JPH0811431B2 - 梱包用緩衝材の製法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、新聞、雑誌、牛乳パッ
ク等の古紙等から成形されてなるパルプモールドを利用
して、梱包用等の緩衝材として利用することができる梱
包用緩衝材を得るための製法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の梱包用の緩衝材としては、発泡ス
チロールあるいはプラスチック樹脂等が使用されてい
る。例えば、家庭用電気製品や香水等を輸送する場合に
は、発泡スチロールあるいはプラスチック樹脂等を製品
に対応した形状に成形し、該製品の破損や傷等を防止し
ている。

【０００３】

【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、発泡ス
チロールやプラスチック樹脂等を使用する梱包用緩衝材
では、発泡スチロールやプラスチック樹脂等をそれぞれ
物品の形状に対応させる必要がある為、いろいろな種類
の金型を必要とし、また金型の段取りや金型の管理にも
人手や時間を費やすと共に、金型にも多額な費用を費や
していた。また更に、発泡スチロールやプラスチック樹
脂等の成型は、原料を流し込み固める為作業性が悪く、
その為製品単価も高いものになっていた。更に、発泡ス
チロールやプラスチック樹脂等は、難燃性の為区分して
処理しなければならず、余分な手間ヒマを費やしてい
た。本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、古紙を
素材として簡単な構造でしかも金型も安価で、所定の形
状を容易に得ることのできる作業性に富んだ多種少量生
産に適した梱包用緩衝材の製法を提供することを目的と
している。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題の
解決を図ったもので、略円錐状あるいは角錐状のキャッ
プ状部を、格子状に複数個連続して成形された、古紙等
からなるパルプモールドを素材として、前記パルプモー
ルドのキャップ上部の下面側を支持する中底圧ポリエチ
レン等からなる下型と、キャップ上部の頂面側を押圧す
るベニヤ板等の木材からなる上型で、該上型に前記パル
プモールドを所定の形状に切断する刃と、前記パルプモ
ールドのキャップ部の一部の頂面側を押し潰して収納用
凹部を形成する押し潰し突起部と、該収納用凹部の周囲
のキャップ上部の頂部に弾接する弾性押え部とで、物品
等の収納用凹部を形成した事を特徴とする梱包用緩衝材
の製法を提供する。

【０００５】

【作用】本発明の梱包用緩衝材Ａの製法では、略円錐状
あるいは角錐状のキャップ状部６を有する古紙等からな
るパルプモールドＢを、キャップ状部６を上面にして下
型２上に支持した後、所定の形状に切断する刃３と、物
品Ｄ等を収納する凹部を形成する押し潰し突起部４とキ
ャップ上部６１の頂部６２に弾接する弾性押え部５とを
具備する上型１を下方に移動させ、キャップ上部６１の
頂部６２を押し潰した後、再度上型１を上方に移動さ
せ、梱包用緩衝材Ａを取り出すのである。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面で詳細に説
明する。図１〜図６に示した本発明の実施例について説
明すると、図１は第１実施例の装置を用いた押し潰す前
の状態を示す要部断面図で、パルプモールドＢのキャッ
プ上部６１を上面にして下型２に支持してある。図２は
図１の状態から上型１を下方に移動させ、前記パルプモ
ールドＢのキャップ上部６１の一部の頂部６２を押し潰
した状態を示した要部断面図である。図３は本発明の製
法により得られた一対の梱包用緩衝材Ａの間に物品Ｄを
収納させる状態を示した斜視図で、図４は図３に示す状
態を組み合わせた時の要部断面図である。図５は前記一
対の梱包用緩衝材Ａの間に、同一形状の梱包用緩衝材Ａ
の切り取り片Ｃを嵌合させた状態の要部断面図である。
図６は前記梱包用緩衝材Ａ上に物品Ｄ’を載置後、箱体
Ｅに収納させるようにした時の第２実施例の斜視図であ
る。本装置は、まず中底圧ポリエチレン等からなる下型
２上にパルプモールドＢのキャップ上部６１の下面側を
支持し、次に前記パルプモールドＢのキャップ上部６１
の頂面側を押圧するベニヤ板等からなる上型１を上方よ
り下方に移動させるのである。前記上型１には前記パル
プモールドＢを所定の形状に切断する刃３が圧設されて
いると共に、前記パルプモールドＢのキャップ上部６１
の一部の頂面側を押し潰して物品Ｄ等の収納用凹部８を
形成する押し潰し突起部４と前記収納用凹部８の周囲の
キャップ上部６１の頂部６２に弾接するため、ゴム等か
ら成形された弾性押さえ部５が具備されている。前記押
し潰し突起部４には多品種の物品Ｄに即対応できるため
木材等が適している。このようにして形成された梱包用
緩衝材Ａの収納用凹部８に物品Ｄを収納するのである。
又、高さのある物品においては、梱包用緩衝材Ａの収納
用凹部８の周囲のキャップ状部６に前記梱包用緩衝材Ａ
と同一形状の梱包用緩衝材Ａの切り取り片Ｃを嵌合すれ
ば高さのある物品Ｄ’の収納用凹部８を形成することが
できる。以上のごとくして、形成された物品Ｄの収納用
凹部８に物品Ｄを収納した後、紐類あるいはテープ類
（図示せず）で固定すればより強固になる。又、物品Ｄ
を収納した後、箱体Ｅ等の外装体を挿入してもよい。

