JP4412853B2 - 扁平トナー、該扁平トナーの製造方法及び該扁平トナーを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター等に用いられる扁平トナー、該扁平トナーの製造方法及び該扁平トナーを用いた画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常の粉砕法或いは重合法で作製したトナーを用いて形成した画像は、トナーの消費量が多いため、表面に凹凸が出来、光沢のある良好な画像とならず高画質の画像を得ることは難しかった。又、転写時、トナー消費量が多いためトナー層が厚くなり転写率が悪くなるため高濃度の画像が得られず、且つトナー散りが発生し良好な画像が得られなかった。
【0003】
現在まで、印刷ライクな高画質の画像を得るために、トナーの粒径を細かくしてトナー消費量を少なくし、表面の凹凸を無くし均一な光沢を得る試みがなされて来たが、トナーの小粒径化にともないトナーのカバーリングパワーが減少し、充分な画像濃度が得られず、且つ現像、転写、感光体のクリーニング等の画像形成プロセスも難しくなり電子写真による画像形成方法で高画質の画像が得られていない。又、トナー粒径を2〜3μmに小粒径化したトナー粒子を用いると、トナー粒子を吸い込んだ場合、塵肺等の疾病を患うおそれがあり、安全衛生上も好ましくない。
【0004】
塵肺等の心配の無い5μm程度の粒径の形状が球形或いは不定形のカラートナーを用いて、電子写真法によりカラートナーを重ね合わせてカラー画像(印字率25%)を形成すると、トナーの消費量はA−4版プリント1枚当たり90mg程度となり、現像、転写、定着においても厚いトナー層を扱うことになる。この為トナー像にトナー散りも生じ、且つ画像表面に凹凸が生じトナー付着部と下地部との光沢差も大きくなり、高画質の画像を形成することは出来ていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、トナー消費量が少なくても高濃度の画像が得られ、凹凸が少なく、且つトナーの散りが無い高画質の画像を得ることが出来る扁平トナー、該扁平トナーの製造方法及び該扁平トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は下記構成を採ることにより達成される。
【0007】
1.扁平トナーとキャリアを有する現像剤に使用される扁平トナーにおいて、数平均1次粒子径10〜500nmの着色剤等を含む重合完了前の樹脂粒子を塩析/融着して2次粒子を作製し、該2次粒子の分散液を隘路を循環させて扁平化処理し、該扁平化処理後の分散液を反応容器に戻して、再度、重合温度に加熱して重合を完了することにより得られた扁平トナーの形状が、平均長さの長辺(r1)と短辺(r2)が5〜20μm、平均厚さ(d)が1〜5μm、平均長さの短辺と長辺比(r2/r1)が0.6〜0.96、扁平トナーの平均厚さと平均短辺長さ比(d/r2)が0.1〜0.4であることを特徴とする扁平トナー。
【0009】
2.前記1に記載の扁平トナーが、加熱状態で加圧された隘路を循環させて粒子形状を扁平にし製造することを特徴とする扁平トナーの製造方法。
【0010】
3.扁平トナーの扁平部が像形成体に向けて付着している画像形成方法において、前記1に記載の扁平トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
【0012】
即ち、本発明者らは、鋭意研究した結果、電子写真法によりカラートナーを重ね合わせた場合でも、カラー原稿の印字率が25%の場合、通常の球状或いは不定形トナーを使用した時にはトナー消費量がA−4版プリント1枚当たり80〜100mg必要であったのが、扁平トナーを使用すると、トナー消費量がA−4版プリント1枚当たり20〜40mgと顕著に少なくても高濃度の画像が得られ、凹凸が少なく、光沢ムラに優れた画像を得ることが出来、且つ、トナー層の厚さも薄くなることにより、転写時のトナー散りが無い、高画質の画像を形成することが出来ることを見いだした。
【0013】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の扁平トナーは、数平均1次粒子径10〜500nmの樹脂粒子を塩析/融着させた2次粒子を、加熱状態で加圧された隘路を循環させて扁平化処理を行い、製造することが出来る。
【0014】
本発明の扁平トナーの体積平均粒径は3〜10μmが好ましく、より好ましくは4〜9μmである。
【0015】
本発明の扁平トナーは、特定の形状を有する。即ち、本発明の扁平トナーは、平均長さの長辺(r1)と短辺(r2)が5〜20μm、平均厚さ(d)が1〜5μmである。平均長さの短辺と長辺比(r2/r1)は0.6〜0.96、好ましくは0.8〜0.96、扁平トナーの平均厚さと平均短辺長さ比(d/r2)は0.1〜0.4である。
【0016】
実際、このような扁平トナーを使用すると、電子写真法によりカラートナーを重ね合わせてカラー画像(印字率25%)を形成した場合、A−4版プリント1枚当たりのトナー消費量は多くても40mg、通常10〜30mgと顕著に少なくても高濃度の画像が得られ、トナー散りが無い高画質の画像を形成することが出来る。
【0017】
扁平トナーの平均長さ(r1,r2)が5μm未満であると塵肺等の疾病を患うおそれがあり、安全衛生上好ましくなく、20μmを越えると現像性が低下し、忠実な現像が出来なくなり解像力が低下し好ましくない。
【0018】
扁平トナーの平均長さの長辺と短辺比(r2/r1)が0.6未満であると扁平トナーの扁平部が像形成体に向けて付着しにくく、トナー層が厚くなりトナー消費量が多くなり、且つ転写、定着工程でのトナー散りや広がりも多くなり好ましくない。
【0019】
扁平トナーの平均厚さ(d)が1μm未満であると扁平トナーが現像時に破砕され、超微粉が発生し、トナー散りやカブリの発生原因となり好ましくなく、5μmを越えると現像時にトナーが層状に現像されにくく、トナー層が厚くなりトナー消費量が多くなって好ましくない。
【0020】
