JPH08114947A - 異形樹脂粒子、樹脂粒子の異形化方法、及び異形樹脂粒子からなる電子写真用トナー - Google Patents

異形樹脂粒子、樹脂粒子の異形化方法、及び異形樹脂粒子からなる電子写真用トナー

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JPH08114947A
JPH08114947A JP6273120A JP27312094A JPH08114947A JP H08114947 A JPH08114947 A JP H08114947A JP 6273120 A JP6273120 A JP 6273120A JP 27312094 A JP27312094 A JP 27312094A JP H08114947 A JPH08114947 A JP H08114947A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粒子表面を均一に改質し、未外添微粒子の分
離操作が不必要である、表面改質により樹脂粒子を異形
化する方法を提供することを目的とする。 【構成】 水系において、主粒子、重合性単量体、この
重合性単量体の骨格を有する疎水基を持つ分散剤、及び
水溶性重合開始剤の存在下で、|(主粒子のゼータ電
位)|≦20mVであり、かつ{|(分散剤のゼータ電
位)|−|(主粒子のゼータ電位)|}≧10mVとな
るようなpH領域において、前記主粒子表面に前記単量
体を重合することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂粒子の異形化方法
に係り、特に、電子写真、静電記録、静電印刷等におけ
る静電荷像を現像するための電子写真用現像剤粒子の異
形化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粒子表面の改質による樹脂粒子の
異形化法として、主粒子表面に微粒子を付着させる表面
改質法が知られている。その具体的な方法として、乾式
では、ヘンシルミキサー、ハイブリダイザー、メカノフ
ュージョンシステム等を用いる、機械的エネルギーを利
用する方法(特開昭63−311264号、特開平1−
18153号、特開平2−146056号等)、湿式で
は、静電的付着と加熱などにより融着固定化する方法
(特開平1−300264、特開平2−880、特開平
5−61245等)が知られている。
【0003】しかし、これらの表面改質法では、微粒子
の付着の不均一性、未付着微粒子の分離などが必要であ
り、また、これらの方法による表面改質粒子は、機械的
ストレスによる外添微粒子の剥離など、耐久性の点で問
題があった。
【0004】特に、電子写真において静電荷像を現像す
るためのトナーでは、耐機械強度・耐固着性とともに低
温定着性を両立させることを目的に、各種の表面改質法
や表面改質トナーが提案されている。例えば、低温定着
性のための低軟化点領域と機械的強度のための高軟化点
領域層を形成したものとして、シード重合によるコア
(核)・シェル(殻)トナー(特開平2−61651号
等)、界面重合法、内部重合法、外部重合法等によるカ
プセルトナー(特開昭63−19661号等)、又は主
粒子表面に添加した微粒子を軟化してコートしたトナー
(特開平1−185650等)が知られている。しか
し、これらの方法において、殻を構成する高軟化点樹脂
は、機械強度を保つためにはある程度の厚さと堅さを要
求され、定着時に殻の影響により高い定着温度が必要で
あるため、定着性を悪くするという問題点があった。
【0005】また、乾式あるいは湿式により低軟化点を
有する主粒子に高軟化点を有する微粒子を熱融着させた
トナー(特開昭56−6856号、特開平3−1709
45号等)が知られているが、軟化点の異なる材料の接
合する領域の接着はさらに弱くなり、機械的ストレスに
よる微粒子の剥離、微粉の発生など、トナーライフに問
題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粒子
表面を均一に改質し、未外添微粒子の分離操作が不必要
である、表面改質により樹脂粒子を異形化する方法を提
供することにある。
【0007】また、電子写真用トナーとして必要な耐機
械強度、耐固着性とともに、主粒子の低温定着性を同時
に兼ね備えた、表面改質による電子写真用トナーの製造
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明(請求項1)は、水系において、主粒子、重
合性単量体、この重合性単量体の骨格を有する疎水基を
持つ分散剤、及び水溶性重合開始剤の存在下で、|(主
粒子のゼータ電位)|≦20mVであり、かつ{|(分
散剤のゼータ電位)|−|(主粒子のゼータ電位)|}
≧10mVとなるようなpH領域において、前記主粒子
表面に前記単量体を重合することを特徴とする表面改質
による樹脂粒子の異形化方法を提供する。
【0009】この異形化方法において、前記分散剤の水
溶液中の安定極性と前記主粒子のそれが同一であること
が好ましい。
【0010】また、本発明(請求項3)は、水系におい
て、主粒子、重合性単量体、この重合性単量体の骨格を
有する疎水基を持つ分散剤、及び水溶性重合開始剤の存
在下で、|(主粒子のゼータ電位)|≦20mVであ
り、かつ{|(分散剤のゼータ電位)|−|(主粒子の
ゼータ電位)|}≧10mVとなるようなpH領域にお
いて、前記主粒子表面に前記単量体を重合することによ
り、前記主粒子が表面改質されてなることを特徴とする
異形樹脂粒子を提供する。
【0011】更に、本発明は、着色剤を含む主粒子の表
面に、この主粒子の軟化点とは異なる軟化点を有する複
数の重合体が重合により部分的に形成された異形樹脂粒
子からなり、前記主粒子と前記異形樹脂粒子の温度−複
素粘弾率曲線の少なくとも1部が重なり、かつ複数の前
記重合体の外形線を包絡する直線が、前記主粒子の外周
と交わらないことを特徴とする電子写真用トナーを提供
する。
【0012】更にまた、本発明は、重合体が三角形断面
であることにより、機械強度の問題からの耐固着性を解
決した電子写真用トナーを提供する。
【0013】
【作用】本発明の方法では、水系で主粒子、分散剤、重
合性単量体、及び水溶性重合開始剤の存在下で重合する
ため、通常は主粒子が重合性単量体で膨潤され、シード
重合となるが、ここで、分散剤の疎水基が重合性単量体
骨格を有すること、および、|(主粒子のゼータ電位)
|≦20mVかつ{|(分散剤のゼータ電位)|−|
(主粒子のゼータ電位)|}≧10mVとなるようなp
H領域で重合することにより、シード重合は起こらず、
微粒子外添構造に類似の表面改質により、樹脂粒子の異
形化が生ずる。
【0014】また、本発明の方法では、主粒子表面の膨
潤された分散剤を拠点として重合成長が起こるため、耐
機械的強度に優れ、表面が均一に改質された粒子が得ら
れる。もちろん、微粒子外添構造に類似の表面改質が起
こるが、未外添子粒子を分離する必要はない。また、分
散剤の水溶液中の安定極性と主粒子の安定極性は同じで
あっても異なっても、pHを調整することにより本発明
の表面改質による樹脂粒子が得られる。
