JPH09205654A - 陰極線管表示装置 - Google Patents

陰極線管表示装置

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JPH09205654A
JPH09205654A JP1164396A JP1164396A JPH09205654A JP H09205654 A JPH09205654 A JP H09205654A JP 1164396 A JP1164396 A JP 1164396A JP 1164396 A JP1164396 A JP 1164396A JP H09205654 A JPH09205654 A JP H09205654A
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JP
Japan
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voltage
ray tube
cathode ray
reverse
high voltage
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JP1164396A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Jitsukata
寛 實方
Soichi Sakurai
宗一 桜井
Hiroshi Yoshioka
洋 吉岡
Yoshio Sato
佳雄 佐藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】陰極線管を用いた画像表示装置から放射される
交番電界VLEFとELEFを低減する。 【解決手段】陰極線管1の内装黒鉛膜13に生ずる交番
電圧成分を含む高電圧を検出し、該交番電圧の極性を反
転,増幅した電圧成分を含む逆電圧を発生させて該逆電
圧を前記内装黒鉛膜に静電結合によって供給する。交番
電圧と逆電圧は互いに打消し合って不要輻射電界の発生
源となる交番電圧を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管を用いた
陰極線管表示装置に係り、特に陰極線管の表示面から前
方に放射される交番電界の抑制に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管表示装置は高周波信号処理回
路,電子ビームの偏向磁界発生回路,高電圧発生回路な
どを備える。このため、この陰極線管表示装置からは、
不要な電波,磁界,電界などが放射されることから、こ
れらの不要な電波,磁界,電界の輻射を規制する各種の
規格が制定されている。しかも、最近は、このような陰
極線管表示装置を使用したパーソナルコンピュータ等の
普及に伴い、陰極線管表示装置を長時間に亘って使用す
る機会が増えており、該表示装置から輻射される低周波
数の電界が操作者の身体へ及す悪影響が懸念されてい
る。このような状況のもとで、陰極線管表示装置から放
射される不要な輻射電界の規制に関する規格が北欧で制
定され、この規格が世界各国に広がりつつある。このよ
うに規制される不要輻射電界は、電界強度が時刻と共に
変化する交番電界であり、周波数帯域によって2種類に
分類されている。その1つは、周波数帯域が2kHzか
ら400kHzで、映像信号の水平偏向周波数fHを含
む交番電界VLEF(VeryLow frequen
cy Electric Field)であり、他の1
つは、周波数帯域が5Hzから2kHzで、垂直偏向周
波数fvを含む交番電界ELEF(Extremely
Low frequency Electric F
ield)である。
【0003】画像表示装置から放射される不要な輻射電
界に関する規格として、例えば1990年にスウェーデ
ンで制定されたMPRー2が広く知られている。このM
PR−2規格は、2kHzから400kHz帯のVLE
Fの電界値を2.5V/m以下(測定距離は画像表示装
置の周囲50cm)に規制し、5Hzから2kHz帯の
ELEFの電界値を25V/m以下(画像表示装置の前
方50cmのみ)に規制するものである。その後、この
MPR−2規格を大幅に厳しくしたTCOガイドライン