扁平トナーの平均厚さと平均短辺長さ比(d/r2)が0.1未満であると扁平トナーが現像時に破砕され、超微粉が発生し、トナー散りやカブリの発生原因となり好ましくなく、0.4を越えるとトナーの偏平部が像形成体に向けて付着しにくくなりトナーが層状に現像されにくく、トナー層が厚くなりトナー消費量が多くなり好ましくない。又、転写、定着工程でもトナー散りやトナーの広がりが生じ好ましくない。
【0021】
扁平トナーを上記の形状とすることにより、扁平トナーを用いて現像を行い像形成体(感光体)上に像形成を行うと、像形成体上の扁平トナーは扁平トナーの扁平部を像形成体上に向けて、より層状に付着するようになる。又、扁平トナーは像形成体上から中間転写体又は転写材へ転写時、或いは中間転写体から転写材へ転写時も、扁平トナーの扁平部を中間転写体上或いは転写材上に向けて層状に付着している。
【0022】
扁平トナーの表面帯電状態は、略均一に帯電されており、この為、像形成体と扁平トナー端部とよりも扁平トナーの扁平な部分とのクーロン力が高くなるため、偏平部を付着させることになると考えられる。この様にして像形成体上、中間転写材上或いは転写材上に扁平トナーはその端部を寝かせて横方向に並び、扁平面どうしで重なりやすく層状になり、移動によっても安定したトナー画像が保たれると推定される。
【0023】
扁平度が不充分なトナーや不定形トナーは、扁平部を一様に寝かせずランダムな付着状態になっていること、及び転写、定着工程でトナー散りやトナー画像の広がりが観察された。
【0024】
扁平度が不十分なトナーや不定形トナーとは、本発明で規定した扁平トナー形状からはずれた形状のもので、粉砕法で作製したトナーや重合法の扁平化処理を行わないで作製したトナー等が該当する。
【0025】
図1は本発明の扁平トナーの一例を示す模式図である。
図1のr1は扁平トナーの長辺、r2は短辺、dは厚さを示す。
【0026】
図2は像形成体上に付着した扁平トナーの一例を示す模式図である。
図2の10は像形成体である感光体ドラム(感光体)を示し、301は扁平トナーを示す。
【0027】
本発明の扁平トナーは、懸濁重合法や、乳化重合法で作製した数平均1次粒子径10〜500nmの樹脂粒子を塩析/融着させて2次粒子を作製し、その後有機溶媒、凝集剤及び重合触媒等を添加して重合を行い、重合率が80%まで進んだ溶液を、加熱された状態で加圧された隘路を循環させて粒子形状を扁平にし、さらに重合触媒を添加し重合を完了させることにより製造することが出来る。
【0028】
塩析/融着とは、重合工程によって生成された樹脂微粒子を凝集剤により塩析させ、余分な分散剤、界面活性剤等を除却すると同時に加熱融着により樹脂粒子の大きさを調整することを云う。
【0029】
扁平化処理は、重合が100%完了してから行っても良いが、重合が80%まで進んた状態で行った方が形状が均一になりより好ましい。
【0030】
数平均1次粒子は、光散乱電気泳動粒径測定装置「ELS−800」(大塚電子工業株式会社製)で測定することが出来る。
【0031】
体積平均粒径はコールターカウンターTA−2型或いはコールターマルチサイザー(コールター株式会社製)で測定することが出来る。
【0032】
塩析/融着は、樹脂粒子にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤等の分散液と混合する方法や、単量体中に離型剤や着色剤等のトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法等で作製した数平均1次粒子径10〜500nmの樹脂粒子を塩析/融着させて行うことが出来る。
【0033】
即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機等で重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された液を分散安定剤を含有した水系媒体中でホモミキサーやホモジナイザー等を使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、撹拌翼の有る撹拌機構付きの反応装置へ移し、加熱することで重合反応を80%まで進行させる。その後加熱された状態で加圧された隘路を循環させ形状を扁平にし、さらに重合触媒を添加し重合を進め、重合を完了させる。重合完了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明の扁平トナーを製造することが出来る。
【0034】
図3は撹拌翼を備えた撹拌槽の一例を示す斜視図である。
図3において、撹拌槽の外周部に熱交換用のジャケット401を装着した縦型円筒状の撹拌槽402内の中心部に回転軸403を垂設し、該回転軸403に撹拌槽402の底面に近接させて配設された下段の撹拌翼404と、より上段に配設された撹拌翼405がある。上段の撹拌翼405は、下段に位置する撹拌翼404に対して回転方向に先行した交差角αをもって配設されている。交差角αは90度未満であることが好ましい。この交差角の下限は特に限定されるものでは無いが、5度以上、好ましくは10度以上あればよい。
【0035】
樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものとしては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等のスチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。これらの中でビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することが出来る。
【0036】
又、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることがさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0037】
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることも出来る。