【0015】なお、本発明において、着色剤を含む主粒
子表面上で重合性単量体から成長した重合体を主粒子表
面に複数個有する表面改質による異形粒子とし、主粒子
が低軟化点を有し、重合体が高軟化点の構造を有してお
り、かつ表面改質による異形粒子と主粒子の温度−複素
粘弾率曲線が少なくとも一部重なるようなトナーとした
場合には、表面被覆型の構造のものよりも低温定着性、
機械強度、ライフに優れた低温定着トナーが得られる。
また、重合体の形態として、断面三角形状、腫瘍状、樹
状などが得られるが、耐機械強度と低温定着性を満たす
ためには、断面が略三角形状であることが望ましい。こ
の複数の重合体の外周側の外形線を包絡する直線が、主
粒子の外周と交わらないように、多数の重合体を存在せ
しめることにより、低軟化点の主粒子に外からのストレ
スがかからないようになり、耐固着性を向上させること
ができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明を具体
的に説明する。
【0017】本発明の方法において、主粒子の表面改質
のための重合に使用する重合性単量体としては、ビニル
芳香族単量体、アクリル系単量体、ビニルエステル系単
量体、ビニルエーテル系単量体、ジオレフィン系単量
体、モノオレフィン系単量体等が挙げられる。
【0018】これらの中で、モノビニル芳香族単量体と
しては、モノビニル芳香族炭化水素では、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロ
スチレン、o−、m−、p−クロロスチレン、p−エチ
ルスチレン、ジビニルベンゼンの単独または二種以上の
組み合わせを挙げることが出来る。
【0019】アクリル系単量体としては、例えばアクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキ
シル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシ
アクリル酸プロピル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチ
ル、β−ヒドロキシメタアクリル酸エチル、エチレング
リコールジメタクリル酸エステル、テトラエチレングリ
コールジメタクリル酸エステル等を挙げることが出来
る。
【0020】ビニルエステル系単量体としては、例えば
ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等を挙げ
ることが出来る。また、ビニルエーテル系単量体として
は、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニルフェニルエー
テル、ビニルシクロヘキシルエーテル等を挙げることが
出来る。ジオレフィン系単量体としては、たとえばブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレン等を挙げることが出
来る。モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プ
ロピレン、イソブチレン、ブテン−1、ペンテン−1、
4−メチルペンテン−1等を挙げることが出来る。
【0021】本発明の方法に使用する分散剤としては、
上述した重合性単量体の骨格あるいは二種以上の共重合
体骨格の繰り返し構造を有する疏水基を持つ分散剤であ
れば良い。その中で、弱酸、弱塩基の極性基を有するも
のとしては、例えば、アニオン性では脂肪酸塩型の−C
OONH4 等、硫酸エステル塩型の−OSO3NH
4等、燐酸エステル塩型の−OPO3 (NH4 2 等が
挙げられ、カチオン性ではアミン塩型の1,2,3級ア
ルキルアミン類、1,2,3級エタノールアミン類、ポ
リエチレンポリアミン類等、また、水中で弱い水和によ
り分極し、弱カチオン性を示すアルキルアミンのエチレ
ンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0022】分散剤の具体的な例としては、スチレン誘
導体構造を持つものとしてCH2 =(CH2 )n−CH
−◎−COONH4 等、アクリル酸誘導体構造を有する
ものとしてCH2 =CR1 COO(CH2 )n−NR2
3 等、更にスチレンアクリル酸共重合誘導体構造を有
するものとしてCH2 =CR1 COO(CH2 n CH
2 =CH−◎−OSO3 NH4 等が挙げられる。なお、
式中、nは1〜10の整数、R1 ,R2 ,R3 は炭素数
1〜6のアルキル基である。
【0023】また、特に耐湿性、耐水性を考慮する場合
は、中和にはアンモニアイオンあるいはアミンイオン等
の揮発性の高いもの、及び弱酸である酢酸やギ酸を選択
することが望ましい。本発明の方法に使用される分散剤
は、以上に示したものに限定されるものではない。ま
た、疎水基の分子量としては、通常の乳化剤のように会
合ミセルを形成することがなく、自身でミセルとなるた
めに重量平均分子量で数百〜数万のものが適当である。
分散剤の使用量は、通常の乳化剤、界面活性剤、高分子
電解質に比べて残留による耐湿性、耐水性の影響が少な
いため、固形分の0.01〜30重量%、好ましくは
0.1〜15重量%である。
【0024】本発明の方法に使用する重合開始剤として
は、過酸化水素水、レドックス開始剤等を挙げることが
出来る。また、反応性乳化剤、反応性界面活性剤とし
て、分解切片がアニオン性である過硫酸アンモニウム、
過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、カチ
オン性であるDEAM(N,N′−ジエチルアミノエチ
ルメタクリレート)、AIBN・2HC1(イソブチル
アミドハイドロクロリック酸)等を挙げることが出来
る。また、これら以外にも、ポリオキシエチレンメタク
リレート、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレートの酢酸塩等を挙げることが出来る。重
合開始剤の使用量は、重合性単量体が完全に重合するた
めに、重合性単量体に対して0.001〜10重量%、
好ましくは0.01〜5重量%である。
【0025】本発明の方法に使用する主粒子は、各種ラ
テックス、粉砕トナー、重合トナー等を用いることが出
来、これらは市販のものでも合成したものでも良い。主
粒子の原料としては、少なくとも上述した本発明で使用
する重合性単量体等を単独で、または二種以上組み合わ
せたもの等と着色剤を重合開始剤等の存在下で重合する
ことにより製造したもの、又は、少なくとも本発明で使
用する重合性単量体等の単独または二種以上組み合わせ
たバインダー等と着色剤を混練粉砕することによって製
造したものである。
【0026】具体的には、例えば、ポリスチレン、スチ
レン−アクリル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重
合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリウレタン、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