が制定され、画像表示装置から放射される交番電界の抑
制効果を大幅に改善する必要性が高まっている。TCO
ガイドラインは、VLEFに関しては電界値を1.0V
/m以下(画像表示装置の前方30cm及び周囲50c
m)に規制し、ELEFに関しては電界値を10V/m
以下(画像表示装置の前方30cmのみ)に規制するよ
うに強化した規格である。
【0004】陰極線管表示装置の場合には、画像表示面
(蛍光面)を除いた部分は、金属板や金網等による静電
シールドによって比較的簡単に交番電界を遮蔽でき、比
較的簡単に電界強度を規制値以下に抑制することができ
る。しかし、陰極線管の前面は、透明なガラスであるフ
ェースプレートの内面に形成した蛍光面を発光させて再
生画像を表示する構成であるので、不透明な金属板を蛍
光面の前方に設置して静電シールドすることができな
い。そこで、米国特許第5,198,729号明細書及
び図面に記載されているように、ガラス容器の外壁に電
極を貼付け、該電極に水平偏向トランスから得た逆極性
のHパルスを印加することにより、陰極線管表示装置か
ら放射されるVLEFを抑制することが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たようなVLEF抑制手段を備えた陰極線管表示装置
は、陰極線管の動作条件が変化した場合、例えばビーム
電流量が増大して画面が明るくなった場合には、VLE
Fが増大して不要輻射電界を規格値以下に抑制すること
ができなくなるという問題がある。
【0006】本発明の目的は、このような問題点に鑑
み、陰極線管表示装置の動作条件が変化した場合でも該
表示装置の前方に放射される不要輻射電界を効果的に抑
制することができる陰極線管表示装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、陰極線管の内
装陽極電極膜に供給される高電圧に重畳している交番電
圧成分に対して極性が反転した電圧成分を含む逆電圧を
発生させ、この逆電圧を静電結合によって前記高電圧に
重畳させて該高電圧の交番電圧成分を低減することによ
り、不要輻射電界の発生を低減するものである。
【0008】または、前記逆電圧に基づいた電界を発生
させ、前記高電圧によって発生する電界の交番成分を打
ち消すようにすることにより、不要輻射電界を低減す
る。
【0009】前記逆電圧は、内装陽極電極膜に供給する
高電圧から取得した検出電圧を反転増幅して発生し、あ
るいは、高圧変成器回路の変成器あるいは水平偏向制御
回路に接続した変成器によって発生する。
【0010】更に具体的には、本発明は、次のようにし
て課題を解決する。
【0011】陰極線管のガラス容器の内面に形成された
内装陽極電極膜と、この内装陽極電極膜に印加する高電
圧を発生する高電圧発生手段とを備えた陰極線管表示装
置において、前記高電圧に応じた検出電圧を取得する電
圧検出手段と、前記検出電圧に重畳している交番電圧成
分に対して極性が反転した電圧成分を含む逆交番電圧を
発生する逆交番電圧発生手段と、前記逆交番電圧を静電
結合により前記高電圧に重畳させる静電結合手段と、前
記高電圧に重畳した前記交番電圧成分が設定値以下とな
るように前記電圧検出手段の検出電圧に基づいて前記逆
交番電圧発生手段の発生電圧を制御する電圧制御手段を
設けることにより、不要輻射電界の発生を低減する。
【0012】前記逆交番電圧発生手段は、前記電圧検出
手段によって検出した検出電圧を増幅する利得可変型の
反転増幅回路を使用して構成する。
【0013】前記逆交番電圧発生手段は、前記交番電圧
検出手段によって検出した検出電圧を増幅する利得可変
型の反転増幅回路と、前記反転増幅回路の利得を前記検
出電圧に重畳している交番電圧成分の大きさに基づいて
制御する利得制御回路を使用して構成する。
【0014】前記利得制御回路は、前記検出電圧に重畳
されている帰線パルス電圧成分または残留パルス電圧成
分のピーク値を検出し、その符号の正/負に応じて前記
反転増幅器の利得を制御するように構成する。
【0015】前記静電結合手段は、前記陰極線管の内装
陽極電極膜に対向させてガラス容器の外面に設けた導電
部材を使用して構成する。
【0016】前記静電結合手段は、前記陰極線管の内装
陽極電極膜に高電圧を供給する高圧変成器の高圧出力端
