JPH07326307A - 陰極線管及び陰極線管表示装置 - Google Patents
陰極線管及び陰極線管表示装置Info
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- JPH07326307A JPH07326307A JP6120897A JP12089794A JPH07326307A JP H07326307 A JPH07326307 A JP H07326307A JP 6120897 A JP6120897 A JP 6120897A JP 12089794 A JP12089794 A JP 12089794A JP H07326307 A JPH07326307 A JP H07326307A
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- Japan
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- ray tube
- cathode ray
- deflection yoke
- glass container
- display device
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- Details Of Television Scanning (AREA)
- Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 陰極線管表示装置の表示面から放出されてい
る交番電界（不要輻射電界）を効果的に抑制する。 【構成】 偏向ヨーク６と対向する陰極線管装置１のフ
ァンネル９の内部に形成した内装導電膜１３の面積を低
減して、該偏向ヨーク６と該内装導電膜１３との間の静
電容量を低減する。 【効果】 偏向ヨークに供給するパルス電圧が静電結合
により該内装導電膜１３に生じる交番電圧の振幅を低減
し、該交番電圧に起因して陰極線管１のフェースプレー
ト３から前方に放射される交番電界を抑制する。
る交番電界（不要輻射電界）を効果的に抑制する。 【構成】 偏向ヨーク６と対向する陰極線管装置１のフ
ァンネル９の内部に形成した内装導電膜１３の面積を低
減して、該偏向ヨーク６と該内装導電膜１３との間の静
電容量を低減する。 【効果】 偏向ヨークに供給するパルス電圧が静電結合
により該内装導電膜１３に生じる交番電圧の振幅を低減
し、該交番電圧に起因して陰極線管１のフェースプレー
ト３から前方に放射される交番電界を抑制する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は陰極線管と陰極線管を用
いた画像表示装置に関し、特に偏向ヨークを発生源とし
て画像表示装置から放射されている交番電界（以下、不
要輻射電界とも書く）を抑制する陰極線管表示装置に関
するものである。
いた画像表示装置に関し、特に偏向ヨークを発生源とし
て画像表示装置から放射されている交番電界（以下、不
要輻射電界とも書く）を抑制する陰極線管表示装置に関
するものである。
【０００２】
【従来の技術】陰極線管を用いた画像表示装置はパーソ
ナルコンピュータ等の普及に伴い、使用される頻度が増
大している。前記画像表示装置は偏向ヨークが発生する
水平および垂直偏向磁界により電子ビームを偏向し、蛍
光面上にラスタを表示している。
ナルコンピュータ等の普及に伴い、使用される頻度が増
大している。前記画像表示装置は偏向ヨークが発生する
水平および垂直偏向磁界により電子ビームを偏向し、蛍
光面上にラスタを表示している。
【０００３】図８は従来の陰極線管装置から生ずる交番
電界を説明する図である。陰極線管装置１はフェースプ
レート３の内面に蛍光体を塗布した蛍光体膜１５、高電
圧を印加するアノードボタン１０、略コーン状のガラス
容器であるファンネル９、ネック管８から構成されてお
り、ファンネル９の外部表面の一部には黒鉛を塗布した
外装黒鉛膜５、ネック管８には電子ビームを水平及び垂
直方向に偏向してラスターを得るための偏向ヨーク６を
装着している。
電界を説明する図である。陰極線管装置１はフェースプ
レート３の内面に蛍光体を塗布した蛍光体膜１５、高電
圧を印加するアノードボタン１０、略コーン状のガラス
容器であるファンネル９、ネック管８から構成されてお
り、ファンネル９の外部表面の一部には黒鉛を塗布した