【0038】
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することが出来る。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることが出来る。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジン等の過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤等を挙げることが出来る。
【0039】
又、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することが出来る。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げることが出来る。
【0040】
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることが出来る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として一般的に使用されているものを分散安定剤として使用することが出来る。
【0041】
本発明において優れた樹脂としては、ガラス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が80〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フローテスターで測定することが出来る。さらに、これら樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される分子量が数平均分子量(Mn)で1000〜100000、重量平均分子量(Mw)で2000〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8〜70のものが好ましい。
【0042】
本発明の扁平トナーは少なくとも樹脂と着色剤を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤である離型剤や荷電制御剤等を含有することも出来る。さらに、上記樹脂と着色剤を主成分とする扁平トナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添加したものであってもよい。
【0043】
本発明の扁平トナーに使用する着色剤としてはカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用することが出来る。
【0044】
カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いることが出来る。
【0045】
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、またこれらの混合物も用いることが出来る。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いることが出来る。上記染料及び顔料は単独或いは混合して用いることが出来る。着色剤の数平均1次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nmが好ましい。
【0046】
着色剤の添加方法としては、単量体を重合させる段階で着色剤を添加し、重合して着色粒子とする方法等を用いることが出来る。尚、着色剤は重合体を作製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用することが好ましい。
【0047】
さらに、定着性改良剤としての低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0048】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することが出来るものを使用することが出来る。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0049】
尚、これら荷電制御剤や定着性改良剤の粒子は、分散した状態で数平均1次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ましい。
【0050】
又、本発明の扁平トナーでは、外添剤として無機微粒子や有機微粒子等の微粒子を添加して使用することでより効果を発揮することが出来る。この理由としては、外添剤の埋没や脱離を効果的に抑制することが出来るため、その効果が顕著にでるものと推定される。
【0051】
この無機微粒子としては、シリカ、チタニア及びアルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定されるものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するものである。この方法は、内容量200mlのビーカー中に入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸漬されているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算出される。
【0052】
疎水化度=(a/(a+50))×100
この外添剤の添加量としては、扁平トナー中に0.1〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜4.0質量%である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
【0053】
塩析/融着させた2次粒子の扁平化は、アニュラー型連続湿式撹拌ミル、ピストン型高圧式均質化機或いはインラインスクリュウポンプ等で行うことが出来る。
【0054】
図4はアニュラー型連続湿式撹拌ミルの一例を示す要部断面図である。
