから正面に放出されている二種類の交番電界VLE
F、ELEFのうち、VLEFは陰極線管の外装黒鉛膜のないフ
ァンネル部のガラス容器外壁に接して設けたキャンセル
電極に逆パルス電圧を供給し管内に誘起した交番電圧を
互いに打消し合うことによって抑制し、またELEFは陰極
線管のフェースプレートの表面に形成した透明導電膜の
抵抗値を最適に設定して抑制することにより、安いコス
トで二種類の交番電界を規制値以下に抑制できる効果が
ある。その結果、画像表示装置の操作者の身体への悪影
響を低減し、安心して長時間使用できる陰極線管表示装
置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による陰極線管表示装置の構
成を示す説明図。
【図2】図1の陰極線管をネック側から示した説明図。
【図3】本発明の実施例の動作を説明する断面図。
【図4】等価回路図。
【図5】内装導電膜に生ずる交番電圧の説明図。
【図6】逆パルス電圧と内装導電膜に生じる交番電圧の
関係を示す説明図。
【図7】逆パルス電圧と交番電界VLEFの関係を示す説明
図。
【図8】ファンネル電極の他の実施例を示す説明図。
【図9】本発明の偏向ヨークの構成を示す説明図。
【図10】透明導電膜の抵抗値と交番電界ELEFの関係を
示す特性図。
【図11】透明導電膜の抵抗値の周波数の特性図。
【符号の説明】
1…陰極線管装置、 2…ファンネル、 3…フェースプレート、 4…防爆バンド、 5…外装黒鉛膜、 6…偏向ヨーク、 7…ネック、 8…キャンセル電極、 9…アノードボタン、 20…高圧−偏向回路、 100…交番電界VLEF、 200…交番電界ELEF。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 洋 千葉県茂原市早野3300番地株式会社日立製 作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 佐藤 佳雄 千葉県茂原市早野3300番地株式会社日立製 作所電子デバイス事業部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極線管に装着した偏向ヨークの水平偏向
    コイルと前記陰極線管のガラス容器の内部に形成した内
    装導電膜との間の静電容量をC0、前記水平偏向コイル
    の端子に供給するパルス電圧の振幅をV0、前記陰極線
    管の外壁面に形成され接地される外装黒鉛膜と電気的に
    分離してファンネル部の前記ガラス容器の外壁に接して
    電極を具備し、前記電極に前記偏向ヨークに供給するパ
    ルス電圧と極性が反転した逆パルス電圧を印加する手段
    を有し、前記電極と前記内装導電膜との間の静電容量を
    C1、前記電極に供給する逆パルス電圧の振幅をV1と
    するとき、(V0×C0)>(V1×C1)であること
    を特徴とする陰極線管表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、K×V0×C0=V1
    ×C1の関係式における定数Kが0.1≦K≦0.9の
    範囲である陰極線管表示装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、水平偏向コイ
    ルに対向する部分のガラス肉厚を他の部分より陰極線管
    の内面側に厚くすること、又は、水平偏向コイルと対向
    する部分の内装導電膜の一部を欠くこと、又は水平偏向
    コイルが対向する部分のガラス材の誘電率を8以下とす
    ることのうちのいずれか一つ以上により、前記水平偏向
    コイルと前記内装導電膜との間の静電容量C0を90
    [pF]以下とした陰極線管表示装置。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3において、前記水平
    偏向コイルと前記内装導電膜との間の静電容量C0とフ
    ァンネル部の前記ガラス容器の外壁に接して設けた前記
    電極と前記内装導電膜との間の静電容量C1の比(C1
    /C0)が、0.5≦(C1/C0)≦15の範囲である陰
    極線管表示装置。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4において、前記
    陰極線管のパネルガラスの外表面に単位面積当りの抵抗
    値が2×106[Ω/□]以下の透明導電膜を形成し、
    前記透明導電膜を接地した陰極線管表示装置。
  6. 【請求項6】陰極線管の外壁面に形成され接地される外
    装黒鉛膜と電気的に分離してファンネル部のガラス容器
    の外壁に接して電極を具備し、前記電極に水平偏向コイ
    ル端子に供給するパルス電圧と極性が反転した逆パルス
    電圧を印加する手段を有する陰極線管表示装置におい
    て、偏向ヨークのコアに発生した磁束と前記コアに設け
    た補助巻線とを磁気結合させることにより逆パルス電圧
    を発生する補助巻線を前記コアに具備、又は前記水平偏
    向コイルより検出したパルス電圧の極性を反転させ、振
    幅を減衰させることにより逆パルス電圧を得る反転減衰
    回路を具備したことを特徴とする陰極線管表示装置。
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