JPH08163474A - 陰極線管表示装置 - Google Patents

陰極線管表示装置

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JPH08163474A
JPH08163474A JP6303808A JP30380894A JPH08163474A JP H08163474 A JPH08163474 A JP H08163474A JP 6303808 A JP6303808 A JP 6303808A JP 30380894 A JP30380894 A JP 30380894A JP H08163474 A JPH08163474 A JP H08163474A
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ray tube
cathode ray
pulse
conductive film
reverse
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JP6303808A
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Hiroshi Jitsukata
寛 實方
Soichi Sakurai
宗一 桜井
Hiroshi Yoshioka
洋 吉岡
Yoshio Sato
佳雄 佐藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 陰極線管を用いた画像表示装置の前面に放出
されている2種類の交番電界VLEFとELEFを効果
的に抑制すること。 【構成】 陰極線管1の水平偏向コイルに生じる帰線パ
ルスV0 と極性が反転した逆帰線パルスV1 を、水平偏
向コイルに接続した変成器30より得、この逆帰線パル
スを、高圧変成器20の高圧端子に一端を接続したコン
デンサの他端より印加して、陰極線管の内装導電膜に供
給する。さらに、陰極線管のパネルガラスの外表面に形
成した透明導電膜10の単位面積当りの抵抗値を、2×
106 Ω/□以下とする。 【効果】 偏向ヨークに供給するパルス電圧に起因して
内装導電膜に生じた交番電圧を逆帰線パルスで打消し、
交番電界VLEFを抑制できる。さらに、透明導電膜の
シールド作用により交番電界ELEFを規制値以下に抑
制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陰極線管を用いた画像表
示装置に係り、特に、陰極線管の表示面から前方に放射
される交番電界を抑制する機能を有する陰極線管表示装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管表示装置は、高周波信号処理回
路,電子ビームの偏向磁界発生回路,高電圧発生回路な
どから構成されている。このため、陰極線管表示装置か
ら不要な電波,磁界,電界などが放射されており、これ
らの不要輻射を抑制する各種の規制が制定されている。
また、最近はパーソナルコンピュータ等の普及に伴い、
陰極線管表示装置を長時間使用する機会が増えており、
陰極線管表示装置から輻射される低周波電界の操作者の
身体へ及ぼす影響が懸念されている。そこで、画像表示
装置から放射される不要輻射電界値に関する規制が北欧
で制定され、その規格が世界各国に広がりつつある。不
要輻射電界(以下、交番電界とも表す)は周波数帯によ
って2種類に分類されており、周波数が2kHz〜40
0kHz(水平偏向周波数fH を含む周波数帯域)の交
番電界をVLEF(Very Low frequency Electric Fiel
d )、周波数が5Hz〜2kHz(垂直偏向周波数fV
を含む周波数帯域)の交番電界をELEF(Extremely
Low frequency Electric Field)と呼んでいる。
【0003】画像表示装置からの不要輻射電界に関する
規格として、例えば1990年にスウェーデンで制定さ
れたMPR−2が広く知られている。MPR−2規格
は、2kHz〜400kHz帯のVLEFに関して電界
値2.5V/m以下(表示装置の周囲50cm)、5H