アニュラー型連続湿式撹拌ミルは、既に知られているミルの1種で、断面三角形のアニュラー型(環状)のステータ501内にほぼ同じ形状を有するロータ502が回転し、このステータ501とロータ502との間の幅の狭い間隙、即ち、破砕帯503にメディア504が充填されていて、ミルに供給される80%まで重合が進んだ2次粒子を含む溶液に機械的な衝撃力を与え、2次粒子の形状を扁平化する。前記溶液は、ミルの供給口505からポンプにてW型断面の前記破砕帯503を一巡し、上部のキャップセパレータ506でメディア504と分離されて、出口507から排出される。又、扁平化処理中の溶液の温度制御は、温水508をステータとロータに循環させることにより行われる。メディア504は、遠心力によって、W型の粉砕帯を順次に移動し、再度、入り口まで戻って循環する。粒子への圧力は加圧された隘路を循環することで粉砕帯の壁或いはメディアにより加えられる。メディアとしては、通常、0.5〜3mm径のジルコン、ガラス及びスチール等が用いられる。
【0055】
かかるアニュラー型連続式湿式撹拌ミルを用いる2次粒子を含む溶液の扁平化処理温度は、2次粒子の樹脂のガラス転移点(Tg)の−5℃〜+40℃が好ましく、0℃〜+30℃がより好ましく、さらに好ましくは+10〜+30℃である。ガラス転移点よりも5℃以上低い温度で処理すると、重合体粒子の破砕が起こり、目的とする扁平化を行うことが困難となり好ましくない。他方、ガラス転移点よりも40℃以上高い温度で処理すると、2次粒子が相互に融着し、凝集塊を生じるとともに、扁平化された重合体粒子がその表面張力によって、再び、真球化するので、扁平化を効率よく行えず好ましくない。
【0056】
本発明の扁平トナーを用いた画像形成方法は、導電性支持体上に感光層を有する感光体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を前記扁平トナーを有する現像剤で現像しトナー像を形成し、該トナー像を転写材へ転写後熱定着する画像形成装置を用いて行うことが好ましい。
【0057】
図5は本発明の画像形成方法の一例を示す概略図である。
図5において10は像形成体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム(導電性支持体)上に塗布し、その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。12はスコロトロンの帯電器で、感光体ドラム10周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器12による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた露光部11による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0058】
感光体への一様帯電ののち像露光器13により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器13は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズ等を経て反射ミラー132により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0059】
その静電潜像は次いで現像器14で現像される。感光体ドラム10周縁にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)等の扁平トナーとキャリアを有する現像剤をそれぞれ内蔵した現像器14が設けられていて、先ず1色目の現像がマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によって行われる。現像剤は図示していない層厚形成手段によって現像スリーブ141上に100〜600μmの層厚に規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム10と現像スリーブ141の間に直流及び/又は交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。
【0060】
カラー画像形成方法は、1色目の顕像化が終った後2色目の画像形成行程にはいり、再びスコロトロン帯電器12による一様帯電が行われ、2色目の潜像が像露光器13によって形成される。3色目、4色目についても2色目と同様の画像形成行程が行われ、感光体ドラム10周面上には4色の顕像が形成される。
【0061】
一方モノクロの電子写真装置では現像器14は黒扁平トナー1種で構成され、1回の現像で画像を形成することが出来る。
【0062】
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラ17の回転作動により転写域へと給紙される。
【0063】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム10の周面に転写ローラ(転写器)18が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して多色像が一括して転写される。
【0064】
次いで記録紙Pは転写ローラとほぼ同時に圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)19によって除電がなされ、感光体ドラム10の周面により分離して定着装置20に搬送され、熱ローラ201と圧着ローラ202の加熱、加圧によって扁平トナーを溶着したのち排紙ローラ21を介して装置外部に排出される。尚前記の転写ローラ18及び分離ブラシ19は記録紙Pの通過後感光体ドラム10の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0065】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム10は、クリーニング器22のブレード221の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び露光部11による除電と帯電器12による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。尚感光体上にカラー画像を重ね合わせて形成する場合には、前記のブレード221は感光体面のクリーニング後直ちに移動して感光体ドラム10の周面より退避する。