シリコン樹脂、ポリアミド、パラフィン等を挙げること
が出来る。
【0027】主粒子を構成するポリマーの分子量は、重
量平均分子量で1万〜50万が好ましく、軟化点は60
〜100度が好ましい。また、大きさは平均粒子径で1
〜100μm、好ましくは2〜20μmである。
【0028】本発明の方法に使用する着色剤の顔料とし
ては、無機顔料(天然、クロム酸塩、フェロシアン化合
物、酸化物、塩化物、硫酸塩、珪酸塩、金属粉等)、有
機顔料(天然染料レーキ、ニトロソ系、アゾ系、フタロ
シアニン系、縮合多環系、塩基性染料レーキ、媒染染料
系、建染染料系等)、染料では水溶性染料、油脂性染料
等を挙げることが出来る。無機顔料の具体例としては、
例えば、黄土色等の天然顔料、黄鉛、ジンクイエロー、
バリウムイエロー、クロムオレンジ、モリブデンレッ
ド、クロムグリーン等のクロム酸塩、紺青等のフェロシ
アン化合物、酸化チタン、チタンイエロー、チタン白、
ベンガラ、黄色酸化鉄、亜鉛フェライト、亜鉛華、鉄
黒、コバルトブルー、酸化クロム、スピネルグリーン等
の酸化物、カドミウムエイロー、カドミウムオレンジ、
カドミウムレッド等の硫化物、硫酸バリウム等の硫酸
塩、珪酸カルシウム、群青等の珪酸塩、ブロンズ、アル
ミニウム等の金属粉、カーボンブラック等を挙げること
が出来る。
【0029】有機顔料の具体例としては、例えば、マダ
レーキ等の天然レーキ、ナフトールグリーン、ナフトー
ルオレンジ等のニトロソ系顔料、ベンジジンイエロー
G、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、バルカ
ンオレンジ、レーキレッドR、レーキレッドC、レーキ
レッドD、ウオッチングレッド、ブリリアンカーミン6
B、ピラロゾンオレンジ、ボルドー10G、(ボンマル
ーン)等の溶性アゾ系、ピラロゾンレッド、パラレッ
ド、トルイジンレッド、ITRレッド、トルイジンレッ
ド(レーキレッド4R)、トルイジンマルーン、ブリリ
アントファイストスカーレッド、レーキボルドー5B等
の不溶性アゾ系、縮合アゾ系等のアゾ系顔料、フタロシ
アニンブルー、フタロシアニングリーン、ブロム化フタ
ロシアニングリーン、ファストスカイブルー等のフタロ
シアニン顔料、スレンブルー等のアントラキノン系、ペ
リレンマルーン等のペリレン系、ペリノンオレンジ等の
ペリノン系、キナクリドン、ジメチルキナクリドン等の
キナクリドン系、ジオキサジンバイオレット等のジオキ
サジン系、イソインドリン系、キノフタロン系等の縮合
多環系顔料、ローダミン6B、レーキ、ローダミンレー
キB、マラカイトグリーン等の塩基性染料レーキ、アリ
ザリンレーキ等の媒染染料系顔料、インダスレンブル
ー、インジゴブルー、アントアントロンオレンジ等の建
染染料系顔料、蛍光顔料、アジン顔料(ダイヤモンドブ
ラック)グリーンゴールド等を挙げることが出来る。
【0030】水溶性染料の具体例としては、例えばロー
ダミンB等の塩基性染料、酸性染料、蛍光染料等、油溶
性染料の具体例としては、例えばファストオレンジR、
オイルレッド、オイルイエロー等のモノアゾ染料、アン
トラキノンブルー、アントラキノンバイオレット等のア
ントラキノン系染料、ニグロシン、インジュリン等のア
ジン染料、塩基性、酸性、金属錯化合物系染料等を挙げ
ることが出来る。
【0031】本発明に係るトナーに使用するワックスと
しては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、パラフィン等を挙げることが出来る。また、エマル
ジョンタイプのカルボキシル基変性ポリオレフィンとし
て、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1
等のオレフィン単位を骨格としてカルボキシル基を有す
るように変性され、かつアンモニアまたはアミンでカル
ボキシル基の少なくとも一部が中和されたポリエチレン
ワックス、ポリプロピレンワックス等を使用することも
可能である。ワックスの使用量は、通常0〜30重量
%、好ましくは1〜30重量%である。
【0032】また、帯電制御剤としては、負帯電制御剤
としてニグロシン系染料、4級アンモニウム塩等の電子
供与性物質、正帯電制御剤として、モノアゾ系染料の金
属塩のような電子吸引性物質を挙げることが出来る。
【0033】更に、トナーの流動性の向上、帯電量の環
境安定性の向上、クリーニング性の向上、感光体上の堆
積物の除去などのために、外添剤を使用するが、この例
としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アル
ミニウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化セリウム等の
金属酸化物のほか、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸鉛等の脂肪酸金属塩、その他チ
タン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、塩基性酢酸
ビスマス等の無機物、PMMA、スチレン−アクリル共
重合体、フッ化ビニリデン、4フッ化エチレン等のフッ
素樹脂等を挙げることが出来る。なお、本発明に係るト
ナーに外添剤を使用することにより、より一層、機械的
強度、耐摩擦性を付与することができる。
【0034】本発明の樹脂粒子の表面改質による異形化
方法では、固形分仕込量は通常の範囲である1〜30重
量%、好ましくは2〜20重量%であり、表面改質され
る粒子としてのトナーの平均粒子径は、1〜100μ
m、好ましくは2〜20μmである。重合温度および時
間は公知のそれでよく、一般に40〜100℃の温度
で、1〜50時間の重合で十分であり、本発明の方法に
よると、新粒子の発生率がきわめて低いことが特徴であ
る。
【0035】本発明者らは、通常は主粒子が重合性単量
体で膨潤され、シード重合となる方法において、分散剤
として、その疎水基が重合性単量体骨格を有するものを
使用し、かつ主粒子のゼータ電位が分散剤のそれよりも
低い場合、重合性単量体は主粒子ではなく、分散剤の疎
水基が重合性単量体で膨潤され、シード重合は起こら
ず、代わりに主粒子の表面で分散剤を拠点として重合性
単量体が成長し、複数個の重合体で修飾された異形粒子
が合成される現象を見出し、本発明に至った。
【0036】図1に、本発明の表面改質による樹脂粒子
の異形化方法のフローシート図を示す。このフローシー
トに沿って説明すると、まず、主粒子と分散剤のゼータ
電位を測定し、ゼータ電位とpHの関係を求める。この
結果をもとにして、各分散系のpHを調整し、混合す
る。この操作は、シード重合とはならずに本発明の表面
改質が実現する上で最も重要である。
【0037】次いで、重合性単量体を添加し、重合直前
に水溶性重合開始剤を添加し、表面改質重合により湿式
表面改質粒子を得る。本発明の方法では、水系におい
て、主粒子、分散剤、重合性単量体、及び水溶性重合開
始剤の存在下で重合するため、通常は主粒子が重合性単
量体で膨潤され、シード重合となるが、ここでは、分散
剤の疎水基が重合性単量体骨格を有すること、および|
(主粒子のゼータ電位)|≦20mVであり、かつ{|