z〜2kHz帯のELEFに関して電界値25V/m以
下(表示装置の前50cmのみ)となっている。その
後、MPR−2規格を大幅に厳しくしたTCOガイドラ
インが制定され、交番電界の抑制効果を大幅に改善する
必要性が増大している。TCOガイドラインは、VLE
Fに関して電界値1.0V/m以下(表示装置の前30
cm及び周囲50cm)、ELEFに関して電界値10
V/m以下(表示装置の前30cmのみ)と強化した規
格である。
【0004】陰極線管表示装置の場合には、画像表示面
(蛍光面)を除いた部分は、金属板や金網等による静電
シールドにより、比較的簡単に交番電界を遮蔽でき、簡
単に電界強度を規制値以下に抑制できる。しかし、陰極
線管の前面は透明なガラスであるフェースプレートの内
面に形成した蛍光面を発光させて画像を表示するため、
不透明な金属板を蛍光面の前に配置して静電シールドす
ることは困難である。そこで、特開平5−343007
号公報に記載されているように、陰極線管のフェースプ
レート表面に抵抗値が低い透明導電膜を形成し、該透明
導電膜を電気的に接地することにより蛍光面から放出さ
れる交番電界をシールドして、陰極線管表示装置から放
射される交番電界を抑制するようにした技術が知られて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術においては、交番電界を規格値以下に低減す
るために、前記透明導電膜としてシールド効果の大きな
もの、すなわち抵抗値が低いものを形成する必要があ
る。このため、透明導電膜の仕様が厳しくなり、生産性
の低下及びコストが増大するなどの問題を生じていた。
【0006】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、陰極線管表示装置の蛍光面か
ら前方に放出されている交番電界を簡単な手段で効果的
に抑制できる陰極線管表示装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、水平偏向コイルに生ずる帰線パルスを該コ
イルに接続した変成器の1次巻線に印加し、該帰線パル
スと極性が反転した逆帰線パルスを上記変成器の2次巻
線に発生させる。そして、例えば高圧変成器に内蔵さ
れ、一端を高圧端子に接続したコンデンサの他端に上記
逆帰線パルスを供給し、アノードケーブルを介して陰極
線管の内装導電膜に逆帰線パルスを印加するように、構
成される。
【0008】また、水平偏向コイルに生じた帰線パルス
と極性が反転した第1の逆帰線パルスを発生させる変成
器の2次巻線と、高圧変成器の高圧端子に生じる帰線パ
ルスと極性が反転した第2の逆帰線パルスを発生させる
高圧変成器の補助巻線とを接続し、第1及び第2の逆帰
線パルスを加算・合成した電圧を発生させる。そして、
一端を高圧端子またはアノードケーブルに接続したコン
デンサの他端に、上記加算・合成した逆帰線パルスを供
給し、陰極線管の内装導電膜に逆帰線パルスを印加する
ように、構成される。
【0009】
【作用】本願発明者らが種々検討の結果、水平偏向コイ
ルに生じた帰線パルスが静電結合によって陰極線管の内
装導電膜に交番電圧を生じさせ、これが交番電界VLE
Fの発生源となっていたことが解明された。
【0010】そこで、本発明では上記した構成をとるこ
とにより、帰線パルスと極性が反転した逆帰線パルスを
コンデンサを介して内装導電膜に供給し、これによっ
て、帰線パルスと逆帰線パルスとを互いに打消し合わせ
て、内装導電膜に生じていた帰線パルス部の振幅を低減
させ、該内装導電膜に生じた動的な電圧変動(交番電
圧)に起因した交番電界VLEFを低減する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の詳細を図示した各実施例によ
って説明する。図1は、本発明の第1実施例に係る陰極
線管表示装置の主要部の構成図、図2は、陰極線管表示
装置から放射される交番電界を説明するための模式断面
図である。なお、各図において均等なものには同一の符
号を付してある(これは、以下の各実施例においても同
様である)。
【0012】図1において、1は陰極線管で、該陰極線