外装黒鉛膜５、ネック管８には電子ビームを水平及び垂
直方向に偏向してラスターを得るための偏向ヨーク６を
装着している。
【０００４】高圧ー偏向回路２はフライバックトランス
（ＦＢＴ）と水平偏向回路（図示せず）等から成り、電
子銃７から放出された電子ビームを加速して蛍光体膜１
５を発光させるための高電圧をアノードボタン１０に供
給する。偏向ヨーク６の水平偏向コイル（図示せず）は
端子Ｔ１、Ｔ２に接続されており、端子Ｔ１には図３に
示した水平周期で繰り返す約１０００ボルトのパルス電
圧ｅ１が供給されている。前記パルス電圧ｅ１により水
平偏向コイルには水平周期で繰り返す鋸歯状の水平偏向
電流を発生させ、電子ビームを左右に偏向する。ガラス
容器の内部を高電圧に保つために、ファンネル９及びネ
ック８の内側に黒鉛を塗布した内装黒鉛膜１１が形成さ
れており、アノードボタン１０、蛍光膜１５と電気的に
接続されている。
（ＦＢＴ）と水平偏向回路（図示せず）等から成り、電
子銃７から放出された電子ビームを加速して蛍光体膜１
５を発光させるための高電圧をアノードボタン１０に供
給する。偏向ヨーク６の水平偏向コイル（図示せず）は
端子Ｔ１、Ｔ２に接続されており、端子Ｔ１には図３に
示した水平周期で繰り返す約１０００ボルトのパルス電
圧ｅ１が供給されている。前記パルス電圧ｅ１により水
平偏向コイルには水平周期で繰り返す鋸歯状の水平偏向
電流を発生させ、電子ビームを左右に偏向する。ガラス
容器の内部を高電圧に保つために、ファンネル９及びネ
ック８の内側に黒鉛を塗布した内装黒鉛膜１１が形成さ
れており、アノードボタン１０、蛍光膜１５と電気的に
接続されている。
【０００５】蛍光膜１５上にラスターを得るために、偏
向ヨーク１の水平偏向コイルに高電圧のパルス電圧を供
給して、鋸歯状の水平偏向電流を発生させている。この
ため、偏向ヨーク６と内装黒鉛膜１１との間の静電結合
（等価的な静電容量１２０を鎖線で示した）が形成され
る。この静電結合により、図３に示した高圧ー偏向回路
２から供給されたパルス電圧ｅ１と相似な交番電圧ｅ１
１０が内装導電膜１１に誘起される。該交番電圧ｅ１１
０に起因し、高周波の交番電界１６０（不要輻射電界）
がフェースプレート３の前方に放出されており、陰極線
管表示装置の周辺に配置した電子機器等への悪影響並び
に陰極線管表示装置の操作者の身体への影響が懸念され
ていた。
向ヨーク１の水平偏向コイルに高電圧のパルス電圧を供
給して、鋸歯状の水平偏向電流を発生させている。この
ため、偏向ヨーク６と内装黒鉛膜１１との間の静電結合
（等価的な静電容量１２０を鎖線で示した）が形成され
る。この静電結合により、図３に示した高圧ー偏向回路
２から供給されたパルス電圧ｅ１と相似な交番電圧ｅ１
１０が内装導電膜１１に誘起される。該交番電圧ｅ１１
０に起因し、高周波の交番電界１６０（不要輻射電界）
がフェースプレート３の前方に放出されており、陰極線
管表示装置の周辺に配置した電子機器等への悪影響並び
に陰極線管表示装置の操作者の身体への影響が懸念され
ていた。
【０００６】ところで、画像表示装置からの不要輻射電
界を抑制する規格としては、例えばスウェーデンで制定
されたＭＰＲ２（１９９０）あるいはＴＣＯガイドライ
ン（１９９１）が知られている。前記規格は２ｋＨｚか
ら４００ｋＨｚの周波数帯域であるＶＬＦ（Very Low F
requency）帯における不要輻射電界に関しては、ＭＰＲ
２では２．５Ｖ／ｍ（陰極線管の管面より５０ｃｍ）、
ＴＣＯでは１．０Ｖ／ｍ（同３０ｃｍ）以下となってい
る。
界を抑制する規格としては、例えばスウェーデンで制定
されたＭＰＲ２（１９９０）あるいはＴＣＯガイドライ
ン（１９９１）が知られている。前記規格は２ｋＨｚか
ら４００ｋＨｚの周波数帯域であるＶＬＦ（Very Low F
requency）帯における不要輻射電界に関しては、ＭＰＲ
２では２．５Ｖ／ｍ（陰極線管の管面より５０ｃｍ）、
ＴＣＯでは１．０Ｖ／ｍ（同３０ｃｍ）以下となってい
る。
【０００７】陰極線管表示装置の前面（表示面）を除い
た部分では、金属板等による静電シールドにより比較的
簡単に不要輻射電界を抑制できる。しかし、陰極線管の
前面部分は画像を表示するために透明なガラスを用いて
いるため、不要輻射電界を抑制する第１の技術として、
特開平５ー５４８３５号公報の図１に記載されているよ
うに、前記ガラスの表面に導電性の透明電極を形成し、