子に接続されたコンデンサを使用して構成する。
【0017】前記静電結合手段は、前記陰極線管の内装
陽極電極膜に高電圧を導くアノードキャップ部に接続さ
れたコンデンサを使用して構成する。
【0018】前記静電結合手段は、前記陰極線管の内装
陽極電極膜に高電圧を導くアノードケーブルの外周に設
けられて該アノードケーブルの心線に静電結合する導電
体を使用して構成する。
【0019】また、陰極線管のガラス容器の内面に形成
されて高電圧が印加される内装陽極電極膜と、前記陰極
線管に装着された水平偏向コイルと、前記内装陽極電極
膜に印加する高電圧を発生する高電圧発生手段とを備え
た陰極線管表示装置において、前記水平偏向コイルに生
ずる帰線パルス電圧に対して極性が反転した電圧成分を
含む第1の逆パルス電圧を発生する第1の逆パルス電圧
発生手段と、前記内装陽極電極膜に供給する高電圧を発
生する高圧変成器回路の出力電圧に重畳したパルス電圧
成分に対して極性が反転した電圧成分を含む第2の逆パ
ルス電圧を発生する第2の逆パルス電圧発生手段と、前
記高電圧に応じた検出電圧を取得する電圧検出手段と、
前記検出電圧に対して極性が反転した電圧成分を含む第
3の逆電圧を発生する第3の逆電圧発生手段と、前記第
1の逆パルス電圧または第2の逆パルス電圧または第3
の逆電圧を前記内装陽極電極膜に静電結合により供給す
る静電結合手段と、前記内装陽極電極膜の交番電圧成分
が設定値以下となるように前記電圧発生手段を制御する
制御手段とを設けることにより、不要輻射電界を低減す
る。
【0020】そして、前記第1の逆パルス電圧発生手段
は、前記水平偏向制御回路に接続された変成器を使用し
て構成する。
【0021】前記第2の逆パルス電圧発生手段は、内装
電極膜に供給する高電圧を発生する高圧変成器回路にお
ける高圧変成器の補助巻線を使用して構成する。
【0022】前記第3の逆電圧発生手段は、前記電圧検
出手段によって検出した検出電圧を増幅する利得可変型
の反転増幅回路をして構成する。
【0023】また、陰極線管のガラス容器の内面に形成
された内装陽極電極膜と、この内装陽極電極膜に印加す
る高電圧を発生する高電圧発生手段とを備えた陰極線管
表示装置において、前記高電圧に応じた検出電圧を取得
する電圧検出手段と、前記検出電圧に重畳している交番
電圧成分に対して極性が反転した電圧成分を含む逆交番
電圧を発生する逆交番電圧発生手段と、前記陰極線管の
フェースプレート部の近傍に設置され、前記逆交番電圧
が供給されて電界を発生する電極を設けることにより、
不要輻射電界を低減する。
【0024】前記逆交番電圧発生手段は、前記電圧検出
手段によって検出した検出電圧を増幅する反転増幅回路
を使用して構成する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。
【0026】図1は、本発明になる陰極線管表示装置の
第1の実施形態の主要部を示す電気回路図である。図2
は、陰極線管から放射される交番電界を説明する模式断
面図であり、各図において同一の構成手段には同一の参
照符号を付した。
【0027】図1において、陰極線管1は大きく分けて
3つの部分からなるガラス容器であり、ファンネル部
2,フェースプレート部3,ネック部7を備える。ファ
ンネル部2はガラス容器の略コーン状部分であり、高圧
変成器回路20の高電圧出力端子27からの直流高電圧
(以下、高電圧またはHVと略記する)を導入するアノ
ードボタン9及び接地された外装電極(黒鉛)膜5を備
える。フェースプレート部3は、ガラス容器の先端部の
緩やかに湾曲した透明な前面の画像表示部分であり、内
面にモノクローム蛍光体または赤色,緑色,青色の三原
色蛍光体を塗布した蛍光面(図示せず)を備える。ネッ
ク部7は、後端に伸びる筒状部であり、電子ビームを発
生する電子銃(図示せず)が封止され、外側に偏向ヨー
ク6が装着される。この偏向ヨーク6は、電子ビームを
水平及び垂直方向に偏向してラスターを得るための偏向
磁界を発生する水平偏向コイル61(図示せず)と垂直
偏向コイル62(図示せず)を備える。なお、フェース
プレート部3の側面部の周囲には陰極線管1のガラス容
器が破損したときの安全性を高める金属製の補強バンド
4が巻き付けられ、外装黒鉛膜5と共に電気的に接地さ
れる。