管1は大きく分けて3つのガラス容器からなり、これら
はフェースプレート部3,ファンネル部2,ネック部7
で構成される。フェースプレート3部は、透明なガラス
容器の内面にモノクローム蛍光体、または赤色,緑色,
青色の3原色蛍光体(図示せず)を塗布した蛍光面を具
備する。ファンネル部2は、略コーン状のガラス容器で
あり、高圧変成器20の高圧端子27からの直流高電圧
(以下、高圧またはHVと略記する)を導入するアノー
ドボタン9と、外装黒鉛膜5を具備する。ネック部7に
は、電子ビームを発生する電子銃(図示せず)を封止し
ており、少なくとも偏向ヨーク6が外部より装着され
る。
【0013】偏向ヨーク6は、電子ビームを水平及び垂
直方向に偏向してラスターを得るための偏向磁界を発生
する水平偏向コイル61と垂直偏向コイル62とを具備
する(なお、水平,垂直偏向コイルの詳細は、図示の都
合上割愛してある)。水平偏向コイル61は水平偏向回
路50に接続され、水平周期(以下、H周期と略記す
る。;その周期は水平偏向周波数fH の逆数)で繰返す
パルス電圧V0 が発生しており、図3に示した帰線期間
TRには約1000Vp−pの電圧を生じている。この
水平偏向コイル61には、H周期で繰返す鋸歯状電流が
流れ、電子ビームを左右に偏向する水平偏向磁界を発生
させる。
【0014】なお、フェースプレート部3の側面部周囲
には、陰極線管のガラス容器が破損した場合の安全性を
高める金属製の補強バンド4を巻付け、電気的に接地し
て使用する。
【0015】高圧変成器20は、高圧回路51から1次
コイル21に印加したパルスを2次コイル22で昇圧す
る。昇圧されたパルスはダイオード23で整流され、コ
ンデンサ24によって平滑され、高圧端子27に数万V
の直流電圧を出力する。図2に示すように、ファンネル
部2のガラス容器の内面には、導電性の黒鉛を塗布した
内層導電膜13が形成されており、アノードボタン9を
介して高圧端子27からの高圧(HV)が印加される。
一方、フェースプレート部3の内面には、電子ビーム照
射により発光する蛍光体を塗布して蛍光膜11を形成
し、該蛍光膜11に高圧が印加されるように、アルミニ
ウムを蒸着したメタルバック膜12と内装導電膜13と
が電気的に接続される。なお、図2には示していない
が、カラー陰極線管の場合には、蛍光膜11のごく近傍
に3原色の色蛍光体を選別するためのシャドウマスク等
の色選別電極が、内装導電膜13と同電位となるように
具備される。
【0016】外装黒鉛膜5は、ファンネル部2のガラス
容器外壁の一部に電気的な導電体である黒鉛の水溶液を
塗布,乾燥させたもので構成されており、この外装黒鉛
膜5を電気的に接地して陰極線管1の陽極に静電容量を
付加する。すなわち、接地された外装黒鉛膜5は、ファ
ンネルガラスを介して内装導電膜13との間に静電容量
(外装容量)55を形成する。この静電容量55は高圧
変成器20の平滑容量24に並列接続されので、高圧端
子27から出力される高圧(HV)の変動(リップル)
を低減する作用がある。
【0017】ここで、本願発明者らは陰極線管1が動作
している時に放射される交番電界を解析し、その発生機
構を明らかにしたので、そのメカニズムを説明する。す
なわち、交番電界の発生は、陰極線管1の内層導電膜1
3に生じた動的な電圧変動(交番電圧)に起因してお
り、陰極線管1が動作している時には、2種類の交番電
界VLEF100とELEF200とがフェースプレー
ト部3のガラス面を通過して前方に放射されていること
を突止めた。
【0018】周波数帯域が2kHz〜400kHz帯の
VLEF100は、水平偏向コイル61に供給したパル
ス電圧V0 に起因して生じるH周期の交番電界である。
一方、周波数帯域が5Hz〜2kHz帯のELEF20
0は、映像信号の内容に応じて陰極線管1の電子銃から
放射される電子ビーム量が変化し、陰極線管1の陽極に
供給する高圧(HV)が垂直周期(以下、V周期と略記
する。;その周期は垂直偏向周波数fV の逆数)の動的
な電圧変動(ΔHVと略記する)を生ずることに起因し
て生じる交番電界である。
【0019】はじめに、VLEF100がフェースプレ