(分散剤のゼータ電位)|−|(主粒子のゼータ電位)
|}≧10mVとなるpH領域において重合することに
より、シード重合は起こらず、微粒子外添構造に似た表
面改質重合が起こる。このことは、主粒子のゼータ電位
が分散剤のそれよりも低い場合、重合性単量体は主粒子
ではなく、疎水基が重合性単量体骨格を有するため膨潤
され易い分散剤を膨潤し、シード重合は起こらないもの
と思われる。
【0038】ここで、主粒子のゼータ電位が20mVを
越えると、単独でも重合性単量体の主粒子への膨潤がみ
られ、シード重合が優先的に起こり、本発明の表面改質
が不十分となる。また、分散剤のゼータ電位が主粒子単
独より10mV以上高くない場合は、主粒子のゼータ電
位が20mV以下でも重合性単量体が十分には分散剤の
疎水基へ膨潤されなくなり、シード重合も同時に起こ
り、本発明の表面改質が不十分となることを意味する。
よって、両条件を満たす領域のゼータ電位のpHにおい
て初めて、重合性単量体は主粒子ではなく分散剤疎水基
に選択的に膨潤され、シード重合でなく本発明の表面改
質重合が実現する。
【0039】次に、図2を用いて、主粒子と分散剤のゼ
ータ電位を測定して得た結果から、いかにして重合にお
ける適性pH領域を決定するかについて説明する。図2
(a)の曲線は、下記実施例1−1の例であるが、曲線
301が主粒子1のゼータ電位曲線であり、曲線302
が分散剤1のゼータ電位曲線であり、主粒子の極性と分
散剤の安定極性が異なる例である。
【0040】まず、主粒子のゼータ電位の絶対値が20
mV以下であるpH領域を探す。この例では、pH10
以下である。次に、分散剤1のゼータ電位302の絶対
値から主粒子1のゼータ電位301の絶対値を差し引い
た値が10mV以上であるpH領域を探すとpH6以下
となる。この主粒子1と分散剤1の系では、両者の条件
を満たすpH6以下がpH調整の適正領域となる。
【0041】同様に、図2(b)の曲線は、実施例1−
2の例であるが、曲線304は曲線301と同じ主粒子
1のゼータ電位曲線であり、曲線305が分散剤2のゼ
ータ電位曲線であり、主粒子と安定極性が同じ分散剤の
例である。まず、主粒子のゼータ電位の絶対値が20m
V以下であるpH領域を探す。この例では、pH10以
下である。次に、分散剤2のデータ電位304の絶対値
から主粒子1のゼータ電位305の絶対値を差し引いた
値が10mV以上であるpH領域を探すと、pH3〜7
となる。この主粒子1と分散剤2の系では、pH3〜7
がpH調整の適正領域となる。
【0042】図3に、本発明の表面改質による樹脂粒子
の異形化によって得られる異形粒子と本発明2の電子写
真用トナーの概念図を示す。図3(a)は、表面改質粒
子401の断面の概要図であり、参照符号402は主粒
子、403は重合性単量体から成長した重合体を示す。
図3(a)から明らかなように、重合体403が主粒子
402の表面で重合成長しているために、従来の乾式・
湿式の微粒子外添に比べて、均一に主粒子402の表面
改質ができ、耐機械強度、耐破砕性に優れ、未外添子粒
子の分離工程が簡略化できる。
【0043】図3(b)は、表面改質トナー404の断
面の概要図であり、参照符号405は主粒子を示し、粉
砕あるいは重合トナー等が利用できる。重合トナーとし
た場合、一連の操作を一貫して湿式で行うことが出来る
という利点がでてくる。406は主粒子表面上で重合性
単量体から成長した断面形状が略三角形状の重合体を示
し、図3(a)と同様の理由で耐機械強度、耐破砕性に
優れている。耐機械強度とともに、低温定着性を持たせ
るためには、主粒子405として低軟化点(60〜11
0度)のものを用い、成長重合体406は、高軟化点
(110〜150度)のものを成長させることにより、
コート状に高軟化点の殻で表面改質するものに比べて、
優れた低温定着性を示す。
【0044】また、407は主粒子表面の複数の重合体
の外周側の外形線であり、この外形線が主粒子の外周と
交わらないようにすることにより、低温定着トナーの設
計において、主粒子405として低軟化点のものを用い
たとしても、優れた耐固着性を示す。
【0045】図3(c)は、本発明の方法により表面改
質された樹脂粒子の他の例を示す。参照符号408は主
粒子を示し、409は重合性単量体から樹状に成長した
重合体を示す。このような形態は、分散剤としてアニオ
ン性とカチオン性の両方を用いた場合に生じるが、重合
体409は重合体406に比べて表面で長く成長し、こ
の場合には均一で耐破砕性に優れたトナーは得難いが、
主粒子表面での重合成長による微細な形態制御の可能性
があり、興味深い結果と言える。
【0046】図4に、本発明の樹脂粒子の異形化方法に
より製造された電子写真用トナーの電子顕微鏡写真を示
す。図4(a)は、低温定着性、耐機械強度、耐固着性
を兼ね備えたトナーを示す。図4(b)は、図3(c)
に示す樹脂粒子を得る条件と同一の条件で得られたもの
であり、長く伸びた重合体が観察され、重合体が表面か
ら重合成長してできた様子が伺える。
【0047】図5に、本発明に係るトナーおよび従来の
表面改質トナーの温度−複素粘弾性曲線を示す。図中、
曲線aは主トナーの温度−複素粘弾性特性、曲線bは後
述する実施例2−1により得たトナーの温度−複素粘弾
性特性、曲線cは後述する比較例2−1により得たトナ
ーの温度−複素粘弾性をそれぞれ示す。なお、図5に示
す特性は、装置としてMR−3ソリッドメ−タ(レオロ
ジ社製)を用い、加熱速度2℃/minの条件で得られ
た。
【0048】図5から明らかなように、実施例2−1で
は、主粒子の曲線aと表面改質粒子の曲線bが130℃
あたりで重なっている。しかし、乾式あるいは、湿式で
の微粒子外添法やコアシュル法では、高軟化点領域と低
軟化点領域が連続的でないため、比較例2−1では、曲
線cは最後まで主粒子と重なることはなく、特に、コア
シェル法では、それが顕著となり、粘弾性変化が緩慢と
なり、定着性に問題が生じて来ることがわかる。
【0049】図6に、本発明の電子写真用トナーを使用
するカラー画像形成装置について説明する。図6に示す
装置では、感光体201、帯電装置202、レーザー露
光装置203、現像装置200、転写装置209、ブレ
ードクリーニング装置204、除電ランプ205が黒、
イエロー、マゼンダ、シアンの4色について4セット配
列されている。矢印の方向から紙やOHPシート等の転
写材213が転写ベルト208上にのって搬送され、感
光体202に接触する部分で転写ベルト208の下側か
ら転写装置209によって転写電圧が印加され、感光体
202上に現像されたトナーが転写材213に転写され
る。これが各色について順次行なわれ、転写材213上
にトナー画像が重ね合わされる。転写装置109として
は、弾性ローラにバイアス電圧を印加するものなどが用
いられている。転写材213上に重ね合わされトナー画
像は、定着装置210の中の加熱ローラ211、加圧ロ
ーラ212の間を通過することによりトナーに熱が加え
られ、画像支持体上に定着される。このようにしてフル
カラー画像が得られる。
【0050】本発明に係るトナーは、表面温度128℃
のヒートローラー熱定着器(ニップ幅7.5mm)とブ
レードクリーニング装置を有するプリンタの現像剤に使