該透明電極を接地して交番電界をシールドすることによ
り前記電界を抑制するものがある。
た部分では、金属板等による静電シールドにより比較的
簡単に不要輻射電界を抑制できる。しかし、陰極線管の
前面部分は画像を表示するために透明なガラスを用いて
いるため、不要輻射電界を抑制する第１の技術として、
特開平５ー５４８３５号公報の図１に記載されているよ
うに、前記ガラスの表面に導電性の透明電極を形成し、
該透明電極を接地して交番電界をシールドすることによ
り前記電界を抑制するものがある。
【０００８】また、不要輻射電界を抑制する第２の技術
として、特開平５ー２８３０２０号公報の図１に記載さ
れているように、陰極線管の外表面のファンネル部、ネ
ック部に導電性膜を形成し、該導電性膜を電気的に接地
することにより偏向ヨークから放出される交番電界をシ
ールドして、陰極線管表示装置から不要輻射電界を抑制
するものがある。
として、特開平５ー２８３０２０号公報の図１に記載さ
れているように、陰極線管の外表面のファンネル部、ネ
ック部に導電性膜を形成し、該導電性膜を電気的に接地
することにより偏向ヨークから放出される交番電界をシ
ールドして、陰極線管表示装置から不要輻射電界を抑制
するものがある。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術のうち、導電性透明電極によるシールド効果を高
めるためには、低抵抗率な透明電極を形成する必要があ
る。従って、透明電極が高価となり、陰極線管の製造原
価が増大する問題があった。第２の技術は偏向ヨークと
陰極線管の外表面のファンネル部、ネック部に形成した
導電性膜の影響により、偏向ヨークに流れる偏向電流が
振動する所謂リンギングを生ずる問題があった。本発明
の目的は陰極線管表示装置の前面から放出されている不
要輻射電界を効果的に抑制した画像表示装置を提供する
ものである。
来技術のうち、導電性透明電極によるシールド効果を高
めるためには、低抵抗率な透明電極を形成する必要があ
る。従って、透明電極が高価となり、陰極線管の製造原
価が増大する問題があった。第２の技術は偏向ヨークと
陰極線管の外表面のファンネル部、ネック部に形成した
導電性膜の影響により、偏向ヨークに流れる偏向電流が
振動する所謂リンギングを生ずる問題があった。本発明
の目的は陰極線管表示装置の前面から放出されている不
要輻射電界を効果的に抑制した画像表示装置を提供する
ものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、陰極線管に装着した偏向ヨークと該陰極線
管の内装導電間膜との間に生ずる静電容量を低減して、
該偏向ヨークに供給したパルス電圧が静電結合により該
内装導電間膜に誘起される電圧の振幅を小さくする手段
を備えるものである。
に本発明は、陰極線管に装着した偏向ヨークと該陰極線
管の内装導電間膜との間に生ずる静電容量を低減して、
該偏向ヨークに供給したパルス電圧が静電結合により該
内装導電間膜に誘起される電圧の振幅を小さくする手段
を備えるものである。
【００１１】
【作用】上記構成によれば、偏向ヨークに供給されるパ
ルス電圧に起因して陰極線管の内部導電膜に静電結合に
より生じていた交番電圧の振幅を低減できる。従って、
該交番電圧に起因する交番電界を低減でき、陰極線管の
前面に放出される不要輻射電界の強度を効果的に抑制す
る。
ルス電圧に起因して陰極線管の内部導電膜に静電結合に
より生じていた交番電圧の振幅を低減できる。従って、
該交番電圧に起因する交番電界を低減でき、陰極線管の
前面に放出される不要輻射電界の強度を効果的に抑制す
る。
【００１２】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１は本発明の第１の実施例の陰極線管表示装置
の主要部を説明する模式断面図、図２は陰極線管のガラ
ス容器（ファンネル部及びネック部）を蛍光面側より示
した図であり、各図において同じものには同一の符号を
付してある。
する。図１は本発明の第１の実施例の陰極線管表示装置
の主要部を説明する模式断面図、図２は陰極線管のガラ
ス容器（ファンネル部及びネック部）を蛍光面側より示
した図であり、各図において同じものには同一の符号を
付してある。
【００１３】図１、図２において、陰極線管１はフェー
スプレート３の内面に蛍光体を塗布して蛍光体膜１５を