ート部3から放射されるメカニズムと、該交番電界VL
EF100を抑制する原理を詳しく説明する。偏向ヨー
ク6の水平偏向コイル61と内装導電膜13とは、厚さ
2mm程度のガラスを介して対向している。したがっ
て、図2に静電容量63で示したように、水平偏向コイ
ル61と内装導電膜13との間の静電結合により、水平
偏向コイル61に印加した帰線パルスV0 と相似なパル
スV01が、内装導電膜13に発生する。このパルスV01
の振幅は、水平偏向コイル61,内装導電膜13間の静
電容量63と帰線パルスV0 のp−p値との積に比例
し、高圧平滑容量24と外装容量55との和に反比例し
て決まる。そして、導電性膜のメタルバック膜12,内
装導電膜13を電極として、水平偏向周波数fH で変化
する交番電圧(パルスV01)が発生することによって、
フェースプレート部3の前方に交番電界VLEF100
が放射される。
【0020】図3は、水平偏向コイル61に生ずる帰線
パルスV0 と、該帰線パルスに起因して内装導電膜13
に生ずる帰線パルスV01とを示したものである。V0
01は水平偏向周期1/fH で繰返し、帰線期間TR
(電子ビームを水平方向の一端から他端に戻す期間)に
電圧を発生する。また、同図には、帰線パルスV0 と極
性が反転した逆帰線パルスV1 と、この逆帰線パルスV
1 によって内装導電膜13に生ずる逆帰線パルスV11
併せて示してある。
【0021】逆帰線パルスV1 は、水平偏向回路50及
び水平偏向コイル61に接続された変成器30の2次巻
線32に生じるパルスであり、V0 とV1 とは極性が互
いに反転している。高圧変成器20の端子26に供給さ
れた逆帰線パルスV1 は、高圧変成器20に内蔵したコ
ンデンサ25を介して高圧端子27に印加され、内装導
電膜13に逆帰線パルスV11を生ずる。上記コンデンサ
25の一端は高圧端子27に接続されており、耐電圧,
安全上の点から高圧変成器20に内蔵し、絶縁性能の高
い樹脂で充填して用いる。
【0022】逆帰線パルスV11の振幅は、変成器30の
2次巻線32の巻線数、及び高圧変成器20に内蔵され
たコンデンサ25の静電容量値C25によって決まり、帰
線パルスV01と逆帰線パルスV11の絶対値がほぼ等しく
なるように設定すると、帰線パルスV01と逆帰線パルス
11は互いに打消し合い、内装導電膜13に生じていた
交番電圧の振幅をほぼ零にできる。従って、陰極線管1
のフェースプレート部3の前方に放射されていた交番電
界VLEF100を大幅に低減できる。
【0023】例えば、17形の高精細ディスプレイ(高
精細陰極線管表示装置)では、1000Vp−pの帰線
パルスV0 により、内装導電膜13に約10Vp−pの
帰線パルスV01を生じていた。そこで、−220Vp−
pの逆帰線パルスV1 を、静電容量150pFのコンデ
ンサ25を介して供給した。そして、陰極線管1の管前
面から30cmの距離に交番電界測定器(例えば、スウ
ェーデンのCombinova社製のEFM200)を配置し、
対策前7V/mであったVLEFを0.6V/mに改善
できることを実測により確認し、VLEFをTCOガイ
ドライン(≦1V/m)以下にでき、不要輻射電界の人
体への影響が問題とならないレベルに改善した。
【0024】図4は、本発明の第2実施例に係る陰極線
管表示装置の主要部の構成図である。図4に示すよう
に、本実施例の水平偏向回路50は、インダクタンス4
4を介して電源に接続され、エネルギーが供給される。
また、水平偏向コイル61には、変成器40の1次コイ
ル41が接続され、変成器40の2次コイル42には、
1次コイル41に生じた帰線パルスV0 と極性が反転し
た逆帰線パルスV1 が発生する。
【0025】この逆帰線パルスV1 は、高圧変成器20
の端子26に供給され、内装導電膜13の帰線パルスV
01を打消し、交番電界VLEF100を低減すること
は、第1実施例と同様であるから詳細な説明を省略す
る。
【0026】図5は、本発明の第3実施例に係る陰極線
管表示装置の主要部の構成図である。本実施例では、第
1実施例で説明した変成器30の2次コイル32(また
は、第2実施例で説明した変成器40の2次コイル4