用し、プロセススピード105mm/secで文字、
線、及び20mm角のべた黒、網点ハーフトーンのパッ
チの画像出力を行なった。また、平均粒径約60μmの
フェライトキャリヤと重量比100:4で混合し、二成
分現像器と表面温度128℃のヒートローラー熱定着器
(ニップ幅7.5mm)とブレードクリーニング装置を
有し、プロセススピード65mm/secのプリンタの
現像剤のトナーとして使用し、上記と同様に画像出力を
おこなった。得られた画像について、べた黒パッチの画
像濃度をMACBETHR918反射濃度計により測定
し、以下のような評価を行なった。
【0051】1.耐機械強度・耐破砕性(微粉率) 印字率6%で一定枚数を印字した後、画像上に文字メモ
リーあるいはすじ状の不良画像の有無により判定した。
3万枚の印字後、現像器内の現像剤粒径をパーティカル
カウンター(CAPA−700、(株)堀場製)で測定
し、現像ランニング前と比較して、2ミクロン以下の現
像剤微粉の割合(微粉率)が5%以上増加した場合は
×、5%未満の場合は○とした。
【0052】2.現像器内固着(ランニング枚数)試験 現像ローラおよび帯電ブレード表面のSEM観察を行な
い、帯電ブレードおよび現像ローラ上にトナー固着が発
生しているかどうかで判断した。3万枚印字後にも全く
現像器内への固着が見られなかったものは○、固着が見
られ、画像の均一性も悪化したものは×とした。また、
ここでのランニング枚数は、何枚現像したところで固着
が発生したかを表す。
【0053】3.粘弾性試験 主粒子と表面改質による異形粒子の温度に対する粘弾性
の変化のシャープさを比較し、低温定着性の指標とし
た。得られた粒子と主粒子の動的粘弾性をMR−3ソリ
ッドメータ(レオロジ社製)により測定し、得られた粒
子と主粒子の粘弾性曲線において両曲線が少なくとも一
部重なる場合を○、重ならない場合を×とした。
【0054】4.定着性試験 トナー定着部を堅牢度試験器により布300回の条件で
摩擦し、試験前後の画像濃度を反射濃度計で測定し、そ
の比率で評価した。試験前後の画像濃度の比率が90%
以上を○、90%未満を×とした。また、ここでの定着
率は、画像濃度の比率とした。
【0055】以下に、本発明の具体的な実施例を記載す
る。なお特に断りの無い限り、数量は重量で表示する。
【0056】実施例1−1 表面改質粒子の合成 母粒子1(東芝製PT−82 トナー、 体積平均粒径10.0μm) 0.2重量部 分散剤1 (構造式CH2 =CR1 COO(CH2 )n−NHR2 3 ) 0.006重量部 スチレン 0.16重量部 アクリル酸nブチル 0.04重量部 過硫酸アンモニウム 0.006重量部 イオン交換水 200重量部 図1のフロー図に従い、上記の主粒子と分散剤のpHと
ゼータ電位の関係をPENKEM社MODEL501で
測定した曲線が図2(a)である。適性PH領域はPH
6以下であるので、主粒子と分散液を塩酸水溶液により
pH5に調節した、次に、この分散液2リットルを4つ
口フラスコに移し、重合性単量体であるスチレンとアク
リル酸nブチルを添加し、重合開始剤である過硫酸アン
モニウムを添加し、80rpmで攪拌しながら、温度を
70度に設定し、8時間重合を行なった。
【0057】得られた表面改質粒子は、体積平均粒径1
0.1μmであった。表面の状態をTOPCON製AB
T−32型SEMにより観察したところ、得られた粒子
はシード重合による粒子のような真球形で表面がスムー
ズなものではなく、図4(a)に示すように、均一に微
粒子をまぶしたように表面が改質されていることがわか
った。
【0058】この粒子をさらに、日立製H−600型T
EMにより断面観察してみると、微粒子が付着している
のではなく、表面の微小な重合体と主粒子との界面が認
められなかった。また、単独の微粒子や重合体は見られ
なかった。このことから、主粒子表面の重合活性なサイ
トから重合性単量体が成長重合することで微小な重合体
ができたともの考えられる。このことから、得られた粒
子の耐機械強度・耐破砕性が優れていることが期待でき
る。先に述べた方法により評価してみると、微粉率は1
%以下と非常に優れた結果を得た。
【0059】実施例1−2 カチオン性の分散剤(構造式CH2 =CR1 COO(C
2 n −NHR2 3 )の代わりに、極性基はアニオ
ン性であるが疎水基は重合性単量体と同骨格のスチレン
重合誘導体構造を持つ分散剤2としてCH2 =(C
2 n −CH−◎−COONH4 を用いたことを除い
て、実施例1−1と同様にして、体積平均粒径10.1
μmの粒子を得た。{|(分散剤のゼータ電位)|−|
(主粒子のゼータ電位)|}≧10mVであり、かつ|
(主粒子のゼータ電位)|≦20mVを満たすようなp
Hの適性領域は、図2(b)に示すように、pH3〜7
であり、従って、アンモニア水でpH7に調整して重合
した。
【0060】表面の状態をSEMにより観察したとこ
ろ、主粒子表面の重合体は実施例1−1よりも多少大き
めであったが、やはり図4(a)に示すように均一に微
粒子をまぶしたような粒子が得られ、単独の重合体は見
られなかった。TEM観察の結果、表面の微小な重合体
の断面形状は、実施例1−1よりも丸みを帯びた略三角
形状をしており、主粒子との界面は認められなかった。
耐機械強度・耐破砕性試験を行なったところ、微粉率は
1%以下と非常に優れた結果を得た。
【0061】実施例1−3、4 pHの調整の際、pH5の代わりに同様に適性PH領域
であるpH6およびpH2に各々アンモニア水および塩
酸水溶液によりpHを調整することを除いて、実施例1
−1と同様にして、平均粒径10.2μm、10.1μ
mの粒子を得た。図2(a)から,pH6では主粒子の
ゼータ電位の絶対値は20mVであり、かつ分散剤の絶
対値と主粒子の絶対値の差が10mVであった。また、
pH2では主粒子のゼータ電位の絶対値は0mVであ
り、かつ分散剤の絶対値と主粒子の絶対値の差が40m
Vであった。すなわち、{|(分散剤のゼータ電位)|
−|(主粒子のゼータ電位)|}≧10mVであり、か
つ|(主粒子のゼータ電位)|≦20mVである領域の
範囲内において、pHを別の値に調整して重合したもの
である。
【0062】得られた粒子の表面の状態をSEMにより
観察したところ、やはり図4(a)に示すように、均一
に微粒子をまぶしたような粒子が得られた。TEM観察
の結果も同様であり、表面の微小な重合体は三角錘状を
しており、主粒子との界面は認められず、単独の重合体
も見られなかった。耐機械強度・耐破砕性試験を行なっ
たところ、微粉率は2%と3%と、非常に優れた結果を
得た。
【0063】比較例1−1 実施例1−1において、主粒子に以下の微粒子を外添し
て乾式表面改質粒子を得た。
【0064】 ポリスチレンアクリレート微粒子の合成 スチレン 0.16重量部 アクリル酸nブチル 0.04重量部 過硫酸アンモニウム 0.006重量部 イオン交換水 200重量部 イオン交換水をアンモニア水でpH9.8に調整し、こ
れを2リットル4つ口フラスコに移し、これにスチレン
とアクリル酸nブチルを添加し、更に過硫酸アンモニウ
ムを添加し、200rpmで攪拌しながら、温度を70