【0028】高圧変成器回路20は、高電圧発生制御回
路51から1次コイル21に印加されたパルス電圧を2
次コイル22で昇圧する高圧変成器を備える。2次コイ
ル22で昇圧したパルス電圧はダイオード23で整流
し、コンデンサ24によって平滑して高電圧出力端子2
7に25kV〜30kVの直流高電圧を出力してアノー
ドボタン9に供給する。
【0029】図2(b)に示すように、ファンネル2の
ガラス容器部分の内面には導電性の黒鉛を塗布した内装
陽極電極膜(以下、内装黒鉛膜ともいう)13が形成さ
れており、高電圧出力端子27から供給される前記直流
高電圧がアノードボタン9を介して該内装黒鉛膜13に
印加される。
【0030】一方、フェースプレート部3の内面には電
子ビーム照射により発光する蛍光体を塗布することによ
り蛍光膜11を形成し、該蛍光膜11の表面にアルミニ
ウムメタルバック膜12が蒸着される。メタルバック膜
12により内装黒鉛膜13と蛍光膜11が電気的に接続
されて蛍光膜11に高電圧が印加される。なお、図示を
省略するが、カラー陰極線管の場合には蛍光膜11のご
く近傍に3原色の色蛍光体を選別する金属製のシャドウ
マスクが色選別電極として内装黒鉛膜13と同電位とな
るように設置される。
【0031】外装黒鉛膜5は、ガラス容器のファンネル
部2の外壁面の一部に導電体である黒鉛の水溶液を塗布
して乾燥させて形成したもので、該外装黒鉛膜5を電気
的に接地することにより陰極線管1の前記内装黒鉛膜
(陽極)13との間に静電容量を形成する。すなわち、
接地された外装黒鉛膜5は、ファンネル部2のガラス容
器を介して内装黒鉛膜13との間に静電容量(以下、外
装容量と呼ぶ)55を形成する。この外装容量55は、
高圧変成器回路20に内蔵された静電容量24と並列接
続関係になり、高電圧出力端子27から出力される高電
圧HVを平滑するように作用する。しかし、高電圧出力
端子27から出力される高電圧HVは、完全な直流電圧
ではなく、図2(a)に示すように、直流電圧成分Eb
(DC)に垂直偏向周期(以下、V周期と略記する)で
繰返す交流的な高電圧の変動電圧成分ΔEb(AC)が
重畳した電圧波形であり、特にビーム電流量が増大した
場合には大きな変動電圧成分ΔEb(AC)が重畳す
る。更に、高電圧HVには、図2(a)の拡大部に示す
ように、水平偏向周期(以下、H周期と略記する)のリ
ップル電圧成分(以下、残留パルス電圧成分と略記す
る)V1が重畳している。
【0032】一方、水平偏向制御回路50に接続された
水平偏向コイル61(図示せず)には、H周期で繰返す
約1000Vp−pのパルス電圧(以下、帰線パルス電
圧と略記する)V0が帰線期間(電子ビームを表示画面
の水平方向の右端から左端に戻す期間)に発生してい
る。なお、帰線パルス電圧V0と残留パルス電圧成分V
1は、共に、同一のH周期で繰返すパルス電圧である
が、水平偏向制御回路50と高電圧発生制御回路51が
別々であるので、数μ秒程度の位相差を生じている。
【0033】ここで、陰極線管1が動作しているときに
放射される不要輻射電界を解析し、その発生機構を明ら
かにしたので、そのメカニズムを説明する。不要輻射電
界の発生原因は、陰極線管1の内装黒鉛膜13に生じた
交流的な変動電圧である交番電圧成分に起因しており、
陰極線管1が動作しているときには2種類の不要輻射電
界VLEF100,ELEF200がフェースプレート
部3のガラス面を通過して前方に放射されていることを
突止めた。
【0034】周波数帯域が2kHzから400kHzで
あるVLEF100は、H周期の帰線パルス電圧V0,
残留パルス電圧成分V1及びH周期の変動電圧成分ΔE
b(H)によって生じる交番電界である。一方、周波数
帯域が5Hzから2kHz帯のELEF200は、映像
信号の内容に応じて陰極線管1の電子銃から放出される
電子ビーム量が変化するためにV周期で生じる変動電圧
成分ΔEb(AC)に起因して生じる交番電界である。
【0035】初めに、VLEF100がフェースプレー
ト部3から放射されるメカニズムを詳しく説明する。偏
向ヨーク6の水平偏向コイル61(図示せず)と内装黒
鉛膜13は2mm程度の厚さのガラス容器を介して対向
している。従って、図2(b)に静電容量63で示した
ように、水平偏向コイル61と内装黒鉛膜13の間の静