【０００７】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明は
次の様な実用上優れた効果を奏する。 （１）素材として新聞、雑誌、牛乳パックなどの古紙か
ら成形されたパルプモールドを利用しているので非常に
廉価で、後処理も発泡材やプラスチック等と比べ公害も
発生せず、環境によく更にリサイクル紙を利用している
ので省資源にも役立つ。 （２）パルプモールドの一部のキャップ状部の頂部を押
し潰して形成するので、物品等の収納用凹部を容易に所
定形状に形成することができる。 （３）パルプモールドのキャップ上部の頂面側を押圧す
る上型に弾性押さえ部を有しているので型離れがよく、
作業能率を高めることができ、又製品を傷つけることも
ない。 （４）上型にベニヤ板等の木材を、下型に中底圧ポリエ
チレン等を使用したので、金型費用が安くその上構造も
簡単で多種少量生産向きである。 （５）上型に所定の形状に切断する刃と、物品等の収納
用凹部を形成する押し潰し突起部を有しているので、一
工程で切断と所定形状を得ることができ、作業能率の向
上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の装置を用いた押し潰す前の状態を
示す要部断面図である。

【図２】図１の状態から上型を下方に移動させた状態を
示した要部断面図である。

【図３】本発明の製法により得られた一対の梱包用緩衝
材の間に物品を収納させた状態を示す斜視図である。

【図４】図３に示す状態を組み合わせた時の要部断面図
である。

【図５】同一形状の梱包用緩衝材の切り取り片を嵌合さ
せた時の要部断面図である。

【図６】物品を収納する場合の第２実施例の斜視図であ
る。

【符号の説明】

Ａ ‥‥ 梱包用緩衝材 Ｂ ‥‥ パルプモールド Ｃ ‥‥ 切り取り片 Ｄ ‥‥ 物品 Ｄ’‥‥ 物品 Ｅ ‥‥ 箱体 １ ‥‥ 上型 ２ ‥‥ 下型 ３ ‥‥ 刃 ４ ‥‥ 押し潰し突起部 ５ ‥‥ 弾性押さえ部 ６ ‥‥ キャップ状部 ６１ ‥‥ キャップ上部 ６２ ‥‥ 頂部 ７ ‥‥ 押し潰し部分 ８ ‥‥ 収納用凹部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 略円錐状あるいは角錐状のキャップ状部
   を、格子状に複数個連続して成形された古紙等からなる
   パルプモールドを素材として、前記パルプモールドのキ
   ャップ上部の下面側を支持する中底圧ポリエチレン等か
   らなる下型と、キャップ上部の頂面側を押圧するベニヤ
   板等の木材からなる上型で、該上型に前記パルプモール
   ドを所定の形状に切断する刃と、前記パルプモールドの
   キャップ部の一部の頂面側を押し潰して収納用凹部を形
   成する押し潰し突起部と、該収納用凹部の周囲のキャッ
   プ上部の頂部に弾接する弾性押さえ部とで物品等の収納
   用凹部を形成した事を特徴とする梱包用緩衝材の製法。