度に設定し、8時間重合を行った。得られた粒子は体積
平均粒径0.3μmであった。このポリスチレンアクリ
レート微粒子0.1重量部を実施例1−1の主粒子1重
量部に添加し、ハイブリダイザーシステム(HYBRI
DIZER NHS−0,NARAKIKAI社製)に
より回転速度1200rpmで10分間混合し、乾式表
面改質粒子を得た。
【0065】表面の状態をSEMにより観察したとこ
ろ、微粒子の外添状態は不均一な粒子が多く得られた。
また、ポリスチレンアクリレートの未外添粒子も観察さ
れた。TEM観察の結果、表面のポリスチレンは、主粒
子に埋め込まれているものが多かったが、主粒子との界
面が非連続的であるために、TEMの超薄切片作成時に
主粒子からポリスチレン微粒子が脱離しているものが観
察された。これらのことから、この方法では、未外添微
粒子の分離回収が必要であり、また、耐機械強度・耐破
砕性に問題があることが予想される。耐機械強度・耐破
砕性試験では、微粉率は12%と非常に悪い結果を得
た。
【0066】比較例1−2 実施例1−1において、主粒子に以下の微粒子を湿式で
外添して表面改質粒子を得た。
【0067】 ポリスチレンアクリレート微粒子の合成 スチレン 0.16重量部 アクリル酸nブチル 0.04重量部 AIBN・2HC1(イソブチルアミドハイドロクロリック酸) 0.006重量部 イオン交換水 200重量部 まず、イオン交換水をアンモニア水でpH9.8に調整
し、次いで、これを2リットル4つ口フラスコに移し、
スチレンとアクリル酸nブチルを添加し、更にAIBN
・2HC1を添加し、200rpmで攪拌しながら、温
度を70℃に設定し、8時間重合を行った。得られた粒
子の体積平均粒径、は0.2μmであった。
【0068】実施例1−1の主粒子1重量部に、この正
帯電性のポリスチレンアクリレート微粒子0.05重量
部の分散液を添加し、超音波により混合し、主粒子に微
粒子を付着させた後、98℃に加熱して融着させ、一般
的な湿式外添により表面改質粒子を得た。
【0069】表面の状態をSEMにより観察したとこ
ろ、ポリスチレン微粒子の外添状態は不均一な粒子が多
く得られた。また、ポリスチレンの未外添粒子も観察さ
れた。TEM観察の結果、表面の微粒子は、主粒子に埋
め込まれているものが多かったが、主粒子との界面が断
続的であるため、TEMの超薄切片作成時に主粒子から
ポリスチレンアクリレート微粒子が脱離しているものが
観察された。これらのことから、この方法では、未外添
微粒子の分離回収が必要であり、また、耐機械強度・耐
破砕性に問題があることが予想される。耐機械強度・耐
破砕性試験を行なったところ、微粉率10%と悪い結果
を得た。
【0070】比較例1−3 主粒子1および分散剤1の分散混合液のpHをアンモニ
ア水によりpH11に調整したことを除いて、実施例1
−1と同様にして、表面改質粒子を得た。図2(a)よ
り、pH11では主粒子のゼータ電位の絶対値は25m
Vであり、分散剤の絶対値と主粒子の絶対値の差が10
mVであった。すなわち、{|(分散剤のゼータ電位)
|−|(主粒子のゼータ電位)|}≧10mVであり、
この点は本発明の範囲内であるが、|(主粒子のゼータ
電位)|>20mVであって、この点では本発明の範囲
外である領域のpHに調整して重合したことになる。表
面の状態をSEMにより観察したところ、通常のシード
重合による表面がスムースな粒子が得られ、図4(a)
に示すような本発明の粒子は得られなかった。
【0071】比較例1−4 主粒子1および分散剤1の分散混合液のpHをアンモニ
ア水によりpH8にしたことを除いて、実施例1−1と
同様にして表面改質粒子を得た。pH8では、主粒子の
ゼータ電位の絶対値は18mVであり、分散剤の絶対値
と主粒子の絶対値の差が7mVの場合であった。すなわ
ち、|(主粒子のゼータ電位)|≦20mVであり、こ
の点は本発明の範囲内であるが、{|(分散剤のゼータ
電位)|−|(主粒子のゼータ電位)|}<10mVで
であって、この点では本発明の範囲外である領域にpH
を調整して重合したことになる。表面の状態をSEMに
より観察したところ、通常のシード粒子よりは表面が幾
らかラフであるが、図4(a)のようなはっきりとした
表面改質された粒子は得られなかった。
【0072】比較例1−4 アニオン性分散剤の代わりに、分散剤の疎水基が重合性
単量体と同骨格を持たないドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウムを使用したことを除いて、実施例1−2と同
様にして重合を行ったところ、凝集が起こり、粒子は得
られなかった。この結果は、分散剤の疎水基が重合性単
量体と同骨格を持たないために、膨潤能が低く、重合性
単量体の分散安定性が得られなかったためと思われる。
【0073】実施例2−1 主粒子(重合トナー)の合成 スチレンモノマー 50重量部 アクリル酸ブチル 30重量部 スチレン−アクリレート・ラテックス 12重量部 過硫酸アンモニウム 1重量部 アゾビスイソビチロニトリル 1重量部 カーボンブラック 4重量部 四級アンモニウム塩系負帯電電荷制御剤(CCA) 1重量部 ポリプロピレンワックス 1重量部 以上の原料を、ボールミル(HDポットミルtypeA
−3 (株)ニツカー社製)により40時間分散し、こ
れをT.K.AUTOホモミキサー(特殊機化工業社
製)により15分間、回転数14000rpmで攪拌
し、イオン交換水の入った2リットル4つ口フラスコに
移し、更に1000rpmで2時間攪拌後、250rp
mに落とし、温度を70℃に設定して、8時間重合を行
い、体積平均粒径8.0μm、軟化点100℃の、真球
形で表面はスムースな重合トナーを得た。
【0074】 表面改質粒子の合成 主粒子(上記の重合トナー) 0.2重量部 分散剤(構造式CH2 =CR1 COO(CH2 n −NHR2 3 ) 0.006重量部 スチレン 0.19重量部 アクリル酸nブチル 0.01重量部 過硫酸アンモニウム 0.006重量部 イオン交換水 200重量部 図1のフロー図に従い、上記の主粒子と分散剤のpHと
ゼータ電位の関係をPENKEM社MODEL501で
測定したところ、図2(a)で示したようなグラフが得
られた。ここで、分散剤は同じものであり、主粒子はp
H5からプラス側へ立ち上がり始めた。よって、適性p
H領域は、pH5以下であり、塩酸水溶液によりpHを
4に調整した。
【0075】次に、この分散液2リットル4つ口フラス
コに移し、スチレンとアクリル酸nブチルを添加し、過
硫酸アンモニウムを添加し、80rpmで攪拌してか
ら、温度を70℃に設定し、8時間重合を行なった。得
られた表面改質粒子は、体積平均粒径8.2μmであっ
た。表面の状態をTOPCON製ABT−32型SEM
により観察したところ、始めに主粒子は真球形で表面は
スムースであったが、得られた粒子は、シード重合によ
る粒子のようなスムーズな表面ではなく、図4のaに示
す均一に微粒子をまぶしたように表面が改質されてた異
形粒子であることがわかった。
【0076】この粒子をさらに、日立製H−600型T
EMにより断面を良く観察してみると、微粒子が付着し
ているのではなく、表面の微小な重合体の断面形状は略