電結合により、水平偏向コイル61に印加した帰線パル
ス電圧V0と相似なパルス電圧成分V01が内装黒鉛膜
13に発生し、更に高電圧ラインに存在する残留パルス
電圧成分V1及び変動電圧成分ΔEb(H)が内装黒鉛
膜13に印加される。その結果、内装黒鉛膜13,導電
性膜のメタルバック膜12,金属製のシャドウマスク
(図示せず)などの導電性材にH周期の交番電圧成分V
01,V1,ΔEb(H)が印加されることにより、フ
ェースプレート部3の前方に不要輻射電界VLEF10
0が放射される。
【0036】同様に、ELEF200は高電圧ラインに
生じたV周期の変動電圧成分ΔEb(AC)が内装黒鉛
膜13,メタルバック膜12,金属製のシャドウマスク
(図示せず)に印加されることにより、フェースプレー
ト部3の前方に不要輻射電界ELEF200が放射され
る。
【0037】この実施形態では、このような不要輻射電
界の発生を抑制するために、前記した内装黒鉛膜13に
生じる交番電圧成分V01,V1,ΔEb(H)及びΔ
Eb(AC)、即ち交番電界の発生源となる交番電圧成
分そのもを低減する。
【0038】図1におて、内装黒鉛膜13に生じる交番
電圧成分V01,V1,ΔEb(H)及びΔEb(A
C)を含む検出電圧を、高圧変成器回路20の高電圧出
力端子27に接続した抵抗40と一端を接地した抵抗4
1の接続点から得て検出端子42に出力する。これらの
交番電圧成分(V01,V1,ΔEb(H)及びΔEb
(AC))を含む検出電圧は、利得可変型の反転増幅器
45によって反転増幅し、極性が反転された逆交番電圧
として帰還端子26からコンデンサ25を介して高電圧
出力端子27に供給する。
【0039】一方、検出端子42から検出した検出電圧
は、高域通過濾波器43によりV周期の変動電圧成分Δ
Eb(AC)が遮断され、H周期の帰線パルス電圧V0
などが通過してピーク検出器44に入力される。ピーク
検知器44は、帰線パルス電圧成分V01または残留パ
ルス電圧成分V1のピーク値を検出し、その符号の正/
負に応じて前記利得可変型の反転増幅器45の利得を制
御するようにし、検出されるピーク値の絶対値が所定の
設定値以下となるように該利得可変型の反転増幅器45
の利得を変化させる。即ち、検出端子42から検出した
帰線パルス電圧成分V01のピーク値が正のときには反
転増幅器45の利得を増大するように制御し、該反転増
幅器45から出力する逆極性の逆交番電圧成分の振幅を
大きくして高電圧出力端子27に重畳する。その結果、
高電圧出力端子27に生じていた交番電圧成分は、前記
逆極性の逆交番電圧成分と互いに打消し合って内装黒鉛
膜13の交番電圧成分を低減し、不要輻射電界を規制値
以下に抑制する。反対に、検出端子42から検出される
帰線パルス電圧成分V01または残留パルス電圧成分V
1のピーク値が負のときは、反転増幅器45の利得を減
少するように制御し、該反転増幅器45から出力する逆
極性の交番電圧成分の振幅を小さくして高電圧出力端子
27に重畳する。その結果、高電圧出力端子27に生じ
ていた交番電圧成分は該逆極性の交番電圧成分と互いに
打消し合って内装黒鉛膜13の交番電圧成分を低減し、
不要輻射電界を抑制することができる。
【0040】この実施形態を適用した17形ディスプレ
イを試作し、陰極線管1の管面から30cmの距離に交
番電界測定器(例えば、スウェーデンのCombino
va社EFM200)を配置して不要輻射電界を測定し
た結果、対策前には7V/mであったVLEFが0.6
V/mに低減し、また、対策前には25V/mであった
ELEFを6.5V/mに改善できることを確認でき
た。この不要輻射電界の値は、TCOガイドライン(V
LEF≦1V/m,ELEF≦10V/m)を満足する
ものである。
【0041】図3は、本発明の第2の実施形態を示した
電気回路図である。なお、第1の実施形態と同一の構成
手段には同一の参照符号を付した。
【0042】この第2の実施形態では、反転増幅器45
から出力した逆極性の交番電圧成分を、陰極線管1のフ
ァンネル部2の外装黒鉛膜5の無いガラス地の部分に設
けたファンネル電極8に印加している。ファンネル電極
8は、粘着剤付の金属箔(例えば35μm程度の厚さの
銅箔)または水溶性黒鉛を塗布して乾燥させたものなど