2)から得た第1の逆帰線パルスV1 に、高圧変成器2
0に具備された補助巻線28から得た第2の逆帰線パル
スV3 を重畳するようにしている。そして、この2つの
逆帰線パルスV1 ,V3を加算・合成した逆帰線パルス
(V1 +V3 )を、コンデンサ25の一端に接続される
端子26に供給し、内装導電膜13に合成した逆帰線パ
ルス(V11+V31)を得るようにしている。
【0027】次に、第1の逆帰線パルスV1 に第2の逆
帰線パルスV3 を重畳する理由を、図6を用いて説明す
る。図6の(a)は、第1実施例で説明した帰線パルス
0及び内装導電膜13に生ずる帰線パルスV01を示し
ており、図6の(b)は、高圧変成器20で生ずる第2
の帰線パルスV2 及びこのV2 に起因し内装導電膜13
に生ずる帰線パルスV21を示している。水平偏向回路5
0と高圧回路51に生ずる帰線パルスV0 とV2 は、位
相がΔt(数μ秒程度)異なっており、この結果、図6
の(c)に示したように内装導電膜13に生ずる交番電
圧は、帰線パルスV01とV21を加算した電圧(V01+V
21)となる。従って、図6の(d),(e)に示した第
1の逆帰線パルスV1 と第2の逆帰線パルスV3 とを加
算し、内装導電膜13に図6の(f)に示した逆帰線パ
ルス(V11+V31)を得ることによって、前記帰線パル
ス(V01+V21)と互いに打消し合うことができ、交番
電界VLEF100をほぼ零に低減できる。
【0028】図7は、本発明の第4実施例に係る陰極線
管表示装置における、逆帰線パルスを内装導電膜13に
供給するための構成を示したものである。図7に示した
ように、高圧変成器20から高圧(HV)を陰極線管1
に印加する第1のアノードケーブル91は、弾性絶縁体
からなるアノードキャップ90の内部において第2のア
ノードケーブル92の一端と接続され、アノードケーブ
ル92の他端はコンデンサ94の一端に接続される。こ
のコンデンサ94は樹脂製の容器93に納められ、該容
器93の内部には耐電圧性能が高い樹脂を充填して、コ
ンデンサ94の他端を電線95に接続した構成としてあ
る。上記のコンデンサ94の機能は、前記各実施例のコ
ンデンサ25と同様であるからその説明は省略する。
【0029】図8は、本発明の第5実施例に係る陰極線
管表示装置における、逆帰線パルスを内装導電膜13に
供給するための構成を示したものであり、図8の(a)
はアノードケーブルとアノードキャップを示す斜視図で
あり、図8の(b)はアノードケーブルの図8の(a)
のA−A線断面図である。本実施例は、高圧変成器20
からのアノードケーブル91の外周部に、導電体96を
高圧(HV)が印加される心線97とほぼ同軸に配置し
た構成としてある。
【0030】本実施例では、外周の導電体96と心線9
7との間には静電容量(図示せず)が存在し、外周の導
電体96に逆帰線パルスV1 (または、逆帰線パルス
(V1+V3 ))を印加することにより、陰極線管1の
内装導電膜13に逆帰線パルスV11(または、逆帰線パ
ルス(V11+V31))を得ることができ、これにより、
前記各実施例と同様に、内装導電膜13に生じた交番電
圧の振幅を低減し、交番電界VLEF100を低減でき
る。
【0031】なお、逆帰線パルスV1 は、偏向ヨーク6
の磁性体コアに補助巻線を設け、該補助巻線に水平偏向
磁界を鎖交させることによって発生させることも可能で
あり、これを用いることによっても、内装導電膜13の
交番電圧の低減が図れることは言うまでもない。なおま
た、逆帰線パルスV1 は、前記水平偏向コイル61に発
生する帰線パルスV0 を検出し、この帰線パルス電圧の
極性を反転・減衰させることによって発生させることも
可能であり、これを用いることによっても、内装導電膜
13の交番電圧の低減が図れることは言うまでもない。
【0032】一方、周波数帯が5Hz〜2kHzの交番
電界ELEF200は、前述の交番電界VLEFとは異
なり、図9に示したように、高圧変成器20で発生した
高圧(HV)がビーム電流の増減に応じて変化する動的
な電圧変動ΔHVが、発生原因である。本発明の各実施
例では、この交番電界ELEF200を抑制するため