【0066】
尚、30は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器を一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
【0067】
電子写真画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレール等の案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0068】
実施例で用いたKonica9028も同様な構成の画像形成装置である。その他、像形成体上にトナー像を形成し、順次転写体上(紙や中間転写体)にトナー像を転写して重ね合わせてカラートナー像を形成する画像形成装置も用いることが出来る。
【0069】
像露光は、画像形成装置を複写機として使用する場合には、センサーで原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、LEDアレイの駆動又は液晶シャッターアレイの駆動を行い感光体に光を照射すること等により行われる。
【0070】
尚、プリンターとして使用する場合には、像露光は受信データをプリントするための露光を行うことになる。
【0071】
【実施例】
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
【0072】
《扁平トナー製造》
(トナー製造例1:黒扁平トナー1)
n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.0lを入れ撹拌溶解する。この溶液に、リーガル330R(キャボット株式会社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に加え、1時間よく撹拌した後に、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。このものを「着色剤分散液1」とする。また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイオン交換水4.0lからなる溶液を「アニオン界面活性剤溶液A」とする。
【0073】
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0lからなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とする。過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0lに溶解した溶液を「開始剤溶液C」とする。
【0074】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた100lのグラスライニング(GL)反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均1次粒子径=120nm/固形分濃度=29.9%)3.41kg、「アニオン界面活性剤溶液A」全量及び「ノニオン界面活性剤溶液B」全量を入れ、撹拌を開始する。撹拌翼の形状は図3の構成とした。次いで、イオン交換水44.0lを加えた。
【0075】
次いで、加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kg、アクリル酸n−ブチル2.88kg、メタクリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカプタン548gの予め混合した溶液を滴下した。滴下終了後、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱撹拌を行った。次いで、液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止し、ポールフィルターで濾過し、これを「ラテックス1−A」とする。
【0076】
尚、ラテックス1−A中の樹脂粒子のガラス転移点は57℃、軟化点は121℃、重量平均分子量は1.27万、重量平均粒径は120nmであった。
【0077】
又、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgをイオン交換純水4.0lに溶解した溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。また、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgをイオン交換水4.0lに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とする。
【0078】
過硫酸カリウム(関東化学株式会社製)200.7gをイオン交換水12.0lに溶解した溶液を「開始剤溶液F」とする。