を使用することができ、ファンネル部2のガラス容器部
分の外壁面に密着して内装黒鉛膜13と対向するように
設けた種々の導電性部材を該電極8として使用すること
ができる。
【0043】図4は、ファンネル電極8の動作を説明す
る模式断面図である。反転増幅器45から出力された逆
交番電圧成分は、ファンネル電極8と内装黒鉛膜13の
間の静電結合(静電容量88)によって内装黒鉛膜13
に供給され、不要輻射電界の発生源となっている高電圧
の交番電圧成分と互いに打消し合う。その結果、第1の
実施形態と同様に、不要輻射電界をTCOガイドライン
(VLEF≦1Vm,ELEF≦10V/m)を満足す
る値にまで低減することができる。
【0044】図5は、逆交番電圧成分を内装黒鉛膜13
に静電結合によって供給するための他の方法を示してい
る。高圧変成器回路20から出力される高電圧を陰極線
管1に印加する第1のアノードケーブル91は、弾力性
のある絶縁ゴムからなるアノードキャップ90の内部に
おいてケーブル92の一端と接続され、該ケーブル92
の他端がコンデンサ94の一端に接続されている。この
コンデンサ94は、樹脂製の容器93に内蔵されて耐電
圧性能が高い充填樹脂で覆われ、他端に電線95が接続
される。
【0045】コンデンサ94の機能は、第1の実施形態
で説明したコンデンサ25と同様であるから説明を省略
する。
【0046】また、図6は、逆交番電圧成分を内装黒鉛
膜13に静電結合によって供給する他の方法を示してい
る。図6(a)は、アノードケーブル91とアノードキ
ャップ90を示す斜視図であり、該アノードケーブル9
1のA−A断面を図8(b)に示している。アノードケ
ーブル91には、心線97と同軸状に導電体96を取り
付け、導電体96に印加した逆交番電圧成分を該導電体
96と心線97の間の静電結合により該心線97に供給
して内装黒鉛膜13に印加するものである。
【0047】図7は、本発明の第3の実施形態を示す電
気回路図である。なお、第1及び第2の実施形態と同一
の構成手段には同一の参照符号を付した。
【0048】この第3の実施形態は、水平偏向制御回路
50に接続された変成器30の2次コイル32を高圧変
成器回路20に設けた高圧変成器の補助巻線28に接続
している。この接続により、2次コイル32で発生した
第1の逆帰線パルス電圧VV1と補助巻線28で発生し
た第2の逆パルス電圧VV2を加算する。2つのパルス
電圧VV1,VV2を加算した逆パルス電圧(VV1+
VV2)はファンネル電極8に供給され、該逆パルス電
圧(VV1+VV2)は、第2の実施形態と同様に、フ
ァンネル電極8と内装黒鉛膜13の間の静電結合により
内装黒鉛膜13に供給される。第1の逆帰線パルス電圧
VV1は帰線パルス電圧成分V0と同位相且つ逆極性の
パルス電圧であり、第2の逆パルス電圧VV2は残留パ
ルス電圧成分V1と同位相且つ逆極性のパルス電圧であ
る。従って、前記逆パルス電圧(VV1+VV2)は、
内装黒鉛膜13に生じた交番電圧成分(V01及びV
1)と互いに打消し合うので、H周期の交番電圧を低減
してフェースプレート部3の前方に放射されるVLEF
100の発生を抑制する。
【0049】一方、高圧変成器回路20の検出端子42
から検出したV周期の高電圧の電圧変動成分ΔEb(A
C)を含む検出電圧は、反転増幅器45によって極性を
反転し且つ増幅されて第3の逆電圧VV3となる。この
第3の逆電圧VV3は、フェースプレート部3の周縁部
に配置した電極46に印加される。電極46は、前記第
3の逆電圧VV3が印加されると、この第3の逆電圧V
V3に応じた交番電界201を陰極線管1の前方に向け
て放射する。そして、電極46から放射される交番電界
201とフェースプレート部3から放射されるELEF
200とは同位相且つ逆極性であるので、陰極線管1の
前方で互いに打消し合ってELEF200が低減する。
その結果、第1,第2の実施形態と同様に、不要輻射電
界をTCOガイドライン(VLEF≦1Vm,ELEF
≦10V/m)以下に低減することができた。
【0050】なお、第3の逆電圧VV3は、静電容量
(コンデンサ)を介して高圧変成器回路20で発生する
高電圧に重畳したり、内装黒鉛膜13に供給するように
変形することもできる。
【0051】また、本発明は、前述した各実施形態を部