形成し、高電圧を印加するアノードボタン１０を埋め込
んだガラス容器のファンネル９および電子銃７を封止し
たネック管８から構成されており、カラー陰極線管の場
合にはフェースプレート３とファンネル９はフリットガ
ラス（図示せず）を用いて溶着している。フェースプレ
ート３の側面部には陰極線管のガラス容器が爆縮した場
合の安全性を高める防爆バンド４が巻き付けてあり、該
防爆バンドの４隅には陰極線管１を画像表示装置（図示
せず）に取付け、固定するための金具が設けてある。
スプレート３の内面に蛍光体を塗布して蛍光体膜１５を
形成し、高電圧を印加するアノードボタン１０を埋め込
んだガラス容器のファンネル９および電子銃７を封止し
たネック管８から構成されており、カラー陰極線管の場
合にはフェースプレート３とファンネル９はフリットガ
ラス（図示せず）を用いて溶着している。フェースプレ
ート３の側面部には陰極線管のガラス容器が爆縮した場
合の安全性を高める防爆バンド４が巻き付けてあり、該
防爆バンドの４隅には陰極線管１を画像表示装置（図示
せず）に取付け、固定するための金具が設けてある。
【００１４】ファンネル９の外部表面の一部には陰極線
管に静電容量を付加するために導電体である黒鉛を塗布
した外装黒鉛膜５を設け、該外装黒鉛膜５と防爆バンド
４を接地することにより、内装黒鉛膜１１と外装黒鉛膜
５の間に数千ピコファラッド程度の静電容量を形成し、
陰極線管１に供給する直流高電圧のリップル特性を改善
している。更に、前記ネック管８の外部には電子ビーム
を水平及び垂直方向に偏向して蛍光体膜１５上にラスタ
ーを得るための偏向ヨーク６を装着している。
管に静電容量を付加するために導電体である黒鉛を塗布
した外装黒鉛膜５を設け、該外装黒鉛膜５と防爆バンド
４を接地することにより、内装黒鉛膜１１と外装黒鉛膜
５の間に数千ピコファラッド程度の静電容量を形成し、
陰極線管１に供給する直流高電圧のリップル特性を改善
している。更に、前記ネック管８の外部には電子ビーム
を水平及び垂直方向に偏向して蛍光体膜１５上にラスタ
ーを得るための偏向ヨーク６を装着している。
【００１５】高圧ー偏向回路２はフライバックトランス
（ＦＢＴ）と水平偏向回路（図示せず）等から成る。フ
ライバックトランスは数万ボルトの直流高電圧(H.V.と
略記する）を発生し、端子Ｔ３からアノードボタン１０
に供給する。ファンネル９の内面にはガラス容器の内部
を高電圧に保つための導電膜としてアノ−ドボタン１０
に電気的に接続された内装黒鉛膜１１及び偏向ヨ−ク６
に対向する部分に前記内装黒鉛膜１１と接続した内装導
電膜１３が形成されている。フェースプレート３の内面
に塗布した蛍光体膜１５はメタルバック膜（図示せず）
を介して前記内装黒鉛膜１１に電気的に接続されてお
り、アノードボタン１０からの高電圧が印加されてい
る。
（ＦＢＴ）と水平偏向回路（図示せず）等から成る。フ
ライバックトランスは数万ボルトの直流高電圧(H.V.と
略記する）を発生し、端子Ｔ３からアノードボタン１０
に供給する。ファンネル９の内面にはガラス容器の内部
を高電圧に保つための導電膜としてアノ−ドボタン１０
に電気的に接続された内装黒鉛膜１１及び偏向ヨ−ク６
に対向する部分に前記内装黒鉛膜１１と接続した内装導
電膜１３が形成されている。フェースプレート３の内面
に塗布した蛍光体膜１５はメタルバック膜（図示せず）
を介して前記内装黒鉛膜１１に電気的に接続されてお
り、アノードボタン１０からの高電圧が印加されてい
る。
【００１６】アノードボタン１０から内装黒鉛膜１１、
内装導電膜１３に印加した高電圧により、電子銃から放
出された電子ビームを加速して蛍光体を発光させる。偏
向ヨーク６の水平偏向コイル（図示せず）は端子Ｔ１、
Ｔ２に接続されており、Ｔ１には図３に示した水平周期
で繰り返す約１０００[Vp-p]のパルス電圧ｅ１が供給さ
れている。前記パルス電圧ｅ１により水平偏向コイルに
は水平周期で繰り返す鋸歯状の水平偏向電流を発生さ
せ、電子ビームを左右に偏向する。なお、図には示して
いないが、カラー陰極線管の場合には蛍光膜のごく近傍
に色蛍光体を選別するためのシャドウマスクなどの色選
別電極が内装黒鉛膜１１と同電位となるように具備され
る。
内装導電膜１３に印加した高電圧により、電子銃から放
出された電子ビームを加速して蛍光体を発光させる。偏
向ヨーク６の水平偏向コイル（図示せず）は端子Ｔ１、