に、陰極線管1のフェースプレート部3の表面に、抵抗
値を最適に設定した透明導電膜10(図1,2参照)を
具備し、この透明導電膜10を電気的に接地してある。
【0033】上記透明導電膜10は、ELEF(5Hz
〜2kHz)帯の周波数に対してのみシ−ルド効果を有
する抵抗値のもので良く、VLEF(2kHz〜400
kHz)帯における抵抗値が増大しても良いので、比較
的低コストで簡単に成膜できる。このような透明導電膜
の材料としては、酸化インジウムや酸化スズの微粒子を
分散させたものが多く用いられる。さらに、透明導電膜
10の表面には酸化珪素の薄膜(図示せず)が成膜さ
れ、反射防止膜としての機能を付加している。なお、本
願発明者らの実験・検討によれば、陰極線管1の前面3
0cmの距離において、TCOガイドラインのELEF
の規制値(≦10V/m;前面30cmの距離)を達成
するには、透明電極10の抵抗値を2×106 Ω/□以
下にすればよいことが確認された。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
陰極線管のフェースプレートから前面に放出されている
2種類の交番電界VLEF,ELEFのうち、VLEF
は水平偏向回路に接続した変成器の2次巻線等から得た
逆帰線パルスをコンデンサを介して内装導電膜に供給す
ることによって、内装導電膜に生じた交番電圧を打消し
て抑制し、また、ELEFは陰極線管のフェースプレー
トの表面に形成した透明導電膜の抵抗値を最適に設定し
て抑制することにより、安価なコストで2種類の交番電
界をTCOガイドラインの規制値以下に抑制できる効果
がある。その結果、陰極線管表示装置の操作者の身体へ
の悪影響を低減し、安心して長時間使用できる陰極線管
表示装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る陰極線管表示装置の
主要部の構成図である。
【図2】不要輻射電界の発生原因を説明するための陰極
線管の模式断面図である。
【図3】帰線パルスと本発明の第1実施例による逆帰線
パルスとを示す説明図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る陰極線管表示装置の
主要部の構成図である。
【図5】本発明の第3実施例に係る陰極線管表示装置の
主要部の構成図である。
【図6】第1,第2帰線パルスと本発明の第3実施例に
よる第1,第2逆帰線パルスとを示す説明図である。
【図7】本発明の第4実施例に係る陰極線管表示装置に
おける、逆帰線パルスを内装導電膜に供給するための構
成を示す説明図である。
【図8】本発明の第5実施例に係る陰極線管表示装置に
おける、逆帰線パルスを内装導電膜に供給するための構
成を示す説明図である。
【図9】ビーム電流の増減に応じて変化する動的な電圧
変動ΔHVを示す説明図である。
【符号の説明】
1 陰極線管 2 ファンネル部 3 フェースプレート部 4 補強バンド 5 外装黒鉛膜 6 偏向ヨーク 61 水平偏向コイル 62 垂直偏向コイル 63 水平偏向コイルと内装導電膜間の静電容量 7 ネック部 9 アノードボタン 10 透明導電膜 11 蛍光膜 12 メタルバック膜 13 内装導電膜 20 高圧変成器 25,94 コンデンサ 30,40 逆帰線パルスを発生する変成器 50 水平偏向回路 51 高圧回路 100 交番電界VLEF 200 交番電界ELEF
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 佳雄 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともガラス容器の内面に内装導電
    膜を有する陰極線管と、該陰極線管の陽極に高電圧を供
    給する高圧変成器と、水平偏向コイル及び垂直偏向コイ
    ルを有する偏向ヨークとを具備した陰極線管表示装置に
    おいて、 少なくとも前記水平偏向コイルに生ずる帰線パルスと極
    性が反転した逆帰線パルスを発生する手段と、 前記陰極線管の前記内装導電膜に静電容量を介して前記
    逆帰線パルスを供給する手段と、を備えたことを特徴と