分的に組み合わせることにより、水平偏向制御や垂直偏
向制御あるいは表示画面の明るさの変動などに起因して
発生する不要輻射電界VLEF,ELEFを軽減あるい
は打ち消す構成の実施形態に変形して、不要輻射電界の
放射を軽減するように実施することができる。
【0052】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、陰極線管のフェースプレート部から前面に放射され
る2種類の不要輻射電界ELEF,VLEFを該陰極線
管の動作条件に応じて低減することがきるので、陰極線
管の動作条件が変化しても不要輻射電界ELEF,VL
EFを規制値以下に抑制することができる効果がある。
その結果、陰極線管表示装置の操作者の身体への悪影響
を低減し、安心して長時間使用できる陰極線管表示装置
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる陰極線管表示装置の第1の実施形
態を示す電気回路図である。
【図2】不要輻射電界の発生原因を説明する陰極線管の
模式断面図である。
【図3】本発明になる陰極線管表示装置の第2の実施形
態を示す電気回路図である。
【図4】第2の実施形態におけるファンネル電極の動作
を説明する模式断面図である。
【図5】逆交番電圧を内装黒鉛膜に印加する方法を示す
斜視図である。
【図6】逆交番電圧を内装黒鉛膜に印加する他の方法を
示す斜視図である。
【図7】本発明になる陰極線管表示装置の第3の実施形
態を示す電気回路図である。
【符号の説明】
1…陰極線管、2…ファンネル部、3…フェースプレー
ト部、5…外装黒鉛膜、6…偏向ヨーク、7…ネック
部、8…ファンネル電極、9…アノードボタン、11…
蛍光膜、12…メタルバック膜、13…内装黒鉛膜、2
0…高圧変成器回路、25,94…コンデンサ、28…
補助巻線、30…変成器、43…高域通過濾波器、44
…ピーク検出器、45…反転増幅器、46…電極、50
…水平偏向制御回路、51…高圧発生制御回路、100
…交番電界VLEF、200…交番電界ELEF。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉岡 洋 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 佐藤 佳雄 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極線管のガラス容器の内面に形成された
    内装陽極電極膜と、この内装陽極電極膜に印加する高電
    圧を発生する高電圧発生手段とを備えた陰極線管表示装
    置において、 前記高電圧に応じた検出電圧を取得する電圧検出手段
    と、 前記検出電圧に重畳している交番電圧成分に対して極性
    が反転した電圧成分を含む逆交番電圧を発生する逆交番
    電圧発生手段と、 前記逆交番電圧を静電結合により前記高電圧に重畳させ
    る静電結合手段と、 前記高電圧に重畳した前記交番電圧成分が設定値以下と
    なるように前記電圧検出手段の検出電圧に基づいて前記
    逆交番電圧発生手段の発生電圧を制御する電圧制御手段
    を設けたことを特徴とする陰極線管表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記逆交番電圧発生手
    段は、前記電圧検出手段によって検出した検出電圧を増
    幅する利得可変型の反転増幅回路を備えたことを特徴と
    する陰極線管装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記逆交番電圧発生手
    段は、前記交番電圧検出手段によって検出した検出電圧
    を増幅する利得可変型の反転増幅回路と、前記反転増幅
    回路の利得を前記検出電圧に重畳している交番電圧成分
    の大きさに基づいて制御する利得制御回路を備えたこと
    を特徴とする陰極線管表示装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記利得制御回路は、
    前記検出電圧に重畳されている帰線パルス電圧成分また
    は残留パルス電圧成分のピーク値を検出し、その符号の