Ｔ２に接続されており、Ｔ１には図３に示した水平周期
で繰り返す約１０００[Vp-p]のパルス電圧ｅ１が供給さ
れている。前記パルス電圧ｅ１により水平偏向コイルに
は水平周期で繰り返す鋸歯状の水平偏向電流を発生さ
せ、電子ビームを左右に偏向する。なお、図には示して
いないが、カラー陰極線管の場合には蛍光膜のごく近傍
に色蛍光体を選別するためのシャドウマスクなどの色選
別電極が内装黒鉛膜１１と同電位となるように具備され
る。
【００１７】一方、偏向ヨーク６と内装導電膜１３間の
静電結合（図１には該静電結合による等価的な静電容量
１２を鎖線で表した）により、端子Ｔ２から供給された
パルス電圧ｅ１と相似なパルス電圧ｅ１１を内装導電膜
１３に生じてしまう。内装導電膜１３に誘起される該パ
ルス電圧ｅ１１の振幅は該静電容量１２のインピーダン
スをＺ１２、高圧回路の等価内部インピーダンスをＺと
すると（１）式で表される。
静電結合（図１には該静電結合による等価的な静電容量
１２を鎖線で表した）により、端子Ｔ２から供給された
パルス電圧ｅ１と相似なパルス電圧ｅ１１を内装導電膜
１３に生じてしまう。内装導電膜１３に誘起される該パ
ルス電圧ｅ１１の振幅は該静電容量１２のインピーダン
スをＺ１２、高圧回路の等価内部インピーダンスをＺと
すると（１）式で表される。
【００１８】 ｅ１１＝Ｚ１２／（Ｚ＋Ｚ１２）×ｅ１ （１） Ｚ１２＝１／（２π・ｆ・Ｃ１２） （２） ここに、π≒3.14、ｆは水平偏向周波数（Hz）
【００１９】前述のようにＣ１２は偏向ヨーク６と内装
導電膜１３間の静電容量であり、静電容量Ｃ１２の値は
該偏向ヨーク６と内装導電膜１３が対向している部分の
等価的な面積をＳ、等価的なガラス容器の厚さをｄ及び
該ガラス容器材の誘電率をεとすると、平行平板の静電
容量の式（３）から概略近似できる。 Ｃ１２≒ε・Ｓ／ｄ （３）
導電膜１３間の静電容量であり、静電容量Ｃ１２の値は
該偏向ヨーク６と内装導電膜１３が対向している部分の
等価的な面積をＳ、等価的なガラス容器の厚さをｄ及び
該ガラス容器材の誘電率をεとすると、平行平板の静電
容量の式（３）から概略近似できる。 Ｃ１２≒ε・Ｓ／ｄ （３）
【００２０】内装導電膜１３に誘起されるパルス状の交
番電圧ｅ１１の振幅を低減するには（３）式で近似され
る静電容量値Ｃ１２を小さくすればよい。偏向ヨーク６
と対向している部分の内装導電膜１３を図２に示したよ
うに略メッシュ状にして斜線部で示した内装導電膜１３
部分の面積Ｓを小さくする。なお、図２において斜線の
ない部分はガラス地であり静電容量Ｃ１２にはほとんど
寄与しない部分である。
番電圧ｅ１１の振幅を低減するには（３）式で近似され
る静電容量値Ｃ１２を小さくすればよい。偏向ヨーク６
と対向している部分の内装導電膜１３を図２に示したよ
うに略メッシュ状にして斜線部で示した内装導電膜１３
部分の面積Ｓを小さくする。なお、図２において斜線の
ない部分はガラス地であり静電容量Ｃ１２にはほとんど
寄与しない部分である。
【００２１】内装導電膜１３を塗布してない部分の面積
が大きくなると電子ビームを加速する高電圧の一様性が
乱れ、電子ビームの諸特性が変化するので、実験により
悪影響を生じない範囲で内装導電膜１３の面積を最小と
なるようにしている。なお、電子銃７には高電圧を印加
する必要があるので、アノードボタン１０からの高電圧
を内装黒鉛１１、内装導電膜１３及び金属片１４を介し
て電子銃７に供給している。内装導電膜１３は内装黒鉛
１１と同じ黒鉛や他の導電膜材料を使用できることは説
明するまでもない。
が大きくなると電子ビームを加速する高電圧の一様性が
乱れ、電子ビームの諸特性が変化するので、実験により
悪影響を生じない範囲で内装導電膜１３の面積を最小と
なるようにしている。なお、電子銃７には高電圧を印加
する必要があるので、アノードボタン１０からの高電圧
を内装黒鉛１１、内装導電膜１３及び金属片１４を介し
て電子銃７に供給している。内装導電膜１３は内装黒鉛
１１と同じ黒鉛や他の導電膜材料を使用できることは説
明するまでもない。
【００２２】内装導電膜１３の面積を変えた実験の結
果、内装導電膜１３の面積を全面積の３０％まで低減で
きることを確認しているが、電子ビームの諸特性が劣化
しないように内装導電膜１３の面積を十分に余裕のある
５５％に設定した。前記静電容量Ｃ１２の値を約１／２
に小さくできたので、内装導電膜１３に誘起されるパル