【0079】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100lのGL反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均1次粒子径=120nm/固形分濃度=29.9%)3.41kg、「アニオン界面活性剤溶液D」全量及び「ノニオン界面活性剤溶液E」全量を入れ、撹拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0lを投入する。加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、「開始剤溶液F」を添加する。次いで、スチレン11.0kg、アクリル酸n−ブチル4.00kg、メタクリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカプタン9.02gの予め混合した溶液を滴下する。滴下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱撹拌を行った。次いで、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱撹拌を行った。次いで、液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止し、ポールフィルターで濾過し、これを「ラテックス1−B」とする。
【0080】
尚、ラテックス1−B中の樹脂粒子のガラス転移点は58℃、軟化点は132℃、重量平均分子量は24.5万、重量平均粒径は110nmであった。
【0081】
塩析剤として塩化ナトリウム5.36kgをイオン交換水20.0lに溶解した溶液を「塩化ナトリウム溶液G」とする。
【0082】
フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gをイオン交換水1.00lに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液H」とする。
【0083】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒径および形状のモニタリング装置を付けた100lのSUS反応釜に、上記で作製した「ラテックス1−A」=20.0kg、「ラテックス1−B」=5.2kg、「着色剤分散液1」=0.4kg及びイオン交換水20.0kgを入れ撹拌する。次いで、40℃に加温し、「塩化ナトリウム溶液G」、イソプロパノール(関東化学株式会社製)6.00kg、「ノニオン界面活性剤溶液H」をこの順に添加した。その後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3時間加熱撹拌して塩析/融着させながら粒径成長させた。次に純水2.1lを添加して粒径成長を停止した。この液を「融着粒子分散液」とする。
【0084】
次いで、温度センサー、冷却管を付けた5lの反応容器に、上記の融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度85℃±2℃にて、4時間加熱撹拌して重合率が80%になった時点で、前記液をアニュラー型連続湿式撹拌ミル(神鋼パンテンツ株式会社製)に連続して供給し、温度67℃、ローター周速13m/分、平均滞留時間15分の条件にて扁平化処理を行った。次いで、前記反応容器に扁平化処理した液をもどし、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.03kgを添加し、液温度85℃±2℃にて、4時間加熱撹拌して重合を完了した。その後、40℃以下に冷却し撹拌を停止した。次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行い、分級品を目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を「会合液1」とする。次いで、ヌッチェを用いて、会合液1より「ウエットケーキ状の黒扁平粒子1」を濾取した。その後、イオン交換水により洗浄した。
【0085】
この「ウエットケーキ状の黒扁平粒子1」をフラッシュジェットドライヤーを用いて吸気温度60℃にて予備乾燥後、流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥して「黒扁平粒子1」を得た。
【0086】
得られた「黒扁平粒子1」に、疎水化シリカ微粒子1質量%をヘンシェルミキサーにて外添混合して「黒扁平トナー1」を得た。
【0087】
(トナー製造例2:黒扁平トナー2)
トナー製造例1のアニュラー型連続湿式撹拌ミルの条件を温度70℃、ローター周速20m/分、平均滞留時間15分とした他は同様にして「黒扁平トナー2」を得た。
【0088】
(トナー製造例3:イエロー扁平トナー)
トナー製造例1において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー17を1.05kg使用した他は同様にして「イエロー扁平トナー」を得た。
【0089】
(トナー製造例4:マゼンタ扁平トナー)
トナー製造例1において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122を1.20kg使用した他は同様にして「マゼンタ扁平トナー」を得た。
【0090】
(トナー製造例5:シアン扁平トナー)
トナー製造例1において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を0.60kg使用した他は同様にして「シアン扁平トナー」を得た。
【0091】
トナー製造例1〜5のガラス転移点及び扁平化条件を表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
(トナー製造例6:黒不定形トナー)
トナー製造例1のアニュラー型連続湿式撹拌ミルを通さず重合を完了させた他はトナー製造例1と同様にして「黒不定形トナー」を得た。
【0094】
(トナー製造例7:イエロー不定形トナー)
トナー製造例3のアニュラー型連続湿式撹拌ミルを通さず重合を完了させた他はトナー製造例3と同様にして「イエロー不定形トナー」を得た。
【0095】
(トナー製造例8:マゼンタ不定形トナー)
トナー製造例4のアニュラー型連続湿式撹拌ミルを通さず重合を完了させた他はトナー製造例4と同様にして「マゼンタ不定形トナー」を得た。
【0096】
(トナー製造例9:シアン不定形トナー)
トナー製造例5のアニュラー型連続湿式撹拌ミルを通さず重合を完了させた他はトナー製造例5と同様にして「シアン不定形トナー」を得た。
【0097】
(トナー製造例10:黒凹凸トナー)