    正/負に応じて前記反転増幅器の利得を制御するとを特
    徴とする陰極線管表示装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記静電結合手段は、
    前記陰極線管の内装陽極電極膜に対向させてガラス容器
    の外面に設けた導電部材を備えたことを特徴とする陰極
    線管表示装置。
  6. 【請求項6】請求項1において、前記静電結合手段は、
    前記陰極線管の内装陽極電極膜に高電圧を供給する高圧
    変成器の高圧出力端子に接続されたコンデンサを備えた
    ことを特徴とする陰極線管表示装置。
  7. 【請求項7】請求項1において、前記静電結合手段は、
    前記陰極線管の内装陽極電極膜に高電圧を導くアノード
    キャップ部に接続されたコンデンサを備えたことを特徴
    とする陰極線管表示装置。
  8. 【請求項8】請求項1において、前記静電結合手段は、
    前記陰極線管の内装陽極電極膜に高電圧を導くアノード
    ケーブルの外周に設けられて該アノードケーブルの心線
    に静電結合する導電体を備えたことを特徴とする陰極線
    管表示装置。
  9. 【請求項9】陰極線管のガラス容器の内面に形成されて
    高電圧が印加される内装陽極電極膜と、前記陰極線管に
    装着された水平偏向コイルと、前記内装陽極電極膜に印
    加する高電圧を発生する高電圧発生手段とを備えた陰極
    線管表示装置において、 前記水平偏向コイルに生ずる帰線パルス電圧に対して極
    性が反転した電圧成分を含む第1の逆パルス電圧を発生
    する第1の逆パルス電圧発生手段と、 前記内装陽極電極膜に供給する高電圧を発生する高圧変
    成器回路の出力電圧に重畳したパルス電圧成分に対して
    極性が反転した電圧成分を含む第2の逆パルス電圧を発
    生する第2の逆パルス電圧発生手段と、 前記高電圧に応じた検出電圧を取得する電圧検出手段
    と、 前記検出電圧に対して極性が反転した成分を含む第3の
    逆電圧を発生する第3の逆電圧発生手段と、 前記第1の逆パルス電圧または第2の逆パルス電圧また
    は第3の逆電圧を前記内装陽極電極膜に静電結合により
    供給する静電結合手段と、 前記内装陽極電極膜の交番電圧成分が設定値以下となる
    ように前記電圧発生手段を制御する制御手段とを備えた
    ことを特徴とする陰極線管表示装置。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記第1の逆パルス
    電圧発生手段は、前記水平偏向制御回路に接続された変
    成器を備えたことを特徴とする陰極線管表示装置。
  11. 【請求項11】請求項9において、前記第2の逆パルス
    電圧発生手段は、内装陽極電極膜に供給する高電圧を発
    生する高圧変成器回路における高圧変成器の補助巻線を
    備えたことを特徴とする陰極線管表示装置。
  12. 【請求項12】請求項9において、前記第3の逆電圧発
    生手段は、前記電圧検出手段によって検出した検出電圧
    を増幅する利得可変型の反転増幅回路を備えたことを特
    徴とする陰極線管装置。
  13. 【請求項13】陰極線管のガラス容器の内面に形成され
    た内装陽極電極膜と、この内装陽極電極膜に印加する高
    電圧を発生する高電圧発生手段とを備えた陰極線管表示
    装置において、 前記高電圧に応じた検出電圧を取得する電圧検出手段
    と、 前記検出電圧に重畳している交番電圧成分に対して極性
    が反転した電圧成分を含む逆交番電圧を発生する逆交番
    電圧発生手段と、 前記陰極線管のフェースプレート部の近傍に設置され、
    前記逆交番電圧が供給されて電界を発生する電極を備え
    たことを特徴とする陰極線管表示装置。
  14. 【請求項14】請求項13において、前記逆交番電圧発
    生手段は、前記電圧検出手段によって検出した検出電圧
    を増幅する反転増幅回路を備えたことを特徴とする陰極
    線管装置。
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