ス電圧ｅ１１を図３に示したように従来の半分である１
００[Vp-p]に低減した。該交番電圧ｅ１１に起因し、陰
極線管１のフェースプレート３から前方に放射される交
播電界（不要輻射電界）１６はＶＬＦ帯において従来の
４.１[V/m]から１.９[V/m]に改善した。
果、内装導電膜１３の面積を全面積の３０％まで低減で
きることを確認しているが、電子ビームの諸特性が劣化
しないように内装導電膜１３の面積を十分に余裕のある
５５％に設定した。前記静電容量Ｃ１２の値を約１／２
に小さくできたので、内装導電膜１３に誘起されるパル
ス電圧ｅ１１を図３に示したように従来の半分である１
００[Vp-p]に低減した。該交番電圧ｅ１１に起因し、陰
極線管１のフェースプレート３から前方に放射される交
播電界（不要輻射電界）１６はＶＬＦ帯において従来の
４.１[V/m]から１.９[V/m]に改善した。
【００２３】図５は、本発明の内装電極膜の他の実施例
を示す。本実施例にあっては、陰極線管１のファンネル
部９の内側に放射形状の内装電極膜１３ａを設けたもの
である。この内装電極膜は第１の実施例と同様の効果を
有する。
を示す。本実施例にあっては、陰極線管１のファンネル
部９の内側に放射形状の内装電極膜１３ａを設けたもの
である。この内装電極膜は第１の実施例と同様の効果を
有する。
【００２４】図６は、本発明の内装電極膜の他の実施例
を示す。本実施例にあっては、陰極線管１のファンネル
部９の内側に螺旋形状の内装電極膜１３ａを設けたもの
である。この内装電極膜は第１の実施例と同様の効果を
有する。なお、内装電極膜の形状は、放射形状や螺旋形
状のほかに、メッシュ形状等の適宜の形状とすることが
できる。
を示す。本実施例にあっては、陰極線管１のファンネル
部９の内側に螺旋形状の内装電極膜１３ａを設けたもの
である。この内装電極膜は第１の実施例と同様の効果を
有する。なお、内装電極膜の形状は、放射形状や螺旋形
状のほかに、メッシュ形状等の適宜の形状とすることが
できる。
【００２５】本発明の別の実施例は偏向ヨーク６が装着
される陰極線管ガラス容器のネック部８からファンネル
部９にかけて、該偏向ヨーク６と対面するガラス容器材
の誘電率を小さくすることにより達成される。すなわち
前記（３）式において、静電容量Ｃ１２は陰極線管のガ
ラス容器材の誘電率εに比例する。従って、ファンネル
部のガラス材としてよく用いられる鉛アルカリガラス
（誘電率ε≒８）から例えばホウケイ酸ガラス（誘電率
≦５）に変更すると内装導電膜１３に生じるパルス電圧
値を前記の１００[Vp-p]から約６０[Vp-p]に低減でき
る。その結果、陰極線管装置１のフェースプレート３か
ら３０cmの距離に検出器を設置して測定したＶＬＦ帯に
おける不要輻射電界を前記の１.９[V/m]から０.９６[V/
m]に改善でき、ＶＬＦ帯の不要輻射電界のＴＣＯガイド
ライン１.０[V/m]をクリアした。
される陰極線管ガラス容器のネック部８からファンネル
部９にかけて、該偏向ヨーク６と対面するガラス容器材
の誘電率を小さくすることにより達成される。すなわち
前記（３）式において、静電容量Ｃ１２は陰極線管のガ
ラス容器材の誘電率εに比例する。従って、ファンネル
部のガラス材としてよく用いられる鉛アルカリガラス
（誘電率ε≒８）から例えばホウケイ酸ガラス（誘電率
≦５）に変更すると内装導電膜１３に生じるパルス電圧
値を前記の１００[Vp-p]から約６０[Vp-p]に低減でき
る。その結果、陰極線管装置１のフェースプレート３か
ら３０cmの距離に検出器を設置して測定したＶＬＦ帯に
おける不要輻射電界を前記の１.９[V/m]から０.９６[V/
m]に改善でき、ＶＬＦ帯の不要輻射電界のＴＣＯガイド
ライン１.０[V/m]をクリアした。
【００２６】図７は内装導電膜１３と偏向ヨーク６との
間の静電容量Ｃ１２と陰極線管装置１のフェースプレー
ト３から輻射されるＶＬＦ帯の電界強度（不要輻射電
界）の測定値を示したものである。本実施例の適用によ
り該静電容量Ｃ１２を１００（ｐＦ）以下とするとＭＰ
Ｒ２の規格値（２.５[V/m]）をクリアでき、更に好まし
くは該静電容量Ｃ１２を３０（ｐＦ）以下にすればＴＣ
Ｏガイドライン（１.０[V/m]）をクリアできることを実
験により確認している。
間の静電容量Ｃ１２と陰極線管装置１のフェースプレー
ト３から輻射されるＶＬＦ帯の電界強度（不要輻射電
界）の測定値を示したものである。本実施例の適用によ