スチレン−nブチルアクリレート共重合体樹脂100kg、カーボンブラック10kg及びポリプロピレン4kgからなるトナー原材料をヘンシェルミキサーにより予備混合し、2軸押出機にて溶融混練し、ハンマーミルにて粗粉砕し、ジェット式粉砕機にて粉砕して、粉砕黒粒子を得た。この粉砕黒粒子を風力分級機にて目的の粒径分布となるまで繰り返し分級し「黒粒子」を得た。
【0098】
得られた「黒粒子」に、疎水化シリカ微粒子1質量%をヘンシェルミキサーにて外添混合し、粉砕法による「黒トナー」を得た。尚、このトナーは重合法で得られたものと異なり、表面に凹凸を有する不定形のものであった。
【0099】
《評価》
(扁平トナーの形状、粒径)
扁平トナー粒子の平均長さ(r1及びr2)は、平滑面に扁平トナー粒子を均一に分散付着させ、その面を上面より顕微鏡で1000倍に拡大し、扁平トナー粒子100個について最大長さ(長辺)及び最小長さ(短辺)を測定し、その算術平均値を「r1」、「r2」とする。
【0100】
扁平トナー粒子の厚さ(d)は、平滑面に扁平トナー粒子を均一に分散付着させ、その面を上面より顕微鏡で1000倍に拡大し、扁平トナー粒子100個について最大高さを測定し、その算術平均値を「d」とする。
【0101】
扁平トナーの体積平均粒径はコールターカウンターTA−2型或いはコールターマルチサイザー(コールター株式会社製)で測定する。本発明においてはコールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科技製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上の扁平トナーの体積分布を測定し体積平均粒径を算出する。
【0102】
トナー製造例1〜10の形状、体積平均粒径を表2に示す。
【0103】
【表2】
【0104】
(現像剤の調製)
トナー製造例1〜10のトナー各々と、シリコーン樹脂で被覆した65μmフェライトキャリアを、トナー/キャリア=50g/950gの割合で混合して、評価用の「現像剤1〜10」を調製した。
【0105】
(画像作成)
複写機はKonica、KL9028(コニカ株式会社製カラープリンター)を使用した。現像剤は1〜10、トナーは製造例1〜10を用い、A−4版カラー原稿(印字率25%)の単色画像及びフルカラー画像をプリントして、「評価画像1〜5」を作成した。
【0106】
(像形成体上へのトナー付着状態評価)
複写機の像形成体上にトナー画像が形成された状態を顕微鏡で観察し、トナーの付着状態を評価した。
【0107】
表3に像形成体上へのトナー付着状態評価結果を示す。
【0108】
【表3】
【0109】
像形成体上でのトナーの付着状態を確認したところ、トナー製造例1〜5のトナーを用いた場合は、トナーが扁平面を向けて像形成体に付着していた。一方扁平形状ではないトナー製造例6〜10のトナーを用いた場合は、トナーがいろいろな方向を向いて像形成体に付着していた。
【0110】
(画質評価)
得られた画像のトナーの消費量、画像濃度及びトナー散りを評価した。
【0111】
トナーの消費量は、A−4版白紙画像(印字率0%に相当する)を100枚プリントアウトした転写紙とA−4版カラー原稿(印字率25%)を100枚プリントアウトした転写紙の質量差から、A−4版1枚当たりのトナー消費量に換算して求めた。
【0112】
画像濃度は、RD−918型濃度計(マクベス株式会社製)を用いて測定した。
【0113】
トナー散りは、プリント画像上のトナー散りを目視で観察し判定した。
表4にトナー消費量、画像濃度及びトナー散りの評価結果を示す。
【0114】
【表4】
【0115】
本発明の扁平トナーは、トナーの消費量が少なく、トナー散りも少なく且つ高濃度画像が得られ好ましい結果であった。
【0116】
【発明の効果】
実施例で実証した如く、本発明による扁平トナー、該扁平トナーの製造方法及び該扁平トナーを用いた画像形成方法は、トナー消費量が少なくても高濃度の画像が得られ、凹凸が少なく且つトナーの散りが無い高画質の画像を得ることが出来る優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の扁平トナーの一例を示す模式図である。
【図2】像形成体上に付着した扁平トナーの一例を示す模式図である。
【図3】撹拌翼を備えた撹拌槽の一例を示す斜視図である。
【図4】アニュラー型連続湿式撹拌ミルの一例を示す要部断面図である。
【図5】本発明の画像形成方法の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム(感光体)
11 発光ダイオード等を用いた露光部
12 帯電器
13 像露光器
14 現像器
17 給紙ローラ
18 転写ローラ(転写器)
19 分離ブラシ(分離器)
20 定着装置
21 排紙ローラ
22 クリーニング器
30 プロセスカートリッジ
Claims (3)
- 扁平トナーとキャリアを有する現像剤に使用される扁平トナーにおいて、数平均1次粒子径10〜500nmの着色剤等を含む重合完了前の樹脂粒子を塩析/融着して2次粒子を作製し、該2次粒子の分散液を隘路を循環させて扁平化処理し、該扁平化処理後の分散液を反応容器に戻して、再度、重合温度に加熱して重合を完了することにより得られた扁平トナーの形状が、平均長さの長辺(r1)と短辺(r2)が5〜20μm、平均厚さ(d)が1〜5μm、平均長さの短辺と長辺比(r2/r1)が0.6〜0.96、扁平トナーの平均厚さと平均短辺長さ比(d/r2)が0.1〜0.4であることを特徴とする扁平トナー。
- 請求項1に記載の扁平トナーが、加熱状態で加圧された隘路を循環させて粒子形状を扁平にし製造することを特徴とする扁平トナーの製造方法。
- 扁平トナーの扁平部が像形成体に向けて付着している画像形成方法において、請求項1に記載の扁平トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
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