    する陰極線管表示装置。
  2. 【請求項2】 少なくともガラス容器の内面に内装導電
    膜を有する陰極線管と、該陰極線管の陽極に高電圧を供
    給する高圧変成器と、水平偏向コイル及び垂直偏向コイ
    ルを有する偏向ヨークとを具備した陰極線管表示装置に
    おいて、 前記水平偏向コイルに生ずる帰線パルスと極性が反転し
    た第1の逆帰線パルス、及び前記高圧変成器の高圧端子
    に発生する帰線パルスと極性が反転した第2の逆帰線パ
    ルスを発生する手段と、 前記第1の逆帰線パルスと前記第2の逆帰線パルスを加
    算する手段と、 前記陰極線管の前記内装導電膜に静電容量を介して前記
    第1逆帰線パルスと前記第2帰線パルスを加算した電圧
    を供給する手段と、を備えたことを特徴とする陰極線管
    表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載において、 前記の水平偏向コイルに生ずる帰線パルスと極性が反転
    した逆帰線パルスは、 前記水平偏向コイルに発生する帰線パルスを検出し、こ
    の帰線パルス電圧の極性を反転・減衰させた電圧、 または、前記水平偏向コイルにその1次巻線を接続した
    変成器の2次巻線より得た電圧、 または、前記偏向ヨークの磁性体コアに発生した磁束と
    該磁性体コア部に設けた補助巻線とを磁気結合させるこ
    とにより得た電圧、の何れかであることを特徴とする陰
    極線管表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2または3記載におい
    て、 前記の逆帰線パルスは、 前記高圧変成器に内蔵され、一端が高電圧の出力端子に
    接続されたコンデンサの他端より印加されるか、 または、前記高圧変成器からの高電圧を陰極線管の陽極
    に導くアノードキャップ部に一端を接続したコンデンサ
    の他端より印加されるか、 または、前記高圧変成器からの高電圧を陰極線管の陽極
    に導くアノードケーブルの外周に同軸状に設けた導電体
    に印加されるか、の何れかであることを特徴とする陰極
    線管表示装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか1つに記載にお
    いて、 前記陰極線管のパネルガラスの外表面に、単位面積当り
    の抵抗値が2×106Ω/□以下の透明導電膜を形成
    し、該透明導電膜を接地したことを特徴とする陰極線管
    表示装置。
JP6303808A 1992-05-08 1994-12-07 陰極線管表示装置 Pending JPH08163474A (ja)

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TW87211602U TW395550U (en) 1994-10-19 1995-10-16 Cathode-ray tube display unit in which the unwanted radiant electric field from the face plate of cathode-ray tube is decreased
KR1019950035737A KR100204724B1 (ko) 1994-10-19 1995-10-17 음극선관의 페이스플레이트로 부터의 불필요한 복사전계를 저감한 음극선관 표시장치
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DE1995618713 DE69518713T2 (de) 1994-10-19 1995-10-18 Kathodenstrahlröhreeinheit in die das vom Bildschirm unerwünschten Strahlungselektrischesfeld des Kathoderstrahlröhre vermindert ist

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