り該静電容量Ｃ１２を１００（ｐＦ）以下とするとＭＰ
Ｒ２の規格値（２.５[V/m]）をクリアでき、更に好まし
くは該静電容量Ｃ１２を３０（ｐＦ）以下にすればＴＣ
Ｏガイドライン（１.０[V/m]）をクリアできることを実
験により確認している。
【００２７】
【発明の効果】本発明は以上のように、偏向ヨークが装
着される陰極線管において、フェースプレートの前方に
放出される不要な輻射電界が、偏向ヨークと陰極線管を
構成するガラス容器の内面に設けられる内装導電膜との
間に形成される静電結合に起因するとの解析に着目し、
この静電結合の容量を低減することによって、不要輻射
電界を低い値に抑制するものである。具体的な手段とし
ては、等価静電容量がガラス容器の材料の誘電率と等価
的な面積の積に比例することに基づいて、まず、内装導
電膜の面積を低減させるものである。内装導電膜の面積
は、実験の結果、全面積の３０％の面積でも使用可能で
あることを確認しているが、電子ビームの諸特性が劣化
しない面積として、充分に余裕をみて全面積の５５％の
面積をもつ内装導電膜とした。これにより、静電容量も
約１／２に低減し、不要輻射電界も４．１［V/m］か
ら、１．９［V/m］に改善された。内装導電膜の形状
は、メッシュ形状、放射形状、螺旋形状、等の種々の形
状を採用することができる。次に、ガラス容器を誘電率
の低い材料によりつくることによって、等価静電容量を
低減することができる。誘電率の低い材料が必要な場所
はガラス容器の偏向ヨークに対向する部分に限定するこ
とができる。
着される陰極線管において、フェースプレートの前方に
放出される不要な輻射電界が、偏向ヨークと陰極線管を
構成するガラス容器の内面に設けられる内装導電膜との
間に形成される静電結合に起因するとの解析に着目し、
この静電結合の容量を低減することによって、不要輻射
電界を低い値に抑制するものである。具体的な手段とし
ては、等価静電容量がガラス容器の材料の誘電率と等価
的な面積の積に比例することに基づいて、まず、内装導
電膜の面積を低減させるものである。内装導電膜の面積
は、実験の結果、全面積の３０％の面積でも使用可能で
あることを確認しているが、電子ビームの諸特性が劣化
しない面積として、充分に余裕をみて全面積の５５％の
面積をもつ内装導電膜とした。これにより、静電容量も
約１／２に低減し、不要輻射電界も４．１［V/m］か
ら、１．９［V/m］に改善された。内装導電膜の形状
は、メッシュ形状、放射形状、螺旋形状、等の種々の形
状を採用することができる。次に、ガラス容器を誘電率
の低い材料によりつくることによって、等価静電容量を
低減することができる。誘電率の低い材料が必要な場所
はガラス容器の偏向ヨークに対向する部分に限定するこ
とができる。
【００２８】本発明によれば、陰極線管のフェースプレ
ート前面から放出される交番電界（不要輻射電界）を十
分低い値に抑制できるので、陰極線管表示装置の操作者
への影響を低減できる。また、その構成も内装黒鉛膜の
塗布形状の変更とガラス材の誘電率を変更するだけでよ
く、製造原価が安価であり、量産性もすぐれている。
ート前面から放出される交番電界（不要輻射電界）を十
分低い値に抑制できるので、陰極線管表示装置の操作者
への影響を低減できる。また、その構成も内装黒鉛膜の
塗布形状の変更とガラス材の誘電率を変更するだけでよ
く、製造原価が安価であり、量産性もすぐれている。
【図１】本発明の一実施例の陰極線管表示装置の動作を
説明する模式断面図。
説明する模式断面図。
【図２】図１の陰極線管のファンネル部をフェースプレ
ート側から示した図。
ート側から示した図。
【図３】本発明の実施例のパルス電圧波形を示す図。
【図４】内装導電膜に誘起される交番電圧を説明する等
価回路図。
価回路図。
【図５】本発明の別の実施例による内装導電膜を示す
図。
図。
【図６】本発明の別の実施例による内装導電膜を示す
図。
図。
【図７】静電容量と電界強度との関係を示す図。
【図８】従来の陰極線管装置を説明する図。
１ 陰極線管装置 ２ 高圧−偏向回路 ３ フェースプレート ４ 防爆バンド ５ 外装黒鉛膜 ６ 偏向ヨーク ７ 電子銃 ８ ネック ９ ファンネル １０ アノードボタン １１ 内装黒鉛膜 １２、１２０ 偏向ヨークと内装導電膜との間の静電容
量 １３ 内装導電膜 １４ 金属片 １５ 蛍光膜 １６、１６０ 交番電界（不要輻射電界）