三角形状をしており、主粒子との界面が認められなかっ
た。合成した表面改質による異形粒子と主粒子の温度−
粘弾性試験で評価したところ、図5に示すように、合成
した異形粒子は、主粒子とほぼ変わらぬシャープな溶融
性を示し、130℃以上で両曲線が重なった。
【0077】この結果から、構造のみならず粘弾性の連
続性がうかがえた。このことから、得られた粒子は、耐
機械強度・耐破砕性のみならず、主粒子と同様の低温定
着性を示すことが期待される。また、主粒子表面の重合
体の数は、重合体の外周側の外形線が主粒子の外周と交
わることのないほど十分に存在しており、耐固着性も優
れていることが期待できる。定着性、耐機械強度・耐破
砕性、耐固着性試験を行なったところ、いずれも予想通
り良好な成績であった。
【0078】実施例2−2 カチオン性の分散剤(構造式CH2 =CR1 COO(C
2 n −NHR2 3 )の代わりに、極性基はアニオ
ン性であるが疎水基は重合性単量体と同骨格のスチレン
重合誘導体構造を持つ分散剤2としてCH2 =(C
2 n −CH−◎−COONH4 を使用したことを除
いて、実施例2−1と同様にして、体積平均粒径8.1
μmの粒子を得た。
【0079】図2(b)で主粒子がpH5からプラスへ
立ち上がるため、適性pHは3〜6ぐらいとなり、アン
モニア水でpH5に調整して重合した。表面の状態をS
EMにより観察したところ、主粒子表面の重合体は実施
例2−1よりも多少大きめであったが、やはり図4
(a)のように均一に微粒子をまぶしたような粒子が得
られ、単独の重合体は見られなかった。TEM観察の結
果、表面の微小な重合体は、実施例1−1よりも丸みを
帯びた三角錘状のものが多く、はっきりした三角錘状か
ら球状の重合体まで観察された。また、いずれも主粒子
との界面は認められなかった。
【0080】合成した表面改質された異形粒子と主粒子
の温度ー粘弾性試験を行ない、評価したところ、図5に
示すように、合成した異形粒子は、主粒子とほぼ変わら
ぬシャープな溶融性を示し、130℃以上で両曲線が重
なった。この結果から、構造のみならず粘弾性の連続性
がうかがえた。このことから、得られた粒子は、耐機械
強度・耐破砕性のみならず主粒子と同様の低温定着性を
示すことが期待される。また、主粒子表面の重合体の数
は、重合体の外周側の外形線が主粒子の外周と交わるこ
とのないほど十分に存在しており、耐固着性も優れてい
ることが期待できる。定着性、耐機械強度・耐破砕性、
耐固着性試験を行なったところ、実施例2−1と同様、
良好な成績であった。
【0081】比較例2−1 実施例2−1において、主粒子に以下の微粒子を外添し
て乾式表面改質粒子を得た。
【0082】 ポリスチレンアクリレート微粒子の合成 スチレン 0.16重量部 アクリル酸nブチル 0.04重量部 過硫酸アンモニウム 0.006重量部 イオン交換水 200重量部 イオン交換水をアンモニア水でpH9.8に調整し、次
いで、これを2リットルの4つ口フラスコに移し、スチ
レンとアクリル酸nブチルを添加し、更に過硫酸アンモ
ニウムを添加し、200rpmで攪拌しながら、温度を
70℃に設定し、8時間重合を行った。得られた粒子は
体積平均粒径0.3μmであった。
【0083】このポリスチレンアクリレート微粒子0.
1重量部を実施例2−1の主粒子1重量部に添加し、ハ
イブリダイザーシステム(HYBRIDIZER NH
S−0,NARAKIKAI社製)で1200rpmで
10分間混合し、乾式表面改質粒子を得た。表面の状態
をSEMにより観察したところ、ポリスチレン微粒子の
外添状態は均一な粒子よりも不均一な粒子が多く、主粒
子が露出し、外形線は主粒子と交わることが多かった。
【0084】TEM観察の結果、表面のポリスチレンア
クリレート微粒子は、主粒子に埋め込まれているものが
多かったが、主粒子との界面が断続的であるためにTE
Mの超薄切片作成時に主粒子から微粒子が脱離している
ものが観察された。よって、この方法では未外添微粒子
の分離回収が必要であり、耐機械強度・耐破砕性試験で
は、微粉率は12%と非常に悪い結果を得た。また、耐
固着性試験では、500枚印刷後から固着の発生が観察
された。粘弾性試験では、図5に示すように、主粒子の
曲線は重なることはなかった。このことから定着温度が
上がっていることが予想され、実際、定着試験の結果は
75%で×であった。
【0085】比較例2−2 実施例2−1において、主粒子に以下の微粒子を湿式で
外添して表面改質粒子を得た。
【0086】 ポリスチレンアクリレート微粒子の合成 スチレン 0.16重量部 アクリル酸nブチル 0.04重量部 AIBN・2HC1(イソブチルアミドハイドロクロリック酸) 0.006重量部 イオン交換水 200重量部 まず、イオン交換水をアンモニア水でPH9.8に調整
し、次いで、これを2リットル4つ口フラスコに移し、
スチレンとアクリル酸nブチルを添加し、更にAIBN
・2HC1を添加し、200rpmで攪拌しながら、温
度を70℃に設定し、8時間重合を行った。得られた粒
子は体積平均粒径0.2μmであった。実施例2−1の
主粒子1重量部にこの正帯電性のポリスチレンアクリレ
ート微粒子0.05重量部の分散液を添加し、超音波に
より混合し、主粒子に微粒子を付着させた後、98℃に
加熱して融着させ、一般的な湿式外添により表面改質粒
子を得た。
【0087】表面の状態をSEMにより観察したとこ
ろ、ポリスチレン微粒子の外添状態は均一な粒子よりも
不均一な粒子が多く、主粒子が露出し、外形線は主粒子
と交わることが多かった。TEM観察の結果、表面のポ
リスチレンアクリレート微粒子は、主粒子に埋め込まれ
ているものが多かったが、主粒子との界面が断続的であ
るため、TEMの超薄切片作成時に主粒子から微粒子が
脱離しているものが観察された。これらのことから、こ
の方法では、未外添微粒子の分離回収が必要であり、ま
た、耐機械強度・耐破砕性、耐固着性に問題があること
が予想される。耐機械強度・耐破砕性試験では、微粉率
は10%と非常に悪い結果を得た。また、耐固着性試験
では、800枚印刷後から固着の発生が観察された。粘
弾性試験では主粒子の曲線と重ならず、定着試験は、比
較例2−1同様に80%で×であった。
【0088】比較例2−3 pHの調整の際、アンモニア水によりPH10.5にし
たことを除いて実施例2−1と同様にして、粒径8.5
μmの粒子を得た。表面の状態をSEMにより観察した
ところ、シード重合で得たように表面がスムースなコー
ト状に表面改湿された粒子が得られた。耐機械強度・耐
破砕性試験を行なったところ、微粉率は1%以下と非常
に良好な結果を得た。また、耐固着性試験でも固着の発
生はなかった。しかし、粘弾性試験では、主粒子の曲線
と重ならず、定着試験の結果は65%で×であった。
【0089】比較例2−4 分散剤(構造式CH2 =CR1 COO(CH2 n −N
HR2 3 )0.006重量部の代わりに、同じ分散剤
(構造式CH2 =CR1 COO(CH2 n −NHR2
3 )0.003重量部とスチレン重合誘導体構造を持
つアニオン性分散剤としてCH2 =(CH2 n −CH
−◎−COONH4 を0.003重量部を用いたことを
除いて、実施例2−1と同様にして、体積平均粒径8.
5μmの粒子を得た。表面の状態をSEMにより観察し
たところ、図4(b)に示すような樹枝状の重合体が表
面に見られた。
【0090】TEM観察の結果、表面の重合体は、樹枝
状に長く伸びているが、三角錘状のものと同様に主粒子
との界面は認められなかったが、その外形線は明らかに
主粒子と交わるものであった。定着性試験と粘弾性試験
は良好であったが、重合体が長いために耐機械強度・耐
破砕性試験は悪い結果となり、また重合体の付着数が少
ないため、主粒子の露出部分が多く、外形線が主粒子と
交わり、耐固着性試験も悪い結果を得た。よって、本発
明の目的を果たすトナーは得られなかった。
【0091】以上の実施例及び比較例の試験結果を以下
にまとめる。
【0092】 耐機械強度・耐破砕性 表面状態 単独微粒子/未外添粒子 実施例1−1 ○ 均一 なし 実施例1−2 ○ 均一 なし 実施例1−3 ○ 均一 なし 実施例1−4 ○ 均一 なし 比較例1−1 × 不均一 有り 比較例1−2 × 不均一 有り 比較例1−3 − コート状均一 − 比較例1−4 − ラフ不均一 − 比較例1−5 不可 不可 不可 不可…評価試験実施できず。−…評価試験実施せず。
【0093】 粘弾性曲線の重なり 定着性 耐固着性 耐破砕性 重合体の形状 実施例2−1 ○ ○ ○ ○ 三角錘状 実施例2−2 ○ ○ ○ ○ 三角錘状〜球状 比較例2−1 × × × × 小粒子外添 比較例2−2 × × × × 小粒子外添 比較例2−3 × × ○ ○ コート状 比較例2−4 ○ ○ × × 樹状(外形線× )
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
シード重合を起こさずに、主粒子の樹脂粒子の表面改質
による異形化を行なうことが可能であり、それによって
微粒子外添構造に類似の異形粒子が得られる。主粒子の
表面は均一に改質され、未外添小粒子の分離操作がいら
ない異形粒子が得られる。その結果、一般的な乾式およ
び湿式の外添法で製造したものと比べて機械的強度、耐
久性に優れた異形粒子が提供できる。
【0095】また、本発明によると、高軟化点の殻をつ
けることなく、耐機械強度・耐破砕性、耐固着性の優れ
たトナーを提供できる。このことにより、主粒子の軟化
点を低くすることで低温定着性と耐固着性とを同時に満
たす電子写真用トナーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表面改質による樹脂粒子の異形化
方法のフロー図。
【図2】本発明の方法におけるpH範囲を得るための、
pH−ゼータ電位曲線を示す特性図。
【図3】本発明に係る異形粒子の概念図。
【図4】本発明に係るトナーの電子顕微鏡写真図。
【図5】本発明に係るトナーの温度−複素粘弾性曲線を
示す特性図。
【図6】本発明に係るトナーが使用されるカラープリン
タの概略断面図。
【符号の説明】
301…主粒子1のゼータ電位曲線、200…現像装
置、201…感光体、303…pH調整適正領域、20
2…帯電装置、203…レーザー露光装置、204…ブ
レードクリーニング装置、205…除電ランプ、209
…転写装置、210…定着装置、211…加熱ローラ
ー、212…加圧ローラー、213…画像支持体、30
2…分散剤1のゼータ電位曲線、304…主粒子1のゼ
ータ電位曲線、305…分散剤2のゼータ電位曲線、3
06…pH調整適正領域、401…異形粒子断面、40
2…主粒子、403…重合成長した重合体で改質された
表面、404…電子写真用トナーの断面、405…低軟
化点主粒子、406…三角錘状重合体、407…外形
線、408…主粒子、409…樹状重合体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水系において、主粒子、重合性単量体、
    この重合性単量体の骨格を有する疎水基を持つ分散剤、
    及び水溶性重合開始剤の存在下で、|(主粒子のゼータ
    電位)|≦20mVであり、かつ{|(分散剤のゼータ
    電位)|−|(主粒子のゼータ電位)|}≧10mVと
    なるようなpH領域において、前記主粒子表面に前記単
    量体を重合することを特徴とする表面改質による樹脂粒
    子の異形化方法。
  2. 【請求項2】 水系において、主粒子、重合性単量体、
    この重合性単量体の骨格を有する疎水基を持つ分散剤、
    及び水溶性重合開始剤の存在下で、|(主粒子のゼータ
    電位)|≦20mVであり、かつ{|(分散剤のゼータ
    電位)|−|(主粒子のゼータ電位)|}≧10mVと
    なるようなpH領域において、前記主粒子表面に前記単
    量体を重合することからなり、前記分散剤と前記主粒子
    の水溶液中の安定極性とが同一であることを特徴とする
    表面改質による樹脂粒子の異形化方法。
  3. 【請求項3】 水系において、主粒子、重合性単量体、
    この重合性単量体の骨格を有する疎水基を持つ分散剤、
    及び水溶性重合開始剤の存在下で、|(主粒子のゼータ
    電位)|≦20mVであり、かつ{|(分散剤のゼータ
    電位)|−|(主粒子のゼータ電位)|}≧10mVと
    なるようなpH領域において、前記主粒子表面に前記単
    量体を重合することにより、前記主粒子が表面改質され
    てなることを特徴とする異形樹脂粒子。
  4. 【請求項4】 着色剤を含む主粒子の表面に、この主粒
    子の軟化点とは異なる軟化点を有する複数の重合体が重
    合により部分的に形成された異形樹脂粒子からなり、前
    記主粒子と前記異形樹脂粒子の温度−複素粘弾率曲線の
    少なくとも1部が重なり、かつ複数の前記重合体の外形
    線を包絡する直線が、前記主粒子の外周と交わらないこ
    とを特徴とする電子写真用トナー。
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