量 １３ 内装導電膜 １４ 金属片 １５ 蛍光膜 １６、１６０ 交番電界（不要輻射電界）
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 佳雄 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内
Claims (8)
- 【請求項１】 偏向ヨークが装着される陰極線管におい
て、 該陰極線管を構成するガラス容器は、該偏向ヨークと対
向するガラス容器の内面の一部に内装導電膜を備えるこ
とを特徴とする陰極線管。 - 【請求項２】 偏向ヨークが装着される陰極線管におい
て、 該陰極線管を構成するガラス容器は、少なくとも該偏向
ヨークと対応するガラス容器のネック部からファンネル
部にかけて誘電率が５以下のガラス材料で形成されるこ
とを特徴とする陰極線管。 - 【請求項３】 少なくとも陰極線管と偏向ヨークから成
る陰極線管表示装置において、 該陰極線管を構成するガラス容器は、該偏向ヨークと対
向するガラス容器の内面の一部に内装導電膜を備えるこ
とを特徴とする陰極線管表示装置。 - 【請求項４】 少なくとも陰極線管と偏向ヨークから成
る陰極線管表示装置において、 該陰極線管を構成するガラス容器は、少なくとも該偏向
ヨークと対応するガラス容器のネック部からファンネル
部にかけて誘電率が５以下のガラス材料で形成されるこ
とを特徴とする陰極線管表示装置。 - 【請求項５】 該内装電極膜は、該陰極線管を構成する
ガラス容器のネック部からファンネル部にかかる内面に
設けられる略メッシュ形状の内装電極膜であることを特
徴とする請求項３記載の陰極線管表示装置。 - 【請求項６】 該内装電極膜は、該陰極線管を構成する
ガラス容器のネック部からファンネル部にかかる内面に
設けられる略放射形状の内装電極膜であることを特徴と
する請求項３記載の陰極線管表示装置。 - 【請求項７】 該内装電極膜は、該陰極線管を構成する
ガラス容器のネック部からファンネル部にかかる内面に
設けられる略螺旋形状の内装電極膜であることを特徴と
する請求項３記載の陰極線管表示装置。 - 【請求項８】 陰極線管ガラス容器の内面に形成される
内装導電膜と該偏向ヨークとの間の静電容量が１００ピ
コファラッド（ｐＦ）以下である陰極線管を具備するこ
とを特徴とする請求項３乃至７のいずれかに記載の陰極
線管表示装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6120897A JPH07326307A (ja) | 1994-06-02 | 1994-06-02 | 陰極線管及び陰極線管表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6120897A JPH07326307A (ja) | 1994-06-02 | 1994-06-02 | 陰極線管及び陰極線管表示装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07326307A true JPH07326307A (ja) | 1995-12-12 |
Family
ID=14797709
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6120897A Pending JPH07326307A (ja) | 1994-06-02 | 1994-06-02 | 陰極線管及び陰極線管表示装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07326307A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20010096098A (ko) * | 2000-04-17 | 2001-11-07 | 이형도 | 편향요크 |
-
1994
- 1994-06-02 JP JP6120897A patent/JPH07326307A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20010096098A (ko) * | 2000-04-17 | 2001-11-07 | 이형도 | 편향요크 |
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